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白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 D
kou
2010年7月23日20時59分17秒
k 夏だ! 休みだ! 夏休み!
L 小学生か? あんたは?
k 数学や現国の宿題がない分、幸せだ。
L 子供か! あんたは!
k 夏休みを喜ぶのは人間の義務です! 夏休みを喜ばないのは、専業主婦と夏休み中ずっと補習を受ける人間だけ!
L なら、部下Sは万年夏休みで喜んでいるのかしら?
k …………(ノーコメント)で、では、十字路編スタート
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「冥王 フェブリゾ……って、あのフェブリゾ」
「はい。……あの、フェブリゾです」
リナの質問にシルフィーユはゆっくりと頷いた。
沈黙があたりを支配する中で、
「なぁ」
ガウリィが口を開く。
リナは、
「フェブリゾってなんだっけ? て、聞いたら殴るから」
「…………」
困ったような顔をするガウリィにリナは頭を抱えて、
「わかった。とりあえず、シルフィーユ。あんたが住んでいる家にでも連れて行って。たぶん、これから先人の多いところで話す内容じゃなくなると思うし。……あと、……」
リナは立ち上がると
「本当に忘れているんじゃない!」
ガウリィに跳び蹴りを入れたのだった。
そこは、シルフィーユの昔の家がある場所だった。
「無理を言ってここにしてもらったんです。……街が一望できますし……」
シルフィーユはそう苦笑を浮かべた。
「こちらです。紅茶で良いですよね」
そう言って、来客室に連れてくると紅茶と自分で焼いたらしいクッキーをおく。
「まず、こっちから話しとくわ。この、クウ。あたしの弟子を名乗っているけれど、それは表向きの話。実際は、依頼人のようなものよ。
異世界から来たんですって」
「正確には、異空間からだが……」
リナの説明にクウはやや仏頂面でそう言う。
「異世界? ですか」
「すぐに信じてくれなんて言わないけれど、どう考えても事実。クウ、どうせ冥王の一件は知っているんでしょ」
「ああ」
「覚えていますか?」
マントがクウに確認すると
「ふ、服が!」
「あ、ごめん。言い忘れていた。クウが着ているマントは意志があって喋るわ。名前はまんま、マント。ついでに、レビは本当の姿はウサギのぬいぐるみみたいなのだから」
「は、はぁ」
まだ飲み込みきれていないようだが、惚けている場合ではないと判断したのだろう。真剣な顔で、
「それで、あれは三日前の時でした。宿屋のゲイルくんが行方不明になった日。わたしも探していました」
シルフィーユは地図を取り出すと一点を指さす。十字路になっている場所だ。
「ここで見たんです」
「よく似た、別人と言うことは」
「わたしも、その可能性を考えたんですが……」
ゼルガディスの言葉にシルフィーユは言いにくそうに
「忘れられるわけがないんです。あいつのことを……。父や街の人達の魂をもてあそんだあいつを……」
冥王フェブリゾが、コピーレゾの起こした爆発で死んだ人々。その魂を使って作り出した偽の街。それは、リナ達を苦しめるためだけに作ったのだ。
シルフィーユが恨むのも無理はないだろう。
「信じてくれないと思いますが……」
「いや、俺は信じる」
ゼルガディスがそう言い出した。
「実は、言うべきか言わないべきか悩んでいたんだがさっき、街を調べているときに俺は見たんだ」
「冥王を?」
「いや……レゾをだ」
「リナ」
「忘れたの?」
こくりとリナの言葉にガウリィは頷いた。
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