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Re: ドラスレ! 27
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元記事
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>第二十七話
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>
>数日のあと――。
>俺たちはアトラス・シティの目前まで来ていた。
>
>遠くに見える街並みに目をやりながら、俺は声を上げる。
>
>
>「おー、見えてきたな。アトラス・シティ」
>
>「本当ですね!」
>
>「これで今夜はうまいものが食べられて、ふかふかのベッドで
> ゆっくり眠れるってもんだ」
>
>
>何だかんだで野宿ばっかりだったもんなあ……ここ最近……。
>特に襲撃が頻繁になってきたあとは。
>やっぱりいち人間としては、うまいものをたくさん食べて、
>ぐっすりと眠るのが何より大事なことだろ。
>
>さすがに俺の髪の色はまだ、もとの栗色には戻ってはいないものの、
>疲れの方は完全に回復している。
>ガウリイお嬢ちゃんがくすりと笑った。
>
>
>「えらく長い旅になっちゃったわね」
>
>「そうだなー」
>
>「さて――それじゃあ私は、そろそろこの辺で退散させてもうとするわ」
>
>「――え?」
>
>
>唐突なゼルガディスの言葉に、俺とお嬢ちゃんの声がハモる。
>ゼルガディスは肩をすくめてみせた。
>
>
>「私は今までにも色々やらかしてきてるし、顔もそこそこ知られてる。
> ああいう大きな町はちょっとね。――目立つ風貌だし」
>
>
>ああ、確か『白のゼルガディス』とか言ったっけか。
>俺は頭の片隅にあった情報を思い返し、頷いた。
>
>
>「そっか……じゃあ、どうすんだ? お前はこれから」
>
>「ひとまず、ロディマスとゾルフを探して合流しないといけないわ。
> それからは――」
>
>「僕も一緒に行こうと思います」
>
>「えっ?」
>
>
>にっこりと笑うアメリア。
>今度は俺とお嬢ちゃんとゼルガディスの声がハモった。
>
>ぎょっとしているゼルガディスの驚きからして、そういうことは
>何も相談してなかったことらしい。
>ただの思いつきなのか、考えていたことなのか――。
>いやまあ、確かにアメリアは俺たちの方についてくるもんだと
>思ってたけど……何となく……。
>
>
>「確かにゼルガディスさんはお強いですけど、女性の一人旅は
> 何かと危ないですし。せめてお二人と合流するまでは、
> ゼルガディスさんにお供させて下さい!」
>
>「ちょっ、待って――そんな」
>
>「ね、ゼルガディスさん」
>
>
>慌てて断ろうとしたゼルガディス。
>だが、アメリアの素晴らしく輝いた笑顔を向けられてしまう。
>あまりにも純粋なそれにゼルガディスは何も言えなくなり、
>さすがに負けたようだった。
>
>あーあ……ああやって、いいひとっぷりを全面に押し出されると、
>なかなか断れないんだよなあ……。
>俺もそんな経験がある。
>
>大きな溜息をついたあと、ゼルガディスは俺の方を振り返った。
>
>
>「それで、どうすんだ?」
>
>「一人できままに――とは言えなくなったみたい。とりあえず、
> 何とかやっていくわ。貴方たちには色々と迷惑をかけたわね……」
>
>
>照れているのか、少しだけ視線をずらす。
>
>
>「お互い、生きていたら、またいつかどこかで会いたいものね……
> まあ、貴方たちには迷惑かもしれないけど……」
>
>
>俺はその前に右手を差し出す。
>ゼルガディスも微笑し、右手で優しくにぎり返す。
>
>
>「またいつか――な」
>
>「――またいつか」
>
>
>不思議と暖かな右手を離す。
>
>
>「リナさん、ガウリイさん、お元気で! また会いましょう!」
>
>「ゼルガディスもアメリアも元気でね」
>
>「ええ、貴方たちも――」
>
>
>ゼルガディスはそう言うと、そのまま背中を向ける。
>アメリアは笑顔で大きく手を振ったあと、ゼルガディスのあとを追った。
>
>
>
>
>
>NEXT.

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