TERROR [i]

1.KAKINAGURI i
2.怪談

石井 奈々子さんの話

 某友達の、小学生のころの体験です。
 友達の家は、山の近くで、トンネルが多くあります。
 そのトンネルの中に、バカと赤いスプレーで書かれたものがあります。
 そのトンネルは、よく使う道で、毎日使っていたそうです。


 と、ある日、いつもどおりにそのトンネルを通ったところ、
 「バカ」の前で、急に足が重くなりました。
 とても恐くなって、急いでその日は帰りました。

 そして翌日・・・。
 学校で、「気のせいだよ」といわれたせいか、また、同じトンネルを通りました。
 すると・・・
 また「バカ」の前で、足が重くなりました。
 でも、そのトンネルを通らないと行くことができないところがあるので、仕方なく、友達はそのトンネルを通り続けました。
 そして、「バカ」の前に来ると、やはり足が重くなります。
 そんな日が毎日続きました・・・。

 そんなあるひ、いくらなんでも耐え切れなくなった(何せ小学校中学年)友達は、私に相談してきました。
 その話を聞いて私は、友達の誕生日が近かったので、
 「紅水晶(お守りとして売っているもの)」をプレゼントしました。
 友達は、それをランドセルの中に入れていつも持ち歩きました。
 それ以来、足が重くなることはなくなりました。

 その後、その話題をすることもなくなり、平凡になりましたが、
 「バカ」がどうなったかはしりません。
 もしかしたら消えたかもしれないし、まだ残っているかもしれません。
 でも場所を知らない私は、その場所を確認することができないので、
 その町内では、知った道しか通りません。

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