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Re: ドラスレ! 10
注意!!!!
ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
場合によっては承諾なしに削除します。
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>
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>第十話
>
>
>
>
>
>「あんたがどれほどのものか知らないが、はっきし言って
> 俺の敵じゃあないね」
>
>「ほほう……」
>
>
>獣人はすぅっと目を細める。
>
>
>「大きいことを言う兄ちゃんだな。ではその力、見せてもらおうか!」
>
>「いいぜ――だが二対二じゃ、あっさり勝負がついて面白くない。
> こっちは一人で充分だ。――さあ行け、アメリア!」
>
>「ええええええええええ!? ちょっ、ちょっとリナさん!!
> 何で僕なんですか!? 今のはどう考えても僕じゃないです!!」
>
>
>俺が獣人に向かってびしっと指を指してやると、
>アメリアはおおげさな声をあげて俺を見た。
>
>
>「何だ? それじゃあアメリア、お前ガウリイお嬢ちゃんに
> 行ってほしかったのか?」
>
>「確かにガウリイさんは見た目に反して強いですけど――って、
> だから違います!」
>
>「見た目に反してって……」
>
>
>わーわーと抗議しているアメリア。
>すると獣人は鼻で笑って、肩をすくめてみせる。
>
>
>「何ももめることはないぜ」
>
>
>がさりと。
>そう獣人が言い終えた直後に、すぐ近くの茂みが揺れる。
>現れたのは、剣と簡単な鎧とで武装したトロル、およそ十匹。
>
>
>「いくらなんでも、十数対一とは卑怯な!」
>
>「リナさんってば!!」
>
>「どうでもいいさ、行くぜ!」
>
>
>意気込んだ獣人の台詞が戦闘開始の合図で、
>アメリアに任せることも出来ず結局三人で戦うことになる。
>俺が相対したのはロディマスとゾルフ、ガウリイお嬢ちゃんは
>トロルの群れ、アメリアは獣人。
>
>――戦力の差がありすぎるというなかれ。
>
>指揮を担う役目を持つロディマス、三流とはいえ魔道士であり
>まだ見せていない技を持っているであろうゾルフを相手にする俺、
>体力勝負ではあるがトロルに一点集中出来るお嬢ちゃん、
>秘策も何もなさそうな獣人にアメリア。
>作戦も前置きも指示もなく無言でやってのけたのだから、
>俺としては結構上出来な配分だと思う。
>
>俺がロディマスとゾルフを先に片付ければ加勢に行けるし、
>先にアメリアが獣人を片付けても加勢に行ける。
>俺たちの攻撃力は魔法では俺、剣技はお嬢ちゃんがだんとつだ。
>そして前にも言ったか忘れたが、トロルには魔法があまり効かない。
>つまり、俺が頭の二人を破り、アメリアが後ろの一人を取り、
>中間の群れをお嬢ちゃんに任せるやり方がベストというわけだ。
>
>
>「はあっ!」
>
>「ダム・ブラス!!」
>
>
>お嬢ちゃんがトロルに切りかかり、アメリアが獣人に攻撃魔法を
>ぶっ放したのを視界の隅で見やり、俺も目の前の二人に意識を切り替える。
>槍斧で突っこんできたロディマスを交わし、俺はにやりと笑う。
>
>
>「なかなかやるじゃん、おっさん」
>
>「なーに、年の功ってやつさ」
>
>「――!」
>
>
>ふいに俺は呪文詠唱の声を聞き取り、ロディマスのテリトリーから
>即座に飛びのく。
>振り向きざまにゾルフに向かって、攻撃を仕掛けた。
>
>
>「ファイヤー・ボール!」
>
>「フリーズ・ブリッド!」
>
>
>
>ちゅどどどどんっ!!
>
>
>
>苦い顔を隠そうともせずに、俺はゾルフを軽く睨みつける。
>いくらここが外で街道とはいえ、近くには木々や茂みがあるってのに
>迷わず炎の呪文を使うか、こいつはっ!
>本気で三流なんじゃないだろうな。
>
>まあ、正直に本音を言えばだ。
>ここで俺が大得意とする、ある必殺技で全員潰すってのもありだけど
>……さすがに今回は俺一人じゃないしな。
>っていうか今気がついたけど、ガウリイお嬢ちゃんと会ってから、
>あの魔法は使ってないんだよな……俺って……。
>あれからすぐにゴタゴタが始まったから盗賊いぢめもしてないし、
>何だか調子狂うわけだ。
>
>そんなことをつらつらと考えながらも、俺はロディマスとゾルフの
>攻撃を交わしたり、攻撃仕返したりしている。
>そんなこんなで隙をついてゾルフをディル・ブランドで地に沈め、
>相手はロディマス一人。
>
>正直、こいつらを相手に持久戦にはしたくない。
>もちろんトロルの回復力もあれだが、先が見えない襲撃の数々に
>魔力を消費し続けるのもどうかと思うわけだ。
>とはいえ、これだけペースを落とさずに執拗に追ってくるということは、
>ロディマスの一存ということは考えにくい。
>こいつらよりも “上” の奴がいて、そいつが襲撃を指示している。
>そういうことは明らかだ。
>
>そろそろラスボスさんにご挨拶といきたい所だが――
>とりあえずこの場を凌いでからにするか。
>それよりも、ゾルフ辺りをとっ捕まえて事情を吐かせてみるのも……。
>
>
>「――?」
>
>
>俺は薄ら寒い気配を感じて、ロディマスより一歩下がる。
>とたん、ロディマスや獣人が瞳から光を無くして棒立ちになり、
>トロルたちの動きがピタリと止まった。
>……これは傀儡の術?
>これだけの数に一瞬で術に陥れるなんて――。
>
>
>
>
>
>NEXT.
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