◆−小悪魔来たりて、謎を残す(笑)−つかさ(7/14-21:33)No.11020


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11020小悪魔来たりて、謎を残す(笑)つかさ E-mail 7/14-21:33


今日はすっごい夕立に巻き込まれてさんざんでした。(涙)
雷は鳴るし、大粒の雨は降るし、風はすごいし、かなり己の不運を呪っておりました。
さて、純粋なアメリア嬢もいつまでも純粋でいられるのか?そんなことで、ふと思いついたこの話。
小悪魔って大好き。(は〜と)アメリア嬢にも真っ直ぐに小悪魔になってほしい(笑)
相変わらず上達してないけど、読んで下さい。
 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ 雲を引き裂くように走る光。いつものリナのドラスレの赤い光とは違う青白い光。などと言ったらだんなみたいにお空の星になるだろう。ふとそんなことを思い苦笑する。
そしてとどろくごう音。
側にいたアメリアがきゃっと短い悲鳴を上げる。それもそのはず、この正義の熱血お姫様はこれ。雷が大の苦手だったりする。
「うにゅう、ゼルガディスさん。(半泣き)」
そう言ってこっちを見上げるアメリアの目にはうっすら涙がにじんでいた。
「さっきまでは晴れてたのにな。はあ、リナさんは絶対大丈夫だけど、ガウリィさんはどうしてるのでしょうか?心配ですぅ。」
絶対の部分に妙に力を込めて一人愚痴ている。どうやら怖いのをごまかそうと必死らしい。ちなみにガウリィのだんなは先刻命知らずなことを言ってお星様となった。合掌。(笑)
しかし、それをアメリアに責められて、リナは仕方なくだんなを探しに行った。
そこへ突然の夕立だ。たまたま手近にあった木の下に避難したものの一向にリナ達が戻ってくる気配はない。勝手に動き回るわけにも行かない。というわけでリナと分かれた場所からさほど離れてないところに俺達はいた。
しとしとだった雨はついにはバケツをひっくり返したようになり、相変わらず雷も鳴り響いている。
一緒にいるアメリアは、今はまだ信用できる旅の中でもある。それ以上でもそれ以下でもない。純粋、天真爛漫、そんな言葉がよく似合うお子さまである。
いつも一生懸命だから、ついからかってみたくなった。ちょっとした気まぐれといううやつである(笑)
さあて退屈しのぎに正義のお姫様で遊ぶかな。(悪笑)
雨は俺達を包むように降り続け、まだまだ止みそうになかった。

俺は出来るだけ優しい口調で話しかけた。
「なあ、アメリア。どうして雷なんぞ怖がるんだ?」
アメリアはいきなり問いかけられて不思議そうに見つめ返す。
「だいたいおまえ魔法で雷を出したりするじゃないか。あれは平気なんだろ?」
納得がいかないという風な俺に(もちろん演技だが(笑))アメリアはちょっと考えてから口を開く。
「それは、・・・魔法は平気なんですけど、実物はちょっと・・・。だって、青白い光ってなんだか怖いじゃないですか。それにあの音も・・・。
うにゅう、思い出すださせないで下さいよ。怖いものは怖いんです。」
そういって、彼女はぷっと頬を膨らませる。その愛らしい様子を見てつい、
「お子さまだな。」
と、俺が苦笑すると、
「あ〜!!!今馬鹿にしましたね。誰だって苦手なものの一つや二つありますよ。ゼルガディスさんだって水が苦手じゃないですか。自分のことを棚に上げるなんて正義じゃないですぅ。」
そういってよけい頬を膨らませて、ぷいっと横を向く。かわいいなあ。思わずその横顔に見入ってしまう。
「そうやってすぐ向きになるところがお子さまだって言うんだよ。」
と、アメリアをからかうと、
「・・・。」
どうやら完璧にすねてしまったようだ。ちょっとやり過ぎたかな(苦笑)
俺がちょっぴり後悔していると、
「む〜、お子さまお子さまって言いますけど、」
そういってこっちを見るアメリア。その顔が急にニヤリと微笑んだ。マントの端を引っ張られ、俺はアメリアの方に背を曲げる。そして、目の前に紫色の瞳だけが見える。
「い、なっ、・・・。」
いきなり何をするんだ、と言いたかったがあまりのことに声にならない。まだ唇に残っている感触。頭の中は文字通り真っ白である。
「ちゃんと大人のこともできますよ〜ん♪♪♪お子さまじゃないでしょ?」
そういって、アメリアは不敵に微笑む。
「まいったなあ。」
そういって苦笑するのが精一杯だった。
「わあ、晴れてきましたよ。」
そういってさっさと俺から離れ、いつも通りの笑顔で空を見上げる。
「やっほ〜!!!アメリア〜!!!」
遠くの方から元気良く手を振るリナとだんなが見える。
うれしそうにリナの方に行こうとするアメリアを見てふと疑問がわく。
「ところでアメリア、俺のこと好きだったのか?」
駆け出そうとしたアメリアの背後にそう問いかけると、そこら辺の生ゴミ魔族みたいに微笑んだ。
「それは秘密です。(は〜と)自分で考えておいてくださ〜い。今日の宿題ですよ。」
「は???」
てっきり「そうですよ〜。」とでも言うと思っていた俺は、それを聞いて思わず力が抜ける。
どういう事か聞こうとしたが、アメリアはすでにリナ達のところにいた。
「何なんだ、いったい?」
力が抜けてしゃがんでいる俺をみんなが呼ぶ。
「ゼルガディスさ〜ん。いっきますよ〜!!!」
さっきのことは幻だったのか?そう思わせるくらいいつもと変わらずに呼ぶアメリア。
「わかった、今行く。」
そういって立ち上がった俺は確かに見た。みんなに気づかれないようにこっそりとウインクするアメリアの姿を。
こ、こいつ・・・。(苦笑)
遊んでやろうと思ったが、遊ばれているのはこっちらしい。純粋そうだと思って油断したら、楽しそうに俺の心をかき回す。あいつは俺の反応を見て楽しんでるのか?それとも照れ隠しなのか?
あいつの出した宿題のせいで俺は当分は眠れなさそうだ。