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Re: 白魔術都市狂想曲 122
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ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
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>気配の希薄な白を基調にしたその一室。
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>様々な薬草をブレンドした、あの独特のにおいがその部屋にはあった。
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>そこにいたのはあたしとガウリイ。
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>眠るように昏睡しているアレン。
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>・・・・・・そして・・・・・・
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>暁のようにまばゆい光を放つ。
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>灼熱の・・・・・・竜。
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>少し前まで時間はさかのぼる。
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>オリヴァーさんに連れ添って、あたしたちは医療施設の一室―――
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>アレンのいる部屋にいた。
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>道中すれちがう神官たちと、挨拶がてらさりげなく情報を引き出してみたりしながら。
>
>ゼルは何か思うところがあるらしく、別行動を起こしている。
>
>「どうガウリイ。なんかあった?」
>
>「ああ。そこそこ腕の立つやつらが色々かぎまわっていたぞ」
>
>部屋にいたガウリイに、様子を聞いてみたが、やはり貴族たちの子飼いの密偵が動いているようである。
>
>「不穏な動きを、誰かしてた?」
>
>「んー・・・」
>
>彼は少し考え込み、
>
>「たいていのやつらが、静観してるか情報を集めてたが、時折殺気を滲み出してた奴らがいたな。
>武器はともかく毒を持ち出してる奴がいてな。何かと物騒なもんだったから、縄でしばって役人に突き出しといた」
>
>「そう」
>
>やはりガウリイを、番犬代わりに置いといたのは正解だった。
>
>暗殺の可能性も考慮に入れたのは、不利益な情報をもたらす前に殺してしまえという、短絡的な思考をしている奴が少なからずいるからである。
>
>何故あたしがその考えにいたったかというと、答えは単純明快。
>
>エルドラン国王の不在による、治安の悪化である。
>
>ただでさえ、国王が病気で臥せっているときで、フィルさんが代行で政務を取り仕切っているとはいえ。
>
>代行はあくまでも代行である。
>
>大国というのは、大勢の人が集まり決断して動かしているもの。
>
>いうなれば、時計の歯車のようなものだといっておこうか。
>
>いくつもある小さな歯車が、噛み合いながら時を刻んでいるのと同じことである。
>
>国王という動力によって歯車が何とかうまく機能していたが、もしそれが起動しなくなったとしたら?
>
>以前あたしたちが、とある事情でお家騒動に巻き込まれたときのことを思い出してほしい。
>
>お家騒動は、家督争いとも呼べる。
>
>家督とは、相続すべき家の主人としての地位。またはその跡継ぎをさす。
>
>お家騒動とは、すなわちそれを継ぐ跡継ぎたちによる相続争いとも呼べるだろう。
>
>セイルーンは国であり、この場合は次期国王争いとも言うべきか。
>
>次期国王というのは当然のことながら、大きな権力という野心家にとっては魅力的な要素もあり、それを巡っていくつもの派閥も存在している。
>
>あの騒動の犯人はアルフレッドであったが、彼はフィルさんの暗殺未遂以外にも。
>
>――第一王位継承者を支持する重臣たちの暗殺も確かに行われたのだ。
>
>無論クリストファも、なんらか一枚かんでたみたいだが。
>
>アルフレッドも、王位継承権を持っていた。親のクリストファは、第二王位継承者。
>
>たらればの話になるが、あの時何らかの理由でフィルさんが亡くなり。クリストファが国王になり、退位した後王位に近いのはアルフレッドだったということになる。
>
>そしてアルフレッドを王位に就かせ、次期国王にしようとした派閥もあってもおかしくはない。
>
>あのアルフレッド。以前あったあたしの印象として、典型的な自己陶酔型だと評価したことがある。
>
>あーゆータイプの人間は、男、女に関わらず付き合うと苦労するが、のせてやりさえすれば扱いやすいのだ。
>
>王宮では常に腹の探りあいをしており、陰謀や暗躍の場数を踏んだ古だぬきと呼ばれる人種が横行闊歩している。
>
>連中にとって見れば、アルフレッドはまさに御しやすい相手だっただろう。
>
>国が機能している以上、派閥は決してなくならない。
>
>利害関係がある以上、そういった連中は王宮とは切っても切れない関係なのだから。
>
>「さてと。彼等の目の届かないうちに、終わらせようか」
>
>オリヴァーさんは、昏睡しているアレンを横目に、マジック・アイテムを手に弄びつつそう宣言した。
>
>刹那―――
>
>
>こぉぉぉ・・・
>
>
>無音にも似た圧力と共に、ストック・ジュエルから不意に放たれた閃光があたり一面を染め上げた!
>
>あまりの光量に、とっさに目を閉じるあたしたち。
>
>目をくらませるほどの光から、やっと目が慣れあたりを見渡すと。
>
>・・・・・・そこに先ほどまでいたオリヴァーさんや、治療に当たっていた神官たちが姿を消していた。
>
>かわりにいたのは・・・・・・
>
>「よう」
>
>気さくな感じで、こちらに声をかけるヴラの姿があった。
>

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