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Re: ドラスレ! 21
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元記事
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>第二十一話
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>「第一、これは私の家に代々伝わる家宝の剣。いくらリナがお金を積んでも、
> 売るわけにはいかないの!」
>
>「――じゃあ俺ン家で家宝にして、代々伝えてやるから、タダでくれっ!
> それならいいだろっ、なっ! なっ!」
>
>「だ……だああっ! どーいう理屈をこねまわしてるのよっ!?
> あげないったらあげないっ!」
>
>「ううっ、ひどい! そんなにつれなくするなんて! あんまりだ!
> 俺泣くぞっ! しくしくっ!」
>
>「泣きなさいっ!」
>
>「――とまあ、冗談はこれくらいにして」
>
>
>いきなり真顔に戻った俺についてゆけず、再び突っ伏すお嬢ちゃん。
>
>
>「な――何なの、それは!」
>
>「いいから。ゼルガディスたちの援護に行くぞ」
>
>
>言うと、俺は駆け出した。
>ゼルガディスとディルギアの一対一の勝負ならば、何も心配することはない。
>だが、魔族と戦ってる間に打ちもらしたオーガや『その他大勢』たちが、
>ゼルガディスたちの方に向かっていったのだ。
>これほどの数の敵に囲まれることもないだろうアメリアも、
>そろそろ一人きりで戦うのはきついはず。
>
>それでも駆けつけてみると、取り巻きたちのほとんどは片付けられていた。
>
>
>「助けに来たぞーっ!」
>
>「リナさん!」
>
>
>形勢が一気に逆転し、全員が目を見張る。
>じりじりと退がり始めたオーガやバーサーカーたちに、ディルギアが呻く。
>
>
>「んっ?」
>
>
>今度はゼルガディスが怪訝そうな声を上げ、足を止める。
>ディルギアは後ろを振り返り、喜悦の表情を浮かべた。
>
>
>「ロディマス! よく来てくれた!」
>
>
>そう――。
>そこにはロディマスと、初めて見る顔のかなり美形の中年剣士がいた。
>
>ロディマスは颯爽とディルギアに近づいた瞬間。
>問答無用で、殴り倒した。
>ディルギアはものの見事に吹っ飛び、近くの木にド派手な音を立てて
>ぶつかり――それきりピクリとも動かなかった。
>
>
>「ロ、ロディマス……?」
>
>「ふん」
>
>
>思わず唖然とするゼルガディス。
>のっしのっしとロディマスはゼルガディスに歩きより、庇うように立つ。
>
>
>「わしが忠誠を誓ったのはゼルガディス殿。赤法師なんぞという輩に
> 義理立てする謂れはない!」
>
>「貴様ぁ!」
>
>
>逆上して突っかかる奴もいたが、ロディマスが大きく振り切った
>槍斧でズッパリと両断される。
>あまりの迫力に、残りのザコたちが蜘蛛の子を散らしたのは言うまでもない。
>
>
>「――助かった。しかしお前たち、いいの? 本当に」
>
>「なぁに、構うものですか」
>
>
>伺うようなゼルガディスに剣士が笑う。
>しかし……はて、この声はどこかで……。
>
>
>「すまない、ロディマス、ゾルフ。つまらないことに付き合わせて」
>
>
>ぞ……ぞ……ぞるふっ!?
>――ということは。
>この剣士があのミイラ男の正体、ということなのだろーが……
>信じられんっ!
>あれの中身がこんな美形とは……。
>
>
>「何にせよ、この場を征することができましたね! リナさん、
> ガウリイさん、大丈夫でしたか?」
>
>「まあな」
>
>「私たちは大丈夫よ、アメリア」
>
>
>アメリアは頷くと、ぐっと拳を握りしめた。
>
>
>「援軍も駆けつけ、僕たちには追い風が吹いています! さあ、ここで
> ぐずぐずしている暇はありません! 僕たちにはなすべきことが
> まだ残っています!」
>
>「まったく――このお兄さんのおっしゃる通りですよ」
>
>
>声がした。
>
>にっこり笑っていたアメリアが、青ざめて硬直する。
>暗い森の影からいつのまにかひっそりと姿を現し、何の音も気配もなく
>アメリアの背後をとった人物。
>
>
>「……レゾ……」
>
>
>ガウリイお嬢ちゃんがその名を口にする。
>どうしてアメリアが逃げないのかと思ったが、俺はすぐに理解した。
>立ち尽くすアメリアの首の後ろに、レゾが軽く手を当てている。
>
>
>「ご無沙汰でしたね。――しかし、堅苦しい挨拶は抜きにしましょう。
> 用件は、言うまでもなく分かっているはずですね、皆さん」
>
>「“賢者の石”でしょう」
>
>「ガウリイさんでしたね、ええ、そうです。――あ、変な気を
> 起こさないで下さいね。このひとの首筋にさしこんだ針を
> もう一押しすれば、私は人殺しになる」
>
>
>――げ!
>俺たち、特にアメリアは自分の置かれた状況を知って息を呑んだ。
>
>
>
>
>
>NEXT.

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