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Re: きらりと、光る。 1 (ゼロリナ)
注意!!!!
ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
場合によっては承諾なしに削除します。
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>こんちゃー。みいでっす。
>過去ログを漁っていてふと気付きました。
>私がこちらにお世話になるようになってから、もう10年も経っているんですね。
>昔書いた私のss達は幼くてむず痒く、「偶然」に至っては色んな意味で
>怖くて読み返せないです(苦笑
>
>今の私はといえば、中学も高校も卒業し、ラノベ作家を目指して某学院の
>ノベルス科に通い、卒業するも道には挫折、結局フリーター、と。
>そこそこ幸せな毎日を送っています。
>まだ苗字は変わっていませんが、薬指にはきらりと光る大切な“証”もあります。
>スレイ原作が手元に無くて、色々とあやふやですが……
>今の私が書ける、穏やかな物語をお届けしたいと思います。
>
>
>@@@@@@@@@@@@@
>
>
> きらりと、光る。
>
>
>
> 人間でありながら、魔族を好いているというのは、やはり異端なのだと思う。
> 生きとし生けるものの敵。そう捉えられている彼ら。
> 多くの人の目に触れる魔族と言えばレッサーデーモン等の亜魔族だし、
>仕方が無いことなのだけど。
> むしろ、高位魔族と何度も対峙しているという事実の方が、既に、よっぽど、
>人間としては異端なのかもしれない。
>「ねえ、ゼロス」
> 虚空に問いかけても返事はない。
> なぁんだ、今日は近くにいないのか。
> ――いや、この場合「近く」という表現は妥当ではないのかもしれない。
> 彼の所属は精神世界面であり、文字通りこちら側とは次元が違う。
> あたしが何の気なしに掛けた声を、彼はどうやって拾っているのだろうか。
> “気まぐれ”という言葉が、一番しっくりくる。
> きっと、呼びかけは全部聞えているのだろう。でなければ、呼んですぐに
>姿を見せるなんて芸当、そう何度も見せてくれはしないはずだ。
> そして、毎度必ず姿を見せてくれる程、心は近くにはないのだろう。
> ……おや。「近くにいない」を否定していたはずなのに、結論は肯定か。
> さくさくと草を踏み締めながら、何でもない言葉遊びを脳内で続ける。
> 時刻は夕暮れ、逢魔が時。
> そして、場所は森の中の街道から脇に逸れた獣道。
> 何かの気配に一本だけ炎の矢を仕掛けるつもりで小さく唱え、
>――すぐに打ち消し烈閃槍(エルメキア・ランス)を口の中で転がす。
> 破壊神だのと言われるあたしだって、無闇に山火事を起こしたい訳ではないのだ。
> 低く唸りながら近付いて来るデーモンは、ひぃふぅみぃ、よぉ……っておいおい。
> こちらを囲むように、ざっと15体くらいか。全方位からの包囲ではないので、
>逃げやすいように一部に的を絞って光の槍を放つ。
> 街道までは今来た獣道をしばらく戻らなければならないので、予定通り
>獣道を走る。
> すぐに完成した翔封界(レイ・ウィング)で炎の矢を避けつつ獣道を奔り、
>ほどなくして当初の目的地である洞窟へと到着した。
>「ゼロス! ゼーロース!!」
> 呼べど喚けど、やはり出てこない。
> ここに写本がある、とあたしに伝えたのは他でもないあいつだ。
> そして、彼があたしにそれを見られてもいいと判断したのなら、その写本の
>内容は十中八九金色の魔王についてだろう。
> 何たってあたしは一度、異界黙示録そのものに触れて、それについての知識
>を得ている。そして、魔族はあたしが混沌についての知識を増やすことを歓迎
>しているのだろう。
> しかし。
> ふ、と空気が重くなった。辺りの気温が下がった気がする。
> 決して夕暮れのせいではない。
> 瘴気。こんなに強い瘴気を出せるのは、亜魔族ではあり得ない。
> やはり、一本の木の向こうから、ゆっくりと魔族が姿を現した。
> 人のような形をとっているが、バランスが妙である。
> 頭と胴体のバランスだけ見れば、まるで子供のようだ。しかし、腕が極端に
>短く、脚は長すぎる。
> 純魔族としての力の強さは中の下、といったところか。
>「お前、人間。我の姿を、見て、何故、恐怖しない」
> 問われて少し噴出してしまった。確かに、緊張はするが怖いとは思わない。
>「残念ながら、あんたよりもっと高位の人型魔族と何度もやりあってるのよね」
> これは良くない慣れなのかも知れないが。
>「しっかし、こんなとこでそこそこ力のある魔族が何してんの」
>「お前には、関係、ない」
> ふむ。まあ、最初からストレートに教えてくれるとは思ってなかったけど。
>「えー? 仮にも人型取れる純魔族様が、たかだか人間の小娘一人に
>秘密にしなきゃいけないことなんてあるの?」
>「秘密にした、わけでは、ない」
> ほーらね。案外簡単なのだ。低級魔族との腹の探り合いは。
> 奴らの自尊心をほんの少しくすぐってやればいい。
>「じゃあ何なのよ」
>「その先の、本が。人間の手に、渡せない。守る」
> ……守る、と来たか。
>「ちなみに、あたしがはいそーですかってここで帰ろうとしたら、見逃して
>くれるの?」
>「食事は、認められている」
> なるほど。上司の命令を受けてここにいて、近づいた人間は奴専用の
>お食事としてなぶられて殺されるわけか。
> ――四界の闇を統べる王
> 汝の欠片の縁に従い
> 我に更なる力を与えよ
> 剣を抜き構えながら、早口で魔力許容量をまず増幅する。
> 魔血玉を口にしたあの時以来、身振りはいらなくなった。
> ――凍れる森の奥深く 荒ぶるものを統べるもの
> 滅びをいざなう汝の牙で 我らが前を塞ぎしものに
> 我と汝が力もて 滅びと報いを与えんことを
> 飛び来る光球を避けながら距離を取り、
>「獣王牙躁弾(ゼラス・プリッド)!」
>力ある言葉で光の帯を解き放つ!
> その切っ先は迷うことなく目の前の魔族に向かい、
>「おっと」
>そのたった一声と間に割って入った杖の一振りで、胡散霧消してしまった。
> 魔族の前に唐突に現れた見慣れた杓杖。
>「すみませんね、リナさん。少々遅くなってしまいました」
> そして、聞きなれた声。
>「ゼロス……あんたねぇ」
> あたしが呆れた声を出すのと、彼が姿を現したのは同時だった。
> 最初から全身現しておけばいいものを……やはり変なところで演出好きだ。
>「ゼロス様、何故」
>「ああ、あなたは下がっていなさい。取るに足らない低級魔族といえど、
>全体が減ってしまった今は一体でも惜しいんです。
> ――こちらは、あなた程度じゃ到底太刀打ちできませんよ」
> 心なしかダメージを受けたように一瞬姿がブレ、魔族は何も言わず消えていった。
>「随分買いかぶってくれるじゃない」
>「はっはっは、ご謙遜を。魔王様を二度も混沌へ送った貴女が何を言うんですか」
> そう言いながらも、口元はいつもの仮面よりも深く笑みを刻んでいる。
> 買いかぶった表現をしたのはわざとなのだろう。
>「……で? わざわざ守らせていた写本を、あたしには見せてくれるのよね?」
>「さあ、それはどうでしょうね」
>「はぁ? じゃあ何でここの話をあたしにしたのよ」
>「それはまあ、色々とありまして」
>「大体呼んでもすぐ来ないし」
>「リナさんの呼び声は聞えていたんですけどね。こちらにも、お仕事があったので」
>「ふぅん」
> 面白くない、と顔に書いて見せ付けてやると、ゼロスは苦笑して洞窟へと
>一歩踏み出した。
>「取り敢えず、ご案内しますよ」
>
>
>@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
>
>穏、やか……?
>ええっとすみません、ゼロスさんほとんど出てきてないっていうw
>もうちょっと続きます!
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