TERROR [i]

1.KAKINAGURI i
2.怪談

つかんぽぽさんの話

 あれは修学旅行の2日目の事でした。
 何処からか、友人Aが「ここって、でるらしい」という噂を入手してきたんですね。
 まぁ、後にその出所が、実はそこの従業員だったと聞きましたけど。
 でまぁ、それが火付け役になって、日が暮れかかった頃というまだ明るい時間にもかかわらず怪談話に花が咲きまして・・・・。
 ふと気がつくと、夕食の時間がとっくにきてて、
 班の人間、総勢6人は慌てて一階に用意された広間に下りていこうとしたんです。
 その途中で、部屋を出て少し先の突き当たりの窓の外に、人がいることに一人が気がつきました。
 肩のあたりまである髪と、きちっとしたブラウンの制服のような服装だったと記憶しています。
 するとその窓の向こうの人(といっても、窓から3〜5メートルは離れていたんじゃないかと思います)が、笑って手を振っているんですわ。
 それで思わず、みんな軽く会釈したり、手を振り返したりとしていたんですが・・・・・
「誰だろうね」「ホテルの人じゃないの」
 そんな会話で、みんなあっさり受け流していたようなんですが、
 ふっと、気づくと、私たちが泊まっている階って、6階のはずだったんですよね・・・・。
 無論、窓の外は中庭で、途中には何も無かったです。
 とりあえず、私は気づいた事は何もいいませんでしたけど。
 その手の話しに詳しい友人が言うには「幽霊なんて、日常何処にでもいるし、見えてもいるもんなんだよ。ただ、生きてる側がそうと認識してないだけなんだから」・・・・凄く納得させられる経験でした。

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