◆−I.N.Y(I NEED YOU)〜希望〜−CANARU(6/28-22:08)No.10748
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10748I.N.Y(I NEED YOU)〜希望〜CANARU E-mail 6/28-22:08


無事!!「きまま〜」の第15回をお送り致します!!
はあ・・長かった〜〜(涙)
***********************

ルクセンブルク公国・・・。
ヴィスマルクの小ドイツ主義に流される事も無く現在まで中世の諸侯のドイツ主義を
通している国である。
「リナ・・・あれ・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・。真坂・・ね・・・・。」
その公国に到着した矢先だった。
イタリアのナポリ、シチリアを統べる『合法的』なマフィア『カタート』
の若き総帥、ゼロスの妹にしてシエナの女子大学を主席、特待、飛び級で卒業。
更に言えば7ヶ国語、古代ギリシャ、ラテン語を解してヘッドハンティングの絶えない人物・・・。
そう言えばこのリナしか世間では思いつく事が無いほどの有名人である。
「おやおや〜〜・・。じゃ、僕は失礼しますよ。リナさん。」
何やら眺めているガウリイとリナにゼロスが不意に語り掛けたのはその時だった。
「え・・・?ちょっと何処行くのよ!!馬鹿兄!!」
「まあ〜〜・・。ヤボ用って奴ですよ〜。」
何やら額に汗を浮かべながらゼロスが言う。
「ちょ!!何処行くんですか!!ゼロスさん!!」
アメリアの声ももはや虚しく・・スッタカタッタ〜〜と何処かに行ってしまう
ゼロス・・・。
「ったく・・。厄介事を押し付けおって・・・。」
溜息混じりにゼルが言う・・・・・。


ルクセンブルク公国の『フレイの騎士団』旅団長・・・。
即ちガウリイとその弟ガストンの父親が失踪してどのくらいたっただろう?
「一体・・・・水面下で何が起こっているのか・・。把握する事が第一ね。」
そう思ったルクセンブルクへ入国したのがつき先日の事だった。
「・・・・・そうですね・・・・・・・・・・。」
何時も小生意気にガウリイにたてつくガストンも心なしか少々元気が無い
ように思われた。
「でもよ・・リナ・・。ナンでゼロスは『コレ』を見た途端に逃げる様にどっか
いっちまったんだ・・・?」
父親の失踪・・と言う事態にも関わらずガウリイはいつもと変わった様子は無い。
「あんた・・・。お父さんと仲悪かったの?」
何と無く聞いてみる。
「・・・良い・・って言うと・・嘘になるな・・・・・。」
アッサリと言ってくれる所がガウリイらしいのだが・・・。
「冗談はさておき・・・。」
言いながらリナは古城の一角に在る石碑の紋章を見遣る。
「同じだ・・・・・・・・・・。」
リナの手にした金色の彫刻の施された小さなカプセル・・・・・・・・・。
『ルクセンブルクの秘宝』を覗き込みながらガウリイ。
もともとはこの『ルクセンブルクの秘宝』はリナと同名の失踪した16世紀
フランス・・ヴァロア王朝の『リナ』と言う王女の持ち物だったと言う。
「・・・・・・。まあ・・もともとルクセンブルクは一時的にフランス領だった歴史もあるし・・・・・・・・。」
そう考えれば繋がりの無いわけではない。
石碑の紋章とまったく同じ・・この印籠の紋章・・・・・・。
「何を意味するのかを知る必用がまず第一ね・・・・・・・。」
旅団長の失踪・・そしてリナとこの秘宝を狙う組織「ミッドガルズ」についても。


そもそもルクセンブルク公国の歴史は複雑である。
フランス、ドイツ間の領土を転々としたことも去る事ながら・・・。
何よりも一時期「ベルギー領リュクサンブール」と「フランス領」の
ルクセンブルクに分かれて近代に入ってようやく独立国家の形成を成した事。
あなりにも小国なのでヨーロッパ諸国に人間ででも無い限り
あまり親しみの無い国家である・・・・。
「リナさん・・。もともと貴方は・・この公国の王家の一員・・なんですよね・・・」
別働隊として行動していたアメリアとゼルが約束の場所・・。
ちょっとした道路に面したオープンカフェにてガウリイ、リナ、ガストンに
合流したのは昼食時の事であった。
「らしいわね・・・。」
『フレイの騎士』騎士団であるガウリイの話しによればこの公家の一族の
幼いときに誘拐された姫がリナ・・・だそうなのだが・・・・。
「それが・・・。ど〜してゼロスさん率いるイタリアの・・・。
まだしも『合法的』とはいえマフィア組織の次女・・なんかになってるんです?」
・・・・・・・・・・・・・・・。
そういえば・・・。余りにも日常の事と化していたので・・・。
全然アメリアに言われるまで気がつかなかった事柄である。
「そういえば・・・・・・・・・。」
リナが思った事を言いかけたその時だった・・・。
「ちょっと〜〜君たちも来てたわけぇ〜〜〜??」
不意に聞こえる見知ったイヤ〜〜〜〜〜〜な声・・・・。
「おい・・・。リナ・・コイツ・・・・・。」
さしものガウリイも『実態』を何度か出会って悟ったのだろう・・・。
「ぎゃああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
アメリアが絶叫をあげて喉に飲んでいたコーヒーを詰まらせる・・。
「悪夢だ・・・・・・・。」
ゼルまでも額を押さえてテーブルに突っ伏す・・・。
「アンタはああ!!自称『超絶美形!!』イギリス貴族と日本人のハーフ!!
銀髪のナルシストのアブな系の・・・更に言えばロクデナシの・・・。
アタシの中学時代の同級生!!!!」
「氷(ヒョウ)だな・・・・・・・・・・・・・。」
リナの絶叫にゼルの沈んだ声が重なる。
「すげえ〜〜・・・。真っ赤なフェラーリ乗ってるぞ・・。しかも・・。
お抱え運転手着き・・・。」
さらにガウリイ・・未だに復活できないアメリア・・・・・・。
「あの〜〜〜・・。氷様ぁぁぁぁぁぁ・・。アタシ・・まだ免許持ってないんですけど〜〜〜・・・。」
泣きながら氷に下僕であろうお抱え運転手の20歳くらいの女が訴える。
「安心したら、下僕。外国は日本よりか交通規制が緩いし〜・・・。
ど〜せ何かあっても逮捕されるのは君であって、僕では無いからね〜♪」
「そんなああああ〜〜〜〜〜〜・・・・。」
シクシクト下僕が泣き出している間にこの悪行の数々を目撃したからであろう。
不意にアメリアが復活しビシイイイイイイイ!!!と氷を指差して・・。
「氷さん!!貴方は間違っています!!」
やおらビシイイイイイイ〜〜〜〜〜!!っと氷を指差して言う!!
「何が〜〜〜♪」
まったくもって相手にしている様子すらなくお茶を入れてのみ出す氷。
「貴方のような悪人は!!真っ赤なフェラーリで登場するのは法律違反です!!
悪人の登場は黒塗りのベンツかロールスロイス!!そう決まっているものです!!」
「・・まあ・・確かに・・。イタリアのフェラーラ原産のフェラーリよりも・・・。
イギリス貴族の氷はロールスロイスが似合っているとは思うが・・・。」
アメリアと共に論点がずれたことを思うゼル・・・・。
「ふ〜ん。僕が羨ましいからってそ〜言うんだね。まあ・・今日は僕、
君たちにかまってる暇ないんだよ。じゃ〜〜〜ね・・・。」
そうとだけ言って早速下僕に運転をさせる氷・・。
「無免許運転がばれて・・強制送還されなきゃ・・って・・。
強制送還された方がこの国のためにはなるわね・・・・。」
何と無く・・みぃ〜〜〜んと言った気分でリナ。
「で・・・。お前はど〜するんだ?リナ?」
「・・・・・・。とりあえず・・。『アタシが産まれた』場所とやらに連れていって
もらえる?ガウリイ。」
ココでこうしていても無駄にコーヒーやケーキをお代わりしているだけである・・・・。


「今は・・もう廃屋になっているんです。
貴方のご両親は貴方が誘拐されて以来・・。」
「この家には居辛くなったんだろうなあ・・。以後、俺もガストンも本家の公家付きの
騎士になったんだ。」
リナを生家に導きながらガウリイとガストン兄弟がそう言う。
「へえ・・・・・・。」
ローマの「エステ家の噴水」を擬した巨大な噴水が庭に在る。
「綺麗な所だったんですね・・・・・。」
感心した様にアメリアが言う。
「そうね・・。確かに『綺麗』ねえ・・。アタシが産まれて誘拐されて・・・。
約18年間廃屋だった・・と言うのに?」
「・・・・・・・・・。人の気配こそは無いが・・。確かに手入れは行き届いている。
ガウリイ・何か知らないのか・・・?」
「ここは・・長い事出入り禁止でしたから・・・。」
ゼルの問いかけにはガウリイではなくてガストンが答える・・・。
「リナ・・・・・・・・・。」
「ええ・・・。間違い無いわ・・・。お願い、私一人で行かせて・・・・。」
言うが早いかさっさと歩き出して物陰に消えていくリナ・・・・。


「どう言う事なの・・・?」
リナはその人物に問いかける・・・。
「リナ・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
感情の篭らない声・・・。更には後姿しか見せつけるつもりの無いその頑なな
態度・・・。一度は赦した・・と自分の中でも整理がついていた気持ちが再び
憎しみに曇り始めるのをリナは全身の感情で感じる。
「庭を・・綺麗にしていてくれた事・・それに・・。この秘宝を
私にくれた事は感謝するわ・・・。でも・・・。」
この人が『フレイの騎士団』の旅団長の失踪に、強いて言えばリナ自身の誘拐に深く
関与している事はハッキリした。
「・・・・・許して・・・・・・・・・・。」
その人物はそうとだけ呟く・・・。
「ならば・・・何故『関与』するのよ!!」
この一件が・・『彼女』の意思で無いことだけは確かである。
「・・・・・・私は・・・・・・・・・・・・・・。」
『フレアの騎士団』の正装に身を包んだ彼女はようやく・・視線こそ直視
しやしないが・・リナの方を向いて呟く。
その腰には剣までも括りつけられている。
「ガードルード!!!??」
懐からかつての継母が取り出したものは・・・・・。
やはり『フレアの騎士団』の紋章を入れた短銃・・・・????
「私を・・・許して!!!」
引き金が引かれてその銃弾が此方に飛んでくる・・・・・???
逃げ出したいにも体が言う事を聞かない・・・・・?
「これまで・・・・・・・・・・・・!!!??」
リナがそう思ったその刹那だった・・・・・・・・・。

がしゃああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああんん!!!!
「!!ガウリイ!!!」
「おいおい・・。心配してきてみれば・・。本気で心臓が止まるかと思ったぜ?」
ガウリイの投げた小石が見事にガードル―ドの右手に直撃したらしい。
「く・・・・・・・・。」
小さくうめき声をもらして彼女は拳銃を取り落とした。
「・・・・・すべてを知りたければ・・・・。『ルクセンブルクの迷宮』
へいらっしゃい・・・・・。」
もともと何者かにリナを仕留めそこなった時の指示を受けていたのだろう。
そうと言い潔く引き上げて行くガードルード。
「リナ・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。行きましょう・・・。ルクセンブルクの・・・。」
迷宮へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「そうですか・・。其処まで指示を受けたんですね。まあ・・みすみす罠に
飛び込んで行くだけ・・と言う説もありますが・・・。」
昨日のオープン・カフェに今日はゼロスも加えての事。
「俺もあんまり賛成は出来ないけど・・。ソレ以外に親父達の手掛かりは
無いって訳だね?」
ガストンは相変わらず元気が無い。
「ええ・・。でも・・・。アタシの生家・・更にはミッドガルズ・・・。
ルクセンブルク公家に騎士団・・。一体ナンの関係があるの?」
兄のゼロスを睨みながらリナ・・・・。
「それは、秘密で・・」
クリームソーダを飲みながらゼロスが言いかけたその時だった・・・。
がしゃああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああんんんんんんんん!!!!
「嘘!!!?」
とっさいにガウリイに抱えられながらテーブルの下に誘導されるが・・。
その熱風と化した爆風はとても耐えられたものではない。
偶然通りかかった小型のトラックの装甲が剥がれ落ちて道端に舞い散る。
更にはカフェの窓ガラスやレンガまでもが細かい瓦礫と化している???
「街中でバズーカ―ぶっ放してるアホたれが居る様だな・・。」
こんな状況だと言うのに妙に落ち着いた声でガウリイ。
「良く平気ねえ・・・。」
バズーカ―の一言にリナの頭の中には戦争映画の戦車の装甲
すら破壊するあのシーンが思い描かれているのに対してまったくもって
ガウリイは平然・・なのである。
「まあ・・。ナンとかなるだろ・・?」
「・・・火炎放射器でもアンタが持ってるんならね。」
こんな皮肉ともジョークともつかない言葉が出るとは・・。
まだまだ余裕が多少ながらあるのかもしれない・・とリナは自分の事を苦笑する。
「そこ!!笑い在ってる場合じゃありません!!!!」
さしもに此方は切羽詰った口調でアメリア。
「まあ・・・確かに・・・・。」
今としては此方に一理ある・・・。どうする・・・・????
「ちょっと!!『ワルキューレの騎士団?』多分・・フレイかフレアの方だと思うんだけど・・。
馬鹿な騎士団達が民間人を巻き込んでおお暴れしてるんだけど?ついでに言えば
僕のフェラーリも装甲イカれちゃったんだけど〜?出動するついでに弁償してくれない?」
不意に聞こえる・・恐らくは警察に出動を要請するかのように電話をかけている声・・。
それも・・見知ったもの???
しかし・・・彼の放った『ワルキューレの騎士団』の言葉に恐れをなしてだろう。
テロリスト・・と見せかけてリナ達を攻撃していた一団はゾロゾロと逃げて行く。
「・・・・・・・・・・・・・・ちょっと・・。テーブルの下になんか何時までも
居ないで・・。僕にお礼の一つくらい言って欲しいもんだね・・。」
傲慢に言い放つ銀髪の美形・・・・・。
『ひょ・・・氷!!!?』
「氷様!!だろ?」
あいも変わらず小生意気な口調で言う宿題に苦悩するこの高校生は・・・(汗)


「別に僕は君達を助けたかったわけじゃないからね。」
とりあえず混雑したオープン・カフェを離れて別の場所に移動したその時だった。
開口一番「恩を着せようとしている」と言う訳でも無さそうに氷は1一同に言う。
「そりゃ〜〜まあ・・。お前サンの日頃の行動見てれば『人を助ける』な〜〜んて
親切な行動パターンの嗜好回路を持ち合わせてるようには見えないが・・・。」
今日ばかりはもっともなことを言うガウリイにリナ&ガストンも大きく頷く。
「・・・・・嫌味かい・・・?まあ、別に君達ごときに評価されよ〜が
されまいが僕には実害は無いけどね。」
・・・・・・・・・相変わらずいやな奴。
恩が無ければこの場で殴り倒してやるのだが・・・・。
「所で・・氷さん・・・。ナンで『ワルキューレの騎士団』の存在を知っていたんです?」
何やらヒ〜ヒ〜言いながら逃げ出そうとするゼロスを押さえつけながらアメリア。
「フレイ」「フレア」のルクセンブルクの両騎士団・・。
その存在はまあ、世間の「知る人なら知る」程度にその存在を公開はされている。
しかし・「ワルキューレの騎士団」に至ってはその存在は「極秘」とされているのである・・。
「・・・・・・・・。僕の兄はね・・・。ワルキューレの騎士団の平だったんだよ・・。
もっとも・・フレイの騎士団連中に殺られちゃったけどね。
何時か恨みを晴らそうと思ってた・・。それだけだよ。」
面倒くさそうに氷が言う。
「フレイの騎士団が・・・・・・・???」
馬鹿な・・とでも言いたげな顔でガストン。
「大丈夫よ、ガウリイ。ガストン。氷の事だから・・あの女が率いる
『フレア』と間違えただけでしょうし・・・」
リナが言い終わったが、ガウリイとガストンがその言葉に返答する前に・・・。
「所でさあ〜。ナンで君達。『ワルキューレの騎士団』の
副旅団長と一緒になんか居るわけ?」
不意に氷の放った一言に先程の言葉は忘れ去られる。
「へ・・・・・・・・・?だ・・誰が・・・・???ナンです?」
思いっきり引きつった笑いを浮かべながらゼロスが氷に言う。
「君、馬鹿?君自身の事だよ?ワルキューレの騎士副旅団長。確か・・
旅団長の名前は『ルナ』とか言う君の双子の妹だっけ〜〜〜??」
しいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんんん・・。
辺りの空気が凍りつく・・・。
「ど〜〜ゆ〜〜〜事よおおおおおおおおおお!!こんな馬鹿兄〜〜〜〜〜!!」
リナの絶叫・・・・・・。
僕には関係無いね ・・と逃げ出す氷・・・。
そして・・・・・。
「全部吐け〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
何時に無くエキサイトするガウリイの姿が其処にあった・・・・。


「その印籠の紋章は僕達『ワルキューレの騎士団』の刻印なんですよ。ハッキリ言わせて
頂けば・・。『カタート』なんて合法マフィア組織は実在すらしない事になります。」
ゴホゴホとせき込みながらゼロスが辛うじて言う。
「・・・で・・。それをど〜してあたしが持つハメになったのかしら?」
ブツブツ言いながらリナは更に詰め寄る。
確かに産まれてこのかた18年間育った環境が「架空」の物でしかなかった。
そう言われてショックではない人間は居ないだろう。
恐らくルクセンブルクのリナは
『無理やり生まれた手の頃にワルキューレの騎士団によって失踪させられた』としか考えられない・・・・・・・・・。
「まあ・・・『秘密』が託されているんですよ。それ以上は僕にも分かりません。」
「・・・そ〜なると・・。だな、リナ。」
「そうね・・。ガウリイ・・・。」
『ルクセンブルクの迷宮』に行くしかないのだろう。


「本当に二人だけで大丈夫なんですか?」
アメリアがガウリイとリナに聞く・・・・。
「ええ・・・。」「大丈夫だ・・・。」
どうこうよりも・・。
リナもガウリイも今回の事件にはおおいに産まれながら関わってしまっている事は確かである・・・・・。
今は後ろを振り返らないで行くしか方法は無いのだ・・・・・・・・。


「やっぱり・・・・・。あの子は来たようです・・・・。」
沈痛な面持ちでガードルードは伝える。
「そうか・・・・・・・。まずは・・連れて来い・・・。」


「お????」
一直線の廊下以外に統べての電灯が消される。
それに反応したガウリイが不意に声を漏らす。
「・・・ご招待・・と言うわけのようね・・・。」
この照明のついている所を進めば・・・目的の場所に辿りつける、と言う訳である。
「・・・・。待て!!」
リナが進行しようとするのを半歩下がってガウリイが止める。
「何・・・・・・・・・・??」
ビンゴ・・・・・・。ガウリイが止めてくれなかったら・・・。
一応殺気こそは無いものの下手をすれば隠し持っていた飛び道具で・・。
などという展開も考えられなくも無かった・・・。
漆黒の多少女性風にアレンジされた19世紀風の軍服。
腰に煌くのもやはりクラシックな短剣とサーベル・・・。
淡いブロンドの髪に薄い蒼い瞳・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「ガードルード・・・・。」
フレアの騎士の女旅団長・・・・。
「兄上の命令です・・。貴方方を迎えに来ました。」
どうやら攻撃を仕掛けてくる様子は見うけられない。
「行こう・・・。リナ・・・。」
少なくとも彼女の「兄上」とやらのところに行くまでは無事は保証
されたようなものであるあ・・・。
その事を悟ったガウリイがリナとガードルードの間に立つような形で置くの部屋にへと
進んで行く。


「兄貴・・・・・・・・・・・。」
暗い部屋に入った寸前飛び込んできたヴィジョン・・・・・。
傷つき・・両手を縛られたガストン・・・?
「ガストン!!!」
彼もガウリイ程ではないにしてもなかなかの使い手ではある。
それがいとも簡単に「人質」と言う状況下に置かれている・・・?
「リナさん!!フレイの騎士は・・騎士団なんかじゃない!!犯罪結社
のミッド・・・・・・・・がっふ!!!!」
言いかけたガストンに恐らく麻酔銃であろう・・・・。
鈍い発砲の音と共に僅かに寝息をたてて倒れるガストン。
「ガストン!!!」
叫んで駆けですリナに2発目が放たれるが、難無く巨大なエンタシスに身を潜める
リナ!!
「おいおい・・・・・・・。」
何時の間にか彼女に追いついたガウリイが同じ柱の影で安堵した声を漏らす。
「言ったでしょ?あたしも一応プロだって。」
まあ・・・確かに・・・・・・・・。
「・・・。お前も・・来てしまったようだな・・・・。ガウリイ・・。」
死角になっていた地点から声が聞こえる・・・・。
「『ミッドガルズ・・・????』」
その声の主が手にして居る紋章は・・・まさに犯罪組織『ミッドガルズ』のそれである事は疑いが無かった・・・・・・・。
が・・・・・・・ガウリイの反応が無い?
「ガウリイ・・・?」
ガウリイはリナの声を聞いている様子は無かった・・。
ただ・・呆然として・・こうとだけ呟く・・・・・・・・・。
「親父・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「ガウリイ!!ガウリイ!!」
リナはガウリイをペシペシと引っ叩きながらようやく我に返らせる。
「リナ・・・・・・・・・・・。」
その瞳には困惑・・更には怒りが入り混じっている。
「・・・・ガウリイ・・・・・。」
リナは顔の表情だけで訴える。
『選ぶのは・・・貴方次第だよ・・』とだけ・・・・。


「兄上・・・・。」
不意に現れたガードルードが兄・・・フレイの騎士団旅団長の・・。
いや・・『ミッドガルズ』の総帥のもとにへと歩み寄る。
「・・リナ王女の抹殺には『継母』として数年間傍にいながらも失敗したようだな・・。もっとも・・あのいまいましいゼロスとルナが居たのだから致し方あるまい。しかし・・
今度の失敗は許されない。」
言いながらミッドガルズの総帥はガードルードに拳銃を渡す。
「リナ王女共々・・。私の二人の馬鹿息子も消せ!!」
やおら冷徹にそうとだけ言い放つ・・・。
明らかにガードルードの心は彼に反目している・・。
だが・・・彼女は遭えて銃を握り・・・ガストン、ガウリイ・・そしてリナの方にそれを向ける。
「・・・・許して・・・・・・・・・・・・。」
既にその言葉をガストンはショックの余り聞いている様子さえ無かった。
恐らく・・表情こそは見えないが・・ガウリイも・・・・・・・・・。
リナがそう思った矢先だった・・。
「アンタ・・。親父には確実に反目しているだろ?なのに何故コイツの悪事に荷担する?
何故・・俺達はもとよりもリナにまで!!!」
確実に自分の「意思」を持ったガウリイの声・・・。
「・・・・・無駄よ。ガウリイ・・。」
その声に勇気付けられてか・・?リナ自身も戦闘モードの口調に既に切り替わっている。
「共存症候群・・・。いわゆる恐ろしい精神的依存症・・・。特に責任感が強かったり寂しいのが嫌いな人間が陥る症状なのよ・・。その人は・・。」
それがココまでとは・・・。
流石に冷や汗を禁じえないのだが・・・。
「と・・言うと?」
「家族の誰かが暴力を振るうとするわね?それを『この子が・・この人が頼れるのは自分だけ!!』と思って徹底した措置をとったり・・暴力に逆らえなくなるのよ。
そ〜なると・・その暴力行為がエスカレートする事は目に見えてるわ。その悪循環。いわば・・ガードルードの精神は・・兄貴・・アンタの親父の操り人形なのよ・・・。」
「厄介だな・・・・・・・・・・。その前に・・何故リナを狙うか・・ルクセンブルクの秘宝を狙うのか・・。教えてもらおうか・・・・???」
時間を稼いで攻撃体勢に転じるためか・・・?
「簡単な事だ。その娘の家系は代々に我等が騎士団を潰そうと
たくらんできた家系だ!!
その秘宝には・・何百年も昔の我々騎士団を潰滅させる作戦の
『キーワード』が示されている!!それをワルキューレ騎士団の旅団長一家に育てられたこの娘が!!」
たかだか騎士団の潰滅作戦のためにここまでヤケになるだろうか・・・?
「確かに・・派閥争いや利権争いは日常だが・・・。」
「そんな単純な事じゃないわね・・。」
ガウリイの考を中断させるかのようにリナは言う。
「じゃあ・・。どう言う事だ・・・??」
「『フリーメーソン』・・即ち『裏』の政治的秘密結社よ!!違う?」
フリーメーソンとはもともとは中世イングランドの同業組合に端を
発している組織である。が、17世紀以降その勢力は飛躍的に増長し・・・。
ついには現在に至るまでヨーロッパの知識人、政治家、王家の者
はかならずこの裏の組織に入会している・・とまで言わしめている『裏』社会である・・・。
「かのモーツアルトも・・オペラ『魔笛』でフリーメーソンの秘儀を書いたために・・。
抹殺された言う話もあるわ・・・。嘘か本当かは知らないけど・・・。」
その屋台骨である『フレイの騎士団』が奪われる事・・。
『ミッドガルズ』の隠れ蓑がはがされるのは都合が悪いのだろう。
思わず脂汗が額に浮かぶ・・・。
「下らない事のタメに・・だな・・。どちらにしても!!」
言うが早いかガウリイは恐らくガストンが持っていたものであろうあ。
『フレイの騎士団』の紋章が入ったサーベルを抜き放つ!!
「ガウリイ!!!!」
リナが叫んだときは既に遅し!!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
雄叫びを上げてガウリイは敵・・・かつては父親であった人物に
突っ込んで行く!!
「お前が私に勝てるとでも!!!」
一方的に傷つけられるガウリイ!!が、決して退こうとはしていない!!
「兄貴!!!!」
目を覚まして駆け出そうとするガストンをリナは押し留める。
「見ましょう・・決着を・・・・・。」
そうこう言う間に部屋の隅に追い詰められていくガウリイ・・・・・・・・・??
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインンン!!!
「何時までも・・・・。」
ギリギリギリギリギリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「ガキだと思ってるな!!!!!!!!」
言うが早いかミッドガルズ総帥のサーベルの刃はモノの見事に根元から
切り落とされていた・・・・・・・・・・・・・・・。


「・・・・。これで・・安心できます。」
これは・・果たしてガードルードの本心か?
ワルキューレの騎士団が駆けつけて彼ら・・・かつてはフレイの騎士団の旅団長であっ
犯罪組織『ミッドガルズ』の総帥・・・。
そして・・その妹である「フレアの騎士」旅団長のガードルード・・・。
「この男の処分は・・・。」
「あ〜あ。アンタに任せるよ・・。ゼロス・・。」
感情の篭らない声でガウリイが言う。
今更になって事態の重さに打ちひしがれているのか・・・?
しかし、リナ自身ガウリイを見る勇気が無いのは彼の打ちひしがれているであろう
姿を見たくないからではない。
むしろ逆だった・・・・。
今までそだった所は全て「虚構」だったのだ・・・。
その虚しさを・・彼は見ぬいて慰めようとするだろう。
無抜かれたくなかった。絶対に・・・・・・・・・・。
「リナさん・・。行ってあげたら・・・?」
全てを聞いたアメリアがリナに言う・・・。
「・・・・・悲しいだけのキスはしたくないわ・・・・。」
同情は・・お互いにごめん被りたい・・・。
リナはそう思って全ての現場から目を背ける。
「・・・・へえ・・。じゃあ、悲しくなければ良いんだ。」
ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ〜〜〜〜〜!!
き・・聞いていたのか!!
既に元気一杯な顔をしたガウリイがリナに言う。
「が・・ガウリイ!!落ち込んでたんじゃ!!!」
「・・いやあ〜〜・・.別に。俺もついに親父を超えたな〜〜と自画自賛してただなのだが・・?」
「・・・・・・・・・・・・ロクデナシ・・・。」
「親父と俺・・あんまり仲良くなかったって言わなかったけ・・・・?」
だああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜!!!!
言うんじゃなかった!!
リナが臍をかんだその時だった・・・。
「リナさん、ガウリイさん。とりあえず『第1部』は完結のよ〜でね〜♪」
既にガウリイに捕まりかけたリナにいつのまにか戻ったのかゼロス。
「助かったわ!!馬鹿兄!!!」
今となっては単なる主従関係と分かっても抜けないこの言葉・・。
「ちいい〜〜・・。ヤな義兄だなあ・・・。」
残念そうにガウリイ・・・。その言葉にリナは再度コケそうになる・・・。
「ともあれ・・。ガウリイさんには我が『ワルキューレの騎士団』に編入して頂く事になりました。
あ、ガストンさんもです。其処で・・『姫君』であるリナさんと新たな任務に掛かって欲しいんですよ。」
「今度はナンの命令よ・・・・??」
「・・・ま・・。『気まま』って所・・です、ね。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・。よっしゃあ〜〜〜〜!!
この恥ずかしい場面逃れられればソレで良し!!
「行くわよ!!ガウリイ!!今度は焼肉食べ放題!!おごりは馬鹿兄ゼロスの任務よ!!」
「おう!!行こう!!行こう!!」
馬鹿兄の嘆きは・・完全無視・・・。
こ〜して・・ガウリイとリナの珍道中は・・まだまだ続くのである・・・。


(気が向いたら2部書こうかな・・・???)

「I.L.Y〜欲望〜」と言う曲を聞きながら書いた
話しです〜〜♪
かな〜〜りネチっこい恋歌なのでガウリナソングとしては
今一つオススメ出来ないのですがかなりアタシの好きな一曲です〜!!
では!!



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10750祝!「第1部」完結〜♪P.I E-mail 6/29-00:12
記事番号10748へのコメント

CANARUさん、こんばんは〜!!
やりましたね〜〜!!「気まま」シリーズついに「第1部」完結っ!!
ドンドンパフパフ〜〜♪♪♪
意外なお方が鍵を握っておられた〜〜!!
殿下!ゼロスの正体知ってたんならなんでもっと早く・・・って、殿下は
リナとゼロスの関係知らなかったんですかね〜。シエナでも顔合わせなかった
ですし・・・。しかし殿下もまたフレイ騎士団と因縁があったとは!!
暴露するだけ暴露して「ま、僕には関係ないから」と去ってゆく・・・いかにも
殿下らしいですね(^^;)それにしても運転手さん・・・ひょっとして
国文科の短大生さんですか〜?(大笑!!)
今回のガウリイ、特にカッコよかったです〜(嬉々!)
親父さん超えられて良かったねガウリイ!リナちん、ごほーびくらいあげたら
いいのに・・・ゼロスのばかぁ!(爆!)
今回出番がなかったジョヴァンニ兄様は、そーすると「第2部」で再登場かな?
気が向いたらぜひ続きをお願いします〜。ガウリイがリナを無事ゲットするまで
・・・・・・・・いつになるやら(遠い目)
それではまた!!



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10751運転手のシ正体は!!(爆笑)CANARU E-mail 6/29-07:40
記事番号10750へのコメント

>CANARUさん、こんばんは〜!!
>やりましたね〜〜!!「気まま」シリーズついに「第1部」完結っ!!
>ドンドンパフパフ〜〜♪♪♪
はい〜〜!!
どうも「1部」の最終回を書く度胸がなかなか無かったんですよね〜〜!!
それにしても・・当初の完結ヴィジョンとは大分違ってしまいました(汗)

>意外なお方が鍵を握っておられた〜〜!!
ははは〜〜〜!!
最初はこ〜〜んな結末ではなかったのに!!と自分でも思っています!!
>殿下!ゼロスの正体知ってたんならなんでもっと早く・・・って、殿下は
>リナとゼロスの関係知らなかったんですかね〜。シエナでも顔合わせなかった
>ですし・・・。しかし殿下もまたフレイ騎士団と因縁があったとは!!
はい〜〜!!
単なるギャグ動員のお方が!!
ココまで出世するとはあ〜〜〜〜!!と少々感激していたりします!!
ちなみにゼロス兄もリナちゃんをけしかえる割には、氷の
事が苦手・・という設定ですう〜♪
>暴露するだけ暴露して「ま、僕には関係ないから」と去ってゆく・・・いかにも
>殿下らしいですね(^^;)それにしても運転手さん・・・ひょっとして
>国文科の短大生さんですか〜?(大笑!!)
はいい!!
某お暇な国文科の短大生ですうう!!
氷様・・さっさと逃げてしまいましたしねえ〜(汗)
>今回のガウリイ、特にカッコよかったです〜(嬉々!)
はううう!!
ありがとうですうう!!
ちょっと前半が他の皆様に食われぎみだったので。
後半は気張らせてみせました!!
>親父さん超えられて良かったねガウリイ!リナちん、ごほーびくらいあげたら
>いいのに・・・ゼロスのばかぁ!(爆!)
はううう!!
やっぱり「馬鹿兄!!」ですね!!
>今回出番がなかったジョヴァンニ兄様は、そーすると「第2部」で再登場かな?
>気が向いたらぜひ続きをお願いします〜。ガウリイがリナを無事ゲットするまで
>・・・・・・・・いつになるやら(遠い目)
はううううう!!
外野も結構煩そうですしねえ・・・。
一体いつになるやら・・・・。
時間が出来たら2部も書きたいです!!
>それではまた!!
ではでは!!