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Re: 銀幕(中)
注意!!!!
ここの『投稿小説』は小学生の方も来てるので、アダルト向けの小説はご遠慮下さい。
場合によっては承諾なしに削除します。
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>うわ、さ、3年越し……。
>どーも、こんちゃっす。みいでーっす。
>さてさて、構想とかもう完璧に忘れてるけど続き書いてみますw
>面白くなったらいいなぁ。
>
>
>@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
>
>
>
>
> ――情けないことに、俺は泣きそうだった。
>
> きらりと光る岩壁でできた一室には、馬車を使っても絶対に
>一度や二度では運び出せない量の金銀財宝に、分厚い書物達があった。
> リナは諸手を挙げて跳ねる様に室内に駆け込み、
>その瞬間、大きな岩が頭上から転がり落ち、入り口を塞いだのだった。
> 室内は石畳が敷き詰められているようだったし、踏むと作動する
>簡易な仕組みのトラップだろう。
> 場馴れしているからこそのミスだ。
> ――しかしリナらしくも、
>そう思いかけて、リナが平生の状態ではないことに思い到った。
> ガウリイの旦那がした最初の目配せ。そして、ふとした拍子に漏らした、
>「俺じゃ役に立たん」の一言。
> そうだ。今日のはしゃぎ様は、以前よりやけに幼い印象を受けた。
> 旦那は声を上げて笑うリナを見て、心底安心した様に微笑んでいなかったか。
> 出会ってからずっと、リナを一言で表すとしたら「強か」に尽きると思っていた。
> しかし、その強かさが揺らぐ何かが、あったというのだろうか。
> そんな彼女が今、こんなミスをした。
> いつもだったらこんなトラップ、難なく避けているだろう。
> しかし、今は?
> “最悪”が脳裏にちらつき、粟立たない筈の硬い皮膚に焦燥が走った。
> ――リナ。
> 頭上に漂わせていた明かりを足元に寄せ、“最悪”の証拠を探す。
> ――大丈夫だ、まさかリナが。
> その想像を打ち消そうと思うのに、彼女の笑顔がチラついて、
>余計に不安が煽られている。
> 地面の境からは、マントも髪の一房も勿論血の一滴だって覗いてはいない。
> 手をひたひたと境目に合わせながら確かめて安堵し、肩の力を抜いたときだった。
>
>「あほかぁぁああああ!」
>
> 小さく、反響して聞き取りづらいが間違いなく彼女の声だ。
> そうだな、確かに阿呆な想像だった。息を吐いて苦笑して、
>俺は頭をごつんと大岩に当てた。
> いや待て。俺の想像が、岩の向こうのリナに伝わる訳がないのだから
>この突っ込みは俺宛であるはずが無い。
> 落ち着け。何をこんなに慌てているんだ。
> リナが、……いくら、大切な仲間だからと言って。
>「〜〜わぁぁあああああああ!」
> また、リナが大きな声で何か叫んでいる。
> 苦手なナメクジでもいたのだろうか。
>「おい、リナ、どうした?」
> 岩を叩きながら声をかけども、反応する様子はない。
> 彼女の声は聞えているから、中でも脱出の糸口を探しているのだろうか。
> ……いや、中の声はリナだけではない。聞き取りづらいが会話が成されている。
> では一体誰が?
> 突っ込みの声は大分親しそうだった。
> 誰か、かつての仲間が偶然にもいたというのだろうか。
> アメリアは考えられないだろう。では、俺の知らない誰かだろうか。
> しばらく会っていない間、別の人間と旅を同行していたようだったし。
> ともかく。
> 一抹の焦げ臭い感情は見なかった振りをして、大岩に改めて向き合う。
> こんな大岩越しに声が聞えるということは、どこかに穴があるのだろう。
>「リナ、おい、聞えるか!?」
> 声を掛けながら、大岩にひび割れなどが無いかまず確認し、それから大岩が当たった壁のあたりにほころびが無いか確認する。
> ……待てよ?
> リナも出口を探しているのだろうから、明かりを使っているだろう。
> 俺は手元に寄せていた明かりを、先ほど来た通路の方へと押しやった。
> 案の定。大岩と壁の間、膝くらいの高さから、明かりが漏れている。
> 俺はそこに顔を近づけ、大き目の声で声をかけた。
>「リナ、おい、……リナ!」
>「ゼルっ、ゼルガディス、聞える?」
> 反応はすぐに来た。ほっとしながら、髪を数本引き抜いて穴に差し入れる。
>「リナ、ここだ」
> 少し振ってやれば、中の明かりを反射して見つけやすくなるだろう。
>「ゼロス?」
> 声は更に近づいたが、聞えた名前に思わず眉をしかめた。
>「リナ? ゼロスがいるのか?」
>「ええ、さっき助けてくれたんだけど」
> 大岩に潰されないように、だろう。
> どうせその後おちゃらけて、リナに突っ込まれていたんだろうが。
> しかしどんなに阿呆なことをしていたとしても、相手は高位魔族だ。
>「……で、あんたは一体何のために?」
> 問うリナの声色も、幾分かかたくなっていた。
>「リナさんの様子を見に、ですね」
> ゼロスの声は聞き取りづらい。リナと離れているのか。
>「何のためにか、訊いてるのよ」
>「心当たりがないわけじゃあないでしょう? リナさん。
> なんたって、この世界だけじゃなく異界の王の血まで
>その身に溶けているんですから」
> 少しずつ大きくなるゼロスの声。しかしそこは問題ではない。
>「何だと……?」
> 異界の王の血? 王の血、とゼロスが言うのだからこの場合は
>魔王の――つまり賢者の石のことだろう。
> リナが賢者の石を手にしていたのはいい。だが、何のために飲んだんだ?
> 待てよ、異界の王? リナはそんな呪文を使っていなかったか。
> ……四界の闇を統べる王、我と汝の縁に従い、我に更なる力を与えよ?
> 呪符! ゼロスから買い取ったと言っていたあの4つの呪符が、
>それぞれ魔血玉だったのか……。
> リナが、その賢者の石を飲むほどの窮地に、陥ったのだろうか。
> ガウリイが呟いた「役に立たん」の一言は、その時のことか?
> 二人の会話は続いている。焦るリナの声に、楽しそうに返すゼロス。
>「人間にあるまじき、強大な魔力ってところかしら?」
>「ええ。かつて冥王が考えていたアレを、今度は完璧に実行できる可能性があります」
>「おい、まさか……!」
> リナに、混沌を召還させるわけにはいかない。
>「まあ、まだそんな命令は受けてないんですけど。
> やっぱり僕ら魔族としては、強大な力と認めざるを得ないんですよねぇ。
> 欠片とはいえ、2回も魔王様を倒した存在っていうのは」
>「馬鹿な、2回、だと……?」
> ちょっと待て、どういうことだ。
> 1度ならば、それは俺も一緒にいたあの時だろう。出会ってすぐの、レゾの件だ。
> その後に、もう一度、魔王の欠片を倒したというのだろうか。
> ――だから、賢者の石を飲み込んだ?
>「だから、監視してるの?」
>「ええ。そして、その時になるまでは生きていて頂きます。
> ……とはいえ、こちらも大痛手なんですよね。
> この間の一件で、魔族間での諍いなんて下らないものもありましたし。
> 今まともに動けるのは、獣王様と海王様のみ。
> 一度冥王が失敗した策を持ち出してくるには、準備が整いません」
> 何故だ。
> 魔竜王と冥王は確かに滅びたが、覇王はどうした?
>「そうね、一番策を弄すのが得意だったのが冥王だったんだっけ?」
> こともなげに頷くリナは、覇王の顛末も知っているのだろうか。
>「獣王様も不得意ではないんですけどね。
> ともかく、今すぐっていう動きはないと思いますよ。でも」
>「ひぅっ」
>「どうした!?」
> ――小さな悲鳴は、年相応に可愛らしかった。
> 思考が横に逸れて、頭を振る。リナが対峙しているのは、高位魔族だ。
>「個人的には、今のリナさんにとっても興味があります」
> 先程の悲鳴と相俟って、まるで男女の睦言のように聞えてしまう。
> そんなわけはない。そんなこと、あるはずが無いのに。
>「前回は、はっきり敵対してでしたけど、今回は仲間との対決でしたものね。
> リナさんがルーク・シャブラニグドゥ様の正体を知った瞬間、是非その場に
>居合わせたかった。
> 今よりももっと複雑で美味しい負の感情を出されてたんでしょう?」
> 仲間? リナと行動を共にしていた“ルーク”という男が、
>シャブラニグドゥとして目覚めたというのだろうか。
> 離れている間に一体何が……くそ、こんなことなら離れなければよかった。
> 手を付いていた大岩を殴ろうとし、その向こうにリナがいることに気付く。
> どうして俺はじっと耳をそばだてているんだ。
> この大岩をどけるのが先だろう!
>「地精道(ベフィス・ブリング)っ!」
> 大岩をがりがりと削っていく。しかし、穴は開かない。
> 何度試しても術は突き抜けず、大岩がただ薄くなっていくのみだ。
>「僕が怖いですか、リナさん。
> 案外今のリナさんに揺さぶりをかけたら、世界を滅ぼすのも簡単かも
>しれませんね。
> 自覚なさってますか? 今、ガタガタ震えてらっしゃいますよ」
> ゼロスの楽しそうな声が聞えて、ぐっと強く拳を握る。
> 貫通しなくても、薄くすればそれだけ望みは広がる。
> もう一度、地精道!
>「ああ、いいですね。美味しいです」
> ――ああもう、どうして言いなりになっているんだ!
>「リナ、どうした!?
> おい、ゼロス! お前リナに何をっ!」
> 岩はほとんど消え、術を阻んだ金属越しに、二人の影が見えていた。
> そう、二人の影はほとんど重なっている。
> こんな至近距離で一体何をしているんだ!
>「僕ですか? リナさんに何を? ……うーん、そうですねぇ。
> 襲ってます」
>「ふざけるなぁぁあああ!!」
> 思わず剣に手が伸び、思い直す。
> 目の前の金属は、どうせオリハルコンだろう。柔らかい金属とは言え、
>剣とは相性がよろしくない。
>「嫌ですねぇ、ふざけてなんていませんよ。
> では言葉を変えましょうか。
> ねちねち言葉攻めしてリナさんの美味しい感情で食事してます。
> いいじゃないですか、負の感情くらい。リナさんだって無抵抗ですよ?」
> 無抵抗、だと!?
>「リナ、どうしたんだ! 何かされてるのか!?」
>「いいえ、僕は何もしてません。」
> 何でゼロスが答えるんだ!
>「そもそもゼルガディスさん。こちらの室内がこんなにも明るいんですから、
>影がそちらから見えるでしょう?」
> 見えているからこそ、もどかしい。どうしてリナは動かない?
>「リナ、おい、しっかりしろ!」
>「でもリナさん、しっかりしろだなんてよくそんな無責任なことが言えた
>もんだと思いません?
> ゼルガディスさんはルーク様を知らない。
> 覇王様との戦いも、ルーク様との戦いも知らない。
> いいえ、ガウリイさんだって本当は知らないんですよね。
> 北の魔王様から伺いましたよ。
> ルーク様を最後に屠った時、ガウリイさんは倒れていて、あなた一人だったと」
>「あ……」
> リナがぴくりと身じろぎをした。
> ちょっと待て。その口ぶりじゃ、――
>「あなたが、かつて仲間だったルーク様を、」
>「やめろぉぉぉおおおおおおお!!!!」
> 剣を鞘ごと、目の前の銀幕に叩き付けた。
> ゼロスの言葉を掻き消したくて。
>「魔王様と同化されたルーク様を、殺したんですよね、リナさん」
>
> やめろ。
> リナの心はもう
> こんなにも、傷ついているじゃないか。
>
>
>
>
>@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
>
>はい、上編があまりにも解りづらかったので、ゼルサイドからもう一度。
>ゼルやんはまだ、リナちゃんに対する心をはっきりと自覚しては
>いなかったみたいですね。
>だからテンパるテンパるw
>テンポが悪くて読みづらいですが、次はどうにかなるはずっ!
>今しばらくお付き合い下さいませ。
>みいでした☆

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