◆−Firefly Castle(ゼルリナ!)−扇(5/29-19:16)No.10241 ┗Re:Firefly Castle(ゼルリナ!)−がぜる(5/29-21:21)No.10242 ┗はじめまして!−扇(6/1-18:34)No.10294
10241 | Firefly Castle(ゼルリナ!) | 扇 | 5/29-19:16 |
こんにちは、扇です。 多忙の中に短編書き続けて連載もの三作の続きを書かない外道です(爆) 今回もやっぱり短編(汗) しかも、マイナーカップリングの代表とか言われているくせしてわりと人気が高いゼルリナ! わたしも好き! 今回は、勝手中の勝手ですが、セラフィーナ様に捧げちゃいますっ! 理由は簡単。『天国〜』でゼルリナの場所が極端に小さくなってしまいそうだから、ってことのお詫びです(汗) あのストーリーにゼルリナはきっつ〜(泣) というわけで! コレで許してちょ!!(爆) ではでは、頭の中で花火が起こらないように注意してお読みくださいマセマセm(__)m __________________________________ Firefly Castle 〜夏の夜の夢〜 「この戦いが終わったら・・・一緒にセイルーンに来てもらえますか?」 「ああ・・・考えておこう」 アメリアとゼルの会話を後ろから聞いて・・・。 胸が痛くなった。 当然・・・なのかな。 あたしには、ガウリイが居るし。 ゼルは、アメリアと仲がいいし。 アメリアは、ゼルに気があるみたいだし。 アメリアは、あたしの妹分みたいなものなんだ。 あたしは、姉貴分として、おとなしく身を引いてあげようか。 それがいい。 あたしの隣には、ガウリイがいつも居るし。 寂しくなんかない。 ・・・・・・。 ・・・・・・らしくないな、なんか。 あたしらしく、ない・・・・・・。 ちょっと、どうしたのリナ=インバース! しみったれるのなんて、らしくないぞ! だいたい、今は物思いにふけっている場合じゃないんだ。 今、あたしたちは闇を撒くものとの戦いの真っ最中なんだ。 世界をかけた戦いをしているんだ。 こんな時に、なに考えてるのよ、あたしは!! ・・・・・・落ち着かなきゃ。 いざとなったらあたしは、重破斬でも使って、あいつを倒さなきゃいけないんだ。 集中しなきゃ・・・・・・。 フィリアが、光に駆け寄る。 中から現れたのは・・・ヴァルガーヴの卵。 もう一度・・・始まり・・・・・・。 あたしも、もう一度、一からやり直せないだろうか。 もう一度、ガウリイと会って。 もう一度、ゼルガディスと会って。 もう一度、シャブラニグドゥを倒して。 ・・・アメリアと会う前に、ガウリイと別れて。 もし、ゼルと一緒にいたら・・・? 「これで・・・お別れね」 「・・・ああ」 あたしがしんみり、というと。 ゼルが返す。 ガウリイもアメリアも、しんみりしている。 「また・・・会えるかもしれないね」 「そうだなぁ」 ガウリイが、頭の後ろで手を組んで、明るく言う。 「ゼルは・・・」 あたしが声を出す。 ゼルの足が止まる。 「ゼルは・・・」 続きが出ない。 言わなきゃ。 ここで言わなきゃ。 「ゼルは・・・セイルーンに行くの?」 出た。 言葉が、やっと。 どうしても・・・聞きたかった言葉。 「ああ・・・一応な、これから船に乗って・・・」 その言葉は・・・。 あたしに、丸太でもぶつけたような衝撃を与えた。 もうすぐ、夏になる。 徒歩でセイルーンを目指しているんだ。当たり前かな。 でも、もしあそこで船に乗ったら・・・。 どうなっていただろう。 想像するのも・・・怖い。 あの時は・・・あれでよかったんだ。 ゼルが選んだ道だから。 「おーい、リナ!」 あたしの考えをうち消す声が響く。 「ほら、見てみろよ。セイルーンの町だぜ!!」 ガウリイが明るく言う。 ここ最近元気のないあたしを、気遣っているのだ。 でも、あたしは・・・。 「り・・・リナ・・・」 「う・・・そ・・・」 言葉にならない。 目の前にいたのは・・・。 「よお、ゼルガディスじゃないか! 久しぶりだなぁ。元気にしてたか?」 「ああ、一応な。お前達も・・・相変わらずのようだな」 ガウリイが、気軽に声をかける。 あたしたちの前にいたのは、ゼルガディスだった。 「まだ、セイルーンにいたの?」 あたしが言う。平然と。 「ああ、王宮の図書室を開けてもらってな、ずっと本を読みふけっていた。 収穫はあまりなかったが・・・」 ゼルが言う。やっぱり、平然と。 「そう・・・。その間、ずっとアメリアと一緒にいたわけ?」 あたしが、からかうように言う。 「なっ・・・」 ゼルが、顔を赤くして呻く。 「おおっ、この顔は図星だなぁ?」 ガウリイが、からかうように続く。 「ず、ずっと一緒だったわけじゃないぞ! アメリアだって、姫巫女としての仕事があるわけだし・・・」 「なーに必死に取り繕ってるのよ」 あたしが・・・。 まるで、何かをこらえるように言う。 「・・・どうしたんだ、リナ?」 ガウリイが、心配そうによってきた。 勘がいいガウリイ。 こういうときだけ・・・嫌なほど気付く。 ごめん、ガウリイ。 「・・・ごめんっ!」 あたしは小さく言うと・・・。 町の外へと走っていった。 らしくないなぁ。 本当に、あたしらしくない。 小さな小川を眺めながら、あたしはぽつぽつ考えていた。 夕日が、そろそろ沈みそう。 スズムシが鳴き出す。 りーんりーんと。 それ以外は・・・何もない。 この雄大な大地に、あたししか居ないような・・・。 そんな気分になる。 ・・・そろそろ、町に帰ろうかな。 ガウリイ達も、心配しているはずだ。 ゼルガディスも・・・・・・。 「こんな所にいたのか」 後ろから声がかかって・・・。 びっくりして、振り返る。 立っていたのは、ガウリイ・・・・・・ じゃない。 「ゼルガディス・・・?」 あたしは、あわてて立ち上がる。 なんで、野生のカンの持ち主であるガウリイより、ゼルが先にあたしのもとに来るんだろう? 「よく分かったわね、ここが・・・」 「俺もな・・・虚しくなると、よくここに来たんだ」 ・・・え・・・? 「俺、ずっとセイルーンの図書室で資料をあさっていたがな・・・。 たまに、本当にダメなんじゃないのか、って思ったりする時があってな・・・」 ゼルガディスが、照れているような顔をして、頬を掻いている。 「もう、人間に戻れないんじゃないか、って・・・。 そういう時、いつもここに来て空を眺めていた」 ゼルガディスが、あたしの隣に来る。 あたしの肩に手をおく。 「なにが有ったかは知らないが・・・。 あれでも見て、元気出せ」 ゼルガディスが、彼方を指さす。 そこには・・・。 地平線に沈んでいく太陽。 大地を赤に焦がす。 空を赤に染める。 鳥が空を行く。 木々が大地に影を伸ばす。 空が、徐々に闇に包まれていく。 暗く黒く闇が。 けれど、闇を撒くものとの戦いの時に見た闇とは違う。 暖かさがある。 孤独がある。 優しさがある。 希望がある。 空に、月が輝く。 優しい光。 もう一つの、目覚めの焔。 空に、星が輝く。 まるで、鏡に反射する焔。 見ていると・・・涙が出てくる。 肩に置かれたゼルの手が・・・温かい。 川から明かりが消え、別の光がともる。 「・・・蛍!?」 「もう、そんな季節か・・・」 ゼルガディスが天を仰ぐ。 光が、先刻の倍にも増えている。 「・・・きれいだね」 「・・・そうだな」 あたりは、蛍の光でいっぱいだ。 星の輝きが、蛍にさらなる光を与えている。 あたしたちを取り巻く蛍。 まるで、祝福しているかのよう。 「まるで・・・蛍の城だな」 「そうだね・・・」 ゼルガディスの言葉が、この状況に良くあっていて、あたしは頷く。 「俺たちだけの城・・・だな」 「・・・キザだね」 頷きつつも、あたしはコケる。 「俺さ、本当にずっとアメリアと一緒にいたわけじゃないからな・・・」 ゼルガディスが取り繕う。 分かっている・・・。 あたしは頷く。 ゼルが安心したように、再び空を見る。 無数の光が存在する闇。 あたし達だけの、蛍の城。 一週間も保たない、短い命を持つ蛍達だけれど・・・。 今は、あたし達の為だけに輝いている。 空の無数の光と共に・・・・・・。 今だけ、あたりは蛍の城。 _______________________________END あとがきゃー オ:ゼルリナって良いねぇ。マイナーなのが勿体ないよ(泣) セ:・・・お前この前、ガウリナにゼルアメ最高とか言ってなかったか・・・? オ:・・・細かいことは気にするな!! セ:・・・はいはい。 なーんかよくわかんないよね〜・・・ま、いいか。 ガウリイファン、アメリアファンの方はショック有り?(汗) ではでは、扇でした〜☆ |
10242 | Re:Firefly Castle(ゼルリナ!) | がぜる URL | 5/29-21:21 |
記事番号10241へのコメント こんにちわ♪ はじめましてです♪ 色々と雑事に追われ、忙しく久々に覗いた一坪さまのHPで、いいもん読ませて頂きました(笑)。 やっぱ、ゼルリナはいいですね〜♪ リナちゃん受けなら、なんでも来い! っていう節操のない私ですが、 やっぱり、ゼルリナが一番好きです(爆)。 読み終えた後、余韻に浸ること暫く・・・。 ゼルリナには、ゼルリナでしか書けない、大人の恋愛があると思うんです。 もう、扇さまの作品はそれにピッタリで、私のツボにはまりました(笑)。 暫くBBSへのカキコ等控えていた私が、思わず筆をとりたくなったほどの感動をありがとうございました♪ これからも頑張ってください♪ 迷惑かも知れませんが、影ながら応援してます♪ ではまた♪ ゼルリナ大好き、がぜるでした・・。 |
10294 | はじめまして! | 扇 | 6/1-18:34 |
記事番号10242へのコメント がぜるさんは No.10242「Re:Firefly Castle(ゼルリナ!)」で書きました。 >こんにちわ♪ はじめましてです♪ はじめまして! >色々と雑事に追われ、忙しく久々に覗いた一坪さまのHPで、いいもん読ませて頂きました(笑)。 >やっぱ、ゼルリナはいいですね〜♪ >リナちゃん受けなら、なんでも来い! っていう節操のない私ですが、 >やっぱり、ゼルリナが一番好きです(爆)。 うにゅ。ありがとうございますです(誉めてるのか?) >読み終えた後、余韻に浸ること暫く・・・。 ゼルリナは、ガウリナとひと味違った印象ありますものねぇ。 >ゼルリナには、ゼルリナでしか書けない、大人の恋愛があると思うんです。 >もう、扇さまの作品はそれにピッタリで、私のツボにはまりました(笑)。 ありがとうございますですぅぅっ!! >暫くBBSへのカキコ等控えていた私が、思わず筆をとりたくなったほどの感動をありがとうございました♪ >これからも頑張ってください♪ >迷惑かも知れませんが、影ながら応援してます♪ (また)ありがとうございますですぅぅぅ!! >ではまた♪ > >ゼルリナ大好き、がぜるでした・・。 いろいろ、ありがとうございましたです!! ではでは、扇でした〜☆ |