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Re: ドラスレ! 4
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ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
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元記事
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>第四話
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>正直言って、このミイラ男の目的は完全に俺だろう。
>
>指を差しているのは間違いなく俺だし、該当する方向にいる
>人間はもう一人いるが、残念だがどう見てもガウリイお嬢ちゃんを
>男に見立てることは不可能。
>鎧を着込んでたって、美少女ぶりが消えるわけじゃない。
>トロルを操っているということは、このミイラ男は魔道士らしい。
>
>
>「うーん、人違いですよー」
>
>
>これは関わっても面白いことにはならないだろうと思った俺は、
>とっさにサラリと髪をすいて爽やかな笑みを浮かべてみせる。
>
>
>「俺、ソフィールって言います。きっと貴方たちの探している
> 人とは……」
>
>「やかましいっ! 名前など知るか、気持ち悪いっ! とにかく
> お前――六日前、盗賊のアジトからごっそりお宝を荒らして
> いった奴だ!」
>
>
>おっと。
>
>
>「それにアジトで俺に大怪我を負わせたお前のことを、忘れるわけ
> ないだろうが!」
>
>「あらあらあら……リナ、そんなことしてたの?」
>
>
>ガウリイお嬢ちゃんが呆れた目で俺を見る。
>
>
>「ま、それはあとで説明する。今はとりあえずこいつらを……」
>
>
>俺は肩をすくめながらお嬢ちゃんにそう言い、トロルたちと対峙した。
>
>トロルは頭は人間よりもでかく、パワーもある上に俊敏。
>一番やっかいなのはその再生能力で、生半可な傷だとすぐに再生する。
>つまり、倒すなら一撃必殺。
>とはいえ……派手な攻撃呪文だと店の中はメチャクチャになるし、
>関係のない他の客をも巻き込むことになる。
>
>
>「よーし、分かった。ケリをつけよう、表に出な」
>
>「いやだ!」
>
>「あいやあっ」
>
>
>ま、まさか断られるとは……。
>こいつ、怒ってるわりには案外冷静なのか?
>
>俺が別の手を考えようとすると、ミイラ男は鼻で笑った。
>
>
>「あの時、奪っていったお宝を全て返すなら、それでよしとするが?」
>
>「冗談じゃない。人のものをタダで持っていこうだなんて
> あつかましいにもほどがあるぞ、この盗っ人魔道士」
>
>「リナだって盗っ人魔道士じゃない」
>
>「やかましーっ! 俺は悪人からしか盗んないからいいんだよ。
> “悪人に人権はない” って言葉もあるんだ」
>
>「……聞いたことないけど」
>
>
>俺はトロルたちに臨戦態勢を取りながら言う。
>
>いや、この言葉は本当に存在する。
>俺の郷里の方では、よく頻繁に使われてる言葉なんだからな。
>俺は郷里でそれを聞きながら育ち、旅に出るまでずっと過ごして来た。
>きっと郷里に住む皆からにしてみれば、何を当たり前のことを
>言ってるんだと口をそろえるだろうに。
>
>
>「ええい、やれいっ!」
>
>
>ミイラ男の合図で、トロルと俺は同時に動く。
>トロルの武器は鋭い爪とパワー。
>あまりそーぞーしたくないが、いくら俺の服が魔道士特有の
>護符になってるとしても、まともにくらったら大怪我じゃすまない。
>一発ぶん殴られれば、首くらいあっさりへし折れる。
>
>だが、俺は負けるつもりはこれっぽっちもない!
>
>俺はトロルたちの攻撃を軽々と避けつつ、必ず全てのトロルに
>一度は手を触れるようにして間を抜けていく。
>そうして全てのトロルをタッチし終えた俺は、トロルの間を
>一周するようにしてお嬢ちゃんの所へと戻ってきた。
>
>
>「あら、お帰りなさい」
>
>「ただいま」
>
>
>さっきまで呆れたような目をしていたガウリイお嬢ちゃんは、
>もういつもと同じのほほん状態に戻っていた。
>護衛だ何だのと言ってたわりに、何にもせずにじーっと見てるだけ。
>まあ、でしゃばられても少しばかり勝手が悪いけどな……
>お嬢ちゃんの腕はともかく、見た目は美少女なんだし。
>
>ちなみに、トロルの数は減ってない。
>早い話が一匹も倒してない。
>
>
>「おのれ、小僧! ちょこまかと……」
>
>
>焦れてきたのか、ミイラ男が苛立った声を上げる。
>トロルにいちいち相手してたら、俺が疲れるっての。
>
>
>「ガウリイお嬢ちゃん! トロルを傷つけることって出来るか?
> どんな小さいのでもいいから!」
>
>「……ええ、分かったわ」
>
>
>俺の言葉に目を瞬かせたガウリイお嬢ちゃんは、テーブルに乗ってた
>おつまみの皿に手を伸ばし、木の実を掴む。
>次の瞬間、その手が動いた――ように見えた。
>
>
>「ぎっ!」
>
>「がうっ!」
>
>
>この美少女から放たれたとは到底思えないほど、見事なつぶて。
>鋭く飛んだ木の実は、トロルたちの固い皮膚を突き破った。
>へー、やるじゃん。
>
>
>
>
>
>NEXT.

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