◆-〜酒>sake.utage<宴〜<作者のたわごと>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-17:56)No.71
 ┣┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART1(序章)>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-19:57)No.75
 ┃┗┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART2(ガウリナ編)>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-19:59)No.76
 ┃ ┗┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART3(ゼラゼロ編)>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-20:01)No.77
 ┃  ┗┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART4(ゼルガディス編)>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-20:04)No.78
 ┃   ┗┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART5(フィブリゾ編)>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-20:08)No.79
 ┃    ┗┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART6(ゼルアメ編)>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-20:10)No.80
 ┃     ┗┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART7(ゼロリナ編)>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-20:12)No.81
 ┃      ┗┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART8(アメリア編)>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-20:16)No.82
 ┃       ┗┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART9(昔話編)>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-20:19)No.83
 ┃        ┗┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART10(リナ編)>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-20:21)No.84
 ┃         ┗┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART11(エミリアル編)>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-20:23)No.85
 ┃          ┗┳〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>-投稿者:鷹見葉月さん代理サハライワリ(11/23-02:37)No.131
 ┃           ┣┳Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>-投稿者:松原ぼたん(11/23-03:42)No.135
 ┃           ┃┗━Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>-投稿者:鷹見 葉月(11/23-12:08)No.138
 ┃           ┣┳Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>-投稿者:りう(11/25-12:04)No.153
 ┃           ┃┗━Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>-投稿者:鷹見 葉月(11/25-23:25)No.169
 ┃           ┣┳Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>-投稿者:ももじ(11/25-22:54)No.168
 ┃           ┃┗━Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>-投稿者:鷹見 葉月(11/25-23:37)No.170
 ┃           ┣┳Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>-投稿者:りーにょー(11/26-23:54)No.191
 ┃           ┃┗━Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>-投稿者:鷹見 葉月(11/27-17:16)No.196
 ┃           ┗┳Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>-投稿者:月影るい(12/14-11:31)No.358
 ┃            ┗━Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>-投稿者:鷹見 葉月(12/15-15:46)No.365
 ┣┳〜酒>sake.utage<宴〜<作者のたわごと>-投稿者:鷹見 葉月(11/19-20:31)No.86
 ┃┣┳再掲示お疲れさまでした。-投稿者:松原ぼたん(11/20-07:07)No.94
 ┃┃┗━Re:再掲示お疲れさまでした。-投稿者:鷹見 葉月(11/20-20:10)No.108
 ┃┣┳鷹見 葉月さんへ送るメッセージ☆-投稿者:サハラ イワリ(11/20-17:58)No.106
 ┃┃┗━Re:鷹見 葉月さんへ送るメッセージ☆-投稿者:鷹見 葉月(11/20-20:15)No.109
 ┃┣┳ゼロリナはいいねえ(笑)-投稿者:オクレ兄(11/22-22:43)No.129
 ┃┃┗━Re:ゼロリナはいいねえ(笑)-投稿者:鷹見 葉月(11/23-12:03)No.137
 ┃┗━Re:〜酒>sake.utage<宴〜<作者のたわごと>-投稿者:ちょいこ(12/1-22:26)No.261
 ┗┳本当にごくろうさま!!!-投稿者:まっぴー(11/20-13:32)No.97
  ┗━Re:本当にごくろうさま!!!-投稿者:鷹見 葉月(11/20-20:16)No.110


トップに戻る
71〜酒>sake.utage<宴〜<作者のたわごと>鷹見 葉月 E-mail 11/19-17:56

というわけで、酒宴が過去のログのほうに移動してしまったので、途中から再掲示
です。
本当は全部まとめて再掲示したいのですが、全部まとめて再掲示すると、全部消え
るというジンクスらしきものがもはや出来上がっているので・・・。
でも・・・しましょうかね、全部?
せっかく今日は(今日も)生徒会を抜け出してしたのですから・・・。
う〜ん・・・。
まぁ、見てからのお楽しみということで。
ではでは。

トップに戻る
75〜酒>sake.utage<宴〜<PART1(序章)>鷹見 葉月 E-mail 11/19-19:57
記事番号71へのコメント

〜酒>sake.utage<宴〜


コーヒーを一口すすると、彼はため息をついた。
「どうしたの、ゼロス?
辛気臭い顔して・・・。」
栗色の髪の魔道士が、彼の前の席に腰掛けながら聞く。
「疲れがたまってしまったようです。」
彼はリナに向かって苦笑する。
事実、彼は疲れていた。
彼が彼の上司様から受けた命は体を壊してもおかしくないほどの激務であった。
だが、親愛なる上司様の御手を煩わせる訳にもいかないので、日々こうやって頑張ってい
るわけなのだが・・・。
(誰かから強引に『負』の感情をいただきましょうか・・・?)
こんな考えが自然と心に浮かんでくるほど、彼は疲れていた。
リナがいなければおそらく実行に移していたであろうその考えを、彼は強引に振り払った

(今余計な不信感を持たれるわけにはいきませんからね・・・特にリナさんには・・・。

そう考えると、彼は再びため息をついた。
そんな彼の様子を眺めていたリナだが、何を思ったのか突然大声を張り上げる。
「おっちゃ〜ん、お酒ふたつ〜。」
ほどなく運ばれてきた二つのカップを指差して、彼はリナに尋ねた。
「ふ・・・二つも飲むのですか?」
「なぁに言ってるのよ。
あなたも飲むのよ。」
そう言って、リナはカップを彼の手に押し付けた。
「すみませんが、今はそういう・・・。」
「悩み事があるときは、ぱぁっとお酒でも飲んで寝るのが一番よ。」
リナは彼の言葉を遮ってこう言うと、パチンと片目をつぶってみせた。
(それは人間だけなのでは・・・。)
という言葉を彼は喉元近くで押し返した。
(反論するだけ疲れるだけですよね。)
そう思うと、彼はカップを一つ手に取った。
「乾杯〜。」

トップに戻る
76〜酒>sake.utage<宴〜<PART2(ガウリナ編)>鷹見 葉月 E-mail 11/19-19:59
記事番号75へのコメント

二つのカップが触れ合って、軽い音をたてる。
そして、片方のカップの中身はほとんどリナの口の中に消える・・・・・・はずだった。
「おや、リナさん・・・。
お酒、飲まないのですか?」
お酒に少し口をつけただけのリナに、彼は理由を尋ねた。
「のむわよっ。」
いやにムキになって反論をしてくる。
(もしかして・・・。)
まるで子供の悪戯を見つけた親のように、彼は微笑んだ。
「お酒・・・苦手なんですか?」
「人の好意を踏みにじるような事を言うんじゃないわよ。」
少しすねた顔がいつもにも増して可愛らしく思えて、彼はまた微笑んだ。
(そういえば・・・今朝もこんな顔をしてましたっけ・・・。)
お酒を口に含みながら、彼はぼんやりと思い出した。


『なぁ、リナ。』
『なぁに、ガウリイ?
食べている途中に…。』
三つ目のチキンソテーセットの最後の一口を飲み下してから、リナは聞いた。
『お前のねーちゃんって胸大きいのか?』
『な…なななななっなにっっ?!
何をいきなりっ?!』
口に食べ物が入っていたら、間違いなく吹き出していたであろう勢いで、リナは驚いた。
まぁ、普通いきなりそんな事を聞かれたら驚くだろうが…。
『いや…お前のムネが小さいのは、親譲りかと…。』
『な、なんだ…そんなこと。
わたしのムネが小さいのは…小さい?!』
リナの瞳に殺意の炎が宿る。
『あなた、わたしに喧嘩売っているの?』
『いや…ちょっと興味を・・・』
『売られた喧嘩は…買わないと失礼よね…。』
リナはガウリイの言葉を遮ってこう言うと、いつもの呪文を唱えはじめる。
『黄昏よりも暗きもの…。
血の流れよりも紅きもの…。:』
『うわっ、ちょ、ちょっと待て、リナ!!』
『時の流れにうずもれし…。
偉大なる汝の名において…。』
『俺が言いたいのはなぁ…。』
『我、ここに闇に誓わん…。
我らが前に立ちふさがりし、すべての愚かなる者に…。』
『だ…・だから、最後まで人の話を聞けっ!!』
『我と汝の力もて・・・。』
『リナ、お前の…。』
『等しく滅びを与えんことを…。』
『胸が小さくて、何が悪いんだよっ!!』
『悪いわよっ!!
悪党どもに『ぺチャパイ』だの『胸無し』だの言われるしっ…!!
それに、女の子にとって、胸がないのがどんだけ辛いのか…あんたにはわからないでしょうね!
!』
おもわず呪文を中断して、言い立てるリナ。
『それの何が悪いんだ?』
『だからっ…。』
『胸が小さいからと言って、誰かに嫌われた事でもあるのか?』
リナの言葉を遮って、あっさりと言うガウリイ。
『…ないわよ。』
『なら、いいじゃないか。』
『悪いわよっ。』
リナの言葉を無視して、ガウリイは続ける。
『少なくとも、俺はお前の胸が小さいからって、保護者やめたりはしないよ。』
『う…うるさいっ!
そんなことどうでもいいわよっ!!』
こころもちが顔を赤らめて、そっぽを向くリナ。


(この時もこんな顔してましたっけ…。)
そんな事を思い出しながら、彼はまた一口お酒を口に含んだ。
(でも…同じような顔でも…含まれている感情は違いますね。)
ガウリイさんのときは、嬉しさを紛らわすためにわざと反対の行動をとったのに、少し感情が表に
出ている顔…。
僕の時は、自分の気持ちを美化してとられそうになったのを照れている顔…。
前者は、特別な感情を持っている故に出来上がった顔ですね。
後者は…僕の場合は、ただ照れただけですね。
特別な感情…人が『恋』と呼ぶものでしょうか…?
そうなると、リナさんはガウリイさんに恋愛感情を持っている事に…。
そこまで分析すると、彼はくすっと笑った。
(何を考えているのでしょうね、一体。
これではまるで、ガウリイさんにやきもちを焼いているようではないですか…。)
「なぁに一人でにやにやしてるのよ?」
からかうようなリナの声に、さらに笑いが込み上げてくる。
「いえ…リナさんはガウリイさんの事をどう思っているのかな…と。」
「なによ、いきなり?」
突然思いもよらないことを言われて、聞き返すリナ。
再び同じ事を、今度はリナに問いかける。
「リナさんは、ガウリイさんのことをどう思っているのですか?」
「別に…なにも。」
無関心な声で、リナは答える。
(どうやら自分でも気付いていないようですね…。)
そう踏んだ上で、さらに彼は問いかけた。
「では、嫌いですか?」
リナは少し視線をずらして、お酒を口に含む。
「嫌いな人と一緒に旅が出来るほど、わたしは寛大じゃないわ。」
「じゃあ、僕の事も嫌いじゃないのですか?」
彼の問いにリナは視線を元に戻すと…つまり、彼に合わせるとこう答えた。
「少なくとも、一緒にいて嫌悪感を感じるこをはないわ。
でも…嫌いじゃないから好きだというのは少し短絡的じゃない?」
リナの言葉に、彼は頷いた。
しかし、引き続き問いかける。
「では、ガウリイさんの事は『嫌いではない』ですね。」
「そうよ。」
「では…僕と同じく、『嫌いではない』というだけですか?」
彼はリナの瞳をのぞきこむように見つめた。
「それは…。」
「違うでしょう?」
リナに確認するように、彼は尋ねた。
リナは数瞬考え込むと、小さく頷く。
「それは、ガウリイさんが特別『好き』なのですか?
それとも、僕が特別『嫌い』なのですか?」
「それは…。」
言葉に詰まるリナ。
そんなリナを見つめながら、彼は思った。
(『好き』だから…その事実を認めたくないのでしょうか?
魔族には理解できない感情ですね。)
そう思うと、彼はリナにこう言った。
「答えたくないのならばいいですよ、リナさん。
でも、自分の問題ですよ。
いつかきちんと見つめてみて下さいね。」
リナからは返事がない。
(おや、ついに無視されてしまいましたか。)
彼は苦笑した。
そして、再びお酒を一口口に含むと、彼の事を一度も無視したことのない人物を思い出した。
(あの御方は…今どうなさっているのでしょうか?)
彼は、彼の上司と最後に会ったときのことを思い出した。



トップに戻る
77〜酒>sake.utage<宴〜<PART3(ゼラゼロ編)>鷹見 葉月 E-mail 11/19-20:01
記事番号76へのコメント


『ゼラス様…お呼びでしょうか?』
私室に現れた彼は、寝椅子に寝転がりながらお酒を飲んでいるゼラスを見て、少し首をかしげた。
(ゼラス様が、お酒を飲んでいらっしゃる…?)
彼の上司はお酒があまり好きではないはずだった。
しかし、もう血のような色のワインは瓶の半分ほどに減っている。
『ゼロス…もっと近くに来てくださいな。』
『…わかりました。』
彼は寝椅子の近くまで歩いてから、跪く。
『もっと近くに、です。』
少々不機嫌なゼラスの声に応じて、彼は寝椅子の足元まで移動した。
『もっと、近くに。』
『お言葉を返すようですが、ゼラス様。
これ以上近くにはよれません。』
彼の言葉を聞くと、ゼラスはグラスを放り投げた。
カシャン。
グラスは軽い音をたてて割れる。
シャラン。
身につけたアクセサリーを鳴らして、ゼラスは立ち上がった。
長い衣の裾を引きずっているのにも構わず、彼の後ろまで歩く。
そして、彼の腕をつかむと…。
『立って下さいな、ゼロス。』
彼が立ち上がると、ゼラスは彼を自分と向かい合わせる。
そして、にっこりと微笑んだ。
『獣王様…あの…。』
どんっ。
ゼラスが彼を思いっきり突き飛ばした。
彼は反動で寝椅子に転がる。
ゼラスは彼の膝に乗るようにして、寝椅子に座る。
『ゼラス様・・・?
あの…酔っていらっしゃるのでは?』
彼はゼラスのあまりにも常日頃とかけ離れた行動に、思わすこう尋ねた。
『いえ…酔ってはいませんよ。』
彼は、ゼラスに気を配りながら座り直すと、理由を尋ねる。
『では、一体どうなさったのですか?』
シャラン。
ゼラスが腕を上げた。
つけられたいくつもの腕輪が音をたえる。
シャラン。
ゼラスは彼の首に手を回した。
『行ってしまうのですね、ゼロス。』
ゼラスは彼の瞳を見つめた。
『ええ…貴方の命令ですから…。』
彼はためらいがちに頷いた。
『体に気をつけて…。
私のもとへ、絶対帰ってきてくださいね。』
『帰ってまいります、ゼラス様。
何があろうとも、必ずゼラス様のもとへ帰ってまいります。』
ゼラスは彼の肩に顔を押し付けた。
『もし…もしあの時のように怪我をしてしまったらと思うと…私は怖くてたまりません。』
『ゼラス様…。』
彼はゼラスの肩に手を回した。
彼にはそうすることしか思い付かなかった。
肩を少し震わせて泣くゼラスを抱きながら、彼は自分の中にある矛盾を再確認していた。
彼にこれだけの力がなければ、ゼラスもこのような命をだすことはなかったであろう。
しかし、これだけの力があるからこそ…自分に限りなく近い者だからこそ、ゼラスは彼のことをとても大切
に思っているのである。
『ゼラス様…。』
彼は再びゼラスに呼びかけた。
ゼラスは涙に濡れた顔を上げる。
彼は、ゼラスの涙を拭うとこう言った。
『泣かないで下さい、ゼラス様。
ゼラス様がお泣きになると、このゼロスも悲しくなります。』
『…そう…でしたね、ゼロス。
大丈夫…もう泣きませんよ。』
一瞬の間を置いて答えたゼラスの形の良い唇に、かすかに微笑みが浮かんだ。
つられて彼も微笑んだ。
『そうだ…ゼロス、お守りをあげましょう。』
突然ゼラスが手を叩いて言った。
『お守り…ですか、ゼラス様?』
『そう、お守りです。』
ゼラスはにっこりと微笑む。
そして立ち上がると、少し屈んでゼロスに顔を近づける。
『目を閉じて下さいな。』
彼が目を閉じると、ゼラスは彼の前髪をそっとかきあげて額に口付けた。
『お守り…ですよ。』
目を開くと、ゼラスが微笑んでいた…。


「うっ…。」
リナのうめき声で彼は我に返った。
リナから流れ込んでくる、微量の『負』の感情…。
(これは…『痛み』ですね…。)
「リナさん、どうかしましたか?」
「ん…?
大丈夫…ちょっと舌を噛んでしまっただけ…。」
(あのリナさんが舌を噛んだだけで、うめき声を…?)
「本当に、大丈夫ですか?」
『本当に』の部分を強調して彼は聞いた。
「大丈夫だって…。」
手をはたはたと振ってリナは言った。
(こんなに冷や汗をかいて…。
まぁ、本人が大丈夫と言っているのですから、しばらく様子をみましょうか…。)
彼はまたお酒を一口口に含んだ。
もう、カップの半分ほどに減っている。
一方のリナはというと、まだ一口口と付けたぐらいにしか減っていない。
「リナさん…お酒…。」
「飲むわよっ!」
彼の言葉を遮って、リナは断言した。
(まぁ、いいですけどね。)
そう思って、彼はこれ以上口を出すのをやめた。
すると、会話が途絶えて沈黙が訪れる。
(沈黙…リナさんと一緒にいて沈黙が訪れるなんて、何回目でしょうかね…?)
すると、旅のメンバーの中で、唯一沈黙が似合う人物を思い出す。




トップに戻る
78〜酒>sake.utage<宴〜<PART4(ゼルガディス編)>鷹見 葉月 E-mail 11/19-20:04
記事番号77へのコメント


『本当にあれには俺を元に戻す方法は書いてなかったのだな?』
『ええ、もちろんですとも。』
刺すようなゼルガディスの視線を、彼はさらりと受け流す。
『なら…いいが…。
しかし…何故『あれ』を焼いた?
それに、あの少女・・・プラムは…。』
『それは秘密です。』
ゼルガディスの言葉を遮って、彼はこう言った。
(こう言えば、ゼルガディスさんはもうこれ以上聞いてこないでしょう。)
彼の予想通り、ゼルガディスはそれ以上追求をしてこなかった。
(やれやれ…リナさんもこうだと助かるのですけどね…。)
ゼルガディスの後ろ姿を見送りながら、彼はこう考えて少し肩をすくめた。
『崩霊裂!!!』
(おやおや…。)
振り向きざまにゼルガディスが放った魔法ををかわしながら、彼は少しあきれていた。
(ゼルガディスさんまで、こんなに熱くなってしまって…。)
『お前は一体何者だ?』
『何者と言われても…ただの謎の神官です。』
彼は苦笑した。
本当にだたの神官である。
ただし、五人の腹心の一人である獣王、セラス=メタリオムの。
『崩霊裂を軽々とかわす奴が、ただの神官だと?
笑わせるな。』
『おや、そんなにおもしろかったですか?
いやぁ、ゼルガディスさんにおもしろがって頂けるなんて光栄です。』
『ほざくなっ!
プラムの蘇生、クレアバイブルの抹消、崩霊烈さえも余裕でかわす技量…一体何者だ?!』
『だから、ただの謎の神官ですってば。』
彼の言葉に応えるように、ゼルガディスは剣を抜いた。
『おやおや、怖いですねぇ…。』
彼は大げさに肩をすくめた。
(これがアメリアさんだったら、さすらいの正義の戦士ですとか言って誤魔化せるのですけど…。)
『今回はそういう訳にもいきませんね。』
そうつぶやくと、彼はゼルガディスと向かい合った。
『そんなに僕が怪しいならば、僕を切ってみてください。
抵抗しませんから。』
彼は両手を広げて抵抗しないことを示す。
『何が言いたい?』
剣を構えたままゼルガディスは問う。
『だって、僕を切りたいのでしょう?
だったら抵抗しないって…。』
『切られても大丈夫な自信でもあるのか?』
彼の言葉はまた遮られた。
(普通の剣で…でしたらね。)
そう心の中でつぶやきながら、彼はゼルガディスに近づいていく。
『切られて大丈夫なわけないじゃないですか。』
ゼルガディスの目前までたどり着くと、彼はにっこりと微笑んで言った。
『切られたら血も出ますし…ね。』
言葉が終わるか終わらないかのうちに、彼はゼルガディスの剣を握り締めた。
刃の部分を、である。
『なにを…?』
自分の剣をつたう紅い血をゼルガディスは呆然と眺めていた。
『ほら…ちゃんと血もでるでしょう?』
ゼルガディスは彼の手を強引に引き離した。
そして剣を振って血を払うと、きびすを返す。
『もういい。』
それだけ言うと、彼は歩き去った。
しかし、彼は気付いただろうか?
自分の剣から振り払われた血はすべて黒い霧となって消えていることを…。
(やっぱりゼルガディスさんもまだまだですね。)
彼は一人で納得し、微笑んだ。


(しかし…沈黙もここまで続くと怪しいものがありますね。)
リナを眺めながら、彼はどうやって話を切り出そうか悩んでいた。
「リナさん…お腹を抑えて何をしているのですか?
お腹でも痛いのですか?」
リナが左手で腹部抑えていることに気付いて、彼はこう声をかけた。
「うん…まぁ…ね。」
(これは…?!)
「リナさん、そんなに痛いのですか?!」
リナから流れ込んでくる『負』の感情の多さに気がついて、彼はおもわず席を立った。
「あ…ばれた?」
リナは苦笑いをした。
「痛くて眠れないからお酒…飲みに来たんだけど…。
もっと痛くなって…きちゃって…。」
その言葉に、彼はため息をついた。
「当たり前です。」
彼は、リナの前にあったお酒のカップを取り上げた。
そして、店員を呼び止めると香茶を一つ頼む。
「何故もっと早く言ってくれないのです?
眠れないのなら、僕が薬草をあげたのに…。」
リナを自分のマントで包みながら、彼は珍しく思ったことをそのまま口にだしていた。
そうである、今リナになにかあったら困るのである。
(今彼女に何かあったら…すべての計画は水の泡です。)
リナを包み終わると、彼は席をリナの隣に移した。
彼女の変化をより早く察知できるように、である。
少し赤いリナの横顔を見つめていたら、彼はふとある人物を思い出した。
(あの方とはじめて会ったのはいつでしたっけ?)
彼は記憶の糸をたどっていく。
(そう…あれは確か僕が生まれて間もないころ…。)




トップに戻る
79〜酒>sake.utage<宴〜<PART5(フィブリゾ編)>鷹見 葉月 E-mail 11/19-20:08
記事番号78へのコメント

『へぇ…君がゼラスの神官?』
可愛らしい少年の姿をした魔族は彼を一目見たとたんにこう言った。
『ゼロス…とお呼び下さい。』
一応彼の上司と同格なので、彼はうやうやしい態度をとった。
『ゼロス…ねぇ…。』
少年は意味ありげにつぶやき、返事を催促するかのように彼に視線を送る。
『…何か?』
『いや。』
意地の悪い笑みを浮かべて少年は首を振った。
そして、ぴょんと玉座から降りると、彼のそばまでやってくる。
『これも…ゼラスの趣味か?』
少年は彼のマントをつまみあげた。
『こんな趣味をしているとは気付かなかったなぁ。
あの美人なお姉さんは、いつも意外な行動にでる。』
ゼラスのことを『美人なお姉さん』と称してみたのが気に入ったのか、少年はくすりと笑みをもらした。
『ねぇ、将軍のほうはどんな姿をしているの?』
少年は彼の顔を覗き込んだ。
『僕が…将軍も兼ねています。』
『へぇ〜。
あの噂は本当なんだ。』
少年はすっと浮かび上がった。
『ゼラスが一人ぼっちじゃ寂しいからって、自分の情人を作ったって…。』
『フィブリゾ様。』
彼の険悪な声が冥王フィブリゾを制す。
『冗談だよ、冗談。』
フィブリゾはお腹を抱えて笑い転げている。
一方の彼は、彼の主君をけなされて不機嫌もいいところである。
『それでは、僕はこれで…。』
精神世界に消えようとする彼の腕をフィブリゾはつかんだ。
『ここで君が帰ったら、噂は本当だって証明しているようなものだよ。』
フィブリゾはにっこりと微笑んだ。
『それに、ぼくはもっと君と遊びたいな。
覇王のところの将軍よりおもしろいよ、きみは。』
その言葉で、彼の中に小さな疑問がうまれた。
(覇将軍もこうやってからかわれたんでしょうか?)
『うん、覇将軍もおもいっきりからかったよ。』
彼の意識を読んだのか、フィブリゾは楽しそうにこう答えた。
どうやらこの様子だと、『冥王は最近暇なので、自分の部下のみならず、他人の部下までからかって遊んでい
る』という噂は事実のようである。
その噂の主は、浮かび上がったまま振り向いた。
『ところで…ゼロス。
ゼラスは優しくしてくれるかい?』
『冥王様よりは優しく接していただいています。』
彼の返事にフィブリゾは頷いた。
『そうだよねぇ…たった一人の腹心だもんねぇ…。』
彼はフィブリゾの意図を読みかねてきた。
『あの…。』
『じゃあさ、どれぐらいスキンシップをとってくれるの?』
彼の言葉を遮って、フィブリゾはこう聞いた。
『スキンシップ…ですか?』
彼は本来彼がフィブリゾにぶつけるつもりだった疑問も忘れて聞き返した。
『そう、スキンシップ。』
フィブリゾは大仰に頷いた。
『抱きしめる、とか手を握る、とかさ。』
とん、と彼の目の前に降りると、フィブリゾは彼に抱きついた。
『ゼラスなら、スキンシップも大切にしてくれるだろう?』
『フィブリゾ…様…?』
自分に抱きついたままのフィブリゾを、彼は理解できなくなってきていた。
最初はそれなりに理解しているつもりだったのだが…。
今は…。
フィブリゾは、ちょっと背伸びをすると、彼の唇に自分のを軽く重ねた。
『こんなこともしてくれたり?』
言い終わると、ぱっと彼から離れて飛び上がる。
(この方は一体なにを?!)
笑い転げているフィブリゾを見ると、さっきよりもわずかながら血色がよい。
そこで、彼は気付いた。
『冥王様…僕の『負』の感情を召し上がるのは…あまりにもひどくはないですか?』
『あ、気付いた?
覇王のところの将軍もそれを知ると怒って怒って…。』
引き続き笑い転げるフィブリゾ。
『まぁまぁ、そう怒らないでよ。
これから長い付き合いになるんだから、さ。』


(確か、これがはじめての出会いでしたね…。)
彼はまたお酒を口に含もうとした。
しかし、自分のカップが空になっていることに気付く。
(おやおや、僕としたことが…。)
そこで、先程頼んだ香茶が運ばれてくる。
「リナさん、香茶ですよ。」
返事はない。
「リナさん、リナさん?!」
リナは腹部を抑えたまま、うめき声を発するだけである。
彼はリナを抱き上げると、店員に休めるようなところがないか尋ねる。
そして、リナがとった部屋の場所を聞き出すと、代金を払って酒場をでる。
ここは一階が酒場、2階が宿屋という至極平凡な造りになっているようで、リナの部屋は2階の東側の部屋だ
った。
両手が使えないので、周りに人がいないことを確認してから手を使わずにドアを開ける。
そしてリナをベッドに寝かしつけると、ドアを今度は手を使って閉めた。
「リナさん、大丈夫ですか?
リナさん?」
返事はない。
(とりあえず、様子をみましょうか。)
そう考えて、彼は椅子をベッドの近くまで移動させて座る。
(アメリアさん達に伝えたほうがいいでしょうかね…?)
一瞬そんな考えも頭をよぎるが、すぐに打ち消される。
(自体を余計ややこしくするだけでですね…。)
あの正義が好きなお姫様は、今ごろどのような夢を見ているのでしょうかね…。
そう思うと、彼は一つの出来事を思い出した。



トップに戻る
80〜酒>sake.utage<宴〜<PART6(ゼルアメ編)>鷹見 葉月 E-mail 11/19-20:10
記事番号79へのコメント


日の光がさんさんと降り注ぐ、平和な午後…。
木陰で休んでいる一組の男女…。
双方とも相手が気になるらしく、何気なしに相手に視線をおくっている。
しかし、視線が合うと慌ててそらす。
そして、また何気なく視線をおくり合う…。
そんなことが何度も続く。
まるで恋愛小説の中の一シーンのような光景である。
『あの…。』
『なぁ…。』
何度目にかに視線が合ったとき、意を決して二人とも同時に相手に話しかける。
『あ、なんだ、アメリア?』
『いいえ、あの、ゼルガディスさんこそなんですか?』
ゼルガディスは軽く首を振る。
『いや、たいした用じゃない。
アメリアから話せ。』
『いえ、私もたいした用ではないので…。
ゼルガディスさんからどうぞ。』
お互いに譲り合って、どちらも用件を話さない。
『いや、別にたいしたことではないので、もういい。』
数回の譲り合いのすえ、ゼルガディスはこう断った。
アメリアも同様に断る。
『わ、私ももういいです。』
アメリアがそう言うと、二人とも視線をもとに戻した。
しばらくして、ゼルガディスは本を取り出して読みはじめる。
しかし、アメリアは視線を送るのをやめない。
『アメリア、何か用か?』
『い、いえ、別に…。』
アメリアは真っ赤になって否定する。
あきらかに怪しいその態度を、ゼルガディスはあっさりと受け流す。
『そうか…。』
再びあたりに沈黙が戻る。
それでもアメリアはゼルガディスが気になるらしく、ついつい視線がゼルガディスのほうに向かってしまう。
『アメリア…。』
『ゼルガディスさん…。』
再び二人は同時に呼びかけた。
『な、なんですか、ゼルガディスさん…。』
少々慌ててアメリアは問う。
『アメリアこそなんだ?』
『え…え〜っとですね。』
ゼルガディスに聞かれて言葉につまるアメリア。
『あの…あの…ゼルガディスさん。』
『なんだ?』
顔を真っ赤にしているアメリアの呼びかけに無愛想に応えるゼルガディス。
『一つ…一つ聞いてもいいですか?』
ゼルガディスの返事を待たずにアメリアは続ける。
『あの…ゼルガディスさんには…その…。
こ、恋人…みたいな人っていますか?』
アメリアの言葉を聞くと、ゼルガディスは笑みを浮かべた。
『なんだ…そんなことか…。』
『え…?』
予想外の反応に、アメリアは少し目を見開いた。
『恋人…か…。
今はいない。
それどころか、お前達以外に俺を人間扱いしてくれる奴も…な。』
ゼルガディスは自嘲気味に笑った。
『ゼルガディスさん…。』
アメリアはかけるべき言葉を見つけられなかった。
ゼルガディスが自分の体のことをこんなに気にしているなんて、すっかり忘れていたようだ。
困った顔のアメリアにゼルガディスは微笑んだ。
『だが…今はこれでいいさ。』
『え?』
ゼルガディスの微笑みと、予想外の言葉に驚くアメリア。
『たとえわずかであっても、こんな姿の俺を認めてくれる奴らがいる…。
それに、この体も戻らないと決まったわけではないからな…。』
ゼルガディスはどこか遠くを見つめるような目をした。
『そう…ですね。』
アメリアはそうつぶやくと、ゼルガディスに向かって微笑んだ。


(姫は今ごろゼルガディスさんの夢でもみているのでしょうね。)
「う…。」
リナが寝返りをうつ。
乱れた布団を直しながら、彼は苦笑した。
(これではまるで親子か夫婦のようですね。)
そう思いながらも、彼はリナの額の汗を拭ってやる。
(バンダナだけでもはずしてあげましょうか…。)
彼はリナの前髪にそっと手をかけた。
「ん…。」
リナがまた寝返りをうつ。
しかし。彼はそんな事には構わずにバンダナに手をかけた。
バンダナをはずすと、小さな宝石が落ちる。
(へぇ…こんなものをつけていたんですね。)
彼はバンダナと共にそれをサイドテーブルに置いた。
そして、またリナに布団をかけ直してあげる。
(リナさんと結婚する人は、さぞかし気が利く人でないといけませんね。)
彼はまた苦笑した。
「でないと、彼女はすぐ体を壊してしまいますね。」
理由を口に出して言ってみると、さらに笑えてきた。
彼は微笑みながらとある事を考えていた。
(僕とリナさんが結婚したらどうなるでしょうねぇ…。)


トップに戻る
81〜酒>sake.utage<宴〜<PART7(ゼロリナ編)>鷹見 葉月 E-mail 11/19-20:12
記事番号80へのコメント

『リナさん、起きてくださいよ。
リナさん。』
僕ははリナさんを起こそうと、もう数十分もベッドの前で四苦八苦していた。
『リナさん!
朝食が冷めてしまいますよ。』
『ん…?
もうちょっと…。』
リナさんは寝返りをうつ。
『もう…しょうがありませんね。』
僕ははリナさんを仰向けにさせるため、彼女をベッドの上で転がす。
『ほら、起きて下さい。』
僕はリナさんの鼻をつまんだ。
リナさんが口を小さく開けて呼吸をはじめるのを確認すると、僕は次の行動に移った。
『リナさん、起きて下さい。
ほんっとに起きないんですね。
じゃあ、起こしますよ。
いいですね?』
行動に移る前に警告をする。
リナさんから返事がないのを確かめると、僕はリナさんにくちづけた。
(1…2…3…4…5…6…7…。)
『うわぁっ!!』
僕が心の中で正確に7秒数えた時、リナさんは飛び起きた。
反動で、僕は尻餅をつく。
『ちょっと、ゼロス!!
あんたわたしのこと殺す気?!』
肩を激しく上下させながら、リナさんは僕をにらんだ。
僕はゆっくりと立ち上がると、微笑んだ。
『やっと起きましたね、リナさん。』
スパコーン。
スリッパが僕の顔を直撃する。
『昨夜はあんたの所為で疲れたんだからねっ!
もうちょっと寝かせてくれてもいいでしょう!!』
そう言い捨てると、リナさんは反対方向を向いてふて寝をしてしまう。
『リナさん…昨日のことは僕が悪かったですから…。』
リナさんの様子をうかがうが、返事どころか反応もない。
『ほら、朝食も作りましたし…。』
リナさんはピクリとも動かない。
『じゃあ、今日はどこかおいしい所へ食べに行きましょうか?』
リナさんからはまだ返事がない。
『あれ、食べに行きたくないんですか?
珍しいですねぇ…。』
(こころもちか体が動いたような気が…もうヒトオシですね。)
そう考えると、僕はきびすを返した。
『あ、ならいいですよ。
その方が家計の節約になりますしね。』
『わかったわよっ。』
投げやりなリナさんの声とともに、布団を撥ね除ける音がする。
僕は振り向くと、にっこりと微笑んだ。
『おはようございます、リナさん。』
『おはよう…ゼロス?』


想像の中のリナが彼を呼ぶ声がひどく不安げに聞こえたような気がして、彼はふっと目の前で寝ているリナのほうに目
をやる。
「…ゼロス?」
うっすらと目を開いたリナが彼のことを見つめていた。
「おや、起きましたか?
具合はどうです、リナさん。
その様子だとさっきよりは調子がよさそうですね。」
リナは数瞬の間をおいて、小さく頷いた。
「そうですか…。」
彼は安堵のため、小さくため息をついた。
(これで最悪の事態はまぬがれることが出来ましたね。)
そう思うと、彼はリナの額に手を置いた。
これ以上何かあれば、それこそ一大事である。
それだけは未然に防いでおかないといけない。
「熱は…ないようですね。
お腹の他に痛いところはありませんか?」
彼の問いに、リナは小さく首を振って答えた。
「じゃあ、とりあえずベルトなどの体を締め付けるものをはずしてください。」
「え?」
リナは小声で聞き返した。
「体を締め付けるものがあると、苦しいでしょう?
こういう時は少しでも楽にした方がいいですからね。」
彼は少し微笑むと、リナを助け起こすために手を差し出した。
「いいですか、起こしますよ。」
リナに確認してから、背中にも手を添えて助け起こす。
リナの髪の毛が彼の手にかかる。
(長い髪の毛…彼女とは対照的ですね…。)
リナの作業を手伝いながら、彼は今ごろ夢の中を漂っているであろう少女のことを再び思い起こした。
(彼女は、もう忘れているでしょうね…『あのこと』を…。)



トップに戻る
82〜酒>sake.utage<宴〜<PART8(アメリア編)>鷹見 葉月 E-mail 11/19-20:16
記事番号81へのコメント


『127…あれ、128でしたっけ?』
彼は指を折って数え始める。
『え〜っと、殺したのは127ですね。
でも、叩き落としたのは128でしたね。』
そういうと、彼はまた無造作に数を数えはじめた。
『128……129……130っと。』
数を一つ数えるたびに、彼は色々なところを指差す。
そのたびに、彼が座っている木のまわりを飛んでいる鳥が落ちていくのであった。
『198…199……。
200。 』
かなりの時間をかけて200羽の鳥を地に叩き付けると、彼は自分の手を握ったり開いたりした。
『もう大丈夫そうですね。』
あるところで受けた精神ダメージはもう回復したようである。
そのために、199羽の鳥がもう二度と空へ舞い上がることはできなくなったが…。
ばさっ。
かすかに鳥のはばたく音が聞こえたため、彼は顔を上げた。
するとあの少女のおかげで一命をとりとめた小鳥が、すぐそばの湖に向かって飛んでいくのが見える。
彼は、ふっと水浴びをしている少女に目をやった。
少女は、彼がいることにまったく気付いていないようだった。
いたら、今ころこのあたりには攻撃呪文の花が咲いているはずである。
一つ断っておくが、彼はけっして俗に言う『のぞき』をしているわけではない。
ただ、彼がここでダメージを回復している間に、少女がやって来て水浴びをはじめただけなのである。
わざわざ移動するのもめんどくさいので、彼もそのままにしておいたのだ。
(用事もすみましたし、精神世界を通ってリナさんをからかいにでも行きましょうか?)
そう思って腰を上げかけたとたん、彼の耳に少女の声が入ってきた。
『うわぁ、もう大丈夫なんですね。』
見ると、小鳥が少女の肩に止まっている。
『落ちて来た時は、どうしようかと思いましたよ。
直ってよかったですね。』
遠目にも、少女がにっこりと微笑むのが見える。
(アメリアさん…らしいですね。)
彼は少し苦笑した。
もしアメリアが彼が小鳥を落としたことをし知ったら、『正義』という言葉を連発しながら彼に罰を与えようとするだろう。
ある意味、かなりうっとおしい人物である。
『アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン…。』
アメリアの名前を彼は小声でつぶやいた。
セイルーン第一王位継承者の第二王女…。
現在も父を助けて、政務についている。
姉の第一王女が失踪中により、現在もっとも王位を継ぐ可能性が高い…。
(ふぅむ…お姉さんが帰ってこなければ、いずれは女王さまですか…。)
聖王都の王位など今まで考えてみたこともなかった彼だが、あらためて確認してみると、大きな切り札となりえる可能性に気付く

(もし、聖王都の女王を、味方に引き入れることが出来たら…。)
珍しく真面目な顔をして、彼は考え込んだ。
考えれば考えるほど、利点がみえてくる。
(もし、これらの利点がすべて水の泡となったとしても…失われるのは僕の労力だけ、ということになりますね。)
しばらく考え込んだ末、彼はこう結論を出した。
彼は立ち上がると、軽く枝を蹴って飛び上がった。
そして、精神世界を通ってアメリアの目の前に移動する。
『こんにちは、アメリアさん。』
『ぜ…ぜ、ぜ、ぜ、ぜぜ…ゼロスさん?!』
文字どおり彼女は目を皿のようにして驚いた。
そして、体に巻いていたタオルをさらに引き上げて、水の中に肩まで沈む。
『の…のぞいていたんですか?!』
顔を真っ赤にしながらアメリアは彼に尋ねた。
彼は答えない。
『ゼロスさんっ?!』
アメリアは彼にに返事を求める。
彼は、わずかに目を細める。
『ええ…ずっと見てましたよ…。
貴方のことを…。』
答えながら、彼は小さな丸薬を指でつぶした。
辺りに形容しがたい香りがひろがる。
『ゼロス…さん?』
アメリアの瞳から、力強い光が消えてゆく。
(どうやら薬が効いてきたようですね…。)
彼はにっこりと微笑んだ。
『岸まで歩いていただけますね、アメリアさん。』
アメリアは小さく頷くと、岸に向かって歩きはじめる。
後ろから彼が宙を歩いてついてゆく。
岸にたどり着くと、アメリアは立ち止まった。
『上がってください。』
彼は次の命令を与える。
そして、アメリアはまた彼の言葉に従った。
岸に着くと、彼はアメリアに彼の座っていた木の根本に座るよう指示する。
(とりあえず、今回は『印』だけということにしておきましょう…。)
あまりにもあっさり人形と化してしまったアメリアを見て、彼はそう考えた。
チャンスはいくらでもあるということに気付いたのである。
続きは、彼の上司に伺いを立ててからでもいいと判断したのであろう。
彼はアメリアの前に膝をついた。
そして、品定めをするようにあちらこちらをながめていた。
どこが一番『印』をつけるのに都合がいいか、考えているのである。
悩んだ末、彼はアメリアの左肩にくちづけた。
衝撃で、アメリアの体がびくんと跳ね上がる。
(もし起きていたら、痛いでしょうね…。)
そう思いながら彼が顔を離すと、アメリアの左肩に魔族のみが見ることのできる『印』があるのが確認できた。


「はい、終わりましたよ。」
彼は、リナの上に布団を掛け終えると、リナに声をかけた。
「ありがと、ゼロス。」
「いえいえ…これぐらい…。」
彼はリナの言葉に、少し照れたふりをした。
「さぁ…眠って下さい。
寝付くまで側にいますから…。」
彼はベッドの縁に腰掛けた。

トップに戻る
83〜酒>sake.utage<宴〜<PART9(昔話編)>鷹見 葉月 E-mail 11/19-20:19
記事番号82へのコメント

しばらく沈黙が続く。
「子守り歌でも歌いましょうか?」
まだ寝付けないリナを見て、彼はこう切り出した。
「それとも、おとぎばなしでもしましょうか?」
リナは、そのどちらにも首を振って拒否をした。
また沈黙が続く。
「ねぇ、ゼロス…。」
今度はリナが切り出した。
「何ですか、リナさん?」
「やっぱり、何か話して…。」
リナの言葉に、彼は少し戸惑いを覚えた。
(リナさんがこんなに素直でいいのでしょうか…?)
しかし、彼はリナの願いを断るなどということはしなかった。
「そうですね…昔話でもしましょうか…。」
「昔…話…?」
リナの問いに、彼はにっこりと微笑んで答えた。
「そう、昔話です。」

『命令がくだりました。』

「そう…僕は人間と旅をするのはこれがはじめてではないんですよ。」

『「魔器を回収せよ」とのことです。』

「そうなの?」
「そうですよ。」
彼はベッドに座り直した。
「そうですね…たしかあれは400年ほど前のお話です…。」

『私を殺すの?』

「僕は、とある人間の女性と旅をしていました。
出会ったときはたしかリナさんより2つ歳下で…美しい人でした。」

『必要であれば、殺します。』

語りながら、彼はその人を殺したときのことを思い出す。
「その人も、重破斬を使えたの?」
リナの問いに、彼は小さく首を振って答えた。
「彼女は…『魔器』を持っていたのです。」

『これがそんなに大切なの?』

「『魔器』?」
はじめて聞いた言葉を、リナは聞き返す。
「そうです、『魔器』です。
一言で言ってしまえば、古代の遺産ですね。
現在では考えられないぐらいの技術で作られた道具…それを彼女は持っていました。」

『ええ、大切ですよ。
使い方次第では、大きな脅威となりますからね。』

「僕は、リナさんのときと同じように『謎の神官』として彼女に近づきました。」
彼はどこか遠くを見つめるような瞳をした。
そんな彼を、リナは静かに見守っていた。
彼はリナの方を見てにっこりと微笑むと、話を続けた。
「2年ほど、二人で旅をしました。
彼女は僕が魔族だということを知ってからも、一緒に旅を続けようと言いました。
それから、さらに8年ほど旅をしました。」

『これは渡せない。』

「二人で色々な所へ行きました。
今は崩れゆく城が建てられる所をみたり、歴史上の人物に会ったり…。
少しの間他の人と旅をすることもありましたが…ずっと二人だけでした。」

『死にたいのですか?』

「そして、ちょうど出会って10年が経った日…僕はある命令を受けました。」
そこで、彼は言葉を止めた。
辺りに沈黙が流れる。
「『彼女の魔器を回収せよ』…ただそれだけの命でした。」

『私はまだ死ねない。』

「そして、僕は知っていました。
その命が意味していることは…。」

『もう一度言います。
渡さないのならば…殺します。』

「彼女を殺せ、ということであったのを。」
リナが小さく息を飲む音が聞こえる。

『でも…あなたに殺されるのならば、それもまた一興ね。』

彼は立ち上がると、窓のカーテンを開けた。
月明かりが、部屋の中に降り注ぐ。

『それに…あなたに会ったときから、わかっていたわ。』

窓の外を眺めながら、彼は話を続けた。
「彼女は、僕に殺されることは前からわかっていたと言いました。」

『では、何故僕と旅をしたのですか?』

「僕は彼女に何故僕と旅をしたのかと尋ねました。
そうしたら、彼女はこう答えました。」

『遅かれ早かれ、私はいつか死ぬ…。
だったら、好きな人に殺されたいと思ったの。』

「『遅かれ早かれ、私はいつか死ぬ…。だったら、好きな人に殺されたいと思ったの。』と。」
彼は振り向いた。
逆光でリナからは彼の表情は読み取れない。
「それが彼女の残した最後の言葉でした。」
彼の口調は淡々としていた。
「わたしも、いつか殺すの?」
押しつぶされるような沈黙を破ってリナは聞いた。
「今はまだ…。
でも、命令がくだれば殺します。」
ためらいもなく彼は言い切った。
「…僕を追い出しますか?」
彼はリナに尋ねた。
「そんなことをしても無駄よ。
殺される時は殺されるし…あなたを追い出したところで何も変わらないわ。」

『好きな人に殺されたいと思ったの。』

彼女の言葉が彼の頭の中で響いた。
「それに…わたしは無抵抗で殺されたりはしない。」
月が雲に隠れたのか、部屋の中が薄暗くなる。
リナの瞳に、珍しく微笑んでない彼の顔が映った。
「わたしは精いっぱい抗ってみせる。
たしかに、彼女のような生き方もある…。
でも、私の人生は自分で決めるわ。
たとえ好きな人にだって、殺されるのはまっぴらよ。」
「死して幸せを得ても?」
リナはぎこちないけれども、微笑んだ。
「わたしはまだ人生そんなに生きていないから、『死して得る幸せ』がどんなものかなんて知らない。
知っているのは、『生きて得る幸せ』だけ。
今のわたしには、『死して得る幸せ』よりも『生きて得る幸せ』の方が重要だわ。」
彼は満足げに頷いた。
「貴方は彼女とは違う『強さ』を持っていますね。
そして、彼女は貴方とは違う『強さ』を持っていました。
しかし、双方とも僕には理解できない『強さ』ですね。
きっとそれが人間の『強さ』なのでしょうね。」
そこまで言うと、彼はリナに駆け寄った。
「おや、駄目じゃないですか、起き上がったら。
ほら、またこんなに冷や汗をかいて…具合が悪くなったらどうするのですか?」
リナの肩を抱えるようにして、また寝かせようとする。
しかし、リナは再び寝る気はないようだった。
「リナさん、ほら。」
一回手を離して、説得しようとする。
「リナさん、さらにひどくなったらどうするのですか?」
リナの顔を覗き込む。
「ちゃんとおとなしくしていてください。
ね、リナさん。」
リナからはまったく反応がない。
「じゃあ、せめて薬を飲んで下さい。
いいですね、リナさん?」
リナの返事を待たずに、彼はドアへと歩き出す。
そして、ドアを開けるとリナの方を振り向いた。
窓からさぁっと月明かりが入ってきて、リナを照らした。


トップに戻る
84〜酒>sake.utage<宴〜<PART10(リナ編)>鷹見 葉月 E-mail 11/19-20:21
記事番号83へのコメント


ピィ----------。
草笛の音が月の光に溶け込んだ。
(満月…滅びの予感がしますね。)
彼は再び草を唇に当てた。
すると、前触れもなく月光が遮られる。
『近所迷惑よ、ゼロス。』
ふと見上げると、小さな荷物を抱えたリナが立っていた。
『あなたが木の根本に座り込んで草笛を吹いているなんて…なにかあったの、一体?』
『強いて言えば、リナさんが相手をしてくれないので寂しいです。』
彼は微笑んだ。
『わたしに何の相手をしてほしいの?』
リナは肩の荷物を背負い直した。
『それは…。』
『「秘密です」。』
彼の言葉をリナは続けた。
しかし、彼はさらに言葉を続ける。
『と言いたいところですが、今夜は特別に教えてあげましょう。』
彼は意地が悪いともとれる笑みを口元に浮かべた。
そして、リナに自分の隣を指差してそこに座るよう示す。
『なによ…一体?』
彼の隣に腰掛けると、リナは尋ねた。
『何でしょうね、一体?』
彼はリナの髪に自分の指を絡めた。
月明かりに照らされたリナの髪は美しい。
少なくとも、彼にはそう思えた。
『だから…何の相手なの?』
再度リナは尋ねた。
彼は微笑むと、指に絡めたリナの髪を口元まで持ってゆく。
『奇麗ですね…リナさんの髪。』
自らがくちづけた髪を見つめながら、彼は独り言の様に囁いた。
ばさっ。
軽く頭を振ってリナは彼の指から自分の髪を開放した。
『からかっていて、楽しいの?』
リナはじぃっと彼の瞳を見つめた。
リナのその瞳にも、月明かりがいつもにはない美しさを添えている。
『少しだけ…ですけど、楽しいですよ。』
彼は微笑んだ。
そして、また指に一房の髪をからませる。
『「また」盗賊いじめをしてきたのですか?』
彼は不意に話題を変えた。
半分は意図的に、そして半分はリナの髪が一房焦げていたのを見つけたからである。
『故郷のお姉さんに、乱暴なことは慎めと言われませんでしたか?』
『姉ちゃんはわたしよりずっと乱暴よ。』
リナは即答した。
『それに、自分を棚に上げて人に命令するようなことはしないわ。』
そして、再び頭を軽く振った。
『言いたいことがあるなら、さっさと言って。
言う気がないのなら、帰って寝るから。』
なお本題に入ろうとしない彼に向かって、リナは言い放った。
『リナさんは時間は循環しているものだと思いますか?
それとも、まっすぐ流れているものだとおもいますか?』
リナの言葉を無視して、彼は新たな質問を彼女にぶつけた。
『唯一神を「信じている」方々はだいたいまっすぐ流れている方を選ぶそうです。
リナさんはどちらが正しいと思いますか?』
彼はリナの瞳をじっと見つめた。
『わたしには、時間がどう流れているかなんて関係ない。
ただ『今』、『時間が流れている』ということだけがわたしにとって大切だわ。』
『リナさんらしいですね。』
彼は微笑んだ。
すっとリナが立ち上がった。
マントの埃をはらい、再び月を背に彼と向かい合った。
『おやおや、もう行ってしまうのですか?』
『あなたの相手をするのにも、もう疲れたわ。』
リナは少し肩をすくめた。
『それに、ここにいてもからかわれるだけだしね。』
そしてリナはきびすを返すと、歩きはじめた。
『リナさん。』
少しリナが歩いたところで、彼が呼び止める。
『「運命」ってあると思いますか?』
彼はいつものように微笑んではいなかった。
『定められた「運命」…。
リナさんはそれを信じますか?』
その言葉に、リナは肩越しに振り向いた。
『別に…。
わたしはわたしの生きたい道を行くだけ…。
たとえそれが「運命」とやらに、沿うものであろうとなかろうと…わたしには自分の道を変える気はないわ。』
それだけ言うと、リナはまた歩きはじめた。
彼からは、まるでリナが月に向かって歩いてるように見えた…。


「いいですか、リナさん。
おとなしくしていてくださいよ。
いいですね。」
一方的にそれだけ言うと、彼はドアを閉めた。
(薬湯より香茶を貰ってきて、薬を溶かした方がいいですね…。)
階段を降りながら、彼はそんなことを考えていた。
下の酒場に着くと、さっきより人が減っているのに気付く。
(そういえば、もう夜中でしたね…。)
あらためてそんな事を確認しながらも、彼は店員を呼びとめ、香茶を部屋に運んでくれるよう頼む。
再び階段を上がり、リナの部屋まで戻る。
そして、そっと扉を開けると、出てきたときと同じ体勢でリナがベッドの上に座っていた。
部屋の中にすべりこむと、彼は後手でドアを閉めた。
「寒くないですか、リナさん。」
すぐそばまで近づくと、彼はリナに声をかけた。
彼は再び自分のマントをとると、リナの肩にかけた。
「温かい香茶を頼んでおきましたから…。
聞いていますか?」
あまりにも反応がないので、彼はおもわずリナに聞いているかどうか確認をする。
リナはしっかり見ていないとわからないぐらい小さく頷いた。
(これだったら、痛いと泣きすがってくるほうがまだいいですね。)
彼はリナの隣に腰掛けると、リナの肩を抱いた。
少しでも安心させてあげようという配慮のようである。
(何を…しているのでしょうね、一体…。)
彼は苦笑した。
あまりにも人間らしい行動をとっていることに気付いたのである。
(この四人組と旅をするようになってから…でしょうかね?
こんなに人間らしくなってしまったのは…。)


トップに戻る
85〜酒>sake.utage<宴〜<PART11(エミリアル編)>鷹見 葉月 E-mail 11/19-20:23
記事番号84へのコメント

にぎやかな店内。
そこに入ってくる四人組と彼。
席に着いて注文をすませた時、一人の少女が彼のすぐ後ろで足を滑らして転んだ。
『大丈夫ですか?』
『あ…いえ、大丈夫です。』
『立てますか?』
『手を貸して上げたらどうですか、ゼロスさん。』
『あぁ、そうですね、アメリアさん。』
『すみません。』
『大丈夫そうですね。』
『…貴方…。』
『僕がどうかしましたか?』
『……あの…お名前を伺えますか?』
『ゼロスです。
貴方は?』
『…エミィです。
同席させていただいてもよろしいでしょうか?』
『僕は別に構いませんけど…いいですか、リナさん?』
『いいわよ。』
『失礼します。』
『何か僕に御用ですか、エミィさん。』
『あの…初対面でこんなことお願いするのは本当に失礼だと思うんですけど…。』
『どうぞ…遠慮なく言ってください。』
『あの…えっと…。』
『どうでもいいけど…そのイヤリング、はずしたほうがいいんじゃない?
さっきから、目つきの悪い連中が狙ってるわよ。』
『あ、はい…。
えっと…リナさん…ですか?』
『そう、リナ・インバース。
こっちがガウリイ、アメリア、でゼル。』
『では…貴方が、『あの』リナ・インバースさんですか?』
『たぶん、『その』リナ・インバースよ、、エミィ。』
『ドラゴンもまたいで通る、地獄からの使者。
盗賊殺しの『あの』リナ・インバースさんですか?』
『『その』リナ・インバースよ。』
『で…エミィさん、御用件は?』
『あ、はい。
あの…ゼロスさん。』
『なんでしょう?』
『私と結婚していただけませんか?』
『…エミィさん…。』
『人生捨てるにはまだ早いんじゃない、エミィ。』
『そうだぞ。
実はこいつ…。』
『いいですよ。』
『あ…いいんですか?!』
『構いませんよ、エミリアル姫。』
『ぜ…ぜろすさん?!』
『エミリアルって…?』
『婚約を解消したいのでしょう、エミィさん?』
『そ…そんなことまで知っているんですか?』
『ええ。
そのイヤリングがラクティス王国の秘宝だということも知っていますよ。』
『ラクティス…エミリアル・ラクティス…。
もしかして、『あの』エミリアル・ラクティス?』
『ええ…。
たぶん『その』エミリアル・ラクティスです、リナさん。』
『ふぅ〜ん…。
『あの』エミリアル・ラクティスねぇ…。』
『事情は多分御存知だと思います。
ゼロスさんに…しばしの間我がラクティス王国の国王候補となっていただきたいのです。』
『急がないといけないのではないのですか、エミリアルさん。』
『はい…今日中に帰らないと…最高会議で結婚が決定してしまいます。』
『ということだそうです。
あとから追いかけますから、先に行っておいて下さい、リナさん。』
『はいはい。』
『では、行きましょうか、エミィさん。』
『え…いいんですか?
待ち合わせ場所とか連絡先とか決めなくても…。』
『いいんですよ。』
彼はにっこりと微笑むと、エミリアルの背中を押して店をでた。

『父上、只今戻りました。』
『おお…エミリアル…。
ついに諦らめて戻ってきたか。』
『いえ…父上…。
見つけてまいりました。
レスラ様より容量の大きい方を…・。』
『何…まだそんな者が?!』
『lこちらの…ゼロス様です。』
『お初にお目にかかります。』
『うむ…。
私がラクティス王だ、ゼロスとやら。』
『あの…お父様…。
『グリーン・ラクティ』をお返しします。』
『うむ…。』
『容量を見ることのできる、秘宝ですね。』
『…何故知っている?』
『それは秘密です。』
『蛇の道は蛇ということか?』
『そうともいいますね。』
『……何者だ?』
『ただの謎の神官です。
あ、イヤリングつけなくてもいいんですか?』
『うむ…。
……なっ?!』
『どうかなさいましたか、父上?』
『この者は…この者は…。』
『父上?』
『あ、ばれてしまいましたか?
娘さんよりは優秀だったようですねぇ…。』
『ゼロスさん?』
『エミリアル…この者は…。』
『魔族です。』
『ま…魔族?!
う…嘘…。』
『事実だ…。』
『ゼロスさんが…魔族…?!』
『しかも…かなり高位のだ…。』
『おやおや…。
そこまでばれてしまったからには、口封じをしないといけませんねぇ…。』
『ぜ…ゼロスさん…。』
『エミィさん。』

ごすっ。

『エミリアルッ!!!!』
『やはり、こういう行動のほうが、性に合っていますね。』
『…ぜ…すさ…。』
『あなたの『負』の感情はありがたくいただいておきましたよ。
…安らかに眠って下さいね、エミリアルさん。』
それだけ言うと、彼は彼女の胸から手をひきぬいた。
返り血が着いていないかすばやく確かめると、彼は姿を消した。
粉々に砕けた『グリーン・ラクティ』が床の上で鈍い光を放っていた。


(でも…この4人組と旅をしていても、やはり僕は魔族ですよね…。)
『コンコン。』
ノックの音が部屋の中に響く。
彼は立ち上がると、静かにドアを開けた。
「香茶です…。」
「ありがとうございます。」
彼はにっこり微笑むと、香茶を受け取った。
片手でドアを閉めると、彼はベッドに腰掛けた。
「睡眠効果のある薬草だけでいいですか、リナさん?」
小さな袋から薬草を取り出しながら、彼は聞いた。
「あと、痛み止めもちょっと入れておきましょうか…。
即効性のあるやつがいいですよね…。」
薬包紙に包んだ薬を、彼は少しづつ香茶に入れてゆく。
数種類の薬を混ぜると、彼はリナの方を向いた。
「リナさん、できましたよ。」
カップをリナの手に持たせる。
「飲めますか?」
リナは小さく頷いた。
そしてほんのわずかだが、香茶を口に含む。
しばらく間を置いてから、もう一口香茶を飲んだ。
「飲み終わったら寝て下さいね。」
「…ありがとう、ゼロス。」
リナは口元にほんの少しだけ笑みを浮かべた。
彼もにっこりと微笑み返す。
(珍しい構図ですね…。
リナさんと微笑みを交わす僕…。)
彼の心に、何かがひかかった。
(『リナさん』と微笑みを交わす『僕』…。)
彼は香茶を飲んでいるリナを見つめ直す。
『リナさん』 = 『リナ=インバース』 = 『重破斬を操れる人』…。
(では、『僕』は…?)
『ゼロス』 = 『獣神官』 = 『ゼラス=メタリオムの部下』…。



トップに戻る
131〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>鷹見葉月さん代理サハライワリ 11/23-02:37
記事番号85へのコメント
鷹見葉月さまの代理で、メールを受け取った私サハラが掲載たいします!
掲載しましたよ(笑)鷹見さま!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
彼の手からは血が滴っていた。
髪も、顔も、足も、服も血で汚れていないところはなかった。
『何が…望みだ…?』
『僕らの望みは、すべての滅びです。』
彼はそれに死を与えた。
その死体を踏みつけて、次の場所へ移動する。
その姿を皆に見せるために…より多くの恐怖を生み出すように…。
『何者だ…。』
『何が望みだ…。』
『何故我らを殺す…。』
『何をしたというのだ、我等が…。』
『何をしてもいいから、この子だけは…。』
『何の故あって我等を殺した…。』
『何故神の御心に逆らう…。』
『何をしたいのですか…。』
『何故ここにいる…。』
『何者だ…。』
『何が望みだ…。』
『何故我等を殺す…。』
『何をしたというのだ、我等が…。』
『何をしてもいいかた、この子だけは…。』
『何の故あって我等を殺した…。』
『何故神の御心に逆らう…。』
『何をしたいのですか…。』
『何故ここにいる…。』
『何者だ…。』
『何が望みだ…。』
『何故我等を殺す…。』

『お前の名前は…?』

『…何故そのようなことを聞くのですか?』
今までなかった問いに、彼は振り上げた手を宙で止めた。
『自分を殺す奴の名前ぐらいは知っておきたくてな。』
わずかに風が吹き、彼の髪から紅い滴が滴った。
『ゼロス…と呼ばれています。』
彼は少し間を空けて、名乗った。
すると、『それ』は自称気味に笑った。
『誰につけられた?』
『僕を作り出してくれた方がつけてくださいました。』
彼は手を静かに下ろした。
不思議な質問をぶつけてきた『それ』に興味をもったらしい。
『なぁ…お前は自分が本当に『ゼロス』だと思うか?』
蒼い瞳が彼のことを見つめていた。
『他の者が…そして僕の上司様が僕を『ゼロス』と呼ぶ限り、僕は『ゼロス』です。』
彼は迷うことなく答えた。
『それに、僕はゼロスでなくともいいのです。
どう呼ばれ、どういう立場にあろうとも…今僕が存在しているという事実さえあれば…。』
ぐっと彼の胸に鈍い痛みが走る。
『いいのか…自分の存在を否定するようなことを言って…?』
『いけませんね…本当に…。』
彼は錫杖を振り下ろした。
わずかな返り血と、その数倍の「負」の感情を彼は受け取った。
『僕は一体…何なのでしょうね?』
彼は自分の手のひらを見つめながらつぶやいた。
もし、彼の上司の気持ちが少し違っていたら、彼は『ゼロス』と呼ばれていなかったかもしれない
…。
もしそうであったら、『今』、『ここ』にいることはなかったかもしれない…。
(『僕』の中の要素が一つでも欠けたら、『僕』は今の『僕』ではなかったかもしれませんね…。

彼は錫杖を地面についた。
辺りにはもう動くものはなかった。
彼は足元の球体を爪先で軽く触れて転がした。
『僕は一体誰なのでしょうね…?』
自らにもう一度問いかけてみる。
ゼロス…?
獣王の神官…?
それとも…殺戮者…?
蒼い瞳は、まだ彼のことを見つめていた…。


「……一体『何』なのでしょうね、僕は…?」
彼は窓越しに月を見つめた。
「……僕は、一体…?」
「ゼロス…?」
彼の不可解な言葉に、リナは彼の名前を呼んだ。
そして、彼はその呼びかけに応えるように、視線をリナの元へと移した。
二人の視線が絡み合う。
(紅い…瞳…。)
彼の中で、何かがはじけた。
(紅い…紅い……血の色…?)
無意識のうちに、彼はリナに向かって手を伸ばしていた。
(………滅ぼしたい…この人を…。)
何かを壊したくなったのかもしれない…。
それとも、彼女を…。
「…ゼロス?」
だいぶ薬が効いてきたのか、リナの声にいつもの「はり」がでてきた。
そして、その声は彼の不可解な言葉のあとの行動に向かっての微量の疑問が込められていた。
しかし、彼はそのままリナの手首を掴む。
中身のほとんどなくなったカップが床に転がって、硬い音をたてた。
「カップ…落ちたわよ。」
言外に、手を離せとリナは言った。
それに応えるように、彼は手首を掴んでいる手に少し力を込める。
それ以上力を込めなかったのは、リナの手首が予想以上に細かったからかもしれない。
「…痛い。」
「すぐ楽にしてあげますよ。」
まるで、恋人に愛を囁くような口調でゼロスはそう告げると、リナの首に手をかけた。

トップに戻る
135Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>松原ぼたん E-mail 11/23-03:42
記事番号131へのコメント
 面白かったです(こんなところにレスつけていいんだろーか)。
 ところでなぜ代理? いや、いいんだけど。

 ゼロスの話も良いんですけど、リナがどうなるかもすっこい気になれます。ゼロスが首を絞めるなんて・・・・。純粋にリナを滅ぼしたいって訳でもないみたいだし。

 続きを楽しみにしてます。代理でも何でも是非アップしてください。
 それでは、ご縁がありましたなら。

トップに戻る
138Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>鷹見 葉月 E-mail 11/23-12:08
記事番号135へのコメント

> 面白かったです(こんなところにレスつけていいんだろーか)。
> ところでなぜ代理? いや、いいんだけど。
>
> ゼロスの話も良いんですけど、リナがどうなるかもすっこい気になれます。ゼロスが首を絞めるなんて・・・・。純粋にリナを滅ぼしたいって訳でもないみたいだし。
>
> 続きを楽しみにしてます。代理でも何でも是非アップしてください。
> それでは、ご縁がありましたなら。

何故代理かは、掲示板参照です。
リナさんは死にませんよぉ。
殺したら、もはやスレイヤーズではないので・・・。(当たり前)
どんどん私の手から離れていってしまうこの話。
最後まで御しきれるか心配ですが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。
感想、ありがとうございました。
ではでは。

トップに戻る
153Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>りう E-mail 11/25-12:04
記事番号131へのコメント
 鷹見様〜!!読ませていただきましたぁ!!

 (今は、周りに人が多すぎるので、かろうじて暴走はしてません・・・)
しかしあれで切られると・・・先日のチャット再び・・・てな感じにやっぱり
なっちゃいそうです・・・
 『愛をささやくように・・・』なんて・・・ほぅ・・・ドキドキしますね・・・

 はっ!みなさんきっとまじめな感想を書かれるだろう中で、一人で変なことを
書いてる・・・ご、ごめんなさい・・・

 今回も楽しませてくださってありがとうございます!
 次回も期待してますね☆

トップに戻る
169Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>鷹見 葉月 E-mail 11/25-23:25
記事番号153へのコメント

> 鷹見様〜!!読ませていただきましたぁ!!
>
> (今は、周りに人が多すぎるので、かろうじて暴走はしてません・・・)
>しかしあれで切られると・・・先日のチャット再び・・・てな感じにやっぱり
>なっちゃいそうです・・・
> 『愛をささやくように・・・』なんて・・・ほぅ・・・ドキドキしますね・・・
>
> はっ!みなさんきっとまじめな感想を書かれるだろう中で、一人で変なことを
>書いてる・・・ご、ごめんなさい・・・
>
> 今回も楽しませてくださってありがとうございます!
> 次回も期待してますね☆


みゅ、チャットで一部出してしまいましたが、どうでしたか?
ちなみに、チャットでだしたものの二つ目は混沌に沈められました。
今ごろL様のお膝元で、靴でも磨いているはずです。

真面目な感想でなくともいいですよ。
私にとって大きな励みである事にかわりはないのですから・・・。
次回も楽しみにしていてくださいね。
感想、ありがとうございました。
変な文章でごめんなさい。
寝起きなんです。(^^;
ではでは。

トップに戻る
168Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>ももじ 11/25-22:54
記事番号131へのコメント
鷹見葉月さん代理サハライワリさんは No.131「〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>」で書きました。
>鷹見葉月さまの代理で、メールを受け取った私サハラが掲載たいします!
>掲載しましたよ(笑)鷹見さま!

ああ、このハンドル名はそういうことだったのか〜(^^;)

>無意識のうちに、彼はリナに向かって手を伸ばしていた。
>(………滅ぼしたい…この人を…。)
>何かを壊したくなったのかもしれない…。
>それとも、彼女を…。
>「…痛い。」
>「すぐ楽にしてあげますよ。」
>まるで、恋人に愛を囁くような口調でゼロスはそう告げると、リナの首に手をかけた。

わあお!!!おおう、リナ殺さないでええゼロスッッッ!!!
一応主人公(ゼロスに喰われてるような気もするけど)が死んだら、終わりだあ!!
さよならスレイヤ−ズ!!!………いやあの………
リナ………殺さないでね鷹見様………(;;)私のビタミン剤なんで………彼女………
最後まで、続き、見てます、がんばってくださいね(^^)

トップに戻る
170Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>鷹見 葉月 E-mail 11/25-23:37
記事番号168へのコメント

>鷹見葉月さん代理サハライワリさんは No.131「〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>」で書きました。
>>鷹見葉月さまの代理で、メールを受け取った私サハラが掲載たいします!
>>掲載しましたよ(笑)鷹見さま!
>
>ああ、このハンドル名はそういうことだったのか〜(^^;)
>
>>無意識のうちに、彼はリナに向かって手を伸ばしていた。
>>(………滅ぼしたい…この人を…。)
>>何かを壊したくなったのかもしれない…。
>>それとも、彼女を…。
>>「…痛い。」
>>「すぐ楽にしてあげますよ。」
>>まるで、恋人に愛を囁くような口調でゼロスはそう告げると、リナの首に手をかけた。
>
>わあお!!!おおう、リナ殺さないでええゼロスッッッ!!!
>一応主人公(ゼロスに喰われてるような気もするけど)が死んだら、終わりだあ!!
>さよならスレイヤ−ズ!!!………いやあの………
>リナ………殺さないでね鷹見様………(;;)私のビタミン剤なんで………彼女………
>最後まで、続き、見てます、がんばってくださいね(^^)

みゅ・・・みゅう、みゅ??
(寝起きで訳もなくあせっている)
・・・・・・・。
・・・・・・書いていて一瞬リナ殺そうと思った事もあります。
たぶん、オリジナルだったら即あの世行きです。
でも、オリジナルに限りなく近いですけど、一応は「スレイヤーズ」のはずですし・・・ね。
だからリナは死なない・・・はずです。
蘇生はないとは言い切れませんけど・・・。
最後には生きている「予定」です!!(この小説では、予定は狂うためにあるような・・・。)
うん、生きてます。
「きっと」・・・・。
・・・・・・本人も心配になってきました。

寝起きの変な文章でごめんなさいです。
眠いんです、とにかく。
昨日2時間ぐらいしか寝てないので・・・。
感想、ありがとうです。
次回はかなり重い話になる予定です。
なので、テスト終わるまではたぶんupできないと思います。
みゅう・・・。
ではではぁ。

トップに戻る
191Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>りーにょー E-mail 11/26-23:54
記事番号131へのコメント
ほえほえほえ〜どうもです〜〜〜。

>「カップ…落ちたわよ。」
>言外に、手を離せとリナは言った。
>それに応えるように、彼は手首を掴んでいる手に少し力を込める。
>それ以上力を込めなかったのは、リナの手首が予想以上に細かったからかもしれない。
>「…痛い。」
>「すぐ楽にしてあげますよ。」
>まるで、恋人に愛を囁くような口調でゼロスはそう告げると、リナの首に手をかけた。

きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
うにょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!?!!
こわれる〜!!!私がこわれる〜!!!!
「ぼべぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!ぎ〜ぎ〜・・・・・」
いやん・・・・(なんだよ)
も〜〜〜すごすぎ!!!
おもわず、ゼロリナ派のほうに心が行ってしまうところでしたよ〜〜〜〜!!!!
あっ、私からもおねがいします(笑)
「どうかリナちゃんは殺さないでやってくださいまし〜〜(笑)
かわりに私の命を〜〜〜〜〜って、いりませんよね〜(笑)」
(ぼそっ)でも、もし死んじゃったらどうなるんだろ・・・・・・???(悪)
はっ、今のは聞かなかったことにしておいてください(汗)
も〜!!!とにかく!!!!(私の話が長すぎ!)
おもしろすぎなんです!!!!
「は〜〜〜土星までとんでく〜〜〜(笑)」
ってかんじです!!!!
続き、たのしみにしてます!!!がんばってください!!!
ごめんなさいでしたぁ(ぺこり)

トップに戻る
196Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>鷹見 葉月 E-mail 11/27-17:16
記事番号191へのコメント
りーにょーさんは No.191「Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>」で書きました。
>ほえほえほえ〜どうもです〜〜〜。
>
>>「カップ…落ちたわよ。」
>>言外に、手を離せとリナは言った。
>>それに応えるように、彼は手首を掴んでいる手に少し力を込める。
>>それ以上力を込めなかったのは、リナの手首が予想以上に細かったからかもしれない。
>>「…痛い。」
>>「すぐ楽にしてあげますよ。」
>>まるで、恋人に愛を囁くような口調でゼロスはそう告げると、リナの首に手をかけた。
>
>きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
>うにょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!?!!
>こわれる〜!!!私がこわれる〜!!!!
>「ぼべぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!ぎ〜ぎ〜・・・・・」
>いやん・・・・(なんだよ)
>も〜〜〜すごすぎ!!!
>おもわず、ゼロリナ派のほうに心が行ってしまうところでしたよ〜〜〜〜!!!!
>あっ、私からもおねがいします(笑)
>「どうかリナちゃんは殺さないでやってくださいまし〜〜(笑)
>かわりに私の命を〜〜〜〜〜って、いりませんよね〜(笑)」
>(ぼそっ)でも、もし死んじゃったらどうなるんだろ・・・・・・???(悪)
>はっ、今のは聞かなかったことにしておいてください(汗)
>も〜!!!とにかく!!!!(私の話が長すぎ!)
>おもしろすぎなんです!!!!
>「は〜〜〜土星までとんでく〜〜〜(笑)」
>ってかんじです!!!!
>続き、たのしみにしてます!!!がんばってください!!!
>ごめんなさいでしたぁ(ぺこり)

ど・・・土星?
私は天王星が好きです。(謎)
ゼロリナ・・・他の人にも言っていますが、私はゼロリナ書いているつもりは全くないんですよね。
そりゃあ、二人いちゃついていますけど・・・相手がアメリアさんでもあれぐらいはすると思います。
・・・白状してしまえば、私の書く男の人は意味なく相手にからむという・・・それだけのことなん
ですけどね。
リナが死んじゃったら・・・ゼロス君が穴掘って死体を埋めます。
あなたの命でもいいですよ。
「負」の感情がいただければ・・・。(魔族じゃないですけど・・・)
珍しく今日学校でここを見ていたら、レスがついていたのでビックリしました。
さすがにレスは我が手先のパソコンでつけたいと思ったので、保留にしておいたんですよ。
それで、どうやって返事を返そうか考えていたら、こんなものになりました。

もうすぐテストなので、次のupはテスト後になりますが、楽しみにしていてくださいね。
感想、ありがとうございました。
ではでは。

トップに戻る
358Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>月影るい E-mail 12/14-11:31
記事番号131へのコメント
はじめまして、今日和月影です。
とても気になります、続きが・・・。

>まるで、恋人に愛を囁くような口調でゼロスはそう告げると、リナの首に手をかけた。

はふぅ〜。恋人のようにゼロス君が呟くんですか?
良すぎです。
しかし、やはりゼロス君がリナを殺す日が来るんでしょうかねぇ。
考えてしまいます。
では、このへんで・・・。

トップに戻る
365Re:〜酒>sake.utage<宴〜<PART12>鷹見 葉月 E-mail 12/15-15:46
記事番号358へのコメント

>はじめまして、今日和月影です。
>とても気になります、続きが・・・。

はじめましてこんにちは、鷹見です。
今日テストが終わったので今から続き書きます。

>>まるで、恋人に愛を囁くような口調でゼロスはそう告げると、リナの首に手をかけた。
>
>はふぅ〜。恋人のようにゼロス君が呟くんですか?
>良すぎです。
>しかし、やはりゼロス君がリナを殺す日が来るんでしょうかねぇ。
>考えてしまいます。
>では、このへんで・・・。

呟くではなくて囁くです。
ゼロスがリナを殺す日・・・ですか?
ゼラス様の気分次第ではないでしょうか。
私の中のゼロス君は『ゼラス様至上主義』(謎)なので。

感想、ありがとうございました。
ではでは。

トップに戻る
86〜酒>sake.utage<宴〜<作者のたわごと>鷹見 葉月 E-mail 11/19-20:31
記事番号71へのコメント
再掲示終了です。
30分もかかってしまいました。
どうやら、今月の請求書の額を見て親がひっくり返りそうです。
長距離電話もかけましたし・・・。
もしこれを読んでいたら、反省して下さいね、自分だけ彼氏作ったMさん(はぁと)
この続きはあるのですが・・・ねぇ。
友人に見せたら、
「まっとうな人間の書くものではない」
「最近読んでいるものが変なんだよ・・・頭冷やしてから書き直したら?」
「ゼロス君・・・壊れた・・・?」
などというコメントを頂いたので・・・。
私はそうは思わなかったんですけどね。
サービスで○○○様もだしていましたし。
では、このまま続きが世に出るにしろ、出ないにしろ、続きも読んでいただけたら光栄で
す。
ではでは。

トップに戻る
94再掲示お疲れさまでした。松原ぼたん E-mail 11/20-07:07
記事番号86へのコメント
 再掲示お疲れさまでした。

>もしこれを読んでいたら、反省して下さいね、自分だけ彼氏作ったMさん(はぁと)
 関係あるの?(笑)。
>では、このまま続きが世に出るにしろ、出ないにしろ、続きも読んでいただけたら光栄で
>す。
 出しなさい、意地でも出しなさい、死んでもだしなさいぃぃぃ(壊れ中)。
 ・・・・失礼いたしました。続き、出して下さるとうれしいです。

 では。

トップに戻る
108Re:再掲示お疲れさまでした。鷹見 葉月 E-mail 11/20-20:10
記事番号94へのコメント

> 再掲示お疲れさまでした。

いえいえ・・・読んで下さってありがとうです。

>>もしこれを読んでいたら、反省して下さいね、自分だけ彼氏作ったMさん(はぁと)
> 関係あるの?(笑)。

大有りです。
東京まで名古屋から1時間もそのことについて話してました。
電話代が恐ろしいです。
ついでに、私が生徒会入ったのも99.999999999999999999%この人の所為なので
・・・。

>>では、このまま続きが世に出るにしろ、出ないにしろ、続きも読んでいただけたら光栄で
>>す。
> 出しなさい、意地でも出しなさい、死んでもだしなさいぃぃぃ(壊れ中)。
> ・・・・失礼いたしました。続き、出して下さるとうれしいです。
>
> では。
>

とりあえず・・・死んでもだします。
今問題なのは、今までに書いたものを世に出すか出さないかなので・・・。
う〜ん・・・。
本当に先着10名様に送り付けましょうかね・・・?
感想、ありがとうございました。
ではでは。


トップに戻る
106鷹見 葉月さんへ送るメッセージ☆サハラ イワリ E-mail 11/20-17:58
記事番号86へのコメント

再掲示、おつかれさまです!!
順に見直させていただきました(^^)あ〜・・・幸せ(はぁと)

>この続きはあるのですが・・・ねぇ。
>友人に見せたら、
>「まっとうな人間の書くものではない」
>「最近読んでいるものが変なんだよ・・・頭冷やしてから書き直したら?」
>「ゼロス君・・・壊れた・・・?」
>などというコメントを頂いたので・・・。
>私はそうは思わなかったんですけどね。

う゛〜む・・・・友人さん・・・・シビアな・・・(汗)
お願いです!!載せて下さい!!!(切願!)
ただひたすら見たい・・・見たいぃ〜(涙)

>サービスで○○○様もだしていましたし。

?????・・・・・・楽しみ!!!(どきどき)

>では、このまま続きが世に出るにしろ、出ないにしろ、続きも読んでいただけたら光栄です。

是非だしましょう!!鷹見さん!!!
私はここで楽しみに待ちかまえておりますっ(^0^)

トップに戻る
109Re:鷹見 葉月さんへ送るメッセージ☆鷹見 葉月 E-mail 11/20-20:15
記事番号106へのコメント

>再掲示、おつかれさまです!!
>順に見直させていただきました(^^)あ〜・・・幸せ(はぁと)
>
>>この続きはあるのですが・・・ねぇ。
>>友人に見せたら、
>>「まっとうな人間の書くものではない」
>>「最近読んでいるものが変なんだよ・・・頭冷やしてから書き直したら?」
>>「ゼロス君・・・壊れた・・・?」
>>などというコメントを頂いたので・・・。
>>私はそうは思わなかったんですけどね。
>
>う゛〜む・・・・友人さん・・・・シビアな・・・(汗)
>お願いです!!載せて下さい!!!(切願!)
>ただひたすら見たい・・・見たいぃ〜(涙)

うちの友人はひたすらシビアです。
でも、そんな風にびしばし言ってくれる彼女らを、私はとても大事に思っています。
彼女らは私の小説の最初の読者です。

今問答無用でメールを送らせて頂きました。
続きが見れます。
「かなり」健全になったはずです。
ばらしてしまうと、最初はかなりやばかったんです。
や○い小説にちょっとだけ近いかな・・・というとんでもない代物で・・・。
でも、普段はそういうもの書きません。
信じて下さいね。


>>サービスで○○○様もだしていましたし。
>
>?????・・・・・・楽しみ!!!(どきどき)
>
>>では、このまま続きが世に出るにしろ、出ないにしろ、続きも読んでいただけたら光栄です。
>
>是非だしましょう!!鷹見さん!!!
>私はここで楽しみに待ちかまえておりますっ(^0^)

そこで待ち構えていても無駄でしたねぇ・・・。
感想、ありがとうございました。
ではでは。

トップに戻る
129ゼロリナはいいねえ(笑)オクレ兄 11/22-22:43
記事番号86へのコメント
読んでいたら顔がこっちまで赤くなってしまいました。もうこういうのは書かれないのですか?
もっと読みたいです。ゼロリナどんどんやっちゃってください(笑)

トップに戻る
137Re:ゼロリナはいいねえ(笑)鷹見 葉月 E-mail 11/23-12:03
記事番号129へのコメント

>読んでいたら顔がこっちまで赤くなってしまいました。もうこういうのは書かれないのですか?
>もっと読みたいです。ゼロリナどんどんやっちゃってください(笑)

ゼロリナ・・・世間から見れば、私はこういうものを書いている訳ですね・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(本人全く意識していない)
ゼロリナですか・・・今度意識して書いてみましょうかね。
でも、私の場合は『幸せの10倍ぐらい不幸を与えよ』というモットーで恋愛物を書くので、リナがズタボ
ロになるかも・・・。
・・・・・・実際オリジナルでキャラクターぼろぼろにしましたし・・・。
まぁ、次回にご期待下さい。
感想、ありがとうございました。
ではでは。

トップに戻る
261Re:〜酒>sake.utage<宴〜<作者のたわごと>ちょいこ 12/1-22:26
記事番号86へのコメント
いつもごくろうさまです☆

>30分もかかってしまいました。
>どうやら、今月の請求書の額を見て親がひっくり返りそうです。
>長距離電話もかけましたし・・・。
>
たいへんですね、電話代。私もてれほーだいにでも入らないといけない状態ですわ。

>では、このまま続きが世に出るにしろ、出ないにしろ、続きも読んでいただけたら光栄で
>す。

続き楽しみです。

私信です。葉月さんへ。
 卒論も終了し、ハッピーと思いきや、メールが送信できない!!受信はできるんですが。
 うぅー!!

トップに戻る
97本当にごくろうさま!!!まっぴー E-mail 11/20-13:32
記事番号71へのコメント

すごひ・・・本当にご苦労さまです(尊敬のまなざし)

トップに戻る
110Re:本当にごくろうさま!!!鷹見 葉月 E-mail 11/20-20:16
記事番号97へのコメント

>すごひ・・・本当にご苦労さまです(尊敬のまなざし)


そ・・・尊敬のまなざしですか?
もったいないことです。
ありがたくいただいておきます。
感想、ありがとうございました。
ではでは。