タイトル : 白と茶と緑の来訪者と黄昏色の十字路 E
投稿者 : kou
投稿時間 : 2010年8月4日22時13分51秒
「赤法師レゾ=グレイワーズ。二番目の魔王の魂をもった人間の名前です」
マントの解説にガウリィはしばらく考えて、
「おお、レゾか」
「遅いわよ……」
「そっくりさんとか、親戚関係とかはあり得ないのか?」
クウの言葉にゼルガディスは、
「レゾの血族は俺以外、居ない。少なくとも、俺は聞いた事無いな。
それに、服装もレゾと同じだった」
「あそこまで、赤ずくめの服まで同じなのを偶然とは思えないわね。名乗る語りなら、もっと堂々と名乗って騒ぎになっているでしょ」
リナがうなずく。
「ゼロスはどう思うの。魔族のあんたとしては?」
「にわかには信じられない。と言いたいところですが……」
「が?」
「実は僕も見たんです」
「レゾ? それとも、フィブリゾ?」
「魔竜王ガーウです」
『ぶっ』
再度、お茶をふきこぼしてしまう面々。
ずごっしゃぁぁ
「な、何をするんだ! リナ!」
お茶をふきこぼしたリナは、間髪入れずにガウリィの頭をスリッパではたく。
「どうせ、覚えてないんでしょ」
「なに! どこに、そんな保証があるんだ!」
「覚えているの?」
「覚えていないぞ」
リナの質問にすぐさま答えるガウリィ。
「…………あんたね」
「リナさんが冥王様の作戦に重要な人物だと知って、殺そうとした方ですよ。冥王様に滅ぼされましたが……」
ゼロスの説明で、ガウリィは
「……ああ、思い出したぞ。でっかい悪い蜥蜴だな」
「……蜥蜴……」
「ま、そんな所ね」
ため息をつくゼロスに苦笑を浮かべるリナ。クウはクッキーを食べながら一言、
「ドラまたリナに喧嘩を売ったドラゴンか……」
「ちょっと、クウ! それどういう意味?」
クウの言葉にリナは詰め寄る。
「で、リナはどう思うんだ?」
「リナちゃんは信じるの?」
クウとレビに尋ねられ、リナは、
「……あたしも、信じるしかないわね。ゼロスはともかくゼルガディスは信用できるし……」
「僕は信用できないんですか?」
「だって、うさんくさいだもの。あんたの存在自体。味方としても敵としてもうさんくさい。敵としても味方としても信用できないわ。間違いなく敵と言えるのは、あんたが魔族だから。魔族の本質は信用できるけれど、人柄はすべてが信用できない。
あんたがもし、人間だったら……あんたは敵としても味方としても信用しない相手と言った所ね」
「……ひどいですね。リナさん」
と、ゼロスは言うがあまり気にしていない。むしろ良くおわかりで。とでもいった感じだ。
「それに……」
「それに? 何ですか? リナさん」
アメリアに尋ねられリナは、答えた。
「あたしも見たのよ。魔王を……三番目の魔王。
ルークの姿を……」
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