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11115 | 『ハイソで粋にエレガント』 | 白いウサギ E-mail | 7/23-15:24 |
勝手にスレイヤーズすぺりおぉる 『ハイソで粋にエレガント』 えー……どもです。白いウサギです。 タイトルを見ておわかりいただけるよーに、 今回はスレすぺ15に収録されている、「プライド・オブ・ダークネス」の続編です。 読まれてない方は、ぜひスレすぺ15をお読みになってからお読みになることをお勧めします。 ……あ。今回はたいして長くないですから(笑) 「あの……本当にわしらの依頼……遂行して頂けたんじゃろうか……?」 ぎくぅっ! 心当たりのありすぎるそのセリフにあたしは思いっ切り顔をひきつかせた。 相手に悟られぬよう、顔は町長の方へとは向いていない。 「それはどういう意味でしょうか?」 町長さんから見えない方――左半分の顔だけ、汗をだくだく拭きだして、あたしは努めて冷静に聞き返した。 右半分は『完璧さっぱり意味わかんない♪』の、ノリである。 「吸血鬼(ヴァンパイア)退治のことですじゃ……」 あ。やっぱし―― あたしは笑顔のまま内心呟いた。 この町の村長さんの依頼で、町に出没するヴァンパイアを退治して欲しいという依頼を受けたのがつい先日。 あたしとナーガは敵のアジトに行って、ぷちっと潰してはいおしまい。 ――の、はずだったのだが…… 信じられないことにそのヴァンパイア達は『高貴なる闇の貴族』としての礼節を学ぶ一団だったのである。 ……嘘じゃないってば……信じられないのも無理無いけど…… ともあれ、別にほっといても害無しと判断したあたし達だったが、さすがにそれじゃあ依頼通りの仕事をしたことにはならないし、何より住民達が不安がる。 そこであたしの提案で彼らヴァンパイアの夜中町へと出歩くことを禁止、更に呪文を使って、城を岩の壁で覆い、城が消えたように見せることにしたはずだったのだが…… 「確かに夜中に集団で町へと来るヴァンパイアも居なくなり……突然出来た城も突然消えた……」 う゛っ。 そぉ言われると確かにめちゃめちゃ不自然だったかもっ! 「しっ、しかしですねぇぇっ! それはただ単にあたしが呪文で跡形もなく吹っ飛ばしたからであって……」 「じゃあ……あの岩は……?」 ………しまったぁぁぁぁぁぁっ! あたしは心の中で頭を抱える。 確かに呪文で吹き飛ばして城が消えるのは説明できても、城を覆ったでっけぇ岩のことは言いつくろえんっ! 「ふっ。何を気にしているのかと思えばそんなこと?」 隣で昼間っからジョッキでぱかぱか酒をやっているナーガは前髪を掻き上げてそう言った。 ををっ!何かうまい言い訳でも浮かんだかっ!? 「このわたしが呪文のコントロールをミスって山を作り出した――ただそれだけのことよっ!」 何がそれだけのことだ。何が。 「……ああ……やっぱり年寄りは馬鹿にされてるんじゃぁぁ……」 言ってこの世の終わりのような声を出す町長。 ……相変わらず陰気なじーさんである。 「あのねぇナーガっ!そんなこと言ったって誰も信じないわよっ!」 「どこがよっ!? 自慢じゃあないけどわたしがコントロールミスるなんてしょっちゅうよっ!?」 「……本っ気で自慢じゃあないわね…… ――って、そじゃなくてっ! 多少魔道かじったことある人間ならあんなもん、コントロールミスった程度で出来るよーなもんじゃないことぐらいすぐにわかるわよっ!」 「わたしはわからないわよっ!」 「お前だけだぁぁぁぁっ!」 あたしは頭を抱えてうずくまった。 あんな岩山を、一日やそこらで作り出せるよーな容量(キャパシティ)なんざ、人間は当然持っていない。 あたしはちらり、 と町長さんの方へと目をやる。 今にも泣きださんばかりの目でじとぉぉ、 とこちらに視線を送る。 うっ、うっとーしいっ! 「うずくまってるリナはおいといて、怪しい点はそれだけなのかしら?」 をい……ますます立場危うくしてどーする…… 「いや……それが…… 山に入った猟師が再び吸血鬼(ヴァンパイア)にあったと騒ぎ出しましてな…… それならもう魔道士を雇って退治済だと言ったのじゃが…… あんた方が退治してくれたはずの日より後に会ったと言い出しましてな……」 あ、あいつら…… ええいっ!注意がたらんぞっ!注意がっ! あたしにだけは迷惑かけんじゃないっ! ともあれ、心の中で愚痴を言っても一行に話は進まない。 あたしは努めて冷静に聞き返す。 「何かの間違いじゃないんですか?」 「……本当にそう思われますか……?」 うくっ。 な、何か知っているのか……? ……このじーさん…… 取りようによっては思わせぶりなその一言に、あたしは少々うろたえる。 「いや……そー言われてもですね…… いくらでも可能性はあるわけですし。 例えばあたし達が退治していたとき何かの用で居なかった奴がたまたまそこにいた、とか。 単なる幻覚とか」 とりあえず当たり障りのない言い訳を並べるあたし。 「ふむ……確かにそうじゃな…… 幻覚なら良いのじゃが……もしまだ生き残りが居たら安心できん……」 「ふっ。苦労してるのね」 自覚の欠片もないナーガ。 「老い先短い老人の頼みと思って……すまんがもう一度調べてきてはくれんかのう……?」 「老い先短い老人の頼みと思って、あたし達がもう一度調べに言った場合、依頼料はどうなります?」 つい条件反射で聞き返すあたし。 しかし、町長はまるで地獄に蹴り落とされたような顔をして、 「ああ……やっぱり若者と言う者は老人から金だけせしめてポイ捨てなんじゃぁぁぁ…… もし居た場合……『ヴァンパイヤの退治』と言う仕事を終わらせていないと言うことになるのにのぉぉぉ……」 そっ、そー返しやがるか……ぢぢい…… 「――で、どーすんのよ?リナ」 町長には聞こえないように小声でナーガがあたしの耳元で囁いた。 「どーって……」 言ってあたしは口ごもる。 いくら害のないヴァンパイアの退治はしたくなかったと言っても、結局この町長さんの依頼は遂行していなかったことになる。 たとえ害がないと説明したところで、人間強大な力の前には脅威を感じるのは無理からぬ事。 そうなるとやはり町の人達は『退治』と言う手段をとるだろう。 しかし、あたしはそれがわかっていて退治をしていない。 そう言う後ろめたさがあるので今回はどうしても歯切れが悪い。 「あんたはどー思うのよ?」 「こちらにも落ち度があるわけだし、受けても良いと思うけど…… 依頼料無しってのが問題よね」 いや……あたしとしてはそれは別に気にせんぞ…… そりゃちっとも、とはいかないが。 「ああ……年寄りはいつも若いもんにはぶられるんじゃぁぁ…… これだから……」 あたし達のこそこそ話が気に障ったか、またもやぶちぶち呟く町長さん。 ――仕方ない。 あたしは軽く溜息をつきながら、 「わかりました。調べてきます」 「おお……」 急に顔を輝かせる町長。 「言っておきますけど――本当にヴァンパイアだったらともかく、ただの幻覚だった場合、依頼料きっちし頂きますからね」 「おお……」 急に顔を暗くする町長。 それにしても、あたし達が本当に退治していたのならともかく、同じ場所で目撃者が居る以上、恐らく幻覚ではないだろう。 一体何考えてんだか知らないが……こっちに迷惑かけないでほしーもんである。 あたしとナーガは再びヴァンパイアの城へに向けて、この町を後にした。 「……こりゃ疑われてもしょうがないわね」 あたしは目上に手を掲げ、岩山を見上げながらそう言った。 確かに外見上、城は消えていた。 前に山と山の間にひっそりと建てられた城を、岩ですっぽり覆うのが彼らの言うハイソサエティにでも反していたのだろーか…… デザインが施されたようにしか見えない小さな山が、そこにはあった。 鋭利な紋様、異様に丸みを帯びた岩、対照的に置かれた黒や赤茶けた岩山。 これで怪しむなという方が無理である。 「ふっ。でもなかなか良いデザインじゃない?」 どこがだ。どこが。 だいたいカモフラージュをデザインしてどーする。 「おや。これはこれは。 どうかなさいましたか?」 ふと聞き覚えのある声に振り向けば、そこにはアレックスが月をバックに佇んでいた。 黒いマントに身を包み、二十歳ほどの長身の男であり、数日前に出逢った吸血鬼(ヴァンパイア)である。 「心当たりない……?」 あたしは疲れた声でそう言った。 「……なにがでしょう……?」 あたしの言葉にアレックスは心底困ったような顔をする。 「これよこれっ!この山っ!」 あたしはばさぁっとマントを翻しながら、不自然きわまりない岩壁を仰ぐ。 「ああ。これですか。 はっはっは。なかなか良いデザインでしょう? 急場しのぎに作った割には立派な物が出来て満足してます。 そうそう。更に改良しようと只今計画中でして……」 「カモフラージュを改良するなぁぁぁぁぁっ!」 げしぃっ! あたしの遠慮のない蹴りがアレックスのどたまを直撃する! しかし、アレックスは少しよろめいただけですぐに体勢を立て直す。 「な、何をなさるんですか?」 「やかましいっ! 住民達にいることを気付かれないようにするための岩山をデザインしてどーすんのよっ! だいたい、改良なんかしたら町の人達は岩の形がどんどん変わっていくのを目の当たりにすんのよっ!? 不思議通り越して怖いわよっ!ふつうっ!」 「しかし……ただの岩山を被せた物に住まうなど、『闇の貴族』たる私どもにとりましては、苦痛にしか……」 「とにかくめちゃめちゃいかがわしいっ!」 あたしは皆まで言わせずびしぃぃっ! と指差した。 「まあ!リナさん! 人を指差すのはハイソとは言えない行為ですわよ」 ……あう。こいつもいたか。 見た目は二十歳前後。黒いドレスを身にまとった銀髪の美人なのだが、赤い目の色が示すとおり、彼女もヴァンパイアである。 「あら、お久しぶりね。マリアテーゼさん」 「ええ。ナーガさんもお元気そうでなによりですわ」 なごむなよ……あんたら…… 「何のご用かは存じませんが、こんな入り口で立ち話というのはハイソじゃありませんわ。 どうぞ中へ……」 「ああ。そうですね、マリアテーゼさん。 私としたことが…… どうぞこちらへ」 そう言って、岩にしか見えないその中をさしのべた手が何の抵抗もなく岩へと潜り込む。 おそらく、城は本物で岩ですっぽりと包みつつも、行き来するためので入り口の部分――つまり、ここの岩肌は幻術か何かなのだろう。 あたしとしては別に立ち話でもどーでも良いのだが、言った瞬間マリアとアレックスにくどくど説教されそうなので黙っておく。 あたしは頷いて彼らの後に付いていった。 「はぁ……山の中で町の方が吸血鬼(ヴァンパイア)を目撃されたと……」 「ここの誰かでしょ?そのヴァンパイアって」 あたしは出された紅茶を一口しながら、そう言った。 「そう言えば会員歴2週間のエリザベスさんが人間の方とお会いになったとか言ってらっしゃいましたわ。 アレクサンドル様」 「ああ。彼女が……それでなんと?」 「確か、笑顔で挨拶をかわし、人間の方も笑顔を返して下さったと喜んでいたようですが…… 相手の人間の方の笑顔が多少ひきつっていらしたのですが、エリザベスさんはここのトレェニングコォスのおかげでスムーズに出来たと喜んでいましたが……」 「いや。多分それ違う」 ぱたぱたと手を振るあたし。 それって……その人が怯えてひきつった笑いしか浮かべられなかったんだと思うな…… 夜に山を歩き回って、ふと気付けば見知らぬ人の姿。 何だろうと声を掛けて見ればそこにはヴァンパイアがにぃっと笑ってこちらに挨拶を。 ……めちゃめちゃ怖いぞ……それは…… まぁ、そのエリザベスさんとやらも、多分優雅な笑みを浮かべたんだろうが、夜の山に現れたヴァンパイアの笑みなど、恐怖の対象にしかならない。 そんなことが起きた日にゃ、悲鳴を上げて逃げ出すか、ひきつった笑みを浮かべて後ずさるか、とりあえず気絶するしかないだろう。 「何が違うのでしょうか?」 こちらの方へと怪訝な表情を浮かべるアレックス。 「ふっ!わからないと言うのなら教えてあげるわっ! 相手はそのエリザベスさんとやらに一目惚れしていたからひきつって……」 「んなわけあるかぁぁぁぁっ!」 ぱしぃぃぃっ! あたしは懐から取り出したスリッパでナーガの頭をはたいた。 「ちょっと!何するのよリナ!」 「やかましぃっ! ただ単純にっ! 怖かったからに決まってるでしょーがっ!」 「何でそんなことがわかるのよっ!?」 「ふつーに考えたらそーなるでしょーがっ!」 「ならないわよ!わたしは!」 だからおまいだけだってば……それは…… 「だいたい事情はわかりましたけど……だからと言って、山をうろつくなと言われても無理ですよ。それは。 町に散策することも禁じ、その上山まで禁じては…… 一生この城から出るな、と言うことになってしまいます」 う、うーむ……それは確かに…… アレックスの言葉に頷くあたし。 「それに私どもは人間との衝突を避けるために町への散策をやめたせいか…… 目指していた人間との共存は遠ざかるばかり……」 あ。そー言えば…… 衝突がないって事はイコールつながりがないことになる。 人間と争いはしない、は達成できても、共存は夢のまた夢。 「そう言えば、魔道死霊(リッチ)のロガンザさんはどうしたのよ?」 そう言ってマリアの方へと向き直るナーガ。 外見は黒くてしわしわ。こげ茶でかぴかぴ。 アンデットのような風貌だが、彼には変身魔法が使えたはず。 となれば少しは町の方に出て居ても不思議はないのだが…… 「彼は…… 今は障気を抑える訓練をなさってますわ。 変身魔法で姿を変えるなどと外見だけよくするというのもハイソじゃございませんし、何より内側からにじみ出る障気を抑えないことには人間の方も近寄られないようで……」 なるほど。 そりゃあいくらハンサムなにーちゃんに変身して、どんなににこやかに挨拶したところで、あんな威圧感だしまくりでは誰も近寄らないだろう。 「うーん……いい案なしかぁ……」 あたしは額に手を当て、力無くうなだれた。 「いっそのこと、町長さんと話をしてみたらどう?」 無茶だろ……それは…… あたしはナーガのその言葉に反論しようとしたが、他に案があるわけでもない。 「出来れば私どもとしてもそうしたいのですが…… 何とか話し合いの場を作っていただけないでしょうか?」 「う、うーん……そー言われても、町長さんが話を聞くかは……」 「そうかも知れませんが、他に方法がございませんし…… 逆に言えば、その方法は残されていることになります。 方法が残っているのにしないと言うのはそれもハイソに反するかと……」 それがハイソに反するかどーかはともかく。 他に手段がないことも事実である。 「ま、やれるだけやってみるしかないわね……」 あたしはそう言って紅茶を飲み干し、苦笑を浮かべるのだった。 「ま、そんな訳で、実はこの方達吸血鬼(ヴァンパイア)です」 あたしは精一杯フレンドリーな笑顔を浮かべ、町長さん達にアレックスとマリアを紹介したのだった。 結局、一旦あたし達は町へと戻り、町長さんに話があるから明日の晩にお偉いさんを集めていて欲しいとお願いし、それを承諾させた上で城へと戻り、夜も更け始めた頃に、アレックスとマリアだけを連れてここまで来たのだった。 二人だけしか連れてこなかった理由は極単純。 大人数で行ったら警戒されまくることこの上ないからである。 ともあれ、始め二人のことは『吸血鬼に詳しい人達』と言うことで紹介し、事のいきさつをあたし、ナーガ、アレックス、マリアの四人で話し出し、ある程度話し終えたところで、二人の正体を明かした。 今まで和やかに話していた二人なら別に大したことはない―― 「なっ、なんだってっ!?」 ――わきゃないわな…… 急に騒がしくなる会合の場。 一斉に怯えだす一同。 「おっ、お前らっ!そんな奴連れて来たのかっ!?」 「よくもそんな危険なことをっ!」 ……まぁ……当然と言えば当然かもしんないが…… あたしはざわめく場の雑音にも負けないはっきりとした声で、そして荒げる事のない声で言う。 「危険はありませんよ。 彼らは先程言ったように、人間との共存を目指しておりますし――」 あたしはかたりと立ち上がり、さして広くもない会合の場の外へと出て、ちらりと場を振り向く。 よしよし。こちらに注目しているな…… 「竜破斬(ドラグ・スレイブ)」 どきゅどこぉぉぉんっ! あたしの放った呪文が天へと突き昇る! しぃぃんとした会合の場へと再び戻り、あたし何事もなかったかのように席に着く。 「なにかあったらあたしが全力でお護りしますから」 「いや……なんかよけーに危険な気がしてきたんだが……」 誰かが漏らした呟きは無視。 「ふっ。はっきり言ってアレックスさんやマリアテーゼさんより、ここにいるリナの方が危険よ」 をい。 「しかし……いくらなんでもそんな話信じるわけには……」 ぼそぼそと若者に隅に追いやられていた町長が言う。 「そうだ!だいたいあんたもヴァンパイアなんじゃねーのかっ!?」 「失礼ねっ!あたしの何処がヴァンパイアに見えるのよっ!?」 「目の色」 ……………そー言えばあたしの目の色は…… い、いやっ!ここで納得させられてどーするっ! 「いーのよっ!神坂さんも気にしてなかったみたいだしっ!」 「誰よその『カンザカ』って……」 ジト目でこちらを見るナーガ。 あんまし気にしちゃいけません(はあと) 「それよりリナさん。 今の失礼って言うのはどういう意味なのかしら?」 はっ!?そー言えばヴァンパイアがすぐ側にっ! だくだく汗を拭きだしたあたしに助け船を渡したのはアレックスだった。 「まぁまぁ。マリアテーゼさん。 リナさんはちょっと照れただけですよ」 「まあ」 いや。違うぞ。 「まぁリナ殿が……」 「ヴァンパイアかどーかということはさておいて、だ! 本当にあんたらが俺達を襲わないと言う保証は何処にもない!」 町長の言葉を遮って、若者Aが口を開く。 その様子を見たアレックスとマリアがぴくりと動いたよーに見えたのは気のせいだろーか。 「ほーっほっほっほ!笑わせてくれるわねっ! 町人A! いつ誰からも襲われてもおかしくないこの世の中! そんな保証など元々ありわしないわっ! 自分の身は自分で護ることねっ!」 ま、まぁ確かに、明日果物屋のおばちゃんから殴られないと言う保証も、通りがかったじーちゃんに杖で叩かれないと言う保証も、子供にかえるの死体を投げつけられないと言う保証も、ないにはないのだが…… よけい不安にさせてどーする。 「しかし……ナーガ殿……」 「護れるわけねーだろーがっ! 俺達はあんた達と違ってふつーの人間なんだっ!」 うーみゅ。ないがしろにされてるなぁ……町長…… 「で、でしたら……皆さん思い切って吸血鬼(ヴァンパイア)になると言うのはどうでしょう? そうすれば私たちを驚異に感じることもありませんし、今なら抽選で高級石鹸や観劇のチケットが……」 「絶対いらんっ!」 考えのないマリアのセリフに激怒する若者A。 まぁ……ヴァンパイアになってしまえばヴァンパイアにされてしまう危険は完璧になくなるのだが…… 意味無いだろ。それは。 「まぁ……あなた方の言いたいことは……」 ますます隅に追いやられながら、町長が口を開く。 「わかった!信じるか信じないかは別にして、だ! 百歩譲って今はあんたらヴァンパイアが敵対する意思はないとしよう! だがな、いつその考えが変わらないかはわからないだろう!? そんな奴らと仲良くなんか出来るか!」 う、うーん……そぉ言われるとこちらとしては反論のしようがないのだが…… 「ううっ……やっぱり若もんはわしの話など聞いてはくれんのじゃ……」 「うるせーぞっ!町長!言いたいことがあるならはっきりと……」 「いい加減になさい!」 若者の声を遮ったのは、今まで黙っていたアレックスだった。 ……な、なにを……? 「このような場ですから先程まで黙って耐えてきましたが…… あなたは年長者に対する礼儀という物がないのですか?」 をい。 「私も気になっておりましたわ。アレクサンドラ様。 このような場所で注意するのはハイソとは言えない行為かと黙っておりましたが……これ以上見過ごすなど、もっとハイソとは言えませんわ」 頷いて若者を見据えるマリア。 やっぱりハイソかい。 「うくっ……ヴァ、ヴァンパイアが何言いやがるっ!」 二人のヴァンパイアに見据えられながらも、何とか反論する町人A。 「ふっ!なんと言っているのかわからないと言うなら教えてあげるわっ! あなたはヴァンパイアより礼儀がなってないと言うことよっ!」 「や……やかましいっ! そんなのここで言う事じゃねーだろーがっ!」 「まぁ。反省する気もないなんて……ハイソとは言えませんわよ」 扇で口元を隠しながら、冷ややかな目で町人Aを見るマリア。 「ハイソハイソうるせえっ! だいたいあんたらが――」 「やめんか。ガズル」 町人あの声を遮ったのはあろう事か陰湿な町長だった。 「ヴァンパイアの共存か…… すぐには無理じゃが考えて行こうではないか……」 本気か?オイ。 「町長と持ち上げられて以来20年……誰一人わしのことなど気にかけてくれる若者はおらんかった…… なのにこの方達は…… わしには……彼らをむげにすることはできん」 言って顔を静かに横に振る町長。 さ……寂しい町長人生だったんだな…… 「しっ、しかし町長!」 「町長はわしじゃ。わしの決定には従ってもらう。 ガズル……お主より彼らの方が礼儀正しいではないか…… 若いのに感心じゃのう……」 いや……確かに外見は二人とも20前後だが、ヴァンパイアである二人は若いかどーかは…… 「ふっ。決まったよーね」 なんにもしていないナーガは何故か胸を張ってそう言った。 「しかし町人達が怯えるのは……!」 「それなら……彼らのことをヴァンパイアだと黙っていればよいだけのこと…… さすがにヴァンパイアの方が多数で夜中うろつきまわっていたら気付くじゃろうが…… 黒い服もマントもやめて頂ければそれでなんとかなるじゃろ……」 いや。ならんぞ。ふつーは。 「――わかりました。 それならばなんとかいたしましょう」 そう言ったのはアレックスだった。 「ちょっ、ちょっと! 悪いけど、いくらなんでも赤い目をした人間(外見)が急に増えれば誰でもおかしいと思うわよっ!」 しかし、あたしの言葉にアレックスはさも当然のように言う。 「ええ。確かに急に増えれば――です。 我々が何ヶ月に一人……もしくは何年に一人というのなら平気でしょう」 あ。そーか。 彼らヴァンパイアの寿命は人間とはかけ離れている。 だから何年も待つことは人間の感覚よりはずっと短いものなのだろう。 ある程度生活し、打ち解けたところで正体を………… ……大丈夫かなぁ…… やはり不安になるあたしだった。 「では……まずお二方が町で生活なさるかな……?」 「いえ。仲間に知らせず、私達だけで決めるなど、ハイソじゃありませんわ。 やはり仲間の話を通し、皆で話し合ってからにしてよろしいかしら?」 優雅な仕草で町長を見るマリア。 その様子に町長はうんうんと頷いて、 「やはりマナーの通った方達じゃのぉ…… もちろん構いませんですじゃ……」 「まぁ。ありがとうございます。 ではクラブ会員の方達に急いで連絡を……」 「そうですね。マリアテーゼさん。 皆さんきっとお喜びになられることでしょう」 「では連絡は三日後ぐらいに…… ……ゆっくり話し合って下され……」 「あら。お心遣い感謝します」 ………あたしの目の前にはただただ、のんびりとした空気が流れるのだった。 「では。失礼いたします」 「ごきげんよう」 二人はそう言って、姿を山の中へと消した。 ……何もしてないあたしとしては、ただただ成り行きに任せていたのだが…… 「さて……リナ殿……」 「あ、ああ。町長さん。何か?」 後ろからかけられた声に振り向けば、前より何故か明るくなったような顔を向ける町長さんの姿がそこにはあった。 「あなた方のおかげでヴァンパイアというものの偏見を取り除くが出来てのう…… ……お礼を言おうかと……」 ……偏見……ねぇ…… 新たな偏見が生まれなきゃ良いが…… 「ほーっほっほっほっ! この白蛇のナーガにかかれば容易いことよっ!」 あんたは何もしてないだろーが。 「別に大したことしてませんし、気にしないで下さい。 ――仲良く――出来ると良いですね」 とりあえず優しげな笑みを浮かべておくあたし。 こーゆー時に自分自身を見失わずに保つには、その状況に酔うのが一番である。 「うむ…… ところでのう……依頼料の件なんじゃが……」 「ですから気にしないで下さいってば。いいですよ。 迷惑料や、仲介料なんていりません」 何やら不満の声をあげようとするナーガの口を塞いで言うあたし。 「いや……そうじゃなくてのう……」 ……………? はて……一体……? 「前に差し上げた、『ヴァンパイア退治』の依頼料のことですじゃ……」 ちょっ、ちょっと待てぃっ! もしかして…… 「まぁ……恩人とはいえ依頼は遂行していないことになるのでのう…… それどころか……終わらせたと……嘘の報告まで……」 「い、いや。しかしですねぇっ!」 「確かに仕方なかったかも知れぬ…… じゃがのう……やはり依頼はしてないことになるんじゃ…… 違約金を払えとは恩人にたいしては言えん…… じゃが依頼料は返してもらわんと………」 ひきつりまくるあたしを無視し、町長はぼそぼそと、しかしはっきりと、そう言ったのだった。 ――後日。 その町の周りの地形と、盗賊団の激減が起こった。 盗賊の生き残りの何人かが、目が赤かった女に襲撃を受けたと証言し、またもやヴァンパイアのよからぬ噂が広がったことは――あたしにとっては関係のないことである。 …………………どちくしょう…… 『ハイソで粋にエレガント』 おしまい どもどもっ! 白いウサギの妹Kですっ! なにやらFF9(買ったの白ウサ)やっている間に勝手にまえがきはじめていたのでプレステコントローラを頭部に受けて、 夢の世界に旅立ちました。 ほっときましょう。気持ちよさそーに寝て……はいないみたいね…… ま、いーわっ! あたしの知った事じゃないしっ! ――さてさて、今回の『ハイソで粋にエレガント』ですが、あんまし語ることがないですねぇ…… なにしろDM掲載時に一日で書き上げたヤツですから。 とりあえず、文庫に登場するまでHPに公開するのはまづいだろって事で今まで延ばしまくってました。 はっ!? これはもしかしてあたしにあとがきであまり語らせないための陰謀っ!? ちょっとっ!あんた起きなさいっ! (がくがく乱暴にふるが起きる気配無し) ……くっ!今回なかなか根性入っているわね……! ふっふっふ。それならこれはどうっ!? (以下もの凄い音が断続的に聞こえる) ……ちっ。起きるどころか、よけい静かになるとはっ! ぴくりともしないじゃない。 ……くっ……! 今回は……あたしの負けを認めるわ…… それじゃあ皆さん。ご機嫌よー! ――幕―― |
11116 | 『祈りを捧げて懺悔せよ』 前編 | 白いウサギ E-mail | 7/23-15:28 |
記事番号11115へのコメント スレイヤーズすぺしゃる風味 『祈りを捧げて懺悔せよ』 点と神は同義におけると誰かは言った。 点という考えは存在しても、現実空間にはあり得ない。 それと同じように、神は現実空間にはあり得ない。 現実空間に存在した瞬間に、それらは点であることを、神であることを放棄するも同然なのである―― もっともな意見である。 だからといって――神様信仰は世の中無くなんないんだろうな、きっと。 あたしは何が楽しいのか天に向かって吠えるような姿の赤竜神の像を見ながら、溜息をついたのだった。 「――懺悔なさい。 今こそあなたの罪を告白し、悔いるのです。 さすれば神はあなたを許したもうで――」 「昨日盗賊団潰した。 昨日旅の連れを攻撃呪文で吹き飛ばした。 昨日この街の裏にある山が吹き飛んだけど、アレやったのあたし」「…………………………………………」 スィーフィードの像が置かれたカフェテラス。 目の前に許可もなく座り込んできた、神官姿のねーちゃんに、あたしはそちらを見向きもせずに、一気にまくし立てる。 右手にはパインジュースなんぞを傾けながら。 「んであとは、自称挑戦者のご一行様を1ダースぐらい病院送りに返り討ちにして―― そうそう。なんだか戯けた宗教の勧誘してきたヤツも呪文で吹き飛ばしたわね」 「……………………………………」 絶妙のタイミングで意味ありげな笑みをねーちゃんに向けると、相手は完全に凍りついた。 ふっ……あたしの午後の一時を邪魔するからである。 目深にかぶられた神官の帽子の下で、何やらふるふる震え出す女性。 やがて、ぐわしぃっとこっちの右手を両手で包み込む。 「良かった……あなたのような方を探しておりました……!!」 ……は……? 予想外のその一言に、あたしの目は点になったのだった。 彼女の名は、セーラと言った。 銀髪(プラチナブロンド)のショート・ヘアー。 背格好はあたしと同じぐらいのくせに、異様にぶかぶかとした巫女……と言うよりは神官の服を着ている。 背中から引きずっている服をちょいと踏んづけてやれば簡単に転ぶんじゃないだろーか。 でかすぎる法衣のせいで、実際の身長より小さく見える。 彼女はなんでも、ここからちょっと行ったところにある、スィーフィードを信仰する神殿の関係者らしい。 さりげなく渡された名刺には、 『スィーフィード信仰 広報三課 セーラ=クルー 』 なんぞと書かれていたりする。 広報って……せめてふつー『勧誘』とかって言葉使わんか? シューキョーカンケーと言うもんには。 おまけに三課以上あるんかい。 ともあれ、何でも、彼女の言うには――あたしを『更正』したいらしい。 「――人生、楽しいことがある以上、辛いことは当然あります。 それを悲観し、非行の道を走るとは、人生の負け犬も同然です」 「いや……巫女さんがそぉ『負け犬』だなんて言葉…… あまり使わないほーがいいと思うんだけど……」 あたしは勝手に非行者にされたことに腹が立つより、そっちの方が気にるのだが…… 「大丈夫です。今夜にでも懺悔しておきますから」 力一杯断言するセーラ。 ……結構いい加減なんだな…… 思わず脱力するあたし。 まぁ、宗教信望者というもんは、そーいうもんなのかもしんない。 「とにかく、あなた自分の年齢わかっていらっしゃるんですか? 人生棒に振るにはまだ早いですよ」 ひたっとこちらを見つめながら、本気で心配と慈愛の色を込めた表情で言うセーラ。 「……あたしはめいいっぱい活用しているつもりだけど」 「冗談ではぐらかさないでください」 をいこら…… そう言って彼女――セーラは真剣な面もちであたしの反論をばっさりと切り捨てたのだった。 「冗談もなにも、あたしは人生真っ当に生きている……つもりなのっ!」 思わずセリフの途中で頭の隅に様々な出来事がかすめたりするが、それはまぁとにかく。 「勧誘ならそこらにいる別の人に当たればいーじゃないっ!」 「あなたでなければ駄目なんですっ!」 ばしうんっ! 瞳に炎すら燃やして真剣な瞳でこちらを見返し、テーブルを叩いてこちらへ乗り出してくるセーラ。 それでも背が小さいせいか、テーブルを叩いてみてもあんまし迫力がなかったりする。 ちっこい手でぱんっと叩かれても、あたしみたいな歳ならともかく、他の大人から見たら、『かわいいぃ〜』と言われて終わるんじゃないだろーか。 「……なんであたしじゃなきゃ駄目なのよ」 「――実は、あたしにはライバルが居るんです」 は……? それとこれとどーいう関係が…… 「彼女のおかげで入信者は増える一方。 おかげで我が社の売り上げは向上しているのですが……」 「信者売りもん扱いかい。オイ」 即座に突っ込むあたし。 「わかりやすいたとえ話ですよ」 心外そうに言うセーラ。 いやな……だからって、ものにはいいようってもんが…… 「ともあれ、入信者は急上昇。 おかげで彼女の株は上がる一方――」 言って遠い目をしながら空を仰いで、再びこちらへと向き直る。 「――そういうのって、なんとはなしに腹立ちますよね」 「聖職者がひがむなぁぁぁぁぁぁっ!!」 思わず力一杯叫ぶあたし。 「――ともあれ、おかげで私は肩身の狭い思いをし、『神様、おねがい、あの女を殺して』などと祈りを捧げながら、今日まで堪え忍んできたんです」 「いや堪え忍んでないし」 ぱたぱたと手を振るあたし。 「そこで今日っ!あなたにお会いしたのですっ!」 ――って、人の話聞けよ…… 「彼女が勧誘してきた人々がいくら大人数とはいえ、所詮そこらに転がっている町人風情ばかり!」 ちょ、町人風情って…… 「ここは一発、あなたのよーな巨悪の権化を入信させれば私の株は上がり、給料も上がるかとっ!」 「帰れ。お前は」 あたしはきっぱりとそう言ったのだった。 「雨は讃える。 自身を受けとめる大地を。 大地は讃える。 自身を支える海を。 汝を支えるのはこの世界であり、この世界を支えるのは汝である。 これは第193章における、人々の――」 「やかましいぃぃぃぃぃっ!! あたしは布団をはねとばして、起きあがった。 ここは宿屋の一室。 値段の割には部屋も綺麗で飯もうまい。 そんな宿に部屋を取りながらも、くつろぐことができなかったのは、あたしをしつこくつけまわす、セーラ=クルーのせいだった。間違いなく。 しかし、当の本人は、きょとんっとすると、 「これは第193章における、人々の価値を――」 「何事もなかったよーに話を続けるなっ! ……ったく、人のベッドまで押し掛けてっ!それが聖職者のやることっ!?」 「ベッドにまでは乗ってないですよ。 変な趣味の人だと誤解されたらヤですし」 「……そーゆーくだんない配慮は出来るわけね……」 心底疲れた声であたしは言った。 すでに日はとっぷりと暮れている。 美味しいご飯も沢山食べて、ふかふかのベットについて―― こいつはやってきた。 おまけに今度は聖書だかなんだか知らないが、怪しげな分厚い本を山ほど抱えてっ! これで疲れるなとゆーほーが無理であるっ! 「第193章における人々の価値を諭す――」 「だから話をやめろっつってんでしょーがっ!」 「ふっふっふ。だめなんですよぉぉ…… ここの章話し始めたら話し終わらないと呪われると言う噂が……」 「説教で怪談話するんじゃないっ!」 だぶだぶの帽子を更に深くかぶって不気味に笑うセーラ。 「それでは―― うらさびれた宿屋の一室…… 少女が訪れたのも、ここのような部屋でした……」 「怪談話にうつるなぁぁぁぁっ!!」 そう叫んだ瞬間。 どばたむ! 「お客さん……静かにしてもらえませんかね……」 こめかみの辺りをぶちぶちと音を立てながら入ってきたのは、この宿の主人のおっちゃんだった。 あ……やば……これはキレてるぞー…… 思わず迫力に押され、後ずさりするあたしの代わりに、セーラが一歩前へ出る。 「すみませんでした。 私がついていながら。 二度とこんな事がないようきつく言っておきますので」 「あんたが原因でしょーがっ!」 言った瞬間―― ぎろりっ!! おっちゃんは目ン玉飛び出そうな勢いでこちらを睨みつける。 ……どひぃぃぃぃっ!怖ええぇぇぇぇぇっ! 「……なにが原因だろうが、次ここに私がくるような時は出ていってもらいますからね……」 「は……はぁぁぁぁぁい(はあと) わかりました(はあと)」 あたしはひきつりまくった笑みでこくこくと頷いた。 「ところで御主人、あなたは神を信じますか?」 こらぁぁぁぁぁっ!勧誘するんじゃないっ!こんな空気でっ! 「……ああ……?」 案の定殆どごろつきのよーな視線で答えるおっちゃん。 ……なんか複雑な過去でもあったんだろーか…… 「――相変わらずなようね」 ――!?―― 突然聞き覚えのない女性の声に振り向けば、部屋の奥にある窓のその先に、ひっそりと佇む黒い影。 月明かりをバックに、庭の木にもたれながら女性はしっとりとした余裕のある声で言う。 「そんなんだから、ノルマも達成できないのよ。セーラ」 あるんかい。ノルマ。 あたしの内心のツッコミも意に介せず、女性は長い髪をはねのけて、言葉を続ける。 「『神を信じますか?』などと始めに言ったら、相手を身構えさせてしまい、こちらの勧誘に騙されにくくなる―― そんなこともわからないとはね」 騙すなよ。だから。 ま、ともあれ―― 「火炎球(ファイヤー・ボール)」 づどごおぁぁおあぁぁぁぁぁんっ!! 無造作に放ったあたしの呪文一発に、あっさり彼女の影は火に飲まれて見えなくなる。 「なっ、なにをしているんですかっ!?」 慌ててこちらへと詰め寄るセーラ。 しかしあたしはぽりぽりと頬を掻いて、 「いや……だって、あーいう登場の仕方してくるのって、殆どあたしの敵対することになるパターンばっかだし。 違ってもどーせ、迷惑かけられる予感がひしひしとしたもんで」 「だからっていきなり火炎球かますヤツがありますかっ!」 だから言葉使い乱暴だってば。神官のくせに。 「まー、ちょっぴし近所迷惑だったかも――」 言いながら、とある事に気付き、セリフが途中で止まる。 背後にしっかりと感じ取れる威圧的な気配に振り向けば―― 「……出てけ」 …………………………………………………………………………………… あたしは逃げ出すよーにその場を後にしたのだった。 ……どちくしょう…… あの後―― 他の宿屋もいくつか廻ってはみたのだが、こんな時間で部屋が取れるはずもなく、結局野宿となってしまった。 鬱蒼と生い茂る木々の間から申し訳程度に見える月を見上げることしばし。 ――それでもやっぱし怒りは収まらなかった。 ……ぬうぅぅぅぅっ!許せんっ! 町中にいながら野宿とはなんたる屈辱っ! かくなる上は―― 「野宿なんて初めてでわくわくしますね♪」 ――どうしてくれようか。このアマ。 異様にきらきらと瞳を輝かせて話しかけてくるセーラを横目で見ながら、 「んっふっふ。あたしは初めてじゃないんでちっともわくわくしないんだけど」 「あら。さすがですわ。汚れきってますね。 それでこそ勧誘のしがいがあるというものです」 ………………………………………………………………………… …………………………ごめん。森に住む動物さん達。あたし、キレるわ。 心の奥で静かにそう呟くと、あたしは迷わず竜破斬(ドラグ・スレイブ)の詠唱に取りかかった。 「え……? ちょっとリナさ……」 ――その日、森は消えた。 次回予告 いやにサラリーマンっぽい神官、セーラ=クルー! そんなのに付け狙われた薄倖だけどか弱くないリナ=インバースっ! 果たして彼女の勧誘の魔の手から逃れることは出来るのかっ!? つーか、宿屋に出てきた謎っぽいねーちゃん、いきなりぶち倒されてどーするっ!? そんなこんなで話が召集つくのか未だにさっぱり検討ついてはいないが、ともあれ乞う期待っ! 次回、『祈りを捧げて懺悔せよ 後編』! 茶ぁしばきつつ待て! |
11152 | はじめまして☆ | 葵楓 扇 | 7/25-16:11 |
記事番号11116へのコメント 白いウサギさんは No.11116「『祈りを捧げて懺悔せよ』 前編」で書きました。 初めまして、白いウサギさん。葵楓扇(キフーオーギ)と申します者です・・・ああっ、文法変っ!! と、ともかく、初めまして。 前の長いロス・ユニ小説の時から注目していた(すみません、感想書く前に沈んじゃって・・・)白いウサギさんの小説がっ! と即読みでした。 感想。凄いです。 ホンマモンの神坂先生の小説みたいっ! と思いました。 後編楽しみーっ! ・・・って、もうあるや(笑) これから見に行きます。 では、細かい感想を・・・・・・ >「――懺悔なさい。 > 今こそあなたの罪を告白し、悔いるのです。 > さすれば神はあなたを許したもうで――」 >「昨日盗賊団潰した。 > 昨日旅の連れを攻撃呪文で吹き飛ばした。 > 昨日この街の裏にある山が吹き飛んだけど、アレやったのあたし」「…………………………………………」 をいをいリナちゃん〜(笑) ここでなんとなく、SFCスレを思い出しました・・・。 >「んであとは、自称挑戦者のご一行様を1ダースぐらい病院送りに返り討ちにして―― > そうそう。なんだか戯けた宗教の勧誘してきたヤツも呪文で吹き飛ばしたわね」 祟られるぞー、宗教の人はー。 なんか、邪神に信仰していそうで(笑) > 絶妙のタイミングで意味ありげな笑みをねーちゃんに向けると、相手は完全に凍りついた。 ほう、この方のことですな。 では、こちらの方、シャブラニグドゥ信仰の・・・(おいちょっと待て) > ふっ……あたしの午後の一時を邪魔するからである。 > 目深にかぶられた神官の帽子の下で、何やらふるふる震え出す女性。 > やがて、ぐわしぃっとこっちの右手を両手で包み込む。 >「良かった……あなたのような方を探しておりました……!!」 > ……は……? > 予想外のその一言に、あたしの目は点になったのだった。 類は友を呼ぶ・・・類、リナ=インバース。 今日もまた、奇妙な仲間を連れたし・・・(おい) > 『スィーフィード信仰 > 広報三課 セーラ=クルー 』 > なんぞと書かれていたりする。 > 広報って……せめてふつー『勧誘』とかって言葉使わんか? > シューキョーカンケーと言うもんには。 広報・・・ぷぷ・・・広報課長を思い出しちゃったわ・・・暗殺者の村の・・・(笑) > おまけに三課以上あるんかい。 嫌やなぁ。 >「――人生、楽しいことがある以上、辛いことは当然あります。 > それを悲観し、非行の道を走るとは、人生の負け犬も同然です」 >「いや……巫女さんがそぉ『負け犬』だなんて言葉…… > あまり使わないほーがいいと思うんだけど……」 > あたしは勝手に非行者にされたことに腹が立つより、そっちの方が気にるのだが…… >「大丈夫です。今夜にでも懺悔しておきますから」 > 力一杯断言するセーラ。 > ……結構いい加減なんだな…… 超結構いい加減ですねぇ・・・ >「冗談もなにも、あたしは人生真っ当に生きている……つもりなのっ!」 > 思わずセリフの途中で頭の隅に様々な出来事がかすめたりするが、それはまぁとにかく。 あくまで、つもり・・・ふぅ。 >「彼女のおかげで入信者は増える一方。 > おかげで我が社の売り上げは向上しているのですが……」 >「信者売りもん扱いかい。オイ」 ダメじゃんセーラ・・・ いや、こーいう仲間を呼んじゃうリナの方が、ダメかな? >「――そういうのって、なんとはなしに腹立ちますよね」 ・・・納得v(おい) >「――ともあれ、おかげで私は肩身の狭い思いをし、『神様、おねがい、あの女を殺して』などと祈りを捧げながら、今日まで堪え忍んできたんです」 ほいさ来たっ!!(←以前自分の小説で神様役をした。『天国に一番近い女』参照) >「雨は讃える。 > 自身を受けとめる大地を。 > 大地は讃える。 > 自身を支える海を。 > 汝を支えるのはこの世界であり、この世界を支えるのは汝である。 > これは第193章における、人々の――」 格好いいけど、耳元で言われちゃ嫌な言葉ナンバー・・・3くらい。(もっと上にも色々あるでしょう。ナンバー1は生への賛歌ですが(笑)) >「これは第193章における、人々の価値を――」 汝、何事も無しに繰り返さん・・・おいおい。 >「第193章における人々の価値を諭す――」 まだやってるよ。おい。 >「ふっふっふ。だめなんですよぉぉ…… > ここの章話し始めたら話し終わらないと呪われると言う噂が……」 >「説教で怪談話するんじゃないっ!」 ならば別な章にすりゃ良いじゃんよー。 >「それでは―― > うらさびれた宿屋の一室…… > 少女が訪れたのも、ここのような部屋でした……」 >「怪談話にうつるなぁぁぁぁっ!!」 ホーンテッド・ナイト!? >「ところで御主人、あなたは神を信じますか?」 > こらぁぁぁぁぁっ!勧誘するんじゃないっ!こんな空気でっ! >「……ああ……?」 > 案の定殆どごろつきのよーな視線で答えるおっちゃん。 > ……なんか複雑な過去でもあったんだろーか…… ここで、もう一つの物語が始まりそうなんスけど・・・。 >「そんなんだから、ノルマも達成できないのよ。セーラ」 > あるんかい。ノルマ。 だめじゃん。ノルマ。 > ………………………………………………………………………… > …………………………ごめん。森に住む動物さん達。あたし、キレるわ。 あああっ、リナっ! 心の中で言っても、意味ナッシング!! > いやにサラリーマンっぽい神官、セーラ=クルー! だめじゃん。 > そんなのに付け狙われた薄倖だけどか弱くないリナ=インバースっ! まだだめじゃん。 > 果たして彼女の勧誘の魔の手から逃れることは出来るのかっ!? むちゃじゃん。 > つーか、宿屋に出てきた謎っぽいねーちゃん、いきなりぶち倒されてどーするっ!? かなりだめじゃん。 > そんなこんなで話が召集つくのか未だにさっぱり検討ついてはいないが、ともあれ乞う期待っ! あははははははははっははははははっは(カラ笑い) > 次回、『祈りを捧げて懺悔せよ 後編』! > 茶ぁしばきつつ待て! はい、茶ぁしばきますっ!! とゆーことで、後編へとこの感想も続いちゃいますぅっ!! |
11117 | 『祈りを捧げて懺悔せよ』 後編 | 白いウサギ E-mail | 7/23-15:31 |
記事番号11115へのコメント あらすじ(たぶん) なんだか前後編にわけるほど文量ない気がするが、とりあえず分けてみた『祈りを捧げて懺悔せよ』! さらに茶ぁしばく間すらなくアップしたよーな気もするがそれまたさておき! とある町でつきまとうは、へっぽこ神官セーラ=クルー! 正直某糸目神官――別名獣神官というかもしんない奴より下手すりゃタチ悪いと思うのは私だけかっ!? ともあれ、リナ=インバースは今日も行くっ! 神様なんていない。 あたしはとある食堂でわき起こる不安を確かに感じ取りながら、心底そう思ったのだった。 もし、いるというのなら、あたしのようないたいけで純真無垢な美少女を、こんな目に遭わすはずがない。ないったらない。 もし本当にいるというのなら―― 「ほーっほっほっほっ!こんな所にいたのねっ!リナ=インバースっ!」 ――どーにかしろ。この状況。 振り向かずとも容易に姿が想像できるその声に、あたしは深く溜息をついたのだった。 「リナさんのお友達ですか? さすがですわ」 なぜだかうっとりとした表情でナーガを見るセーラ。 「……友達なんかじゃないやい……」 机に突っ伏しながら、殆どいじけモードで呟くあたし。 もぉいやだ……なんであたしの周りにはこんなのばっか…… 「ふっ。リナの言う通りよ。 わたしはリナの最大にして――!」 「最大にして最悪の不幸の象徴」 右頬を机に当てたまま、疲れきった声で言うあたし。 「……ちょっと、リナ。どうしたのよ? あなた今日はいつもの邪気がないわね……」 「……普通『邪気』ではなく『元気』っていいませんか……?」 すまなさそうに呟くセーラ。 「ふっ。リナに限ってそれはないわ」 をい。待てこら。 余裕たっぷりの表情で首を振るナーガ。 「はぁ……ところでナーガさん。 宗教とか興味ありません?」 「宗教……? ふっ!何を言い出すかと思えば――笑わせてくれるわねっ! わたしが信仰するのは自分自身のみっ! わたしのようなものに神なんて必要ないわっ!」 周りの視線省みず、危ない発言を飛ばすナーガ。 賛同する部分もあるにはあるのだが、そこまで酔うのもどーかと思うぞ。 「そんなこと言わないでくださいよぉ。 結構面白いんですよ。 特に矛盾した理論を神のお言葉と言って話すお話を信者が頷いて真剣に聞くときとか」 「貴様は即座に神官やめろっ!」 いやに爽やかな笑みを浮かべて言うセーラに即座に突っ込むあたし。 「なによ。ちゃんとあるんじゃない。今日も邪気」 「邪気って言うなぁぁぁぁっ!! ――で!?今日は一体何の用よっ!?」 「ふっ!決まっているじゃないっ!」 ナーガはマントをばさりっと跳ね上げ、身構える。 「今日こそはあなたの勝敗表に黒をつけさせてあげるわっ!」 「あたしはそんなもんつけてないっ! ――って、ナーガ。 あんたまさかあたしと戦う度に記録付けてるとか……?」 あたしの当然の疑問に彼女はふわさぁっと髪をかけあげ―― 「ふっ……最近あまりにも真っ黒なんで破り捨てたわ……」 ひるるるる……… 白けた風がその場を流れる。 うーみゅ。意外にこまめな…… 「ま、まーいーけど…… さっきからあたしをつけまわしてたのはあんたねっ!?」 「ふっ。気付いていたとは……それでこそ私のライバルね」 ……いや……あたしの背後の先で悲鳴が朝から聞こえてたからなだけなんだけど…… うーむ。隠密行動がとことん向かないやつ…… 「しかしまだまだ甘いわねっ! あなたをつけまわしていたのは、わたしだけではなくてよっ!」 「知ってる。セーラ=クルー」 自慢たらたらの表情でこちらを見下ろすナーガに、あたしは隣の陣取るセーラの方へと指差す。 「駄目ですよ。リナさん。 人を指差しちゃ」 ……人をつけまわすのはいーのか……? なりゆきを無視して口はしに付いたコーンスープを布で拭き取るセーラ。 「ふっ。やはりあなたも気付かなかったようね。 もう一人あなたをつけ回していたというのは他でもない。 わたしの依頼人、トルファ=レーニーよっ!」 言ってびしぃっと食堂の入り口へと指差すナーガ。 そこには、少し青みがかかった長髪を垂らした、神官姿の女性が立っていた。 腕を組みながら、こちらを見下ろすよーな目つきで見ているところが気に入らない。 ――って待てよ……神官……長髪……? 「あなたまさか昨夜の――」 「覚えて頂けて嬉しいわ。 ナーガさんからの紹介の通り、あたしの名前はトルファ=レーニー。 セーラと同じ神殿の広報一課に務める者よ」 いや、だから……『広報』とか、『務める』とか…… 実は神官だという自覚ないだろ。あんたら。 昨日攻撃呪文食らった割にはぴんぴんしているが、神官らしーし、防御呪文でも使ったのだろう。 「トルファさんっ!?どういうことですかっ!?」 悲鳴に近い声をあげたのはセーラだった。 しかし対照的にトルファは冷たく目線を返しながら、 「どうもこうもないわ。 巨悪が存在する以上、あたしはそいつを神の道へと引きずり込ませる。 『アリ地獄のトルファ』と言う二つ名は伊達じゃあないわよ」 神官や巫女の二つ名じゃないぞ。それは。 ……まぁ、二つ名に関してはあんまし人のことは言えないのだが…… それにしても引きずり込むって言い方は……まぁもうどーでもいーけど…… 「く……っ! たしかに…… あなたのおかげで我が神殿は奉納金も上がり、その分け前で私の給料も上がったので強く言えません……」 ……こいつらの神殿って一体……? 「わかっているじゃない。 このトルファ=レーニー。 『並み居る神官の中でも随一の曲者』とご近所の奥様方にも大好評……」 曲者って言われてんだから、悪評なんじゃあ……? 思わず内心突っ込むあたし。 「そんなあたしを営業成績最悪のあなたが意見できることなんて無いに等しいわ」 え、営業成績……ですか…… 「あの……トルファ、あなた親戚かなんかに、ワイザーって人居ない?」 「叔父に一人居るけど……なんで知っているのかしら?」 「いや……別に…… ――まぁ、それはともかく。なんであなたがこんな変なのと一緒に行動しているのよ?」 「ちょっとっ!誰が『変なの』よっ!?」 抗議の声をあげるナーガは無視。 「良い質問ね」 片方の眉をぴんと跳ね上げ、満足そうに頷くトルファ。 うあ。腹立つ。 「あたしの会話技術に騙されて、入信を約束した人だからよ」 …………………………………………… ……………………やっぱり自覚無いだろ。あんた。 「……あんたねぇ……なんで神様信仰してんのよ……?」 「当然――御飯を食べていく為よ」 ……つまり、『別に信じちゃいないけど給料貰えるならいーか』ということか。 ……まぁ……そんなところじゃないかなーとは思っていたけど…… 「とにかく、あたしの今の目的はリナ=インバース。あなたを入信させることよ。 そうすれば、次の神官長はあたしになることはほぼ決まり。 給料も跳ね上がるわ」 「……しょ、正直な動機説明ありがとぉございます…… ――だけど、あたし入信する気なんてないわよ」 「――でしょうね」 言って再び意味ありげな笑みを送るトルファ。 だから神官の端くれがそーゆー表情するんじゃないっ! 「だからこそ、入信してくれた信者に感謝の金貨を送りつつ、さらなる信者の獲得を手伝ってもらう。 そのためにナーガさんを連れてきたのよ」 「それって……『入信させた』じゃなくて『雇った』って言わない……?」 「言おうが言わまいが、それは大した問題ではないわ。 と、いうことで、あなたを神の道へ引きずり込んであげるから覚悟なさい」 なんだかもうわけがさっぱりわからんセリフを吐いて、トルファはこちらへと不気味な笑みを送る。 だから神官が(以下同文) 「ふっ。そういうことよ。 覚悟するのねリナ=インバースっ!」 どーいうわけなのか実はさっぱしわかってなかったりするのだが、こいつら相手にまじめに考えるのもどうかと思ったので、とりあえずあたしは間合いを取る。 手近にあったイスを蹴り飛ばし、スペースを広げると――あたしはダッシュで店の出口へと走り出した。 直後―― づどぐらがぁごぉぁぁぁぁぁんっ!! 予想通り、食堂はナーガの無差別広範囲呪文の直撃を受け、四散した。 「ほーっほっほっほっ!さすがねっ!リナっ! 今の一撃をかわすとはっ!」 「……あなた……わかっているの……!? 自分が何をしたのかっ!」 すでに残骸と化した昔、食堂だったものの崩れかけた屋根の上にいるナーガに顔を青くして言うあたし。 「ふっ!笑わせてくれるわねっ! 依頼はあなたを入信させることっ! つまり、依頼人の無事や周りの建物の被害は気にしなくても良いって事よっ!」 「あたしが言っているのはそういう事じゃあないのよ、ナーガ」 あたしはゆっくりと、それでも確かに前へと歩み寄る。 「あたしが言いたいのは――」 ここできっとナーガを見上げ、びしぃっと先程まで食事をとっていた席の方へと指差す。 「あたしの手羽先のローストをどーしてくれるっ!?ってことよっ!」 イタイところをつかれたのか、ナーガは悔恨のうめき声を上げる。 「――なるほど…… それは確かに……悪いことをしたわ……」 顔をうつむかせ、素直に謝るナーガ。 「あたしがあなたに望むことは――謝罪の言葉なんかじゃないわ」 あたしは静かに首を振る。 「あたしは――闘わなくてはならない。 黒こげになった手羽先ローストさんのために……!!」 ぐぐいっと拳を握りしめ、あたしは力一杯そう言った。 「ならば――受けてたってあげるわ。 ただし、負けてあげるつもりはなくてよ」 「当然――」 頷いて、あたしは半歩足を広げ、体制を整える。 とことんシリアスな戦闘シーンの幕開けに、なぜだか野次馬は頭を掻きながら去っていったのだった。 「氷の矢(フリーズ・アロー)っ!」 「なんのっ! 看板シールドっ!」 がづづづづづづっ!! あたしが投げつけた半分炭化した食堂の看板はナーガの氷の矢(フリーズ・アロー)をその身に受けて、空中で凍りつき、地面へと砕け散り、乾いた音を響かせた。 すぐさまあたしは体制を整え、周囲を確認する。 廃墟となった食堂。 うめき声が聞こえる食堂。 まともに動いている者は何も見えない食堂。 どうやらセーラもトルファも巻き添えになっているよーである。 うおっしゃぁぁぁっ!! これで後はナーガをぶち倒してこんな町とっととおさらばすべしっ! 「ほーっほっほっほっ! 何処を見ているのかしら?リナ!」 「まずは周囲の状況確認よ。 目撃者が居たらまずいもの…… ねぇ?ナーガ。 んっふっふっふっふ……」 「……ちょ……ちょっとリナちゃん、あまり過激なことは……」 顔をひきつらせ、とたん弱気になるナーガ。 いきなし食堂吹っ飛ばしたヤツが言うんじゃない。 あたしは無言で笑顔を送りつつ、呪文を唱え続け、完成させる。 「振動弾(ダム・ブラス)!」 どぐらごぁあぁぁぁぁんっ! 「……………っ!」 赤い火の玉を打ち出し、着弾点を高振動で破壊する呪文である。 ナーガの悲鳴すらかき消して、いつまでも不安定な屋根の上にのっかっているナーガの足下をぶち壊すっ! 人間不思議なもんで、先程までうめき声を上げていた巻き添えになった人達もあたしの呪文が炸裂するやいなや、やたら元気に外へと逃げていく。 ともあれ、突如消えた足下にナーガは着地の体制を整える間もなく墜落した。 うっしゃぁぁっ! これで後は元:食堂ごと炎の海にっ! いくらなんでもそーすれば3日は復活してこないはずっ! ……いや……普通なら死ぬんだが……ナーガだからなぁ…… ともあれ、あたしは気を取り直し、呪文を唱えはじめる。 「霊呪法(ヴ=ヴライマ)!!」 なにぃぃぃぃっ!? 突如聞こえたその声に、あたしは驚きの声をあげていた。 くっそー。ナーガのやつ、悲鳴で呪文中断したかと思っていたのだが……なかなかやるっ! 生み出された疑似生命体は…………をい。 「ま゛……!」 いやに野太い咆哮を挙げ、『そいつ』はナーガを手のひらに乗せ掲げた。 「ほーっほっほっほっ! よくもやってくれたわねっ!リナっ! しかぁぁしっ!この白蛇(サーペント)のナーガ、3階建ての建物から頭から落ちたぐらいじゃなんともないわっ!」 「あんただけよっ!そこまで人間離れしてるのはっ! ――って!それは毎度の如くだからツッコミはするけど今更驚きはしないわっ! それより何なのよっ!そいつはっ!」 「ふっ。なんだか少し寂しいようなことをさらっと流されたような気がするけどまぁいいわっ! 驚くのも無理ないわね。 本来、霊呪法(ヴ=ヴライマ)とは周囲の岩を寄せ集めて作った意思人形を作り出す術。 しかしっ!このわたしの手に掛かれば食べ残しで人形を作り出すことも不可能ではないわっ!」 そーなのである。 石人形(ゴーレム)が立ちはだかる姿を想像していたあたしは、目の前の奇妙な物体に動きを凍らせたのだった。 右ほっぺのところには少しかじられたフランスパンが。 左足かかとには強引に形を作られたシチューが。 胸の下ら辺には飛び出た鳥の骨。 少々いびつな部分はあるものの、全体的にお料理さん達をその身に張り付かせていた。 「どうっ!?人質ごと吹っ飛ばすことは出来ても、あなたに料理の数々を攻撃出来てっ!?」 「くっ……!」 痛恨のうめきを漏らすあたし。 それを見て取ったのかナーガは気を良くして言葉を続ける。 「ほーっほっほっほっ! そしてなおかつ食事には当分困らないと、一石二鳥よっ!」 食うんかい。それ。 人様の食べ残しだぞ。 ――あ。背中カラスにつつかれてるし。 ともあれあたしは呪文を解放した。 「火炎球(ファイヤー・ボール)!」 ちゅどごぉぉぉぉんっ!! あたしの無造作にはなった一撃に、ゴーレムは為す術もなく崩れ落ちる。 「な……なぜ……?」 黒こげになってぽとりと落ちたナーガがかろうじて呟く。 あたしは遠くに目を送りながら、 「わからないのなら教えてあげるわ。 あなたが作り出したゴーレムは……料理では出来ていなかったのよ……」 「え……?」 「すでに黒こげ、すでに冷めきり、すでにぬるい……そんなもの、料理とは言えない――」 静かに、ナーガへと歩み寄りながら、あたしは言う。 「あたしには聞こえたわ…… 『こんな姿をさらすくらいならいっそ殺してくれ』って…… ゴーレムの表面から……悲痛な叫びが……」 思わずそこであたしは目を背ける。 胸が――熱い。 「そう……それにわたしは気付かなかった…… それがわたしの敗因――」 ナーガの言葉にあたしは無言で頷いた。 空はすでに朱に染まり、日は今日という一日を終わらせようとしていた―― 「おい、待て。お前ら」 びくぅぅぅぅっ!! 背後かかった声に振り向けば、そこには殺気まる出しの役人の面々。 「お前らだな……? ここいらを際限なくぶっ壊してくれたのは……!」 「えーと……その……」 「いーか、ここいらの建物は俺のじーさんが青春つぎ込んで建てたんだ! 何故壊した!?」 いや、その、何故壊したと言われましても…… ……はっ!そーだっ! 「あたしは…… スィーフィード信仰の、セーラさんとトルファさんに頼まれたこの人が…… あたしに入信しろって迫ってきたんですぅ…… それで……逃げ回っているうちに……」 嘘は言っていない。あたしに責任はない。絶対に、無い。 「またあいつらかっ!?」 あたしの嘘八百に、あっさり信じ込む役人。 しかし……『また』って……しょっちゅうやってんのか……?あいつらは…… 「で?セーラとトルファは何処にいるっ!?」 「たぶん……そこの食堂じゃないかと…… 助かりました。追われて困っていたんですぅ……」 言って、しくしくと涙をこぼすあたし。 「よしわかった。こいつらは俺がなんとかしておく」 そう言って胸を張る役人A。 「ほんとうに……ありがとうございました……」 ぺこぺこ頭を下げて、不自然にならない程度にその場を離れ、物影に隠れたとたん、あたしは翔封界(レイ・ウィング)で飛びたった。 ――そうそう。 セーラとトルファに頼まれたナーガと言ったが、これは本当である。 あの三人は間違いなくグルだった。 なぜなら――セーラがナーガの名前を知っていたからである。 お互い名乗りもせずに、『ところでナーガさん。宗教とか興味ありません?』と聞いたのである。 おそらく、セーラとトルファ、ツーマンセルで勧誘とかをやっていたのであろう。 だからこそ、トルファはあっさりあたしの宿屋の窓に佇むなんぞという真似もできたし、セーラがつきまとっている間にあたしに対抗できる魔道士を捜してきたのであろう。 ……ぜんっぜん見込み違いな奴だったけど…… あたしは疲れた瞳で、小さくなっていく町を見下ろしたのだった。 後日。風の噂によると、とある神殿の神官二人が、クビになったらしい。 ナーガの方は……噂することも嫌がったのか、たいした情報はない。 ともあれ、広報部をクビになった二人組が路頭に彷徨っているのは確からしい。 ――合掌。 『祈りを捧げて懺悔せよ』 ――おしまい―― 白:どーもっ!行き当たりばったりでさくさく書いた、『祈りを捧げて懺悔せよ』をお届けしますっ! K:懺悔してないけど…… 白:いーんだよ。タイトルのリズムが良いから決定。 K:……短編に細かいことは気にしないでいいかとか思ってない? 白:うくっ。 K:やっぱりか。 で?またこんな一日で書き上げて! ……あとがきで書くネタないじゃないのよぉぉぉぉっ! 白:いーじゃないか。別に。 K:よくないっ! こーなったらあたしの『怒濤のお中元バイターの悲劇』を書きつづるわっ! 白:書きつづるなぁぁっ! K:何言ってんのよっ!?カルピスの瓶詰めとかめちゃめちゃ重いのよっ!? 人の気も知らないでっ! 白:聞いてないって……そんなことは…… つーか、お中元、バイトの気持ちなんか始めから気にするはずもないんだが…… K:なんてことをっ!? あんたはキティちゃん人形売りさばいていれば良いんだからいーわよねっ! 白:何を言うっ!?めちゃくちゃ大声張り上げて5時間! 終わったときは――つーか、途中から声かすれてたんだぞっ! K:でも、73個一日で売りさばいたのよね…… 白:おう。めぐさん……じゃなくて、キティちゃんを売りさばいたさ。店内新記録だそーだ。73個。 K:でもおかげで次のバイト日もキティちゃん販売専門員になったんでしょ? 白:そです……しくしくしく…… K:はっ!?なんかさっきからあたしじゃなくてあんたのバイトの話にっ!? うおのれっ!謀ったわねっ! 白:話題を振ったのはあんただ。あんた。 K:そんなことは関係ないわっ!――って、あんた!そろそろあとがき撤収準備に入っているわねっ!? 白:だって……こんなくだんないもん続けてもさぁ…… K:く・だ・ら・な・い・だとぉぉぉぉっ!? 白:わひぃぃぃぃっ!じょ、冗談でありますですはい。 K:もう遅いっ! どごばかどすっ!! 白:……や……やっぱしこのパターン……か……げふっ。 K:……一応しぶといみたいね。 ともあれ皆さん、お付き合いありがとーございましたっ! あんまししつこいのもちょっとなーと思い始めてきましたのでそろそろ終わらせていただきます。 白:なら……はじめからそーしろ………… ざすっ! ……どくどくどくどく…… K:――ふうっ(爽やかな笑みを浮かべて) どーやら静かになったようですし、終わらせていただきます。 皆様どーもありがとうございましたっ! ――幕―― |
11156 | 祈りを捧げろ懺悔しろ | 葵楓 扇 | 7/25-16:43 |
記事番号11117へのコメント 白いウサギさんは No.11117「『祈りを捧げて懺悔せよ』 後編」で書きました。 けふんけふん(咳)。元気いっぱい、扇です。こんにちは。 感想、後編に行きます。 > さらに茶ぁしばく間すらなくアップしたよーな気もするがそれまたさておき! とりあえず、ポッキー食べましたけどっ! > とある町でつきまとうは、へっぽこ神官セーラ=クルー! > 正直某糸目神官――別名獣神官というかもしんない奴より下手すりゃタチ悪いと思うのは私だけかっ!? 私も思いますっ!! > 神様なんていない。 > あたしはとある食堂でわき起こる不安を確かに感じ取りながら、心底そう思ったのだった。 > もし、いるというのなら、あたしのようないたいけで純真無垢な美少女を、こんな目に遭わすはずがない。ないったらない。 > もし本当にいるというのなら―― >「ほーっほっほっほっ!こんな所にいたのねっ!リナ=インバースっ!」 > ――どーにかしろ。この状況。 神様は、ただいま外出中です。ご用件のある方は、ぴーという発信音の後に、ご用件、お名前、職業、年齢、種族、趣味、特技、好きな食べ物、好きなタイプ、最近面白くないテレビ名をお教え下さい。 ぴー! >「ふっ。リナの言う通りよ。 > わたしはリナの最大にして――!」 >「最大にして最悪の不幸の象徴」 最凶にして最低のゴキブリ並の生命力を持つ・・・ >「……ちょっと、リナ。どうしたのよ? > あなた今日はいつもの邪気がないわね……」 邪気・・・? >「そんなこと言わないでくださいよぉ。 > 結構面白いんですよ。 > 特に矛盾した理論を神のお言葉と言って話すお話を信者が頷いて真剣に聞くときとか」 だめじゃんだめじゃん〜!!(汗) >「なによ。ちゃんとあるんじゃない。今日も邪気」 邪気・・・・・・ >「今日こそはあなたの勝敗表に黒をつけさせてあげるわっ!」 >「あたしはそんなもんつけてないっ! > ――って、ナーガ。 > あんたまさかあたしと戦う度に記録付けてるとか……?」 > あたしの当然の疑問に彼女はふわさぁっと髪をかけあげ―― >「ふっ……最近あまりにも真っ黒なんで破り捨てたわ……」 をや。ナーガなら、自分で奇妙な納得をして、白を付けそうなんですけど・・・ま、いっかv(おい) >「覚えて頂けて嬉しいわ。 > ナーガさんからの紹介の通り、あたしの名前はトルファ=レーニー。 > セーラと同じ神殿の広報一課に務める者よ」 > いや、だから……『広報』とか、『務める』とか…… > 実は神官だという自覚ないだろ。あんたら。 かなり無さそう・・・ >「わかっているじゃない。 > このトルファ=レーニー。 > 『並み居る神官の中でも随一の曲者』とご近所の奥様方にも大好評……」 どこかで聞いた台詞・・・(笑) >「そんなあたしを営業成績最悪のあなたが意見できることなんて無いに等しいわ」 > え、営業成績……ですか…… どーいう神殿・・・・・・? >「あの……トルファ、あなた親戚かなんかに、ワイザーって人居ない?」 >「叔父に一人居るけど……なんで知っているのかしら?」 居るのか・・・ふぅ・・・世界は広いが世間は狭い・・・はは・・・ >「当然――御飯を食べていく為よ」 神官じゃ・・・ないな・・・もう・・・(笑) >「ふっ!笑わせてくれるわねっ! > 依頼はあなたを入信させることっ! > つまり、依頼人の無事や周りの建物の被害は気にしなくても良いって事よっ!」 ナーガぁ・・・・・・(汗) >「氷の矢(フリーズ・アロー)っ!」 >「なんのっ! > 看板シールドっ!」 最強、看板シールド!!! けど、本編じゃぁ使うとちょっとやバイっ!! >「まずは周囲の状況確認よ。 > 目撃者が居たらまずいもの…… > ねぇ?ナーガ。 > んっふっふっふっふ……」 り・・・リナ・・・? >「すでに黒こげ、すでに冷めきり、すでにぬるい……そんなもの、料理とは言えない――」 なにげに結構ひどいこと言ってない・・・? 全世界の、帰りが遅いお父様のために残された、机の上にある御飯はどうなるのかしら・・・? >「いーか、ここいらの建物は俺のじーさんが青春つぎ込んで建てたんだ! > 何故壊した!?」 何故、って・・・なりゆきで・・・ >「またあいつらかっ!?」 > あたしの嘘八百に、あっさり信じ込む役人。 > しかし……『また』って……しょっちゅうやってんのか……?あいつらは…… まぁ、シューキョーの人だし(謎) > セーラとトルファに頼まれたナーガと言ったが、これは本当である。 > あの三人は間違いなくグルだった。 > なぜなら――セーラがナーガの名前を知っていたからである。 > お互い名乗りもせずに、『ところでナーガさん。宗教とか興味ありません?』と聞いたのである。 > おそらく、セーラとトルファ、ツーマンセルで勧誘とかをやっていたのであろう。 > だからこそ、トルファはあっさりあたしの宿屋の窓に佇むなんぞという真似もできたし、セーラがつきまとっている間にあたしに対抗できる魔道士を捜してきたのであろう。 > ……ぜんっぜん見込み違いな奴だったけど…… > あたしは疲れた瞳で、小さくなっていく町を見下ろしたのだった。 ををっ、さすがリナちゃん。ちゃんとわかってらっしゃる。 > 後日。風の噂によると、とある神殿の神官二人が、クビになったらしい。 > ナーガの方は……噂することも嫌がったのか、たいした情報はない。 > ともあれ、広報部をクビになった二人組が路頭に彷徨っているのは確からしい。 > ――合掌。 リナちゃん、そんな合掌なんて、するほどのことじゃぁ・・・(おいおい) >K:懺悔してないけど…… >白:いーんだよ。タイトルのリズムが良いから決定。 たしかに良いリズム。 >K:よくないっ! > こーなったらあたしの『怒濤のお中元バイターの悲劇』を書きつづるわっ! そーか、もうそんな季節ねっ!! >K:何言ってんのよっ!?カルピスの瓶詰めとかめちゃめちゃ重いのよっ!? たしかに重そうで・・・ >K:なんてことをっ!? > あんたはキティちゃん人形売りさばいていれば良いんだからいーわよねっ! >白:何を言うっ!?めちゃくちゃ大声張り上げて5時間! > 終わったときは――つーか、途中から声かすれてたんだぞっ! >K:でも、73個一日で売りさばいたのよね…… >白:おう。めぐさん……じゃなくて、キティちゃんを売りさばいたさ。店内新記録だそーだ。73個。 すごいのう。すごいですのう。 >K:でもおかげで次のバイト日もキティちゃん販売専門員になったんでしょ? >白:そです……しくしくしく…… まぁ不幸v でも、未来の『キティ人形販売専門委員会』の委員長の座を狙って、今日も頑張りましょう!!(おいおい) はぁ、んもう笑いすぎです。 面白かったですっ!! 激ナイス!! 今後も頑張って下さい! 私も、実はちょっとロス・ユニ小説投稿しよう思ってたりしてますが、そう思うようになったのも、白いウサギさんのおかげっ!! 感謝感激雨霰雹!!(何か違う) ではでは☆ |
11185 | 祈りを捧ず懺悔せず(葵楓さん宛のレスです) | 白いウサギ E-mail | 7/27-01:42 |
記事番号11156へのコメント 葵楓 扇さんは No.11152「はじめまして☆」で書きました。 レス遅くなって申し訳ありません。 2つ分のレス、まとめていきますっ! > 初めまして、白いウサギさん。葵楓扇(キフーオーギ)と申します者です・・・ああっ、文法変っ!! 初めまして! あ。そういう風に読むんですか(爆) すみません、読めませんでした。今まで。 文法の方はお気になさらず。 私もきっと変になることうけあいですから(をいこら) > 前の長いロス・ユニ小説の時から注目していた(すみません、感想書く前に沈んじゃって・・・)白いウサギさんの小説がっ! と即読みでした。 ロスユニは長かったので、葵楓さんのような方が多かったようです。 わざわざメールで感想送って下さった方も何人かいらっしゃり、 有り難い限りです(^^;) > 感想。凄いです。 > ホンマモンの神坂先生の小説みたいっ! と思いました。 ありがとーございます♪ 出来るだけ原作に近づけるのがモットーで。 ……いや最近悪ノリして崩しかかっている部分もあるんですけど、 世界観を壊さない程度にはかろうじて抑えています(笑) >>「――懺悔なさい。 >> 今こそあなたの罪を告白し、悔いるのです。 >> さすれば神はあなたを許したもうで――」 >>「昨日盗賊団潰した。 >> 昨日旅の連れを攻撃呪文で吹き飛ばした。 >> 昨日この街の裏にある山が吹き飛んだけど、アレやったのあたし」「…………………………………………」 > をいをいリナちゃん〜(笑) > ここでなんとなく、SFCスレを思い出しました・・・。 SFCスレの主人公の正体、私は殆どラストまで気付きませんでした(ーー;) >>「んであとは、自称挑戦者のご一行様を1ダースぐらい病院送りに返り討ちにして―― >> そうそう。なんだか戯けた宗教の勧誘してきたヤツも呪文で吹き飛ばしたわね」 > 祟られるぞー、宗教の人はー。 > なんか、邪神に信仰していそうで(笑) そうですねー…… セーラの前に勧誘してきた奴は何の信仰宗教だったのでしょうねぇ(考えてない) >> 絶妙のタイミングで意味ありげな笑みをねーちゃんに向けると、相手は完全に凍りついた。 > ほう、この方のことですな。 > では、こちらの方、シャブラニグドゥ信仰の・・・(おいちょっと待て) いや単にリナがビビらせてこの場を切り抜けよーとしただけです(^^;) >> ふっ……あたしの午後の一時を邪魔するからである。 >> 目深にかぶられた神官の帽子の下で、何やらふるふる震え出す女性。 >> やがて、ぐわしぃっとこっちの右手を両手で包み込む。 >>「良かった……あなたのような方を探しておりました……!!」 >> ……は……? >> 予想外のその一言に、あたしの目は点になったのだった。 > 類は友を呼ぶ・・・類、リナ=インバース。 > 今日もまた、奇妙な仲間を連れたし・・・(おい) ふっふっふ…… ――お決まりのパターン(ぼそっ)…… >> 『スィーフィード信仰 >> 広報三課 セーラ=クルー 』 >> なんぞと書かれていたりする。 >> 広報って……せめてふつー『勧誘』とかって言葉使わんか? >> シューキョーカンケーと言うもんには。 > 広報・・・ぷぷ・・・広報課長を思い出しちゃったわ・・・暗殺者の村の・・・(笑) いましたねーっ! ギザ○(何故伏せ字)さん。 あそこの話は土産物のあおり文句がヒットです(笑) >> おまけに三課以上あるんかい。 > 嫌やなぁ。 ……いやですね……はい…… >>「――人生、楽しいことがある以上、辛いことは当然あります。 >> それを悲観し、非行の道を走るとは、人生の負け犬も同然です」 >>「いや……巫女さんがそぉ『負け犬』だなんて言葉…… >> あまり使わないほーがいいと思うんだけど……」 >> あたしは勝手に非行者にされたことに腹が立つより、そっちの方が気にるのだが…… >>「大丈夫です。今夜にでも懺悔しておきますから」 >> 力一杯断言するセーラ。 >> ……結構いい加減なんだな…… > 超結構いい加減ですねぇ・・・ ウルトラいい加減です。 懺悔しとけば全てすむと思ってます。彼女。 >>「冗談もなにも、あたしは人生真っ当に生きている……つもりなのっ!」 >> 思わずセリフの途中で頭の隅に様々な出来事がかすめたりするが、それはまぁとにかく。 > あくまで、つもり・・・ふぅ。 言い切れません(笑) >>「彼女のおかげで入信者は増える一方。 >> おかげで我が社の売り上げは向上しているのですが……」 >>「信者売りもん扱いかい。オイ」 > ダメじゃんセーラ・・・ > いや、こーいう仲間を呼んじゃうリナの方が、ダメかな? 結論:どっちも駄目ということで。 >>「――そういうのって、なんとはなしに腹立ちますよね」 > ・・・納得v(おい) 駄目ですよぉ。 たとえ心の奥底で頷いても 表面上はそれはいけないと言わなくちゃ(駄目じゃんそれも) >>「――ともあれ、おかげで私は肩身の狭い思いをし、『神様、おねがい、あの女を殺して』などと祈りを捧げながら、今日まで堪え忍んできたんです」 > ほいさ来たっ!!(←以前自分の小説で神様役をした。『天国に一番近い女』参照) 知ってます!実は読んでました! ドラマ知らないんですけど、面白かったですよ(^^) >>「雨は讃える。 >> 自身を受けとめる大地を。 >> 大地は讃える。 >> 自身を支える海を。 >> 汝を支えるのはこの世界であり、この世界を支えるのは汝である。 >> これは第193章における、人々の――」 > 格好いいけど、耳元で言われちゃ嫌な言葉ナンバー・・・3くらい。(もっと上にも色々あるでしょう。ナンバー1は生への賛歌ですが(笑)) 頭の中で勝手に思いついたのをそのまま書きました。 おもいっきし適当です。 生への賛歌は本気で勘弁です。 >>「第193章における人々の価値を諭す――」 > まだやってるよ。おい。 しつこいっすよね。 セーラがしつこいから先の文章考えなきゃならなくなったんですよ。 全く考えてなかったんですから。 その時々の台詞を言うまで(をい) >>「ふっふっふ。だめなんですよぉぉ…… >> ここの章話し始めたら話し終わらないと呪われると言う噂が……」 >>「説教で怪談話するんじゃないっ!」 > ならば別な章にすりゃ良いじゃんよー。 セーラに言って下さい。私は知りません(駄目だろ作者) >>「それでは―― >> うらさびれた宿屋の一室…… >> 少女が訪れたのも、ここのような部屋でした……」 >>「怪談話にうつるなぁぁぁぁっ!!」 > ホーンテッド・ナイト!? ああ。そうですねー。そういうのもありましたよねー。 ――とか言いつつ、あの話好きです。 >>「ところで御主人、あなたは神を信じますか?」 >> こらぁぁぁぁぁっ!勧誘するんじゃないっ!こんな空気でっ! >>「……ああ……?」 >> 案の定殆どごろつきのよーな視線で答えるおっちゃん。 >> ……なんか複雑な過去でもあったんだろーか…… > ここで、もう一つの物語が始まりそうなんスけど・・・。 はじめましょうか。 昔その宿屋のおっちゃんがまだ10代の頃でした。 両親が経営する宿屋のお手伝いをしていたときのことです。 ある日巫女さん姿の客がその店の戸を叩きました…… ――この辺完璧アドリブです。 あんまし気にしないでください(ここまでやっといてそれかい) >>「そんなんだから、ノルマも達成できないのよ。セーラ」 >> あるんかい。ノルマ。 > だめじゃん。ノルマ。 どーいう神殿なんでしょうね。 実際宗教関係の勧誘担当の人ってあるんでしょーか。ノルマ(謎) >> ………………………………………………………………………… >> …………………………ごめん。森に住む動物さん達。あたし、キレるわ。 > あああっ、リナっ! > 心の中で言っても、意味ナッシング!! そんなところがとってもリナチック。 >> いやにサラリーマンっぽい神官、セーラ=クルー! > だめじゃん。 >> そんなのに付け狙われた薄倖だけどか弱くないリナ=インバースっ! > まだだめじゃん。 >> 果たして彼女の勧誘の魔の手から逃れることは出来るのかっ!? > むちゃじゃん。 ぶっ……!(吹き出したらしい) さ、三段攻撃……!? くっ……やられました……(謎) >> つーか、宿屋に出てきた謎っぽいねーちゃん、いきなりぶち倒されてどーするっ!? > かなりだめじゃん。 ――あ。四段攻撃じゃん(移ったらしい「じゃん」) >> そんなこんなで話が召集つくのか未だにさっぱり検討ついてはいないが、ともあれ乞う期待っ! > あははははははははっははははははっは(カラ笑い) ごめんなさい。これを書いてた時点では紛れもなく事実です(^^;) >> 次回、『祈りを捧げて懺悔せよ 後編』! >> 茶ぁしばきつつ待て! > はい、茶ぁしばきますっ!! > とゆーことで、後編へとこの感想も続いちゃいますぅっ!! ありがとーございましたっ! 以下後編までまとめてレスいきますっ! 葵楓 扇さんは No.11156「祈りを捧げろ懺悔しろ」で書きました。 タイトル笑いました。 それに合わせてレスのタイトルもいじりましたよ(^^) >白いウサギさんは No.11117「『祈りを捧げて懺悔せよ』 後編」で書きました。 > > けふんけふん(咳)。元気いっぱい、扇です。こんにちは。 > 感想、後編に行きます。 いや、元気て……けふんけふんは?(^^;) >> さらに茶ぁしばく間すらなくアップしたよーな気もするがそれまたさておき! > とりあえず、ポッキー食べましたけどっ! おおっ!素早いっ! >> とある町でつきまとうは、へっぽこ神官セーラ=クルー! >> 正直某糸目神官――別名獣神官というかもしんない奴より下手すりゃタチ悪いと思うのは私だけかっ!? > 私も思いますっ!! よぉしっ!私だけじゃなかったぁぁぁっ! ――あ。すんません。 レスのリズムと小説のリズムが激しかったんでノっちゃいました。 >> 神様なんていない。 >> あたしはとある食堂でわき起こる不安を確かに感じ取りながら、心底そう思ったのだった。 >> もし、いるというのなら、あたしのようないたいけで純真無垢な美少女を、こんな目に遭わすはずがない。ないったらない。 >> もし本当にいるというのなら―― >>「ほーっほっほっほっ!こんな所にいたのねっ!リナ=インバースっ!」 >> ――どーにかしろ。この状況。 > 神様は、ただいま外出中です。ご用件のある方は、ぴーという発信音の後に、ご用件、お名前、職業、年齢、種族、趣味、特技、好きな食べ物、好きなタイプ、最近面白くないテレビ名をお教え下さい。 > ぴー! ――えー……とりあえず神様。私の人生幸せに……は自分でするので、不幸にはしないで下さい。 名前は白いウサギというHNに抑えておきます。 職業は予備校生。年齢は18。 種族は一応人間一部魔王という説有り。 趣味は小説書き、読書(漫画、小説なんでも来い)、スポーツ(球技全般)。 特技は……とりあえず球技が得意です。 好きな食べ物は ラーメン。味噌汁。ほかほかの白いご飯。 好きなタイプは……よくわかんないけど話しやすい人だと思います。 最近面白くないテレビ……?面白いではなく……? えー…………すんません。おもいつかないっす。 いじょ。 >>「ふっ。リナの言う通りよ。 >> わたしはリナの最大にして――!」 >>「最大にして最悪の不幸の象徴」 > 最凶にして最低のゴキブリ並の生命力を持つ・・・ むむっ……更に続きそうですね(興味深いらしい) >>「……ちょっと、リナ。どうしたのよ? >> あなた今日はいつもの邪気がないわね……」 > 邪気・・・? いやみっつーか、ひとをからかうっつーか、 とりあえず人様に迷惑かけつつな元気のこと(勝手に解釈) >>「そんなこと言わないでくださいよぉ。 >> 結構面白いんですよ。 >> 特に矛盾した理論を神のお言葉と言って話すお話を信者が頷いて真剣に聞くときとか」 > だめじゃんだめじゃん〜!!(汗) まずいっすね。はい。 >>「なによ。ちゃんとあるんじゃない。今日も邪気」 > 邪気・・・・・・ 上記参照。 ……実は白ウサが好きな漫画のセリフの一部だったりしてます。 かなりアレンジはしてますが。 >>「今日こそはあなたの勝敗表に黒をつけさせてあげるわっ!」 >>「あたしはそんなもんつけてないっ! >> ――って、ナーガ。 >> あんたまさかあたしと戦う度に記録付けてるとか……?」 >> あたしの当然の疑問に彼女はふわさぁっと髪をかけあげ―― >>「ふっ……最近あまりにも真っ黒なんで破り捨てたわ……」 > をや。ナーガなら、自分で奇妙な納得をして、白を付けそうなんですけど・・・ま、いっかv(おい) ……………………………………… …………………………ま、まぁ、それは、その…………(言いつつ目を逸らす) ごめんなさい。あなたの言うとおりだと思います。 >>「覚えて頂けて嬉しいわ。 >> ナーガさんからの紹介の通り、あたしの名前はトルファ=レーニー。 >> セーラと同じ神殿の広報一課に務める者よ」 >> いや、だから……『広報』とか、『務める』とか…… >> 実は神官だという自覚ないだろ。あんたら。 > かなり無さそう・・・ ないですね。 >>「わかっているじゃない。 >> このトルファ=レーニー。 >> 『並み居る神官の中でも随一の曲者』とご近所の奥様方にも大好評……」 > どこかで聞いた台詞・・・(笑) でも、切れ者じゃなく曲者な所がトルファです。 >>「そんなあたしを営業成績最悪のあなたが意見できることなんて無いに等しいわ」 >> え、営業成績……ですか…… > どーいう神殿・・・・・・? えー……どっかの会社のように、売り上げ(信者獲得数)ごとにシールを貼って、グラフが一番高く詰み上がった人が成績優秀者。 ……現世界じゃん。 >>「あの……トルファ、あなた親戚かなんかに、ワイザーって人居ない?」 >>「叔父に一人居るけど……なんで知っているのかしら?」 > 居るのか・・・ふぅ・・・世界は広いが世間は狭い・・・はは・・・ 「世界は広いが世間は狭い」 め、名言だ……(メモしている) >>「当然――御飯を食べていく為よ」 > 神官じゃ・・・ないな・・・もう・・・(笑) なんと言ってもらってもかまわないわ。生きていければ。(by トルファ) >>「ふっ!笑わせてくれるわねっ! >> 依頼はあなたを入信させることっ! >> つまり、依頼人の無事や周りの建物の被害は気にしなくても良いって事よっ!」 > ナーガぁ・・・・・・(汗) ナーガですし。(諦めてる) >>「氷の矢(フリーズ・アロー)っ!」 >>「なんのっ! >> 看板シールドっ!」 > 最強、看板シールド!!! > けど、本編じゃぁ使うとちょっとやバイっ!! あっさり吹っ飛ばされますね。 でもすぺしゃる風味ですからおっけーっ! >>「まずは周囲の状況確認よ。 >> 目撃者が居たらまずいもの…… >> ねぇ?ナーガ。 >> んっふっふっふっふ……」 > り・・・リナ・・・? うーうーうー。 竜破斬警報発令。市民の皆様は速やかに退避して下さい。 うーうーうー(サイレンらしい) >>「すでに黒こげ、すでに冷めきり、すでにぬるい……そんなもの、料理とは言えない――」 > なにげに結構ひどいこと言ってない・・・? > 全世界の、帰りが遅いお父様のために残された、机の上にある御飯はどうなるのかしら・・・? スレイヤーズの世界にそう言う場合はありえません(おそらく) だからそーゆーのは想定していません(かなり酷い) >>「いーか、ここいらの建物は俺のじーさんが青春つぎ込んで建てたんだ! >> 何故壊した!?」 > 何故、って・・・なりゆきで・・・ 正直に言えませんって。 >>「またあいつらかっ!?」 >> あたしの嘘八百に、あっさり信じ込む役人。 >> しかし……『また』って……しょっちゅうやってんのか……?あいつらは…… > まぁ、シューキョーの人だし(謎) ねぇ。シューキョーの人だし(さらに謎) >> セーラとトルファに頼まれたナーガと言ったが、これは本当である。 >> あの三人は間違いなくグルだった。 >> なぜなら――セーラがナーガの名前を知っていたからである。 >> お互い名乗りもせずに、『ところでナーガさん。宗教とか興味ありません?』と聞いたのである。 >> おそらく、セーラとトルファ、ツーマンセルで勧誘とかをやっていたのであろう。 >> だからこそ、トルファはあっさりあたしの宿屋の窓に佇むなんぞという真似もできたし、セーラがつきまとっている間にあたしに対抗できる魔道士を捜してきたのであろう。 >> ……ぜんっぜん見込み違いな奴だったけど…… >> あたしは疲れた瞳で、小さくなっていく町を見下ろしたのだった。 > ををっ、さすがリナちゃん。ちゃんとわかってらっしゃる。 伏線はもう少し有効に使いたかったんですけど、早く終わるためにはこの辺で使うしかない、と。 長編だったらもう少しリナの名探偵ぶりを 発揮できたんですけどね(短編でも書け) >> 後日。風の噂によると、とある神殿の神官二人が、クビになったらしい。 >> ナーガの方は……噂することも嫌がったのか、たいした情報はない。 >> ともあれ、広報部をクビになった二人組が路頭に彷徨っているのは確からしい。 >> ――合掌。 > リナちゃん、そんな合掌なんて、するほどのことじゃぁ・・・(おいおい) あら。そーでしたね。 はっはっは(爆) >>K:懺悔してないけど…… >>白:いーんだよ。タイトルのリズムが良いから決定。 > たしかに良いリズム。 どーも。同意サンキューです。 >>K:よくないっ! >> こーなったらあたしの『怒濤のお中元バイターの悲劇』を書きつづるわっ! > そーか、もうそんな季節ねっ!! つーか、もう終わりました!バイト! >>K:何言ってんのよっ!?カルピスの瓶詰めとかめちゃめちゃ重いのよっ!? > たしかに重そうで・・・ らしーですね。 タオルの送り主は神様に見えるらしーです。Kいわく。 >>K:なんてことをっ!? >> あんたはキティちゃん人形売りさばいていれば良いんだからいーわよねっ! >>白:何を言うっ!?めちゃくちゃ大声張り上げて5時間! >> 終わったときは――つーか、途中から声かすれてたんだぞっ! >>K:でも、73個一日で売りさばいたのよね…… >>白:おう。めぐさん……じゃなくて、キティちゃんを売りさばいたさ。店内新記録だそーだ。73個。 > すごいのう。すごいですのう。 ……8月はスヌーピー人形です……はう…… >>K:でもおかげで次のバイト日もキティちゃん販売専門員になったんでしょ? >>白:そです……しくしくしく…… > まぁ不幸v > でも、未来の『キティ人形販売専門委員会』の委員長の座を狙って、今日も頑張りましょう!!(おいおい) よぉしっ!キティはもう終わっちゃったんですけど、 スヌーピーの委員長にならっ!(なれんなれん) > はぁ、んもう笑いすぎです。 > 面白かったですっ!! 激ナイス!! > 今後も頑張って下さい! ありがとーございますっ! 久しぶりのスレ短編でした。 > 私も、実はちょっとロス・ユニ小説投稿しよう思ってたりしてますが、そう思うようになったのも、白いウサギさんのおかげっ!! > 感謝感激雨霰雹!!(何か違う) > ではでは☆ もったいないお言葉ですが、きっかけになれたのなら嬉しいです。 ロスユニのお話は少ないですから。 楽しみにしておりますっ! ……あ。一応著者別リスト検索して頂ければ、まだ私が書いたロスユニのお話もスレのお話もありますので、気が向いたら見てやって下さい。 参考にはならないかも知れないですけど(笑) ではでは。ありがとうございました。 |