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Re: ドラスレ! 15
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元記事
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>第十五話
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>
>俺たちはそのまま気絶してしまったゼルガディスを抱えて、
>休憩用に作られた近くの小屋に移動した。
>一応俺もリカバリィぐらいは使えるが、ここは回復魔法に特化した
>アメリアに任せるのがいいだろうということで、
>俺とガウリイお嬢ちゃんは備え付けられたテーブルに移る。
>時刻はすでに夜になり、窓辺からは月明かりが煌々と差している。
>
>
>「ねえリナ……、あの人どうするの?」
>
>「どうするったって……とりあえず捕まえておくしかないだろ。
> 色々と訊きたいこともあるし」
>
>
>ガウリイお嬢ちゃんの問いに、俺は軽くそう答えた。
>
>ゼルガディスは誰かに命令を受ける立場だった、それは誰からなのか。
>レゾが言っていた、魔王復活うんぬん〜は本当なのか。
>
>俺はだんだんややこしくなっていく事態に溜息をついてると、
>ふいにアメリアが俺を呼ぶ。
>
>
>「……あの……リナさん」
>
>「ん? どうした?」
>
>「怪我は治ったんですけど……息苦しいかと思って……その、
> フードと口布を取ってみたら……」
>
>
>歯切れの悪いアメリアに眉をひそめ、俺は席を立つ。
>すると、ガウリイお嬢ちゃんも一緒に俺のあとをついてきた。
>俺たちはベッドの方へ足を進め――目を見開いた。
>
>そこに寝ているのは、ゼルガディスで間違いない。
>しかしその体は見るからに、人間のものではなかった。
>
>普通なら柔らかい皮膚だろう部分が、全て岩か何か、
>それに類する硬質のもので覆われている。
>露出している首や指先も同じような岩肌であることから判断して、
>きっと全身がそうであることはまず間違いないだろう。
>
>一瞬だけ、魔法で造られたゴーレムだろうかとも思ったが、
>先ほどまでのゼルガディスの行動を思い返してすぐに否定する。
>主に仕えるためだけに造り出されるゴーレムには、
>“自我”というものがないからだ。
>
>
>「この方……ゼルガディスさんって……女性だったんですよ!!」
>
>「そっちか!?」
>
>
>アメリアの叫びに俺は思わずコケた。
>確かに、顔つきやマントを取った体つきからして、女だと分かる。
>考えてみれば、岩にも等しい重そうな身体のゼルガディスを
>アメリアが一人でも抱えられたくらいだったからな。
>
>
>「だって、隠してたってことは見られたくなかったんでしょうし」
>
>「まあ、別に悪気があって見たわけじゃないんだから……
> 仕方ないことだとは思うが……」
>
>「……起きたら謝ります」
>
>
>そう言ってしゅんと落ち込むアメリア。
>するとその目前でゼルガディスが眉をひそめ、静かに瞳を開けた。
>最初は寝ぼけたようにぼんやりしていたが、ゆっくりと俺たちを
>目線だけで見回したあとに重々しく溜息をつく。
>そして囁くような声で呟いた。
>
>
>「腕を試させてもらう――つもりだったのに、こっちの方が
> 口ほどにもなかったわけか……」
>
>「あ」
>
>
>身を起こそうとするゼルガディスに、慌ててアメリアが手を貸した。
>一瞬だけ驚いたようにアメリアを見上げたゼルガディスだったが、
>おそるおそるといったように手を借りながら上半身を起こす。
>俺はそれを待ってから問いかけた。
>
>
>「それで? こうなったからには事情の説明くらいはあっても
> いいんじゃないか?」
>
>「――そうだな。この状態では私も逃げたりは出来ない……
> それに貴方たちも充分巻き込まれてる。知る権利くらいはある。
> ――さて、どこから話そうか……」
>
>「まず、お前たちに命令してる奴のことからだ。結局、お前が
> ラスボスじゃないんだろ?」
>
>「ああ……私はあいつの手駒にしかすぎないさ」
>
>「――何者だ? そいつは」
>
>
>ゼルガディスは少し顔をしかめて、ひょいっと肩をすくめた。
>
>
>「貴方たちだって聴いたことぐらいはあるだろう? そのへんの
> 街にいる子供だって知ってる。――現代の五大賢者と呼ばれてる、
> “赤法師レゾ”」
>
>「レゾ――!」
>
>
>ガウリイお嬢ちゃんとアメリアが言葉をなくす。
>そう考えれば結構シンプルな構図だと気づきながらも、
>俺はガリガリと頭をかいた。
>
>
>「レゾ、ね……あいつは本物なのか?」
>
>「やはり接触していたのか……正真正銘、ご当人さ。――世間様では
> 君子扱いされているけれど、それがあいつの仮面で、裏はまったく違う。
> 昔はそうじゃなかったっていう話も聞くけど、どうだか……」
>
>「『まったく――』って言われても、俺たちには分かんないさ。
> そんな顔見てないからな」
>
>
>だろうな、とゼルガディスは苦笑した。
>
>
>
>
>
>NEXT.

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