◆−再会・第二話・―短い時間―−ramia(6/15-17:58)No.10548
 ┣Re:にゃう・・・切ないっす・・・−れーな(6/15-21:00)No.10558
 ┃┗Re:はじめましてー!−ramia(6/16-17:43)No.10576
 ┗Re:切ないです…−tsubame(6/15-23:03)No.10561
  ┗Re:悲しすぎたかな?−ramia(6/16-17:50)No.10577


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10548再会・第二話・―短い時間―ramia 6/15-17:58


第二話です!
リナちゃんとゼロス様、第一回目の再会です!
ではでは、お楽しみ下さい〜!

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「再会」第二話・―短い時間―

「リナ様ぁ!!どこにいらっしゃるんですか!!」
私のお付き人のフィリアがそう叫びながら、私の隠れている壁の横を通りすぎていく・・・。
今のでわかっただろう、私がリナ、リナ=インバース。
このインバース王国の第二王女なのである。
それ故に、なかなか城の外に自由に出してもらえなくて、たいくつしてんのよ。
でも!今日こそは、外に脱走してやる!!

フィリアの声が遠ざかったのを見計らって、壁の影から飛び出て、馬小屋へ向かう。
そう、馬を一つ拝借して外に飛び出すのである。
こうみえても、小さいころからいろんな訓練されてるから、馬ぐらいかるーく乗りこなせる。

「さて、つーいた!
さっ、いくわよ、ヒカリ!」
私の愛馬、ヒカリに乗って外に飛び出す。
なにせ馬小屋の横のへいだけは不用心にも低くなってるため、ヒカリなら軽く飛び越せるのだ。
城の外に広がってるのは、とりあえず森、この森の中に入っちゃえば、そう簡単には、見つからないはず。
それにしても・・・・
「馬に乗るのに、ドレスはやめといた方が良かったかも・・・。」
着替えてくるべきだったなぁ〜。
まぁ、いっか。

森の中を走っていると、道の真ん中に何か・・・いや・・・誰かが倒れてるのが見えた。
「ヒカリ!止まって!!」
ヒカリを止めて、飛び降り、その人物に駆け寄る。
「ねぇ、ちょっと、こんなところで寝てたら、風邪引くわよ?」
反応なし・・・。これは・・・ちょっとやばいかも・・・。
「どうしよ・・・。う〜・・・・、よし!とりあえず連れて帰っちゃえ!」
その人を抱えて、(くっ、重い・・・。)ヒカリに乗り、城に引き返す。
まったく、久々に町で遊ぼうと思ったのに、こいつのせいで台無しだわ。
目覚めたら、文句言わなきゃ。

「あっ!リナ様!どこに行ってたんですか!!」
「フィリア!お説教は後!この人私の部屋に運ぶから手伝って!」
「は・・・はい?
誰ですか、この薄汚い人・・・。」
「いいから、はやく!」
「わ・・・わかりました。」
フィリアに手伝ってもらい、私の部屋まで運んで、ベットに寝かす。
よくよく見たら、綺麗な顔してるな、この人・・・。
「フィリア、気付け薬持ってきてちょうだい。
私、この人見てるから。」
私がそう言うと、フィリアは怒り顔で、
「いけません!こんなどこぞの馬の骨かもわからないような男と、二人きりになるなんて!危険です!私も一緒に見てますわ!」
ったく、心配しすぎなのよね、フィリアは・・・
「それじゃあ誰が気付け薬持ってくるのよ!
私は大丈夫だから、フィリア早く行って来て!」
「はいぃぃぃいい!」
私の気迫に押されて、フィリアは部屋を飛び出し、気付け薬を取りに行った。
「まったく・・・。
・・・・それにしても・・・、なんか、どっかで見たことあるような顔・・・。」
あれ?なんか・・・頭の隅の方で・・・何かがはじけるような・・・
何か・・・思い出しそう・・・。

ばんっ!

「気付け薬持ってきましたよ!」
そんな私の思考回路を断ち切ったのは、見るからに機嫌が悪く、疲れているフィリア・・・。
こいつ・・・全速力で走ったな・・・。
「かして、飲ませるから、」
フィリアから、気付け薬を受け取り、飲ませる。
これでしばらくすれば目覚めるはず・・・。
「フィリアは下がっていいよ。
あっ、これ、王女の命令ね。」
こう言えば逆らえまい。
「・・・命令なら仕方ないですね・・・。
でも!なにかあったら、すぐに大声で呼んでくださね!」
「はいはい、」
「では、失礼しました。」
そう言って、フィリアは下がっていった。
さて、後どんぐらいで目覚めるかな。
・・・・・それにしても、やっぱり私、こいつのこと知ってるような・・・。
なんて言うんだろう・・・、こいつ見てると、悲しいような・・・切ないような・・・懐かしい感じがする・・・。
「あ・・・あれ?なんで涙が・・・・。」
止まらないよ・・・。
「んっ・・・・。」
はっ!目、覚ましちゃう!
涙ふかないと・・・。
「あ・・・れ?ここは・・・?」
私は涙を拭き、笑顔を向けて話し始める。
「目、覚めた?
ここ、私の部屋よ。あなた森の道の真ん中で倒れてたから、連れてきてあげたの。」
「そうだったんですか・・・。すみません、迷惑かけちゃって・・・。
あっ、僕はゼロス、ゼロス=メタリオム。謎の楽師です。」
にこにこ顔で自分の自己紹介をするゼロス。
に、しても・・・自分のことを謎の楽師って・・・・、変なやつ。
「ふーん、私はリナ=インバース。
この王国、インバース王国の第二王女よ。」
「そうなんですかー。」
「あら、驚かないのね。私が王女だって事に、めずらしー。」
今まで、私のことを王女だって知らないで接してきた人たちは、私が王女だって知ったとき、驚いて、態度かえまくったのに。
「驚きませんよ。だって、あなたが僕のことを助けてくれた、心優しいお方、ってことは代わりありませんから。」
あっ・・・、なんか嬉しいかも・・・。
「そんなこと言ったやつ、ゼロスが初めて・・・。
私ね、一人でもいいから、私のこと王女とか関係なく、仲良くしてくれる人、探してたの・・・。」
「では、僕が仲良し第一号でいいんですか?」
「うん。
ねっ、ゼロス、楽師なんだよね?何か一曲披露してよ。」
「いいですよ。ピッコロの音色をご覧に入れましょう。」
そう言って、腰に下げていた袋からピッコロ(笛なんだぁ)を取り出して、ベットから下り、
私の目の前に立ち、笛を口元に運ぶ。
綺麗なメロディーが流れ出す。
すごい・・・、本当にうまいんだぁ・・・。
「ぜ・・・ろす?私達、一度あったことない?」
何気なし似でた言葉。
その言葉にゼロスは笛を吹くのをやめて、私のことを見つめる。
瞳をすぅっと開いて・・・。
あっ・・・その瞳・・・。闇紫の瞳は・・・・大切な・・・
「あるかもしれませんね。僕も、あなたを見たときから、懐かしさがこみ上げてきて、ならないんです。」
そう言って、またにこ目に戻る。
「やっぱり・・・。どこでだろうね?私、なんだかわからないけど、ゼロスのこと、すごく好きだわ。
でも、それと同時に、悲しいよ・・・、切ないよ・・・、涙が、でちゃうの・・・。」
「リナさん?」
私の顔を心配そうにのぞき込む、
そんな仕草も、何度も見たような気がしてならない。
「ごめん、泣いちゃって・・・。」
「・・・・チュッ・・・。」
「!!!?????!!?」
なっ!チュッて・・・えっ?えっ?
突然の出来事に、思わずほっぺたを押さえる。
なんか、顔が熱いぃぃぃぃい!
「涙止まりましたね。
あなたは、笑ってたほうが、可愛いですよ。」
なんちゅう照れくさい台詞を、やすやすとはくんだ、この男は!
「なにすんのよぉぉぉぉお!!」
「ですから、泣かれては嫌なので、涙を拭わせて・・・って、あれ?リナさん、怒ってます?」
「ぜ〜ろ〜す〜・・・・、おこるにきまっとろうがぁぁぁぁあ!!」
「あっ?やっぱり?」
こいつはぁ〜!!
なんなのよ一体!私が他の人のペースに巻き込まれるなんて!!
んっ?そういえば、
「ねぇ、ゼロス、あんた身寄りは?」
「あぁ、いません。一人旅してるんですよ僕。」
「・・・悪いこと聞いちゃった?私・・・。」
「いいえ、べついいですよ。
それに、今日、こうして、リナさんという、可愛い方にも巡り会えましたし。
も一つ、チュッ(はぁと)」
うわわわわわ!!
「ゼロスぅぅぅぅぅぅぅう!!なにすんのよぉぉぉぉおお!!」

ばんっ!!

「リナ様!どうしたんですか!すごい叫び声が!」
うげっ、フィリア!
「あなた、一体リナ様に何したんですか!」
「えっ?僕は何も?」
「じゃあ、なんであんな叫び声が!」
「うるさいですね・・・。あなた一体誰ですか?」
また、紫の瞳をのぞかせて、なんだか、殺気を漂わせて、フィリアをにらみつけるゼロス。
それに負けじとにらみ返すフィリア。
なんか・・・、相性最悪っぽい・・・この二人・・・。
「私は、リナ様のお付き人ですわ!」
「なんだ、お付き人ですか。
随分と口うるさそうですね。これなら僕がお付き人になった方が、ましのような気がしますよ。」
「なっ!なっ!」
う〜む、ゼロスって、ある意味天才かも
こんなに口が達者なやつ、初めてみるわ。
フィリアだってよくしゃべるけど、口が達者なんじゃなくて、あれは、口うるさいのよ。
「リナ様!こんなやつ早く追い出しちゃいましょう!」
「へっ?」
おいおい、いきなり何を言い出す、フィリア。
「何言ってるのフィリア。どうしてそんなに急いで追い出す必要があるのよ?」
「こんな人がリナ様のそばにいたら、リナ様に悪影響が!」
「あ・・・悪影響?・・・随分言ってくれますね・・・。
僕はあなたの方がよっぽど悪影響に思えますが!
その口のうるささ!どーみたって悪影響です!」
「な、なんですってー!!」
あ〜あ・・・、なんかけんか始まってるよ。
うるさいな〜、も〜・・・・
「えーい!!うるさいわよ二人とも!
フィリア!ゼロスは今日から私専属の楽師にするから!うるさくいわないこと!
ゼロスも!フィリアは私が生まれたときから一緒なんだから、悪口言わない!いいわね!」
私が二人をにらむ。
二人は少し反省したのか、
「わかりましたよ、リナさんが言うんじゃ仕方ありません。」
「しょうがないですね。リナ様が言うなら・・・。」
「よしよし。んじゃ、ゼロスは私についてきて、お父さんとお母さんと姉ちゃんに紹介するわ。
フィリアはさがってよーし!」

そして、まずは姉ちゃんから。
姉ちゃんの部屋は私の部屋のすぐ近くにある。

こんこん

「姉ちゃん。リナだけど、入っていい?」
「いいわよ。」
承諾を得て中に入る。
「どうしたの?なんかあった?」
「えっと、ね、こいつ紹介しに来たの。」
私の後ろににこにこしながら立っているゼロスを指さす。
すると姉ちゃんは
「ふーん、あんた、私より先に嫁に行くつもり?そんなことしたら・・・」
こ・・・こわひ・・・・
「違うって!こいつはゼロスって言うんだけど、私専属の楽師にすることにしたから、あいさつさせようと・・・・、」
「あら、そうだったの。」
あぶないあぶない、もう少しで姉ちゃんにあらぬ誤解をされる所だった・・・。
「あの、あいさつしてもよろしいんでしょうか?」
「あっ、ああ、いいわよ。」
「僕はゼロス=メタリオムって言います。
道で倒れていたところをリナさんに救っていただいきました。以後よろしくお願いします。」
「ルナ=インバースよ。この子の姉。
この子、まだまだ未熟もんだから、何か悪さしたらすぐ私に言って頂戴ね。」
ひいぃぃぃぃい、よけい城抜け出しにくくなったかも・・・。
「はい。」
ゼロスも返事するなぁぁぁあ!!
二人で握手なんかしちゃって・・・。
あぁ、ゼロスを楽師にしたの、間違いだったかも・・・。
「リナ、父さんと母さんの所に行ったの?行ってないんら、早く行きなさいね。」
「あっ、はーい。
じゃあ、姉ちゃん。また後で、」
そう言って、姉ちゃんの部屋を出る。
次はお父さんとお母さんの所か、早く行っちゃおうっと。


部屋に帰ってきて、テーブルを挟んで、椅子に座る。
「ふぃ〜、終わった終わった。ゼロス、これで今日から一緒に暮らせるね。」
「道端で倒れていた僕などに、こんなに良くしてくれるなんて、リナさんは本当に優しい人ですね。」
「べつに、ただあんたが気に入っただけよ。」
嘘、照れ隠しかもしれない。
私、きっと一目惚れしたんだと思う。でも、昔から知ってるような、この感じは、一目惚れとは言い難いよね。
「僕もリナさんのこと、すごく気に入りましたよ。」
「ありがと。」
「それと、今日一日だから、惚れっぽいって言われちゃいそうですが、あなたのことが、好きになりました。」
えっ!?
「ゼロス?何言って・・・」
「あなたに一目惚れしました・・・。」
うっそ・・・
「ほんとに・・・?」
「えぇ。」
本当なんだ・・・。私も言わなきゃ、ちゃんと言わなきゃ・・・
「私も・・・ゼロスのこと・・・好き・・・だよ。」
「えぇ!?本当ですか!!」
「嘘つくと思う?」
「・・・いいえ。あなたの言うことなら、たとえ嘘でも、真実になりますよ。」
「くすっ、なによそれ?」
「なんでしょうね。」
「わかんないのに言ったの?ばかみたい。」
「ひどいですね、リナさん。」
こんな会話がたまらなく嬉しい。
なんでだろ、すごいほっとする・・・。
「私ね、ゼロスと顔を見合わせて話すのって、すごい安心する。」
「僕もですよ。
・・・・ねっ、リナさん。キスしてもいいですか?ほっぺじゃなくて、唇に、」
「えっ?」
普通聞くかんな事!?
「いいですよね?」
「えっと・・・い・・・いいよ・・・。」
恥ずかしい・・・かも・・・。
「それでは・・・・・」
テーブルから身を乗り出して、私の唇に、おのれのそれを重ねるゼロス。
あれ?やっぱり、この感じ、どこかで・・・・。
「甘かったですよ。リナさんの唇。ごちそうさまです。」
「どっからそんなきざな台詞がはけるんだか、」
「あなたの前なら、どんな台詞でも言えますよ?」
「言わなくていいからね!」


夕飯の時間
私の横にはゼロスがいる。へっ?普通楽師と王女が並んでご飯を食べるかって?
あぁ、それは、お父さんもお母さんもゼロスの笛の音気に入ったらしく、もう家族同然の扱いに・・・。
「そうだ、リナ。」
いきなり姉ちゃんが話しかけてくる。
ちなみに今夕食を食べてるのは、私と姉ちゃんとゼロスだけ、お父さん達は、忙しいから、いつも後で食べるのだ。
「んぁ?はひ?ねえひゃん?」
「リナ、口の中のものを飲み込んでからしゃべりなさい、はしたないでしょう?」

カッ

そう言ったと同時に、私の目の前にフォークが飛んできて、テーブルにささる・・・。
さ・・・さすが姉ちゃん・・・、恐ろしい・・・。
ゼロスもさすがにちょっと驚いている。
私は即座に口の中のものを飲み込む。
「なんでしょうか?姉ちゃん。」
「カリアが明日会いに来るって、ご愁傷様ね、」
カリア・・・・が・・・
「うそ・・・でしょう?」
「私がそんなつまらない嘘つくと思う?」
うっ・・・この口調から言って本当だ・・・。
「リナさん、リナさん、カリアって誰ですか?」
ゼロスがなに食わぬ顔で聞いてくる。
「カリアってのはね・・・、私に下手惚れで、しょっちゅう会いに来る迷惑なやつよ・・・。
私は何度も嫌いだって言ってるのに・・・。」
「・・・・・許せませんね。リナさんにつきまとっていいのは、僕だけです!!」
「ななななな、なに言ってるよゼロス!」
姉ちゃんの前で〜!!
「リナ、やっぱりそおゆうことだったの・・・。」
あ・・・あぁ・・・・怒ってるぅぅぅぅぅう!
「姉ちゃん・・・ごめんなさいぃぃい!!」
「別にいいけど、ゼロス、リナを幸せにしなかったら、私の鉄拳が飛ぶわよ?」
「いいんですか?僕とリナさんがお付き合いしても?」
「いいんじゃない?まぁ、私より先に幸せになるってのが気にくわないけど。でも・・・父さんがなんて言うか、まだわからないけどね。」
あっ!そうだった・・・。
「なるほど、説得するなら、リナさんのご両親ですよね。」
なにやら考え込んでるゼロス。
そんなゼロスをよそ目に、姉ちゃんが私にそっと耳打ちする。
「リナ、ゼロスが好きなら、カリアとのこと、はっきりさせなさいよ?」
「う・・・うん・・・」
そうだ、カリアに明日はっきり言わなきゃ、
ごめんねカリア・・・。幼いころから知ってるし、嫌いじゃないけど、(いや、嫌いってしょっちゅう言ってるけど)ゼロスみたいに、心から、好きになることは出来ないの・・・。
「リナさん!」
「へっ?なに?ゼロス」
さっきまで考え込んでいた、ゼロスが急に私に話しかけてくる。
「明日、カリアさんって方が来るんですよね?」
「うん?それがどうかした?」
「では、その方と、ご両親の前で、はっきり言いましょう。僕とリナさんの事。」
「あっ、それいいわね。そうすればカリアだってあきらめてくれるわ、きっと。」
「でしょう?我ながら名案ですね。」
「普通自分で、名て言う?」
自信過剰なやつだなぁ。
「なに言ってるんですかリナさん。僕のそんなとこすきなく・せ・に(はぁと)」
「ばばばばばばば、ばか!なに言って・・・。」
「照れなくてもいいんですよ。」
「照れてなんか・・・」
「お二人さん。仲がいいことはいいんだけど、よそでやってくれる?あつくてしょうがないわ。」
「あっ、はい・・・。」


次の日、カリアがやってきた。
「リナぁぁぁぁぁあ!!会いたかった、何年ぶりだろう!」
「一週間前会ったばかりよ・・・。」
さすがに呆れてしまう・・・。
一週間前に会ったばっかりなのに、何年ぶりって、バカかこいつは・・・。
「リナに会えない一週間は、俺にとっては、何年にも思えるんだよ。」
「うわっきゃ!!こら!!は〜な〜せ〜!!」
なに抱きしめてるんだこいつは!!
ゼロスが隣にいるのに!!
「カリアさんとやら、リナさんを離していただけますか?」
私を抱きしめたまま、カリアは私の横にいるゼロスを見る。
「誰だ君?見かけないやつだな?」
「ゼロスともうします。リナさん専属の楽師ですよ。」
「ふ〜ん、で、その楽師風情になんで俺が指図されなきゃいけないんだ?」
あっ、そんなこと言ったら・・・。
ほら・・・ゼロスの瞳が開いた・・・。
めっちゃ殺気放ってるし・・・。
「そんなもの、決まってるじゃないですか。あなたが気に入らないんですよ?わかりませんか?」
うわ・・・こわっ・・・。
「うっ・・・。」
あ〜あ、カリア引いちゃってるよ・・・。
「はい、カリア、離してね。」
カリアの力がゆるんだうちに逃げ出して、ゼロスの横に、
「さっ、お父さんと、お母さんが待ってるわ。行こう、二人とも。」
「あっ・・・あぁ・・・。」
お〜、カリアってばおとなしくなっちゃって。まぁ、当然か、ゼロスの殺気は、はっきりいって半端じゃない。

そして、お父さんとお母さんの前に、
「お父さん、お母さん、カリアが来ました。」
「王様、お妃様、こんにちは、」
「いらっしゃい、カリア君。」
「ゆっくりしていってね。」
「はい。」
あいさつが終わったところで、私は話を切り出す。
「あの、話があるの、聞いてくれる?」
「んっ?なんだい、リナ。」
「あのね・・・、私・・・私・・・、ゼロスのことが好きなの!それで、お父さんとお母さんが許してくれるなら、結婚したいと思ってる。
カリアには悪いけど、私、カリアのこと、嫌いじゃないけど、愛せないの・・・。」
続きをゼロスが話し始める。
「昨日の今日で、本当に悪いと思っています。でも、僕もリナさんのこと、心の底から愛してます。どうか、許してもらえないでしょうか?」
カリアは絶句・・・。
お父さんとお母さんは、顔を見合わせて、
「いいぞ(いいわよ)」
「へっ?」
お父さんとお母さんの声がハモって、
そのあと、私とゼロスの声がハモった。
「いいの?」
「あぁ、だって、愛し合ってるんだろう?
それなら私達には口を出す権利はない。」
「そうそう、あっ!それで、結婚式はいつにしましょうか?(にこにこ)」
話の展開がはやっ!
でも、すごく嬉しい。さすが私のお父さんとお母さんだわ!
「ありがとう、お父さん、お母さん。」
「ありがとうございます。」
「ゆ・・・るさな・・・い・・・。」
へっ?この声・・・。
「ゆるさない!俺は絶対許さないぞ!」
「カリア!?」
さっきまで絶句してたのに、復活しちゃったようね。
「俺はずっとずっと、おまえみたいな楽師風情なんかより、ずっとリナのこと見てたんだ!
それなのに・・・・それなのに・・・・、なんでだよ!!」
カリア・・・泣かないでよ・・・。
「カリア・・・ごめん・・・・ごめんね・・・。」
これしかいえない・・・。
こんな事しか、言えない。
「あやまるなら、俺のこと好きになれよ・・・。」
「・・・・・ごめん・・・。」
「あいつのせい・・・なんだろ?
あの、楽師風情がおまえをたぶらかしたんだ!!」
「ちがう!カリア!それは違う!!」
「違ったっていい!!
殺してやる!殺してやる!!」
やばい!!カリアは、魔法が・・・!
「ゼロス逃げて!!」
「遅い!!」

どんっ!

あ・・・・あ・・・・
「ゼロスぅぅぅぅぅぅう!!」
倒れてるゼロスに駆け寄る・・・。
今の魔法・・・なに?
でも、このゼロスの様子から見て、強力な・・・
しかも、ゼロス・・・もう・・・助からない・・・ぜろ・・・す・・・。
「リナが悪いんだ。俺を好きになってくれないから・・・。」
「ゼロス・・・ねぇ・・・ゼロス・・・。」
私の呼びかけに、意識を取り戻すゼロス・・・。でも・・・もう・・・もたいよきっと・・・。
「リナさん・・・思い出しました・・・。」
えっ?
「なに・・・を?」
「前世のこと・・・。僕のたった一人の大切な・・・人間・・・。
僕が、愛して・・・滅ぼしてしまった・・・愛しい人・・・。同じ種族に・・・なれましたね。やっと、やっと、なれたのに・・・すみません・・・。」
前世・・・。
あっ・・・・思い・・・出した・・・。
「ゼロス・・・。魔族・・・だったけ?
そうだよ、二、三年会ってなくて、やっと会いに来てくれたと思ったら、人のこと、殺して・・・。
ううん、違うか・・・。私が滅ぼされてもいいって思ったんだから・・・。
また・・・会えたのに・・・会えたのに・・・こんなのって、こんなのってないじゃない・・・。」
そうだ・・・私は、魔道士で・・・ゼロスは魔族で・・・
どうして、今になって思い出すの?
ゼロスが辛そうに手を伸ばして、涙が流れる私の頬にふれる。
「泣かないでください・・・。笑って・・・下さい。あのときのように、笑って・・・。」
あの・・・とき?
「あのときって・・・、」
「あなたが、僕に滅ぼされる瞬間に、見せた笑顔を・・・、それだけで・・・僕は幸せです・・・。
今度は先立つ僕を、笑顔で見送って・・・」
それだけ言って、ゼロスは・・・二度としゃべらなくなった・・・。
「ゼロス・・・ね・・・ゼロス・・・?
おきてよ!!目を覚ましてよ!!まだ・・・二日しか・・一緒にいないじゃない!
同じ種族に生まれたのよ?ねぇ、ゼロス!!!!」
私に魔法があれば・・・、ううん、無理・・・魔法が使えても、死人を生き返らせることは出来ない。
魔法・・・私の魔力は・・・そうだ、あの御方に、願いと引き替えに渡しちゃったんだ・・・。
ぜろ・・・す・・・。
「リナ!」
そこに姉ちゃんが騒いでるのを見て、来たらしい。
私に駆け寄る。
「リナ・・・」
「姉ちゃん・・・。ゼロスが・・・ゼロスが・・・、」
「なにも言わなくていい!なにも言わなくていいから・・・。」
姉ちゃんが私を抱きしめる・・・。
私は、その中で、涙がかれるまで泣いた・・・。
カリアは・・・
お父さんとお母さんが、家に帰したという。
処罰はそのうち決まるだろう。
ゼロス・・・の亡骸は、棺に入れられ、とりあえず保管してある。
「・・・・・・・」
姉ちゃんが何か言ったような気がしたけど、私の耳には届かない・・・。
ゼロス・・・。
こんな・・・・・ことになるなんて・・・。
『バカな子・・・二度も不幸になるなんて・・・』
えっ?
今の声は・・・誰?姉ちゃんじゃないよね・・・・。
誰だろう?
あっ、だめだ・・・もうなにも考えられない・・・。
眠い・・・。


目が覚めるとそこは、私の部屋だった。
姉ちゃんが私の顔をのぞき込んでいる。
「大丈夫?」
「姉ちゃん・・・。」
「リナ、これだけ言っておくわ。
死のうなんて、考えないでね?」
「・・・・・わかってる・・・。死んでも、なんの解決のもならない・・・。
でも・・・悲しいよ・・・、胸がつぶれそう・・・・。」
苦しいよ・・・・
ゼロス・・・。


時がたち、日に日に私は元気になった。
ゼロスのことを忘れたわけじゃない。でも、きっと、また会えるから、それだけを信じて・・・、
今回会えたように、また、会えるから・・・、だから、その時は・・・今度こそ、幸せになりたいな。
そう願って、あなたの墓に、花を添えるの・・・。

短い間の出来事だった・・・。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
できました、なんだか長いなぁ・・・。
どっかで切った方が良かったな・・・。
あっ!新規投稿してすいません!
ゆるしてくださいぃ〜!!
ではでは、ここまで読んでくださった方、本当にありがとうです!
まだ続きありますが、呼んでくれたら嬉しいな!

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10558Re:にゃう・・・切ないっす・・・れーな E-mail 6/15-21:00
記事番号10548へのコメント

ramiaさんは No.10548「再会・第二話・―短い時間―」で書きました。

えーと。はじめまして!ですか?記憶がどーもよくわかんなくって・・・
とりあえず、れーなです。

読みました〜!
生まれ変わったらリナちゃんってば王女様なんかになっちゃって・・・vv
しかもフィリアがお付きなのか・・・
いや、確かにアメリアとかシルフィールとかはお付きには似合わないかも・・・

ドレスで馬に乗るのは・・・ちょっちムズいのでは・・・?
さすがリナちゃんって所でしょうか・・・

ゼロス君の登場〜!ナルホド。楽師ならあんまり違和感ないですね。
神官ってわけにもいかないでしょうし・・・
そしてフィリアと折り合いが悪いのは変わらない〜♪
お約束、でしょうかね。
ってことは、フィリアも生まれ変わってたりするんですかね?ルナ姉ちゃんとか。

父さんも母さんも太っ腹〜!結婚OKなんて〜!とか思ったら!
カリア!あーたなぁんてことを?!ゼロリナを邪魔するなんてっっ!!許すまじ・・・!
はう・・・切ないわぁ・・・せっかく生まれ変わったのに・・・ゼロス君死んじゃった〜。えぐえぐ(泣)
いつになったら結ばれるのかしら・・・かーいそうな2人・・・
しかし・・・ゼロス君もろいっすね〜。いやぁ、普段は何しても(?)死なないからなにやらギャップが・・・(汗)うん。ふつーならこうなんですよね。人間なら。


>できました、なんだか長いなぁ・・・。
>どっかで切った方が良かったな・・・。
長いのも楽しいですよ。
>あっ!新規投稿してすいません!
>ゆるしてくださいぃ〜!!
気にしなぁい♪
>ではでは、ここまで読んでくださった方、本当にありがとうです!
>まだ続きありますが、呼んでくれたら嬉しいな!
続き、あるんだぁ・・・
っ読みたいっ!どーなるんすか?!ふたりはっ!
気になるぅぅっ!
つーわけで。待ってますので(はぁと)
では、れーなでしたっ!

トップに戻る
10576Re:はじめましてー!ramia E-mail 6/16-17:43
記事番号10558へのコメント

れーなさんは No.10558「Re:にゃう・・・切ないっす・・・」で書きました。
>
>ramiaさんは No.10548「再会・第二話・―短い時間―」で書きました。
>
>えーと。はじめまして!ですか?記憶がどーもよくわかんなくって・・・
>とりあえず、れーなです。
初めましてです、れーな様!
感想ありがとございまーす!!うれしいですー!
記憶がわからないとな!?私もよくあります。あれ?この人会ったことあったっけ?ってのが、数回ほど・・・。
でも、れーな様は、間違いなく、はじめましてです。
>読みました〜!
>生まれ変わったらリナちゃんってば王女様なんかになっちゃって・・・vv
>しかもフィリアがお付きなのか・・・
>いや、確かにアメリアとかシルフィールとかはお付きには似合わないかも・・・
へへへ、なんかフィリアって言ったら、リナちゃんに口うるさく言ってるイメージが・・・(すみません、フィリアファンの方々)
アメリアちゃんの場合、リナちゃん親衛隊に向いてそう・・・。
シルフィールは・・・・とりあえず、そのまま巫女さんしか思いつかない・・・。
>ドレスで馬に乗るのは・・・ちょっちムズいのでは・・・?
>さすがリナちゃんって所でしょうか・・・
リナちゃんなら、乗りこなしてくれるでしょう!
っていうか、自分に得になることなら、どんなことでもやり通すでしょう。
>ゼロス君の登場〜!ナルホド。楽師ならあんまり違和感ないですね。
>神官ってわけにもいかないでしょうし・・・
はい、神官じゃ、前世と同じですからね。
それでは芸(?)がないなぁ〜っと思いまして。
>そしてフィリアと折り合いが悪いのは変わらない〜♪
>お約束、でしょうかね。
>ってことは、フィリアも生まれ変わってたりするんですかね?ルナ姉ちゃんとか。
はい、生まれ変わっちゃってます。
でも、この二人はいつ死んだのかが謎ですよね。なんせ、図太そうなお方達ですから・・・。(あっ!!なんか、背後から殺気が!しかも二人分!?)
>父さんも母さんも太っ腹〜!結婚OKなんて〜!とか思ったら!
>カリア!あーたなぁんてことを?!ゼロリナを邪魔するなんてっっ!!許すまじ・・・!
そうなんです!ここでオリジナルキャラクターのカリア君がぁぁぁぁあ!!
本当はフィブリゾにしようかなぁっと、思ったんだけど、そこまでそろうと怖いかな?っという考えが、
>はう・・・切ないわぁ・・・せっかく生まれ変わったのに・・・ゼロス君死んじゃった〜。えぐえぐ(泣)
>いつになったら結ばれるのかしら・・・かーいそうな2人・・・
>しかし・・・ゼロス君もろいっすね〜。いやぁ、普段は何しても(?)死なないからなにやらギャップが・・・(汗)うん。ふつーならこうなんですよね。人間なら。
はい、魔族じゃないので、こてり、と、死んじゃいました。
ここで生きながらえたら、人間じゃないもの・・・。
>
>>できました、なんだか長いなぁ・・・。
>>どっかで切った方が良かったな・・・。
>長いのも楽しいですよ。
そう言っていただけると嬉しいですわ!
>>あっ!新規投稿してすいません!
>>ゆるしてくださいぃ〜!!
>気にしなぁい♪
なんだかそろそろこの前のが沈みそうだったから、新規投稿しちゃったんだよね。
そしたら、今日見たら、本当に沈んでました。良かった・・・新規投稿にして・・・。
>>ではでは、ここまで読んでくださった方、本当にありがとうです!
>>まだ続きありますが、呼んでくれたら嬉しいな!
>続き、あるんだぁ・・・
>っ読みたいっ!どーなるんすか?!ふたりはっ!
>気になるぅぅっ!
>つーわけで。待ってますので(はぁと)
>では、れーなでしたっ!
ふふふふ、どうなるでしょうね〜。
それは私の心しだい〜。
ではでは!感想本当にありがとでしたー!

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10561Re:切ないです…tsubame E-mail 6/15-23:03
記事番号10548へのコメント

 こんにちは、tsubameです。また、読ませていただきました。

 愛し合っている二人なのに、運命が悪戯に邪魔をして悲しいです。幸せを掴んだと思っても、すぐにどこかに行ちゃっう。なんか、二人の運命を表わしているようで…。でも、家族に反対されなかったのは嬉しいです。それにしても、カリアはひどいことしますね。ゼロスを殺してしまうなんて…。

 第一回目の再会とは、まだ続くんですよね?それもまた、悲しい再会なんでしょうか…?できたら、最終的には幸せになってほしいです。

 ramiaさん、続き楽しみにしております。がんばって下さい。短いですが、これで。では、tsubameでした。

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10577Re:悲しすぎたかな?ramia E-mail 6/16-17:50
記事番号10561へのコメント

tsubameさんは No.10561「Re:切ないです…」で書きました。
>
> こんにちは、tsubameです。また、読ませていただきました。
いつもありがとでーす!!感想、心して読ませていただきますわ!
> 愛し合っている二人なのに、運命が悪戯に邪魔をして悲しいです。幸せを掴んだと思っても、すぐにどこかに行ちゃっう。なんか、二人の運命を表わしているようで…。でも、家族に反対されなかったのは嬉しいです。それにしても、カリアはひどいことしますね。ゼロスを殺してしまうなんて…。
そうなんです!サブタイトルのように、短い時間しか、幸せが続かなくて・・・。(そのくせ長くなちゃって・・・)
そう!カリアがひどいんですー!!オリジナルキャラのくせに!!(自分で書いたくせに!!)
> 第一回目の再会とは、まだ続くんですよね?それもまた、悲しい再会なんでしょうか…?できたら、最終的には幸せになってほしいです。
う〜ん、二回目の再会・・・。私的には、ハッピー!にしたいんですけど、どうなるかしら・・・、途中で変更したこと何回あることか・・・。
> ramiaさん、続き楽しみにしております。がんばって下さい。短いですが、これで。では、tsubameでした。
ではでは!これで!ramiaでした!