◆−それでも彼らは生きていく3(ルクミリかもしれない)−扇(7/10-20:28)No.10953 ┣Re:それでも彼らは生きていく3(ルクミリかもしれない)−人見蕗子(7/11-17:54)No.10967 ┃┗はっはっはっは(カラ笑い)−扇(7/11-21:40)No.10976 ┗Re:それでも彼らは生きていく3(ルクミリかもしれない)−時緒(7/11-21:18)No.10973 ┗ルクミリ好きなんですよもうっv−扇(7/11-21:30)No.10975
10953 | それでも彼らは生きていく3(ルクミリかもしれない) | 扇 | 7/10-20:28 |
こんにちは、扇です。みなさん、暑い中ばったばったと倒れておりませんか?(私は夏風邪に倒れました) 扇のモットー・・・それは、忘れた頃にやってくる。 ほかにも、『約束は破るためにある』『備えあっても憂い有り』『一度あることは二、三度ある』『ちりも積もれば山となる』『勉強第二』・・・と、いろいろ有ります。過去、『天国〜』でリナが言ったモットーは、全て私のものです・・・って、話変わっちゃってるなぁ。 ともかく、お久しぶり? の勝手に過去シリーズ『それでも彼らは生きていく』です。 今回は、波瀾万丈? なルークとミリーナの出会いの話! なんかこっちは、名前出るほど重要なオリジナルキャラが出てないだけ、他の話より現実味が増してると思います。 ちなみに、15巻および14巻ネタバレなので、その辺注意して下さい。でも、まだ15巻呼んでない人居るかなぁ? ではでは、お楽しみいただければ幸いです。 (やっぱルクミリってヴァルフィリみたいだぁ・・・) __________________________________ 『それでも彼らは生きていく』勝手に過去ルーク&ミリーナ編 暗殺者。 アサシン。 スタッパー。 人殺し。 闇から。 暗きを殺せし者。 ・・・・・・暗殺者。 「へぇ。やるじゃん、あんた」 全身黒づくめの、軽装なアーマーを纏ったその男が、血の付いたナイフを持ったまま言ってくる。 それを見つめながら、彼はゆっくりと口を開いた。 「貴様が、予告まで出してきた巫山戯た暗殺者・・・ルークか」 「・・・そーゆーコトだ」 男の問いに、暗殺者・・・ルークが答えた。 名まで出した暗殺者・・・人に追われてもなお生き延びる自身のある奴。 「父上の仇・・・私がとる!!」 良いトコの坊ちゃんらしいその男は、立派な剣を構えつっこんできた。 なかなかの腕前。それを、ルークは瞬時に読みとる。 一仕事終えたのに、また戦闘・・・そんな面倒な真似は嫌だ。それが、ルークの出した結論だった。 ばさっ!! ルークがまっすぐ上にジャンプをすると、彼は異常なほどの脚力で天井の穴の開いた部分から天井裏へと消えた。 「貴様・・・逃げるのか!?」 父親を殺された、その男は叫び剣を振り回す。 (悪ぃな) 誰とも無く、ルークは心の中で呟く。 (これしか・・・俺に道は・・・) 「そんなことやっていて、楽しい?」 突然後ろから声をかけられ、ルークはぎょっとして振り返る。 月の美しい夜空の下、屋根の上まで来たルークは、さすがに此処は見つからないだろうと休んでいたところなのだ。そこに、突然声がかけられた。 ・・・女性のものだ。 「誰だ、貴様」 彼はナイフを握る。 彼はマスクを外し、素顔を出していた。 素顔を見られたら・・・捕まる確率がぐんと上がる。 そう言うわけには・・・・・・。 「私? 私は、ずっと西の街の、とある貴族の屋敷の娘。 でも、今は家出して流浪の旅人」 彼女は、自らの命の危機を何ともせず、淡々と語る。 「・・・とある貴族の娘?」 ならば、こいつを使って金を・・・と、そんな使い方をするのは、三流の悪党がすることだ。 ルークは暗殺者、それも一流の。 そんなこと、考えもしない。 「・・・まぁいい。顔を見られたからには・・・生かしてはおけないな」 「貴方が勝手に見せたんでしょう?」 ずべっ。 そう言われ、立ち上がったルークは見事に顔面から屋根に突っ伏す。鼻の頭が少し痛い。だが、そんなことに気を使っている場合ではない。 「貴様・・・覚悟はついているな?」 「なんで覚悟しなきゃならないの?」 がんっ。 今度は、額を屋根裏部屋の窓の縁にぶつける。これは効いた。 「だからお前、俺の言ってること聞いてるのか!?」 「貴方、赤毛なのね」 彼女はルークの言葉を無視し、ルークの髪に手を伸ばす。 「私、赤毛は嫌いなのよ」 「・・・勝手に嫌ってろ」 「そーいうワケにもねぇ」 彼女はさらに勝手さにエスカレートを効かせ、ポケットから大きめのハンカチを取り出すと、勝手にルークの髪を包んだ。 バンダナのように使った、と言うところだ。 「これで、とりあえず私は赤い髪を見なくてすむわね」 勝手に彼女はなにやら納得してしまった。 「お前・・・・・・」 「なにかしら?」 にぱっ。 ドキッ。 ルークが言うと、彼女は満足した、とばかりの笑顔を向ける。 ルークの胸が、一瞬高鳴る。 (な、何を考えてるんだ俺は・・・) 胸を押さえこむが、そのことをちらっとでも思い出すと、どきどきと高鳴りは大きくなる。 (ま、まさかこれは・・・・・・) 「こい」 (!!?) 彼女の言葉に、ルークはびくっとする。 まさか、テレパス!? ・・・そう思ったら。 「貴方、鯉好き? この先の池に、大きな鯉が・・・」 良くある聞き間違いベスト3に入る単語・・・『鯉』と『恋』。 見事な勘違いである。 「・・・池に言ってどうするんだ?」 まだどきどきしつつも、何とか聞く。 口調が多少柔らかく、ふるえている気がするが、無視する。 「あら、貴方の額の、その見事なこぶを冷やさないと」 にぱっ。 その笑みは凶器だ。 「私がどうして家出したか、分かる?」 「・・・いーや」 冷たい水で濡らしたハンカチを額に当てながら、二人は会話した。 ルークは彼女・・・ミリーナをさっさと帰そうとしたのだが、そのハンカチはミリーナの物のため、ルークは帰れといえずに、話し込む羽目になってしまったのだ。 「すてきな恋と冒険がしたかったのよ」 ぶぴっ。 水筒の水を飲んでいたルークは、思わず吹き出す。 ・・・それが目的なら、なぜ暗殺者なんかと一緒にいるんだ? ・・・・・・もしかしたらこいつ、俺のこと暗殺者って気づいてないんじゃ・・・? ルークは胸中焦り始める。 ・・・もしかして俺、とんでもない奴に一目惚れした? 「嘘よ」 (良かった・・・・・・) 思わず、安堵のため息を付く。 「本当は、あの堅苦しい家から出たかっただけ。 私のこと、女だからってさんざんコケにしておきながら、年頃になるとどこかの貴族と結婚させようとする・・・あの父親が一番嫌い」 その口調は、本当に僅かながらもさっきを漂わせていて、ルークは思わず一歩引く。 ・・・やっぱ俺、とんでもない奴に一目惚れを・・・? 「・・・あんた、これからどーすんだ?」 「貴方からハンカチ返してもらう」 (いやそんな身近なことかい) そこでルークは、『なんとなく、ちょっぴり、役に立つかどーかわからない、良いかも知れない良い案』を思いついた。 「ミリーナ、旅に出てから何日だ?」 「・・・まだ3日くらい・・・かしら?」 「だったらお前、まだ旅のイロハも知らないだろ」 ルークはミリーナを向き直る。 「俺が教えてやろうか?」 ミリーナは、じっとルークの顔を見る。 ・・・これはいーかも。 旅の危険から守る、とカッコつけて、そして愛の逃避行・・・そんな言葉が頭をよぎる。 「ぷっ」 ・・・・・・ぷっ? 「あ・・・あなた・・・おでこにハンカチ張り付いて・・・ふふふ」 そんな必死に笑いをこらえなくても。 「・・・だったら、俺このままハンカチ持ってくぞ」 「それはダメよ」 ミリーナがすっくと背を伸ばす。 「返してほしくば、俺から奪い返せ」 そうして、ちゃっかりミリーナを連れて愛のトラベル・アドベンチャー・・・そんな一文が頭をよぎる。 「えいっ」 ぷすっ。 頭にミリーナのナイフを突き立て倒れるルークの額から、ミリーナはハンカチを奪い返した。 「こんな感じ?」 「死ぬってヲイ」 でもちょっと嬉しかったり。 「そうね、貴方の申し出・・・受けても良いわよ」 「何っ!?」 そこまで。 そこまで言って。 ルークは止まった。 思い出したのだ。 過去の契約を・・・・・・。 「・・・ダメだ」 「え・・・・・・?」 ざしゅっ! ミリーナの二の腕が浅く、だがしっかりとルークに斬られた。 「・・・!」 ミリーナが止血に、押さえかかる。 「何を・・・!」 「俺は、昔に戻るわけにはいかないんだ」 昔。 冒険者をしていた。 仲間ももちろん居た。 それなりに楽しい日々を送っていた。 けれど。 幸せは、いつかうち砕かれるもの。 ほんの些細な気のゆるみで、仲間を失った。 自分を憎み、恨み。 そして。 ・・・世界の恨みをその背に背負う。 暗殺者。 アサシン。 スタッパー。 人殺し。 闇から。 暗きを殺せし者。 暗殺者。 ・・・その背に憎悪を背負う。 「駄目、ルーク!!」 気が付くと、後ろからミリーナに抱きつかれていた。 ・・・正しく言うと、羽交い締め。 「昔のことを思い出さないで。 人には、それぞれの過去があるの。辛いのは分かる。 ・・・だからって、いつまでも背負わないで・・・・・・」 ほんの一瞬の気のゆるみで。 仲間の命の火が消える。 罠。迷宮。魔物。恨み。 すべて、人が作りだした物。 「お願い・・・・・・」 ミリーナの声が、僅かに遠い。 「私に、旅のイロハを教えるんでしょう? だったら、落ち着いて」 今、ルークは気づいた。 彼女は傭兵だ。 その力。 しなやかな身体。 素早い動き。 冷静な判断力。 彼女は、今日ルークが始末したあの屋敷か、もしくは保安部あたりに雇われた、『ルーク対策』専門の戦士。 ルークの過去は、役人達、そしてその侮りがたし情報網によって、すでにミリーナは知っているのだろう。 「お願い」 何を頼むというのだろう? 「人を・・・・・・」 人を嫌いにならないで・・・。 そうか。 本当に簡単なことから始めればいい。 その被害を受けて、立ち直るのはとても難しいけれど。 不可能なコトじゃない。 そう。 その時はそう思った。 「・・・ルーク」 彼女の、か細い声が聞こえる。 「・・・お願い」 あの時に似ている。 もう、何年も前の・・・。 「人を・・・嫌いにならないで」 ミリーナの手が、ルークの頬に伸びる。 その手は土気色。 もう、命は長くない。 「・・・・・・」 ミリーナが口を開く。 何も聞こえない。 世界の音も。 激しすぎたかもしれない。 少し、行きすぎたかもしれない。 ・・・・・・彼の憎悪は。 悪魔のささやきが聞こえる。 再び、暗きから殺せし者になれと・・・・・・・・・ たとえ、それが神に背くことであろうと。 __________________________________ これって、私が前に書いたルクミリの続きかなぁ・・・もしかして・・・? 私が書くとミリーナがあんまりシリアスキャラになってくれないので、ヴァルフィリに似ちゃうんだな・・・いや、シリアスキャラに出来るんだけどさぁ。なんかねぇ。 一番最後の一文は、ラルクの『finale』からとりました。この曲、今後もシリアス小説とかでとると思います・・・格好いいんだもん。 この作品の心残りは・・・やっぱ、前半のギャグと後半のシリアスのギャップでしょう。しょーがないんだ、気にしないで(汗) 次はアメリアで行こうかな・・・。 |
10967 | Re:それでも彼らは生きていく3(ルクミリかもしれない) | 人見蕗子 | 7/11-17:54 |
記事番号10953へのコメント レス下手のふっきーですー。あまりにも下手なんで「読んだわ扇様・・・」とテレパシーを送るだけにしようかと思ってたのですが・・・。のこのこでてきちゃいました。何を書き出すか分からないので最初に書いておきますが、感動しましたよ!!少しヴァルフィリちっくですね。 実は第2部はきちんと読んでないのですが(失格)こういう出会いの果てにあの二人はあったのかも・・・。ルークの過去を知りつつも彼に近づくミリーナ。そして「人を嫌いにならないで・・・」うわー!!ヴァルフィリー!!(違うって・・・)原作ちゃんと読まなきゃ・・・。 夏風邪は治りました?私は錯乱に苦しんでおります。 「それでも〜」の続き(?)はアメリアですか・・・。楽しみです。ところで、「防衛軍」は完結ですか?あれ面白いですー!!次はSUTERA第2夜でしょうか!?レス下手なんで読んではいますが近寄れません。このレスは錯乱のまま書き倒してます。 でも、レスってもらえるとうれしいですよね。「ああ、読んでもらえてるんだ」って。 ありゃあ・・・なにかいてるんでしょうね・・・。やっぱへた。 それでは、この辺で。すてきでしたー☆ |
10976 | はっはっはっは(カラ笑い) | 扇 | 7/11-21:40 |
記事番号10967へのコメント 人見蕗子さんは No.10967「Re:それでも彼らは生きていく3(ルクミリかもしれない)」で書きました。 > レス下手のふっきーですー。あまりにも下手なんで「読んだわ扇様・・・」とテレパシーを送るだけにしようかと思ってたのですが・・・。のこのこでてきちゃいました。何を書き出すか分からないので最初に書いておきますが、感動しましたよ!!少しヴァルフィリちっくですね。 わたしゃ超能力もない一般市民Qなので、できればレスでも出していただかないと、「あー見てねーなーこの人」と思っちゃったりしますので、ご注意を(爆) > 実は第2部はきちんと読んでないのですが(失格)こういう出会いの果てにあの二人はあったのかも・・・。ルークの過去を知りつつも彼に近づくミリーナ。そして「人を嫌いにならないで・・・」うわー!!ヴァルフィリー!!(違うって・・・)原作ちゃんと読まなきゃ・・・。 ともかく、ヴァルフィリはおいといて(^^;)/○/←手(○=ヴァルフィリ) > 夏風邪は治りました?私は錯乱に苦しんでおります。 夏風邪引いたのは先週頭なので、もう治りました〜v > 「それでも〜」の続き(?)はアメリアですか・・・。楽しみです。ところで、「防衛軍」は完結ですか?あれ面白いですー!!次はSUTERA第2夜でしょうか!?レス下手なんで読んではいますが近寄れません。このレスは錯乱のまま書き倒してます。 ああ、落ち着いて落ち着いて(汗) 「それでも〜」の次はアメリアになると思います。でも、いつ書くかは分かりません。 「防衛軍」はまだ終わるつもりはありません。今のところ、第4作(次の次)くらいまで思いついてます。 きっと次に書くのはSUTERAの第2夜です。明日辺りだと思います。 まー今は、SUTERAの次の連載(気が早い)なんか考えてます。天使物。 > でも、レスってもらえるとうれしいですよね。「ああ、読んでもらえてるんだ」って。 ええだからレス下さい(笑) まぁ、呼んで満足したものだけでいいですけど。私もそうやってレス付けてますから。 > ありゃあ・・・なにかいてるんでしょうね・・・。やっぱへた。 > それでは、この辺で。すてきでしたー☆ いえいえありがとです〜v もしかしたらSUTERA終わる前に連載始めるかもなって次の天使物長そうだなぁ。SUTERAは全5話(もしくは4話)予定なので、終わしてからにしよう。5話は短い(多分) ではでは、同じく錯乱扇でした☆ |
10973 | Re:それでも彼らは生きていく3(ルクミリかもしれない) | 時緒 | 7/11-21:18 |
記事番号10953へのコメント こんにちは。 初めてレスというものをさせていただきます。 ネット初心者なもので、変なこと書いたらごめんなさいです。 「それでも彼らは生きていく3ルクミリバージョン」読ませていただきました。 ルークとミリーナの出会いの物語はとっても興味があったので、どきどきしながら読ませていただきました。 なんかミリーナがかわいかったです。 ルークもギャグとシリアスが入り混じってて、ルークらしかったと思います。 > ・・・その背に憎悪を背負う。 辛いですね。 ルークもミリーナも暗い過去とか背負ってそうですよね。 だからこそ、幸せになって欲しかったのに。 ルクミリのお話はネットでもあんまり見かけないので、扇さんの書かれたお話を見つけたときはとってもうれしかったです。 これからも、すてきなお話を書いてくださいね。 なんだかあんまり感想になっていませんが、そろそろ失礼します。 |
10975 | ルクミリ好きなんですよもうっv | 扇 | 7/11-21:30 |
記事番号10973へのコメント 時緒さんは No.10973「Re:それでも彼らは生きていく3(ルクミリかもしれない)」で書きました。 >こんにちは。 >初めてレスというものをさせていただきます。 >ネット初心者なもので、変なこと書いたらごめんなさいです。 いえいえ、初めは皆そんな風に書いておきながら失礼はあまりないものなんですよv 初めまして、扇ともうします。(m__m) >「それでも彼らは生きていく3ルクミリバージョン」読ませていただきました。 >ルークとミリーナの出会いの物語はとっても興味があったので、どきどきしながら読ませていただきました。 >なんかミリーナがかわいかったです。 >ルークもギャグとシリアスが入り混じってて、ルークらしかったと思います。 ああっ、ありがとうございますっ! そのお言葉が、私の力のモト☆ (私がミリーナを書くと全然無口じゃなかったりするんですよねぇ^^;) >> ・・・その背に憎悪を背負う。 > >辛いですね。 >ルークもミリーナも暗い過去とか背負ってそうですよね。 >だからこそ、幸せになって欲しかったのに。 金色のお母様、後よろしく!(無責任) >ルクミリのお話はネットでもあんまり見かけないので、扇さんの書かれたお話を見つけたときはとってもうれしかったです。 時緒さんは、ルクミリ好きなんですか? 私はすっごい好きですけどv 過去にも1個か2個ほどルクミリを書いていますので、そちらの方もどうぞよろしく。 >これからも、すてきなお話を書いてくださいね。 >なんだかあんまり感想になっていませんが、そろそろ失礼します。 いえいえ、ありがとうございますです〜! 私も、時間が余りないので失礼します。 では☆ |