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    タイトル : 白と茶と緑の来訪者と金色に消えた存在たち
    投稿者  : kou
    投稿時間 : 2011年6月11日12時41分12秒

「なんなのよ! この街は!」
 リナは思わずそう叫んでいた。
「静かにしろよ。お前が狙われているんだぞ。俺は、特に怨まれても居ないのに……」
「やかましい! あたしが悪いように言わないでちょうだい! そもそも、あたしは魔族に好きでケンカを売った覚えは無いわよ!」
 ……魔族じゃなければあるのでしょうか? と、マントは思ったが黙っておいた。
「しかし、たしかにこの街は異常だな。どこもかしこも魔族……それも純魔族だらけだ。しかも、滅んだはずの魔族も居る」
「そうですね。フェブリゾだけではなくラシャートやカンヅェルにアマンダまでも居ました」
 ゼルガディスの言葉をアメリアが肯定する。
「ゼロス。ラシャートやカンヅェルにアマンダは間違いなく滅んでいたのよね?」
 リナがしばらく考えた後ゼロスに尋ねる。ゼロスは慌てて、肯定する。
「ええ。間違い有りませんよ。僕は嘘はつかないんです」
「だましたりはするけれどな」
 ぽつり。と、つぶやいたクウの言葉にゼロスはひききっ! と、頬を引きつらせた。
「となると、商人の仕業?」
「だろうな。偶然、異世界ができて偶然、そこに滅びた魔族が現れた。と、言うのはいくらなんでもあり得ない」
 リナの言葉をクウは肯定する。
「でも、そうなると子供達は無事なんでしょうか?」
「生存確率はきわめて低いですね。魔族の餌となっている可能性や、ただの暇つぶしに殺されている。たとえつかまってなくても、食料を得ることができずに飢えや渇きによって死亡している可能性があります」
 シルフィーユの言葉にマントはきっぱりと言う。
「……マント。あんたさぁ、すこしは人の気持ちを考えていったらどうよ」
「なぜですか? その子供達のご両親ならともかくとしてシルフィーユさんはただのお知り合い。
 年齢差から考えても恋人が友人という関係も当てはまりません。ならその感情を考えて発言を考慮するのは不必要かと……」
 マントの言葉に辺りが沈黙する。そんな中、一番に沈黙を破ったクウがため息混じりに言う。
「マント。お前はもうすこし、人間に関して知るべきだな」
「まだ、情報不足ですか……。人間とは不可解な存在ですね」
「それに関しては同感ですね」
 マントがしみじみと言えば、ゼロスがにっこりと肯定した。


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