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Re: ドラスレ! 8
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ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
場合によっては承諾なしに削除します。
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>第八話
>
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>「魔王退治と一緒に、行方不明の兄を探してもいるんですけどね」
>
>
>そう言って笑ったアメリアというにーちゃんに、
>普通はそれが一番の理由だろうと思いつつも何も言わなかった。
>とりあえず治療の礼を言って、さっさとアメリアを追っ払うことにした。
>もしかしたら正義がどーだの悪が何だのとごちゃごちゃ言って
>譲らないだろうとも思っていたら、そういうことに関しては
>どうも察しは悪くはないらしい。
>にっこりと笑ったアメリアは、お休みなさいと部屋を出て行った。
>
>
>「あー、面倒なことになったなー」
>
>「リナ……」
>
>
>じっとりと不満そうな目でガウリイお嬢ちゃんが睥睨するが、
>俺はするっと無視した。
>
>
>「それにしても、リナ、どうしてあんな無茶な値をつけたの?」
>
>「じゃあもしも、俺があいつらに適正な値段で “もの” を売ってたら、
> お嬢ちゃんは俺を褒めたか?」
>
>
>ガウリイは苦笑して、首を軽く横に振った。
>俺はそれに肩を竦めて笑い返しながら、ぐぐんっと腕を伸ばす。
>
>
>「さーて、今日はもう寝るか。睡眠不足は成長と健康の敵だ」
>
>
>言うと、ガウリイお嬢ちゃんも頷いて――。
>
>俺は思わずお嬢ちゃんの行動を目で追う。
>ガウリイお嬢ちゃんは部屋の扉を閉めて鍵をかけると、
>すみっこの方に予備のシーツを広げてゴロンと横になった。
>
>
>「……おーい、お嬢ちゃーん? ここは俺の部屋だぞー」
>
>「知ってるわ」
>
>「……」
>
>
>思わず無言になる俺。
>
>
>「また夜襲をかけられるかもしれないでしょ」
>
>「けどこの部屋にいたって……」
>
>「一人より二人の方が心強いでしょ? だってリナは私の護衛で、
> 私はリナの傭兵よ?」
>
>
>いつからそんなことになったんだろうと俺は思う。
>確かに俺を護衛と呼んでここまで引っ張ってきたのは
>ガウリイお嬢ちゃんではある。
>とはいえ、このほけほけしたお嬢ちゃんは、
>本当に危機感ってものが欠落してるんじゃなかろうか。
>
>
>「……分かった。ならベッドに寝ろよ、俺が床で寝る」
>
>「私が押しかけたのよ、出来ないわ」
>
>「はいはい」
>
>
>これ以上の説得は無駄だと悟り、俺はお嬢ちゃんとベッドを挟んだ
>反対側の床にマントを敷いて横になる。
>すると、俺のそんな行動に気づいたガウリイお嬢ちゃんが
>怪訝そうに問いかけてくる。
>
>
>「ベッドで寝ないの?」
>
>「ぬくぬくと眠れると思うなよ」
>
>「……怪我してるのに」
>
>「治った」
>
>
>いつもの俺ならば、相手が男だろうと女だろうと構わず
>ベッドを占領して眠っていたはずだった。
>だがさすがに、お嬢ちゃんが相手であるからかそうするのが憚られる。
>こういうこと考える俺って、本当に繊細だよな。
>
>
>「おやすみ、お嬢ちゃん」
>
>「お休みリナ。いつお嬢ちゃんって止めてくれるの?」
>
>
>俺はお嬢ちゃんの言葉を無視して眠りに落ちた。
>
>
>
>
>
>翌朝、俺たちは宿を出たあとすぐに町を出る。
>何度も同じ町で、面倒な襲撃を受けるわけにもいかないからな。
>
>街道を歩いてしばらくすると、やっぱりというか何というか
>バーサーカーの一群に俺たちは囲まれた。
>晴れてぽかぽかした陽気の下で争いごとってのは、
>あんまり気分は良くないが仕方ない。
>ちらりと視線を交わしてお嬢ちゃんと背中合わせになる。
>
>そこに。
>
>
>「ファイヤー・ボール!」
>
>
>
>チュドゴンッ!
>
>
>
>いきなり攻撃呪文が炸裂し、バーサーカーたちの間で爆発する。
>そのあといくつかの爆発音が響き少しすると
>バーサーカーたちは倒れ、中央には青年が胸を張って立っていた。
>昨日の、アメリアという正義おたく。
>
>
>「大丈夫ですか?」
>
>「あ、ああ」
>
>
>にっこりと笑ったアメリアはこっちに向かってくると、言ってのけた。
>
>
>「僕と “正義” 、しませんか!?」
>
>「はあ?」
>
>
>思わず俺とガウリイお嬢ちゃんは目を丸くして異口同音。
>正義しないかって、何をとっぴょーもしないことを
>言ってくるんだ……このにーちゃんは。
>本当に関わらない方が身のためな気がしてきた。
>
>
>「お二人に会った時、僕には分かりました。何かがどこかで動いている。
> それはどうやらお二人も関わっている――僕は最後まで見届けたい!
> それが悪ならば鉄槌を下すのみ! すなわち、僕はお二人と旅を
> 共にする運命にあるのです!」
>
>
>何だそれ。
>
>
>
>
>NEXT.
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