◆−虹の麓には…−tsubame(6/2-22:49)No.10310
 ┗Re:いいなぁ、いっぱいの休暇(笑)−ramia(6/4-20:43)No.10337
  ┗Re:いいなぁ、いっぱいの休暇(笑)−tsubame(6/4-22:44)No.10338


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10310虹の麓には…tsubame E-mail 6/2-22:49


 こんにちは、tsubameです。今回もまた、ゼロリナ(でしょう、たぶん)小説を書いたので、投稿させていただきます。それでは、どうぞ。


  虹の麓には…


「もう、何でいきなり雨が降って来んのよ!おかげで、濡れちゃったじゃない!」
 あたし、リナ=インバース。あたしが街道を歩いていたら、いきなり雨が降って来た。自称っていうか、本当に美少女天才魔道士なあたしなんだけど、さすがに自然の天候には敵わない。悔しい事だけど。そのせいで、今は木の下で雨宿りをしてる。服は濡れるし、ジメジメして鬱陶しいし、雨なんてきらいよ。
「ガウリィだったら、こんな時はなんて言うのかな?」
 そう呟いて、あたしは半年前に別れた、自称保護者を思い浮かべる。ずいぶんとクラゲな頭脳の持ち主だったけど、いざという時頼りになったいい相棒だった。
「みんな、今頃どうしてるのかな?」
 再び呟いて、みんなの事を思い出す。半年前に別れたあたしの自称保護者兼相棒のガウリィは、今もどこかでボーっとしてるんだろう。一年前に別れたあたしの仲間で相談相手のゼルは、今も元の身体に戻る術を探してるんだろう。ゼルと同じ時期に別れたあたしの仲間で友人のアメリアは、今も悪人共に正義の鉄槌を下してるんだろう。そして、…アイツ。そう、獣神官ゼロス。アイツとも一年前に別れた。いつもにこにこ笑ってて、めちゃくちゃ強いくせに、生への賛歌は苦手で、どこか人間らしい高位魔族。そんなアイツも今頃、どこかでいつものように笑ってるんだろう。いつのまにか、あたしが特別な気持ちを抱いた相手。
「こんな気持ち、気付かなければよかった…。そうすれば…」
 あたしの頬を涙が伝う。ゼロスは、あたしの好きな人…。正確に言うと、魔族。生きる者とは正反対の存在で、滅びを求める者…。別れてから、この気持ちに気が付いた。でも、もう会えない…。もし、再び会ってしまった時は、殺し合いになる。
「もう悩まない。あたしは、あたしなりに生きてみせる」
 そう呟いて、あたしは手で涙を拭う。
 そんな事を考えていたら、いつのまにか雨が止んでいた。そして、空には綺麗な虹がかかっていた。
<リナ、知ってる?虹の麓には、大事な物があるのよ>
 ふと、故郷の姉ちゃんの言葉が頭を過ぎる。ずっと昔に、姉ちゃんと二人で虹を見た時に、姉ちゃんが言った言葉。その時のあたしには、意味が分からなかった。けど、今なら分かる。
「リナさん、お久しぶりです」
 そんな事をぼんやり思い出していたあたしの耳に、聞き慣れたけど、もう二度と聞けないと思っていた声が聞こえてくる。あたしが声のした方に顔を向けると、ゼロスが立っていた。ちょうど虹の麓の所に。
「ゼロス?どうせ、あたしを殺しに来たんでしょ?」
 あたしは、ゼロスに確認する。
「違いますよ、リナさん。実は僕、獣王様にしばらく休暇をもらいまして…、リナさん?」
 あたしは、ゼロスの言葉を聞いているうちに、再び涙が溢れてきてしまった。ゼロスにもう一度会えた事が、ゼロスがあたしを殺しに来たんじゃない事が嬉しくて。
「…いの」
 あたしは泣いているせいで、声が上手く出ないけど言う。姉ちゃんの言っていた事が、本当だったんだと実感しながら。
「え? 何ですか、リナさん?」
 ゼロスが戸惑ったようにあたしに聞く。
「嬉しいの、ゼロスにもう一度会えた事が」
 あたしは、もう一度ゼロスに言う。嬉しさを噛み締めて。
「僕もですよ、リナさん」
 そう言って、ゼロスはあたしを抱きしめる。
「ゼロス…」
 あたしもゼロスを抱きしめる。

 それから、あたしとゼロスの二人で旅をしている。
「ねえ、ところで、ゼロス? 獣王からどれくらい休暇をもらってきたの?」
 あたしは前から、疑問に思っていた事をゼロスに聞く。
「それはもちろん、リナさんの生きている限りですよ(はあと)」
 ゼロスはあたしの問いに、満面の笑顔で答える。
 つまり、あたしが死ぬまでずっとゼロスはあたしの傍にいるという事。
 かあぁ。
 あたしがゼロスの言った言葉を完全に理解したら、あたしの顔はかなり赤くなったと思う。顔がむちゃくちゃ熱くて、火照ってるし…。
「リナさん、顔が真っ赤ですよ。あ、もちろん、赤くなったリナさんも、可愛いですよ」
 そんなあたしを見てゼロスは、からかうように言う。その言葉で、あたしの顔はさらに赤くなる。
「あんたが、そうさせたんでしょう!!」
 あたしは真っ赤になった顔で、ゼロスに言う。
「もうリナさん、可愛すぎです(はあと)」
 ちゅっ。
 ゼロスはそう言って、あたしの頬にキスする。その事によって、あたしの顔はこれ以上赤くならないくらいに赤くなった。
「ゼ、ゼロスー!!!」
 あたしは、かなり大きな声で叫ぶ。
 ――これからの、ゼロスと共に過ごすあたしの人生は、苦労する事がたくさんあると思う。けど、あたしはそれらに負けない。否、負けられない。たった一度きりのかけがえのない人生を、後悔しながら過ごしたくなんかないから。


 やっぱり、性格が全く別人ですね。すみません。最後まで読んで下さった方、どうも有り難うございます。では、tsubameでした。

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10337Re:いいなぁ、いっぱいの休暇(笑)ramia E-mail URL6/4-20:43
記事番号10310へのコメント

こんばんはtsubasa様。ramiaですー!
虹の麓には・・・、読ませていただきました。
ゼロス君、いっぱいの休暇もらいましたねぇ。しかも!リナちゃんが死ぬまで!
これで、リナちゃんが寂しい思いすることないんですね。
はう〜、これで思う存分リナちゃんとラブラブできるぞ!ゼロス様!!(見る視点が違う?)
獣王様も、思い切ったことしましたね〜。
はっ!!まさか!!リナちゃんのことばかり気にしてて、ゼロス様ってば仕事が手に付かなくて、見かねた獣王様が休暇をくれたとか!?

てれてるリナちゃん、きっとかあいーでしょうねー。
想像するのが楽しいですー。

なんだか感想なのだろうか・・・?な、感じになってしまいましたわ。
すみませんです。
ではでは、またねー!


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10338Re:いいなぁ、いっぱいの休暇(笑)tsubame E-mail 6/4-22:44
記事番号10337へのコメント

ramiaさんは No.10337「Re:いいなぁ、いっぱいの休暇(笑)」で書きました。
>
>こんばんはtsubasa様。ramiaですー!
>虹の麓には・・・、読ませていただきました。
どうも、有り難うございます〜。
>ゼロス君、いっぱいの休暇もらいましたねぇ。しかも!リナちゃんが死ぬまで!
>これで、リナちゃんが寂しい思いすることないんですね。
>はう〜、これで思う存分リナちゃんとラブラブできるぞ!ゼロス様!!(見る視点が違う?)
ええ、もうラブラブにしたくてこうしました。やっぱり、ゼロスとリナはラブラブでないと・・・。
>獣王様も、思い切ったことしましたね〜。
>はっ!!まさか!!リナちゃんのことばかり気にしてて、ゼロス様ってば仕事が手に付かなくて、見かねた獣王様が休暇をくれたとか!?
案外、そうだったりします(笑)。休暇が終わったら、お仕事たっぷりでしょう。
>
>てれてるリナちゃん、きっとかあいーでしょうねー。
>想像するのが楽しいですー。
有り難うございます〜。リナですから、可愛いでしょう。
>
>なんだか感想なのだろうか・・・?な、感じになってしまいましたわ。
>すみませんです。
>ではでは、またねー!
いえいえ、気にしないで下さい。私も似たようなものですので・・・。これからも、がんばって下さい。では、tsubameでした♪
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