◆−Positive Girl 第八楽章−浅島 美悠(6/16-19:12)No.10580 ┗Positive Girl 第九楽章−浅島 美悠(6/16-19:13)No.10582 ┗Re:Positive Girl 第九楽章−天海鳳凰鳥(6/17-16:06)No.10604 ┗Re:天海ちゃん(はぁと)ですわっ♪−浅島 美悠(6/18-17:49)No.10615
10580 | Positive Girl 第八楽章 | 浅島 美悠 | 6/16-19:12 |
「……おい、そこにいるのっ!」 暗闇の一角。 それでも、青髪は映える。 「いるんだろ? 出てきやがれっ!」 「残念ながら、いるのは僕だけなんですぅ〜」 リヴアの怒鳴り声と殺気に少々押され気味の、テナーが響いた。 死神の青年──といえばいいだろうか? 自分の倍もある大鎌を易々と担ぎ上げ、無邪気な笑みをたたえている。 長い髪も、特徴のない瞳も、着ている服さえも、黒一色である。 「ちっ……何か用かよカイエル。まさか…また姉キから言伝てくらったのか? それとも他になんかあんのか? あン?」 「あっ…あの……用件言いますから……っ…ぐびじめないでぐだざいでずぅぅ〜………」 涙目で懇願する青年。 けっと面白くもなさそうに吐き捨て、リヴアが手を放す。 「えーっと…クリルさんからは、『あたしのごきぶり下僕がリナ・インバースと会いたがってるから、返してくれない?』とのことです。 それと……レイクルさんのことですけど…」 「……あいつがどうかしたのか?」 ゴゴゴゴ…と擬音の看板が、後ろについていそうな雰囲気で、リヴアが振り返る。 びっくぅぅっっ! と身をすくめるが、ここで言わないとあとでもっとイタイめに会わされるのがオチなので。 「『オモチャに飽きたら、また来い。いつでも相手になるぞ』だそーです」 ぷちきっっっ。 「ンだとぉぉぉぉぉぉっっ!! あンにゃろー! 根性ひん曲がってんなぁ二千年前から変わってねえじゃねーかぁぁぁぁっ!!」 「に、にせんねん……?」 「モノのたとえでぃっ!!」 びっ! と指を突きつけ黙らせる。 「………にしてもよぉ…なぁ〜んか気に食わねぇなぁ…『返せ』だぁ? なんで姉キもてめえも、あまつさえはあの方さえ、あんなチビに執着すんだよ」 「…実際会ってみれば、わかりますですよ。 滅びる事に執着する僕たちには、とうてい理解しかねないんですけど…」 す、と遠い目をして、カイエルは続ける。 「あの方は、ただ面白いんだそうです。 で、僕は……そうですね。面白いといえばそうですけど…。 力を持っているんですよ。僕たちほどの存在を引きつける、何かを。 それをつきとめたい、かな? ちなみに、クリルさんもそうだと言ってましたです」 「……………。ただのチビだろーが」 呟いて、ふんっとそっぽをむく。 その子供のようなふくれっ面を見て、カイエルはにこ、と笑った。 「嫉妬してるんです?」 「はっっ??」 リヴアが向き直る。 「義姉のクリルさんも、僕も、みぃ〜んな小さな人間なんぞに構って、自分は仲間外れ。 それがつまらなくて、嫉妬してるんです? という意味です(はぁと)」 「…………」 「? どうかしましたです? リヴアさん?」 「……ンの………」 「はい?」 ぐぉっっ!! 「馬鹿男ぉぉぉぉぉっっ!!」 ぎゅおぅっっ!!! 「あ〜〜〜〜〜〜〜れ〜〜〜〜………」 情けない悲鳴を残し、カイエルは次元の歪みに飲み込まれて行った。 「……けっ…。いっその事、素粒子レベルまで分解してやろーか…」 白布に縛られた青髪をぴっとはねる。 「………会ってみれば、か」 ……あいつらにそこまで言わせるほどの、存在。 「………ただの、ドングリ目玉の俎胸の…チビガキだろーが…」 ………………ま、これにもちっとばかし飽きてきたし。 趣向を変えるのもいーかもな…。 原形を留めていないうさちゃん時計を、少女がいじくりまわしていた、少し前のお話。 第八楽章・了 |
10582 | Positive Girl 第九楽章 | 浅島 美悠 | 6/16-19:13 |
記事番号10580へのコメント 「リナっ!? おい、大丈夫か!?」 あいつの緊迫した声が聞こえたが、情けない事に、あたしはそれに答えられない。 頭が……割れるように、痛い………。 ────問うぞ。 だ……れ……。 ────貴様は今、我の創った空想世界の中に在る。 覚えていないかもしれぬが……貴様はこれまで、死んでも可笑しくない時を過ごしていた。 何時、寝首を叩かれるか。 何時、腸を引き裂かれるか。 何時、その一つしかない命を失うか。 可笑しくない、時を、過ごしていたのだ……。 「だっ………から、な………にょ……お……」 舌が上手くまわらない。 頭がハンマーで殴られているようだ。 ────それでも、貴様は帰りたいか? また戦い、生きて、足掻く世界に在りたいのか? 一瞬、逢花や、クラスメートの顔が浮かぶ。 美月 利菜。星涼学園の高一B。明後日で十七歳。 それが──あたしのすべて。 でも………。 「にげる……やぅ…や……だっっ…から!!」 ずきぃっっ!! 「っっっ!!」 一層痛みが増し、声にならない叫びを上げる。 「……大したものだ…。我の瘴気を受けてまだ平気とは…」 今度は、頭でなく耳に直接響いた。 途端。 ぴしっ。 ぱりぱりっ! ぴきぴしっ。 ヒビが入る。 まるで、鏡のように。 そして、周りが鏡のごとく。 ぴきぴきぴきっ! ぎゅっと強く強く抱きしめる、華奢な腕。 あたしはそっと、その腕に手を置く。 さっきの頭痛は、いつの間にかひいていた。 ぱぁぁぁん……。 割れたあとは、ただ一面の闇。 そして、あたしと、あいつと……。 見知らぬ蒼い髪の、女性。 「ふむ……。そこの男。我が何者か、知っているようだな」 草色の瞳を、あたしの後ろのあいつに向ける。 「……魔族──しかもかなり高位の…だろ?」 「なるほど。最も最適な返答だ」 何かを確認しながらこくこくとうなずく。 まぞく? 『全ての生きとし生きる存在の天敵っ! 百害あって一利なしっ!』 ………だったっけ…? あの夢の女の子、そう言ってたけど…。 「さて。それは置いておくとして、先ずは自己紹介と行こうか。 我はリュヴラリグドゥ。 貴様等が、『蒼穹の王(カオティック・ブルー)』と呼んでいる存在(もの)だ」 り……りゔ…? 早口言葉かこりわ? あたしは内心そう思ったが。 口に出して言う気にはなれなかった。 背後で、あいつが思いっきり動揺しているのを感じたからだ。 「リナ・インバース。もう一度問う。貴様は、死に急ぐ状況の己を選ぶか?」 こく、とあたしは無言でうなずく。 「…………わからぬな…貴様という人間が。普通なら、否を唱えるものなのに」 ほうっとため息をつく女性。 「まあいい……。なら、言ってみよ。貴様を追ってきた男の名を」 ………はい? 追ってきたって……こいつしかいないけど…? 「レイ……いや、あの者と同じ思考を以ているというのならば、そやつは貴様に名を教えてはいないはず。おそらく、思い出すまで待っていたのだろう?」 無言は、肯定の意。 どこかでそんな言葉を聞いた事がある。 「言うがいい。其の名を。さすれば、帰してやる」 女性はそう言うと、獰猛な笑みを浮かべた。 第九楽章・了 |
10604 | Re:Positive Girl 第九楽章 | 天海鳳凰鳥 | 6/17-16:06 |
記事番号10582へのコメント どうもーーーー!!!! お久しぶりの天海ですぅぅぅぅ! この間もどうもでした。 あのー、私のことなんですが、天海ちゃんで良いです。 仲間内でもそれで通ってるんで… マイナーですが、ゼルリナ!頑張って下さい!応援してます! |
10615 | Re:天海ちゃん(はぁと)ですわっ♪ | 浅島 美悠 | 6/18-17:49 |
記事番号10604へのコメント 天海鳳凰鳥さんは No.10604「Re:Positive Girl 第九楽章」で書きました。 > >どうもーーーー!!!! >お久しぶりの天海ですぅぅぅぅ! はいはいはぁいっですわ! こちらこそ、レス遅くなりましてでーすわ。 >この間もどうもでした。 いいえ、ですわ。ゼルリナの小説、今か今かと楽しみにしています。 >マイナーですが、ゼルリナ!頑張って下さい!応援してます! がんばりましょうですわ! でゅわ〜。コメントどーもですわ。 とぅるらった・とぅるとぅる・らったっ♪ っと。 Miyu Asazima |