第1話 いつまでもつ? | 語り手: 薫さん |
これは、以前もこちらで二回くらいお話したことのある話にかぶっています。 さて、初めての人もいるかとおもわれますので、念のためにと状況説明をここに簡単にしておきます。 うちの家の近くには見通しがいいのに昔から必ず一週間に一度以上は事故を起こすクロス交差点があります。 特に数年前にその真横にアパートが建ち、またその前にどこかのお金持ちさんが大きな家をたて、しかもその壁がかなりたかく。 今では見通し的にはかなり悪くなっています。といってもそれはひとつの線のみでもうひとつは見通しはいいのです。 その交差点。なぜかまっすぐにすすんでいて、左右を確認して。きちんと車がきていないことを確かめてからでるのにもかかわらず。 なぜか車が見えないときがあります。本当になぞなのですが。見通しが悪い、といってもそれは一方だけ、もう片方はきちんと見通せます。にもかかわらずです。 これはこんな道の真横にできているアパートの話しです。 さて、そのアパートには、建設してまもなく、一人の男性がひっこしてきました。その男性はバイクが趣味でよく道路を転がしていたそうです。 それが、しばらくして、その男性がなくなりました。そして、その男性の遺骨などはきちんと家族がもってかえり、葬儀もおこなわれました。 にもかかわらず、それ以後、その男性の部屋、つまり道路に面している部屋に異変が起こり始め。 ついには、普通の入居者すらもいなくなり、貸事務所、として格安に貸し出していました。しかしそんな事務所も長続きせず、ずっと部屋は空いたままでした。 その部屋ではいまだに死んだ男性が生活しているらしく、夜にはバイクの音や下手をするとモノがとんだり。 昼間には洗濯機や風呂や水を使う音など。ちなみに、それは年を重ねた結果か。 前回か前々回にいったのですが、二階部分にまで同じことがおこりはじめ。二階のその部屋にもダレもすまなくなりました。 そして、ダレもすまなくなって数年以上が経過し。そして、何と。今年。 かなりやすかったためか、その問題の部屋にダレかがひっこしてきたのです。 ときたま犬の散歩で明かりがついているのでギョッ、としたことはありましたけど。まあ、それは大家さんが何かしたんだろう。と自分的には言い聞かせてましたが。 その人がアバートに入ったのはこの五月です。貸し事務所、の看板がきえて、生活のにおいともいえるトイレの窓などに消臭剤が。 ですが・・何もほんとうにないのでしょうか? ・・・・・・私はその人が今まで、きちんと部屋にいた、というのをみたためしは。五月の半ばに引っ越してきたらしいですけど、はじめの数日のみ。 朝早くとおっても、また夜などにとおっても、車すらももどってなくいつも真っ暗にしずまりかえっています。 さすがに気づいて不振がってもどっていないのか。 はたまた、朝はやくにでて夜遅くに帰る仕事の人で気づいていないのか。 それは意見はさまざまでしょうが。 どちらにしろ、その問題の部屋は今までも幾度もお払いなどをしているのにもかかわらずに現象はとまっていない部屋です。 さて・・。その人はこのままその部屋にずっと住み続けることができるのでしょうか? もうすぐ一ヶ月が過ぎようとしています。・・・みなさんは、その人が気づいていて住んでいるのか、はたまた気づかずにすんでいるのかどちらとおもいますか? 下手をすると・・・。夜起きたらヘルメットだけがころがってくるような部屋で・・・。 いまだに一度もその部屋の住人をみたことがない。というので私は友達とは気づいて帰らないようにしてるんじゃないのか?と意見がでています。 みなさんはどうおもわれますか?・・・もしあなたが安い物件などに入居しようとしたら?それは・・・? |
第2話 赤いクレヨン | 語り手: 遙琥珀さん |
これは、私の姉が教えてくれた話です。 ある地方都市で、新婚夫婦が家を買ったそうです。 安くて、立地条件もいい、非常に良い物件でした。 ただ、前の持ち主の生活の跡が少し残っていましたが、それも気にならない程度でしたし、夫婦はすぐにその家が気に入りました。 ところがひとつおかしなことがありました。 不動産屋さんにもらった見取り図によると、寝室の奥にもうひとつ部屋があるのですが、実際はそこは壁なのでした。 夫婦はおかしいと思いながらも、『あとで問い合わせてみよう』と言いながらもなんとなく機会を失い、ずるずると日々が過ぎていきました。 そしてある日のこと。妻が掃除をしていた時のことです。『見取り図によると部屋』の壁の前に、ぽつんと赤いクレヨンが落ちていました。 妻は、どこかにあったものが転がり出てきたのだろうと思い、それを捨てて掃除を続けました。 ところが次の日。また妻はその壁の前で、赤いクレヨンを見つけました。 妻はまたそれを捨てましたが、次の日も、そのまた次の日も、何度捨てても、毎日その壁の前にクレヨンが落ちているのです。 気味が悪くなった妻は、夫に相談しました。すると、夫は顔色を無くし、実は自分も何度か壁の前でクレヨンを見つけたことを言いました。 夫婦はとうとう不動産屋に相談しました。 そして、不動産屋の調べの結果、夫婦が壁だと思っていたのは、実は扉を塗り固めた跡であることがわかりました。 夫婦の立ち会いの元、不動産屋はその壁(と思われていた扉)を開くことにしました。 数時間の作業の後、ようやくその扉が姿を現しました。それは、小さめの、少し古びた扉でした。 夫が部屋の中に入り…続いて妻が部屋の中に入り…懐中電灯を灯し、二人は絶句しました。 部屋というより物置と言った方が近そうなその空間の床には、色鉛筆やクレヨンが散乱していました。 そして、壁には真っ赤なクレヨンで、 『おかあさん助けてごめんなさいおかあさん出してごめんなさいごめんなさいごめんなさい出して』 …と、書かれていたそうです。 |
第3話 切れていない電源 | 語り手: 朱音さん |
これは、私が珍しく早起きした時の出来事です。 私は確かその日、5時頃に起きました。 喉が渇いたので、自分の部屋からダイニングの方へ移動し、お茶を一杯、飲んだんです。 明かりといえば、冷蔵庫の中の光と、留守電の明かりと、ビデオデッキの電源くらいでした。 そこで、ふとあることに気づいたのです。 テレビの電源が、ついていたのです。 普段いくらマヌケな一家でも、テレビの電源はちゃんと消しています。 なのに、その時に限っては、何故かついていたのです。 ただ、ついていた。といっても電源の明かりがONになっていただけで、実際の画面は真っ黒でした。 恐らくいつもビデオを見るときのチャンネルだったんだろう。と判断し、普通に電源を消しました。 そして、朝御飯のとき。 私は父と母の両方に、昨日テレビの電源を消し忘れたかどうか、聞きました。 二人の答えは…「消していた」との事。 …だったらいつついたんでしょう? 一家で相談してみたのですが、やはり解からず。 とりあえずその場は「たぶん消し忘れたのだろう」という、かなり曖昧な結論で収まりました。 …本当に父と母が消していたのなら……いつ、誰がつけたのか。 それは解からずじまいです。 |
第4話 真夜中の水面 | 語り手: 青月かなたさん |
私の周りには怪談好きが多い。 学校の通学路で遠路延々怪談に興じたり、毎年肝試しを行ったりしたくらいだから、ともかく多い。 そうなってくると自称霊感持ち…というのも出てくるのである。信憑性は定かではないが。 これは、そんな自称霊感持ちの一人・友人Mとのある日の会話である。 彼女―――Mちゃんは、常日頃自分には霊感があるとか言う人だった。 「かなたちゃんさー。幽霊信じる?」 「怪談は好きだよ?」 私は基本的に、怪談が好きだ。そして怪談話を科学的につっこむのが大好きだ。 彼女は、ふぅんと答えた後、 「…私さ…前ヘンなもん見たんだー」 彼女の怪奇体験の話は、こうして始まった… 「その日ね、眠くなくて起きたんだ…」 そう神妙に呟く。 「それで…ベットでしばらくボーとしてたら… 最初はなんでもなかったんだけど…」 ふぅ…とため息をついて、言う。 「ガサガサ…って音がするんだ…」 内心風じゃないのかなとか思いつつ、雰囲気を壊したくないため、そのまま話を聞く。 「それで目が慣れてくるとね…」 「…なにもいなかった」 「怖くねーじゃん」 思わずつっこんでしまった。 「うわー。ボケにつっこまれたよ。 怖いのはこれからなんだよ?」 「で。気のせいだったんだなと思ったんだ。 でも気持ち悪いから顔でも拭こうと思って、タオルと鏡出したんだ。あ、電気つけてないからね」 ちなみに彼女の部屋はベットから届く場所に机がある。 「それで鏡見たら、さ………女の子…人が見えた…」 彼女の話によれば、開いたドアの隙間から、人影が見えたのだという。 「お姉ちゃんかとも思ったけど、朝訊くと寝てたって言うし」 その部屋は彼女の部屋の隣だ。 「お母さんも夜勤だったし、お祖母ちゃんは下で寝てるし」 切々淡々と沿う語る。 「…昔も座敷童とか見たし…最近はなかったのになぁ」 「へぇ。それはたいへんだね」 「それだけかよ」 「私、霊感ないもん」 そんなことを話しながら、そこで別れた。 鏡には怪奇な逸話がたいくんある。 鏡には、この世のものではないなにかが映るという。 その迫真力は、きっと現実以上のものを捕らえると、人は語った。 …彼女の体験を信じるかどうかは… 人それぞれだろう。 おしまい。 |
第5話 予感 | 語り手: ソエル=ルーシュさん |
小さい頃から私は勘が相当よかったんですが、初めてそれに寒気を覚えたのは小5の時でした 小5の夏休みにはいる少し前から、ずっとそんな予感がしていました 「誰かがいなくなる。故郷の誰かが・・・」 一体誰がいなくなるのか、私にはさっぱりわからなかったし、気のせいだよなと思って放っておいたんですが・・・ 夏休みの塾の研修合宿の最中 いきなり嫌な感じが強くなったんです 直後、私の名前が呼び出されて何事かと思って先生の所に言ったら、私に電話が来ているというのです 驚いて電話に出ると、父が慌てた様子で「○○じぃさん(私がさんざんお世話になったひと)が亡くなった」と言ったのです 塾の研修中ですから、お葬式も何もいけなかったのですが・・・後ではなしを聞くと ちょうど私が嫌な予感を感じ始めた7月ごろから腎臓か何かを悪くしていたとのことでした いくらお世話になってても、戸籍上は遠い親戚だったので・・・ 結局帰れませんでした 次に驚いたのは、中1の頃。 学校から家に帰るときから、妙な予感がしたのですが 割とあるんですが、塾の帰りで遅くなっているというのに、誰も家にいなかったのです。 よくあることだと思ったんですが、嫌な感じが全く消えない しばらくすると、私の伯母が家まで車できたんです 話を聞くと、私の母が急遽入院したというのです しかも、慌てて病院に向かうと、手術の時間が大幅に過ぎたというのに手術室からでてこない 父も仕事先から(かなり遠い)飛んできていて、すでに病院で待っていました かなりの時間、待った後手術は終わり緊急治療室に移されました その後、伯母と私と父で医師に話を聞いたら 母の病状だと、死ぬ人の確立は、50%もあったそうです いつショック死してもおかしくないと(流石に私がいないところで)父は言われたそうです その後、何ヶ月も入院したのですが、その途中心臓近くの大動脈に血栓ができて その血栓が取れたら、そのまま死につながるという状態までいきまして・・・ それでも母はちゃんと生き延びて、今は元気に暮らしています ですが・・・私は母が入院していたときの記憶がほとんどありません いつも上の空で魂がどこかにいっている様だと言われました。 さて、これはここまでなんですが、最近これより寒気がする事がありました いつからか、路線が大きく右にカーブしてそのかどに、白かなんかのマンションが建っている映像が何度も頭に浮かぶんだんです どこかはわからなかったのですが、どす黒いものが漂っていました ああ、そろそろ何かあると思ったら、あの電車事故でした ニュースで見たとき、流石に怖くなって厄払いか何かいこうと思ったんですが、学校が忙しく・・・結局そのままです |
第6話 妖怪見聞録 IN 韓国 | 語り手: 十叶 夕海さん |
皆様は、「景福宮」をご存知ですか? 日本の植民地であった頃の総督府があった場所の前にある建物です。 正確に言うならば、その前に、日本が建てた物ですが。 韓国ツア―と名がつくならば、十中八九行く場所です。 しかし、観光ではない場所も当然あるわけです。 先日、個人でガイ度さんを雇い戦跡を中心に回りました。 『景福宮』もその一つです。 私が行ったときは、日本や近隣の学生達で一杯で、ガイドさんとはぐれてしまったんです。 ガイドさんには、『ミンビ〈漢字不明〉』の関連の所に行くといっていたので、地図を参考に私は回りました。 ・・・・・・・そうしなければ、会わなかったかも知れないのですが。 『ミンビ』といえば、日本軍に暗殺された韓国の王妃様です。 お墓も 景福宮の敷地内にあるわけで・・・・。 私は、そこにも行ったんです。 そこで、白のチマ・チョゴリの女性がいました。 〈観光客相手の人かな〉 と思い写真をお願いしようとしました。 「すいません。 写真いいですか?〈たどたどしい朝鮮語〉」 『日本人?〈韓国訛りの日本語〉』 「」は、朝鮮語。『』は、日本語。 「そうですが。」 『王妃様殺した係累?』 「いいえ。 家族は海外行ってないです。」 私は、否定しましたが、女性は私の上に馬乗りになり首を締め始めます。 【そんなことして何になるんだ。】 マスコットに変身してもらったこのめは、念話で言いますが、女性には通じません。 しかも、女性といってももう老人といっても差し支えない外見です。 【お婆さん。 貴方の時代は終わった。 もう、鬼(クイ)・・妖怪になりかけてる。 ちゃんと、成仏するか、浄霊すれば、また王妃とやらに会えるはずだ。 除霊だったら、会えないぞ。】 私が、そう念話で伝えると、私の意識が無くなる前に、女性は消えました。 その日の晩。 やっぱり、このめに怒られた。 しかし、女性が成仏する夢を見たので、多分女性は成仏したのだろう。 おしまい。 |
第7話 ハチ | 語り手: くれつきさん |
私の職業は、ちょっとばかり変わっておりまして。 僧侶、です。僧侶が怖い話、なんて言えば霊のことかと思われますが・・・あいにく私には霊感というものがまったく備わっておりませんので・・ そういう世界ではなく、現実世界での仕事の話をちょっとします。 確か季節は7月初め・・・ 100歳になるおばあさんが亡くなられました。 うちは田舎ですが、そのおばあさんの家はもっと田舎でして・・ 都会での葬儀は今ではほとんどが会場を使って行われると聞きましたが、田舎ではまだまだ自宅葬のところが多いのです。 そしてうちらの地域の葬儀は、お坊さんが3〜5人ぐらい行きます。 私の役割は、導師と呼ばれる、まぁ、きらびやか?な法衣を着る人のお手伝い(小僧さん?^^;)で、葬儀の間はその家の縁側で鐘を叩いたりするものです。 さて、葬儀の時間となり、車で走ること20分少々、田舎の田舎の、ほとんど山の合間と言えるそのおばあさんの自宅へ着きました。 そんな田舎でもしっかりと葬儀屋さんはいるもので・・・仏間を開け放したところにしっかりと祭壇が組まれ、そこに沢山の花がありました。 うちの地域は火葬が先なので、お骨を祭壇に置き、その周りに沢山の花が置いてあるのですが・・ いよいよ葬儀が始まったとき、ふと、その花のところに黒い何かがいる・・ということに私は気付いてしまいました・・・ よく目を凝らすと・・・ハチです。しかも2〜3センチのちょっと大きめの黒い丸々太ったハチです・・・ どうもそれまで雨が降らず、自然の花が枯れかけてしまい、花に飢えたハチがやってきたようなのです。 さすが山。。と内心突っ込みを入れてたりしてたところ、いつの間にかハチは姿を消していました。 そして最初のお経が終わった頃・・何気なく私は自分の近くにある花に黒いものがあるな。。まさか・・・と思ってそれを見ました。 やっぱりその黒い大きめのハチでした。 「うわっ!!!」とハチが大嫌いな私は内心焦りつつ・・・祭壇の奥の花を見ると・・・ そこにもいるのです。 「え?!?!?」 ・・・嫌な予感がしました・・・ よくよく見れば、あちらこちらと、だんだんハチの数が増えてきているのです。 他の人は慣れているのか気にしてないのか気付いていないのか・・・誰も気に留めません・・(ーー;) 嫌な羽音が近付いては遠ざかり・・・を繰り返すこと30分・・・ (私にとって)恐怖の葬儀がやっと終わりました・・・ 攻撃的なハチではなかったからよかったですが、誰も刺されなかったことにちょっとホっとしていました。 もう、あぁいう目には遭いたくありませんが・・いかんせんここは田舎・・・ やっぱり私もなれないとダメなのだろうかと、ビクビクする日々であります。。 おわり |
第8話 手 | 語り手: 朔羅さん |
ある日、夜遅く(といっても12時程度ですが)に、本を読んでいたんです。 すると何故か冷蔵庫から変な音がしたんです。 始めは製氷機の音かな?と思っていたんですが、どこか音が違うんです。 普通は「カラカラッ」という音ですが、その音は明らかに「ガタガタッ」という音でした。 怖かったんですが、少し躊躇った後、冷蔵庫の中をのぞいてみたんです。眠れなかったので。 でも中は普通の冷蔵庫で、入っているものも前見たときと変わりませんでした。 でもまだ音がするのです。そのとき、やっと気付きました。音の源が冷蔵庫の下であることに。 のぞいてみると、血にまみれた(ように見える)手が一本、人間では出来ない動きで蠢いていたんです。 とにかく怖くて、急いで自分の部屋に戻って、鍵を閉めて寝ました。 後日聞いたのですが、私たち家族が住む前に住んでいた人が、冷蔵庫の下敷きになって亡くなられたそうです。 その人はとてもピアノが上手かったそうです。もしかしたら亡くなられた後もまだ、冷蔵庫の下でピアノをひいていたのでしょうか。 |
第9話 死神 | 語り手: 月読乾さん |
では、今年もいくつか僕の知ってる話を始めさせてもらいたいと思います。 その前に、僕自身は恐らく、くれつきさん同様霊感はあまり無い人間だと思ってますが… 唯、その癖昔から人一倍そう言うものに恐怖を感じるのも事実で… 特に、今でも「稲荷は良くない」と言う話からそう言うところに近づくのを異常に警戒してます。(お守りは外出の際に必ず持って出かけます。) で、僕はともかく隣町に住んでて、たまにお酒を一緒に飲みに行ったりする友達は霊感が強いらしく… この間、電話してて「夜中にこういう話をすると悪い物が寄ってくるから…」とたしなめられました。 実は、ここ最近「息苦しさ」を感じてます。 これは、僕に元々メンタル面での軽い病があるからそうなってるのか、それとも、本当に「悪い物」が僕に憑いて来てるのか… とりあえず、そう言うことを心して本題に入りたいと思います。 題名は…そうですね。「死神」とでもするかな? 主人公にになるのは偶然にも、今言った僕に色々と忠告してくれる霊感の強い友達(ちなみに彼は極めて常識人。僕の知る限り、嘘を言う性格でもありません。)と同じ、看護士なんですが… ひょっとしたら、その友達も病院で働いている関係で、いくつか「見なくていいもの」を見てるかも知れません… でも、まあこの話に比べたらまだ彼はマシなのかも知れません… 何故かって、今から話す看護士の女性はもっと見えてはならない物が見えてるのだから… その看護士の女性は、一見すると普通の人です。 でも、実は「ある物」に怯えています。 その日も、彼女は友達と食事に行きその帰りにコンビ二に寄って、友達はトイレに行ってました… その友達が出てきた時、その人の周りに浮かぶ白い靄の様な物… それこそが、彼女が見ることが出来てしまうもの…「人の死期」です。 彼女は、必死にこの数日間充分に気をつける様に友達に言いました。 しかし、数日後にその友達は結局交通事故で亡くなってしまいました。 彼女が見るから、人が死ぬのか…人が死ぬから、彼女に見えるのか… 少なくとも、彼女が「死期」を見た人間は必ず死んでしまうそうです… 彼女にそう言うものが見えてしまうことは一部の病院の関係者も知っていて… それで、彼女が「見えてしまって」も、どうする事も出来ずに患者さんに接する事しか出来ないそうです。 そして、彼女はまた一人の人の「死期」を見てしまった… その相手は、他ならぬ自分の勤める病院の院長先生… 彼女は、その事を院長先生に告げ… 院長先生も静かに頷くだけだったそうです… そして、その数日後、院長先生も容態が急変し亡くなりました… 彼女は自分の知人が亡くなる度に悲しみに暮れる日々を送ってきました… そして今、彼女は絶望とも解放とも言える状況に居ます… 何故なら、今の彼女が見ている「死期」は他ならぬ、自分自身の「そう遠くないうちに」訪れる死期なのだから… そして、今彼女がどうなっているのかは僕は全く知りません。 この話はこれで終わりたいと思います。 最後まで聞いて頂いてありがとうございました。 |
第10話 半透明 | 語り手: 朔羅さん |
この前、結構うそつきの友達の家に泊まったんです。 泊まることになった一ヶ月前に、その友達が「うちって鬼門だから、結構幽霊っぽいの出るよ」って言ってたんです。 半信半疑だったけど、ワクワクしながら泊まりました。 夜になって、急に目が覚めたので、トイレに行きました。そしたら、廊下の向こうに人がいるんです。 家族さんかな?と思って、一応軽く頭を下げて・・・、頭を上げた瞬間に気付いたんです。 その人は、半透明でした・・!! とりあえず友達を起こして、事情説明をしました。彼女は、ただ「『うちって鬼門だから、結構幽霊っぽいの出るよ』って言ったじゃない。」と、言いました。 終わりです。 |
第11話 山の中には・・・ | 語り手: 薫さん |
お墓。それは昔からあるもので、古いものなどはすでに誰のものともわからないほどに、土に埋もれてしまっています。 それらは無縁仏、としてそのままお墓に存在していますが、墓参りのときにはそれらには十分に気をつけなければいけないもののひとつです。 さて、話はかわりますが、そういったお墓・・というののもは、昔ながらのもの、となれば 山の中が主にもっともポビュラーです。 ゆえに、その周辺など、年月がたっているがゆえに、いろいろとあります。 ある墓のそばでは、墓参りにきたのか、そうでないのか、その横の木で首をくくったりした男性や。 一家心中してしまい、いまだにその場(廃墟)に居残っているらしき人。 昔から成仏していないのか、それらは昔から、墓参りに来る人に、そこには近づくな!と暗黙ながら代々語り継がれています。 ここにひとつの例を紹介しましょう。 昔、一人のお婆さんがいました。そのお婆さんは家族と一緒に住んでいましたが。あるとき家族がいなくなり、おばあさん一人になってしまい。そのままそこで一人さみしくしんでしまったそうです。 そして、そこにはそのお婆さんが買っていた鶏小屋と、ぼろぼろになった家がまだのこっているのですが。 そこに近づくと必ず、特に家族連れなどが近づくと、白い髪をしたお婆さんが、道端にたっているそうです。 聞いたところによれば、追いかけてくるとか何とか・・ なのでその近くには絶対に近寄らないように!と知っているものは家族に忠告をいまだにしています。 ・・・そのお婆さんは、今でも家族を捜し求めているのでしょうか? 終わりです。 |
第12話 金縛り疑惑 | 語り手: 青月かなたさん |
これは、私の学校で、泊りがけの学校行事があった際、友人から聞いた話です。 私たちは海沿いの旅館に宿泊していました。行事の雰囲気は修学旅行に近いです。 建物はそれなりに年季が入りゴキブリに遭遇するなどの恐怖体験も味わえました… 夕飯後、部屋に戻った私たちの班は、雑談に興じていました。 私が、「絵の裏側に札が張ってある部屋って出るらしいよねぇ」「夜の海辺沿いって心霊話良く聞くよねぇ」とか言っているうちに、友人の一人が言ったのです。 「うち合宿で一回それっぽいの見たことあるぜー」 彼女は、どちらかといえばそういう類の話に否定的で、私と違い特に怪談を好むわけではありません。また、自称霊感持ちというものでもありません。だからと言って信じるわけではありませんが、興味が湧いたのは事実です。 「じゃあ聞きたい」 他の二人は怖いから止めてくれといいましたが、彼女の話ははじまりました。 彼女は仮にYちゃんとします。 「おれ昔テニスじゃん。部屋は学年ごとだったんだ」 それは彼女の中学二年の時の体験だそうです。 「皆寝た後に夜中に起きちゃたんだよ。それで金縛りにあった。 最初は疲れたんだと思ったんだ」 それはあくまでさらりと告げられました。 Yちゃんは信じない派なので騒ぐのは馬鹿らしい…だそうです。 「…というか疲れてるんだろそれは」 「けどさー。布団の上に男が乗ってたんだよ? それ朝話したらヤバイとか言われて…」 あくまで軽いノリの私とYちゃん。 「え? 夜這い?」 冗談交じりで他の友人が言うと「普通にそれの方が怖い。つーかありえねぇ」とYちゃん。 「ところでさー。朝どうヤバイって言われたの?」 「あー。なんか、そこって出るって噂あったんだって。男の子の幽霊」 男と評したけれど、それはたしかに子供らしいところがあったそうです。 「たしかにヤバそうだね」 「うん。じゃあ金縛りだったんだなーってことで話が落ち着いた」 それが、Yちゃんの金縛り体験と思わしきものの全貌です。 その後、寝れないだの怖いだのと騒ぎながら、無事に就寝しました。 ちなみに…その時は誰も妙な体験がなかったことをつけ加えておきます。 彼女の話が本当なのかは本人にもわかりません。 けれど不思議なことは常に隣にあるのだな…ということです。 これで話はおわりです。 |
第13話 新能力開発? +戦争のこと+ | 語り手: 十叶 夕海さん |
今回は所謂二部構成です。 皆様は、霊能力と聞くと何でもできる魔法みたいなものと思っていらっしゃるかも知れません。 しかし、霊能力は次のように分かれてます。 『見』る・・・・霊体を見ること 『聞』く・・・・霊体の言葉を聞くこと 『話』す・・・・霊体と会話すること 『送』る・・・・成仏させること そして、『読』むことの五つに分かれています。 大抵の人は、最初の四つの中でひとつが得意いう人が殆どだそうです。 私が知っている限りでもそのようです。 私は、薄く広く全部が平均程度でした。 しかし・・・・・ しかし、この間の春休みのことです。 女の子の日がしばらく来ない日がありました。 それが終わった後、『ある条件』でのみ『読』むことができるようになりました。 その条件とは・・・・ ≪その場所で人の手による大量死がある場合≫ 私の物語の原動力の戦跡めぐりには大変都合が悪いです。 そもそも『読』むとは、ニュアンス的にはサイコメトリに近いもので、私のは、その条件の状況を追体験することです。 そう認識する前の話が、今回の二部です。 今年のGWのことです。 仲のいい大学の男友達・・・・仮に赤木にしときます。 髪の毛を赤く染めていて、期のようにひょろりとしているからです。 彼に誘われて、沖縄食い倒れ&沖縄戦戦跡めぐりをする為、沖縄に行きました。 食事には、当然沖縄料理。 おやつには、紫いものシャ−ベットなど、沖縄を満喫しました。 戦跡のほうは、一通り有名どころは回りました。 一番最後の日に、その近くの米軍横流れ品?の店をゆっくり見るために≪ひめゆりの塔≫を訪れました。 この場所そのものではないのでしょうが、ひめゆり隊の95%は、現在にいたる間に死亡しております。 90%は戦争ででしょうが。 中を回り、終わりの方に隊員の写真と何処で亡くなったかなどが壁にあり生き残りの体験記が並べられ、一番大きな壕の実物モデルがある部屋でのことです。 そこで、いろいろな映像を見ました。 ある女性とが逃げる様子−。 ある女性とが女性としての尊厳を消される様子−。 ある女性との友人が死んでいく様子−。 ある女性とが自決しようとする様子−。 私は、そこから赤木に抱えられるようにして記念館を出ました。 「こいつ、神経細くって、このナリで・・・」 など言うのは聞こえていましたが、我に戻ったのは近くの土産屋の畳の上でした。 後日、中学校からの女友達いわく 「『読』む力よ。」 それ以来、赤木が幾ら誘っても国内海外問わず戦跡めぐりは断ってます。 それ以外は結構良いやつなんですが・・・・・・・ 終わります。 |
第14話 思念。闇。渦巻くもの | 語り手: ソエル=ルーシュさん |
私が初めて強くそういうのを感じたのは小五の時の鎌倉見学(?でした。 班ごと(四人)に別れていくつか見学するんですが、寿福寺に向かってる途中なんか気持ち悪さ+寒気を 感じたんです。 で、「何か嫌ここ・・・」って思わず言ったらたまたま同じ班に霊感がある男の子がいまして。 (それまで知らなかった)「あぁ、幽霊いるよねー」と言ってそことそこって感じで指差して、どんな風かいったんです。(女の人の上半身、たくさんの手だったような 私は全然見えなかったんですが、ちょうどその子が指差した辺りが「嫌な感じ」と思ってたんです。 私は全然見えなかったんですが、ちょうどその子が指差した辺りが「嫌な感じ」と思ってたんです。 怖くなって急いで寿福寺に向かいました。逃げれば平気かと思ったんです そしたら、その子が寿福寺のお墓の脇にある裏道を通って次の源氏山公園に以降って言い出したんです。 私はさっきよりもはるかに強く嫌な感じはするし、「やめとこうよ」といったんですが他のメンバーは面白がって賛成してしまい・・・。 結局山道のようなところを登ってったんですが・・・山道の終わりに「来るな!」というのを感じたんです。他にも「近寄らない方がいい」「来ないほうが身のためだ」というようなのがどんどん頭に入ってきて・・・ざわざわと変な感じがしました。 声が勝手に入ってくるという感じで・・・変に生暖かい風は吹くし・・・ それでも置いてかれるので頼朝の像までいったんですが・・・気持ち悪いの何の。悪寒が止まらないし・・・。動けないくらいひどかったと思います。何よりすっごい怖かった。威圧感というかなんというか・・・ 気持ち悪かったんですが、これ以上いるとやばいと思ったので、メンバーを引っ張ってさっさと降りたらマシになりました。その後鶴岡八幡宮にいったらそこは流石に清められているのか全快に近かったんですが・・・ その後の・・・法華堂跡が問題でした。 ここもまぁ「来るな」の連呼だったんですが・・・学校でいけといわれたのでいきました。 そこには先に着いた班がたくさんいて、端のほうの階段を2・3段上がったんです。 階段にきっちり足がついて、どう考えてもこける体勢ではないのに体がぐらついて、思いっきりこけました。 何かにひっかかった感じがしたんですが、足元を見てもそんなものはなく・・・気にせず階段をあがって頼朝の墓で写真を撮ったんです。 そのとき幕というか壁のようなものを感じて、一定以上近づけなかったんです。 何人か人がいたんですが、どうあがいても前にうまくいけなくて・・・。あいたと思ったら誰かが入るの連続。墓がやっと見えたのは脇からむりやり首をつっこんだとき。で、腕を伸ばしてしゃしんをとったんです。 墓が見えたのも一瞬で、そのまま押し出されるように階段を下りたんですが・・・ どんっと何かに後ろから押されたんです。 今度はかなり派手に転んで・・・何段おっこっただろ。とにかく、血がだらだらで結構ひどかったです。 で、後ろを見ても私を押せそうな人はいないし・・・なにより、体全体を押し出されたという感じでした 家に戻ってできた写真を見ると、全体に白と赤の布・・・垂れ幕のようなものがうつってました。そして、気になって父に聞いてみたんです。私の父は私よりはるかに力も強く、徐霊なんかもしてましたから。 その父の話だと、私の一族は昔、鎌倉幕府をつぶしにいったそうです。 新田義貞につかえていたらしいです。うちの家紋も三つ鱗といってそのときにもらったと。 そして。私の一族で直系にそこそこ近く力が強いのは今父しかいないとも聞きました。もともとうちの一族は相当少ないんで・・・ 次は修学旅行で日光にいったときです。 まず・・・華厳の滝。 これは相当やばく・・・いるのがわかるどころか大体の形までわかりました。 しかもなんかよってきてたらしいんです なんかずーっと気分が暗く、憂鬱状態。 宿がこれまたすごくて、ここにもきっちりいてもうひどかったです。 なんかラップ音はするは・・・その時の写真見ると例外なく丸いのがうつってます。 最高十何個うつってました・・・。無論ろくに眠れず・・・バスの中で寝る始末。しかも私がそういう感あるの知って、クラスメイトが面白がって一緒にとれるかなといって写真とったり、どういうのか聞きだそうとするは・・・ 家に帰って父に片っ端から落としてもらいましたが・・・最悪でした。が、その後何故かそういうところに行くと、いっつも連れてくるようになりました・・・。 その後も、そういうところに幾たび勘やら力やらそういうのが強くなるようになりました。しかも、加わったらそのまま。皆さんも、感じ始めたらそういうところに近づかないように・・・。うっかりすると思念やそういったものに引きずり込まれますから。 終わりです。(題は適当です・・・ごめんなさい |
第15話 トントン | 語り手: 焔の君さん |
私には時折人が話してないのに自分を呼ぶ声が聞こえたり、呼びかけてないのにその人が振り返ってきたりするというようなことが多々あります。 そして、このごろ増えてきたことがこのトントンなのです。 ラップ音かと思えば、ちょっと違います。まあそれに近いんでしょうが・・・・ 実は前同じような体験をここで話させていただいています。あのときは百物語が終わって後の窓をたたく音でした。 今回はちょっと場所が変わります。 場所は・・・・合宿場でした。寝ようかな〜と思って横になって・・・・窓の方からトントントンと。 誰かのいたずらかと思ってひとまず出入り口を見たんですがだーれの姿もありません。後日ある部屋でみんながトランプをしていたことを聞きました。 はじめに思ったのはいたずらかと思ったんですが。その次に思ったのは前回と同じような虫があったのではないかという音。ひとまず持っていた懐中電灯で照らしましたがそのような物体は全く見あたらず、とどめを刺すようにそれから音は聞こえませんでした。 まあそういうこともあるかな〜と忘れかけていたついこの間。 また聞こえたんですね〜これが。今度は自分の部屋じゃなくてリビングで・・・・ 時刻は午前二時。気づけば真っ暗、ついでに妹と母さんはすでに布団の中。 場所は・・・・PCがおいてある目の前の窓・・・・ 一回だけのコンコンでしたが。まあその時の恐怖といったら・・・・(ちなみにその窓の向こう側にはちゃんとお墓が見えてます) 急いで電源を切ってひとまず自分の部屋までの照明を取って部屋に逃げ込み寝ました。 今のところあれから後に聞こえてはきません。 ですがこれが何時もなるということがないことを祈るだけです。 終わりとさせていただきます・・・・ |
第16話 あなたの土地は? | 語り手: 薫さん |
土地。それは絶対に欠かせないものです。家を建てるにしても、アパートを借りるにしても、必ず土地はつきものです。 ですが、地域によって、土地の特性、というのもあるのもまた事実です。 それをきちんと知らずに家をたてて、大事になったり。という話もよく「恐い話」などで耳にします。 あなたは、自分が住んでいる土地の言われなどをしっていますか? 私がすんでいる場所は。昔。川の一部であり、沼地になっていたような場所です。 昔は、よく川が氾濫したときなどは、その盆地のようになっている沼地に、人が流れ着き、この地は水死体などであふれかえったそうです。そんな土地柄です。 ゆえになのか。ここに昔から住んでいる人たちのうわさに、こういうものがあります。 雨の日などによる、外にでたら、必ず水死体の幽霊と遭遇する・・という。 それは、幽霊、とはわからないらしいです。ただ、血の気のない顔であるいているとか何とか・・・ そして。この地が埋め立てられ、人が住むようになり、開拓するのに初期にはよく人の骨などがでていていたがためなのか。 はたまた、土地を埋め立てしても、一度か二度、やはり川が氾濫してここがまた死体が流れ着き、小学校などのグランドが死体置き場になったためなのか。 盆が近づくと、絶対に定番ながらも川には近づくな。とはいわれてます。これはどこでもそうでしょうが。もうひとつ。 盆の夜、特に雨の日の小学校などにいくと、大体姿が透けているような人影らしきものを目撃したそうです。 そのためなのか、そうでないのかわかりませんが。うちの地域の盆踊りは毎年小学校で行われています。神社などがあるにもかかわらず・・・ 今でもそれはあるのかないのかわかりません。小学校は建て代わりましたし。ですが・・・。ここに死んだ人が流れ着いたことがある。というのは事実なのです。 皆さんが住んでいる土地はそういうことはありませんか?もしかしたら・・もっとひどい事実があるような場所なのでは?土地というものは、必要ながらもわからない場所、といえばそれまでです。 移り住むときには、よく確認してからにしたほうが無難かとおもわれます。 終わりです。 |
第17話 ご近所物語 地獄のネコババア編 | 語り手: 特に菜塩さん |
これは、仕事先の派遣社員『ピンキー吉田さん(仮名)』 が実際に体験した普通に怖いお話です。 その人が車でドライブに行ってたわけですよ。彼女と。 そして、調子乗って飛ばしてたら…… ネコを轢き殺しちゃったそうなんです 当然デートは崩壊、散々な目にあったそうなんですけど この人は頭が弱いらしくて…… 近所の人にこのコトを「ははやっちゃいましたよ」的なノリで言っちゃったら 近所のネコに餌やってるおばちゃんが怒り狂っちゃって その後はピンキーは近所住民の大幅なイメージダウンに苦しむことに その人が言うにはネコババアにゴミ捨て場で…… ……殺してやるからねっ…… って囁かれた時は本気で怖かったって言ってました。 オチなくてスイマセン。 追記:ネコの御遺体は路上に放置。 ニャンコのご冥福を心よりお祈りします。 THE BAD END |
第18話 すごい嘘っぽい話 | 語り手: 一坪さん |
これは、自分で言うのもなんですが、あまりにも嘘っぽいのでログに載せなかったお話です 中学生の頃、心霊関係に興味があり、いろいろその手の本を読んでました 夏休みの自由研究で心霊研究やってクラス代表になったり で、読んでた本の中に幽体離脱のことを詳しく書いたものがありました そして、その本にはズバリ幽体離脱のやり方が書いてあったのです 体験談とかではなく「やり方」が そのやり方とは、寝ているときのある状態になったとき、それを実行すればできるというモノでした 真似されたら困るので具体的には書かないでおきます たぶん、誰でも経験したことがある状態とだけ言っておきます で、まあ、試してみたかったわけです が、誰でも経験があるぐらいの状態といえど、簡単にその状態になれるわけでもなく 2ヶ月ぐらいかな? ようやくその状態になったのです 待ちに待ったチャンス! 私はその方法を試しました 方法といってもトランス(体が動かず意識だけ起きてる、金縛りの)状態なのでやるのは念じるだけなんですが で、何度も何度も念じていたら、足の先がゾワっと来たのです 下敷きを擦ったときにできる静電気のような感じです 体の感覚なんてまったくなかったのに急にその感覚が来たのでびっくりし、目が覚めました これが1回目 不思議なもので1回経験すると、すぐに同じ状態を経験することになりました ようするに数日後には試すことが出来たのです 2回目。といってもやり方は同じです 今度は全身が静電気に包まれたような感じになり、やはり驚いて目が覚めました 次こそは幽体離脱しようと、その数日後、3回目です 全身が包まれた状況で必死に体を動かそうとしました すると左手の肘から先が、ふっと体どころか布団まで抜けた感覚がしたのです そこで目が覚めました で、4回目、ついに気づいたら目の前に天井がありました。が、天井は抜けれず目が覚めました ここまで来ればもうマスターしたも同然、というわけで5回目です 例の状態になり、全身が包まれた感覚になり、「さあ抜けよう!」と思ったときです 頭の中に「ダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメダメ」って声が聞こえたのです ヘリウムを吸ったような甲高い声でした まったくの予想外のことで怖くて目が覚めました 今度は、その声が何だったのか気になり、またその状態になりました また声が聞こえました。今度は逆にテレビで音声を変えたような低い声で「逃げるな、宝よ、逃げるな」と これは、さすがにシャレにならないと思い、すぐ目覚めました これだけはっきり聞いてしまったので、もう幽体離脱を試すのはやめることにしました が、すでに体にクセが付いていて、その後数年間、その状態に陥ることになります その状態になる度に、今度は目が覚めるまで必死に「起きろ起きろ」と念じることになるのでした おわりです |
第19話 最悪の体験 | 語り手: ソエル=ルーシュさん |
これは、私がまだその手のものは見える寄って来るだけで全く払えなかった時の話です 修学旅行で(毎年ある)今度は京都でまずいと知られる化野に行ったんです。 私はこれの一年前、家族と一緒に京都に旅行にきたんですが、その時は車で通り過ぎるだけで気持ち悪くなるという始末でした。 修学旅行の予定見て私は思わず「ふざけるのいい加減にしてくれーーーー!!!」と心の中で叫びました。 そして私が持ってるお守りの中で一番強そうな鈴(勘)を持っていきました。 化野では、ありえないことに班の集合なんぞというものをしました。 私はどんどん寄ってきて気持ち悪くなるというのに、 先生たちは呑気にこれからの予定などを説明していました。 鈴を手に持っていても耐え切れず、先生に訴えて化野から離れました。 が、いくら歩いてもほとんど離れず、ずっとついてくるのです。 しかも、すさまじいのが・・・。邪悪なんてものじゃないです。 鈴を耳元で鳴らしても、気休めにもなっていない状態で・・・ それどころか、そこら辺にいるのまで寄ってきているようでした 班の人には悪いと思いましたが、私は必死でお守りを握って逃げました。 しばらくして、別の寺に駆け込んだら大分取れましたが・・・その後もうろちょろしてました。振り返るともやもやと通ってきた道に黒いのがいました・・・。(輪郭すらわからない 家に帰って父にもちろん祓ってもらいましたが、その後の父の台詞が「魂半分くらい抜けてたから戻したよ」でした。 流石にこれは驚いたんですが、自分でも生気がどこかに引っ張られてるというのはわかってました。というより、くっついてきた連中に吸い込まれてるような感じでしたが。 そんな体験したのは化野の他ではありません。数も邪悪さもしつこさも、半端ではありませんでした。 寺の関わりが強い祖母に聞いたところ、あそこはもう長い間清めていないらしいです。 先代のお坊さんがなくなった後、まともに祓える人がいなかったらしくて。 結果、誰も手をつけられないぐらいに悪化したようです。 たぶんあれ、十何人という単位でやらないと清められないんじゃないかと・・・ 皆さんも気をつけてください。あれは、霊能者でもさばききれないと思うので・・・。 絶対興味本位でいかないことをお勧めします。その辺にいるのとは年季が違うようなので。 最後に。これは私の意見ですが、絶対に自分の力は過信しないでください。 年季の入ってる連中はご神体に入ってるのと同じくらい力を持ってるみたいです。 うかつに喧嘩は売らないほうが吉です。 そして、見えないからといっても化野はみたところ、普通の人にもくっついてくみたいです。 注:祖母が説明した寺とは化野の念仏寺のことです。 終わりです |
第20話 あなた誰ですか? | 語り手: 焔の君さん |
これはついこの間(ホンの3日前ぐらい)のことです。 僕は東京の方に遊びに行き、その帰りの最中に箱根の関に行ったときでした。 嫌な予感というかそういうものはあったんです。暑いのにどこか寒いって言う感じで嫌だな〜とは思ってたんですが時刻は昼間。まあ何もないと思ってたんです。 おみやげを見ている最中でした。キーホルダーがなったような音がしたんですね。 ちなみに僕は耳かきを掴んでいたので音なんて出ないし他の人もそういうおみやげを見てなかったんです。反射的に僕は目の前を見て・・・・ そして、目の前のガラスに映った自分の背後にいるどなたかの影・・・・ 父さんだと思ったんです。父は人の背後に忍び寄り、脅かすのが好きですから・・・・ まあその時点でおかしいと気づけば良かったんです。父は髪の毛がないのにその人影っぽい人は黒い髪でしたから・・・・ ひとまずぱっと後ろを振り向いたんです。ついでに突きを出して父を殴るつもりで・・・・ 結果から言いましょう。僕の突きは空を切りました。 何もない空間に僕は突きを出したのです。よく見れば父は遠くのパネル説明を真剣に読んでました。 周りには誰もいませんでした。 妹にどうしたのと言われるまで呆然とするほど僕は固まりました。 今まで音は聞くことが多かったです。 ですが気配と姿っぽいものを見たのはたった一度です(それも最初だけ) いい感じで終われなかった東京旅行でした。 終わりです。 |
第21話 食材 | 語り手: 薫さん |
今、どうやら自分たちがいるのは、どこかの田舎か、またはどこか別の国らしく、周りはとてものどかな景色がひろがっています。 そして、なぜかそこでは、排気ガスがでるから、といって交通手段は馬とかのみで車はいっさいとおっていません。 そして。そんな中。友人たちとともに、一軒の食堂でご飯をとることにした私たち四人。 そこで、よく意味不明な文字がかかれているのでとりあえずお勧め料理をたのみました。 でてきたのは、何とよくわからないゼリーのような物体。しかもかなり大きな・・しいて表現するならば、何かの巨大なゼリーもどきの包み焼き?といったところでしょうか? 色はオレンジです。 まあ、せっかくだし。話のネタにたべてみよう。といい、手をつけると。そのゼリーの皮の中には柔らかな白身のようなものがつまっています。 これは何か、ときいても、店の人はにこにこするばかり。そして。 いざ代金を。というときになり、その代金がとてもたかく、私たちはおもわずびっくり。すると、お金がないのならそれでもいいから、かわりに食材をとってきてくれ。とのこと。どうやらそのお勧め料理はかなり高いものだったらしいのです。 味的には、何というか・・・白身魚のような、それでいてかにのような…。とてもかわった味でした。 で、店の人を一人ガイドというか案内にとつけて、私たちはその食材をとりにいくことに。 「いたよ?」 「「・・・・・・・・・・・」」そういわれ、私たちの目は思わず点。 そこにいたのは、何と一抱え以上はあるであろう、巨大な七星テントウムシ・・・ しかも、それだけではなく。何やらその横には人間の大人くらいはあるのでは?というような巨大な黒い塊の姿もみえています。 「あれと、あれと、あれをとってね。」そういわれても、どうすればいいものか。 テントウムシ・・・はまあ、とにかくどうにかなる・・かもしれないとして。示された黒い物体は・・ ・・どうみても、巨大なカブトムシやクワガタムシです・・・ しかも、武器、なんてものはなく手づかみが基本とか。 私たちがとまどっていると、どんどん何やら太陽の光がさえぎられ・・・ ふとみあげれば、そこには、数十匹はいようか、というような巨大なムシたちの群れが・・・ 「あれ全部食材だから。がんばってね。あ、あれら肉食だからたべられたらそのときであきらめてね。」 案内の人の何とも薄情、ともいえる台詞です・・・。私たちはどうすればいいのか、もはやもうパニック状態。肉食・・ということは、たぶん私たちをあれらは狙ってきているのかもしれません。ですが、だからといって代金を払わない・・というわけにもいかず。しかたなく、私たちはジャンケンで捕らえる獲物をきめることに・・・ じゃんけんをし・・・。私の担当は・・なぜかくわがたに・・・ 小さいくわがたとかなら手づかみはよくしてます。というかなれてるからいいものの。こんな巨大なものをどうやって・・というか、はさまれたらおわりでは・・・。そんなことをおもいつつ、とにかくわがたのいる土手を降りていきます。 そして・・・。目の前でみると、やはり大きい。どうみても自分の体よりは大きいです。 おそるおそるちかづきます。相手は後ろをむいている。今がチャンス。そうおもい。 と。がささっ!! 何か後ろで音が。 恐る恐るそちらを振り向けば・・そこには、もう一匹のくわがたが・・・ はさまれました。完全に。逃げようにも、くわがたは、こちらをむいて、その牙をむけてきています。逃げようにも足がうごきません。そんなとき・・。何やら悲鳴のようなものが耳にと聞こえてきます。 そして、何とも、案内の人の「あー。今回の人もだめか。」というような声とともに・・。何かが空より落ちてきました。 みれば・・それは、どうみても、ずたぼろになった友達の体の一部です・・。それが続けざまにぼとぼとと。まず、左手首に右足のみ。といった感じに数個落ちてきたのです。 声もなく、ただただ叫ぶしかない私は、とにかく、その場から逃げ出すしかない、とムシがそちらに注意をむけたときに走り出しました。・・・が。 何か後ろから強い力で引っ張られるとどうじに・・すこし間をおいて、するどすぎる痛みまでもがおそってきました。ふと視線をおとせば・・。くわがたの歯が腰にとくいこんでいます・・・ そして、そのまま、私はひっばられ・・・意識はあるのに、そのまま、強い力で体を砕かれていきます。普通は即しだよな?とかなぜかのんきなことを思っている自分もいたりしましたが、それはパニックからの影響でしょう。 まずは、お腹の辺りが切り裂かれ、その切り裂かれたところから、何やら肉や血をすすっているムシの姿。それとは別に横たわっている私の横には他にもムシがやってきてたむろして手足を切り裂いたりかじったりしています。 そして・・・。この旅行で知り合った友達の一人が何やらがけの上にやってきた気配にそちらをふりむくと。 何やら案内の人とにこやかに話しているのです。その会話の内容がというと・・・ 「食材用の食べ物、今回は少ないけどたりるかな?」「まあ、結構自然目当てで観光客もくるからねぇ。いつも事故ですませられるし。」とかいっている声が・・・ 「・・たすけ・・・」声はなぜかまだでます。すでに体はほとんど食べられていっている、というのに。 「世の中弱肉強食だよ。○○ちゃん。」とかいってきて笑っているその女の子・・・。そして。「今回もご苦労さま。」「ありがとう。おばさん。これであとは満腹になったあれをつかまえたらまたおいしい蒸し焼きがお客さんにだせれるね。」こちらを意に介することもなくそんな会話をしているのです。 つまりは・・。どうやらその女の子は旅行者をつかまえてなかよくなり・・そこに案内して。・・そして文字がわからないのをいいことに店の人に任せる料理をたのませ。そしてその旅行者を虫たちのえさにする、という係りだったようなのです。遠のく意識の中でぼんやりとそんなことが理解でき・・。そして、同じように一緒にきていたほかのこもまた・・。食べられているらしき音がしてきます。 そのまま、私の意識はそこでとぎれ。おそらく死んだのでしょう。そして・・。なぜか体がないのにふわふわと浮遊しており、なぜか景色は電車の中へ。 そこでは、あの女の子が別の女の子や男の子といった数名の旅行者に声をかけています。・・・ダメ!というもののこちらの声はきこえていないのか、そのままその子たちもまた、女の子と意気投合してあの村にと・・・ その子たちがみていた新聞には、旅行者が登山で行方不明、という見出しが・・。そこには私たちの名前がかかれていました。 何で山!?と思うほどに意識ははっきりしているのに、誰にもふれることすらできません。とにかく、被害をとめようと、彼らについていき・・。そしてその村に再びやってきたところ・・ ふと気配を感じて振り向けば、そこには見たことのないような虫の姿が。 それは、どうみても私めがけて口を大きくひらいてやってきています。 いうなれば、太古の昔の三葉虫のような姿に似ているようで、でも羽はどうみてもトンボのような薄い羽。しかも口は何やら歯のない・・そんな見たこともない不思議な虫。 それは、こちらにそのままむかってきて・・。私はひっしにどうにか逃げようとするものの・・その虫にと吸い込まれてしまいました。・・・そこで完全に私の意識はとぎれ。 そこで、なぜか景色がかわり。すでに私はいないのに、あの女の子と、そして・・・声をかけられていた旅行者が再び食べられている姿が。 「魂ごと食べるものもいるから、問題にならないものだよねぇ。」「ま、おかげで村人の被害がなくてなによりだし。」「最近は旅行ブームだからねぇ。」そんな会話をしている女の子を含めた店の人や村の人々らしきすがたが・・・ どうやら、その村では、村ぐるみで旅行者をだましてつれてきて虫たちにたべさせていたようなのです。そう理解すると同時・・。ふたたび私の意識がもどってきて、またまたなぜか友達と一緒に村の中に入ってゆく場所に。 ダメ!と自分の中ではいってるものの、そのまま。「ここっていいところだねー。」「でしょ?」とかいいつつ、再びまたまた村にとはいっていく私をふくめた友達たち・・・ そして・・料理がだされて・・。食材をとりにいく・・というところで目がさめました。 あのまま、目覚めなければ、また同じ経験をユメの中でしていたことは明らかです・・。いったいあのユメ・・というか、あの村はユメながら何だったのでしょう?おきてしばらく、呆然・・としてしまったというのはのべておきます。 終わりです。 |
第22話 夕日の照る町で・・・・ | 語り手: 焔の君さん |
これは私が小四ぐらいだったかのぐらいの時です。 私は野球だったか何かをしての帰り道の話です。 当時、私はあまり他の人とつきあいが良くなく、友達関係も少なかった時期です。 学校で遊んだ帰り道。同じ方向に行く友達もなく私は1人で幼いながらも走って帰っていました。 学校からの帰り道、私の家に行くための道はいくつかあったのですが、幼い頃なので学校の通り道で帰る最中でした。 その道が坂に繋がる場所の前に、大きな石碑があるのです。 今では何を書いてあるかすら忘れてしまっていますが、私はそこになぜか触れました。 いろんな人の名前が書いてあるそこを触り、辺りを見たときです。 ぞくっとした感覚が私を襲いました。 同時に、様々な色の世界だったはずのそこは、黒と白と、オレンジに塗りつぶされました。 同じ風景のそこは、そこは同じ風景だったはずです。 私は嫌な感じを受け、そこを走り去りました。怖かったのがあるのです。 そして、坂を駆け上りました。当時、体力のない僕が全力でその坂を駆け上り上がった先では疲れ果ててゆっくりとした歩みになっていました。 坂の先には古びた家と、その前に広がる少しの広場。 右手には確か竹藪とそれを隔離する竹の壁があったと思います。 とにかく、その先に十字路がありました。 そして、十字路の前のほんの少しの直線。 そこに女の人が立っていました。 忘れもしません。左手に赤ちゃんを抱いて、女の人が立っていたのです。 赤ちゃんの泣き声が聞こえてもいいはずなのに、私は何も聞こえませんでした。 とにかく、その女の人は十字路で僕と同じ方向に曲がったのです。 同じ方面の人かと僕は安心してその人に続いて急いで走ってその十字路の自分の向かう先を見て・・・・ その先には、誰もいませんでした。本当に誰も、誰もいなかったのです。 誰1人として、そこには存在しませんでした。 ただ、さっきまで三色だったはずの世界はようやく元の視界を取り戻していました。 はっきり言って、彼女が姿を消して僕が見るまでに三秒もありません。 どこかに曲がる角などはありません。最低でも40メートルぐらいは先でした。 静かに吹く風の中で僕は怖くなって、夢中で走り家に帰りました。 今ではその場所から僕は引っ越しています。その場所がどうなったか、どうなっていたのかは知るすべもありません。 ただ、一つ思うのです。 あれは何かの予告だったのではないのかと。僕の母は霊を見たりすることができていたらしいです。僕の父は未来を見ることができていたらしいです。 ならば、僕はその時何を見たのでしょうか? 母のようにそこにある何かの霊的なものを見たのでしょうか? 父のように未来でそこに起こるうる何かを見たのでしょうか? とにかく僕に今言えるのはたった一つです。 それから後、僕は様々な不思議な体験をしました。 そしてそれらを気のせいと片づけず、一つ一つを覚えています。 このこと以来、僕は何かを見ることはないですが、何かを聞くことは多いです。 それが何を伝えたいのかそれは僕にはわかりません。 ですが、僕はそれをこれからも一つ一つ覚えていきたいと思います。 これにて、終わりとさせて頂きます。 |
第23話 式神 | 語り手: 月読 乾さん |
えっと、最近夕海さんに亡くなった僕の友達の霊がどうしてるかををみてもらった事をきっかけに、色々と夕海さんにアドバイスを受ける事が多くなったのですが… これは、確か3週間くらい前だったかな…? その日、正午くらいでした。僕は買い物の為に川沿いの道路の歩道を自転車で渡っていて… ちょうど、複合スーパーの敷地の外側の駐車場のコンクリート側に差し掛かったときに、手首がコンクリートに触れ… 明らかにショックは軽かったと思います。それなのに、何故かぶつかった手首に嵌めていた腕時計のベルトが物凄い勢いで吹き飛び… どこかへ飛んでしまいました。 その時は、「あ!ヤベえ…」と探せば見つかるだろうと言う軽い気持ちで辺りを探したんですが… 見つからないんです。道路も、溝も、茂みまで探しても時計もベルトも、ガラスの蓋の破片すら… まさか、川に落ちるほど勢いが強かったとは考えにくいし… それで、考えてみればおかしいんです。ベルトが千切れるほどの勢いで手首をぶつけたなら、僕の腕も無事では済まないのが普通なのに、僕の腕は痣一つ無い… 実は、ちょっと思い当たる節が… その前日、僕はあるどうしても反りが合わない知人とトラブルを起こしていて… まあ、こういう事を言うと人格を疑われるかも知れませんが、あまりにしつこいしこっちの言い分に耳を貸さない相手に腹を立てた僕は、相手の携帯にネットから思いつきでグロテスクな画像のあるサイトを当たり、それを添付して送ったんです… やった後で後悔したし、画像はすぐに削除して、それは謝りましたが… ただ、それが引っかかった僕は、その場で夕海さんに携帯で事情を話してメールしました。 どうやら、僕には式神が憑いていた様です。 式神が何なのか、僕には分かりませんが夕海さんは「気にしないで、自然体で。」とアドバイスしてくれました。 今もその式神が僕に憑いているのかいないのか…とりあえず、僕に隙があれば囚われる様です。 後、明日まではそれとは別の方でも警戒が必要らしいので… あまり、余計な感情に囚われない生き方をするつもりです。 最後に、ちょっと余談ですが… 亡くなった友達に…僕は未だに心配されてるらしいです…(苦笑) 生前から、色々と世話を掛けたてたしなあ… 彼女は、漫画家になりたかった訳だし… いつか、小説で彼女と一緒に考えた作品を発表するつもりです。 数年後、彼女は守護霊として戻ってくるかもしれないと、夕海さんは言ってました。 だから、その時までに成長していたいな…と。 これで、僕の話を締めます。 |
第24話 とあるコンビニでの怪談 | 語り手: 十叶 夕海さん |
私のメインのバイトは、コンビにバイトです。 他にも、自動車代行の電話番や本屋のレジなんかをしています。 時間帯は、夕方〜閉店の間が殆どです。 ・・・・あの怪談が起こったのは、去年の秋の初め・・・・・。 コンビニの近くには、安アパ−トや学生さん住むアパ−トが多いせいか、夜中のほうがやや客が多いようです。 そして、午後7時過ぎになると一日置きにガテン系の中年が数人まとまって大体来ていました。 その中の一人を仮に『ゲンさん』としておきましょう。 大抵その人たちは、カップ酒とつまみに弁当なんかを買っていきます。 『ゲンさん』は、月に一度ぐらいは、昼間に来て。 日持ちするデザ−トと緑茶を買っていく人でした。 ある日のそれを境に『ゲンさん』の姿を見なくなりました。 (引越ししたのかなぁ) など思って、数日。 ゲンさんが、一度だけまたデザ−トと緑茶を買っていきました。 最後に姿を見てからおよそ一月後のことです。 さらに数日後―。 『ゲンさん』の仕事仲間がこんなことを話してました。 「ゲンも運ねぇよな。 スミさんの月命日の帰りに倒れてしまうなんてよ。」 「本当だな。 明日は我が身ってか?」 「・・にしてもゲン、まだ50歳過ぎだぜ?」 「早いよな・・。」 などなど。 ・・・とまぁ、こんな結末です。 話を聞く数日前のゲンさんは、幽霊なのでしょうか? それともただのそっくりさん? 私は逢えて、それの真実を知りたいとは思いません。 +FIN.+ |
第25話 戦後60年を迎えて | 語り手: ノトリさん |
これはつい最近、私の友達から聞いた話です。 友達の名前はKちゃん。 彼女は1年前、とあることをきっかけに鬱病になってしまい、今は大学を休学して療養中です。 鬱病と今から話す出来事は直接は関係ないのですが、もしかしたら、今の精神状態に少なからず関わっているかもしれません。 はじまりは社会科見学を兼ねた学校での沖縄旅行でした。 その時期は詳しくは聞いていませんが、Kちゃんはその旅行で、やはりガマに入ったそうです。 そのガマは戦時中、数百人が集団自決をしたガマだそうで、戦後遺骨や遺品を取り出す作業が行われたのですが、あまりにも多くの遺骨が転がっている為、その作業中に踏んでしまうことも少なくなく、遺族がそれに耐えられなくなり、やむを得ず、ガマの奥は当時の状態のままになっています。 当時の状態のままの場所は看板が立っており、立ち入り禁止になっているのですが、地元の先導さんは生徒たちを入れて見せたそうです。 Kちゃんも見ておいた方がいい気がしてそこへ足を踏み入れたのですが、そこは本当に当時のままの食器やら毒の入っていたビンやらが、なまなましく転がっていたそうです。 こうしてKちゃんは特に何か起こるわけでもなく、無事旅行を終えてこちらに帰ってきました。 ですが事件は戻ってきてから次の日に起こりました。 次の日、家庭教師がくるのでKちゃんは自分の部屋に教科書を取りに向かいました。 部屋はKちゃんの寝室で、さっきまでは下のリビングにいたので部屋の電気は消えています。 Kちゃんはおもむろにドアをつかむと扉を開けました。すると… するとそこには四つん這いになった1人の男の子が、じっとKちゃんを見つめていたのです。 Kちゃんが何かを考える間もなく、男の子は消えてしまい、Kちゃんは怖くなって部屋の電気をつけてみましたが、そこには誰もいませんでした。 見間違いにしてはあまりにもはっきりと見えました。 その日、家庭教師が帰ってからKちゃんはその部屋で復習をしていたそうですが、その間、ずっと肩には重く何かがのしかかっているかのようでした。 その夜も、Kちゃんが布団の中に入ると、斜横に何かの気配を感じ、やがて金縛りまで起こったそうです。 その日から一週間くらい、Kちゃんは自分が自分ではなかったようだと語ります。 普段は口に出さないような事をぽろっと言ったり、予感めいたことを口走ったりしたそうです。自分の意思とは関係なしに。 相変わらず寝ている時に何かの気配は感じられ続け、その状態が一週間くらい続きました。 それからそういったことはぱったりおさまり、Kちゃんも鬱で多分それどころではなくなったのかもしれません。 そして、今年。 戦後60年をテーマにドラマが放送されました。 そのドラマをKちゃんも見たのですが、突然涙が出て止まらなくなりました。 凄く悲しいと言うか辛いと言うか、そういう感情が溢れてきたそうです。 気分も悪くなるし、ベッドに横になりながら号泣するKちゃんをKちゃんのお母さんが心配して、「そんなに辛いなら見るの止めれば?」と言いました。 ですが、Kちゃんはあの男の子に見なきゃダメだと言われている気がしたそうで、そのままドラマを見続けたそうです。 その事件以来もうそういったことはないようなのですが、一体あの男の子は何が言いたかったのか、それだけが気になるとKちゃんは言っていました。 戦後60年の節目に、戦争について改めて考えさせられました。 それと、早くKちゃんが体調も良くなる事を祈ります。 終わり。 |
第26話 このめの物質界の身体 | 語り手: 十叶 夕海さん |
このめとは、本名・木の芽丸というお稲荷さんの私の後ろの人です。 最近は大抵、私のベッドの横の棚の上にタオルをベッドにして一緒に寝ています。 今年の八月の頭のことです。 そのときも何時も通りに、私を襲った存在を還す為に奮闘していました。 ペッシッっとそいつの尻尾にこのめは弾き飛ばされました。 まあ、そのおかげで還せました。 しかし、そのあと問題が発生したのです。 『ユア〜、大丈夫か?』 「大丈夫よ。 ・・・・・このめ何処?」 『ここじゃ、ここだ。 ピカチュウのぬいぐるみの中だよ。』 「・・・・・・・はい?」 『ユアのベッドの上のピカチュウの実物大のぬいぐるみの中。』 私は、そのとき無償に現実逃避をしたくなりました。 「抜けれない」 『抜けれない・・・』 「よしっ!! そのままでいろ、決定。」 『ご主人さん、それは薄情でしょうに。』 そう後ろの人の一人の道化師に言われたが、どうしようもない。 『そうじゃ、出してくれ、ユア。』 「自力でないと無理でしょう。」 『ご主人さん・・・・。 まっいいか、かわいいですしねぇ。』 『道化師〜〜!!』 こうして、9月現在もこのめはピカチュウの中のままだ。 最近は、『ぴかちゅう?』と自棄気味に珠に鳴いている。 おしまい。 |
第27話 野生本能? | 語り手: 薫さん |
うちには、ネコが二匹います。このネコたちは姉妹なのですが、まったく性格も見た目も異なります。 以前飼っていたネコが死んだ数日後。母がそのネコの友達をもらう、という話を進めていたところから養女にきたネコたちです。 生後一ヶ月でうちにきて、その後ずっと、キャットフードのみをあたえてたためか、一切ほかのものは口にしません。また、今まで何か獲物をもってきた、ということもありません。 ある日。ジジジ・・ジジジ。と何やらうるさい音で目がさめました。一ヶ月前、片方のネコが怪我をして以来、うちのネコたちは気の毒ですが二階にずっととじこめています。二階のベランダのみは出れるようにして。ベランダからは外に出れないもので。 それゆえに、窓をあけているので。何かセミでもはいったのかなぁ?と電気をつけると。 「・・・・・・・何もってるの?」のまず一言目がそれでした。 なぜか、ルナ(見た目シャム)が口にくわえているのは・・どうみてもセミ・・・ とりあえず、初めてとってきたのでほめることはほめて、でもはなそーね。といって取り上げてそのまま外にと蝉を逃がしました。 そして、はたまた数日後。またまたじじじ・・・という音が。うつら、うつらしているときです。 またセミでもとってきたのかなぁ?とおもいつつ、電気をつけ・・みれば時刻は夜の二時すぎ・・ そして、なぜかネコトイレの横に二匹が狭いのにはいりこんでいます。またセミかな?とおもい、ちかづいてみると・・・ 何やら加えているのは黒い物体です。 よくよくみれば・・それはどーみてもこうもり・・ こうもり!?おもわずびっくり。・・うちのネコのような鈍い子につかまる・・というのも驚愕でしたが・・ とにかく、近づくと、口からそれをはなし、こうもりはそのまま、飛ぶこともせずに床をはいつくばってます。 とりあえず、他のものならば、素手でもいいのですが。一応こうもりはいろいろと菌をもっていますので。手じかにあったトイレシートでこうもりをくるみ。外にだすことに。 捕らえるときも床をはいつくばってにげていましたが、狭いところにはいりこんだところを捕らえ。そして、とりあえず窓からだとまたはいってきてはいけないので別の窓から逃がすことに。 そして、部屋からでて、さあ、窓をあけよう。とおもったとたん。 ネコから開放されたからか、こうもりがいきなり・・手の中からとびました。 夜の二時すぎです。しかも、パタパタと飛び回るのです。 二階から一階へ。だがしかし、飛び回るばかりで捕まえることができません。 とにかく。玄関付近の扉という扉をしめて、玄関だけを開け放ち。・・・こうもりとの格闘が始まりました・・・ コウモリはパタパタと天井あたりを飛ぶだけで一向におりてきません。手近にあったモップで追ってもまったくだめ。 ・・結局。コウモリと格闘すること一時間少し・・・ ようやくコウモリを外にだすことに成功しました。 今までに、何も獲物をとってきたことがないネコたちなのに・・いきなり本能が目覚めたのでしょうか? できうれば、コウモリのようなちとこまったものは二度とごめんこうむりたい。とおもっている次第です・・・ 最近では、昨日なぜかマツムシをかまっていましたが・・あれは入ってきたのかそうでないのか・・。とにかく。いえることはただひとつ。・・野生の本能、というのはあなどれないなぁ・・とおもった今日この頃です。 終わりです。 |
第28話 蜘蛛 | 語り手: 月読 乾さん |
とりあえず、この話自体は他愛の無い話です。 ただ、タイミングを考えると先週はなした事と何らかの繋がりも有り得るんですが… 先週話した、原因不明の時計が壊れた(その後に式神の影響らしい事が分かりましたが…)その日の夕方、僕は家路に付いていました 最も、夕方と言っても8月と言う時期でもう、その時点でかなり薄暗くなってた事を考えると夕方と言うには性格には遅すぎる時間だったのですが… とにかく、僕は自転車で商店街に面した表通りを通ってました。 ちなみに、関係があるかどうかは分かりませんが商店街の表通りではあるのですが、その近くには高い丘の上に金毘羅神社があり、更にその下の奥には寂れた稲荷神社があります。(ずっと、この町に住んでる僕も、詳細は一切知りません。) とにかく、自転車を走らせながら家路に向かうその時、気が付くと目の前の街路樹から糸を垂らして動いている蜘蛛が視界に飛び込んで来ました。 「ぶつかる!」と思ってブレーキを反射的に掛けた物の、とても間に合う様な距離では無く、僕は自転車が止まる時点で顔に蜘蛛が張り付いた事を覚悟してました。 が、ブレーキが掛かって止まったその場には蜘蛛なんか無く、何事も無かった様に蜘蛛は消えていました。 蜘蛛が確かに見えた気がしたのですが、とりあえず、半ば強引に気のせいという事にして、僕はまた自転車を進めました。 そして、そのまま少し進んで曲がり角の交差点のビルからのネオンににふと目が行った瞬間… また、蜘蛛が上から糸を伝って下に降りている姿が視界に… 考えるより先に、ブレーキに手が行ったのですが、止まった時はさっきと同じく、やはり蜘蛛なんかどこにも居ませんでした。 とりあえず、その後は特に何事も無く家に着き、一応目立っておかしな事もその後起こっては居ません。 ただ、あの時二回も姿が見え、気が付いた時は最初から存在し無かった様に消えていた蜘蛛… あれはやはり気のせいだったのか…それとも、何かが蜘蛛の姿を借りて僕に何かをしたかったのか…そして、それは善意の行為か悪意で僕を貶めようとしたのか… 少なくとも、僕にはそう言う事を知りえる力が無いので結局は何一つ分かりません… とにかく、僕の身に起こった事実はこれで終わりです。 |
第29話 別れを告げる足音 | 語り手: 青月かなたさん |
私の祖母の話です。 祖母の家系は、霊能力…というのとは違うのらしいですが、言うなれば勘が鋭いです。 私は自他共に認めるおばあちゃん子なので、小さい頃から色々なことを聞かされました。 これはその中の一つ。 …ある日、祖母の家系の親戚に不幸がありました。 祖母と母は、諸々の手続きが長引き、親戚の家にとまったそうです。 二人は二階で布団を借りて寝ていたそうです。 そして、その夜…母はふとぼんやりと目が覚め、ぼんやりとした意識ながら足音のようなものを聞いたといいます。 けれどその時は寝ぼけていたのだろう、と再び眠りにつきました。 翌朝、祖母と会話を交わすまでは。 なんということもなく、母は言いました。 「昨日足音みたいなの聞いてね…」 祖母は答えたそうです。 「あぁ、あんたも聞いたの」と。 「昨日トイレに行った時なんか見えてね… そう…空耳だと思ったけど、○○がお別れをいいにきたのかもねぇ」 そうして、この話はおしまいです。 祖母は未だに耳も遠くなっていないし、ボケてもいません。 『見える』のは身内限定だとか、なんとか。 私が詳しく聞いたところで、こんなものは無い方がいいから…とかわされます。 だから、それがなんなのかは分かりません。 けれど…… 少しお別れを告げることくらいのことなら、世の中あってもいいのではないか… 私は、そう思います。 |
第30話 沖縄旅行はお気をつけて | 語り手: ライジさん |
この前先生から聞いた話です。 先生は昔、旅行のインストラクターをやっていました。 会社の上司から旅行のプランを作れと言われ、沖縄旅行で激安のツアーを作成し、売れに売れたらしいです。 自分が作成したプランの一番初めのツアーは作成した本人が行くことになっており、 2番目のツアーのインストラクターを友人に頼んだそうです。 先生は一夜目を何事も無く終え、二日目へと入りました。 この時、友人インストラクターが二番目のツアーの客を乗せて出発します。 先生が二日目。友人インストラクターが一日目の夜のことです。 先生が二日目のホテルで寝ていると、夜中にフロントから電話が入りました。 「フロントですが、○○さんでしょうか?」 「そうですが何か?」 「言葉に障害があるか、泥酔していらっしゃる方からの電話で…多分、○○さん宛の電話だと思われるのですが…」 フロントが言うには、そのときのホテルに先生と同名の人が居なかったので、 多分先生だろうとつないだと言うことでした。 「そうですか、お客さんが何かトラブルに巻き込まれている可能性もあるので繋いで下さい。」 そういってフロントがまわして来た電話に出ると… 「もももももももも…!」 どうも相手は錯乱しているようで、言葉が全く出ません。 「落ち着いてください!私が○○です。落ち着いてください。」 「ももももも…!」 それでも相手は落ち着きません。 「どちら様でしょうか、お名前をお願いします。」 「わわわわわわわわわ…!」 「大丈夫ですか?落ち着いて、お名前をお聞かせください。」 「わわわわわしや!」 その時、先生はそれが友人インストラクターであると言うことに気がついたらしく、 「なんや、おまえか。どうしたんや。そんな慌てて」 「ででででっで…出たんや!!」 「出た?」 「幽霊が出たんや!!!」 友人曰く。 夜中に強烈な金縛りにあったにもかかわらず、 意識は物凄くはっきりとしていて、目を動かすことも出来たそうです。 怖いと分かりつつ、辺りを見回して、部屋の入り口の扉に目をやった時、 ボロボロの服を着た、がたいの良いアメリカ兵がふっと現れたそうです。 「うわーっ!」と思っていると、そのアメリカ兵がスーッと寄ってきて… 手で肩をガッとつかまれ、一時間以上押さえ込まれた状態で居たそうです。 開放されてから、大慌てで電話をかけたが言葉がうまく出ずに、 もしもし、を言おうと思っても「も」だけ、と錯乱していたそうです。 先生も血の気が引く思いだったとか… 前日は自分が全く同じ部屋に泊まっていましたから。 結局、友人は無事でしたが、その出来事がトラウマとなり、 友人の方はインストラクターを辞めてしまったそうです。 ちなみにその幽霊が出るホテル。 沖縄でも超有名のホテルで、沖縄行った人間だったら泊まったことがあるホテルだそうで… 一部屋が洋室と和室に分かれているオーシャンビューのホテルだそうです。 沖縄に旅行に行かれる際にはお気をつけて… |
第31話 新しいワンコなバックの・・・・・・・ | 語り手: 十叶 夕海さん |
これは、今年のお正月に買った腕輪に関係する?お話です。 また、少し新しいバックの存在のお話でもあります。 私の家族は、お正月に、イオンなどに買い物に行く習慣があります。 その時に、アジアン雑貨(買取有)の店に入りました。 一角に、自然石のアクセサリ−のコ−ナ−がありました。 そこで、私は、小豆粒ぐらいのラピズラズリが三つ付いたのを買いました。 リサイクル品のせいもあり、割と安かったです。 買わなければ,ああいう目にはあわなかったのですが・・・・・・・・・ その腕輪をいつぞや話したオキニスの指輪のように、アンティ−クの小物入れれておいたのです。 ・・・・・『なにか、宝石の中に居着いてるな。』と気付いていたのにもかかわらず。 それから、しばらくは何事も無く・・・ むしろ、平穏すぎるぐらい平穏に過ぎていきました。 一月も終わりになった頃です。 数日振りに、小物入れを開け、その腕輪を手に取りました。 ラピズが、何故か曇っています。 眼鏡用の拭き布で、こしこし擦りました。 『・・・・・えっと、初めまして?』 呼んでないのに、飛び出てきたのは、一人の青年。 服装は、大正時代を舞台にした映画なんかに出てきそうなそんなス―ツとマント姿。 色は、黒というよりも、夜色に近く。 ネクタイも、緋色の紐タイというレトロ。 髪は、ゆるくウェ―ブした冷たい銀色で、腰まで。 その髪の隙間から見える瞳は、海の青と血の紅のオッドアイ。 眉目秀麗という表現がよく似合っていた。 そして、特筆すべきは、見事な八重歯。 女の子ならば、チャ―ミングなのだろうが。 「・・・どちら様?」 『恥ずかしながら、その腕輪のラピズに、魂と精神と肉体を封じられていた存在です。 今は、精神だけが出ている状態ですね。』 「何が,目的?」 『特に、何も。』 「じゃあ、何故、ラピズに? 大地の加護を利用した封術で縛るなんて、よっぽどの事でしょう?」 そうなのだ。 普通の封術なら、水晶なんかで充分なのに。 ラピスラズリを使うなんて、よっぽどの事なのだ。 『・・・この八重歯を見て分かりませんか? 私のこと。』 さて、皆さんには,何かわかるだろうか? 解答 : 吸血鬼 「吸血鬼よねえ。」 『おや、驚かないんですね。』 「おどろくには、いろいろと経験しすぎていてね。」 「ユア!! なに、呑気に話しておるか。」 このめは、慌てた様子で私に話し掛けてくる。 まあ、当然だろう。 彼に掛かれば、精神だけの彼でも、私ぐらい簡単に殺せる それこそ、赤子をくびり殺すより、簡単だろう。 存在の実在さえ,疑っていた存在だ。 しかし、そのとき感じた焦燥にも似た恐怖は、それが本物だと告げていた。 「何が目的かしら? 用が無いなら、消えて欲しいのだけど?」 『いえいえ、壺の魔神を気取るわけではありませんが。 御礼をしたいのですよ。』 「いらん。 お前らのお礼は、仲間に・・・・・・吸血鬼にすることだろう。」 横では、このめが硬直している。 バックの人たちは使えない。 さて、どうしよう。 その時の私は、『あの日』の真っ最中。 霊力は、ほとんど使えない。 例えるなら、普段着で、ロケットランチャ―の弾丸を受け止めろ。と言うのに似ている。 「・・・・・・なんで、そういうもんアクセにして売るかなぁ。」 『私を封印したセラムが亡くなって。 何も知らない息子さんが売ってしまったようです。 かれこれ、40年前ですかね。』 その後、彼は800年ほど前に吸血鬼になって。 80年ほど前に、セラムに封じられたらしい事などを聞いた。 「・・・・精神だけで、自由になってるんなら、どっかに消えてくれる? 私としては、これ以上、後ろの存在もいらないし。 吸血鬼と真っ向からやりあいたくは無い」 『・・・・・良い匂いがしますね』 私が、好戦的な?セリフをはいている間に、彼は、すぐ側に来ていた。 それこそ、まつげの本数までわかる距離だ。 『・・・・・・決めました。 こんなに、いい匂いの『精力』を持っているなら、私の主人になってくれませんか?』 さっきとは別の動揺を押し隠し、私は、はっきり言った。 「これ以上、後ろの存在を増やしたくない。 聞こえなかったのか?」 『精神的にも、肉体的にも、満足させますけど? それに、血を吸わなくても、『精力』・・・・・・『精気』をすわせてくれれば良いですし』 「いらん」 私が、そう言うと同時に、私を彼が押し倒した。 ご丁寧に、頭を打たないように、後頭部に手を沿えて。 『いい匂いですね。』 「・・・・・早く退け。 ブ―ルが、来たら、消されるぞ。」 『なら、支配下に入れてください。』 「いら・・・・」 その時の彼の表情は、例えるならば、雨の降りしきる中捨てられて、ダンボ−ルの中から、こっちを見つめる子犬の様でも遭った。 外見から、すれば・・・・・全体を見れば、隠避にすら見えるのに。 その瞳だけは、『一人はいやなんですよ』とでも言う風に。 こっちを見ている。 これで、断れる人間が居たら、こっちが聞きたいぐらいだ。 断ったら、こっちが、悪者みたいなのである。 「・・・・・・・分かった。 配下にするから、退け」 『ありがとうございます。 ご主人様。』 「ユア。でいい。 嵌められたね,アンタに。 ま、いっか。 名前は?」 『リュ―ティスです。 ユア様。』 「様はいらん。 ・・・・・って、なぜ、強く抱きつく。」 『嬉しいので。』 彼に抱き締められたまま、その日の夜明けを迎えた。 こうして、リュ―スは、配下になった。 私に直接付いているバックのお兄さんお姉さんは、おおむね、『ユアが言うなら』という感じで、それなりに、友好的に、受け入れてくれた。 しかし、ブ―ルだけは、『僕というものがありながら!!』という感じで、いまだにリュ―スと中が悪い。 そして、リュ―スは、犬のように、フロとトイレ以外ついてくる。 まるで、ワンコのように。 |
第32話 足音? | 語り手: 京極師棄さん |
人が歩いていないのに足音がするという状況は時折恐怖を人に与えます では、逆の状況というものにあったことがありますでしょうか? これはそんな体験をした自身の話です うちの学校は砂利の道があります。歩けばじゃりじゃりといって(洒落ではありません)結構足音がたちます ある日の休み時間、僕はその道の先で友人達が歩いているのを見ました いつものクセで僕はダッシュをかけて後ろから横を通過するルートで体を叩くという冗談をしました だだだだだだ!ばしっ! 「やほっ!今日は反応無し反撃無しか!」 「!?師棄(本名が入ります)!ま、全く気付かなかった」 「へっ?音しただろ?」 「音?聞こえたか、友人B(もう一人の友達)?」 「いや…聞こえなかったが……」 二人とも唐突に攻撃されたりして音や気配に敏感なので砂利を蹴ってくる音が聞こえない訳がないのです もちろん、辺りは静かで自身が何よりその音を聞いているのですが、その二人は聞こえてないと言い切りました 二人とも口裏を合わせてるのかなと思って問いつめたのですがどうやらそのような気配もない 二人はいきなり叩かれて驚いたでしょうが、こっちは足音が聞こえなかったと言われて恐怖を憶えるという不思議で 少し怖い思いをしました…… 何か分からない状態がこれからないことを祈りつつ……僕は今も友人を驚かす為に砂利道を走っています(もちろんばれて反撃を喰らいますが) 聞こえないはずの音が聞こえるのも怖いですが、聞こえるはずの音が聞こえないのも結構怖いものだと思いました |
第33話 窓にうつったのは? | 語り手: 薫さん |
学校。それはどこに限らず七不思議などといった怖い話がつきまとっているものです。 これは例にもれずに、学校にてあったお話です。 私がかよっていた小学校の七不思議のひとつに、講堂に飛び交う生首。という話がありました まあ、そういった話はよくあることで別に気にしてはいなかったのですが 学校の七不思議、というのは真実のことと、子供たちが噂をしてできた話とがあります。私は後者だろうなーと、小学生ながらおもっていました そういった七不思議の話がある。という噂すら忘れかけていたそんなある次期のことです あるとき、講堂で子供の姿をみた!とダレかがさわぎだしました。 別に講堂で子供、なんてここは小学校。それは当たり前なことです ですが・・・足場もない場所でみた!とさわぎはじめたのです 二階の部分の足場。その上にさらに窓があるのですが、そこの窓から子供の姿をみた。と それが一人なら、別に気のせい。ですんだのですが・・・ 日をおうごとに、だんだんと目撃者の数がふえていきました 不思議なことに、人によってその子供・・・男の子の容姿は統一しているものの。 だがしかし、それが上半身だけだったり、首から上だけだったり・・挙句は手足がなかったり・・・と、いろんな噂がとびかいはじめました 私のクラスのコも見たコがいるのですが、そのこは上半身のみだった。といっていました。当人はぜったいにきのせいっ!とはいっていましたが やがて、当然のことながら、場所は小学校。あっという間に噂はひろまり、先生たちの耳にもはいり 根も葉もない噂をするな!と指摘がありました そんな中、講堂の写真を撮ると不思議な光が入るなどといった話がはいりはじめました 今までは放課後などは自由に入れていた講堂が、なぜか用事がないかぎり立ち入り禁止になったり・・と、子供ごころに?なことなどもあったのですが そんな中で、学校行事で撮る写真。その中で講堂をバックにとる写真がありました それは、いまだに静かに噂が流れていたそんな日のことです 幾枚か、写真をとり・・そして・・・ その中の二枚ほどに異変がみとめられました 行事の写真は希望者画購入できるように全部表示されます。そんな中の二枚ほどに なぜか、ぜったいに人が立てるはずもない場所に小さな子供らしき姿のような影がうつっているものと・・・・ さらには、光の筋のようなものがうつりこんでいるものがありました それに気づいた子供たちが騒ぎはじめると、学校側はその写真のみを削除して希望者をつのり・・・、公式てきにはその写真は抹殺されました そのうちの一枚が、卒業アルバムに掲載されているのですが、ほんのりとすこしはかり光がはいりこんでいるのです 写真をとったのは日が入らない曇りの日・・・ 今だにそれは何だったのか、なぞを残したまま月日は経過しています あの写真にうつっていた影はもしかして本当に噂の子供の姿だったのでしょうか? それとも・・・? |
第34話 沖縄旅行はお気をつけて2 | 語り手: ライジさん |
前回に引き続き、現在、私の学校の講師で、 過去に旅行会社のインストラクターをしていた先生が、 友人のインストラクターKさんから聞いたお話です。 夏場は沖縄への旅行ツアーが良くあるそうで、今回も沖縄でのお話です。 その時、Kさんが参加したツアーは高校生の修学旅行のツアーだったらしいです。 沖縄修学旅行と言うと、色々な戦地跡を見学してまわるものです。 ひめゆりの塔、石碑、防空壕など…今回は、防空壕で起こったお話をします。 沖縄での防空壕は「がま」と呼ばれ、地下に張り巡らされた洞窟です。 修学旅行の見学で、がまに入る前にある女子生徒が気分が悪い、と座り込んでしまいました。 Kさんは、がまなどの霊的な場所では良くあることなので、 無理をせずに休んでいるように言ったのですが、 女子生徒の先生がちょっと熱血タイプだったらしく、 「せっかく社会勉強に来ているんだから入りなさい!」と無理やり入れてしまったそうです。 あーあ、と思いつつKさんも生徒達と一緒にがまに入りました。 ほどなくして、前方が騒がしくなったと思うと、 さっき気分が悪いと言っていた女子生徒が別の先生に担がれて出て行きます。 その時、Kさんが見たものは、その担がれて出て行く女子生徒の上に、 ボロボロの服と防空頭巾をまとった怪我だらけの女性が覆いかぶさるように女子生徒の上に乗っていたそうです。 うわー、と思いつつ救急車を手配し、Kさんも一緒に乗り込んだそうですが、 救急隊員の方は何でそんな状態なっているのか分からず、原因も分からず… 物凄い嘔吐を繰り返しながら運ばれる女子生徒が言う言葉は、 熱い!熱い…!という言葉。 沖縄戦にて、がまの中に居た人間の殺され方は、火炎放射器での焼死がほとんどだったそうです。 女性の霊が、女子生徒に憑いているせいで、 女子生徒もその女性の霊と同様の体験を強いられることとなったのです。 病院に搬送するも、体に悪い所は無く、点滴などでしか対応できなかったそうです。 女子生徒はその日の内に、うなされていたことも忘れたかのように退院したそうです。 ちなみにその女性の霊。 何処に行ったと言うと…Kさんに憑いて来ていたそうです。 その日のインストラクターの仕事を終え、ホテルの個室のお風呂にお湯をたっぷり入れて、 頭まで浸かって、ぷはーっ!っとするのがKさんの恒例行事だったそうで… その日も、そうしてどぼーんと湯船に入り頭まで沈め… お湯の中から上を見上げると、その女性の霊が見えたそうです。 慌ててお湯の上に上がろうとしても、上がることができず… 上から押さえ込まれている状態だったそうです。 暴れに暴れて何とか湯船から脱出したそうですが… やっぱりトラウマになってもう頭まで浸かる行動はしなくなったそうです。 その後、女性の霊は何処へ行ったのやら… ホテルに居座ったままかもしれないし、外をうろついているかもしれません。 沖縄旅行は無理をせずに楽しく参りましょう…おしまい。 |
第35話 ループ | 語り手: 薫さん |
コレは私が今朝方みた取れたて(?)の夢のお話です。考えようによってはこわいかとおもいます・・・ 夢の中。私はいつものように仕事にいっていました。唯一違うことは、その日は会社の人たちの一部が旅行にいく日だ。ということです 私はお店の関係もあり、参加できずに普通にお仕事でした。 出発は十時半。 「旅行にいくひといいなー」「いいよねー」そんな会話をしつつも仕事をしていました と。何やら道のほうがさわがしくなり・・・ 時刻は十一時に近づいたころ パトカーや、救急車・・。それも一台や二台・・といった数ではない音が高速道路のほうからきこえてきました ?何だろ?何か事故かなー。そんなのんきな会話をしていたそんな矢先 ぷるるる、ぶるるるる! 会社の電話がなりだしました。まあデンワがなるのはいつものこと。それを上司がとり・・・ 何やらわめいている声がしてきます。そして・・・ バタバタとしはじめる上司たち。 「?何かあったんですか?」 「高速道路の側面が崩れたらしい、それにバスが・・」 え!? どうやら話をきくと、高速道路の側面が崩れ、そこを走っていたバスやその他の車数台がのみこまれ・・・落下したそうです とにかく。状況を確認するために上司たちと、一人だけのこして私もその現場にいくことに 現場は騒然としており、がけ下に壊れた車や・・・そして・・・ 同僚たちがのっていたはずのバスの姿が・・・ 「関係者のかたですね。」警察さんらしき人があわただしくもきいてきます。 顔色もわるくうなづく社長や課長・・・そして、一緒にいったほかの同僚たち 「確認をおねがいします。」 確認って・・・ いやな予感がしつつも、おりてゆくと・・・窓が完全にわれてへしゃげかけている車のなかに・・朝元気に出発していった同僚たちの姿が・・・ だがしかし、ダレひとりとしてうごいていません。血まみれで全員がたおれているのです 「!!!」当然言葉になりません。 せっかくの旅行がまさか・・・ 参加者全員死亡。たすかったひとはひとりも・・・ 旅行に参加しなかったひとだけが事故からまぬがれました・・・ それからあわただしく、何がどうなったのか。とにかく呆然としている中。気づいたら会社にもどっていました。これからみんなの葬式やその他の手続きなどがある。という上司の言葉がとおくにきこえます テレビも大きくその事故のことを取り上げ、前々にも高速道路の側面が崩れた事件もあったことから。何やらいろいろといわれていました そして・・・会社で合同の葬式を行い・・・全員の遺影を目の辺りにし・・・・ ジリリリリ。 なぜか何かの音が がばっ。 ふと周囲をみれば、そこは自分の部屋。時刻は朝みたいです。何が何なのかわからずに、とりあえず携帯電話をみてみると その日は、会社の旅行のある日の朝。 そう、今までのことは夢だったのです。 夢か・・・ ほっとしつつも、とりあえず着替えます。あまりにリアルすぎる夢であるがゆえに、何か二度ねする気がしなかったのです そして、時間になりいつものように会社にいき・・・、そして・・・ プルルル、ブルルル・・・ 十一時過ぎ、会社の電話がなりひびきます デンワの音に朝の夢をおもいだし、びくっとする自分。 と、バタバタバタ、上司たちがあわただしくなってきます 「?何かあったんですか?」 何かいやなよかんがしつつもきくと・・・ 「旅行会社のバスが事故で!!」 ・・・まさか・・・ 今朝方の夢とそして、今のことば おそるおそるきくと・・・ 高速道路の側面が崩れて・・・ まったく夢と同じです。 そして・・・それから後も朝みたゆめとまったく同じ状況がつづいていきます・・・ そして・・・ また葬式がはじまり・・・ ・・・ ジリリリ! がば! ふときがつくとそこは自゛分の部屋 夢の中でゆめみてたの? もう何が何だかわかりません 携帯電話をみると、その日は・・・会社の旅行の日・・・ とにかく、夢は夢。変な夢をみた。それでわりきり会社にいき・・・ そして・・・ プルルル、プルルル・・・ またまた同じ時間帯に鳴り響く電話の音・・・そして、バタバタしはじめる上司・・・ また夢かも。そんなことをおもいつつほっべをつねってもいたい感覚があります 今度こそまさか現実?そんな不安がよぎりつつも・・・ そして・・・二回みた夢のとおりにまた・・・・ やはり、今回も夢と同じように全員死亡。という事実がつきつけられます 夢であってほしい。夢ならさめて。そんなことをおもっていると葬式の最中・・ ジリリ! またまた聞こえる何かのベルの音 とびおきれば、そこはやはり自分の部屋・・・ 携帯をみれば、やはり旅行のある日・・・ さすがにこう続くと・・・ 社長にいい、出発をすこしのばしてもらうことがその日はでき、これでもう大丈夫。今までのはきっと警告だったんだ そう自分にいいきかせ・・・ 問題の時間が過ぎても電話はなりません。 ほっとしていると・・・ 十二時すぎに鳴り響く電話のおと・・・ まさか・・・ いやな予感がしつつも、上司があわただしくなってゆくなか・・・ 「何かあったんですか?」 幾度夢の中でいったかわからない言葉を問いかけます すると・・・ 「旅行会社のバスが事故で!!」 思わず耳をうたがいました 出発時間はずらしてもらったはず。 それなのに・・・ やはりほっぺをつねってもいたいのです 出発時間をずらしたにもかかわらず・・・事故はまたおきていたのです そして・・また夢のとおりに物事はすすんでいきます・・・ ジリリリ・・・ もはや幾度きいたかわからないベルの音 飛び起きればそこはやはり自分の部屋 もはやどこからが夢で現実なのかがわかりません 携帯をみればやはり、この日は会社の旅行の日・・・ 夢で警告されているのか、はたまたやり直しができているのか。何かわからない思いをいだきつつも、会社にいきます そして、あまりに続く夢のために上司にそのことをいい・・・ 上司も、そんなに幾度もみているのを気味悪がったのか、はたまたそれをきいた参加メンバーが気味悪がったのか 高速の道をいっこずらしていくこととなりました これでもうあんしん・・・・ それがこうをそうしたのか、デンワがなってもそれは普通のデンワで悪い意味のデンワではありませんでした そして・・・時計の時刻が一時をまわったころ・・・ ブブルル デンワがなります もう何もないだろう。私はそうおもっていました なのに・・・ 電話は警察からでした バタバタとしはじめる上司たち 聞けば・・・今度もまた、今度は別な場所で高速道路の側面がくずれ・・・ 少し違うのは、今度はそのまま生き埋めになり・・・、そしてどうにか掘り出して確認したところ・・・全員が窒息死していた・・・とのこと 他にも数台生き埋めになっていたので確認がおくれたのです。会社に連絡があったのはバスのマエに会社の名前があったので、それで身元がわかってれんらくしてきたのでした 事故の様子はちがえとも、その他はやはり今まで幾度もみた夢と同じで・・・そして・・・ いつもならば、葬式のときに目覚ましらしきおとで目がさめます なのに、今回にかぎりそれはありません。 いくらつねってもやはりいたいまま・・・ コレは現実?そう呆然となりつつも・・・葬式がととこおりなくおわり、出棺の時間をむかえました そして火葬場に到着し、全員を火葬場に・・・・ 骨を拾う段階になっても、まだ音はしません。 コレがやっぱり現実なのか・・・夢であってほしいのに・・・ そんなことをおもいつつも、やがて・・・骨をそれぞれ家族に手渡し・・・帰路につく時間となりました バスにのりこみ、そしてエンジンのかかるおととともに・・・ ジリリリリ 聞きなれた音が がば とびおきると、やはり自分の部屋 「もう何がどうなってるんだー!」思わずさけんでしまいます 携帯で日付を確認してみれば、その日はやはり・・・会社の旅行があるひ・・・ もはやほとんどパニック状態です こうなったら、仕事にいくマエに崩れた側面がある場所のあたりをみにいってやる! 何とも無謀な考えがうかび・・・ そして。。。それを実行する私 仕事は十時から 今の時刻は六時 時間はまだあります 高速の中にははいれないので、そのあたりがみえる場所からそこをみるかぎり異常といった異常はみえません ですが・・・・異様に地下水がながれでていました そのことを、とりあえず高速道路を管理している高速の入り口付近にある出張所にいい・・・ 「以前も側面が大雨で崩れたことがありましたので確認してみます。情報どうもです。」 といわれました もうこれでだいじょうぶだろう そう安心し・・・ そして、念のために上司にもそのことをつげ・・・ 以前、民家をおしつぶした崩れた側面のこともあり、念のために国道から会社のバスは移動させることにしました ・・・・それで全てがおわるはず。 そう、私もおもっていました ブルルル・・・ 再び鳴り響く電話の音・・・ 「何があったんですか?」 「がけ崩れが!!」 また!? 今度は高速道路でなくて、道路の横の山がくずれ・・・ がけ下にバスごと転落したらしいのです・・・ もう、いったい幾度同じようなことがあったのか自分でもわからなくなっています ですが、やはり上司といっしょに現場をみにいき・・・ 引き上げられたバスの中の全ての人数のしたいを確認したところで・・・ ジリリ・・・ 再び鳴り響く目覚めし時計の音 ほっとしつつも携帯をとりだして確認すると・・・、やはりそのひは・・・ もういやー!!! ですが、もしかしてこれが現実かもしれない。そうおもうとできることはしないと、後味がわるく・・・ とにかく、まずは高速道路の側面の一件を そうおもい、また出かけていきます そして・・・車ではしりしばらくして・・・ 「いたたたた・・・・」 何か手にはしる痛み ハンドルをもっている手には何の異常もありません それなのに、するどく何かがいたむのです そして・・・ 「いたいってば!」 おもわずさけび・・・ がば ・・・・あれ? みれば、そこは自分の部屋 みれば、そこは自分の部屋 そしてふと手をみると・・・ 手をかんでいます 「いたいってば!」とりあえず子猫をひきはがしますが、あそんでいるのかなかなかあきらめてくれません そして・・ふと時計をみると時刻は五時・・・ しばらくぼうっとなりつつも、やか゜て、今日はお休み。ということがわかりました そう、今までのことは全て、全てが夢だったのです。 ・・・もし、あそこで子猫が私の手をかんでおこさなかったら・・幾度同じことを経験していたのでしょうか・・・ 無限ループのゆめ・・・ それゆえか、そんなゆめのせいか今日一日ずーと体が重く感じたのは事実です もうあんな夢はみたくありません(汗) |
第36話 需要有り? | 語り手: エモーションさん |
(注:稲川口調っぽく書いてます) これはね、あたしも聞いた話なんですけどね。 その人……仮にAさんとしておきましょうか。Aさんは図書館でお仕事をしているんですよ。図書館ってとこも簡単そうに見えて、案外細々とした作業が多いとことでしてね。普通のお店の開店準備なんかと同じで、開館時間までに終わらせなきゃいけない仕事ってのも、当然あるわけですよ。 で、Aさん。その日もいつものように返却ポストから返却された本を取り出したり、他の館から送られてきた相互貸借依頼のファックスを見ながら、「返却ポストにCDやビデオを入れるな。注意書きちゃんと読めよ」とか、「現在貸し出し中と分かっている本に相互貸借要請送ってくるなよ」とか、あーでもね〜こーでもね〜と一人ツッコミしながら順調に仕事を片づけてたんだ。 そうこうしているうちにAさん。ふと、誰かがコピー機の前に立っていることに気づいたんだな。 初めはね。あー、誰かコピー機の前にいるなあとしか、思ってなかった。どーせ、同僚の誰かがコピーでも取ってるんだろうなあ……ってね。 でもね、それって実は有り得ないことなんだ。 〃図書館内のコピー機でコピーを取る〃ってのは、法律上の規定がきっちりありましてね、「ちょっとコピー取りたいから取らせて」って訳にいかない。面倒でもちゃんと「複写申込書」ってのに記入しなきゃいけないんだ。おまけに著作権保護の観点から利用制限もある。普通にコピーを取ろうと思ったら、正直面倒なだけなんだ。 当然職員はその事を知っている。だから、ここでコピーを取ったりしない。Aさんはそのことを思い出しましてね、驚いてよくよくコピー機の方を見てみたんだ。こちらに背を向けて立っている男性は……もちろん、Aさんの知っている人じゃない。 それどころか……コピー機の前に立っている男性……、透けてるんですよ。ええ。その男性を通してコピー機や壁が透けて見えるんです。そんな中で、男性はコピー機自体は作動していないのに、コピーを取る、という動作を続けているんですね。 そうして……Aさんが唖然としながら見ているうちに、その男性はすぅっと、消えていったそうです。 その後、Aさんがこの話を同僚にしたんですけどね、話題の中心はどういうわけか「あちらの世界にも図書資料の複写の需要があるのだろうか?」というものになったそうなんですよ。なんか……ずれてますねぇ。ええ。(笑) |
第37話 スパニッシュ?坊やとの数日間。+名古屋奇譚その@+ | 語り手: 十叶 夕海さん |
今現在、私は名古屋のドミトリーに一人暮らしです。 ドミトリーというのは、朝夕ご飯付きのアパートです。 そこに暮らし初め、たった四ヶ月ほどの間に都合、五つほど不思議な怖い?体験をしています。 今回、その中の1つをお話ししましょう あれは、五月の半ば・・・ゴールデンウィークから一週間ほど過ぎたある日のこと。 その日は、少し寝苦しく、クーラ−を付けたまま寝てしまったのです。 (何かいるな) そう思い、目を開け、頭の右上を見ると、一人の少年がいました。 黒くて、軽いパーマをかけたようなボブカットぐらいの長さの髪、くりくりした瞳。 色は分からないけれど、スタジアムジャンパーに、セーターの上にトレーナー、ジーパンにバッシュ。 トレーナーとスタジアムジャンパーに、野球のチームロゴ。 どう高く見積もろうと10歳より上には見えない感じの男の子だ。 昼間町中に見れば、『かわいいv』ですみそうな感じですので。 そのまま流しそうになったが、丑三つ時だと気付き、もう一度見直す。 スペイン系のアメリカ人か?など思ったのです。 「少年どうした?」 しばらく待っても返事はありません。 『少年、どうした?』 テレパシーのようなもので会話するために、言葉一文字一文字に、意志を込めて聞く。 『お姉ちゃん、僕のこと見えるの?』 『見えるよ。 少年の国の方じゃ、妖精眼(グラムサイト)とか、邪眼(イーヴィルアイ)とか言われるたぐいを持っているからね。』 『あのね、僕、×××=××××っていうんだけど。』 彼の名前が聞こえません。 もう一度、聞いても、聞こえないのです。 いいえ、正確に言えば、理解できないのです。 それでも、彼が交通事故で亡くなったことは理解できました。 こうして、彼と・・・便宜上、ラスと呼びました・・・私の共同生活が決まりました。 ラスは、日の光の中だろうと、私の側にいました。 というか、離れようと思えば、離れることができたようです。 かなり不本意ですが、彼は、私をママ・・・正確に言えば、マミーと呼びました。 二十×歳で、十歳のこにそういわれるとは思ってもいませんでしたが。 そのまま、一週間。 その間に、いくつかラスとの会話を通して分かったことがあります。 彼が、生きていれば、私自身の父とそう代わらないこと。 彼の精神年齢は、ほぼ死んだときのままのこと。 彼が、ペプシのほうのコーラが好きなこと。 などなど。 このままなら、ある意味日常の出来事と言うことで済ませれるのですが。 彼との共同生活の中で驚いたことが1つ。 お供え代わりに、数日に一回、ペプシコーラを紙コップ一杯、窓際の白い机に置いておくんです。 少し目を話すと。 減っているのです。 注いだ量の約半分ほどが。 終いには、ほぼ全部飲んでしまうのです。 ・・・・物理現象を伴った幽霊は久しぶりだったので、それなりに驚きました そういう彼ですが、六月が始まって、一週間も経たないうちに、どこかへ行ってしまいました。 いつものような、ゴーストバスターのようなことをしなくてもいい幽霊というのは。 とても、とても久方ぶりだったので、こういう子どもらしいやつならずっといてもよかったのになと。 それから、数ヶ月。 数日前に、また戻ってきて。 憑かず離れず、一緒に過ごしている。 私のお話にしては、怖くはないが、少し不可思議な人との縁のお話。 これにて、今回はおしまい。 |
第38話 玄関 | 語り手: 月読 乾さん |
これは、昨日の夕方…日が落ちるにはまだ少し時間がある5時ごろの事でした。 僕は、一人部屋で雑用をしながら夕方を家で過ごしていました 多少、体を休めていた、その時… ピンポーン!!と呼び鈴がなりました。いえ、ここまでならもちろん何も変な事は無い。 僕の家は自営業だし、この時間に人が来るのは当たり前なのですし… なのに、なぜか僕はすぐに玄関に出れる状況なのにすぐに出るのをしなかった…なぜかは未だにわからないんですが… その直後です。明らかに変な事がおきたのは ドンドン!!とまるで怒りに任せたかのように、玄関をたたく音が二回… 当然、僕は一瞬ビクリ!として、誰だろう!?と思いました まさか、この時間に酔っ払いが入り込む…は、不自然だし、もちろん近所にそういう非常識なまねをする人もいません 警戒して、『はい、どなたですか?』と声だけであえて返事をしても、相手(?)からの返事は無し… 結局、1分弱の間をおいて玄関に出ることにしてみましたが… 誰もいないのです 今日、別の人に話してみたら『この時期だし、子供の悪戯じゃないの?』と言われましたが… もちろん、その可能性も十分あり得るとは思いますが、僕は20年以上この家で暮らしてそんな子供の悪戯にあった事はないし… 第一、僕の家の玄関は入り組んだ中にあるので、あのくらいの間隔なら、たとえすぐに玄関を離れても犯人(?)の後姿くらいは見える気がするので… 結局、あれは何だったのかはっきりと分からないでいます… |
第39話 たぶん、偶然。 | 語り手: エモーションさん |
つい先日借りてきたDVDを見たんです。…………「エミリー・ローズ」を。 タイトルだけで分かる人は分かると思いますが「エクソシスト」や「ポルター・ガイスト」の元ネタな事件のお話です。 そんなもんを終戦記念日の日に見てるのもどーかと思いましたが、内容は予想に反して普通に法廷サスペンスでした。 ホラーな部分は回想シーンくらいなので、とりあえずDVD自体は普通に面白く見てました。 その後、何となく某巨大掲示板の関連スレッドをのぞいてみたんです、興味を引かれて。 今思うと「何余計なことしたんだか」なんですが。 スレッド自体はすぐみつかって、普通に書き込みを見ていたんですよ。 書かれているのも、普通に作品の感想で面白かったですし。 ……で、とある書き込みを見て「おや?」と思ったんです。 作品中、「午前3時」という時間がひとつの作中のポイントになっているんですが 「あの作品を見た後、午前3時になると何故か目が覚める」という書き込みがあったんです。 それも自作自演でなければ複数。 作中における「午前3時」は日本で言う「丑三つ時」。「悪魔の活動時間」なんですよ。 キリストが処刑されたとされる時間「午後3時」の真逆の時間、ということらしいんですね。 妙な書き込みみちゃったなあ、と思ったけれど、「単にちょっと内容に影響されただけ」とも考えられるので特に気にしないでスレッド閉じました。 で、そのまんま他のHP見て回ったり、本読んだり(しかも「暴れん坊本屋さん」とかのギャグ系)して普通に眠りました。 はい、寝付きは思いっきり良くぐっすりと。 ……が、夜中にいきなり目が覚めました。 特に変な感じはしません。学生の時のようにいきなり金縛りかけてくるのも何もいません。 本当に、ただ目が覚めただけです。 あの調子眠ったのなら、いつもなら朝までほぼ目が覚めることはないので、変だなあと思いつつ時計を見たら…… 午前3時(ジャスト) 勘弁してくれよ〜と、何故か稲川口調で思いつつ、意識がスゥ〜っと(笑) 幸いなことにそのまま無事に眠りにつきまして、何事もなく朝いつもどおりに目が覚めました。 それからは特に午前3時に目が覚めることはないです。 たぶん、書き込みとかに影響受けただけなんだろうなと思っているのですが。 タイミング良くあの時間に目が覚めた、っていうのも…… 偶然なのでしょう。 そう、たぶん、偶然。 |
第40話 怖がるひと茶化すひと | 語り手: 紫堂 遙陽さん |
私の通う大学には寮がある。 大学の敷地内に建てられていて、規則が厳しいことで有名…と別大学の友人は語る。(私は知らない。) そしてお約束と言えばお約束だが、出る。五つある寮のうち三つに出る。 幽霊だか妖怪だか寮生の悪戯かは解らないが、とにかく何かが出るらしい。この際お化け屋敷にでも改装したらどうかとかバチ当たりなことを考える私である。 そして以下は、そんなお化け(?)についての私と友人との会話をテキトーにまとめたものである。 「はるちゃん知ってる?A寮って兵隊さんが出るんだって」 昼時の学生食堂。満面の笑顔を浮かべて私に走り寄る友人。 オムライス前にしている私の傍に走り寄った彼女の開口一番の台詞はこれだった。思わず薄焼き卵に顔面を着地させる所であった。 「…はぁ?」 「夜中になると、廊下を軍服着たひとの集団が歩くんだって。すごいね、そんなのに逢ったらどうしよう」 彼女の目は輝いていた。それはもうきらきらと。恐らくさっきの講義中にでも聞きかじったのであろう。 気持ちは解る。私もそういう話を聞くと喜んであちこちに言いふらしたくてうずうずするタイプだから。 しかし、私には他人からそういう話をされると潰したくなるという妙な(というかタチの悪い)癖もあるのだ。 「…コスプレした寮生が歩いてんじゃないのかな」 「…そんなアホな」 いや、私もそう想うけど。この季節に軍人コスは暑いし。(←そういう問題では無い) いや、私もそう想うけど。この季節に軍人コスは暑いし。(←そういう問題では無い) 友人は首を傾げつつ、調味料コーナーからケチャップを取り、(私の)オムライスの上に(勝手に)ハート型を書いている。 そして続けて、 「B寮では、生徒が自殺したらしいよ…十年くらい前に」 「…百年近くある学校なんだから、そら一人か二人は死ぬだろ」 「…はるちゃん」 睨まれた。気にせずオムライスを食べる。ふっくらでおいしい。 因みに彼女の話によるとカーテンレールで首を吊ったらしく、その部屋には未だにカーテンレールが無いとか。 確かに、その部屋に住むことを思えば結構怖い。ていうか私なら泣いて逃げるが。 後日聞いた話によると、その部屋はインフルエンザなどの感染症を患った寮生が隔離される部屋になっているらしい。良くなるものも良くならなさそうな話である。 私の茶化しに友人はうーんと首を捻りつつ、 「これが最後。C寮では、夜中に廊下を誰かが走る足音が…」 「…本トに誰か走ってるんとちゃうのん。…寮生が」 「あ、それ私も想った」 「または、あれだ」 オムライスを口に運ぶのを中断しスプーンぴこぴこ振りつつこっくり首を傾げてみせる。ただの癖。 …突然だが私のガッコは仏教校である。ある聖人の教えを基盤にしてるとかなんとかかんとか。 女子生徒の間で数珠を交換、『如来様がみてる』とかいう冗談が一時期流行ったが、まぁそれはどうでもいい。 私は真顔で、 「親鸞様が走ってるんじゃないのかな」 「ありがたっ!可愛いっ!」 「…可愛いかぁ?」 最近の女子は何でもかんでも『かわいい』と言う傾向がある様だ。表現力不足であろうか。ひとの事は言えないが。 因みに後日この話を別の大学に通う別友人にした所、『じゃあ何か、うちの寮はイエス=キリストが走るのか』と真顔で突っ込まれた。 どちらにしても(色んな意味で)ありがたい話である。多分そんな話で盛り上がった私たちにバチが当たる日もそう遠くは無いだろう。 …とか冗談半分に想っていると、この友人はこんな話で盛り上がってた所為で、次の時間に提出しなければならなかったレポートを出し忘れ、ある意味怪談よりも怖い目にあったのだった。 結局、茶化した私が無事。 怖がった彼女がえらい目に。 結論。 霊を茶化すなとはよく聞く話だが、茶化さなければいいとは限らない―― 「じゃあ、結局のところどうすれば良かったんですか」 「…さぁ?」 追加の課題抱える彼女に、私は遠い目で背を向けた。 霊に対する最善の対応。 それは案外、深く気にしないこと、なのかもしれなかった。 |
第41話 魂喰い《パワーイーター》 | 語り手: 十叶 夕海さん |
周知かもしれないですが、私は、俗に言う霊感女です。 二十×歳だというのに、霊感ばりばりで、人には見えないものは見えるわ。 人外から、告白されるわ。 少なくとも、普通の二文字から縁遠い生活をしています。 さて、私には、10歳近く年下の妹がいます。 彼女は、現在中学生。 今年、高校受験っぽいです。 妹は、Kと言います。 Kは、ファッションにも興味があるし、少し前まで中学校のソフト部のレギュラーをはるほどのアウトドア人間というか、ごくごくふつうの女の子なのです。 蛙の子は蛙とはよく言いますが、Kの場合は、蛙の妹は蛙と言うことなのでしょうか? 妹は、奇妙な力を持っています。 霊感ではないんです。 ・ ・・・霊感の方も、普通の人間程度にはあります。 しかし、彼女の能力は違います それは、私が便宜上付けた名前で言うなら、魂喰い《パワーイーター》とよんでいます。 もちろん、某ゲームの準えてですが。 なぜそういうことが分かったのか、それをお話しします。 それは、私が便宜上付けた名前で言うなら、魂喰い《パワーイーター》とよんでいます。 もちろん、某ゲームの準えてですが。 なぜそういうことが分かったのか、それをお話しします。 今から数年前。 私が、二度目の高校三年生を謳歌している頃のお話。 そのころ、Kは、夢見がよくなかったようです。 『安眠のおまじない』などを数種類教えて、数日ごまかしていました。 その数日の間に、十字架を核にして、『安眠の護符』もどきを作って渡したんです。 ちなみに、そういうのは初めてでした。 翌朝―。 その数日の間に、十字架を核にして、『安眠の護符』もどきを作って渡したんです。 ちなみに、そういうのは初めてでした。 翌朝―。 『姉ちゃん、これ効かんだ。』 『はい? 嘘でしょう、私謹製の。』 翌朝の朝食の席で、返された十字架。 妹の文句を半ば聞き流し、『視』てみると。 そういう『護符』的な機構がすべて、機能しなくなっていたのです。 おもちゃで言うなら、電池が無いに当たります。 それだけなら、能力は発動したけど、効果がないのかなで済みます。 しかし、おもちゃで言う機械油の部分・・・・『十字架そのものの霊力』も無くなっているのです。 あり得ないことです。 犬が猫を生むぐらいあり得ないです。 十字架は、イエスの十字架の類型なので、その力がコンマ数%宿るものなのです。 (そういう魔術分野もあります) その後も、いくつかのシンボル。 五角星。 六角星。 エジプト十字。 日本のお守り。 他にも他にも。 試したのです。 全部が全部、ただのその形をした金属になりました。 それどころか、霊力貯金箱にしていたタロットカードまで、普通の紙切れに。 今現在、霊力を宿した物品を彼女が触って、数秒もすれば、空っぽになります。 全部が全部、ただのその形をした金属になりました。 それどころか、霊力貯金箱にしていたタロットカードまで、普通の紙切れに。 今現在、霊力を宿した物品を彼女が触って、数秒もすれば、空っぽになります。 そして、私が付けた名前は、魂喰らい。 霊力を・・・ある種の魂を喰う能力。 それが妹にあるようです。 この能力。 系統が違うとはいえ、同じ代に異能力者がでるとは・・・・・・・。 何かあるのでしょうか・・・ねぇ? |
第42話 書庫 | 語り手: エモーションさん |
これも聞いた話で、また図書館でのお話なんですけどね。 図書館には普段あたしたちが自由に本を手にとって読める部屋……閲覧室の他にも書庫っていう、古くなったり、利用頻度が少なくなったものが所蔵されている部屋があるんですよ。これはね、そんな書庫でのお話なんです。 その図書館はかなりスペースの広い図書館でして……まあ、新しく分館として建てるときに敷地をかなり広く確保出来たので、わざとそうなるようにした、ってこともありまして、本館である図書館よりも所蔵している蔵書が多いんですよ。当然、書庫のスペースも広い。そりゃ半端じゃなく広い。何せ他の分館の閲覧室がすっぽり収まっちまうってんだから尋常じゃない。で、他の館にはない、その日一日、ずっと書庫で業務を行う「書庫当番」なんてのがあるわけです。 これがね、まあ大変なんだ。一人で仕事するわけじゃないけれど、書庫は地下に造られているもんだから、ほぼ一日中地下の階にいなきゃならないってだけでため息もんですわ。おまけに暇かと思えばそうでもない。書庫にある本を借りたがる利用者は自分の館に来ている人達だけじゃないから、当然、他の館からも要請がくるんだよね。それはどこもお互い様なんだけど、ここの図書館への要請が一番多いのは……まあ、仕方がないわなあ。 Aさんはその日、書庫当番でしてね。同じ当番のBさんと一緒に、あれは自館、これは他館といった調子で、探し出してきた図書資料を小型エレベーターで上に上げたり、メール便のボックスに入れたりしていたんだけど、Bさんが用事で少しの間、上に行かなきゃ行けなくなったんですよ。まあ、図書資料の要請もそこそこ落ちつく時間帯でしたから、Aさんは一人で書庫にいることになったわけです。 Bさんが上の階に行って、しばらく経った頃でしょうか。Aさんは書庫とは別にある地下の事務室で、当番とは別にある自分の仕事をしていたそうです。で、ふっと誰かが自分の前を通り過ぎて書庫の方へ歩いていくのに気づいたんですね。顔を上げると……確かに書庫に入っていく人影があるんだ。 あれ?って思いながらもね、Aさんは最初Bさんだと思ったんですよ。でもそれなら声くらいかけるはず。緊急でカウンター当番の誰かが下りてきたとしても、それは同じ。 Aさんは、変だなあ。でも、誰にしろそのうち出てくるだろうと、一つしかないドアを見ていたわけです。でも……出てこない。いつまでたっても、出てこないんですねぇ。 これはおかしいと思い始めたところ、ちょうどBさんが戻ってきましてね。Aさん、意を決して書庫の中を見て回ることにしたんです。 ……で、見て回った結果……誰も……いない。 広いとはいえ、割合見通しは利くんだ。しかも出口は一箇所だけで、Bさんが見張っている。隠れるのも、こっそり抜け出すのも、無理なはずなんだ。なのに、誰もいない。 Aさん、もう血の気がサァーッと引いたそうです。だって、確かにAさんは入っていく人影を見たんだから。同時にね、思い出したんですよ。 数年前、この図書館が入っている建物で飛び降り自殺があったこと。そして、落ちた場所が、地下駐車場の出入り口付近だったことを……。 分厚い壁を隔てているとはいえ、その現場、書庫の近くなんだよねぇ……。 冗談じゃないよ、もう。勘弁してくれよ〜。 Aさん、そうぶつぶつ愚痴りながらもね、今もまだ、その図書館でお仕事しているんです。何せ、移動の辞令が来ていませんからね。 |
第43話 狐と犬は、好物の夢を見るか? | 語り手: 十叶 夕海さん |
いまでこそ、仲がいいこのめとリュース。 しかし、リュースが私の配下になって、しばらく・・・・。 バレンタインも幾日か過ぎていて、自動車学校や暇つぶしに以外外に出なくてもいいそんな日々の頃だ。 そのころは、さして仲はよくなかった。 ブールのように、『認めない』と声高に言わなかったにしろ。 某SFの『アンドロイドは、電気羊の夢を見るか?』のもじりです。<391 リュースのお話を聞いてなかった人のために補足。 リュースは、正月に私が買ったラピスラズリの腕輪に封じられていた吸血鬼。 私の配下になったのは、いつぞやと同じく、『魂からいい匂いがするから。』だそうで。 その日は、週に一回の『吸血の日』で土曜日だったと思う。 なぜ、土曜日かと言われれば、吸われ過ぎても寝坊ができるからだ。 その吸血も、寝る前に行うのが普通なのだ。 方法は、よく切れるとイメージ出来るカッターを一本用意します。 それをどこぞの漫画の『周』のように、自分の霊力魔力精神力・・・呼び方難でもいいですが、見えない力で覆います。 それで、私の場合、人差し指を切る動作をします。 そうすると、物理的に何もしなくても、精神体的に切れます。 体には存在しない、その傷口からあふれる液体をリュースが摂取するのです。 吸った後しばらく、ピロートークではないですが、リュースはいろいろなことを話します。 その一部が、私が小説1で、連載している『光への憧憬』の源にもなっています。 そして、その日は、たまたま私はお酒に酔っていたせいもあったのか、リュースも少し酔ったように、ほおを朱に染めていました。 『ユア様は、ジャンヌに似ている。』 「ジャンヌって? あの『聖女』の?」 『いいや、私が今まで唯一真剣に愛して、感情のままに血を吸いたくないと思った人間の女だよ。 ジャンヌは、白人で、ユア様は、黄色いし。 ジャンヌは、ソバカスだらけだったしね。 似てないけど、似てる。 自分が殺したようなものだけど。』 「・・・光栄と言うべきか?」 ふだんなら、添い寝・・・同じ布団に横にさせるだけですませるが、その日は、保護欲をそそられて、私は、彼を抱き寄せる。 視える人が視れば、私の肩にリュースの顔があるという感じである。 「泣け。 泣いてないだろう、その表情は。 大切なやつが死ねば悲しい。 それが普通だろう。 『ありがとう・・・・・・』 『ユア、リュースも寝てしまっておるぞ。』 「あら、そうみたいね。」 数時間後。 私もうたた寝をしていたのか、このめに起こされた。 『電気、消して。布団かぶらんと風邪引くぞ』とお母さんのようである。 「さて、電気消して寝ましょうか。」 言葉通り、電気のひもを引こうとするのだが出来ない。 正確に言えば、体が動かない。 リュースが抱きついてるというのは関係ない。 たぶん、金縛ってるのだろう。 普通の金縛りなら、電気代と私の安眠が犠牲になる程度で済んだだろう。 しかし、そのとき近づいてきている存在がそれを許さない。 近づいてきたのは、二つ首の大犬とそれを操るゾンビ風味の猛獣使い。 その後ろに、通常よるも十倍近い大きな蠅と。 (でっかい蠅・・・・ベールゼブブ・・・そんな大きな存在怒らせた覚えはないな。 喜ばせた覚えもないけど。) (さしあたって、ブールが原因かな。 下っ端とはいえ、自分の名前を半分与えた存在が人間に入れ込むことになってるし。 ブエルが、同じ派閥に頼んでも、不思議はないか。) 『ユア、どうするんじゃ。 今日は、後ろの奴らも、ブールもおらぬぞ。 ええい、くそ、いつも、守るだの抜かしてるなら、離れるな、ブール』 「何のよう・・・・っても、蠅王が、私を殺しに来たとしか言わないだろうけど?」 『・・・・・』 「・・・・このめ、リュース引きずって逃げろ。 私も年貢の納め時だな。」 『いやじゃ、ユア。 わしは、戦うぞ。 ユアが死ぬのは、清明が死ぬより嫌じゃ。』 「・・・・・時間稼げ。 稼げば、金縛りを解けるかもしれない。」 『わかった。』 あきらめかけていたが、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになったこのめをみて、最後までじたばたしてみる気になった。 主に、アストラルサイトで戦ってくれたおかげか、物理的な損害はなかった。 それでも、数時間。 一対二をしていたせいか、このめの反応速度は鈍る。 そして、大犬の爪の決定的な一撃がこのめに!! 入るその瞬間。 リュースが、その爪とこのめの間に入る。 とうぜん、リュースは切り裂かれる。 『何故じゃ? 好いておらぬと分かっておる相手を何故かばうのじゃ』 『くすくす、ユア様が大切に思っていらっしゃるから。 ユア様が、泣くのは嫌ですから。』 そう会話しながら、ほぼ一瞬で、蠅王の蠅もろとも、大犬と猛獣使いを吹き飛ばす・・・存在そのものを吹き飛ばした。 事実上、その二匹はほろんだ。 その直後、私の金縛りも解けた。 リュースは、当然、倒れた。 人間で言うなら、内臓の三割四割を持って行かれたようなものだ。 それは仕方ない。 私の霊力とこのめの神力で、その欠損した部分を補完して、眠っている。 そのころにはもう、雀が合唱をしていた。 その日私も、午前中は、寝潰した。 次にきた夜には、リュースとこのめも、それなりに回復していた 私は、お礼代わりに、このめにユア特製おいなりさん。 リュースに、その日ではなかったが、精力を上げた。 ちなみに、ブールは、何故来れなかったかというと。 上司のブエルに、『封縛の鎖』で足止めされ、事務仕事をさせられていたそうだ。 げに哀しきは、下っ端である。 |
第44話 送り人? | 語り手: 月読 乾さん |
ここ最近の、自分の悩み事?の話をしようと思います 実は、血縁が最近怪我で入院して… そこは、形成外科… 当然、表面はあまりそういう事は感じさせないようにさせていますが、中には急患…つまりは怪我どころでは無い方も運ばれる… 自分の用事は、あくまでも怪我をした血縁の人のお見舞いで、その方も手首の骨折なので…それ自体はなんでもないことですが… ここ最近、体に違和感が… 重いんです。体が筋肉が緊張したり、精神的に不安定になるのがひどくなったり… 思い当たる理由はもちろんあるといったら幾つも…ですが、どれも正直普段からあるようなもので、別にいまさら不自然に体調に変化をきたすようなものは… どうも…直接の理由は…「連れ帰ってる」らしいのです…家に 血縁の方も、既にリハビリ段階。僕が病院にお見舞いに行くのも、もうあと少しだとは思いますが… やはり、お祓いでも受けるべきだろうか?退院して事が澄んだ後の事を考えている段階です… |
第45話 Are you rei? 猫の幽霊 | 語り手: 特に菜塩さん |
これは、わたしの母校に伝わる怪談です。 むかし、私が中学校に来る前に勤めていた理科の先生で、標本の大好きな人がいました。 その先生は標本の中でも骨格標本が大好きで、動物の死体を見つけると、自分で死体を骨格標本にして眺めるあぶなひ人。 さて、ここでその先生の標本の作り方を説明しましょう。 その先生が標本を作るには2つ方法あって、1つは土に埋めて死体が土になったら掘り返す方法。 もう一つは、死体を大きな鍋で茹でて、茹でた死体から箸で肉を剥ぎ取っていく方法。 嘘かホントか? その先生が在校中生徒達の間では、理科室の鳥が居なくなった。 昼間に先生がネコを追い掛け回してた、などの噂話もあったそうです。 話は変わって。 校舎内を見回っていた警備員のおじさんがいたのですが、その日の校舎は『何かが』違っていたのです。 そう……校舎内のどこかから、異様な臭いに漂ってくるのです…… 臭いの元はどこだ!? と探していると、どうやら理科室から臭いが漂ってきているらしい。 (……理科室…かぁ……) 警備員のおじさんの脳裏に「標本好きの先生」が浮かび上がった。 放課後の校舎は、静かで暗くてちょっぴり不気味。 そんな校舎に漂う異臭…… 何ともいえぬ不気味さを感じながら理科室へと向かう警備員のおじさん。 理科室の前にたどり着くと、警備員のおじさんの推測は確信に変わった。 (……間違いない……臭いの元は理科室だ……) 校舎内に異臭が漂えば、調べるのが警備員としての責務。 覚悟を決めると、理科室の扉を開けて―― … …… ………警備員の目に……飛び込んできたのは――とても正視できる光景じゃなかった…… 『なんと!! 理科の先生がセーラームーンの衣装に着替えて怪しげなポーズを』 どこから持ち込んだのか? 全身鏡に写る自分に恍惚の表情を浮か すんません。嘘ですぅぅぅうううううううう!!!!! 本当の話は…… なんと!!? ドアを開いた理科室では、 理科の先生が、ラーメンのスープ煮る様な鍋で ネコを茹でていたのですっ!! 無論、異臭の元凶はコレ。 茹でる理由は――骨格標本を作る為です。 噂はマジだった!? 警備員のおじさんはきっと「嫌なもん見ちまったな……」程度の事は思ったでしょう。 … …… ………――が、まさかこれが『恐怖の始まり』だとは…… ……夢にも思わなかったハズです…… それからというものです。 警備員さんが夜中に校舎を回っていると 「……にゃ〜……にゃ〜……」 ネ コ の 鳴 き 声 が 聞 こ え る の で す ! 元自衛隊員でも、お化けは怖い。警備員のおじさんはビビリまくっちゃって、来なくなってしまいました。 っで、次の警備員さんも猫の鳴き声がするっ て言い出すもんだから大問題になっちゃって、結局、校舎内にお札を貼ることになりましたとさ……犬のお札を。 なんで犬のお札を貼ったのかというと、『犬とネコって仲悪いから』そーゆー理論だそうです。 ……正直……逆にネコ霊の逆鱗に触れそうなのですが、犬のお札を貼ってからというもの『ネコの鳴き声』は止みましたとさ。 にゃん にゃん これが私の母校に伝わる怪談です。うそ臭いですね。 標本好きの理科の先生もそうですし、 孤独な深夜勤務を『かわいい声で癒してくれる』 生きてるか死んでるかイマイチ不明なネコごときにビビル警備員も怪しさ爆発です。 ただ、この怪談にはある物が存在します――物的証拠です。 まず、理科室に並ぶ『骨格標本』です。 これらの骨格標本のいくつかには、 『同じ名前の製作者が記録されており』 『カラス』『すずめ』などのほかに、バッチリ『ネコの骨格標本も存在した』のを 『霊とか信じない私自身が』 確認しています。 そして、もう一つの物的証拠は『犬のお札』 ……マジで貼ってあったんです年代モノが……ピアノの底とか、防火扉の裏とかに…… お札は先生の言うとおり学校各所に貼ってあり、この話の信憑性を裏付ける物としています。 っで、そのお札がその後どうなったか? パターン1【移植】 机に貼り付け【対オバケ仕様】にするなどの画期的使用法により 3枚のお札が剥がされました……ゴメンなさい…… パターン2【イジメ】 女の子の間ではこれを『わぁ〜〜〜○○だ! 悪霊退散』などの最低な行為に使用していました。 … …… …………女の子って『お化けより怖い』ですね♪ってゆうか死ね! ↑の女全員死ね! 師ねじゃなくて死ね滅べ! なお、自分はそのイジメを見つつ無視したチキンです……俺も死ね! ハァハァ……次に行きます。 パターン3【ビックリマンシール】 音楽室に付けられた『犬のお札』。それは変わっていました。 なんと!『ビックリマンシール』が重ねて貼られていたのです。 ビックリマンシールには ★悪魔シールでいたずらされたら、天使やお守りシールをハリ返そう!! なる事が書かれています。 当然取る行動は1つ!シールで仕返しです。 天使と悪魔の貼り合い。だれか知らない人との静かな戦い。 戦いは、重ね貼りシールが『重力じゃ支えきれない』ほどに達し、音楽の先生にお札を剥がされるまで続きましたとさ。 ばちあたり ばちあたり 以上! これが、特に菜塩が百物語のネタをGETすべく 過去に中年夫婦の自殺者が出たことがある"バンガロー≠ノ宿泊したり(楽しかった) ある道場にある、日清戦争中に 何人か斬った 刀を抜かせてもらったり(ちょっと曲がってたかも?) 有名心霊スポットを行こうとしたり(がけ崩れで道路閉鎖。途中で断念) と色々したのですが……なーんも怖い体験できなかったために書き上げた、怖くは無いけど 物的証拠の揃った紛れも無い事実な 怪談です。 時間オーバー失礼しました! 駄話失礼しました! そしてご静聴、有難う御座いましたっ! |
第46話 メッセージ | 語り手: 一坪さん |
17日の朝4:30〜5:00に見た夢の話です。 なぜそんなにはっきり覚えているかというと高熱&背中の痛みで30分単位で寝たり起きたりをくりかえしていたからです。 そんな死に近い状況だった(洒落にならないぐらい)からこんな夢を見たのかもしれません。 では、どんな夢だったのかお話しします。 私の部屋は2階にありまして、窓は壁の3分の2ぐらいの大きさです。 で、その窓には柵が付いてます。柵というか植木鉢が置けるようなのです。 柵は窓の半分ぐらいの高さで幅は20pぐらいです。 その柵の上を夏祭りからの帰りみたいな人たちが通っていくのです。 大人や子供、浴衣を着た人や自転車に乗ってる人など、とにかく隙間がないほどの行列で。 私の家は神社への通り道で初詣の時も人が通るので(ここまで大行列ではないですが)特に気にはなりませんでした。 するとナゼか私の部屋に調査スタッフみたいな人たちが数人来て、その人波を調べはじめました。 ほんとうに調査スタッフって感じの人たちで何かの器械とかをセッティングしたりしてました。 で、その中に一人だけ白装束のニコニコしたおじさんがいました。 イメージ的には恵比寿様みたいな。 私はその人と会話をすることになるんですが、その人が聞き取れないぐらいの小声で返事をしてくるのです。 私が聞き取れずに「なんですか?」などと聞くと少し顔を近づけて答える。 それでも聞けないので何回も聞き返すうちに最後は耳元でようやく聞き取れるって感じです。 で、違う会話をするとまた離れて小声で答えてきます。そして聞き返しているうちに耳元まで近づいくる。という会話を何回かしました。 その時の会話の内容は残念ながら思い出せないんですが。 ただ、最後の質問だけは覚えてます。 私が最後にした質問は「どうしたらいいんですか?」です。 窓の外を歩いてる人たちについての質問です。 白装束の人は、また答えてくれますが、あいかわらず小声で聞き取れません。 しかも今回は耳元で言われても聞き取れませんでした。 そしてその人は離れていきます。 私も必死だったので「もう一度お願いします!」と頼みます。 また小声で繰り返しながら耳元まで近づいてくる。 それでも聞き取れない。 それを3回ぐらい繰り返したでしょうか、やっと何を言ってるのか聞き取れたのです。 それは「御神酒(おみき)」という一言でした。 そこで目が覚めました。 その夢があまりにも唐突でメッセージ性を強く感じた私は、すぐにお酒を神棚に供えた後、自分の部屋に置いたのでした。 あとで考えれば私の家の前が霊道といわれるもので、お盆で帰ってきてた方達が戻っていく途中だったのかなーと17日の早朝に見た夢だけにそう思うのでした。 ひょっとしたら、高熱&激痛が続いて本当にヤバイ状態だったので一緒に連れて行かれないように御神酒で守るよう教えてくれたのかも。 |
第47話 喪服の女 | 語り手: 十叶 夕海さん |
私の話にしては、かなり、オーソドックスな感じです。 十日ほど前の二十三日の午後十時半過ぎ。 私はその日、ちょっとした用事で、故郷から一日だけ名古屋に帰ったんです。 その帰り道。 駅から、商店街にのびる道を歩いていました。 (枝豆ご飯おにぎりとサンドイッチにしようか。 ・・・・でも、お弁当系も捨てがたい) など、夕飯をその商店街のファミマで買うつもりで思考を巡らせていました。 『たしかに、えだまめごはんのおむすびは秀逸じゃのう。』 『そうですね、でも、ユア様。 寝る前の飲食は・・・・・』 そんないつも通りのリュースとこのめ。 ほほえましく見ていたそんなときだった。 私達は、駅からみて右側の歩道をキャリーケースをからころからころ引いて歩いています。 その反対側の歩道からころからころの音から少しはずれるように、おなじようにからころからころ引くような音がするのです。 私は、はっとして、左の歩道を見ます。 1つの人影があります。 遠目で見た感じ、私とそう変わらない二十代前半。 長い黒髪。 黒いワンピース。 今のデザインと言うよりも、少し古風な感じで。 ・・・・・・・・・・それだけなら、ああ、葬式帰りなのかな。 一泊すれば楽だろうけど。 と言うことで済みます。 それで済まない理由が二つ。 一つ目は、同じ電から降りた人がおらず。 反対の上がりの電車も、もう二十分は来ないこと。 二つ目は、これが確定条件なのです。 薄く女性の向こう側が見えていること。 街灯に当たっているのに、全く影ができていないこと。 「・・・下弦であの日が近いとなると・・・・・・・・・・うん、最悪v」 『ユア(様)』 このめとリュースも気付いたようだった。 『どうするのじゃ?』 『消しましょうか?』 「そういう怖いこと言っちゃだめ。」 『そうそう、ユアお嬢ちゃんの判断なんだ。 従うというのが、配下ってことだろうによ、キツネ君に犬君。』 珍しく、『道化師』・・・ピエロ姿の私の後ろの人、正確には、傍観者で、完全に見方じゃない存在。 『で、ユアお嬢ちゃんはどうするんで? ああいうすかすかなのは、精気食いのあたしらでも、ごめんだけど。』 「じっさい、在りし日を再生してるだけだし。 ・・・・・・・うん、ほっとこう。 おなか空いたし。」 ・・・・・・・・これで、彼女が何もしなければ、日常の一コマとして、忘れていくはずでした。 そして、私達は、目的地のコンビニに来ました。 何の気なしに、どこまで歩いて消えるのか気になったので、ふと反対側の歩道を見ました。 そんな気味の悪い湿っぽいような音がするかと思うぐらい。 深く深く、嘲るように慈しむように、彼女はこっちを見て笑い、嗤っています。 そして、風船が割れるかのように、彼女ははじき消えました。 『ユアお嬢ちゃん、飲み込まれちゃあいけないよう。』 リュースやこのめが半分絶句している中、道化師だけは、そう呑気ににへらと笑いそう言った。 彼女が何者だったかは分からない。 普通の、成仏する寸前の幽霊だったはずなのに。 |
第48話 道化師との序曲的邂逅 | 語り手: 十叶 夕海さん |
前話に出てきた縁で、この話をしましょう。 【道化師】は、私の後ろの存在の中で一番古くからいます。 六歳ぐらいの時に、出会ったのです。 正確に言えば、六歳になる直前の梅雨の時期。 肺炎か、髄炎かで、入院しました。 私が、まーくんとその数年前に分かれた病院です。 症状がある程度好転してからは、まーくんを思い出して、泣き過ごす毎日です。 看護婦さん達は、治療が痛いから泣いていると思っていたようです。 さて、霊力がある子どもでも、近づきやすいのは、笑ってばかりいる子どもと泣いてばかりいる子どもどちらでしょう? 正解 : 泣いているほ方 そうです、泣いている方に寄っていきます。 せいぜい、雑霊レベルですが、それでも、何の手段も持っていない。 ・・・当時の私なんかは、カッコウのえさだった。 そうです、泣いている方に寄っていきます。 せいぜい、雑霊レベルですが、それでも、何の手段も持っていない。 ・・・当時の私なんかは、カッコウのえさだった。 『おまえが悪い子だから、まーくんは死んだんだ。』 『悪いと思うなら、償え』 『おじさん達と一緒に行こう』 とか、そんな声で誘惑されたり、寝ているときに、覆い被さられたり。 それが、数日続いた日のことでしょうか。 『ほいほい、あんちゃん、おっさん。 情けなくない? んな、ちっこい子、霊力持ってるからって襲うのどうよ?』 そう声をかける人?がいました。 赤い布に青と白の水玉のナイトキャップ風の帽子。 青いおかっぱ。 白塗りに、目元だけの藍色のマスク。 ほおに、涙とハートのペイント。 帽子と同じ赤地に青と白の水玉のだぶだぶの衣装。 不釣り合いな紳士が持つような高級そうなまっすぐな杖。 そんな服装のおにいさん?が、雑霊達と私の間に、立ちはだかった。 『そんなわけで、おにーさん、おっさん、個々は俺に免じて退いてくれない?』 『そんなこと聞けるか。』 そんな誰かの声に、反応して雑霊達は、一気に襲いかかってきた。 一気に襲いかかってきたのだが・・・・・・・・。 ピエロのお兄さんの杖の一降りで、三々五々、雑霊は吹き散らされた。 「ピエロのおじさん、ありがとう。」 『おじさんじゃなくて、お兄さんな。 たしかに、もうおじさんどころかおじいさんの年齢だけど。』 「ピエロのお兄さん、ありがとう。 すっごくつよいんだね。」 『まあ、あたしにしたら、あれくらい十倍いても大丈夫ってなもんよ。 ・・・・・にしても、お嬢ちゃん、確かに襲われるだけあって、霊力的にべっぴんさんだね。』 「おにいちゃんのなまえは?」 『秘密。 お嬢ちゃんは?』 「んとね、わたしは、ゆあっていうの。(ゆあには、本名は入ります。)」 『そうか、ゆあお嬢ちゃん。 1つ、俺のお願い聞いてくれる?』 「なあに?」 『お兄さんを、ユアお嬢ちゃんの配下にしてくれるかな。 ユアお嬢ちゃんが自分の身を守れるようなるまででもかまわないから。』 「はいか?」 当時は、友達と家族とお医者さんぐらいしか、私の世界には人がいませんでしたので、配下という言葉は理解できませんでした。、 「はいかって、何? あの、アメ玉で、すーっとひんやりするの?」 『んと、そうだね、それは、ハッカ飴だね。 配下って言うのは、家族と友達を合わせた感じかな。』 「なにかあげなくちゃいけないの?」 『いいや、俺が欲しいのはね。 俺が安心して眠れる場所。 ユアお嬢ちゃんなら、くれそうだし。 それに、お嬢ちゃんは守りたい感じだからね。』 「なら、『はいか』になって。 いっしょに、ままごととかしよ。」 それから、二十年近く・・・・・・・・。 私が、身を守れる幼になってからも、彼は側にいる。 多くは語らないし、まだ秘密が多い彼だけれど。 もし、兄がいたら、こんな感じだと思っている。 道化師の正体だが、少なくとも、人間ではないようだ。 十日前のあの台詞から察するに、吸血鬼とかの精気を吸う類の存在だろう。 ・・・・・・・・・もし、そうであっても、道化師は道化師だろうから、これからも私の後ろから見守ってくれるだろう。 |
第49話 盗難の後に・・・ | 語り手: 薫さん |
これは、今朝方。中途半端なところで私が見ていて目覚めた夢のお話です。 夢、といえば以前話した延々と繰り返される悲劇の夢がありましたが。これもある意味、現実的には怖い・・のかもしれません。 夢の中。私はなぜか自転車で友達たちと出かけていました。場所はなぜか山の中にとある遊技場らしき場所 ただ。違うのは、夢の中の私は、自分の容姿ではなく、まったくの別人になっている。ということがありました。 友達たちと、ひとまず用事をすませ。そして駐輪場にともどっていったときです その遊技場がある山の下のあたりに、ちょっとした駐輪場があるのですが。みんなはそこに自転車やバイクをとめて移動してました そして、皆が次々と自分の乗り物、バイクや自転車をみつけ、乗っているそんな中 ・・・・あれ? なぜか、私のだけ。止めていた場所に自転車がありません。それは幾ら探してもないのです 「・・・ もしかして、盗まれた?」 このあたりには、盗難自転車などが多発し、なぜかそれらを売りさばく闇ルートがある。と噂されている場所でもあることに思い当たりました。 しかし、あんなボロを…そうはおもいますが。こちらもひきさがれません。 とにかく。怪しい場所を徹底して意地でも探すことにし。さらに山の奥のほうにとはいっていきました 遊技場がある方向よりすこし裏手。まず、そこまでは人がこないのかあまり人気のない場所・・のはず それなのに、山の木々にかくれて立派な建物などがいくつかたっているのが上るにつれてみえてきます そして…その周りには、どうみても。見た目「普通の人」とは思えないような人たちが・・・ それでも、半ば意地。この自分のものをとるなんて!の状態になり、とにかくそんな人々がいる方向。といっても、彼らがいる方向ではなく。その逆方向にとすすんでいきます やがて、建物の間に、何やらモノ置き場のような場所があり。そこに無造作に。車やら何やらいろいろとおかれている場所にとたどりつきました それは外車とかいかにも高そうなものから、果てはどうみてもガラクタ同然のものまで もしかして、自分の自転車もこの中に…そう思い、その中をぐるぐるととにかくめぐりまくって探し始めました ・・・と 「そこで何をしている!?」・・と数名の男の声が・・・ ふと気づけば、自分がいるのはちょうどモノなどが積み上げられており、袋小路の場所 唯一の出入り口の場所にずらっとならんでいる五・六人の男たち…… 「そこで何をしている?・・・みたな?」 口々にいいつつも、全員が懐に手をいれて・・・なぜか黒光する何かを手にしていたり、きらっと光るナイフをそれぞれに手にしてきます 「ここはオレたちの取引上だとしって密偵にきたんだろ!?」 ・・・は? 相手はそんなことをいってきます。こっちはまったくそんなことはしりません 私と一緒にもう一人。女の子が探しに手伝ってくれていたのですが。そちらのほうはびっくりしているのかうごきません 「ここが取引場だと知られた以上。いかしてはおけねぇ。」 などといいつつ、し゜りじりと近づいてくる男たち。 そっちがかってに取引場所とかいったんじゃん!?などとおもい 「そっちがかってにいったんじゃない!私は自分の自転車をさがしにきただけよ!」 なぜかやけになり怒鳴り返している自分 「何だと!?だまっていれば!」 などといってきます。だまってた?いつだれが?状態です そして、彼らの一人が黒光りする・・どうみても拳銃に手をかけたそんな中。 「あんたたち。誰の許可えてこんなところでやってるの?」 もうひとりいたこが、ため息まじりにそんなことを彼らにいっています 「何だと!?このアマ!オレ達はな。○○組みの舎弟だぜ!」 「・・・何いってんのよ?」 ?? こちらとしては?状態。何いってんだろ?とはおもいますが。どうにかして逃げるのが先決です 「ここは、○○組みが管理している遊技場で、こういうことは許可してないはずなんだけど?それしってやってるわけ?」 「???○○ちゃん?何いってんの?」 思わず私が問いかけなおすとほぼ同時 「何いってやがる!素人がそんなことをなぜしってる!?」「・・ばかっ!」 ・・・もしもし? 何やら、集まってきている男の一人がいってはいけないようなことをいっているもよう。 そんな彼にと別の男性が思わず止めにはいって言葉をさえぎっています 「知られたからにはいかしちゃおけねぇ!」いって、そのままその手にナイフをもってこちらにむかってくる男に命 それと同時。ピリピリピリ…… 友達の携帯電話が鳴り響きます 「はい。あ、私よ。…え?今。それがねー。……」 何やらのんびりと、携帯電話をとり、今の状況を伝えている模様 そういう場合じゃないとおもうんだけど……という突っ込みをするよりも、今はとにかく逃げるのが先決 そして、何やら多少会話をし。携帯電話を切る友達 「・・・何?」 何やら、携帯の向うからどなるような声は横にいる自分にもきこえてたので思わずききかえします 「あ。くるって。」 「?くる・・って。誰が?」 「○○組みの幹部。」 「・・・・・・・・・・はぁ!?」 「な…何を馬鹿なことを・・・!?そんな嘘で俺たちをだませるとでも!?」 そんな友達の声をうけ、面白いまでに動揺しつつも、だがしかし。素人が呼び出せるはずもない。そうわかっているらしく、じりじりとちかよってきてきます 「あんたたち。私に手出したらただじゃすまないわよ。うちのおじいちゃんもだまってないでしょうし。」 「・・?おじいちゃん?」 「いってなかったっけ?うちの実家。○○組み本家なんだけど。うちのおじいちゃん。すっごく私かわいがってくれててねー。今回のこの遊技場にも招待してくれたのよ。だから無料だったでしょ?」 いや、さらっといわれても・・・たしかに、無料でしたけど・・・ それは、友達が何か無料チケットもらったから・・としかきいてないんですけど・・・ 「・・・は?」 思わず目を点にして私が問い返すのと。 「で・・でたらめいうなっ!」 男たちの声が重なります。 それとどうじ。 「「おじょうさま!!」」 何やらキキー。といくつもの車が止まる音と同時。 叫びとともに、黒いスーツを着込んだ男たちが数十名以上。叫びつつもやってきます 「・・・どえぇ!?」 思わずびっくりして叫ぶのと。 「ば…馬鹿な!?」 驚愕の声をあげている私達を追い詰めていた男たち そして、やってきた男たちは状況をみるなり。そのまま無言で全員が全員、銃を男たちにかまえます 「おじょうさまに危害をくわえようとした罪許しがたし。」一人のまだ若い男の声と同時。 っ!!!!!!! 音にならない音が周囲に響き渡り。 次の瞬間、苦痛に満ちた声が周囲にあふれます 「・・いやあの・・・何がどうなって……」 目の前に呻いて倒れている男たちをみつつ、呆然という私にさらっとこたえるかのように 「ああ。私のボディーガード。何か孫まだ私ひとりだからねー。」 何事もなかったようにさらっといっているその友達 みれば全員、死んではないらしく、血を流してうめいています。 そして・・・拳銃を構えていたやってきた男たちが何やら一斉にとお辞儀をし 後ろのほうから初老の、お年寄りが杖をついてやってきます 「あ。おじいちゃん!」いって元気よく声をかけている友達 「おお。○○。こわかっただろ。・・・こいつらは、しずめとけ!あとの始末はわかってるな?」 何やら怖いような、詳しく知りたくないようなことをいっています 「・・・いったい・・・・・」 何がなんだかわからずに、呆然とするしかない私。 友達がその家の筋だとはまったく当然しりませんでしたし、何よりも目の前の光景はまるで映画の中のワンシーン そして、その老人は私達のほうにとちかづいてきて 「わるかったな。最近悪さしてるという情報もあって調べていたんだが……怪我はないか?」 ぶんぶん 首を横にふる私に、 「おまえさんのことは○○からよくきいてるよ。これからも○○と仲良くしてやってくれな。」 いいつつも、そういう周りの男たちは懐に手をつっこみいつでも何かを取り出せるような格好をしています ・・これって、もしかして。いやっていったらあちらのお仲間いり?みたいなことが一瞬頭をかすめ コクコクとうなづく私 「よし。そいつらをかたづけておけ。」老人の声とともに、どこかに運ばれてゆく撃たれた男たち どこに運んでゆくのか知りたくも聞きたくもありません。というか知りたくないです。 「すまんのぉ。こわかったじゃろ。それはそうと、お前さんの盗まれたという自転車。こいつらにさがさせるからしばしまて。」「い・・いえ、いいです!」思わず丁寧に断る私 あんなぼろぼろの自転車をわざわざ彼らに探してもらう。というのははっきりいって怖すぎます。 「じゃが。それだとかえれんじゃろ。」「あ。ならいっしょにかえる?私もここまで送ってきてもらってるし。」 「おお。それはいいな。ではそうしよう。」 ことわれる雰囲気ではありません・・・ 結局、びくびくしながらも、そのまま。その中の一番大きなリムジン・・だとおもうのですが。 なが〜い黒い車に友達と一緒にのるはめになっている私 そして…何がどうなったのか、あまりに硬直していたせいなのか。それはわかりませんが。気づけばすでに家の近く・・・ 「これからもよろしくね。それじゃ!」 そのまま車とともに立ち去ってゆく友達。 しばらく呆然と眺めつつも、はっと我にともどり、とにかく家にと向かう私 ・・・なぜか、私の家の周りに黒服さんの姿が目立ったのは…気のせいなのでしょうか(汗 そして…夜になっても、そんな彼らの姿は消えることはありませんでした。・・おきたら全部夢だったら楽なのになー。そんなことを思いつつ、ベットにはいります ・・・と、そこでふと視界にはいってくるみなれた天井が。 ああ。よかった。夢だったんだー。そうだよねー。でも変なゆめ・・・ そんなことをおもいつつ、時間をみればまだ五時・・・。あからさまに夢であることは明白です。というか容姿すら夢の中では違っていたのですから そんなことをおもいつつ、またふたたびうとうとします しばらくうとうとしていると・・・ 「・・・他の人とかにお嬢様のことをしゃべったら・・・」などという声が何やらしています。気づけばどうやら先ほどの夢の続きらしく・・・ 「どわっ!?」思わずそこでまたとびおきました そして。とびおきた私は自分がみた夢の続きを理解しました。 つまり・・・人にあのことを話したら、消される・・・ということを・・・ 理不尽な夢ではありますが、あるいみ、流れる血などがリアルであったことを述べておきます…… |
第50話 覗き込む貴方は誰でしょう?+名古屋奇譚そのA+ | 語り手: 十叶 夕海さん |
これも、ラスくんのお話と同じく名古屋でのお話です。 私は、ドミトリーというご飯付きのアパートに住んでいます。 四畳半程度の部屋なのですが、何の奇縁か、数ヶ月の間に五つ、不思議な体験をしました。 うち、一つは自分から進んで起こしているに近いですが。 さて、今回は、自分で起こしている方ではなく、ある意味無謀にも、私の睡眠を邪魔した大バカのお話です。 ・・・実際には、お礼を言いたいですが。 睡眠妨害したことを別にして。 六月に入ってしばらく・・・ゴールデンウィーク後に仲良くなったラス君が一時去ったのと入れ替わりでそれは起こりました。 六月と言えば、梅雨です。 ほとんど、フルでエアコンドライで、おやすみなさい。 ってなことをしている頃のお話です。 時間帯は、ほぼ朝に近い午前四時近く。 その前後は、体力気力が、ばてばてで、友人に後ろのお兄さんお姉さんを預かってもらっていたんです。 一応、このめと道化師は、残しておいたんですが、何故かそれは来ました。 午前四時過ぎ。 まだ、夏が近いとはいえ、暗いそんな時間帯。 私は、眼を覚ました。 置時計のバックライトを付けた体勢のまま、金縛ってしまったんです。 指を動かそうにも、うんともすんとも。 そして、怖かったのは、ベットで介助してもらうが如く、誰かの手で、真上を向く体勢に、治されたことです。 もちろん、このめや道化師のイタズラではありません。 金縛ってますので、瞼も閉じられません。 天井を向いている私の視界に、人影が・・・・。 それは、印象で言えば、『白い』の一言につきます。 服は、マント状の・・・『十二の月』とかに出てきそうなそんなすとんとした感じです。 髪も、瞳も、限りなく白に近い金色とでも言うような色合い。 性別は解りませんでした。 あえて、言えば男なのでしょうが。 それも、胸板の部分が真っ平らな感じだったので、そう判断しただけです。 彼は、私を覗き込んできます。 睨みつけるという苛烈な感じよりも、むしろ・・・。 何て言うんでしょうか。 むしろ、小ちゃな子どもが熱を出した時に、熱を測る為に覗き込む母親と言うのでしょうか? 優しい感じなのです。 じっさい、額に手をやりながら、 『大丈夫、×××。 可愛い、×××。 大丈夫だから、安心して、お休み。』 というようなことを囁いているのです。 風が、吹けば消えてしまうようなか細い感じではありましたが 次に、私が、眼を覚ましたのは、同じ日の午前十時過ぎ。 その日は、土曜日。 何も無くて、心底助かりました。 彼は、もう居なくなっていました。 その代わりという訳ではないでしょうが、寝る前までの体力気力のばてばて感が、爽快無くなっているんです。 一応、このめと道化師曰く。 『あれは、人間じゃありゃせん。』 『ま、バンジーとかシルキーだったか、それ系の家政妖怪だろうよ。 それなりに、このアパートもそれなりに古いからな。 そういうの一匹居ても、おかしくないだろう。 ・・・・あ?バンジーは、死を告げる泣き女じゃないかって? もともと、家庭を護る妖精が、由来だからな、そっちだろう。』 ということらしい。 いまだに、何者なのか、解らない白い人であった。 |