◆−使徒 (TRYその後。ゼロフィリ?)−人見蕗子(6/30-16:45)No.10758
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  ┗遅くなりました(汗)はじめまして。−人見蕗子(7/5-17:07)NEWNo.10865


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10758使徒 (TRYその後。ゼロフィリ?)人見蕗子 6/30-16:45


 ヴァルフィリ、ガーヴァルときて何故ゼロフィリ?
 「ゼロス苦手発言」でショックを受けさせてしまったささはら朋様へ捧ぐ。返品可です・・・。



 
 赤子のヴァルを抱え、フィリアは途方に暮れていた。

 一週間ほど前、ヴァルガーヴはついに卵から孵った。殻を破り出てきたのは、白い肌、青緑色の髪の男の子だった。
 ジラスとグラボスが手放しで喜んだのは言うまでもない。フィリアだって本当は、その輪に入りたかった。しかし、彼女は大きな問題を抱えていたのだ。

 黄金竜の古くからのならわしのひとつに、赤子が生まれたらその両親は「七人の使徒」をその子のために用意する、というものがある。やはり赤子に必ず持たせると決まっているお守り袋のなかに、両親と赤子の髪、それに両親が選んだ七人の名前、生年月日、住所の書かれた紙を入れる。その七人は赤子の身に困ったことが起きたとき連絡すると、必ず役に立ってくれる、というものだ。もちろんフィリアも持っている。
 ヴァルガーヴが転生した日、フィリアは初めて自分のそれを開き、自分の役に立つはずだった「七人の使徒」の名を見てみた。彼らはもう、鬼籍のひととなっている。もう何の役にも立たない紙切れを、彼女はそれでも丁寧に畳み、再びお守り袋の中にしまった。

 ヴァルを守る七人の使徒。
 フィリアは、それをひとりで探さなくてはならない。
 黄金竜も古代竜も死に絶えた今、それはとても難しいことだった。
   ジラスさん。
   グラボスさん。
   リナさん。
   ガウリイさん。
   アメリアさん。
   ゼルガディスさん。
 獣人二人はもちろん、あのたくましい正義の四人組もヴァルの新しい命を守るためなら、使徒となってくれるだろう。
 しかし、六人では駄目なのだ。使徒は七人と決まっている。
 あと一人。
 心当たりが無いわけではないが、果たして彼にそれが務まるか・・・。
「ご出産おめでとうございます、フィリアさん」
「はあアッッ!!?」
 噂をすれば影、とはこの事か。最後の使徒(予定)の男−−−ゼロスは、自分からやってきたのだった。耳元で囁かれ、ヴァルを落としそうになる。
「ふ・・・・ふええーん・・・」
 さっきまですぴすぴ寝息を立てていたヴァルが、顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくる。
「あらら・・・ごめんねヴァル、ママが悪かったわー」
「ヴァルガーヴが聞いてたら血ヘド吐きそうな台詞ですね」
「これがヴァルです!!あなたが悪いのよ、本当は!!」
「僕だってレディーの家に無断で入るようなまねはしたくなかったんですけどね、店の中には深刻な顔してヴァルガーヴを抱くあなたがひとり、扉には『赤ちゃんが寝ています。お静かに』の札。あなた本当に商売人なんですか!?」
「しょうがないでしょう、ヴァルは生まれたばっかなんですから。
 ヴァル、こんなおにーさん見ちゃ駄目よ。魔族がうつりまちゅよー」
「伝染病ですか魔族は・・・。
 ところでフィリアさん、何か悩みでも?」
 悩みのタネ自身に話を振られてしまった。フィリアは大きく溜め息をつき、心を決める。
「お茶でも飲みながら・・・お話しします」

 フィリアの部屋。
 テーブルの脇には幼児用の椅子、茶棚の隣にはほ乳瓶やベビーフードの陳列した棚、ソファーの上には編みかけの赤子用手袋と靴下、ベッドのとなりには天井から吊り下げられたメリーゴーランドとヴァルの眠るベビーベッド。
 ほのかにベビーパウダーの匂いがする。
「−−−で、僕に七人目の使徒になれと?」
「はい・・・」
「僕でいいんですか?」
 からかうように尋ねると、
「人数合わせです」
 きっぱり言われてしまう。
「−−−ばかばかしい。そんなの黄金竜のならわしでしょ?ヴァルガーヴには関係ありませんよ」
「でも・・・。今度こそ、ヴァルを守ってやりたいんです」
「七人目はフィリアさんでいいでしょう」
「−−−親には『七人の使徒』の権利はありません」
「親って・・・。何時の間にあなたはヴァルガーヴと種付けを?」
「種・・・!?な・・・!!この子はヴァルガーヴ自身です!!」
「でしょう?ならフィリアさんでいいじゃないですか」
「・・・・・・」
「それに、リナさんたち人間があなたより長生きするはずないでしょう。あの獣人たちもそうですよ」
「−−−だから・・・だからあなたが必要なのよ!!」
 その切実な顔に、惹かれた。
「紙、貸して下さい」
「え!?」
「人数合わせですよ。ヴァルガーヴにはよく言い聞かせて下さい。困ったことがあってもこの使徒にだけは頼るなって」
 呆然としたフィリアが差し出した紙に、ゼロスはさらさらとなにかかいている。
「−−−こんなんでいいですか」
  獣神官ゼロス。魔界在住。
「ありがとう、ゼロス」
「まったく困ったお母さんですね、魔族に頼るなんて。ヴァルガーヴを幸せにしたいんですか、不幸にしたいんですか」
「・・・?」
「忘れないで下さい。ダークスターと接触したヴァルガーヴは、魔族にも神族にもねらわれているんですから。
 狼さんに食べられないように、赤ずきんちゃんを守ってあげなきゃ駄目ですよ」
「−−−私は狩人ですか?なら、あなたもそうよ」
 たった今署名された紙をひらひらさせる。
「はううっ!!そうか!!
 −−−返して下さいそれ!!」
「だーめーでーすー。
 これは私が責任を持ってヴァルにプレゼントします」
 そう言って紙の裏側にキスをする。
「あーあ、獣王様に怒られちゃいます・・・。っておもいだした!!
 僕は出産祝いを届けにきたんです!!」
「−−−何?」
 マントの中からさっ、と取り出す。
「獣王様手作り、アメリカンクラッカあー(オオヤマノブヨヴォイスで)」
「もってかえってくださいッッッ!!!!」
 フィリアの雄叫びに、ヴァルが再び泣きわめいたのは・・・言うまでもない。

                    おしまいv













 ってなにこれ・・・。
 私が尊敬する小説家、柳美里さんの著作「命」のなかに「七人の使徒」のはなしがあったので・・・。エヴァンゲリオン関係ないですからね!!(汗)
 今まで三つのカップリングを書きましたが・・・、実は私、ガーヴとゼロスのこと全然知らないんです!!「こんなのガーヴぢゃない!!」「こんなのゼロスぢゃない!!」ってのありましたら、どうぞ苦情を・・・。でも、「こんなのヴァルぢゃない!!」「こんなのフィリアぢゃない!!」は困る・・・。
 最初で最後かと思われるゼロフィリ、これにて完結。




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10791Re:はじめまして真人 E-mail 7/1-22:12
記事番号10758へのコメント

はじめまして。真人と申すものです。
読ませて頂きました。フィリアとゼロスがもおかわいくって、可愛くって……(以下*1000000)
というわけで、壊れてる頭で、まともなコメントが書ける筈もなく、稚拙な上、短くて大変申し訳ありません。
人見さんは、とても文が優しくて、柔らかい感じがします。素晴らしいことだと思います。真人もこんな風に文が書けるようになりたいです。
次も是非、期待してます!

それでは、乱文ですが、失礼します。


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10865遅くなりました(汗)はじめまして。人見蕗子 7/5-17:07
記事番号10791へのコメント

真人さんは No.10791「Re:はじめまして」で書きました。
>
>はじめまして。真人と申すものです。
 こちらこそはじめまして。ヒトミフキコです。

>読ませて頂きました。フィリアとゼロスがもおかわいくって、可愛くって……(以下*1000000)
 そう言ってもらえるとうれしいです。

>人見さんは、とても文が優しくて、柔らかい感じがします。素晴らしいことだと思います。真人もこんな風に文が書けるようになりたいです。
 えええええ!?そうですか・・・。今回だけかも知れません(笑い)

>次も是非、期待してます!
 真人さんはゼロフィリ好きですか?私は実はヴァル君にらぶらぶなんで・・・多分もうゼロフィリはないですねー。ヴァルフィリかガーヴァルです。そちらに興味があればよろしくです。
>
>それでは、乱文ですが、失礼します。
 これからもよろしくお願いします。
>
>