◆−序章−マサ(7/18-00:44)No.11067


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11067序章マサ 7/18-00:44


 一人の女が街を歩いている。
 不破高校の制服を着ている。
 いかにもの女子高生だ。
 女子高生など、この世界には、腐るほどいる。
 べつに珍しいことではない。
 だが、その女は人々の目を引いた。
 美しいのだ。
 美女なのだ。
 肩までの金髪が実に見事だ。
 知的で、かつ高貴な顔立ちは見た者には忘れられない強い印象を植え付つける。
 街を歩いていてもその効果は顕著だった。
「はぁ……」
「ほお」
 彼女に見とれ、タメ息をつく男までもいる。
 そんな男たちの存在を彼女は気にもとめない。
 ただひたすら目的地に向かって、傍目もふらずに真っ直ぐ歩いていくだけだ。
 ちょうど陽が沈みかけた夕暮れのことだった。
「もうこんな時間か……」
 彼女は小さくつぶやくと足を早めた。
 陽は街のビルの陰に完全にその顔を隠した。
 周囲に闇が訪れた。
 そのときだ。

 ドタドタドタドタドタドタドタドタッ!

「やらせろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
 ジーンズに白いシャツ、髪の長い男が通りの向こうから一直線に走ってきて、いきなり彼女に抱きついた。
 野性味あふれる美男子だ。
 が、当然のごとく、
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 彼女は悲鳴をあげて、抱きついてきた男を突き飛ばした。
 と、思ったが、

 ドカッ!

 殴り飛ばしていた。
「ぐえっ!」
 男は口から血を流し、もんどり打って地面に倒れ込んだ。
 意外に彼女は強かった。
「ちょっと!裕介、いいかげんにしなさいよ!」
 これまた意外にも大声で怒鳴る。
 が、男は、まるで聞いていない。
 それどころか、気がつくと、男は彼女の真後ろにいた。
「い、いつの間に!」
「おいおい、恥ずかしがってないで、エッチしようぜ!」
「うるさいわね!」
 彼女がもう一度、殴りかかろうとしたとき、

 プニッ!

 男は人差し指で彼女の大きな乳を突くと同時に
「これ、なーんだ?」
 彼女の胸から抜き取ったブラを見せながら言った。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
 彼女の悲鳴と、それを見ていた通りの男たちの喚声が辺りに響きわたった。

 ドゴォォォッ!

「この外道!」
 長髪の男――裕介は今度こそしこたま頭を殴られて、地面に倒れこんでいた。
 恥ずかしさと怒りで顔を真っ赤にして立ちつくしている金髪の美女、その名は麗菜という!