◆−真夏の悪夢(気まま2-3)−CANARU(7/21-08:19)No.11091 ┣約束の理由(気まま2-4)−CANARU(7/22-09:12)No.11101 ┃┗影の主役は・・・(笑)−P.I(7/22-11:21)No.11103 ┃ ┗やっぱり主役は〜♪−CANARU(7/23-10:54)No.11110 ┗暑いですね〜(笑)−P.I(7/22-10:47)No.11102 ┗その名は「りな!!」−CANARU(7/23-11:00)No.11111
11091 | 真夏の悪夢(気まま2-3) | CANARU | 7/21-08:19 |
「にいさま・・・・・・・・・。」 舞い散るものは何だろう・・・・・? 木葉・・それとも・・・・リナの知らない『何か』だろうか。 「リナ・・・・来るな・・・・。」 その瞳は・・まるでリナを怯えているかのようだった・・。 「だって・・・にいさま・・・・・・。」 また・・離れ離れにならなければならないのだろうか? また・・会えたのに・・・? 舞い散るモノは・・・紙ふぶきか・・・? 「待って!!にいさま・・待ってってば!!ジョヴァンニ!!」 聞こえてるの?聞こえていないの? リナに良く似てはいるが・・年齢を重ねた分彼女以上に端整に整った顔立ち が更に霧と吹雪の中に曇っていく・・・・?? 「にいさま!!!!!!」 みいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんん・・・。 みいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんんん・・・。 「・・・・・・・。なんっだ・・・・・。」 夢か・・・。 ローマ以南のイタリアの人間が習慣としてしている『昼寝』 ソレで見た・・夏の昼の悪夢・・と言った所か。 ナポリの蒸し暑い太陽がエアコンをつけた部屋にまで容赦無く照り付けている。 「・・・・。なんでふう〜〜リナさ〜〜ん・・・。」 声を出してしまったのか・・・。 正確に言えば寝言だが・・アメリアを起こしてしまったらしい。 「・・・夢よ・・・・。」 「そうでふかあ〜〜・・。うなしゃれてたみたいでふけろ〜〜・・・。 ましゃゆめにならなければいいでふね・・・・・。」 呂律の回らない言葉を並べて更に眠りに落ちるアメリア・・・。 「ったく・・・・。」 アタシらしくも無い・・・な・・・・。 一見すればまだしも合法的なナポリ、シチリアをトリしきるマフィア組織「カタート」。 そしてリナはその組織の若き総帥ゼロスの妹・・・。 ガウリイ・・・組織の一員は彼女の相棒・・と言う事に成っている・・。 しかし、その実態は・・・・。 「アタシはルクセンブルク公国の公女・・・。更に言えば馬鹿兄ゼロスは公女に遣える 『ワルキューレの騎士団』の副旅団長・・。そして・・。ガウリイはその部下・・。」本来の現状・・先程夢に出た実兄・・『ジョヴァンニ』を考えない様にリナは呟いて見る。 「リナさん・・・。ジョヴァンニさんから手紙が来てますよ〜〜・・。」 コイツも先程昼寝から目覚めたばかりなのだろうか? 眠たそうに頭をボリボリ掻きながら馬鹿兄、ことゼロスが何時もの総帥席に座り込む。 「・・・・へえ・・。書中見舞いかあ〜〜。」 コレもやっぱり寝ぼけているのだろう。 ガウリイが何故か片手にコップ、片手に犬のヌイグルミと言うわけの分からない格好 をしながら現れる。 「ナンなのよ・・・。その犬のヌイグルミは・・・・・。」 「・・・・・・。いや・・・何と無く・・・・・。」 何と無くってねえ・・・・(汗) 「ともかく・・・。読んでみてくださいな・・・。リナさん・・・・・。」 更に眠たそうに欠伸をし、コーヒーを一杯飲むゼロス。 「うん・・・・・。それがね・・・。読んでんだけど・・・。 この一言なのよ・・・・・・・・・・・・。」 『祭りには絶対に現れるな!!』 と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 「昼寝でね・・・。夢を見たのよ。」 困った様にリナは言う。 何処かに迷い込もうとする・・・絶叫すらしている形相のジョヴァンニ・・。 「たかが夢・・?だろ・・・?」 未だに少々寝ぼけた様子でガウリイが犬のヌイグルミの頭を撫ぜながら呟く。 「・・・いや・・・。夢ってモノも結構馬鹿には出来ないものですよ・・。 『正夢』や『逆夢』と言う事もありますし・・・。」 このクソ暑い中、更に熱いコーヒーを飲み干すゼロス。 「と、言うと・・・・・・?」 そんな様子に何か思うところがある、と踏んだリナは更に詳しく問い詰めて見ようとする。ついでに言えば、今にも居眠りモードに入りかかっているガウリイに頭からお茶をぶっかけてやりたい衝動にかられる・・・。 「祭りの誘いが来てるんですよ、ガウリイさんとリナさん宛てに。日本から、ね。」 言いながらゼロスはその手紙をガウリイとリナに向かって渡す。 「・・・消印・・一昨日じゃないの・・・・。」 手渡された封筒の差出人、消印を確認しながらリナ。 「あ、本当だ。しかも!!差出人は廻じゃね〜〜か!!」 ひょんな事件で知り合った日本人のガウリイに性格そっくりなクラゲ少年である。 「あ〜〜〜・・・・。貴方達を滅多に遊ばせるのは良くないと思いましてね。今まで黙ってたんですよ〜〜〜♪」 「ほぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜ううう〜〜〜♪」 リナとガウリイの声がハモり・・・・・・・・・。 「あれ〜〜?ゼロスさん。そのパンダメイクはど〜してんですか??」 「・・・・・・。強暴な猛獣2匹に食いちぎられそうになったんです・・・。」 かくして・・・。 強暴な猛獣2匹は、と言うと・・・・・・・・・・・。 「へえ〜〜・・・。相変わらずの田舎だな〜〜♪」 やって来たのは日本の静岡県三島市。 「まあ・・・。前の事件現場に比べれば・・田舎度合いはマシな方だけどね。」 言いながらリナは『アレ』の存在がこの場には無い事を確認する。 「何キョロキョロしたんだ〜〜〜?お前。まあ、それでジョヴァンニの無事が確認できれば易いもんだがなあ・・・。」 昼間に既に出ている屋台の一つから『りんご飴』を買い、その一つをリナにガウリイは 渡す。 「そりゃ〜〜まあ、そうだけど・・・。『廻』と言えば・・・。『アレ!!』よ!!」 「・・・・・・・・。ああ〜〜・・・。『アレ』・・・ね・・・。」 リナの狼狽ぶり、そして廻と言うその2つの単語がさしものガウリイも『ソレ』 についての理解を呼び起こしたらしい。 どうやら・・・。この返近辺には居ないようであるのだが・・・・・・。 「夏はイカレたヤツが多いからなあ〜〜〜・・・・・・・。」 「ねえ、ママ〜〜あれ、な〜に?」「し!!見ちゃいけません!!!!」 既に通行人の会話から不吉なモノの存在は・・充分に理解可能である。 そして・・・更にその存在を確信に近付ける人物!! 「おお!!廻じゃね〜〜かあ!!」「ガウリイさん!!リナさん!!お久しぶりです!!」この少年、廻の登場とくれば・・お次のパターンは言うまでも無い!!!! 「あ〜〜〜・・。暑い、暑い〜〜・・。やってらんないね〜〜〜・・。」 歩行者天国の道のど真ん中にパラソル、テーブルおっぴろげ・・・。 他人の迷惑顧みず、ローズティーをすすっているその人物!! 「おお!!自称超絶美形、銀髪、リナの中学時代の同級生、ナルシスト、危な系、ロクデナシの・・・・・・・・・・。」 「・・・・・・氷(ヒョウ)・・・・よ・・・・・。」 もはや・・『やっぱり出たか!!!!』の一言に尽きる・・しかない・・・。 「ま。廻がどうしても・・って言うからこの田舎のお祭りのスポンサーをちょっとやらして貰ってるんだけどね・・・。」 言いながら道のど真ん中の簡易パラソルに椅子、テーブルの簡単な席(と、言ってもかなり傍迷惑)な場所にリナとガウリイを座らせる氷。 「お〜い!!リナなかなか座り心地良いぞ〜〜♪」 恥も外聞も無いガウリイ・・・この状況ではかなり羨ましいかもしれない・・・・。 「まあ・・。良いわ。アンタがナンの魂胆も無しに廻を使って私達を呼び出す筈は無いし・・・。ともかく・・・。恥ずかしいからこの場を離れたいけど・・良い?」 「・・・・ま、確かに。人に聞かれたらマズイ話しだしね。」 ならば・・こんな所に陣取った席にヒトを招待するなよ。 そう突っ込みたいのも山々だが・・まあ何も言うまいと言った所である。 「脅迫状????」 氷の見せてくれたその脅迫状・・・・。 『三嶋大社の祭りを中止させろ・・。さもないと酷い事が起こる・・・・・。』 なるほど。かなりオーソドックスではあるが、確かに脅迫状である。 「他にもかなりきっっしょく悪い単語の短冊が送られてきてるんだよね・・・。」 言いながら氷はスクラップから何やらガサゴソと広げながらその品物を見せる。 『21の君の夢・・・・。』 『夢違いの儀式・・・・・・』『源氏将軍の末裔』・・・・・・・。 「・・・・・・・夏になるとイカレた奴が多いし・・・。何かの嫌がらせじゃ ないのか〜〜〜??」 ボリボリと面倒くさそうに頭を掻き、廻が入れてくれた日本茶をガウリイは啜る。 「いや・・・。そうでもないわ・・・・。」 あまり日本の歴史には詳しくないのだが・・予想が違わなければこれはある意味 『脅迫状』の要求を読み取る事が出来るかもしれない。 もしかしたら・・今のリナとガウリイの使命。 失われたルクセンブルクのエルミタージュの財産を取り戻す、という事に 何か関連しているのかもしれない。 ついでに言えば・・・『ジョヴァンニ』に対してみた夢と同じように。 「夢は・・以外と馬鹿にはできない・・しね・・・・。氷、とりあえず捜査のタメのカモフラージュが欲しいんだけど・・・・???」 「あ〜。その辺はちゃんと考えてあるよ。まあ・・・祭りの本番は明後日の夜だし。 それまでに君達この脅迫状をナンとかしてよね。」 あいも変わらず傲慢知己な口調である・・・・・・・・。 「だあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!もう!! むっかつくうううううううう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」 「うわあああ〜〜〜〜〜〜!!リナ!!落ち着け〜〜〜〜〜〜!!」 調査のタメのカモフラージュとして。 氷の家に『使用人』として泊まり込む事と成ったリナとガウリイなのだが・・・。 「なんで〜〜〜!!なんっで!!アタシがこんの馬鹿犬の世話しなくっちゃならないのおおおお!!!!」 言いながらリナは氷の犬・・・訳のわからない性格の妙にケバイ、リボンと首輪をつけた犬・・・・。 『カミーラ=ルクレツィア』をにらみつける!! 「それに!!ナンなのよ!!カミーラかルクレツィアか!!どっちかハッキリした名前にしなさいよね〜〜〜〜〜〜!!!」 「仕方にだろ!!俺達・・カモフラージュの役割は・・『犬の世話係り』なんだぜ?」 作業用の衣服とは言え・・・・。、 見事にこのオフザケ犬に汚されたリナの怒りはもはや大爆発寸前である!!!! 「離せ〜〜〜!!ガウリイ!!この馬鹿犬を富士サファ○パークのライオンの餌にしてやるのよおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!! 保健所呼べ!!今すぐ呼べえええええ〜〜〜〜〜〜〜!!!」 「わ〜〜〜!!リナちゃん!!落ち着いて、落ち着いて〜〜〜〜〜!!!」 この暑さにこのもどかしさ・・・。 更に言えば夏は変な奴が闊歩する季節である・・・・。 さしものリナにも我慢の限界が現れた、と言った所であろうか・・(汗) 「ジョバンニにいさま・・・・・。」 また。この夢である・・・。 悲しそうな瞳でありながら・・しかし・・何も告げないジョヴァンニ・・・。 「来るな・・頼む・・リナ・・・・。」 後半部分はその声は回りの・・その発生源である音が何かすら理解できない音に 阻まれて何を言っているのか聞き取る事すら出来ない。 だが・・・口の形でハッキリとその意味は読み取れる。 『来ないでくれ!!!』 訴えかけるような・・しかし・・・・切実な。 「にいさま・・・一体貴方のみに何が起こったのですか・・・」 リナが夢の中でその言葉を全て発し終えないその時だった・・・。 ぐわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああんんんんん!!! 地を揺るがすような轟音!!! 一体全体何があったのか理解する暇さえ与えられずにリナの眠りは妨げられる。 「リナ!!!」 「ガウリイ!!無事!!!?」 ガウリイもこう言った状況に備えていての事だろう。 リナ同様動きやすくゆったりとした普段着で眠っていたらしい。 「まったく・・。びっくりしたぜ・・。廻と『徹夜でテレビゲーム大会』やってたら いきなりコレだぜ〜〜〜??」 ズベ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 コイツ・・・ず〜〜っとそんな事やっていたのかい・・・・・・・・。 「ともかく!!画面上なんかじゃない実際のゲームの予告・・と言った所かしらね・・・。」 今の爆発の度合いからして『テロ』とか言った大した物では無いだろう。 だが・・・夜の夜中に人の家の庭で無断で巨大な爆竹をぶっ放すともなれば。 それはやっぱり『立派な脅迫、或いは嫌がらせ』と言う事のなるだろう。 「・・・・・。どうやら・・。見えない敵さんの目的はハッキリしたようね。」 ソレがルクセンブルクのエルミタージュから無断で闇ルートで売り払われたモノかどうかはハッキリ言って定かでは無い。 だが・・・・・・・・・・・・。 「どう言う事だ・・リナ・・・?」 困り果てた様にガウリイはリナに尋ねる。 「ジョヴァンニ兄様は・・確実に連中に捕らえられているのよ・・・。」 そして、リナ達が動く事を見越し、『夢』の中とは言えその事を訴えた。 「けどよ・・リナ・・・。ど〜してお前のに〜ちゃんが捕まった、なんて確信を持って言えるんだ・・・??」 尚も腑に落ちない、と言った口調でガウリイは更にリナに尋ねる。 「脅迫状。ロケット花火の中に入ってた・・。ちょっと焦げてて読みにくいけど。」 『奴』の命が惜しければ・・それ以上動き回るな・・・・・・。 半ば焦げかけた紙に微かに読み取れる程度の文字が書かれている。 「成る程。確かにこの文面からするとジョヴァンニが捕まっていると言う事は確かだな。けどよ、リナ。ナンで『連中の目的がハッキリした』な〜んて言えるんだ?」 「簡単な事よ・・。一寸焦点を絞って調査を始めてたもんでね。そのアタシの調査が ズバリ『ビンゴ』だった・・・。それだけよ。」 だからこそその調査を止めるために連中はこんな脅迫をしてきたのだ。 「あ〜あ・・。これで・・当分の間は『ホスト、ミッドガルズ』を狙う連中撲滅に時間を費やす事になるわね・・・・・。」 宝物を探すたびにこの作業ときたもんである。 「ま・・。俺は・・。とことん付き合うぜ。オヤジの事を抜きとしてもな。」 今日のガウリイはまあまあ意地が悪くない方である。 何時もならココで必ず『仲も悪かったし』の一言がつくのだから。 「大昔から伝わるムーンストーンとヘリオドール。」 三島大社の宝物リストを漁りながらリナは確信を得た様にガウリイの方を向かって言う。 「・・・緑の石に・・白い石・・・・・・・・・。」 浪漫もへったくれもない一言でガラスケースに包まれたその宝石を眺めながらガウリイは呟く。 「まあ、ね。ムーンストーンはその名前が示す様に『月』の属性を帯びた石。 そして、ヘリオドールもやっぱりその名前から分かるように『太陽』の属性を帯びた石よ。」原石の上、平安時代のような優美さを持たない装飾。 文化的価値は感じられるがど〜も今一つ美意識を刺激するようなモノではないこの 2つの宝石を眺めながらリナは説明する。 「・・・・で、コレがナンの関係があるんだ〜〜??あっちの方に保存されてる鏡とか・・。着物とかの方がよぽども綺麗じゃね〜のか・・?」 大して綺麗とも思えないこの宝石と同時に宝物蔵に保存されているやはり鎌倉時代前後の鏡と小袖。 こちらはかなりの品物である事は確かである。 「19の君の夢を21の君が買ったのよ・・・・・・・・。」 在る日、伊豆の豪族の二人娘の妹の19の君は夢を見た。 「私は夢を見ました。空には太陽と月が同時に出ていたの。けれども・・・。 アタシが例え男であったとしても。その2つを手にする事はないでしょう・・と思いました。お姉様・・。それはどのような意味なの?」 こんな夢を見た19の君は姉である21の君に相談を持ちかけた。 「・・・たかだか夢でか・・・?ジョヴァンニを心配するお前さんじゃあるまいし・・。」何やら呆れとも焼餅ともつかない口調でガウリイが言葉を挟む。 「中世の日本では現実世界より夢にウェイトが置かれた考えがされていたの。つまりは・・・。『夢』は『お告げ』の役割を果たされたって訳。」 19の君の姉、21の君は女にしては気分で賢かった。 彼女は19の君の夢をとてつもない吉夢と判断してその夢を我が物にしようと企む。 「それは・・妹よ。とてつもない悪夢です。貴方の夢は私が買い取りましょう。」 「けれども・・お姉様・・・。それでは貴方に災いが・・・・・・。」 妹は姉を心配した。しかし、姉はアッサリとこう言ってのける。 「大丈夫です。夢は買い取られる時点でその姿を変化させるモノ・・。お告げの意味も 私が貴方の夢を買う事によって変わりあなたも私も助かるのですよ。」 そう21の君は19の君に告げた。 そして、姉は高価な鏡や小袖を妹に与え、彼女は妹の夢を奪い取ったの・・・。 「そして。その夢は『現実』になったわ。その21の君っていうのが・・・。 鎌倉の尼将軍。源頼朝の妻、北条政子って訳。」 更に言えば・・・・。 政子の妹の19の君が見た夢の『太陽』と『月』は即ち『天下』と言う意味を持つのである。 「つまりは・・・・このヘリオドールとムーンストーンが・・・。」 「そ・・・。敵さん方の目的の品物・・・と言った所かしらね・・・・。」 目的がわかったからには後はどうやって人質を奪回するのか、と言った所である。 「カミ〜ラ!!カミ〜〜ラ!!」 不意に下宿先の氷の家に帰った途端に廻の絶叫する声が聞こえる。 「どうしたのよ〜〜!!廻!!」 あまりにも慌てた様子だったので思わずリナは焦った口調で問いただしてしまう。 それに吊られて・・というわけでも無さそうだが困り果てた様に・・・。 「ああ〜〜〜・・。リナさん〜〜!!ど〜しましょうううう!!ああ〜〜〜!! ガウリイさん〜〜〜!!氷様は幸い今外出なさってるんですけど・・・。ペットの犬のカミーラがあ・・カミーラ=ルクレツィアが迷子になっちゃたみたいで・・。見当たらないんです!!!」 「なんですって〜〜〜〜?????」 あの滅茶苦茶躾のなってない馬鹿犬が街中に解き放たれたですって〜〜〜?? そう考えただけでも否応無くリナの顔が恐怖に歪む。 「マズイな・・・。さっさと保健所に掴まれば世間の皆様に害は無さそうだが・・・。 そうなるとあの氷は大騒ぎするだろ〜〜し・・・・。」 「かと言って・・・。甚大な被害が出るまで野放しにしておく訳にもいかないわね。あの馬鹿犬・・・。いいわ、廻。あたし達も一緒に探すわ。」 敵の影が見えない今は、さしあたり差し迫った恐怖の芽を摘み取っておく事が先決、とリナは判断した。無論、あの犬の恐ろしさを共に知っているガウリイに異存があるいはずはないだろう。 「ありがとうございます〜〜〜!!あ、お礼に伊豆のお祭り今度一緒に行きましょう!! 事件、それまでに解決すると良いですね!!ローカル祭りなんですけど・・。 とにかくすっごいんですよ〜〜♪」 言いながら廻はガウリイとリナとは逆の方向に犬を探しに去って行く。 「ま、たまには良いかもナ。」 「その前に、犬と脅迫状。両方の事件解決でしょ!!」 かくして捜査は始まったのだが・・・・・・・・・・・・・・・。 「リナ!!!!!」 不意にガウリイがリナを突き飛ばす!! ガイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ〜〜〜〜〜〜ンンンンンン!!何かが砕けるような轟音・・・。 辺り一面に漂う火薬の匂い。更には・・・・・・・・・・・。 「・・・おどしじゃ・・無いわね・・。今回は・・。」 「貴様等が『人質』を探しに出てくる事は既に計算済みだったからな。」 不意に告げられる一言・・・。 どうやら。単なる犬探しだったのを人質とされているジョヴァンニを探しているのと 敵さん側から勘違いしてくれたらしい。 「ともあれ!!人質をさっさと返していただきましょうか?」 「言われなくても事が済んだら直にでも返すわい!!!」 ナンだか妙に素直と言うかやけっぱちと言うか・・・・・。 「ともあれ・・。あんた等の目的は本当に宝石なのか〜〜??」 どうも今回は調子が出ないのだろうか。暑さで参った体を休める様に木陰に寄りかかり、 木綿のハンカチで汗を拭いながらガウリイが言う。 「ともあれ!!お前達には今回の仕事から手を引いてもらう!!!」 言いながら敵の一人がリナに向かって脅しのつもありか、はたまた単にヘタクソなだけか。 辺りもしないナイフを投げつけてくる。 無論リナとて伊達に『プロ』を名乗っていない。 単に避ける、だけではなくそのナイフを素手で掴みとって逆に敵に投げ返す くらいの芸当は朝飯前の事である。 「おいおい!!お前だけ良い格好すんなよな〜〜!!リナ!!」 やっとやる気をだしたのだろう。 凭れ掛かっている大木から背中を離して足元に転がっている石ころを爆発班であろう連中の間に投げ込むガウリイ!! あ・・と言う間にその主犯格であろう男の顔面にその石ころは直撃する。 「あ〜あ・・泡吹いちゃって・・・。」 見事なコントロールにリナは少々呆れながらも見惚れてしまう・・・・・。 「リナ!!!後ろ!!!」 その一瞬の隙をつかれそうになるが、そ〜簡単にやられてやる筋合いは無い!! 「ぐえええええええええ!!!!」 後ろ回しげりをマトモに食らって見事に倒れる男・・・・。かなり痛そうではあるのだが・・・・。 「まあ・・悪人に人権なんか無いし・・ねって・・ん!!!!!???」 不意にまじまじとリナは先程自分が倒した敵を見遣る!! 「どしたあ〜〜?リナ?」 リーダーであろう40代くらいの男をボコボコにしながら余裕げにガウリイがリナに尋ねてくる・・・。が・・・・。リナは硬直して何も答えられない・・・・。 「おい〜〜リナ!!リナってばあ〜〜〜〜〜!!聞いてるのか?コイツ、やっつけたぞ!!」 クイクイクイ・・・・。何時の間にか背後の回ったリナがガウリイの服の切れ端を引っ張る。その顔色は・・真っ青・・・。 「ナンだよ〜〜お前!!あ、コイツが怖いのか?大丈夫、大丈夫気絶してるからこ〜んな事したって平気だぜ?」 やや調子に乗った様子でガウリイは先程自分が倒した男をゲッシゲシと踏みつける。 「ガウリイ・・・・・・・・・・・・・。(クイクイクイ・・)」 その指の指し示す所は・・・・・・・・・・・・・。 「だあああああ〜〜〜〜〜!!!ゴメンナサイ!!ゴメンナサイ!!ゴメンナサイ!!」 「許して〜〜!!だって・・・行き成り襲いかかってくるンだもんん〜〜〜〜!!!」 ガウリイとリナは先程散々に蹴散らした人々に土下座してお詫びする。 「まったく・・・。ゼロス殿もちゃんと説明してくださらないから・・・。ともあれ、リナ様、ガウリイ様。我々はルクセンブルク『ワルキューレの騎士団日本支部』のモノであるとご理解いただけ何よりです。」 そう・・・・・・・・・・・・・・・。 彼らとて『ルクセンブルク』の騎士団員である。 そんな彼らが『エルミタージュ』の秘宝をガウリイとリナと別口から捜索される依頼を請けていたって何ら不思議は無いのである。 更には・・・・リナとガウリイを『秘宝を狙う悪人』と勘違いしても不思議は無い・・ という事にも・・・。なる・・・。 丁度二人が彼らを『悪人』と思い込んだように・・・・・・・・。 不幸中の幸いリナが彼らのスーツにつけられた『ワルキューレの騎士団』のピンに気付いてまだしも事無きを得た・・と言った所か・・・・・。 「ともあれ・・・人質を返して頂戴!!」 ジョヴァンニもとんだ苦労をしたもの・・である・・・・・・。 「分かりました!!オイ!!連れて来い!!」 連れて来いって・・ねえ。せめて『お連れしろ』くらい言って欲しいモンだわ。 ったく・・・・。 明後日の方を向きながらそう思うリナの服の袖をクイクイ、と今度はガウリイが引っ張る。 「何よ〜〜ガウリイ!!」「リナ・・・・あの人質・・・。」 はへ・・・・・・・・・・???? どう見ても・・ソレは人間の影ではない・・・。強いて言えば・・そう・・・。 『カ・・・・カミーラ=ルクレツィア〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!???』 ジョヴァンニ・・・・。 未だに行方不明・・・・なり・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 三島駅から伊豆に向かうバスの中。リナはずっとその事ばかり考えていた。 「まったく・・こ〜んな可愛い妹心配させて。何処行ってるんだかな・・・。 ジョヴァンニの奴・・・・・・。」 ここまで情報が掴めなければガウリイにも焼餅を焼いている余裕は無いらしい。 「今度の祭りは一寸違いますよ。ローカルの祭りとは言えすッごいんです!!伊豆の名物(?)俗名変態祭り!!地元の若い男達が山車に乗って女装して町を練り歩く行事なんですよ〜〜!!ま、女装以外にも応援団風もありますけどね。」 楽しそうに廻が説明する。しかも・・『飛び入り参加OK』が更にミソ・・である。 「なあ・・・リナ。あれ、参加者さんじゃね〜か?」 港の建物に隠れる一角、一人の赤っぽい髪の男がなにやら学ランを着込んで鉢巻をしめスタンバイをしている・・・・。って・・・あの背格好、さらにはあの髪の色・・。 真坂・・・・・・・(ぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴぴ〜♪) 不意に聞こえる携帯電話の着信音、無論リナ、ガウリイ、ましてや廻のモノではない。 しかも・・着信メロディーは『昭和枯れススキ』ときたものだ・・・。 間違いは無い!!! 「ジョヴァンニにいさまああああああああああああああああ??????」 びくうううううううううううううううううううう〜〜〜〜〜〜〜!!!!! スタンバイをしていた若者はリナの呼びかけにマトモに驚いたように飛び上がる!! 「り・・・りりりりりりりり・・・りなああああ〜〜(汗)」 其処には・・完全に応援団の服装に身を包んだジョヴァンニが居た・・。 「なるほど・・・ね・・・・(汗)」 確かにこんな姿は見られたくないし・・『来るな』と夢に出て訴えかけるだろう・・。 冷たい空気が辺りに漂う・・・。 「なあ〜〜、廻、飛び入り参加Okなら俺もジョヴァンニと一緒に応援団やろっかな〜。山車で町中練り歩くんだろ?」 既に・・リナにガウリイの行動を止める気力も体力も・・残ってはいなかった。 夢なんて・・こんなモン・・・よね・・・・。 ともあれ、楽しい祭りはこれからである。 ジョヴァンニはショックで再起不能の様子だが。 折角の夏なので楽しませてもらうとしよう〜〜♪ 密にそう思うリナだった。 (気が向いたら続きます!!) 書いていて・・・。 本気で悪夢でした・・・。オチがサイテ〜〜・・・。 では〜〜・・・。 最近暑さでイカれてるCANARUでした・・・。 |
11101 | 約束の理由(気まま2-4) | CANARU | 7/22-09:12 |
記事番号11091へのコメント 三国時代・・・。 中国の戦国時代の代名詞・・と言っても過言ではないだろう・・・。 『蜀=劉備』『呉=孫権』『魏=曹操』と言う確固たる英雄の治める時代・・。 「だから!!ナンでそ〜なるのよ!!こんのクソ馬鹿兄!!」 「ナンでって!!元もとの理屈がそ〜だからそ〜なるだけですよ!! 愚妹のリナさん!!!」 静かな午後の昼下がり・・・・・・・・。 今日も昼寝(ローマ以南のイタリアの習慣であり、決して怠けではない)の後の ここ「カタート」の総帥室は・・・ド喧しい兄妹喧嘩の修羅場とかしていた・・・。 「昨日よりも・・9分30秒も早いなあ〜〜〜・・」 隣室で眠っていた所を叩き起こされたのだろう。 名目上はまだしも合法的なナポリ、シチリアをとりしきるマフィア組織カタートの総帥ゼロス、しかし実態はルクセンブルクの『ワルキューレの騎士団』副旅団長にしてリナの義兄。 片や、その『総帥』ゼロスの義妹にしてカタートの幹部、でもって仕事上のガウリイの相棒と言えば言わずと知れたこのリナ。 だが、彼女のソレも仮の姿。 ぢつは、れっきとしたルクセンブルク公国の公女様なのである・・・。 そ〜んな二人の騒動に、先日ゼロスの支配下のワルキューレ騎士団に入団した ばかりのガウリイは呆れた様に(叩き起こされたばかりで少々寝ぼけている)言う。 「聞いてよ!!ガウリイ!!このヒトったらね!!・・・・(以下、ワープロソフトのページ1000ページを裂いても収まりきれないだけの愚痴にて削除。)なのよ! 信じられない!!」 「えええ〜〜〜〜・・・お前・・・ぴ〜〜〜〜(規制)だけじゃなくって・・・ ぴぴぴぴぴ〜〜〜(規制2)もぴいいいいぃぃ〜〜(規制3)もしてた・・って事になるんだよなあ・・・ソレって!!!」 「ええええ〜〜〜〜〜!!そうなの!!!??」 「そうだぜ・・多分・・純情なリナには理解すら絶する・・・」 「何言ってるんですか!!ガウリイさん!!貴方は!!第一・・。リナさんが・・ (以下、ワープロソフト5000ページを費やすので削除)なんて反論するから行けないんですよ!!!ったく・・・。」 「リナ〜〜・・そんな事言ったのか・・・・??」 「ちっがうううう〜〜〜!!変な意味で捕らえないでヨ!ガウリイ!!アタシはただ・・。『ゲーム三国志に登場しているキャラの名前全部暗記してるなんて信じられない!!』って言っただけなのよ・・。そしたら・・この馬鹿兄が・・・。」 暫しの沈黙・・・・・・・・。 「知らなかった・・ゼロス・・お前・・実はゲーマーの『三国志オタク』だったんだな・・・・。クラスに必ず一人はいるあれ!!」 「う!!!!!!!!!!」 リナとはあれだけの論争となった発端だったが・・・。 ガウリイのまさにジャスト・び〜〜んっごの一言に流石に何も言えなくなるゼロスだった。 「そ〜ですよ!!ど〜せ僕は三国志マニアのゲーマーです!!放っておいてください! 別にチェスだろ〜が戦略シュミレーションなのは変わり無いのに・・。 ど〜して差別するんでしょうかね〜〜〜・・・。」 あ・・・半ばいじけモードに突入か??? 「そんな事はど〜でも良いのよ、ガウリイ。話しを元に戻しましょうか?ゼロス。 アンタは『曹操』こそが真の英雄、とか言いましたけど・・・。絶対それは蜀の劉備よ!!な〜〜んであんな悪役が!!!」 「何言ってるんですか!!あんな雷怖がるヒトの何処が英雄なんです!!?」 「あ〜〜!!アンタ!!吉川英治の『三国志』全8巻読んだわね!!アタシも読んだけど・・あれは絶対ワザトよ、ワザト!!!」 「ふ〜〜ん・・・。義兄弟がいなけれな何も出来ないあのヒトが英雄ですかあ〜〜・・。 まあ・・良いでしょう・・。ジョヴァンニさんが今中国に行っています。誰か適当なヒトを派遣して欲しいとは言われてましたが・・。あなた方を派遣する事に今決めました。 リナさん、ガウリイさん。ついでに言えばこの論争の答えも探してきていただきましょうか?」 「・・・え・・・俺も・・」 ガウリイが抗議の声を差し挟む前にリナは片手でそれを制し・・ 「望む所よ!!で、今回の任務は??」 「今回の任務は・・ですねえ〜〜・・ズバリ・・・。」 「ズバリ・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 「土木工事なんだよなあ〜〜コレがあ〜〜♪」 中国の四川省。もともとは三国志の時代劉備の支配する蜀が支配した一帯 の土地である。 「・・・・・・・・・土木・・工事・・・・・・・。」 行き成りそんな事を言いながらにこやかに向かえてくれたジョヴァンニ。 ついでに言えば長い間離れ離れになっていた彼女の実兄に当たる人物である。 「いや〜。こんなくだらね〜仕事だからゼロスは騎士団・・とと・・・。『カタート』の下っ端を遣すと思ってたが・・。真坂お前達直々にお出まし下さるとはねえ〜♪」 リナの肩を軍手を外してポンポンと2回叩き・・・。 豪快にやかんから麦茶(いや。イメージ的に)を飲み干すジョヴァンニ・・。 って・・・一寸待て!!! 今回の任務が・・今回の任務が土木作業・・? 下っ端がくると思った=ジョヴァンニ直々のお呼び出しじゃない=雑用・・・。 その方程式のハテに行きつく答えは・・・・・・・。 あくすとろふぃ〜・・・・・・馬鹿兄にハメられた!!!! と言う結末に至る・・・・・・・・・・・。 「だああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!! よりによって!!よりによって!!あんの馬鹿兄に勢いでハメられたああ!! こんな仕事する必要も言われもないのにいいいいいいいいいいい!!!!」 「でもよ・・お前、あのヒトはそうは思っていないようだぜ・・?」 ジョヴァンニの一言と指で指し示されるその方向には・・・・・・・・。 「ほら!!其処、どいたどいたああ〜〜〜〜!!砂かき出すぞ!!あ、今其処に爆薬仕掛けたから下がって、下がって!!パワーショベルは・・・?え、砂が入って使えない? じゃ、俺が素手でやるから!!」 「・・・・・・・・・・・・・ガウリイ・・・・・・・・・・・・・。」 何楽しそうに趣味・・・・ぢゃなかった・・土木作業やってるのよ・・・・・・・・。 本当に楽しそうなので・・もはや怒る気力すら湧いてこない・・・・・。 「まあ・・お前は貧血気味だし・・・。昼飯作るだけの役割で良いからさ。 来てくれたついでに詳しい説明も飯のときにするから。プレハブででも休んでいて くれよ。」 再度慰める様にポンポン、とリナの肩を叩きつつジョヴァンニ・・・。 「そ〜させてもらうわ・・・。あの頭脳労働より肉体労働のクラゲめ・・。」 もはや・・あの楽しそうな表情見ると無理やり連れ戻す気分にもなれないリナだった。 もしかして・・・騎士団よりも現場監督の方が向いているかもしれない・・・。 「『エルミタージュ』の宝物を落としたぁぁぁぁ〜〜〜??」 ようやっと一段落着いて昼食の時間になって・・・。 もともとこの辺りには三国時代の古い建物がかなり沢山残っている。 最も『文化財』といえるほどでもないまったくの『庶民』の家や一部のお役所が・・ 程度の物なのだが。 「ああ・・・。近いうちにこの辺り一帯を欲補修のタメに一端爆破、解体するんだ。」 余りにも凄まじい暑さのためだろうか。 リナの兄だけあって背丈の割には華奢な面持ちのジョヴァンニはあまり食事に手をつけない。 「でふぁぁ〜〜・・・。しょふぁにのふぁなしはふぉお〜〜・・・。ほほぢゅど〜〜びょにふゃふゅへへほほしゅひゃひゃひゃはほにょしゃひゃひぃふゃりゅって。」 「食ってるものを飲み込んでから言いなさいよね・・。ガウリイ。」 冷たいリナの視線を察してか大慌てでお茶を飲み、食べ物を流し込み・・。 「でさあ〜〜・・・。ジョヴァンニの話しだと。土木工事に隠れて内密に落とした『宝物』探してるんだって。」 真面目に言うがやっぱり目線は食べ物に注がれているガウリイ・・・。 「内密って・・ど〜ゆ〜事・・・・。」 「ああ・・・・・・。」 今度はかなり沈痛な面持ちでジョヴァンニが答える。 彼の話しによれば・・・・。 先日の事、この中国の四川省に失われ、闇ルートで流されたルクセンブルクのエルミタージュの宝物がある、と言う情報が入った。 偶然時間の空いていたジョヴァンニが中国に飛び、『ワルキューレの騎士団』中国支部の連中と一緒に敵組織を潰滅させ、宝を奪い返して帰国の途につこうとしたのだが・・・。 「途中・・夜目でこの工事現場に迷い込んで・・・・・。 すッ転んで『宝物』を落としたんだ・・・・・・・・・・・・・・・・。」 し〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んんんん・・・。 暫しの沈黙・・・。 ガウリイが必至で食事をかき込む音だけがあたりに響く・・。 「はい・・・・・・・???????」 「だから・・夜目で・・転んで・・この村落の・・何処かに宝物を・・落とした・・・。 ちなみに包みは開けなかったので・・宝物が『何』かもわからないんだ・・。」 しぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んんんん・・・。 更に広がる・・冷たい・・そりゃ〜〜もう冷たい沈黙・・・。 「で・・・近いうちにこの辺一帯は爆発させられちゃう・・・と・?」 感情の篭らないリナの声にただただコクコクと頷くジョヴァンニ・・。 「おい・・・・・・・・・・・・・・。」 流石にガウリイも冷やし中華を食べている場合ではないと判断したらしい。 その手には・・・工事用のスコップが握られ・・・・・。 「・・・・ぐわあ〜〜〜!!人工ニューロンの拒絶反応がああ!!(※ジョヴァンニに〜さまの頭脳には人工ニューロンが今は潰滅した悪の組織のせ〜で埋め込まれている!) 後は頼んだぞ!!妹よおおお!!!」 「あああ〜〜〜!!おに〜〜ちゃんん!!!!」 「ソイツだとぶん殴らないのかよおおお〜〜リナああああ〜〜〜〜!!」 かくして・・・。 仮病ジョヴァンニを放置して二人の調査は開始される事となったのである。 「包み・・だけじゃ理解できないわねえ・・・・。」 やっぱりコレでは手掛かり不足・・である。 「まあなあ・・。聞き込み捜査が出来ないのが一番痛いしなぁ〜・・。」 リナに並んでガウリイも困り果てた様に言う。 しかも昼間は土木現場の手伝いという日程が成立しているとなると。 自然活動時間は夜の間のみ、と限られてきてしまう。 「ジョヴァンニに〜さまたってのお願いだしね・・・・。今回の不祥事がバレたらこっぴどく絞られることは請け合いだし。」 「事後自得のような気はするのだが・・・。」 今回ばかりは珍しく正論的なことを言うガウリイ。 夜の月夜が今では住む人もまばらな・・・寂しい集落を映し出す。 あまりガウリイの居る傍で言える台詞ではないのだが・・・。 いかにも今にも『出そう』な雰囲気である。 そんな事を一瞬リナが考えたその時であった・・・・・・・・。 「シクシク・・・・シクシクシク・・シクシク・・・・・・。」 不意に耳に届くのは、少女の声・・・・? しかも涙・・・・泣き声であろうか? 「ガウリイ・・・・・・・。」 「ああ・・・・。ともあれ・・行って見よう・・・。」 こんな夜半に女子の泣き声、普段なら『出た』と言う事を連想しそうなもの なのだが。 怯えていない様子からして「幽霊大嫌い男」のガウリイの発想は其処まで至っていないようである。 「ヤケに時代錯誤な服装した子だなあ・・・。」 リナと共にやってきた工事現場の一角。 井戸の石造りの淵に凭れ掛かって一人の少女が涙を流している。 年の頃ならリナより10歳くらい年下・・と言った所か・・・? 「まあ・・民族衣装なんじゃないかしら・・。」 一応ガウリイにはそうとだけ言ってお茶を濁しておこう。 丸い顔立ちに綺麗な黒髪・・いかにも元気そうな少女なのに・・・。 今はとにかくひたすら・・何かに泣きくれている様子である。 が、それもそれもさっきまでの事であった。 リナの視線がマトモに少女とぶつかり合うやいなや・・の事である。 その顔に浮かぶ満面の笑顔・・先程の涙が嘘であるかの様である。 「・・・・・・昭烈帝様!!!!!!!!!!!!!!」 そう言ってやおら少女はリナの元に飛びついてくる!! が・・・・・・・・・・・・・それもまたもや一瞬のことだった。またしても・・いや、強いて言えば先程よりもなお更顔をしかめ・・こう呟く・・・。 「そっくりだけど・・・。昭烈帝様じゃないわ・・・。しかも・・女の人?遠巻きじゃ胸が小さくて気付かなかった私が馬鹿みたい・・・・。」 おい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ド派手に勘違いしてくれて・・この一言かい!!お前は!! 「ははは〜〜♪確かに小さ・・って!!ごめん〜〜〜!!リナ!!!」 凄まじい眼差しに恐れをなしたのだろう。 ガウリイがリナにペコペコと平謝りする。が・・・・・・・・・・・。 「アンタは!!!魏の・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 そんなガウリイを一目見た途端、少女は怯えたように後ずさる。 これは・・・少々誤解が続けば厄介な事に成りかねない。そうリナは判断して少女にガウリイをまじまじと見させる。 「安心して。あの男じゃないわ。第一、髪の色が違うでしょう?」 そっか・・・『あの男』はガウリイにそっくり・・・だったのか・・・・・。 かく言う自分も彼の事を笑える状態では無い様子なのだが。 そう思ってリナは苦笑する。その間にもみるみる少女は落ち着きを取り戻す。 「本当・・・。あの人は・・あの魏王は金色の髪じゃないもんね・・。」 年には似合わない自分の軽率を笑うかのような眼差し。 「で、こんな子供が、ナンで夜の夜中のこんな時間に出歩いているんだ〜?」 暢気に彼女に質問するガウリイ・・。ど〜やら・・本気で気付いていないらしい。 「・・・魏の連中がね、この村を破壊しようとしているの。知ってるでしょ?昼間の恐ろしい連中を!!昼は・・だからアタシは出る事が出来ないの・・・・・・。アタシはココの県令の娘なの・・。アタシね、この井戸の中に魏の連中が攻めてきたときに宝物を隠したのよ・・。せめて・・昭烈様にお返しするまで守らなくちゃいけないんだけど・・。 何時までたっても皇帝様は来てくださらないのよ・・・。」 ここまで言って少女は言葉を切る。 「大丈夫。あたし達が・・ちゃんとお渡しするから。」 帰れないんだろう・・・このままでは・・・・・・・・・・。 「本当!!?おね〜さん!!本当ね!!あのね!!伏魔大帝っておっしゃるお方が居るわ!!昭烈様の義兄弟なの!!大帝の前ではくれぐれも昭烈様、とお呼びして!! そうしないと・・大帝はお怒りになるから。ね、約束よ!!」 「・・・・わかったわ・・・・・。」 安心したのだろう・・・。先程まであった泣いている少女の姿は笑顔と共にかき消される。 「なあ・・・リナ・・・・・。もしかして・・今のあの子・・・・。」 あ・・・やっぱり気付いちゃったのか・・ガウリイ君。 「そうよ・・。三国志時代の・・恐らく蜀の国人の亡霊の女の子・・と言った所 かしらねえ〜〜〜・・・・????ちなみに昭烈帝というのはかの劉玄徳の事 で・・大帝というのが義弟関羽の事ね・・って聞いてる?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 ガウリイが意識不明に陥ったのはナンとか寄宿舎まで無事に辿りついて気が抜けたその時であった・・・・・・・・・・・・・・。 「井戸ねえ・・・・・。」 考えた様にリナは土木作業に(別の意味で)戻りたがる肉体労働派のガウリイを引きずりながら考え込む。 昨日、あの少女が出現したあの場所、である。 「井戸の中に宝物があるわけね〜だろ!!仮にあったとしても・・。それは何百年も昔の話だろ〜が!!!」 昼間とは言えこんな場所からさっさと引き上げたいガウリイが必死でリナに抗議する。 か〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん・・・・。 ちゃっぽ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んんん・・・・。 かなり、深い。 それに未だに水を湛えている様子もある・・・・。 「ああ〜〜・・もう・・俺・・。こ〜んな『呪いの井戸』の淵辺に居るの・・・。 も〜イヤだよおおお〜〜・・・。」 もはや泣き声を隠さずにガウリイがリナの後ろに隠れながら井戸の中を覗き込む。 「そんなに・・この淵辺はいやなの・・・?」 「イヤに決まってるだろ〜〜〜〜〜・・・・。」 ならば・・・話しは早いわ!! ひゅうううううううううううううううううううううううううう〜〜〜〜・・・。 バッシャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンンンンンンンンン!!! 「どうわああああああああああああああああああああああああ・・・・・・。」 ガウリイ・・成仏してね・・・これも調査のためよ〜♪ 「ったく!!アイツは!!」 恐怖はあるとはいえ、ナンとか何時もの調子を取り戻したガウリイは命綱を頼りに少しずつ井戸を降りていく。 「どう〜?ガウリイ!!」 「真下はかなりでっかい水面だ。明かりが届かないくらい深いな・・。あんまり良く』調査するのは・・降りたとはいえ不可能だな・・・。」 かなり無謀・・と分かりながらもガウリイは水面に手をつけてみる・・・。 何かが・・微かに絡み着ついてくる感触・・・・。 思わず恐怖が勝ってどうわああああああああああ〜〜〜〜〜!!!と絶叫したい衝動に狩られるのだが・・・。そんな失態はリナの手前避けねば成らない事は必然・・である!! 「どしたの?ガウリイ!!」 「いや・・ミミズだった・・・。」 「・・・・・・・・・。水面にミミズ・・・・????」 「・・・間違った・・蛭だよ!!蛭!!」 「・・・・・・・・。田んぼでも無いのに・・・??」 ええ〜〜〜い!!分かっていながら一々詮索しないでくれ!!!! 「ともあれ・・この状態キープしたまま上にあがるから、俺の手にくっついてもモノ、お前が見てくれよ!!」 ・・・・・・・・・・・・。奇妙なものはもはやコレ以上見るのはご免・・・ と言った心境の今日のガウリイさんであった・・・・。 「これって・・・・・布・・・???」 ガウリイの手に巻きついたいた水面から拾い上げたそのモノは・・・・。 「ああ・・・風呂敷素材なんて言うもんじゃない・・かなり新しい上に高価な布・・だな・・。」 差し出されたタオルで湿気に湿った髪と服を拭きながらガウリイは初めてソレを凝視する。 「・・・・・・ねえ・・ちょっと・・コレ!!!」 やおらリナが布に施された刺繍の一部を指差して言う。 「これって・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 そう・・それは見間違う事は無いだろう・・・・。 先日解体された『フレイの騎士団』・・しかしその実態は最悪の犯罪組織の『ミッドガルズ』の仮の姿・・・・その紋章であった・・・。 強いて言えば・・つい数ヶ月前まではガウリイ自身も何も知らずに身につけていたその・・。 「ど〜やら・・・・・・。」 ジョバンニが夜目で宝物を落としたその場所とは・・・・・。 よりにもよってこの『井戸』らしい。 「そうりで・・いくら探しても見当がつかないわけだぜ・・・。」 ガウリイも苦笑しながらリナの手に持たれたその包みを覗きこむ。 「まあ・・・宝物探しは・・明日と言う事にしましょう・・・・・・・。」 『フレイの騎士団』に関わるものを発見して何と無く気力が無くなった・・ と言ってしまえばかなりミもフタも無い言い方に成ってしまうのだが・・・。 「井戸の爆破寸前に間に合ったって所だな・・・。」 意地を張って「自分が井戸に降りる」と言ったガウリイの命綱を支えながらジョヴァンニが呟く。 「え・・・・?井戸って・・・・・・。」 この町並みを補強のタメに爆破する・・とココに着た当日に既にジョヴァンニ自身から聞かされてはいたのだが・・・・・。 「ああ・・・。爆破する火薬はこの井戸を中心に仕掛ける事になってるんだ。結構は明日の晩と聞かされているんだが・・・。」 「ふ〜〜〜ん・・・今ここで点火したら・・ど〜なるかしらねえ・・・・・。」 チロリ・・・・・・・・・・・・・・・。 井戸を降りているガウリイの金髪に怪しい視線を向けるリナ。その良からぬ状況に気付いたのだろうか・・不意にガウリイが視線をこちらに向けてくる。が・・やがて一言・・。 「おまえ・・やっぱり胸小さいな・・・・・。」 ブッチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 どげらしゃあああああああああああああああああ〜〜〜〜〜んんんんんんん・・。 「ガウリイ・・・成仏してくれ・・・・。」 それが・・ジョヴァンニのガウリイに対するせめてもの贐(?)の言葉であった。 「ひでえええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・。」 「あんたが悪いんでしょ!!このくらげ〜〜〜!!」 ナンとかリナの投石攻撃はかわしたものの・・・運悪くバランスを崩してガウリイは 胸の辺りまで見事に井戸水に浸かってしまったのだった。 「ったく・・・。この水がもっと深かったろど〜してくれるんだろ〜ね。この娘は・・。」 愚痴にならない愚痴を呟きながら・・・。 ガウリイはガサゴソと水の中を漁り始める・・。しばらくして、手に伝わる冷ややかな 感触・・・・。これが宝玉の確立はあるだろうか? そう思いガウリイは手元に在る白い、丸い物体を見遣るが・・・・・・・・・。 「・・・・・・・・見なかった事にしよう・・・・・・・・。」 水越しに確認したとはいえ、それは見事なシャレコウベ・・・即ち髑髏の姿を象っているではないか・・・。そんなものを実際手に持って大騒ぎしなかった自分が偉い、偉いの一言・・である。 「さてと・・余計な手間食っちまったが。」 赤と青・・・?それとも緑か・・・・??黄金のティアラか・・・・。 「ルビーか・・・サファイア・・それとも・・エメラルド・・・??」 悩んだ様にガウリイはそれを眺めながら呟く。一つの宝石なのに数多の色・・。 「・・・アレクサンドライトね・・・・。」 すっかり冷えた体をしたガウリイに暖かいお茶と毛布を差し出しながらリナは言う。 「アレクサンドライト・・・・??」 「光によって色が数多に変わる宝石なの。ロシア后妃のアレクサンドラが愛した石だと言われているわ・・・。」 言いながらリナは大事にその宝石を懐に仕舞い込む。珍しく気に入った一品である。 「へえ・・・。それにしてもさあ・・・。髑髏までもがあったんだぜ?も〜びっくりだぜ。」 思い出したかのようにガウリイはリナにそ〜呟く・・・。 だが・・ハッキリ言ってそれは『墓穴』を掘ったようなもの・・である・・・・。 「ねえ〜〜ガウリイ・・。中国伝説のシャレコウベ(髑髏)の仕返しって知ってる? 他にもね・・寝台の裏に潜んで・・恨みがましく霊気を吹きかける恐ろしい髑髏が・・。」「ぎゃああああああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!! リナ〜〜〜〜〜!!怪談怖いからやめてくれええええええええええ〜〜〜〜〜〜!!」 まさに・・本当に『墓穴』を掘ったガウリイ・・であった・・・。 「まあ・・・お前が本当に髑髏を見たとしたら・・俺達やっぱり呪われるかな〜? ほら、良く学校の怪談なんかであるだろ?『墓場を崩して校舎を建てた』なんて話し。」 今度はジョヴァンニがガウリイ苛めにかかる!!! 「ぎゃあああ〜〜〜〜!!勘弁!!」 「ま、安心しろよ。井戸の爆破は明日の晩から今晩に変更になったんだ。割とはやめの方が良い・・って事になってナ。お前が言った通り本当に井戸に髑髏があったかど〜かは・・。定かでは無くなるって所かな・・・。」 少々考えた様にジョヴァンニが言う・・。『髑髏かどうか定かでは無い』の一言にリナは 何故か素早く反応する・・・・。 「ねえ・・・ちょっと思うんだけど・・。」 あの少女の亡霊が告げていたもの・・そしてガウリイが見た・・と言う髑髏。 それが意味するものは・・・。真坂とは思うのだが・・・・・・・。 「リナが爆破現場の井戸に向かっている!!?」 ガウリイが行方不明になったリナを探しているときに仕入れた情報は信じられない事ことだった。 「マズイな・・・。」 彼女自身も知っていればこんな危険な真似はしなかっただろう・・。爆発時間が45分ほど早めになった・・と言う事を。 「井戸の爆破時間を遅らせる事は出来ないのか??」 もどかしい思いでガウリイは現場監督の一人に尋ねて見る。 「時限式なので・・回線を絶ちきらない限り・・不可能です・・・。」 爆発予定時刻まで後約12分か・・・・・・ココから井戸までの距離は約半分の7分程度・・。例え無事にリナを連れ戻したとしてもかなり危険な勝負になることは確実である。 「ジョヴァンニ!!頼む!!回線を切ってくれ!!」 言いながら井戸の方に駆け出して行くガウリイ!! 「何処!!何処なの!!」 あの少女と約束した・・『蜀』の宝物・・・。恐らくガウリイが見たものは髑髏なんかじゃ無い・・。この時代、珍重された形こそ髑髏だが立派な象牙の装飾品であった。 そうとしか考えられない・・・。長い年月この井戸の中に放り込まれたまま・・・。 「何処・・何処なの・・・・・。」 流石に命綱も体力も無いリナではこの井戸の其処に底に行く事は決して叶わない。 「リナ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 不意に耳に届くガウリイの声。 「ガウリイ・・・・・。」 ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピイ。 聞こえてくる何かの音・・・・・・・・。 「リナ!!伏せろ!!!」 爆発の第1段階だろうか。無数に仕掛けられた爆弾のどれが爆破するのかは分からない。 「ガウリイ・・・・???」 訳もわからずただ、ガウリイの焦り声に仰天するリナ。が、その背後で・・・・。 ぐわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ アアアアアアアアアアアアアアアアア・・・・んんん!!! 背後を過る、熱風。そして・・井戸の石造りの部分が破壊され・・。 水が足元に漏れてくる・・・・・??? 「このままじゃ・・爆発の上に水攻めかよ・・・・・。」 思わずガウリイは愚痴る。 「駄目!!ガウリイ・・約束したの!!!」 何故自分があの『約束』に拘るのか理解は出来ない。ただ一言言える事は・・・。 『懐かしい』気がした・・。それだけ、である。 「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 そうこうしているうちの出来事だった。リナの足元に何かが流れてくる・・。 「あったじゃないか!!リナ!!」 そう・・。象牙で作られた・・高価な『髑髏』が・・。先程の爆発に煽られて出現した事はまず間違いは無さそうである。 「逃げるぞ!!リナ!!」「言われるまでも無いわよ!!」 それから先は・・もはや無我夢中の一言である・・。 「酷い成りだなあ〜〜・・・。」 我武者羅に走り回って戻ってきた二人を眺めながらジョヴァンニは言う。成る程。 見るからにして『落ち武者』とでも言わんばかりの姿形である・・。 「誰かさんがさっさと爆発停止させないからだ。」 皮肉を言うガウリイ。だが、ジョヴァンニは・・・。 「最後の大爆発は食い止めたぞ?それに・・お前満更じゃなさそ〜だぞ?」 まったくもってビンゴ・・の言葉にガウリイはとりあえず苦笑で答えた。 「でも〜〜お前らしくないなあ・・・。」 あの少女とのタメに決死の約束を果たしたリナ・・。まあ、守れたから良かったものの。 「まあ、ね。ナンだか他人事の様に思えなくて・・・。」 あの後・・昭烈皇帝にかの宝物を捧げて・・帰国についたリナにガウリイが言う。 「あ〜〜〜〜!!居た居た!!おかえりなさ〜〜い!!リナさん!!ガウリイさん!!」 黒髪の・・満面華の様に明るい顔の・・『あの幽霊少女』にそっくりな・・・。 『ア・・・・アメリアアアアア〜〜〜〜〜!!!!??』 リナとガウリイの絶叫にアメリアは・・。 「ナンですか〜〜!!人を幽霊でも見る様に!!」 と抗議するが、洒落にならない・・。 「ま・・・。こんな所でしょう・・。」 「ふ!!甘いわね!!馬鹿兄!!この作戦でど〜〜だ!!!」 「ぎゃああ〜〜〜!!卑怯ですよ!!『死せる孔明、行ける仲達を走らす!!』ですか〜〜〜!!!」 「ふ〜ふふ〜〜ん♪前の劉備では負けたけど!!今度こそ『三国志』のゲームで馬鹿兄に勝ったわ!!!」 言いながらコントロールをぽいっと投げ捨てるリナ・・・。 「リナ・・・。真坂・・今回の兄妹喧嘩の原因は・・・・。」 その様子をワナワナと言しながら眺めていたガウリイは呟く・・。 「はへ〜〜・・・。『三国志』・・ゲームの対決の延長よ?それが・・?」 そう・・・そ〜なのかあ・・・・・・。 さしものガウリイも今回ばかりは切れた・・らしい・・。 リナはともかく・・ゼロスの運命を知るものは・・いない・・・。 (ちなみにリナちゃんは一日中ガウリイの監視下に置かれたらしい・・) (続けば・・続きます。) |
11103 | 影の主役は・・・(笑) | P.I E-mail | 7/22-11:21 |
記事番号11101へのコメント どーもー、コメントぱーと2です〜♪(長い・・・) ゼロス兄、三国志マニアだったのね(笑) 多いんですよね〜多感な思春期に古代中国にハマる中高生って(^^;) かく言うPも高校時代読みましたよ〜吉川版「三国志」。 ちょうどNHKで人形劇(劉備がカッコよすぎた)やってた頃だったし。 んで、ジョヴァンニにーちゃん・・・・(また・笑) 応援団の次は土木作業員ですか〜! なんかイメージ的にハラマキしてタオルでハチマキしていそう、豪快に(大笑) 人工ニューロン・・・まだ残ってたんかい!第1部ではあれがにーちゃんの 意識を乗っ取ってたよ〜だったのに(それで悲劇のヒーローだったのに)、 今じゃ仮病の言い訳・・・人工ニューロンもこの暑さでイカれたか!? 今回の影の主役はジョジョにーちゃんに決定ですね! これからも謎な情報をどんどん持ち込んで、ガウリナを世界中引きずり回して やってほしいです〜! ・・・ついでにガウりんにももっとヤキモチ妬かせて(^^;) それでは次回を楽しみにしています〜!! |
11110 | やっぱり主役は〜♪ | CANARU | 7/23-10:54 |
記事番号11103へのコメント >どーもー、コメントぱーと2です〜♪(長い・・・) >ゼロス兄、三国志マニアだったのね(笑) はい〜〜!! なぜか書いているうちにそんな方向に走っていってしまいました〜〜(汗) >多いんですよね〜多感な思春期に古代中国にハマる中高生って(^^;) >かく言うPも高校時代読みましたよ〜吉川版「三国志」。 居ました居ました!! 「自由研究」のノートに登場人物の名前暗記して書いていた男子とか・・。 吉川版三国志は・・7、8巻読むのに勇気が無くて苦労しました!! >ちょうどNHKで人形劇(劉備がカッコよすぎた)やってた頃だったし。 ですねえ〜〜〜!! 張飛さんが・・大暴れしていたのを覚えてます〜〜!! >んで、ジョヴァンニにーちゃん・・・・(また・笑) >応援団の次は土木作業員ですか〜! >なんかイメージ的にハラマキしてタオルでハチマキしていそう、豪快に(大笑) ですねえ〜〜〜!! 何だか・・この人が書いていて一番人格が狂ってきてます!! 確実に!!! >人工ニューロン・・・まだ残ってたんかい!第1部ではあれがにーちゃんの >意識を乗っ取ってたよ〜だったのに(それで悲劇のヒーローだったのに)、 >今じゃ仮病の言い訳・・・人工ニューロンもこの暑さでイカれたか!? ありえますううう!! やっぱり修理班は・・そ〜ゆ〜ことが得意そうなどこぞの赤法師サマ でしょうかねえ・・に〜ちゃん!! >今回の影の主役はジョジョにーちゃんに決定ですね! >これからも謎な情報をどんどん持ち込んで、ガウリナを世界中引きずり回して >やってほしいです〜! はい〜〜!! かなりマニアックになると思います!! >・・・ついでにガウりんにももっとヤキモチ妬かせて(^^;) >それでは次回を楽しみにしています〜!! ではでは!! |
11102 | 暑いですね〜(笑) | P.I E-mail | 7/22-10:47 |
記事番号11091へのコメント CANARUさん、こんにちは〜♪ 日曜昼間っからネット三昧のPです! 岐阜は最高気温全国1を記録しちゃいました。裾野市も暑いですか?(笑) さて、ジョヴァンニにーちゃん・・・・・ 悲劇のヒーローから華麗に(爆)転身!! ぢつは結構ひょーきんモノだったのねええええっっっ!!! 妹には見せたくない、見せられないと思いながらやらずにはいられない。 まるで同人活動から足洗えない女子大生のよーな・・・・(おおっとぉ!) ワルキューレ騎士団の活動はストレスの連続で、たまにはパーッと 発散しなきゃやってられないんでしょーね、きっと(^^;) それにしてもワルキューレ騎士団日本支部、弱すぎっ!! カミーラ=ルクレツィアに荒らされた後とは言え、もーちょっと ガウリナを追い込んでほしかったぞ!!鍛え直せ!! あ、そうそう。ガウリイの犬のヌイさん、名前は「りな」に違いない! 本人に構ってもらえないもんだから、代わりにだっこして寝てるのね。 ・・・・・変態!!(蹴) では2−4のコメント欄へつづく〜♪ |
11111 | その名は「りな!!」 | CANARU | 7/23-11:00 |
記事番号11102へのコメント >CANARUさん、こんにちは〜♪ >日曜昼間っからネット三昧のPです! はううう!! 休みなのを良いことに昼前からネット三昧ですうう!! >岐阜は最高気温全国1を記録しちゃいました。裾野市も暑いですか?(笑) はい〜〜・・・。 何だか書いていてあきれるくらい話の展開に影響する暑さですうう!! >さて、ジョヴァンニにーちゃん・・・・・ >悲劇のヒーローから華麗に(爆)転身!! ですねえ・・・・。 なぜかあのおに〜さんがオチには最適!! と書く前から決めていたんです!!ああ・・待遇がひどくなる!! >ぢつは結構ひょーきんモノだったのねええええっっっ!!! >妹には見せたくない、見せられないと思いながらやらずにはいられない。 ははは〜〜!! まさに別の意味で苦悩するヒーロー(?)ですねえ・・・。 >まるで同人活動から足洗えない女子大生のよーな・・・・(おおっとぉ!) >ワルキューレ騎士団の活動はストレスの連続で、たまにはパーッと >発散しなきゃやってられないんでしょーね、きっと(^^;) はううう!! きっと馬鹿兄ゼロスに散々八つ当たりされてるんでしょねえ・・・。 それでジョヴァンニさんよろしく爆弾でストレス発散!!? >それにしてもワルキューレ騎士団日本支部、弱すぎっ!! >カミーラ=ルクレツィアに荒らされた後とは言え、もーちょっと >ガウリナを追い込んでほしかったぞ!!鍛え直せ!! 言えてます〜〜〜!! きっとカミーラ=ルクレツィアの攻撃の精神的ショックがあったとは 言え〜〜!! 馬鹿兄は部下を鍛えるのが苦手なご様子・・・?? >あ、そうそう。ガウリイの犬のヌイさん、名前は「りな」に違いない! >本人に構ってもらえないもんだから、代わりにだっこして寝てるのね。 >・・・・・変態!!(蹴) ははは・・・。 明記はしませんでしたがやっぱり「りな」です〜〜!! しかもUFOキャッチャーでとった・・という設定ですわ!! >では2−4のコメント欄へつづく〜♪ ではでは〜〜!! |