◆−DayDream 葡萄畑のこどもたち−穂波(5/23-23:24)No.10162
 ┣DayDream 世界でいちばんながい手紙−穂波(5/23-23:27)No.10163
 ┣DayDream えいえんのみどりの丘で−穂波(5/23-23:34)No.10164
 ┃┣Re:DayDream えいえんのみどりの丘で−千恵風味(5/24-23:40)No.10169
 ┃┃┗Re:DayDream えいえんのみどりの丘で−穂波(5/25-00:12)No.10171
 ┃┣Re:DayDream えいえんのみどりの丘で−駒谷まや(5/25-21:42)No.10178
 ┃┃┗Re:DayDream えいえんのみどりの丘で−穂波(5/25-23:26)No.10179
 ┃┗えいえん・・・−ムフウエセ(5/29-03:43)No.10236
 ┗Re:三連作−ももへい(5/24-00:06)No.10167
  ┗Re:三連作−穂波(5/25-00:21)No.10172


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10162DayDream 葡萄畑のこどもたち穂波 E-mail 5/23-23:24


スレその後の妄想・・・というわけで、投稿させていただきます。
激しく短いです(笑)
15巻まで読んでいない方は、読まれないほうがいいかもしれません。
(・・・いや、ネタばれってほどのネタばれはありませんが・汗)
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 こんな夢を見た。


 まぁるい小さな宝石が、幾つもイクツモ、見渡す限り生っています。
 太陽の光をいっぱいに浴びて、ゆっくり育った果実です。
 そのひとふさを、白い指が摘み取りました。
 太陽のような明るい髪の女が、せっせと葡萄を摘んではエプロンに入れています。
 いえ、女だけではありません。
 青空のような瞳を持つ、女の伴侶も、そして彼らのこどもたちもいます。
 けれど男とこどもは葡萄を摘むことより、味見をすることに執心のようで、口のまわりをむらさきいろの汁でべとべとにしています。
 女はそれに気付き、メッと叱ってみせました。
 男はほほをぽりぽりと掻き、こどもたちはむらさきいろの可愛らしい口をあけてごめんなさいを言ったり、べたべたのちいさな手で女のエプロンをつかんだりします。
 女はその様子にこらえきれなくなって、思わず笑みをこぼします。
 男があまい一粒を、女の口に入れてやると、その笑顔は決定的なものになりました。
 女はとうとう自分も葡萄を食べ始めました。
 あまい幸せな果実が、むらさきいろの汁をたっぷりこぼして、みんなの口に運ばれます。
 女も、男も、こどもたちも、同じように指と口のまわりをむらさきいろに染めました。
 その顔を見て、お互いに笑いあいます。
 むらさきいろの宝石の下で、たくさんの笑顔がはじけます。
 金色の太陽がやさしく世界を照らし、空はどこまでも高く青い。
 笑い声は小さくなり、大きくなり、そして葡萄はやっぱり幸せにあまいのです。
 それは、遠い誰かの日常のひとコマだったのかも知れません。
 そして、近い誰かの未来なのかも知れません。

 そんな、夢を見た。

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10163DayDream 世界でいちばんながい手紙穂波 E-mail 5/23-23:27
記事番号10162へのコメント

妄想その二です。
よろしければ、読んでください。
--------------------------------------------------------------------- こんな夢を見た。

 目の前に、真っ白な便箋があります。
 ひとりの男が、腕を組み眉間にしわを寄せて、その便箋を睨んでいます。
 男は、旅人です。
 ながいながい時間を独りきり、旅を続けているものです。
 旅をしている間、色々な景色を見ました。
 それは黄金に燃える谷や、道端でひっそりと咲く名も無き花や、まっすぐに厳格な荒野だったりします。
 旅をしている間、さまざまな人に会いました。
 結局わかりあえなかった男によく似た他人、どこまでも平行線をたどることしかできない相手、少しだけ心を通わせられた誰か。
 伝えることは、たくさんあるはずでした。
 ほんのわずかな情報でも、手紙を読んだ娘が喜んでくれることは、男にもわかっていました。
 けれど、その後同じくらい娘が寂しくなることも、男にはわかっていました。
 だから、男は世界でいちばんながい手紙を書こうと思いました。
 娘の喜びが、寂しさにつぶされないように。
 娘の笑顔が、少しでも長く続くように。
 けれど、いざ便箋に向かうと、伝えるべき言葉が、男にはどうしても浮かびませんでした。
 ながいながい時間を旅したはずなのに、浮かぶのは娘の顔ばかりです。
 男はじっと便箋を見つめました。
 真っ白い便箋。
 その向こうに見える娘に、伝えたい言葉。
 男は考えました。
 そして、なぜ娘に伝えるべき言葉が浮かばないのかわかりました。
 男は独りきりで旅を続けていたつもりでした。
 けれど、そうではありませんでした。
 いつもどんな時だって、男の心はひとりぽっちなどではなかったのです。
 そして、男はようやく手紙を書きはじめました。
 真っ白い便箋に書くべき言葉はもう決まっていました。


 そんな、夢を見た。



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10164DayDream えいえんのみどりの丘で穂波 E-mail 5/23-23:34
記事番号10162へのコメント

妄想、最終話です。
よろしければ、お付き合いください。
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 こんな夢を見た。

 肌に触れる、やわらかな風。
 少しずつ上昇する意識。
 眠りと覚醒の狭間、たゆたう心。
 穏やかな気持ちで目を開けた男は、緑の木々からこぼれる光の中、自分を見下ろす女に微笑みかけました。
 男は女のひざに頭を乗せて、こどものように丸くなっています。
 目が覚めたとわかった後も、女は男をそのままにしてくれたので、男はそれに甘えることにしたのです。
 女は静かに細い指で、男の髪をくしけずります。
 女の指が動くたび、緋色が消えてやさしい闇の色が現れます。
 男は女のひざのあたたかさを、一分のすきもなくで感じ取るようにほっぺたをぺったり押し付けます。
 さぁぁぁぁ。
 風が吹き、緑が揺れました。
 空はどこまでも高く、陽射しはどこまでも暖かい。
 涼やかな水のせせらぎが、遠くから聞こえてきます。
 女の銀色の髪が、木漏れ日にきらきらと輝きました。
 男は惚けたように女を見つめます。
 女は、指を動かしつづけます。
 それは潮の満ち引きのように、絶え間なく繰り返されるやさしい祈りです。
 男はわずかに口元に力をこめました。
 女はそれに気付いたのか、かすかに首をかしげます。
 拍子に肩からこぼれた髪が、銀の流れを作り出しやわらかくひろがりました。
 男はその髪に手を伸ばします。
 銀色の髪をなで、頬に触れ、そして、男はささやきました。
 女はやっぱり静かに男の髪を梳いていました。
 ただその唇は、三日月のように美しく微笑んでいます。
 そして、男は満足そうに目を細めました。

「ただいま」
「お帰りなさい」

 そんな夢を見た。
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ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
一応白状しておきますと、この形式は夏目漱石「夢十夜」のぱくりです(死)。
いや、なぜかどうしてもこの話はこーゆう形式で書きたかったのです・・・。
というか、最終話のこの話が一番に浮かんだので(笑)。  
では、これにて失礼いたします。

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10169Re:DayDream えいえんのみどりの丘で千恵風味 E-mail 5/24-23:40
記事番号10164へのコメント

こんにちわ。はじめまして、千恵風味ともうします・・・。


こんな、夢をみれたら、いいでしょうね・・・。
ほんっとうに、そう思います。
朝、まどろみながら起きたら、夢の雰囲気がまだどこかに残っていて。
「ああ、いい夢だったな」
って、心の底のほうから安心して、幸せになるような、そんな夢ですね・・・。

やすらいでいて、そこに吹いている風の香りが感じられるようで、
すごく、好きです。
なごやかで、まろやかで、心地よくって、しあわせになれる。


はぁーー。読んで、そんな気になりました。
でわ。つたない感想でした。 千恵風味

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10171Re:DayDream えいえんのみどりの丘で穂波 E-mail 5/25-00:12
記事番号10169へのコメント

こんばんは、はじめまして千恵風味さん。

感想くださり、有難うございます。

>やすらいでいて、そこに吹いている風の香りが感じられるようで、
>すごく、好きです。
>なごやかで、まろやかで、心地よくって、しあわせになれる。
ありがとうございます。
最終巻を読んだ後、こーだといいなぁという夢ですが、やすらいだ雰囲気が伝わったのだとしたら、嬉しいです。

ほのぼの路線の短い話ですが、好きになってくださって、私も幸せです。

では、本当にありがとうございました。


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10178Re:DayDream えいえんのみどりの丘で駒谷まや E-mail 5/25-21:42
記事番号10164へのコメント

ももへいさんと同じく、こちらでははじめまして。

読んでいてすごく幸せでした。どれも優しくて、暖かくて、特に第三話は
こんな風に二人が幸せであればいいと思いました。

つたないうえに短い感想ですみません……。
それでは、また。

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10179Re:DayDream えいえんのみどりの丘で穂波 E-mail 5/25-23:26
記事番号10178へのコメント

こんばんは、駒谷さん。
ハイ、こちらでははじめましてですね〜某所では、お世話になっております。

>読んでいてすごく幸せでした。どれも優しくて、暖かくて、特に第三話は
>こんな風に二人が幸せであればいいと思いました。
おだやかな風景の中にいる彼らが見たくて、書いてしまいました。
(・・・第二話は、趣味のような気がしないでもないですが)

幸せな気持ちになってくださったのなら、私も嬉しいです。
感想くださり、ありがとうございました。

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10236えいえん・・・ムフウエセ URL5/29-03:43
記事番号10164へのコメント

@穂波さん@
こちらでははじめましてです。
こんにちは。

どれも透明感あって詩の様にキラキラしてる文章でした。
私は特に3つ目のお話が好きです。
題名の「えいえん」が平仮名なのも
やわらかい感じで、それが余計に「えいえん」なんだなって思えました。
実際彼が見たモノもそうであって欲しいなーと思います。
感動しました。

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10167Re:三連作ももへい E-mail 5/24-00:06
記事番号10162へのコメント

こちらでははじめまして、ももへいと申します。
三作品読みました。

なんていうか。うん、感動しました。どれもですが、
タイトルもですが、すばらしいです。

短い感想を書くのがやっとで申し訳有りません。
くどくど言わずこころのなかで咀嚼したいと思いますれば
このへんで。

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10172Re:三連作穂波 E-mail 5/25-00:21
記事番号10167へのコメント

こんばんは、ももへいさん。
こちらでははじめまして、ですね。(某所ではお世話になっております)

>なんていうか。うん、感動しました。どれもですが、
>タイトルもですが、すばらしいです。
ありがとうございます・・・。タイトル珍しくちゃんとつけられたので、着目していただけて嬉しいです。
三話とも読んでいただけたようで、ありがたいです。

では、感想くださり、ありがとうございました。