◆−Angel of Judas 〜お知らせ〜−葵楓 扇(7/25-15:09)No.11146
 ┣Angel of Judas 〜詩〜−葵楓 扇(7/25-15:20)No.11147
 ┃┗Angel of Judas 〜序翼〜−葵楓 扇(7/25-15:29)No.11148
 ┃ ┗Angel of Judas 〜第一翼〜−葵楓 扇(7/25-15:41)No.11149
 ┃  ┣また新たなジャンルを・・・。−人見蕗子(7/25-16:33)No.11155
 ┃  ┃┗いや、そーいうわけでも・・・−葵楓 扇(7/25-21:34)No.11160
 ┃  ┣むむぅ・・・・・・−れーな(7/25-16:50)No.11157
 ┃  ┃┗知ってるにょ−葵楓 扇(7/25-21:51)No.11163
 ┃  ┃ ┗そーなんか・・・−れーな(7/26-13:30)NEWNo.11176
 ┃  ┃  ┗更にレス!−葵楓 扇(7/26-15:48)NEWNo.11180
 ┃  ┣Re:Angel of Judas 〜序翼〜−斎藤   由理とゆかり(7/25-17:21)No.11158
 ┃  ┃┗頭痛薬をどうぞ(効かないって)−葵楓 扇(7/25-22:03)No.11164
 ┃  ┣予感♪−TRYNEXT(7/25-18:08)No.11159
 ┃  ┃┗運命♪−葵楓 扇(7/25-22:09)No.11165
 ┃  ┣あ〜ぺっくりこいた−かばにゃ(7/25-21:35)No.11161
 ┃  ┃┗うにゃはは−葵楓 扇(7/25-22:11)No.11166
 ┃  ┗Angel of Judas 〜第二翼〜−葵楓 扇(7/26-15:17)NEWNo.11177
 ┃   ┗Angel of Judas 〜第三翼〜−葵楓 扇(7/26-15:27)NEWNo.11178
 ┃    ┣Angel of Judas 〜第四翼〜−葵楓 扇(7/26-15:40)NEWNo.11179
 ┃    ┃┗Angel of Judas 〜第五翼〜−葵楓 扇(7/27-18:50)NEWNo.11191
 ┃    ┃ ┗Angel of Judas 〜第六翼〜−葵楓 扇(7/27-20:13)NEWNo.11192
 ┃    ┃  ┗Angel of Judas 〜第七翼〜−葵楓 扇(7/27-20:26)NEWNo.11193
 ┃    ┃   ┗Angel of Judas 〜第八翼〜−葵楓 扇(7/27-20:38)NEWNo.11194
 ┃    ┃    ┣うう〜・・・・・・ん?−れーな(7/27-23:05)NEWNo.11197
 ┃    ┃    ┃┗はっはっは、悩みはぶちまけよ(誰のせいだよ)−葵楓 扇(7/27-23:30)NEWNo.11199
 ┃    ┃    ┗Angel of Judas 〜第九翼〜−葵楓 扇(7/27-23:47)NEWNo.11200
 ┃    ┃     ┗Angel of Judas 〜第十翼〜−葵楓 扇(7/28-12:47)NEWNo.11207
 ┃    ┃      ┗Angel of Judas 〜最終翼〜−葵楓 扇(7/28-12:55)NEWNo.11208
 ┃    ┃       ┗Angel of Judas 〜終翼〜−葵楓 扇(7/28-13:09)NEWNo.11209
 ┃    ┗感想−斎藤   由理とゆかり(7/26-16:04)NEWNo.11181
 ┃     ┗にゃっ−葵楓 扇(7/27-20:47)NEWNo.11195
 ┗Re:Angel of Judas 〜お知らせ〜−斎藤   由理とゆかり(7/25-16:21)No.11154
  ┗いつもどうもっ!!−葵楓 扇(7/25-21:39)No.11162
   ┗Re:いつもどうもっ!!−桜井   ゆかり(7/26-01:41)No.11170


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11146Angel of Judas 〜お知らせ〜葵楓 扇 7/25-15:09



 こんにちは、みなさん。扇です。
 本日は、なんつーかまぁ、新連載です。
 『えんぢぇる おぶ ゆだ(こう書くとギャグみたい・・・)』略して『AofJ』・・・のお知らせ編。
 絶対見て下さい。絶対じゃないけど(←矛盾屋)
 天使、悪魔の階級について、です。
 読んでないと本文分かりにくいです。

 
  天使階級(上の方が上位)

  英文字読み       漢字で書くと、こう
・セラフィム      この天使名の漢字は文字化けするので・・・
・ケルビム       智天使
・オファニム      座天使
・ドミニオンズ     主天使
・ヴァーチューズ    力天使
・パワーズ       能天使
・プリンシパリティー  権天使
・アークエンジェル   大天使
・エンジェル      天使
・その他        戦乙女、守護天使など。


  悪魔階級(上の方が上位)

・帝王
・大公
・閣僚
・将軍
・王
・侯爵
・伯爵
・総統
・貴公子
・公爵
・悪魔
・使い魔


  神様の種類(勝手に制作)

・天界神(天神)    天使達の住む天界の神。なにやら過去にやましいことをしたらしい。
・冥界神(冥神)    魂の行き着く冥界の神。だが、本人の性格は非常に異常に明るい。
・魔界神(魔神)    悪魔達の住む魔界の神。魔王と同じだから良い奴ではない・・・?


 とりあえず、以上のことを分かってくれると、本文のわかりやすさは当比社50倍・・・かな?
 ちなみに、タイトルの『ユダ』とは、みんな知ってる(ハズの)イエス・キリストの13人目の使徒ですが、彼はキリストを裏切り処刑にまで導いてしまった人です。
 なので、世間一般では『裏切り』という意味になってしまった、『ユダ』。まぁ、自業自得というか・・・。
 とゆーことで、タイトルは『裏切りの天使』とゆー意味です。
 ムズかしぃぃ意味がある・・・とみなさん思うと私は思うのですが、その辺は秘密・・・です。
 ではでは、次から本編をどーぞ。

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11147Angel of Judas 〜詩〜葵楓 扇 7/25-15:20
記事番号11146へのコメント


 こんにちは、扇です。
 今回は、見たら三秒後に忘れて欲しい(おい)詩です。
 これを読むと話の未来が分かる・・・か?
 とりあえず、一読あれ・・・。

__________________________________


  我、母なる樹に刻まれし伝承を読まん


  戦乙女、セフィロトの樹とならん

  唯一無二としてこの地に生を受け

  今再び目覚めん封じられしこの力

  裏切られし座天使を受け入れし者

  孤独の力天使に追い打ちを駆けり

  そこで彼は天の闇を見んことにて

  姿消せし戦乙女の夢を見んとなり

  真実を探して能天使は今また謎へ

  天神の血 冥神の心 魔神の微笑

  甦る伝説に最強と謳われし戦乙女

  全ての母ガイアとセフィロトの元

  汝、セフィロトの名を継ぐべしと

  その名はセフィロトの樹とされる

  それは全ての母の元に起きた物語

__________________________________


 これで、私のヒネクレ具合が分かるはずです(笑)
 全部同じ文字数にするの好きなんだよぉぉぉ・・・詩を作るのも、最近ハマってきてたしります。
 この詩は、最初の方は『戦乙女』、真ん中の方はいろいろな方、そして最後の方は再び『戦乙女』のことです。
 といっても、今の時点では意味が分からないでしょう。分からなくて良いんです。分からないで下さい。
 ではでは、次はプロローグ・・・お楽しみ下さい。

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11148Angel of Judas 〜序翼〜葵楓 扇 7/25-15:29
記事番号11147へのコメント


 こんにちは・・・三回目だ・・・扇です。
 プロローグ。序翼、です。
 この話数の表し方・・・とある漫画が元ネタ。分かります?
 ではまぁ、お楽しみくだされぇ・・・

__________________________________

  Angel of Judas
  序翼  〜戦乙女〜


「て・・・天神様っ!!」
 背から二枚の羽を生やした、翼と額に座天使の証の緋色のサークレットを付けた少年が叫ぶ。
「貴方様は・・・本気なのですか!?」
「・・・ああ・・・」
 天神と呼ばれた男・・・背から、左右に三枚ずつ、計六枚の三対の羽を生やした男は、力無く呟き返す。
「これこそが・・・セフィロトの樹の為なのだ・・・」
「おやめ下さい・・・あの方の命を奪い、何になるというのですか!?」
 少年は天神の前に立ちふさがり、両手を広げる。
「殺生を禁ずると仰っていたのは・・・他でもない天神様じゃないですかっ!! それなのに、何故・・・」
「黙れ!!」
 天神の喝にて、少年は肩を震えさせ首を引くが、だがすぐに、その淡水色の長い髪を振り乱し、叫び返す。
「認められません・・・認められません、そんなこと!!」
 少年は今にも泣きそうに肩は震え、だがその頑なな意思を枉げぬとばかりに、力強く言う。
「あの方は貴方様・・・天神様に、そして天界によく仕え、幾度となくこの地の危機を救って下さったじゃないですか! それを何故・・・」
「あの者は力を持ちすぎた」
 天神の冷たく言った言葉に、少年は顔を上げる。
「まさか・・・あの方が貴方様よりも天の民の人気を集めているから・・・!? まるで・・・戦乙女ジャンヌじゃないですか!! ただの卑しき嫉妬です、それは!!」
「そうか・・・同じだな、戦乙女・・・ヴァルキリー・・・同じ火刑にあうのに、ふさわしい」
 その言葉に、少年は驚愕の色を顔に浮かべる。
「火刑・・・まさか、あの大広場に用意した十字架は!!」
 その表情、負の気を味わうように天神は二度ばかり頷く。
 なにか、自分に言い聞かせているように。
「十字に架せられその身を地獄の業火に焼かん火刑・・・魂だけの存在である天使を完全に再生不能にする数少ない手段の一つだ」
「そんな・・・。・・・そ、そうだ・・・!」
 彼は絶望の中から突然這い出したかのように、何かを思いだしたように声をあげる。
「あの方の相棒・・・常に行動を共にした智天使様は・・・!!」
 少年は、話題のヴァルキリーの相棒である智天使ケルビムの事を話に出す。
 少年の絶望をもっと深めるとばかりに、天神は口元に微かな笑みを浮かべる。
「あの者は、もうこの世にいない・・・ふふふ・・・今頃、冥神の元に魂が届いているであろう」
 もう少年は何も言えないとばかりに首を左右に振り、頭を項垂れる。
 だが突然顔を上げる。
 その左手に握られているのは、彼の主であるヴァルキリーから託された、セフィロトの樹の樹皮から創られたと言われる銃。
 だが彼がその引き金を引くより早く、彼は天神の魔力球にその身を貫かれる。
 自分の意識が薄らいでいくのが分かる。これが死というものの実感なのか、と。
 完全に意識を白濁させる直前、彼の耳に天神の声が届いた。

「魔神を止めるため・・・尊い犠牲となってくれ・・・・・・」


  ▽To Be Continued!

__________________________________


 天神の正体は、TRYの最長老です。言うまでもなく。
 この人嫌いです。だって、自分さえよけりゃ全て良し、って人なんだもの。
 少年の正体? ひ・み・つv
 とりあえずヒントは、『私が気に入ってるキャラの一人の、勝手に過去バージョン』とでも言いますか・・・丁寧口調なのは、私が勝手にそう思っているから。
 とりあえず、次回へ続くぅ! です。

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11149Angel of Judas 〜第一翼〜葵楓 扇 7/25-15:41
記事番号11148へのコメント

 こんにちは・・・ああ、飽きたぁっ!! 扇です。
 連続投稿・・・第一話。やっと来た、って感じです。
 ちなみに、序翼の少年の再登場は、もうちょっと後なので、ガウリイと勘違いしないでねv
 とゆーことで、お楽しみいただけたら光栄です。

__________________________________


  Angel of Judas
  第一翼  〜唯一無二〜


「初めまして!!」
 目覚めた瞬間、少女の力強い声がする。
 朝日に瞳を貫かれたせいか頭の奥に鈍い痛みを感じつつ、彼は・・・少女に挨拶された彼は、ゆっくりと眼を開く。
「初めまして!!」
 もう一度言ってくる。
 彼女の姿をよく見る。
 背から生えた翼。
 その純白の中に浮く巴の飾りが、彼女が大天使アークエンジェルであることを示す。
「初めまして!!」
 また言ってくる。
 彼女の衣装も純白で、生まれたてと同じ彼の目に痛い。
「まったく、もう」
 彼女は怒ったように呟き、彼の頭を無理矢理上げさせ、自分の顔を見せる。
 黒髪がその服の白さに反発しているように、其処にただ在る。
「初めまして、と言われたら、『初めまして』って返さなきゃダメじゃないですかっ!!」
「は・・・初めまして・・・」
 彼は、彼女の言葉に気押しされたように、尻窄み気味に言葉を紡ぐ。
 だが彼女はそんな事は何のその、とばかりに顔をにっこり笑みの形にし、元気よく言った。
「初めまして、『月の期』一番に生まれた天使さん。私の名前はアメリア、『花の期』生まれのアークエンジェルですっ!!」

「えーとですね、『花の期』ってのは去年のことで、今年は『月の期』って言うんです。で、私は『花の期』生まれの天使で今年大天使アークエンジェルになったんです。つまり、エリートさんなんです。一年で昇格したんですよ、すごいでしょうっ!」
 彼女・・・アメリアは、生まれたての彼を連れて天神・・・この天界の神である天界神の元に向かいながら、絶えず元気よく喋り続ける。
「すべて、正義のなせる技なんです。正義を信じ、正義のためにこの身を捧げることが私の夢っ!!」
 彼女はさっきから、同じ事を繰り返し言う。
「とりあえず私の当面の目的は、『絶対的善』である天界神様のお役に立つこと!!」
 とりあえず、って・・・と彼は思いつつ、二人は巨大な扉の前に立つ。
 ここが、天神の待つ大聖堂。
 扉には取っ手が無いので、引き戸ではない。横にスライドさせるとも、考えにくい。これだけ巨大なものを押すというのは、もっと考えにくい。
 扉の開け方を真剣に考えている彼を見て、アメリアは小さく微笑んでから、扉の脇・・・壁に埋め込まれている、赤い水晶に手を触れる。
 扉が自動的に開いた。
「自動開閉、しかも指紋に反応するので、登録していない人・・・つまり天界人以外は立入禁止! なんて近代的ですごいんでしょう! ねぇ?」
 まだ生まれて数分の天使に聞き返す大天使とは、これ如何に。
 彼は冷や汗を一筋流し、とりあえず頷く。
「さぁ、天神様の御前です、元気出して落ち着いて頑張ってとりあえず努力して! ご無礼が無いように、注意要注意超注意ですよっ!!」
 彼女の元気には、彼はどうにもついていけそうになかった。
 彼の心に眠る、正体不明の『畏怖』が消えない限り。

「天・・・神様」
 彼は心のわだかまりを抑えつつ、何とか口から言葉を出す。
 正面には巨大な椅子、そのサイズに似合わない普通の人と同じ大きさの、六枚羽の神・・・この天界の神とは、天使の最上位セラフィムと同意味だが、セラフィムの位を手に入れる者は、いつの時代もただ一人のみ。
 その左右には、幾人もの護衛の天使・・・守護天使ガーディアンエンジェル達。
 この物々しさにより、この部屋に入るときはいつも緊張する。
 ・・・いつも?
 頭に疑問が浮かぶ。
 だが、それを脳の中で問い出す前に・・・。
「お前が・・・月の期一番に生まれた天使か」
 天神の声が、耳に届く。
 どう若く見ても百歳は越えているのでは、と思わせる老人の外見をとっている天神だが、椅子から立つなどの動きの早さは、若者と大差ない。
「・・・はい」
 なんとか、失礼の無いよう声色に注意をし(裏返ってないか、等)答える。
「名は何と?」
 天使は、生まれたての状態では知識的には人間の赤ん坊と変わりはないのだが、ただ違うのが自らの名前を知っていること、簡単な文字の読み書きや計算程度なら出来ると言うこと。
 彼は、脳に浮かぶ言葉・・・消して忘れない、記憶されている言葉を口から出す。
「ガウリイ・・・」

「ガウリイ? まさか!!」
 天神は、先刻会ったばかりの天使の話を、側近である智天使ケルビムのミルガズィアに話した。
「嘘ではない。嘘は、天界の禁忌の一つだ」
 天界の禁忌。それを犯す者は、厳しく罰される。
 嘘、殺人、騙し・・・俗に魔界の住人が好むものが、天界の禁忌だった。
「天界の者は、魂だけの存在・・・生まれ変わりなどあり得ない。あの方は、確かにあの時命を・・・」
 自分の先代であった智天使。
 天界では、セラフィムとケルビムはいつであろうとも一人しか存在しないのだ。ただ、ケルビムは代替わりが早い。違いは、それだけ。
 ミルガズィアはなにやら考え込む。
「天神様・・・貴方は、あの方に何か術でもお掛けに?」
「いいや、そんなことはない」
 天神は言った。
 天界の禁忌である、嘘の語を。

「ガウリイ、アメリア」
「・・・はい」
「はいっ!!」
 天神に呼ばれ、ガウリイとアメリアは返事をする。
 元気が全然違うが。
「今日、お前達を呼んだのは他でもない」
 天神はそう言って、一枚の地図を取り出す。
 天界の中心、セフィロトの樹の街・・・ここ、楽園エデンと、その周辺の地図。
 エデンから南西に一日ばかりの衛星都市デイジーに、赤丸がついていた。
「今衛星都市デイジーは、魔界人の脅威にさらされている。敵軍の統括は公爵クラス。敵のレベルは低いが、何分悪魔やら使い魔の数が異常に多いらしく、手間取っているらしい」
「それって、超々大変そうじゃないですかっ!!」
 アメリアが叫ぶ。
 衛星都市デイジーは貿易においてかなりの権力を持つが、そのかわり様々な者が行き来することにより警備がざんばらなのだ。
 敵の数が多い、それは人口そのものが多いデイジーにとっては、かなりのダメージになる。
「現在デイジーは、我が軍の力天使の部下が数名、警備に当たっているにすぎない。かなり、危険な状態なのだ」
「つまり、その警備のお手伝いをしろ、ってことですねっ!!」
 アメリアが元気いっぱいに言い、そしてはっと気づく。
「ですが天神様、ガウリイさんはまだ生まれたての天使。いきなりそんな実践は・・・」
「大丈夫だ」
 天神の断言に、アメリアはどこか納得がいかない様子だったが、何も言わなくなった。
「悪いが、今から早速デイジーに向かって貰う。・・・そうだ、ガウリイ」
 天神が、片手を低く挙げ、何か小さく唱える。
 その手に光が集まり、その光が収まったとき、その手には一振りの剣があった。
「これは、セフィロトの樹皮で創られたとされる、天界の『三種の神器』の一つ、聖剣ミカエル。これを、お前に託そう」
「すっごいじゃないですか、ガウリイさん! 貴方の潜在能力が、天神様のお眼鏡にかなったってワケですねっ!!」
 アメリアが、元気に叫ぶ。
 その声に、「たかだか天使に・・・」などという妬みは感じられない。
「三種の・・・仁義?」
「神器、ですっ!!」
 ガウリイが、自分でもよく分からないことを言い、アメリアがツッコミを入れる。
「天界の三種の神器、それは『全ての母』セフィロトの樹の樹皮で創られたとされる、最強の武器なんですっ!! 聖剣ミカエル、聖銃ガブリエル、聖杖ウリエルの三つが存在し、そしてそれを束ねるものと呼ばれているのが、聖盾ラファエルなんです!」
「全部で四つじゃん」
 ガウリイの言葉に、アメリアが冷や汗を一筋流すが、だがすぐに立ち直る。
「気にしないで下さい。実質、『三種の神器』とされているのはミカエル、ガブリエル、ウリエルの三つだけなんですから。それに・・・」
「それに?」
 ガウリイが聞いてくる。
 アメリアは一瞬戸惑ったが、素直に答えた。
「ラファエルは、天界には存在しません。魔界に在るんです。そして、数年前・・・どれくらい前かは分かりませんが、伝説で最強と謳われる戦乙女が聖杖ウリエルを持ったが最後、今ではウリエルも行方不明なんです」
「ふぅん。じゃぁ、ガブリエルは?」
 ぎくっ、とアメリアが反応したのが分かる。
「・・・ガブリエルも、その戦乙女の従者だったと言われる座天使が持ったのが最後、今でも行方不明です・・・」
「天界って・・・神器って呼ばれるほどの物の管理、ズサンなんだなぁ」
 ぴぴぴくぅっ、とガウリイの言葉にアメリアだけでなく、天神までもが反応した。
「もーいーからお前は、この剣でも持ってさっさとデイジーにでも行って来い」
 感情を押し殺した声で、天神が言う。
「はひ・・・」
 ガウリイは答えて、聖剣ミカエルを受け取る。
 懐かしい感じがする。
 過去に・・・この剣を持ったことが、あるような。
 ミカエルの柄には、天界の紋章である翼の印が印されていた。

「天神様・・・」
 ガウリイとアメリアが去った後、天神の隣に、ミルガズィアが現れた。
「あの大天使ならともかく、何故あの生まれたての天使まで、デイジーに派遣したのです?」
 ミルガズィアの問いに、天神はさも当然、その質問が意外とばかりに、あっさりと答えた。
「お前は、ガウリイが『あの』ガウリイではないか、と疑っているのだろう? ならば、このように危険の中に放り込んだ方が、手っ取り早く結果が分かるだろう。もし公爵如きに殺されれば、同じ名を持つのは単なる偶然。もし、生き残れば・・・」
「『あの』ガウリイである、と?」
 だがミルガズィアの問いに、天神は頷かなかった。
「潜在能力が高いだけかもしれない。だが・・・」
 天神は、口元に・・・髭いっぱいだが、僅かに見える口元に、笑みを浮かべた。
「聖剣ミカエルが、おとなしく受け取られたのだ。自分が気に入らぬ者の命は、あっさり奪うあの剣が。あの天使、ただ者ではない・・・・・・これから、楽しくなりそうだな」


  ▽To Be Continued!

__________________________________


 ミルガズィアさんがミルガズィアさんぢゃないぃぃぃぃぃぃぃっ!! というのが、心の叫びです。
 次回、ゼルは・・・登場しません。だって、デイジーに居るのはゼル『の部下』ですもん(笑)
 三種の神器+aの名前は、四大天使から。そのうち、ルシファーも出てきます。たぶん(おい)
 衛星都市の名は、エデン以外は全て花からとるつもりです。一応。
 さて、次回投稿はいつかな・・・。
 ではでは、扇でした〜☆

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11155また新たなジャンルを・・・。人見蕗子 7/25-16:33
記事番号11149へのコメント

 どーも、レスありがとうございます。やってきたよ破壊的レスで書き手さんの精神までをも錯乱に陥れるフキコ!!接続切れてますー(苦笑)

 今回は神話ですね。
 はじめオリジナルかと思ったけどちゃんとスレパロだ!!
 実は私は神話とか伝説とかの神秘的、精神的なモノは苦手でして(汗)何しに来たの?って感じ?
 一時期そういう感じのオリジ小説を書こうとして神話を調べ、ものの見事に挫折したという・・・。
 
 ずいぶん設定もしっかりしてるし、スレキャラもでてるし、センちゃんの実力発揮!!という感じがするです。

 ヴァルガーヴは、ルシフェルだと思いません?
 

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11160いや、そーいうわけでも・・・葵楓 扇 7/25-21:34
記事番号11155へのコメント

人見蕗子さんは No.11155「また新たなジャンルを・・・。」で書きました。

> どーも、レスありがとうございます。やってきたよ破壊的レスで書き手さんの精神までをも錯乱に陥れるフキコ!!接続切れてますー(苦笑)
 じゃ、落ち着こうねvvv(笑)

> 今回は神話ですね。
> はじめオリジナルかと思ったけどちゃんとスレパロだ!!
 をう、がんばっとるんでっせぇ。

> 実は私は神話とか伝説とかの神秘的、精神的なモノは苦手でして(汗)何しに来たの?って感じ?
> 一時期そういう感じのオリジ小説を書こうとして神話を調べ、ものの見事に挫折したという・・・。
 そーいうときはインターネット!
 あるんですねぇ、そーいうサイト。結構たくさん。
 
> ずいぶん設定もしっかりしてるし、スレキャラもでてるし、センちゃんの実力発揮!!という感じがするです。
 ありがとーですっ!!

> ヴァルガーヴは、ルシフェルだと思いません?
 堕天使、ってことで?
 たしかに、ヴァルは神族に見切り付けたキャラですなぁ・・・(苦笑)
 まぁ、TRYのあれを見る限り、見切り付けない方が不思議・・・
 あと、私はルシフェルの事をルシファーと呼んでます。理由は、何となくこっちが好きだから。
 あ、ルシフェルでも通じますよ。

 んでは、扇でした。

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11157むむぅ・・・・・・れーな 7/25-16:50
記事番号11149へのコメント

はいこんにっちはぁっ!れーなです!
これを読んえまず浮かんだモノ。
「天使禁猟区」(漫画ね)
・・・・・(汗)
だってー・・・なんとなく似てるじゃないですか・・・
ってせんちゃん知らなかったらどーしよう・・・

貸してもらって読んだんですよー。
いやー、難しい。天使のイメージ変わっちゃったよ。

なんか今回は謎だらけだ・・・
リナちゃんはいつ出てくるの・・・?

あたしも火竜王の最長老様は嫌いー。
死んだけどねー。
ミルさんは好きー。あのボケ具合がぐっど。
そうそう。
序翼に出てきたのって、ヴァルじゃない?
なんとなく・・・
髪の色が合ってるかしら・・・?とか思いつつ。
でもせんちゃん、ヴァル好きなんでしょ?

せんちゃんってキリスト教・・・詳しい・・・?
あたしもユダは知ってたけど・・・
あたしのガッコ、カトリックだからさ。
校門のトコにマリア像がある・・・(^^;
そんなんで結構聖書とか読まされる。持ってるし。
あ、話がとんだわ。

ガウリイ君、一体誰の生まれ変わりなんでしょーね?
リナちゃんが早く出ないかなー、なんて・・・
それとゼロス君は出る?
あー・・・出るとしても悪魔側とかっぽいなぁ・・・ゼラス様とか、ダルフィンとか・・・
あたし的には故郷の姉ちゃんも出して欲しいわー・・・
でも出したらどーなることやら・・・


あら・・・なんかくだらん事ばっかり。
感想らしい感想も書きませんで。すみませんねぇ・・・悪い癖。

ではでぇは。短いですけど、れーなでしたっ!

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11163知ってるにょ葵楓 扇 7/25-21:51
記事番号11157へのコメント

れーなさんは No.11157「むむぅ・・・・・・」で書きました。

>はいこんにっちはぁっ!れーなです!
 こんにちわっ! 扇です!

>これを読んえまず浮かんだモノ。
>「天使禁猟区」(漫画ね)
>・・・・・(汗)
>だってー・・・なんとなく似てるじゃないですか・・・
>ってせんちゃん知らなかったらどーしよう・・・
 いや、名前だけなら知ってます。
 中身も、ほぉぉぉんのちょっぴし・・・
 でも、全然知らないので、この小説に何の影響もないです。
 四大天使の名前は元から知ってたし。
 強いて言えば、『悪魔狩り』という漫画がモトといえばモト・・・かな?
 今でも連載中。おもしろいです。あ、宣伝じゃん(笑)
 ま、ともかく、パクリ度ゼロですよん。

>貸してもらって読んだんですよー。
>いやー、難しい。天使のイメージ変わっちゃったよ。
 そんな漫画なんですか・・・避けよ・・・
 私は、自分のイメージ変えたくないタイプなので・・・

>なんか今回は謎だらけだ・・・
>リナちゃんはいつ出てくるの・・・?
 いつだろ・・・
 ともかく、全キャラ中一番遅いです(おい)

>あたしも火竜王の最長老様は嫌いー。
>死んだけどねー。
 ざまぁみそずけ・・・かな。

>ミルさんは好きー。あのボケ具合がぐっど。
 あのギャグが! ともかくギャグが! それ抜かすと冗談が!(笑)

>そうそう。
>序翼に出てきたのって、ヴァルじゃない?
>なんとなく・・・
>髪の色が合ってるかしら・・・?とか思いつつ。
>でもせんちゃん、ヴァル好きなんでしょ?
 ふっふっふ・・・その辺は秘密です。超ネタ晴らしだし。
 ただ、この時代自動ドアがあるくらいだから、髪の毛の色変えるくらい出来るんじゃないかな。

>せんちゃんってキリスト教・・・詳しい・・・?
>あたしもユダは知ってたけど・・・
>あたしのガッコ、カトリックだからさ。
>校門のトコにマリア像がある・・・(^^;
>そんなんで結構聖書とか読まされる。持ってるし。
>あ、話がとんだわ。
 詳しい、というより・・・好き、ってトコ。
 もとから、神話とかそう言うの好きだし。
 一番詳しいのはギリシア神話。好きなのは北欧神話。嫌いなのはローマ神話。
 アヴェ・マリア(賛美歌)とかも、聞くのは好きだし。
 カトリックの学校・・・あこがれ(笑)
 あと、私は「ユダ」って完璧に「裏切り」と同意味だと思ってますから(笑)
 電子辞書に堂々と『裏切り』って出るんだもん・・・

>リナちゃんが早く出ないかなー、なんて・・・
>それとゼロス君は出る?
 ゼロスはやっぱ魔界人です(笑)

>あー・・・出るとしても悪魔側とかっぽいなぁ・・・ゼラス様とか、ダルフィンとか・・・
 今回、ゼラス様とダルフィン様は登場しない予定ですぅ。あと、グラウシェラーも(この人だけ呼び捨て)
 ご了承下さい・・・かな?

>あたし的には故郷の姉ちゃんも出して欲しいわー・・・
>でも出したらどーなることやら・・・
 世界が破滅する(笑)

>あら・・・なんかくだらん事ばっかり。
>感想らしい感想も書きませんで。すみませんねぇ・・・悪い癖。
 いやいやいやいやっ!
 思ったことズバっと言ってくれると、「ああそーか、分かりにくかったな。サルでも出来る反省をしよう」と言う気になるので、タメになるんです。

>ではでぇは。短いですけど、れーなでしたっ!
 ではでは、扇でしたっ!!

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11176そーなんか・・・れーな 7/26-13:30
記事番号11163へのコメント

葵楓 扇さんは No.11163「知ってるにょ」で書きました。

> こんにちわっ! 扇です!
どもっ!れーなです!調子に乗ってレスです!

>>これを読んえまず浮かんだモノ。
>>「天使禁猟区」(漫画ね)
>>・・・・・(汗)
>>だってー・・・なんとなく似てるじゃないですか・・・
>>ってせんちゃん知らなかったらどーしよう・・・
> いや、名前だけなら知ってます。
> 中身も、ほぉぉぉんのちょっぴし・・・
> でも、全然知らないので、この小説に何の影響もないです。
ああそーなんか・・・

> 四大天使の名前は元から知ってたし。
> 強いて言えば、『悪魔狩り』という漫画がモトといえばモト・・・かな?
> 今でも連載中。おもしろいです。あ、宣伝じゃん(笑)
> ま、ともかく、パクリ度ゼロですよん。
悪魔狩り・・・知らんなぁ。
何で連載中?

>>貸してもらって読んだんですよー。
>>いやー、難しい。天使のイメージ変わっちゃったよ。
> そんな漫画なんですか・・・避けよ・・・
> 私は、自分のイメージ変えたくないタイプなので・・・
『天禁』、難しいけど面白いよー。
ミカエルとかラファエルとか出てくるし。
あー、でもガブリエルはー・・・どーだったかな。
ジブリールってのは出てる。
せんちゃんの天使のイメージってどんなんか分かんないけど、きれーでふわふわ♪
ってのなら、壊れるかもなぁ・・・

>>なんか今回は謎だらけだ・・・
>>リナちゃんはいつ出てくるの・・・?
> いつだろ・・・
> ともかく、全キャラ中一番遅いです(おい)
はうあっ!

>>あたしも火竜王の最長老様は嫌いー。
>>死んだけどねー。
> ざまぁみそずけ・・・かな。
そうそう(非道)

>>ミルさんは好きー。あのボケ具合がぐっど。
> あのギャグが! ともかくギャグが! それ抜かすと冗談が!(笑)
そう!抜けてるトコがっ!(笑)

>>そうそう。
>>序翼に出てきたのって、ヴァルじゃない?
>>なんとなく・・・
>>髪の色が合ってるかしら・・・?とか思いつつ。
>>でもせんちゃん、ヴァル好きなんでしょ?
> ふっふっふ・・・その辺は秘密です。超ネタ晴らしだし。
まあそうだネ。話が進むのを待つ。
> ただ、この時代自動ドアがあるくらいだから、髪の毛の色変えるくらい出来るんじゃないかな。
むー・・・・・・・・・・・そうか・・・そうよね。

>>せんちゃんってキリスト教・・・詳しい・・・?
>>あたしもユダは知ってたけど・・・
>>あたしのガッコ、カトリックだからさ。
>>校門のトコにマリア像がある・・・(^^;
>>そんなんで結構聖書とか読まされる。持ってるし。
>>あ、話がとんだわ。
> 詳しい、というより・・・好き、ってトコ。
> もとから、神話とかそう言うの好きだし。
> 一番詳しいのはギリシア神話。好きなのは北欧神話。嫌いなのはローマ神話。
ギリシア神話ってどれ?
ゼウス様とか出てくるやつ?
あたしもお話は好きだけどねー、神様を信じろって言われるとちょっと・・・ね。
話としては新約聖書より旧約聖書が好きかな。

> アヴェ・マリア(賛美歌)とかも、聞くのは好きだし。
> カトリックの学校・・・あこがれ(笑)
あこがれ・・・って。毎日お祈りとかはするがね。
でも「アヴェ・マリア」は歌った。ラテン語のやつね。
聖歌合唱コンクールってのがあるのさ。

> あと、私は「ユダ」って完璧に「裏切り」と同意味だと思ってますから(笑)
> 電子辞書に堂々と『裏切り』って出るんだもん・・・
それは賛成。

>>リナちゃんが早く出ないかなー、なんて・・・
>>それとゼロス君は出る?
> ゼロスはやっぱ魔界人です(笑)
やっぱりか(笑)

>>あー・・・出るとしても悪魔側とかっぽいなぁ・・・ゼラス様とか、ダルフィンとか・・・
> 今回、ゼラス様とダルフィン様は登場しない予定ですぅ。あと、グラウシェラーも(この人だけ呼び捨て)
> ご了承下さい・・・かな?
分かった。ゼロス君が出るならいい。

>>あたし的には故郷の姉ちゃんも出して欲しいわー・・・
>>でも出したらどーなることやら・・・
> 世界が破滅する(笑)
かなぁ・・・やっぱり・・・

>>あら・・・なんかくだらん事ばっかり。
>>感想らしい感想も書きませんで。すみませんねぇ・・・悪い癖。
> いやいやいやいやっ!
> 思ったことズバっと言ってくれると、「ああそーか、分かりにくかったな。サルでも出来る反省をしよう」と言う気になるので、タメになるんです。
そー言ってくれると・・・恐縮。


> ではでは、扇でしたっ!!
れーなでしたっ☆

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11180更にレス!葵楓 扇 7/26-15:48
記事番号11176へのコメント

れーなさんは No.11176「そーなんか・・・」で書きました。

>> こんにちわっ! 扇です!
>どもっ!れーなです!調子に乗ってレスです!
 んじゃ、こっちも更にレス!

>>>これを読んえまず浮かんだモノ。
>>>「天使禁猟区」(漫画ね)
>>>・・・・・(汗)
>>>だってー・・・なんとなく似てるじゃないですか・・・
>>>ってせんちゃん知らなかったらどーしよう・・・
>> いや、名前だけなら知ってます。
>> 中身も、ほぉぉぉんのちょっぴし・・・
>> でも、全然知らないので、この小説に何の影響もないです。
>ああそーなんか・・・
 そーなんです。

>> 四大天使の名前は元から知ってたし。
>> 強いて言えば、『悪魔狩り』という漫画がモトといえばモト・・・かな?
>> 今でも連載中。おもしろいです。あ、宣伝じゃん(笑)
>> ま、ともかく、パクリ度ゼロですよん。
>悪魔狩り・・・知らんなぁ。
>何で連載中?
 いや、なんかタイトルが『昔の漫画』って感じで・・・(笑)

>>>貸してもらって読んだんですよー。
>>>いやー、難しい。天使のイメージ変わっちゃったよ。
>> そんな漫画なんですか・・・避けよ・・・
>> 私は、自分のイメージ変えたくないタイプなので・・・
>『天禁』、難しいけど面白いよー。
>ミカエルとかラファエルとか出てくるし。
>あー、でもガブリエルはー・・・どーだったかな。
>ジブリールってのは出てる。
>せんちゃんの天使のイメージってどんなんか分かんないけど、きれーでふわふわ♪
>ってのなら、壊れるかもなぁ・・・
 きれーでふわふわ♪ じゃないですけど。
 ・・・まぁ、巻数多いようですからね・・・あんまり読むつもりはないです。

>>>なんか今回は謎だらけだ・・・
>>>リナちゃんはいつ出てくるの・・・?
>> いつだろ・・・
>> ともかく、全キャラ中一番遅いです(おい)
>はうあっ!
 とりあえず、頑張るわそこまで・・・

>>>あたしも火竜王の最長老様は嫌いー。
>>>死んだけどねー。
>> ざまぁみそずけ・・・かな。
>そうそう(非道)
 うんうん(外道)

>>>ミルさんは好きー。あのボケ具合がぐっど。
>> あのギャグが! ともかくギャグが! それ抜かすと冗談が!(笑)
>そう!抜けてるトコがっ!(笑)
 だめねっ、あの寒さはカタート以上だわ!(笑)

>>>そうそう。
>>>序翼に出てきたのって、ヴァルじゃない?
>>>なんとなく・・・
>>>髪の色が合ってるかしら・・・?とか思いつつ。
>>>でもせんちゃん、ヴァル好きなんでしょ?
>> ふっふっふ・・・その辺は秘密です。超ネタ晴らしだし。
>まあそうだネ。話が進むのを待つ。
 まぁ、一気に三話も投稿しましたけど(笑)

>> ただ、この時代自動ドアがあるくらいだから、髪の毛の色変えるくらい出来るんじゃないかな。
>むー・・・・・・・・・・・そうか・・・そうよね。
 そうよねぇ。

>>>せんちゃんってキリスト教・・・詳しい・・・?
>>>あたしもユダは知ってたけど・・・
>>>あたしのガッコ、カトリックだからさ。
>>>校門のトコにマリア像がある・・・(^^;
>>>そんなんで結構聖書とか読まされる。持ってるし。
>>>あ、話がとんだわ。
>> 詳しい、というより・・・好き、ってトコ。
>> もとから、神話とかそう言うの好きだし。
>> 一番詳しいのはギリシア神話。好きなのは北欧神話。嫌いなのはローマ神話。
>ギリシア神話ってどれ?
>ゼウス様とか出てくるやつ?
>あたしもお話は好きだけどねー、神様を信じろって言われるとちょっと・・・ね。
>話としては新約聖書より旧約聖書が好きかな。
 ギリシア神話はゼウス様がでるヤツです。
 私は、美の女神というとアフロディテしか思い出せないので、好きなのはギリシア神話なんです。
 というより、単に『ビーナス』というのが嫌なだけ・・・昔のあのアニメを思い出す・・・(笑)

>> アヴェ・マリア(賛美歌)とかも、聞くのは好きだし。
>> カトリックの学校・・・あこがれ(笑)
>あこがれ・・・って。毎日お祈りとかはするがね。
>でも「アヴェ・マリア」は歌った。ラテン語のやつね。
>聖歌合唱コンクールってのがあるのさ。
 いいなーいいなー。

>> あと、私は「ユダ」って完璧に「裏切り」と同意味だと思ってますから(笑)
>> 電子辞書に堂々と『裏切り』って出るんだもん・・・
>それは賛成。
 うみゅ。おっけぇ。

>>>リナちゃんが早く出ないかなー、なんて・・・
>>>それとゼロス君は出る?
>> ゼロスはやっぱ魔界人です(笑)
>やっぱりか(笑)
 そーです(笑)
 しかも、クラスは『将軍』(笑・神官がないから)

>>>あー・・・出るとしても悪魔側とかっぽいなぁ・・・ゼラス様とか、ダルフィンとか・・・
>> 今回、ゼラス様とダルフィン様は登場しない予定ですぅ。あと、グラウシェラーも(この人だけ呼び捨て)
>> ご了承下さい・・・かな?
>分かった。ゼロス君が出るならいい。
 ああっ、あっさりしてるっ!(笑)

>>>あたし的には故郷の姉ちゃんも出して欲しいわー・・・
>>>でも出したらどーなることやら・・・
>> 世界が破滅する(笑)
>かなぁ・・・やっぱり・・・
 ですなぁ・・・

>>>あら・・・なんかくだらん事ばっかり。
>>>感想らしい感想も書きませんで。すみませんねぇ・・・悪い癖。
>> いやいやいやいやっ!
>> 思ったことズバっと言ってくれると、「ああそーか、分かりにくかったな。サルでも出来る反省をしよう」と言う気になるので、タメになるんです。
>そー言ってくれると・・・恐縮。
 いやいや、恐縮なんて・・・

>> ではでは、扇でしたっ!!
>れーなでしたっ☆
 ではでは、また扇でした!

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11158Re:Angel of Judas 〜序翼〜斎藤 由理とゆかり 7/25-17:21
記事番号11149へのコメント


> こんにちは・・・ああ、飽きたぁっ!! 扇です。
「こんにちわ。いたた、、、(さっきの殴られたところが痛いです)
>


>
>「初めまして!!」
> 目覚めた瞬間、少女の力強い声がする。
目覚めた瞬間ってのはいやだろーな
> 彼女の姿をよく見る。
> 背から生えた翼。
> その純白の中に浮く巴の飾りが、彼女が大天使アークエンジェルであることを示す。
「最初は、誰だろうとおもったらアメリアだったんですね。」
きずかなかったのか?!こんなことするのアメリアだけだろ
「うぐ」
>
>「えーとですね、『花の期』ってのは去年のことで、今年は『月の期』って言うんです。で、私は『花の期』生まれの天使で今年大天使アークエンジェルになったんです。つまり、エリートさんなんです。一年で昇格したんですよ、すごいでしょうっ!」
「1年ですか!?ものすごくないですか!?」
>「すべて、正義のなせる技なんです。正義を信じ、正義のためにこの身を捧げることが私の夢っ!!」
ズガシャ!!(こけた)
「大丈夫ですか?由理?」
あんまり、、、、にしても、なぜこの言葉聞いてたっていられる!!
「もっともなことじゃないですか!」
> 扉が自動的に開いた。
>「自動開閉、しかも指紋に反応するので、登録していない人・・・つまり天界人以外は立入禁止! なんて近代的ですごいんでしょう! ねぇ?」
ハイテクなんだな、、、つーか、いらないような気が、、、、
「まあ、人間が天界にはこれないでしょう、、、」
>
> その左右には、幾人もの護衛の天使・・・守護天使ガーディアンエンジェル達。
「このエンジェル達もスレキャラなんでしょうか、、、」
>
>「ガウリイ? まさか!!」
> 天神は、先刻会ったばかりの天使の話を、側近である智天使ケルビムのミルガズィアに話した。
ミルガディアさんが天使、、、、人間形態に翼と天使の輪(エンジェルリング)、、、、、恐いかも、、、、
>「ですが天神様、ガウリイさんはまだ生まれたての天使。いきなりそんな実践は・・・」
>「大丈夫だ」
生まれたてで実践、、、いいのか、、、
「どうなんですか?扇さん」
>「これは、セフィロトの樹皮で創られたとされる、天界の『三種の神器』の一つ、聖剣ミカエル。これを、お前に託そう」
オウッ!ミカエル、、、
>「三種の・・・仁義?」
ズドォォォォォ!!(二人でこける)
>「神器、ですっ!!」
「ナイス、、、な、、、ツッコミです。アメちゃん、、、」
>「天界の三種の神器、それは『全ての母』セフィロトの樹の樹皮で創られたとされる、最強の武器なんですっ!! 聖剣ミカエル、聖銃ガブリエル、聖杖ウリエルの三つが存在し、そしてそれを束ねるものと呼ばれているのが、聖盾ラファエルなんです!」
ガブリエルにウリエル、、、ラファエルまで!!まるで、天使禁、、、
「言っちゃだめですよ!」
>「天界って・・・神器って呼ばれるほどの物の管理、ズサンなんだなぁ」
ガウリイ、、、、まずいこと言うなよ、、、、
> ぴぴぴくぅっ、とガウリイの言葉にアメリアだけでなく、天神までもが反応した。
ほーら反応してる。


> 次回、ゼルは・・・登場しません。だって、デイジーに居るのはゼル『の部下』ですもん(笑)
「出ないんですかーー!さみしいです」
リナはどうなるんだ?
> ではでは、扇でした〜☆
「桜井 ゆかりでした」
と、由理でした

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11164頭痛薬をどうぞ(効かないって)葵楓 扇 7/25-22:03
記事番号11158へのコメント

斎藤 由理とゆかりさんは No.11158「Re:Angel of Judas 〜序翼〜」で書きました。

>> こんにちは・・・ああ、飽きたぁっ!! 扇です。
>「こんにちわ。いたた、、、(さっきの殴られたところが痛いです)
 では、この頭痛薬を・・・(おいおい)

>>「初めまして!!」
>> 目覚めた瞬間、少女の力強い声がする。
>目覚めた瞬間ってのはいやだろーな
>> 彼女の姿をよく見る。
>> 背から生えた翼。
>> その純白の中に浮く巴の飾りが、彼女が大天使アークエンジェルであることを示す。
>「最初は、誰だろうとおもったらアメリアだったんですね。」
>きずかなかったのか?!こんなことするのアメリアだけだろ
>「うぐ」
 ははははは(またカラ笑い)

>>「えーとですね、『花の期』ってのは去年のことで、今年は『月の期』って言うんです。で、私は『花の期』生まれの天使で今年大天使アークエンジェルになったんです。つまり、エリートさんなんです。一年で昇格したんですよ、すごいでしょうっ!」
>「1年ですか!?ものすごくないですか!?」
 ものすごいんです。
 すべては、正義に捧げる情熱によるもの!!(おいおい)

>>「すべて、正義のなせる技なんです。正義を信じ、正義のためにこの身を捧げることが私の夢っ!!」
>ズガシャ!!(こけた)
>「大丈夫ですか?由理?」
>あんまり、、、、にしても、なぜこの言葉聞いてたっていられる!!
>「もっともなことじゃないですか!」
 ああっ、ゆかりさんナイスぅっ!!

>> 扉が自動的に開いた。
>>「自動開閉、しかも指紋に反応するので、登録していない人・・・つまり天界人以外は立入禁止! なんて近代的ですごいんでしょう! ねぇ?」
>ハイテクなんだな、、、つーか、いらないような気が、、、、
>「まあ、人間が天界にはこれないでしょう、、、」
 来れないです。

>> その左右には、幾人もの護衛の天使・・・守護天使ガーディアンエンジェル達。
>「このエンジェル達もスレキャラなんでしょうか、、、」
 ・・・いや、別に・・・あ、石の下に張り付いてる虫とか(ダメダメダメダメ)

>>「ガウリイ? まさか!!」
>> 天神は、先刻会ったばかりの天使の話を、側近である智天使ケルビムのミルガズィアに話した。
>ミルガディアさんが天使、、、、人間形態に翼と天使の輪(エンジェルリング)、、、、、恐いかも、、、、
 んー・・・頭の上にわっかはないだろうなぁ。個人的に。

>>「ですが天神様、ガウリイさんはまだ生まれたての天使。いきなりそんな実践は・・・」
>>「大丈夫だ」
>生まれたてで実践、、、いいのか、、、
>「どうなんですか?扇さん」
 えー。理由は本文の下記参照・・・おっけい?

>>「これは、セフィロトの樹皮で創られたとされる、天界の『三種の神器』の一つ、聖剣ミカエル。これを、お前に託そう」
>オウッ!ミカエル、、、
 四大天使の一人!

>>「三種の・・・仁義?」
>ズドォォォォォ!!(二人でこける)
 あっ。

>>「神器、ですっ!!」
>「ナイス、、、な、、、ツッコミです。アメちゃん、、、」
 アメリアだし・・・
 そーいや、いつのまにかストーリーは、ガウリイの相棒はアメリア、って方針に・・・

>>「天界の三種の神器、それは『全ての母』セフィロトの樹の樹皮で創られたとされる、最強の武器なんですっ!! 聖剣ミカエル、聖銃ガブリエル、聖杖ウリエルの三つが存在し、そしてそれを束ねるものと呼ばれているのが、聖盾ラファエルなんです!」
>ガブリエルにウリエル、、、ラファエルまで!!まるで、天使禁、、、
>「言っちゃだめですよ!」
 んー。残念、モトネタはそれじゃないです。
 というよりそれ、私呼んだことないし。
 四大天使の名前は、元々知ってたものですし。
 強いて言えば、『悪魔狩り』という漫画です。

>>「天界って・・・神器って呼ばれるほどの物の管理、ズサンなんだなぁ」
>ガウリイ、、、、まずいこと言うなよ、、、、
 でも事実だし・・・(BYガウリイ)

>> ぴぴぴくぅっ、とガウリイの言葉にアメリアだけでなく、天神までもが反応した。
>ほーら反応してる。
 はっはっは、そんなに気にすることじゃぁ(BY一瞬後にノされる運命のガウリイ)

>> 次回、ゼルは・・・登場しません。だって、デイジーに居るのはゼル『の部下』ですもん(笑)
>「出ないんですかーー!さみしいです」
 ゼルは、次々回から登場します!

>リナはどうなるんだ?
 リナは全キャラ中一番登場が遅いです・・・そのかわり、知名度は一番高いです。

>> ではでは、扇でした〜☆
>「桜井 ゆかりでした」
>と、由理でした
 ではでは、再び扇でした〜☆

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11159予感♪TRYNEXT E-mail 7/25-18:08
記事番号11149へのコメント

TRYNEXTです!!

早くも新しいシリーズ!面白くなりそうな、よ・か・ん♪

天使や悪魔系統の話。
これほど、人の興味を引くものはないですね。
こういう話は大好きです♪
こういうような話であたしが持ってる偏見(?)
絶対にかっこいい人しかいない!!(天使も悪魔も)(笑)
天神様は最長老か……。
言葉だけだったから、もっとかっこいい人想像してたのにぃ……。(現実は厳しい(爆笑))

順番が逆だけど、
詩がかっこよかったです!!
なにやら意味深?!
天使の名の部分をどう読んでいいかがわからなかったけど(^^;;)
やっぱり漢字で書いて、カタカナ読みがかっこいいですよね。

ガウリイとアメリアでてきた♪
・・・・・・リナは?

あたしも、夏休み中に1作品は作りたいもんです。
でわぁ!

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11165運命♪葵楓 扇 7/25-22:09
記事番号11159へのコメント

TRYNEXTさんは No.11159「予感♪」で書きました。

>TRYNEXTです!!
 葵楓扇参上です!!

>早くも新しいシリーズ!面白くなりそうな、よ・か・ん♪
 ををうっ、ありがとですっ!

>天使や悪魔系統の話。
>これほど、人の興味を引くものはないですね。
>こういう話は大好きです♪
 私も、大大大大(以下略)大好きですっ!

>こういうような話であたしが持ってる偏見(?)
>絶対にかっこいい人しかいない!!(天使も悪魔も)(笑)
>天神様は最長老か……。
>言葉だけだったから、もっとかっこいい人想像してたのにぃ……。(現実は厳しい(爆笑))
 は・・・ははは(汗)
 いやー、天神様だけ一番最後まで考えたんですよ・・・
 誰も当てはめないで行こうか、とも思ったけど、それは・・・ということで、最長老。
 今思ったら・・・ワイザーのおっちゃんがいたなぁ、なんて(笑)
 いいんだ。ワイザーのおっちゃんいい人だから。最長老も天神も、最後はヤな人なんだい。

>順番が逆だけど、
>詩がかっこよかったです!!
 ありがとうですっ!!
 あの、文字数おんなじってのが、私の頭をパンクさせかけましたが(笑)
 今度は、そういうのに捕らわれていない詩を書いてみるです。

>なにやら意味深?!
 ちょう意味深です。

>天使の名の部分をどう読んでいいかがわからなかったけど(^^;;)
 そのまま呼んじゃえ!
 大天使は、おおてんし・・・ウソウソ。だいてんし。

>やっぱり漢字で書いて、カタカナ読みがかっこいいですよね。
 それが一番っ!!
 あーあ、なんでセラフィムの漢字、出ないのかなぁ・・・(してんし、というのが・・・)

>ガウリイとアメリアでてきた♪
>・・・・・・リナは?
 全キャラ中、一番登場が遅い予定・・・ふぅ。

>あたしも、夏休み中に1作品は作りたいもんです。
>でわぁ!
 楽しみにしてます!
 ではでは☆

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11161あ〜ぺっくりこいたかばにゃ 7/25-21:35
記事番号11149へのコメント

いきなし「天神様!」だもんだから、自分が呼ばれたのかとおもっちったよ(^_^;)
しかし・・・・
> 天神の正体は、TRYの最長老です。言うまでもなく。
どっひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜(滝汗)
おろおろおろおろおわたわたわたわた
いや、人じゃなくて竜だけど(爆)

リナちゃんの出番も待ってます〜〜〜〜〜〜
なんだかんだで、やっぱりガウリイ、突っ込み激しい(笑)
「少年」は、ヴァルですよね、やっぱし(o^^o)

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11166うにゃはは葵楓 扇 7/25-22:11
記事番号11161へのコメント

かばにゃさんは No.11161「あ〜ぺっくりこいた」で書きました。

>いきなし「天神様!」だもんだから、自分が呼ばれたのかとおもっちったよ(^_^;)
 昔のHNでしたっけ?

>しかし・・・・
>> 天神の正体は、TRYの最長老です。言うまでもなく。
>どっひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜(滝汗)
>おろおろおろおろおわたわたわたわた
>いや、人じゃなくて竜だけど(爆)
 竜だけどね(笑)

>リナちゃんの出番も待ってます〜〜〜〜〜〜
 遅いけどね・・・

>なんだかんだで、やっぱりガウリイ、突っ込み激しい(笑)
 ガウリイだし、シリアスは『あの』ガウリナ小説で疲れたし・・・

>「少年」は、ヴァルですよね、やっぱし(o^^o)
 さぁ、それはどうかしら?(^^)にやにや
 この世界、髪の色くらい変えられそうですし。自動ドアあるし。
 ではでは、扇でした〜☆

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11177Angel of Judas 〜第二翼〜葵楓 扇 7/26-15:17
記事番号11149へのコメント


 みなさん雨の中こんにちは、扇です。
 また連続投稿です。
 コピー&ペースト最強、という気分だ(笑)
 というわけで、ミリーナ登場の第二話、お楽しみいただけると幸いです。

__________________________________


  Angel of Judas
  第二翼  〜今再び目覚めん〜


「で・・・・・・」
「でかい・・・!」
 アメリアとガウリイが、『それ』を見て絶句した。
 あまりの大きさに。
「これが・・・衛星都市デイジー・・・!!」
 翼を羽ばたかせ、上空からその街を見下ろす。
 まるで、街全体がテーマパーク。
 至る所ではネオンが虹よりも多彩な輝きを放ち、絶えず騒々しさが止まず、現在交戦場であろう西の方は騒然としているが、だが街全体はその程度では揺るがない『愉快さ』を秘めていた。
「衛星都市デイジー・・・様々な地から様々な人が来るので、彼らを楽しませ貿易をはかどらせるため、エデンから近いこともあり、街全体をカジノとした都市・・・まさか、これほどとは思ってもみませんでした」
 アメリアがぶつぶつと呟き、心底感心していることを必死で表現しようとしている。
「だけど・・・やっぱ、西の方は静かだな」
「そうですね。早く援軍に行きましょう!」
 ガウリイの言葉に、相変わらずの元気でアメリアが答えた。
 もしかしたら、早くこの街を救って、カジノで遊びたいだけかも知れない。

 ガウリイ達がたどり着いた、少し開けた草原では、一人の女性が、敵軍の下っ端と思われる悪魔と対峙していた。
 たしかに天神が言ったとおり、悪魔の数は、並大抵ではなかった。
 その女性・・・流れるような銀髪の女性は、一振りの、彼女の髪のような色の剣を構え、悪魔を迎え撃っていた。
 その動きは、まるで慣れた流れ作業のようで、一寸の乱れもなかった。
 翼の飾りはエメラルド。アメリアより一つ上にすぎない権天使プリンシパリティーを示していたが、その戦闘能力は、簡単に考えても能天使パワーズほどあった。
「ミリーナさん!!」
 アメリアが、彼女の名を呼んだ。
 ミリーナと呼ばれた女性は、ちらっとアメリア達の姿を見たら、またすぐ悪魔達に向き直った。
 彼女だけでも、相手は高々悪魔。すぐに全滅するだろう。
 だが、疲れは確実にたまる。
 これだけ相手の数が多ければ、たしかに彼女ほどの能力を持つ天使が何名かやられたのも、頷ける。
「加勢するぞ!」
「もちろんです」
 ガウリイが聖剣ミカエルを、腰の鞘から抜く。
 アメリアの戦法はどうやら格闘術らしく、拳を固め構える。
「ぎいぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
 甲高い声をあげて・・・高々悪魔、それほど知能は高くないらしい一匹が、ガウリイ達の元に駆けていく。
 だが、ガウリイが瞬時にアメリアより一歩前に出て、その悪魔を一瞬のうちに真っ二つに分断した。
 アメリアが、感心したように頷く。
 ガウリイは、まだ生まれてほんの数日しか経っていないのに、これほどまでに戦闘慣れしている自分の身体に、微かに恐怖を覚える。
 自分は一体何者なのか、と。
「ミリーナさん、大丈夫ですか!?」
 アメリアとガウリイが、ミリーナの元に駆け寄る。
 彼女は小さく頷いただけ。
 僅かな動作にも気を配り、体力を温存しようと言うのか。はたまた、単なる面倒くさがりなだけか。
「アメリア、知り合いか?」
 毎日毎日アメリアに「呼び捨てにして結構です!」と叫ばれたため、一応上位の位の彼女の名を呼び捨てにして、ガウリイは尋ねた。
「彼女の名はミリーナさん、クラスはプリンシパリティー。力天使ゼルガディスさんの部下で、私とは顔見知りに間柄です」
「ふぅぅん」
 ガウリイが、感心していると・・・
「アメリア、それと金髪さん。・・・来るわ」
 ミリーナが、小さく言う。
 悪魔達が、一斉にかかってくる。
 ある者は爪を尖らせ、ある者は牙をむきだし、ある者は魔力を手のひらに溜め、駆けてくる。
「のんきに話をしている場合じゃないわ」
 凛とした声で語ると、直後にミリーナはその場所を離れ、自ら悪魔につっこんでいった。
 アメリアとガウリイも、それに続いた。

「ぎぃぁぁぁぁぁぁっ!!」
 悪魔の、耳をつんざく声が響く。
 羽根が汚れぬよう、ガウリイはひらりと身をかわし、行き場の無くなった返り血は、地を汚す。
 大地が、どす黒くなっていく。
 これで、倒した悪魔は何人目だろう。
 聖剣ミカエルは、そのようなこと気にした様子もなく、ただ刀身は鈍く光り、セフィロトの樹皮といわれる部分は、血を吸った様子もない。
 その剣は、天界の神器と言うより・・・悪魔達の血を吸う人喰いの剣のようだった。
 ガウリイは、そこで気づく。
 聖なる剣・・・聖剣と呼ばれるものは、持ち主の感情により、その力を変える。
 聖剣であるからこそ、ガウリイがただ『悪魔を斬る』だけにその剣を使っていたら、この刀身が、天神から手渡されたときのような、淡い輝きは、もう二度としなくなるだろう。
 心を清く・・・いや、物を斬っている時点で清く、は無茶だが・・・せめて、この剣を・・・救いたい者を救うために使えば、聖剣も、また再び清き輝きを取り戻すだろう。
 そう。救いたい者を救う。
 デイジーの民。
 ミリーナ。
 アメリア。
 そして・・・・・・
(誰だ・・・?)
 頭に浮かんだ、二人の若者。
 顔はおぼろげ。色もセピア。
 ただ辛うじて、翼の飾りから、座天使と戦乙女であろう、と判断する。
 ただ分かるのは・・・この二人が、護りたくて・・・そして、護れなかった者であること・・・・・・
「ガウリイさんっ!!」
  ガッ!!
 激しい音がして、アメリアが裏拳で悪魔のパンチを防いだ。
「何ぼうっとしているんですかっ!!」
「す・・・すまない・・・」
 その疲れたような口調に、アメリアは眉を寄せる。
「やっぱり、初めての実践で疲れましたか?」
「いや・・・大丈夫だ。ただ、ちょっと昔のことを思い出していただけだ」
「そうですか・・・気を付けて下さいよ」
 アメリアは後ろに大きく飛び、先ほどの悪魔を向かい受けた。
 そこで、はっと気づく。
 『昔のこと』・・・・・・?
 ガウリイは、まだ生まれてから三日ばかりしか経っていないのに?
 アメリアは、背筋が寒くなっていくのを感じた。

「貴方達が来てくれて助かったわ」
 ミリーナが、全ての悪魔が倒れ伏したその場で、アメリアとガウリイに向き直った。
「三日四日戦い続けて、本当に疲れてしまったわ。少し休んだら・・・さっさと、敵のリーダーの公爵を叩く」
「それが一番だな」
 ミリーナの案に、ガウリイは賛成する。
 アメリアも、頷いた。
「けれど、何故これほどの間戦いが続いて・・・デイジーは、いつもと変わらぬ日々を送っていられるんです?」
 アメリアが、思った疑問を口に出した。
「デイジーの人は・・・きっと半分くらい、この戦いのことを知らないわ」
『ええっ!?』
 ガウリイとアメリア、同時に声をあげる。
「んな事が・・!?」
「あり得るのよ。天神様の手にかかれば・・・ね」
 ミリーナが、近くのテントへと足を向け、静かに言った。
「民に余計な不安を与えない。そのために、私たちは三日であろうと四日であろうと、彼らを護るため戦う。天神様の思いやりは本物よ」
(そのかわり、闇で何をやっているか分からない・・・)
 ガウリイは心の中で呟き、すぐに首を振る。
 何を考えているんだ、自分は。天神様のことを疑うなんて。
 自分のことが嫌いになりそうだ。ガウリイは最後に、そう思った。

 長期戦の疲れは思ったより激しかったようで、ミリーナは一度眠りにつくとしばらく起きなかった。
 長期戦といっても、三日間ほど不眠不休では、さすがにやばい。
 この場合の長期戦とは、にらみ合いや相手の牽制も含まれる。
 だが、それでも全然眠れなかったのは、事実のようだ。
「これ以上ミリーナを戦いに連れていったら、倒れちまうんじゃないか?」
 ガウリイが、何気なく言ったその言葉に、アメリアはポーズを決めて叫んだ。
「そうです、衛星都市デイジーのためにその身を省みず戦い抜いた勇者、ミリーナさんに安らぎを与えねば!!」
「ミリーナ起きるぞ。安らぎ妨害だぞ」
 ガウリイがつっこむが、アメリアは止まらず、ガッツポーズを決めた。
「なんとか、彼女の身を休めてあげねば!」
「お前が邪魔してるぞ。休みを思いっきり」
「何か、良い案はないでしょうか?」
「おい俺の言葉全部聞いてなかったのかよ」
 ガウリイが言うが、アメリアは「なにか良い案を」と繰り返しただけだった。
 ガウリイは一つため息をついて、それから提案した。
「俺たちで公爵を倒す」

「るああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 ガウリイが聖剣ミカエル・・・淡い輝きを放つその剣で一閃すると、目の前の悪魔がはじけ飛んだ。
「ま・・・まさか、これほどとは・・・」
 目の前の公爵が、呆然とそれを見ている。
 突然目の前に現れた、飾り無しの天界人・・・たかが天使エンジェル如きにここまで追いつめられた、という事実を脳が認めることを拒否している。
「たかがエンジェルが・・・! お前の力、聖剣によるものにすぎぬ!!」
 公爵は叫び、手のひらに魔力を集める。
マジック・ミサイルでも発射するつもりなのだ。
「たかがエンジェルで悪かったなぁっ!!」
 ガウリイが、邪魔に現れた悪魔を両断する。
 脇から現れた悪魔は、絶妙なコンビプレーでアメリアに倒される。
  ざしゅっ!
「がぁぁぁぁぁぁっ!!」
 返し刃に胸を突かれ、公爵は甲高い悲鳴を上げる。
「ぎふうぅぅぅぅぅっ! き、貴様ぁぁぁっ!!」
「遊戯の時間はこれまでだぜ」
 ガウリイは、胸を突いた聖剣の刃を、一気に上に上げる。
 公爵の胸から上が、半分になる。
 頭蓋骨すらも無視し一刀のもと相手を半分にする剣の切れ味に、空恐ろしさも感じる。
 ざあっ、と音を立て公爵の身体が、砂になる。
 魂だけの存在である彼らは、すでに一度死を迎えた者。
 もう一度『死ぬ』事はあり得ない。
 待っているのは、永遠の眠りなのだ。

「嘘・・・でしょう・・・」
 ミリーナが、思わず声を裏返らせ、呟いた。
 公爵といっても力は貴公子並まであったであろう、敵の統括を、この生まれて僅かの天使が倒してしまったのだ。
「いやぁ、意外とカルい相手だったぞ」
 しかも、その天使は、怪我一つなくぴんぴんしている。
「悪いけど、ガウリイさん・・・このこと、包み隠さず天神様にお話しするわ。我が上司にもね・・・」
「別に良いけど。なんで、それが悪いんだ?」
 ミリーナの言葉に、意味が分からないとばかりにガウリイが問い返す。
 まさか、自分に『ただ者じゃない、もしや化け物、もしや魔界の間者』の疑念が掛けられているとも知らずに。
 ミリーナは、この男がどれほどの力量を持っているか、図りかねていた。
 だが、少なくとも分かるのは、この男の力は大天使アークエンジェルや、自分の位の権天使プリンシパリティー程度ではない、ということ。
 そう、強いて言えば・・・智天使ケルビム並の力がある・・・。

 そして、ガウリイは、もう一つ気づかないことがあった。
 それは、自分を見つめる視線・・・・・・

「くっくっく・・・これから、面白いことになりそうですねぇ」

 それだけ呟くと、視線の主は姿を消した。
 ガウリイだけでなく、誰にも気づかれぬまま・・・・・・


  ▽To Be Continued!

__________________________________

 久しぶりに、シリアスなミリーナを書いた気がする(爆)
 あと、天使の地位の宝石は、自分で勝手に決めてます。
 魔界人ってのはやたらと数が多いので、公爵以下くらいのクラスは、だいたいスレ世界で言うところのデーモン程度にしています。あんま強くないんですね。
 この辺から、ガウリイの人格崩壊(?)が始まります(早いって)
 なんか、戦闘シーンが多いなぁ・・・
 ともかく、次回もお読みいただけたら光栄です。

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11178Angel of Judas 〜第三翼〜葵楓 扇 7/26-15:27
記事番号11177へのコメント


 こんにちは、みなさん。扇です。
 あっさり第三話。やっぱコピー&ペーストは以下略。
 ガウリイ、今回から大天使です。なんつーかまーつーか。
 とりあえず、お楽しみいただけたら幸いです。

__________________________________

  Angel of Judas
  第三翼  〜裏切られし座天使〜


「汝、ガウリイ。汝の位を、この瞬間をもち、大天使アークエンジェルとする」
「はい」
 天神から授けられる巴の飾りが、ガウリイの翼に装着される。
 この、天神により行われる儀式により、天使は自らの位を上げる。
 誰もが憧れる儀式・・・・・・

「すっ・・・・・・っごいじゃないですか、ガウリイさんっ!!」
 思いっきり息を吸い込み、アメリアは大きな声を出した。
「たった五日ですよ、五日。今日でガウリイさん、生まれて五日なんですよっ!! それでもう、大天使アークエンジェルなんてっ!!」
「そんなにすごいもんなのかなぁ、これって」
 アメリアの言葉に、ガウリイは不思議そうに、自分の翼の飾りを見る。
 違和感を感じる。それは、その巴が発する力を強いと思うものではなく、弱いと思うもの。
 本来其処にあるべき飾りは、たかが巴ではなく、もっと上位の・・・座天使オファニムの琥珀、いやそれ以上の・・・・・・
「そんなにすごいもんなんですよ、それって」
 いまいち納得がいかない様子のガウリイに、もっと納得がいかないようにアメリアは言う。
「私の一年・・・正確には、十一ヶ月と二十日なんですけど、それがエンジェルからアークエンジェルになる最短記録だと思っていたのにっ!!」
「へぇ、それが最短記録?」
「ええ、そうです絶対! だって、ゼルガディスさんもミリーナさんも、『早すぎだ。お前わ』って言って誉めて下さったんですよっ!!」
 それって、単に呆れているだけじゃぁ・・・それに、最短記録って言ってないし・・・ガウリイは、心の中でそう呟いた。
 ともかくガウリイは、あまりにもショックを受けているアメリアが、ほんの少しいたたまれなくなった。
「ほら、俺の場合は聖剣と、ちょうど良いチャンスが巡ってきたから、すぐアークエンジェルになれたにすぎないんじゃないか? だから、正当にいったら、アメリアの記録が最短なんだろうな」
「そうですか? そう思いますかっ、そうですかっ!!」
 なにやら、自分で勝手に呟き、アメリアは自分で勝手に納得していた。
「そうですよね、そうに違いませんっ!」
 言うんじゃなかったかなぁ、とガウリイが心の中で後悔しているとき・・・
「あんたが、エンジェル・・・いや、今はアークエンジェルのガウリイか」
 突然、後ろから声が掛けられる。
 振り向くと、そこには先日知り合ったばかりのプリンシパリティーのミリーナと、見慣れない男。
 翼には、力天使ヴァーチューズの証である、サファイアの飾り。
「あんたは・・・・・・誰だっけ?」
「初対面だ。初対面」
 ガウリイの問いかけに、その男はコケそうになりつつ、言い返す。
「俺の名はゼルガディス。見て分かるとおり、力天使だ。先日は、衛星都市デイジーで俺の部下が世話になったな」
「・・・・・・そんなことあったっけ?」
「あったんだ、ともかく話を合わせろ!」
 完全に忘れているガウリイの言葉に、呆れつつ男・・・ゼルガディスが訴えかける。
「そこで俺は、天神様からお前とアメリアの世話を頼まれた。精一杯しごいて修行させろ、とな」
「修行ですか!?」
 正義マニアというか、『熱血』という言葉が好きそうなアメリアは、この言葉にも反応する。
「そうだ。俺はヴァーチューズという身、多忙なんでな。部下は多い方が良いし、使える方がもっと良い」
「なんで、ヴァーチューズだと忙しいんだ?」
 ガウリイの問いかけに、今度はゼルガディスははぐらかさずに答えた。
「ヴァーチューズというのは、堕天使を専門に退治する位でな。堕天使というのはだいたいが元高位な天使で、手間がかかるんだ」
「へぇ。・・・高位って、どれくらいの?」
「そうだな・・・俺が見たことのある堕天使の中で最高位なのは、俺より一つ上の位、主天使ドミニオンズだな」
「ふぅん、あんまり高くないんだな」
「そうは言っても、強敵だ。・・・まぁ、ケルビムは天神様の側近という地位がある故に裏切るわけにもいかないし、それに座天使オファニムは・・・」
「オファニムは?」
 ゼルが言葉を止め、ガウリイが聞いてくる。
「もう、この天界のオファニムは存在しない。数年前の聖銃行方不明事件っきり、その位に行き着いた天使がいないのさ。タダでさえ座天使という位はなりにくく、当時一人しか居なかったからな」
「・・・この天界も結構大変なんだなぁ」
「ああ。・・・もう世間話も終わりだ」
 ゼルガディスはそこで言葉を止め、ガウリイとアメリアを促した。
「とりあえず、ここから西に行ったところにある、衛星都市アメリカネリまでついてきて貰う」
「はいっ!」
「はい」
「・・・はい」
 元気いっぱいのアメリア、ごく普通のミリーナ、そして何かまた考えているガウリイ。
 最後の座天使のことを・・・・・・

 衛星都市アメリカネリ。
 水資源に恵まれた街で、至る所に噴水や小川がある。
「さて、修行といったが・・・一体、何をするか」
「・・・何しにこの街に来たんです?」
  ぎくっ。
 ミリーナの問いかけに、ゼルガディスは黙り込む。
 まさか、これは言うわけには・・・
「滝に打たれて修行する、とか?」
「水ゴリかぁ。明らかに羽根が危ないんだけど」
  ぎくぎくっ。
 アメリアとガウリイの言葉に、ゼルガディスは胸を押さえてしゃがみ込む。
「あれっ、ゼルガディスさん、どうしたんですかっ?」
「ちょ・・・ちょっと・・・持病の癪が・・・」
 ゼルガディス、必死の言い訳。
「身体弱い天使だなぁ。そんなんじゃ、堕天使にすぐやられちゃうんじゃないか?」
 事情を知らないアメリアとガウリイは、脳天気に笑いあった。
 上司の心部下知らず。いや、違うな・・・。

 ガウリイは、ゼルガディスと一緒に、街から僅かの所にある修行用の洞窟へと来た。
「はぁぁぁっ!!」
「たぁぁぁっ!!」
  ガキィンっ!!
 ガウリイの剣・・・ミカエルではなく、ゼルガディスの用意した銅剣を、ゼルガディスは同じ剣で受ける。
 実際に彼らに合う修行をさせるために、力を見ているのだ。
「でやぁぁぁぁっ!」
  ばきぃっ!!
 ガウリイの払いを、ゼルガディスはすんでの所で柄で受ける。
  がつっ!
 今度は、ゼルガディスが斬りかかる。
 だがガウリイは、それを後ろに飛び避ける。
「・・・わかった。お前の力は・・・」
 全然理解しようが無い。
 ゼルガディスはそう言おうと思って、言ったらまた何か言い換えされるだろうと、言葉を止める。
「おい、ガウリイ」
 ゼルガディスは、小さな黒い珠を取り出す。
 漆黒の珠を、ゼルガディスはガウリイに渡す。
「意識を集中させ、その珠に力を溜めろ」
「・・・・・・?」
「いいからやってみろ」
 ゼルガディスの言葉を理解しかねた様子のガウリイに、ゼルガディスはただ「やれ」とだけ促す。
 意識を集中する。珠を持った手に、力が溜まるように。
 しばらくそうしていると、気がついたとき珠は完全な透明となった。
 ガウリイは、その珠をゼルガディスに渡す。
「そうか・・・やはり・・・。わかった。ガウリイ、お前はアメリアと一緒に宿で待っていろ」
 昼間この街で取った宿へ行け、とばかりにゼルガディスは顎で、洞窟の入り口を示す。
 ガウリイがおとなしく洞窟から出ていくと、ゼルガディスは今度はミリーナを呼んだ。
「なんですか?」
「これから、エデンへと戻る」
 ミリーナの問いに、ゼルガディスは答える。
 ヴァーチューズ以上の位を持つ者で、特殊な功績が認められると、天神から、一度行ったところならば一瞬で行ける転移能力を授けて貰うことが出来る。
 ゼルガディスは、その能力を持っていた。
「ええ、分かりました。けれど・・・何のために?」
「ケルビム様に会いに行くためだ」
 ゼルガディスはそう言って、さっきの珠をミリーナに見せる。
 ミリーナが、まさかとばかりに、顔を驚愕させる。
「この珠は、その者の能力値を、天使の位の証で示す。この透明は・・・ダイヤモンド。ガウリイ、あいつは・・・ケルビムの証であるダイヤモンドを、持つ資格がある」

「以上が、ガウリイについてのことです」
 ゼルガディスとミリーナは、智天使ミルガズィアの前で、そのことを言った。
 異常なほどの戦い慣れ。わずか五日で大天使アークエンジェル。ゼルガディスを軽くうち負かしそうなほどの剣技。そして、ダイヤモンドを示した珠。
 ミルガズィアはそれを聞くとしばらく考え込み、そして言った。
「ゼルガディス。お前は、あの伝説の戦乙女のことを知っているか?」
「伝説の戦乙女・・・あの、聖杖ウリエルを持ったヴァルキリーのことですか」
「そうだ。数年前・・・いや、十数年前、お前達もまだ生まれていなかった頃、私はまだ智天使ではなく、この地位には別の者が着任していた」
 ミルガズィアは、ふぅっとため息をつくと、話を進めた。
「その者の名はガウリイ」
「!?」
 ゼルガディスとミリーナが、同時に反応する。
「そう、お前達が知っているガウリイと・・・よく似ている。長い金の髪、少しとぼけた性格で、剣技と潜在能力はピカイチ・・・そして、聖剣ミカエルの使い手だった」
「その・・・ガウリイは、それから?」
 ゼルガディスではなく、ミリーナが問いかけてくる。
「消えた。戦乙女と、座天使と共に」
「何故・・・」
「分からぬ。当時の私は、高々主天使ドミニオンズ。だが、私のうちに秘められているらしい力が認められ、こうして座天使を飛ばして智天使の位についた。当時の智天使のことには、あまり詳しくなかった」
「・・・そうですか・・・」
 ミリーナが、がっかりしたように言う。
「そうだ」
 ミルガズィアが、何かに気づいたように言う。
「あの智天使は・・・いや、戦乙女も座天使も、そして智天使も、死んだと言われている。もし死んだのなら、魂の行く末を管理する冥界神のもとにも、知らせが届いているはず。冥界神に聞いてみたらどうだ?」
「そうか、たしかにあの男は知っていそうだ・・・教えてくれなそうだが」
 ゼルガディスも言う。
「失礼しました」
 それだけ言うと、ゼルガディスはミリーナを連れて、さっさとミルガズィアの元を離れる。
 ミルガズィアは椅子に着くと、ゼルガディスに渡された珠を見る。
 その透明さは・・・自分の羽根とサークレットについている、ダイヤモンドの飾りと同じ。
「まさか・・・あの智天使の生まれ変わりとでも言うのか・・・?」
 ミルガズィアはそう呟き、珠を床にたたきつける。
 珠に大きなひびが入り、粉々に砕け散る。

「ミリーナ、お前は待っていろ」
「な、何故ですか?」
 ゼルガディスにそう言われ、ミリーナは問いだす。
「あの男は、一応友人である俺にはあってくれるだろうが、顔すら知らないお前を連れていったら、とやかくうるさそうだから」
 『一応』という所にアクセントを付けて、ゼルガディスは言う。
「あの・・・冥神様を『あの男』呼ばわりして、良いんでしょうか?」
「あの男としか言いようがないのだから、しょうがない」
 そーいわれてもなー、とばかりにミリーナが首を傾げる。
「ともかく、ここでしばらく待っていてくれ」
 ゼルガディスは、手みやげの地酒を抱えて、一瞬のうちに転移する。
「あーあ、ひどい男だなぁ。お前ほど心配してくれる部下を、あっさり置き去りにするなんて」
 突然背後からそう言う声が聞こえ、ミリーナは振り返る。
「ルーク!」
「よっ、ミリーナv」
 そう言って現れたのは、翼に能天使パワーズの証であるルビーの飾りを持つ男。
「いやぁ、元気だったか? 気がついたら突然デイジーに派遣されたって聞いて、すぐにでも飛んでいきたかったが、天神様の命令でこのエデンを離れられなくて・・・」
「別にルークが来なくても平気だったわ」
「みりぃぃぃぃぃなぁぁぁぁぁぁっ」
 ミリーナの言葉に、ルークと呼ばれた男は涙をだらだら流し、しがみついてくる。
「けど、ゼルさんって言ったっけ、あのヴァーチューズ。冥神のトコに何しに行くんだ?」
「冥神様に用があるからに決まっているでしょう」
「いや、それはそーだけど・・・」
「何の用かは言わないわよ」
「みりぃぃぃなぁぁっ、俺とお前の仲だろぉぉぉぉっ!」
 ルークが再び泣きついてきたが、今度ばかりは相手をするのが飽きたか、ミリーナは飛び去ってしまった。

「とゆーわけで、何か知らないか?」
「知ってるけど教えてやんねぇ」
  ずべっ。
 冥神の、その任には死ヌほど合わない陽気な性格の通り、明るく言った言葉に、ゼルガディスは顔面から目の前のテーブルに突っ伏す。
「そう言うと思って・・・これ、お前が好きだと言っていたアメリカネリの地酒」
「ををっ、あそこの酒かっ! あそこは、水が美味いから・・・」
 ゼルガディスが取り出した酒を、コンマ3秒の素早さで、冥神は受け(奪い?)取る。
「というわけで、あの伝説の戦乙女と・・・座天使と、当時の智天使、誰かのことを知らないか?」
「んー、知らないかと言われても・・・俺は、その智天使には会ったことすらないからな」
「他の二人のことは分かるのかっ!?」
 ゼルガディスが身を乗り出す。
「分かると言うより、言えることが一つある・・・それだけだ」
「それだけでもいい、教えてくれ」
 冥神は、指を一本立て、ゼルガディスの目の前に突きつけた。
「あの二人のことは、俺の管轄下じゃない。なぜなら・・・どっちも生きているからな」

「あいつ帰ったから、もー出てきても大丈夫だぞ」
 冥神の言葉に、奥に隠れていた一人の天使の少年が現れる。
 肩までしかない髪をオールバックにするように、額のバンダナで髪を抑えている。だが、バンダナが其処にある理由は、他にもあるように見える。
 そして、羽根には・・・堕天使の証である、黒耀の飾り。
「あいつ・・・ヴァーチューズの飾りを持っていた」
 少年が、感情のない声で言う。
「ああ。堕天使退治のプロフェッショナルってやつだ。あの様子じゃぁこれからもよく来そうだから、気を付けろよ」
「・・・はい」
 冥神の言葉に、少年は素直に従う。
 どちらにせよ、天神に頭が上がらない奴の前に出るつもりは、少年にはさらさら無かった。


  ▽To Be Continued!

__________________________________

 ふにゅ、各世界の神の名前を書くチャンスが、何故か無い(汗)
 冥界神はフィブリゾ・・・じゃなくって、ガーヴ様です。
 比較的、天神よりはわかりやすいですな。
 最後の少年、誰だって?
 いや、いわんでも分かるだろーけどヴァル君しか居ないぢゃん。
 何故か髪型オールバック。単に『ヒヤシンス頭』と書くのが虚しかっただけ(笑)
 なんで彼が堕天使になったか。その理由は、とりあえず秘密です。
 さぁてと、次回でとうとう、フィブリゾとリナ以外のキャラが全員登場したことになります。
 お楽しみにv

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11179Angel of Judas 〜第四翼〜葵楓 扇 7/26-15:40
記事番号11178へのコメント


 えー、ただいまを持ちまして第二回連続投稿大会(謎)を終了させていただきます。ご了承下さいませ。
 今回、とっても事態が大変です。
 某ニコ目神官が登場しますけれども悪魔階級に当てはめると『将軍』になっちゃったり、あの偏食エルフが冷めたギャグ竜の事を何と呼ぶか迷いまくったり我が儘ドラゴン(某神官談)が笑顔で怖い某主人公の姉君風になったりと、ともかくなんだか大変です。
 あっ、しまった。あらすじ言っちゃった(爆)エイプリルの事件簿2以下略風にお読み下さい。
 ともかく、お楽しみいただけたら幸いです。

__________________________________


  Angel of Judas
  第四翼  〜力天使に追い打ちを〜


「ガウリイ、これからアメリアと一緒に、『金のリンゴ』の元に行け」
「・・・は?」
 突然ゼルガディスにそう言われ、ガウリイは聞き返した。
「き・ん・の・り・ん・ご、だ」
「いや、それは分かりましたけど」
 ガウリイは、力一杯言うゼルにあっさり言い放つ。
「金のリンゴって・・・何?」
  がくっ。
 ゼルガディスが、思いっきり肩を落としたのが分かった。

「金のリンゴというのは、天界人が不老であるのに必要不可欠な食べ物だ」
「不老? 天神様はあんなにじ様なのに?」
「天使の老化というのは、魔力の衰え、ということだ。外見はあまり関係ない。天神様だって、外見に似合わず動きは素早いだろう?」
 たしかに、とガウリイは心の内で思う。
「そして、金のリンゴは、食べた者の潜在能力を解き放つ力がある。お前はどうやら潜在能力が絶大すぎるらしいから、さっさとそれを解き放たないと、力が暴発するおそれがあるらしい」
「うえー。暴発ぅ?」
 ガウリイが、嫌そうに言う。
「だから、アメリアと一緒にエデンの隣、衛星都市ナデシコに行って、管理人からリンゴを貰って、さっさと食べてさっさと帰ってこい」
「はーい」
 なにやら焦っているようにゼルガディスが一気にまくし立てるので、アメリアは素直に手を挙げて言った。

「・・・何者だ?」
「え?」
 ガウリイとアメリアが去った後、突然ゼルガディスがそう言い、ミリーナが聞き返す。
 だが、答えたのはゼルガディスではなかった。
『おやおや・・・さすが、ヴァーチューズ一の天才天使と言われているだけありますね・・・ゼルガディスさん・・・』
「な・・・何者!?」
 謎の声にミリーナが叫ぶ。
 突然目の前の空間が歪み、辺りが薄暗くなり、そして男が現れた。
 中肉中背、整ってはいるが在り来たりな顔、漆黒のコートとズボンを着た、異常なほどの力を隠さず発している男・・・・・・
「初めまして、ゼルガディスさんに・・・ミリーナさん。僕の名はゼロス、以後お見知り置きを」
 彼はそう言うと、一つお辞儀をする。
「こう見えても僕、魔界人の将軍クラスなんですけどね・・・」
「しょ・・・将軍ですって!?」
 ミリーナが声をあげる。
 魔界神は最高位の帝王のためいつの時代もただ一人、そして大公もその側近としてただ一人しか存在しない魔界に置いて、閣僚の次に高位なクラスなのだ。
 ミリーナ程度では、敵わないほどの実力の持ち主であるのは、確かのようだ。
 ゼルガディスでも、敵わないだろう。
「で・・・その将軍が、俺達に何の用だ?」
 そのことはゼルガディスも分かったのだろう、刺激しないように、静かに言う。
「魔界神様の命令でね・・・貴方達が少々目障りとのことで」
「・・・殺すのか?」
「いえ・・・・・・」
 ゼルガディスの問いに、ゼロスは手を挙げて答えた。
「貴方達を魔界にご招待します」
 ゼルガディスとミリーナを、突然黒い霧が包み込んだ。

「・・・あの野郎!」
 ゼルガディスとミリーナがさらわれたのを空間から見届けたルークは、歯がゆい気持ちでいっぱいになる。
 なんとか助けに生きたいが、ルークは今エデンに居る。もう間に合わない。
 それに、ルークのクラスはパワーズ。
 将軍クラスの魔界人に敵うはずがない。
「一体どうするか・・・」
 ルークは頭を抱えて、少し考える。
 きっちり三十秒後。
「ナデシコに行くかっ!!」
 そう叫んだ。

 衛星都市ナデシコ。
 『金のリンゴ』がなる樹があるため、エデンの一番近くに出来た街。
 ・・・と言ってもなばかりで、そこは街と言うより、のどかな村。
 完全なる自然を保つため、近代的な科学は一切無く、道の脇から木々が消えることはない。
「私、こういうのどかな村は好きです」
「俺もだ」
 アメリアの言葉に、ガウリイも頷く。
「戦いは、やっぱりない方が良いですよね」
「そうだな」
 ガウリイは、再び頷く。
「さぁて、金のリンゴは一体どこかなぁ」
「村の中心の方ですね」
 村内地図を見て、アメリアが言う。
 まさか、この頃自分たちの上司に危機が迫っていたと知らずに。

「ふふふっ」
 女性の笑い声が聞こえた。
「それっ、ふふふふ」
 なにやら楽しげな様子だった。
 草をかき分け、ガウリイが其処にたどり着く。
 笑い声の主は、びっくりしたような、きょとんとした表情になる。
「あら、どちらさま?」
 にっこり笑ったその顔は、まるで聖女を連想させる。
 流れるような金の髪。海の青空の青よりも青らしい色の瞳。
 そして、翼には何故か巴だけでなく、褐色の玉石の飾りがついている。琥珀だった。
「君・・・座天使!?」
 琥珀は、座天使の証。ガウリイが声をあげる。
 だが、彼女は首を左右に振った。
「いえ、私は大天使アークエンジェル。この飾りは、知り合いに貰ったんです。きっと、ただのガラスか何かでしょう。本物の琥珀であるはずがありませんもの」
 彼女は、そこでもう一度にこやかに笑った。
「どちら様ですか?」
「俺の名前はガウリイ」
「私はアメリアですっ」
「そうですか」
 彼女は、くるりと後ろを向く。
 背には、一匹の動物・・・アライグマのようなものが、しがみついていた。
「この子はくーちゃん」
 今度は腕を伸ばす。そこに、一匹の青い鳥がとまる。
「この子はぴーちゃん」
「・・・はぁ」
 ガウリイが、冷や汗を一筋流して言った。
「私はフィリア。金のリンゴの管理者です」
 彼女は、再びガウリイ達の方を向いて言った。
「金のリンゴに、何の用ですか?」
 彼女は、後ろの樹を指さした。
 とてつもない大木だった。
 なんの実も生っていない。
「えーと・・・力天使ゼルガディスって知ってるかな」
「はい、何度かお会いしたことがあります」
 彼女は、にこやかに笑う。
「その人の命令で、金のリンゴを食え、って言われて」
「証拠は?」
 聞き返され、ガウリイとアメリアは再び冷や汗を流した。
 にこにこにこにこにこにこにこにこ。
 フィリアは笑みを止めない。
「証拠は無いのでしょうか?」
「えーと・・・」
「まさか、ゼルガディス様の名を使って金のリンゴを手に入れて、悪事をしようって魂胆でしょうか?」
「いや、そんなことは・・・」
「ならば、証拠は?」
「うー、その・・・」
 何も無い。そうは言えない。
 にこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこ。
 フィリアの微笑みは、絶えず続く。
「証拠はないんですか? それじゃあ、金のリンゴはあげられませんよ」
「あー、そのぉ・・・」
「もし金のリンゴで悪事を働こうって魂胆なら、私が内○○で××てから◇◇にして□□を△△らしますよ」
「いや・・・笑顔でそう言うことをさらりと言われても・・・」
 にこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこ。
 いい加減ガウリイが、少し身の危険を感じ始めた頃・・・・・・
「居たぁぁぁぁっ!!」
 突然、上空から叫び声が聞こえた。
「あんたっ! ガウリイだろっ!」
「そ、そーだけど・・・?」
 突然現れた男・・・能天使パワーズの証のルビーを持つその男に迫られて、ガウリイは一歩後ろに引く。
「あら、ルークさん」
 フィリアは、自分のテンポを崩さず言った。
「フィリア、知り合いなのか?」
「はい。この人は、ルークさん。まだ能天使ながら、ミルガズィア様の元で働く、結構凄い人なんですよ」
「よろしく・・・って、そーいう場合じゃないっ!」
 ルークが叫び、フィリアに言う。
「フィリア、この二人は本当にゼルさんとこの天使だ。俺が保証する。時間がないんだ。頼むから金のリンゴをやってくれ!」
「はい、ルークさんがそう言うからには、本当なんでしょうね」
 そういってフィリアは、羽ばたき宙に浮く。
「時間がないって、どうしたんだ?」
「無茶苦茶大変なことが起こったんだっ!」
「無茶苦茶大変なこと・・・?」
 ガウリイが聞き返すが、ミルガズィアの元で働いてる割には落ち着きのないルークとでは、会話にならない。
「私が説明しますわ。ルークはどいて」
 突然ルークの後ろに女性が転移で現れ、ルークの頭を強引に押しのけて言ってきた。
 翼の飾りはアメジスト。主天使ドミニオンズの証だった。
「お初にお目にかかります、私はメンフィス。ミルガズィアおじ様・・・あ、私は古くからおじ様の世話になっていて、こう呼んでいるんですけど。ともかく、私はミルガズィアおじ様の側近なんですの」
 彼女は、フィリアを見つめた。
 後ろの巨木から葉っぱを二枚取ると、フィリアはそれになにやら呪文を唱える。
 すると突然葉っぱが光り輝き、一瞬後には金色に輝くリンゴとなった。
 それを持って地面に降りてきて、ガウリイとアメリアに一つずつ渡す。
「こうすれば、魔界人に大事な金のリンゴを奪われることはありませんからね」
 金のリンゴを葉からリンゴの形にするのは、天神にすら出来ない。
 『心清き者』とセフィロトの樹に認められた天使のみが、それを出来るのだ。それには、位など関係なかった。
「といっても、私はつい数年前この地位についたにすぎませんけれど」
 彼女は、ガウリイ達がリンゴを食べているのを見ながら、こう説明した。
 前代の『心清き者』は、あの例の座天使だった。
 だが彼がガブリエルと共に姿を消した事により、フィリアに変わったそうなのだ。
「さて、メンフィスさん、ルークさん。具体的に、何どうなってどのように大変なんですか?」
「そうです、ガウリイさんとアメリアさんの上司、ゼルガディスさんが、魔界のヤツにさらわれてしまったのですわっ!!」
『えええええええっ!!?』
 フィリアの問いに答えたメンフィスの言葉に、ガウリイとアメリアは同時に叫ぶ。
「あと、俺の大事な大事なミリーナまでぇぇぇぇぇぇっ!!」
「それで、私はあなた方を連れて魔界になぐり込みに・・・じゃない、話し合いに行け、と言われたんですの」
 勝手なことを叫ぶルークを無視して、メンフィスが言う。
「それで天神様は、無事お二人を救出できたら、あなた方の位を能天使にして下さるんですって」
「ええっ、それってなんか責任重大じゃないですかぁ」
 アメリアは、能天使ということを喜びつつ、ゼルガディスの安否を気遣う言葉を言う。だが、ガウリイは無反応だった。
「それって・・・俺たちをエサでつってるみたいじゃないか・・・命がけの仕事をやれ、できたらいい目を見せてやる、みたいな」
「な、なんてこと言うんですかっ!」
 メンフィスが叫ぶが、ガウリイは訂正しなかった。
「どのみち、金のリンゴの効果もあるだろうから、能天使ってのはおいといて・・・リンゴの効果が出る頃には魔界についてるだろうから、さっさとエデンに戻って、魔界に行こうぜ」
 ルークが言った。他の世界に行くには、首都エデンに戻る必要があった。
 ガウリイは、変な視線を感じた。


  ▽To Be Continued!

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 天神ってやなヤツなのよ、と言うことを教えたストーリーですな、今回は。
 序翼でもヤなヤツでしたけど。
 金のリンゴは、色々と神話に登場しています。探してみましょう。
 ところで、ナデシコってのは某宇宙戦艦(?)じゃないです。
 あれはルリちゃんのためのストーリーのような気がするんだけど、どーでしょう。といっても、ストーリー知らないけど。
 ちなみに、最後のガウリイが感じた視線の主は、過去すでに登場したキャラです。
 さぁ誰でしょう?
 いや、クイズじゃないけどね・・・。
 ではでは、次回もお楽しみに〜☆

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11191Angel of Judas 〜第五翼〜葵楓 扇 7/27-18:50
記事番号11179へのコメント


 しちがつにじうなのか、もく。はれ、ときどきひょう(嘘)。
 みなさんこんにちは、扇です。
 今日は春牙と一緒に映画を見たりして、んで戻ってきて投稿です。
 がはははははは、リナ以外全員出たわ。ははははは。
 現在、第九翼書いてますけど、まだ出てません(おい)
 ・・・次あたり、かな・・・
 ともかく、お楽しみいただけたら幸いです。

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  Angel of Judas
  第五翼  〜天の闇〜


 くす・・・くすくす・・・
 笑い声がする。子供の声。
 どこか聞き覚えがある、とゼルガディスは思った。
 そうだ。この声は、確か・・・・・・
「おやっ、気がついたようだね」
 声の主は、何が面白いのかは分からないが、だが面白そうに言った。
「あんたは・・・魔界神か・・・」
「そう」
 ゼルガディスが、うっすらと目を開ける。
 身体が動かない。なにか喋るのにも、多大な体力を使う。
「僕がこの魔界の神。分かってると思うけど、クラスは『帝王』」
 悪魔族の主・・・・・・
「そんなヤツが、俺に何の用だ・・・?」
「あれ、ゼロスから聞かなかったの?」
 魔神・・・姿はどう見ても子供だが、ゼロスなど足元に及ばないのでは、と思わせるほどの魔力を感じるそいつは、意外そうに(本当に意外に思っているかは分からないが)言った。
「だから、君たちが目障りなのさ。でもまぁ、殺したらあの天神のじじぃがうるさそうだからね。こういう手段をとったのさ」

 はらはらはらはらはらはらはらはらはら。
 彼女・・・『心清き者』大天使フィリアは、実際にそんな音がしそうな程、はらはらしていた。
 突然二人の大天使が現れて、そしたら今度は能天使と主天使まで来て、知り合いの力天使がさらわれたと言って、そして突然去っていった・・・・・・。
「ああ、私に出来ること、何か無いかしら・・・」
 そう呟くが、フィリアの戦闘能力など、全然ないと等しい。
 この大天使の地位だって、セフィロトの樹に認められたため貰ったものだ。
 ついていったところで、足手まといになるだけだ。
 はらはらはらはらはらはらはらはらはらはらはらはらはら。
 まだしばらくの間、フィリアがはらはらしていると・・・。
『そんなに心配?』
 突然、宙から声がかかってきた。

「ここが・・・魔界・・・」
 ガウリイが、その世界を見て、呆然と言った。
 本来天界の者は魔界に行くことは禁じられていて(その逆は平気らしい。理不尽だ)魔界についての資料や書物なども全然なく、魔界と言うところがどういうところか、ガウリイやアメリアだけでなく、ルークも知らなかった。
 メンフィスは過去に、ミルガズィアと共に来たことがあるらしかった。
 今回特別にやってきた魔界は、本当に『此処が魔界です』とばかりの荒野が待っていた。
「この魔界に来るには、エデンのゲートを通るか、転移の術しかないんですけど・・・天界でのみ使う転移ならば大人数も平気なんですけど、天界から魔界に行く、もしくはその逆だと、間にある結界が邪魔をして、転移が使える本人しか行き来は出来ません・・・」
 メンフィスは其処まで説明して、一度区切った。
「ただ、伝説に名を残すほどの術者ならば、三、四人連れてくることも可能でしょうね。と言っても転移で来るにしても、一度此処に来たことがないと来れませんし」
「どっちにせよ、そうしょっちゅう来たい場所じゃないな・・・此処は」
 ルークが言った。
 冥界ですら、此処ほど物騒ではなかった。
 冥界は天界の者、魔界の者どちらも簡単に行き来できる代わりに、『ここでは絶対に争いごとをしてはいけません』と決まっていたため、荒れている土地はなかった。
 ・・・まぁ、冥界といっても、主の神の性格があれでは、荒れようが無い気もするが・・・。
「ともかく、魔界の首都へと行きましょう」
「魔界の首都? どこなんだ?」
 メンフィスの言葉に、ガウリイが聞く。
「エデンとゲートで繋がりあっているので、すぐ其処ですよ・・・あれ、見えるでしょう?」
 メンフィスが指さした先には、確かに何かの宮殿のようなものがあった。
「あれが・・・魔界の首都、衛星都市エーデルワイス!」

「目障り・・・だと?」
 ゼルガディスが聞き返す。魔神は頷いただけ。
「ミリーナは・・・ミリーナは無事か?」
「うん、元気だよ。ただ、君ほど体が丈夫じゃないからね。まだ眠っているよ」
「・・・そうか・・・」
 巻き込んでしまったらしいミリーナが無事なら、良い。
「さて、と。ゼロス、おいで」
 魔神がそう言うと、突然黒い風が起きて、その中心にゼロスが現れた。
「お呼びでしょうか、魔神様」
「ちょっと、招かれざる客が、このエーデルワイスにやってきたようだからね。ちょちょいのちょい、と追っ払ってきてよ」
「分かりました」
 ゼロスはそれだけ言うと、再び黒い風と共に姿を消した。
「そうそう、ゼロスね、君たちを連れてきた功績をたたえて、『将軍』から『閣僚』にしてやったんだ。あの黒い風は、君達天使の飾りと同じ様なもので、あいつの魔力を上げるものなんだ」
 魔神が言い、そしてまた何が面白いのか、くすくす笑い出す。
 それを聞き、ゼルガディスは目を閉じた。考え事をし始めた。
 招かれざる客というのは、きっとガウリイ達のことだろう。
 だが、魔力の上がったゼロスに、敵うだろうか。
 ゼルガディスは、『否』と断言できなかった。
 あいつなら、やってくれる。そう思える。
 ガウリイが、あの智天使と関係があるのなら、あるいは・・・。

「意外とにぎやかだなぁ」
「衛星都市デイジーみたいですね」
 ガウリイとアメリアが言う。
「そりゃぁ、魔界人達だって、自分たちの生活があるんだろ。普段の日々は、俺たちと大差ないんじゃないか?」
 ルークが言い、メンフィスが頷く。
「なんか、こういう陽気さは、少し羨ましいです。天界は静かで静かで静かで・・・」
「わかったわかった」
 まだしばらく言い続けそうなアメリアを、ガウリイは遮る。
『いやぁ、珍しいですねぇ。魔界を羨ましいなんて言う天使は』
 突然上から声がかかり、一同は身構える。
 気がつけば、周りは黒い風のようなものに覆われている。
 街の喧騒が、聞こえなくなった。
「・・・誰だ? かなりの能力者だな」
 ルークが問いかけると、目の前に黒い風が集まり、渦巻く。
 すると、中から人が現れた。黒ずくめの男。
「お初にお目にかかります、僕の名はゼロス。ついさっき閣僚の位を手に入れた者です」
「かっ・・・閣僚ですって!?」
 メンフィスが叫ぶ。
 それほどの位を持つ悪魔など、智天使や座天使、もしくは戦いのプロの守護天使や戦乙女でない限り、互角には戦えないだろう。
 そして、このメンバーの中に、それほど高位な天使は居ない。
「に・・・逃げますわよっ!」
「そうはいきません」
 メンフィスが後ろを向くが、そこはすでに黒の風で閉ざされていた。
「僕は、魔界神様から貴方達の始末を命じられて居るんですからね・・・」
 ゼロスが手を挙げる。
「先の戦いで大公を失われた魔神様にとって僕は、唯一無二の腹心なんですからね、ご期待に添わねばっ!」
 ゼロスの手の先に、黒い風が集まり、渦巻く。
「天界に似て、今魔界には閣僚は僕一人しか居ないんですよ・・・っと、天界は逆で、腹心が居てその下が居ないんでしたっけ」
「先の戦い・・・?」
 そこでゼロスが言葉を止めたスキに、ガウリイは質問した。
「数年前・・・この魔界に、ハタ迷惑な戦乙女が来ましてね、彼女の所為でこの魔界は大ダメージを負ったんですよ」
その言葉に、ガウリイは肩を震えさせた。
 ハタ迷惑な戦乙女・・・・・・
「さて、長話は此処までです。すみませんが・・・死んで下さい!!」
  ザァァァァァァァァァ!!
 大きな音を立てて、ゼロスは手から渦巻く風の固まりを放つ。
 防げる自信は無いが、なんとかダメージは軽減しようと、メンフィスが結界を張る。
  がつっ!!
 これは、ゼロスの魔法があたった音ではない。
 突然、ゼロスの上に何かが落ちてきた。
 その衝撃で魔法の制御が聞かず、風の塊が消え去る。
 辺りを遮る風が消え、そこは再びエーデルワイスとなった。
「な・・・なんか分からないけど今のうちっ!」
 誰が言ったかわからないが、四人はさっさと後ろを向くと、エーデルワイスの中心にそびえ立つ宮殿・・・魔神の住処へと駆けていく。
「い・・・いったい何ですかっ・・・」
 ゼロスは其処まで言って、再び後頭部に強い衝撃を受け、大地に顔面から突っ伏す。
「あー、えーとその・・・大丈夫ですか?」
 上から声が聞こえ・・・・・・
 そして、声の主が消えた。その重みも消える。上に乗っていたようだ。
「ほ・・・ホントに何なんですか・・・・・・」
 頭を抑えて、ゼロスは呟いた。

「へえ。冥神のトコの子まで僕の邪魔をしに、わざわざねぇ」
 魔神の呟きが聞こえ、ゼルガディスは目を開けた。
「ん? 連れてるのは・・・天界の金のリンゴの管理人じゃないか。ふぅん、その子をゼロスの上に落として妨害ねぇ。面白いことやるじゃない」
 金のリンゴの管理人?
 フィリアまで魔界に・・・?
 ゼルガディスは頭を動かそうとしたが、力が入らず断念する。
「・・・ああ、そうだ君。ゼルガディス、って言ったっけ。君、ヴァーチューズだよね?」
「・・・そうだが・・・」
 なんとか答える。
 今では、口を開くのすら辛くなった。
「うん、偶然。冥神トコの、堕天使が今この魔界に来てるよ。たしかヴァーチューズって、堕天使退治のプロだったよね」
 魔神はそう言い、今度は理由が分かる笑い声を立てた。

「けど、さっきの何だったろうなぁ。人が落ちてきたように見えたけど」
「人? まさか・・・」
 ガウリイの言葉に、メンフィスは返す。
「それに、羽根みたいのも見えた。天使みたいだったけど・・・」
「そんなことがあるわけ無いじゃないですか」
 今度はアメリアが否定する。
「それより、気を引き締めて・・・もう、魔神は目の前よ」
 メンフィスの言葉に、一同は目の前の、宮殿の門を睨み付けた。

「天神様・・・」
 ミルガズィアが呼ぶ。
「何故・・・勝手に、私の所にメフィとルークを、魔界に送ったりしたのです?」
「第一発見者と、ちょうど其処にいた者を送ったにすぎない」
 天神の言葉に、ミルガズィアは目を見開く。
「まさか・・・タダの捨てゴマ扱いですか!?」
「そんなつもりではない。あの二人の能力を高く見てやったのだ。そして、ゼルガディスの部下の二人もな」
 その言葉に、ミルガズィアは頭を項垂れる。
「あの、任務成功したら能天使、というのは何なのですか・・・?」
「あの者達のやる気を出させるには、良い案だろう」
 そう言って、天神は笑い声を挙げた。
 もう天界はダメかも知れない。ミルガズィアはそう思った。
 この、天の闇が居る限り・・・・・・

 突然転移をして、そして突然聞いた言葉が、これだった。
「あんなやつ、気遣う必要ないのに」
「あ・・・あなたねぇっ!」
 目の前の少年の、自分勝手な言動に、フィリアは怒りを覚える。
「どうして、そんな自分勝手なこと・・・」
「あんた、あいつの事全然知らないから、そんなことが言えるんだ」
 フィリアの言葉を遮って、少年・・・髪をオールバックにした堕天使の証を持つ少年は、感情のない声で言った。
「あの、あなた・・・この飾りをくれたことや、この魔界に連れてきて下さったことは、感謝しますけど・・・」
 そういってフィリアは、翼に付けた琥珀の飾りを示す。
「・・・そうだわ。私、貴方の名前すら知らないんだわ。ねぇ、名前はなんて言うの? どうして天界を裏切ったの?」
 名前はともかく聞かれたくない堕天の理由を聞かれ少年は戸惑うが、この女性には嘘が付けない気がして、おとなしく答えた。
「・・・俺の名はヴァル・・・俺が堕天使になったのは、俺が天界を裏切ったんじゃなくて・・・天神が俺たちを裏切ったんだ・・・・・・」
 声に感情はないのに、どことなく寂しそうな声だった。

「あんたが、魔神フィブリゾ・・・だな?」
「うん、そうだけど?」
 ガウリイの問いかけに、目の前の子供・・・魔界神フィブリゾは、あっさり頷く。
「まさか・・・まだ子供だとは思っても見なかったな・・・」
「なんだよぉ、その言い方は」
 ルークの言葉に、フィブリゾは拗ねたように頬を膨らませる。
「別に、外見が何だろうと、実年齢は全然関係ないんだよ。冥神だって、結構若いだろ?」
「そーいわれると、そうとしか言いようがないような・・・」
 ルークが戸惑いつつ言う。
「そんなことより、ゼルガディスさんとミリーナさんを返して下さいっ!!」
「そーだそーだ、俺のミリーナっ!」
 アメリアとルークが叫ぶ。
「いいよ」
 あっさりとフィブリゾが言い、しばし四人は固まった。
「・・・いいの?」
「良いって言ってるだろ。男に二言はないよ」
 くすくす笑いながら、アメリアの言葉に応えるフィブリゾ。
 ぱちん、と指を鳴らすと、突然目の前にゼルガディスとミリーナが現れる。ミリーナは、意識がないようだった。
「ここは・・・?」
「ゼルガディスさんっ!!」
 突然身体が自由になったゼルガディスに、アメリアは抱きついた。
「良かったぁ、良かったですぅっ! もしゼルガディスさんに何かあったら、私・・・」
「ちょ・・・アメリア・・・」
 涙声になりかけているアメリアの頭を、戸惑いつつも赤ん坊をあやすように軽くぽんぽんと叩くゼルガディス。
「あああああああああああっ、俺のミリーナぁぁぁぁぁっ!!」
 ルークが叫び、意識無いミリーナのその身を抱きしめる。
 あとで百たたきにされそうだった。
「さて、もう用はないだろ? 早く・・・」
「天界に帰りますわ。二人を連れ去った理由を言ってくれたら」
 フィブリゾの言葉の先を読んで、メンフィスが問い出す。
「ん〜、悪いけど教えられないね」
 フィブリゾは握りしめた手から人差し指を立て、呪文を唱える。すると、突然天使達は、天界へと強制送還される。
「あんまり長い間そばにいて欲しくないんだよね、神聖の力を持つ者達。僕の魔力を甘く見ないでね」
「そして、その知恵も甘く見られませんね・・・」
 そう呟いて、ゼロスが現れた。
「一体、何故あの二人を捕らえさせたのです? 目障り、というのは全て嘘のようですしね」
「理由、聞きたい?」
 そう言われ、ゼロスは頷いた。
「あの男を見てみたかったのさ。天神が気に掛けている、ガウリイって男。君も、この前デイジーで彼を見て、面白そうだって言っていたじゃないか」
 そう言ってフィブリゾは、子供らしい残忍な笑顔を浮かべた。

 その頃・・・。
「まさか・・・天神様が、そんなこと・・・・・・」
 堕天使ヴァルの話を聞いて、『心清き者』フィリアは、その『金のリンゴ』の管理の任を辞退しようかと考え始めていた。


  ▽To Be Cobtinued!

__________________________________

  ナレ→扇 「」→セフィ 『』→マナァ


 さて、私は今日、じゃないけど昨日、ふと些細なことを考えた。
 人間の生と死について。全然些細じゃないや。
 この世に人が存在するのは、いかなる者にであろうと、『大切』と思われているからだろう。
 それが、両親や恋人のような『大切』か、農業のおばちゃんおじちゃんがお客を想う『大切』か、どっちなのかはわからない。
 だが、少なくとも想われているのだ。
 であるからして、私をばっこんばっこん殴って死なせたりしたら、それこそ「小説の続きーーーっ!!」と叫ぶ春牙に仕返しを・・・・・・

「先に殴ってきたのは貴様だろーがっ!」
  ばきっ。
 いてっ。
 ん? 懐かしい声。
 おお、これはセフィ。何の用だ?
「貴様が、俺たちに登場させないために、殴って日本海に沈めたのは分かっている!」
『・・・序翼から出番がなかったのは、そのせいだ・・・』
 なぁにを、勝手なことを。
 これは天使の話なのだ。エルフやら幽霊の出番はない。
「明らかに冥界の住人だろうがっ、俺はっ!!」
 SUTERAに出なかったのだ。知らん、んなことは。
「・・・貴様・・・殺す!!」

  あとがき仁義無き戦い・次回へ続く

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11192Angel of Judas 〜第六翼〜葵楓 扇 7/27-20:13
記事番号11191へのコメント


 長い前振りは無しにして、さっそく行きましょうか。

__________________________________


  Angel of Judas
  第六翼  〜戦乙女の夢〜


「良かったですね、ガウリイさんっ!」
「・・・ああ・・・」
 翼に能天使パワーズの証であるルビーの飾りを付けたアメリアは、同じ飾りを手に入れたガウリイに言ったが、彼は元気なく答えただけだった。
「どうしたんですか? 何が気にくわないんですか!?」
 アメリアが突然、怒ったように声を荒立てた。
「貴方、そう衛星都市ナデシコでも、天神様が悪い考えを持っているみたいに、天神様に対して反抗的な事を言って! どうしたんですか、一体!!」
 其処まで叫び、アメリアは言葉を止めた。
「・・・ごめんなさい・・・人には人それぞれの考えがあるのに・・・私・・・・・・」
「・・・いや、謝るのは俺の方だよ」
 ガウリイはそう言って、ガウリイの代わりとばかりに元気を無くしたアメリアの頭の上に手を置いた。
「心配させて、ごめん。俺、ただ色々と考え事があるだけなんだ・・・大丈夫、少し休めば何とかなるから」
「そうですか・・・絶対、絶対元気出して下さいよ!」
「ああ」
 アメリアの、泣きそうな表情に、ガウリイは笑顔で答えた。
作りだした笑顔で。

「ふ・・・ぅ・・・・・・」
 ガウリイは、宮殿にあてがわれた自室のベッドに横たわると、深くため息をついた。
 頭の芯が鈍く疼く。全身が小刻みに痙攣している気分になる。
 ゼロスから『先の戦い』という言葉を、いや『ハタ迷惑な戦乙女』という言葉を聞いてから、ずっとこの調子だった。
 一体、自分の過去に・・・いや、生まれる前に一体何があったのか?
 自分は何者なのか?
 衛星都市デイジーで戦闘中に垣間見た、『護りたかったが護れなかった二人』は一体何者だったのか?
 その事ばかり考え続けて、最近ではほとんど元気が無く、アメリアにまで要らぬ心配を掛けてしまった。
(・・・とりあえず寝よう)
 もう、深く考える気力もなく、ただガウリイは枕に頭を落とした。

――まぁったくあんたは、いっつもいっつもそればっかりで・・・たまには自分で考えられないの?
――ちょ、ちょっと・・・様ぁ・・・。
――なによ、ホントの事、言っただけじゃない。
――そりゃそーですけど・・・。
――ほら、あんただって認めたじゃない!
――いや、そーいうわけじゃ・・・。
 ・・・誰だ?
 今、自分の目の前で、誰かが会話をしている。
 長い髪の少年と、女性。翼には、少年には座天使の証の琥珀、女性には戦乙女の証であるガーネット。
 少年が一度女性の名を呼んだようだが、そこだけ聞き取れなかった。
――だからガウリイっ、あんたもーちょっと自分で頭使ってもの考えてよっ!
 ・・・俺?
 深い眠りから、突然水を掛けられて起きたように、意識が覚醒する。
――なんかあるたんびに、『どーいう意味なんだ?』って・・・あんた、一応智天使でしょ?
 ・・・俺が智天使?
 いや、俺のクラスは・・・今日からだけど、能天使パワーズ。智天使ケルビムじゃない。
 頭の中でそう思うが、心ではそうは認めなかった。
 自分は・・・ガウリイは、智天使。
 けれど、天神の元では働かず、この戦乙女と座天使と一緒に、各地を放浪している。だから、天神からはいい目では見られていない者。
 けれども同時に、この天界を襲ういくつもの事件を三人で解決し、一目置かれている者。
――智天使の智は智恵の智〜っ!
――ガウリイ様の智恵なんて、底が見えてますけどね・・・。
――ははっ、確かにそうねぇっ!
 少年の言葉に、二人は笑いあった。
――けどまぁ、あんたは頭をものを考える事以外に役立ててるからね。一応合格ね。
 ・・・何に合格なんだ?
 ガウリイが胸中呟くと、彼女はそれを察知したかのように言った。
――あたしの相棒に、よ!

「・・・!」
 その時、また冷水をかけられたかのように目が覚める。
「・・・夢・・・?」
 頭を両手で包み込む。
 カーテンの隙間から、光が射し込んでいる。
「・・・そうか・・・夢か。そうだよな・・・俺が智天使なんて」
 そう呟いて、ガウリイは頭を左右に振った。
 頭に浮かんだ、『自分は智天使』という考えを振り払うため。
「あの二人・・・デイジーで見た二人だ・・・・・・」
 そこで、ガウリイはこの夢の最大の謎に気づいた。

「でやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 ガウリイが声をあげ、ミカエルを大地にたたきつけるようにすると、目の前に迫っていた悪魔が真っ二つにされる。
 今日は、衛星都市アメリカネリに来ていた。
 野生と化し悪さをしていた下級悪魔の退治が、目的だった。
「ガウリイさんっ、そっち行ったわよっ!」
 ミリーナが剣で悪魔を一匹分断しながら叫んだ。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 ガウリイは気合い一閃、一瞬で敵を切り裂いた。
「ふ・・・う。これでとりあえず、全部だな」
 ガウリイが最後の一匹を倒し、言った。
「・・・ガウリイさん」
 アメリアが寄ってきて、突然ガウリイの手を握り叫んだ。
「ガウリイさん、すっ・・・・・・っごく疲れてますっ!!」
「・・・は・・・?」
 思わず聞き返した。
「ガウリイさん、凄く疲れています。でも気張って、積極的に敵をたくさん倒して行ってます。でも、しょっちゅう気合いの声をあげていたのが、疲れている証拠ですっ!!」
「そ・・・そうなのかな・・・」
「そうですっ!!」
 根拠も無しに(?)アメリアは断言した。
「何年一緒に仕事やってると思ってるんですかっ!」
「一ヶ月と三日・・・・・・」
「・・・あれ? 年、まで行ってませんね・・・」
 なにやら考え込んだアメリアだが、すぐ頭を上げる。
「ともかくっ、ずっと見てきたから、よく分かるんですっ! なにか悩みがあるんですか? 言って下さい、相談に乗りますっ!!」
「私も相談に乗るわ」
 アメリアの言葉にミリーナも参加してきた。
「・・・実は・・・」
 ガウリイは勢いに押されて、昨夜見た不思議な夢の話をした。

「なんでこんなにまで人が増えてるっ!?」
 ガウリイが全ての話をし終え辺りを見回すと、其処にはアメリアとミリーナに加え、ゼルガディスとルーク、そしてメンフィスまで居た。すっかり話を聞いたようだ。
 そして一同は、同時に口を開いた。
『・・・で、誰?』
「それが分からないから悩んでるんだよっ!!」
 ガウリイが、冷や汗を流しつつ大声を出した。
「だいたい、なんか人増えてるぞっ! 何しに来たんだよっ!」
「仕事終わったか、様子を見に」
 と、ゼルガディス。
「俺のミリーナに会いにv」
「誰が『貴方の』なんですか」
 ルークが勝手なことを言って、ミリーナに冷たく言われる。
「ゼルガディスさんと同じで、任務完了かどうか調べに」
 と、メンフィスが言った。
「けれど・・・ううむ・・・」
 ゼルガディスが顎に手を当て、何か考え始めた。
「ガウリイ、今日これから暇か?」
「? ええ」
「ちょっと顔貸せ」
「えええええええっ!?」
 そのゼルガディスの言葉に、ガウリイは大声を出す。
「ぜ、ゼルガディス、あんたいつの間にヤクザに・・・!!」
「なるかっ! だいたい上司を呼び捨てにするなっ! それに、俺の言った『顔貸せ』ってのは、ちょっとついてこいって事だっ!!」
「あ、なーんだ。最初からそう言ってくれよ」
 はははと笑いながら、ガウリイはぱたぱた手を手首だけ使って振った。
 はぁ、とゼルガディスが深いため息をつく。
 ううみゅ、とガウリイが唸った。

「・・・どこだ? 此処」
「冥界だ」
 ゼルガディスに連れられ転移した先は、見たこともない所だった。
 全体的に薄暗い。明るい天界と、暗い魔界の中間くらい。
 壁の所々に付いたランプが、神秘的にも見える。
 だが決して『寒い』所ではなく、どこか人間の温かみを感じる世界だった。
「冥界って言うからには『ひゅーどろどろ』ってトコだと思ってたけど、そーでも無いみたいだな」
「ああ。・・・まぁ、主の神が明るすぎるせいだろうがな」
 そこだけ少し嫌そうに、ゼルガディスは言った。
「ここは、冥界の首都、衛星都市アマリリス。あの真ん中に見える宮殿が、冥神の住処だ」
「ふぅぅん」
 そう言って、ガウリイはふと思った疑問を言った。
「二つ、質問して良いか?」
「なんだ?」
「どーして、天界の首都だけ、花の名前じゃないんだ?」
「それは・・・」
 少し考えたようだが、すぐゼルガディスは言った。
「たしか、天神様が今の方になったとき、『楽園』という意味を持つエデンにした、と聞いた。たしか、それより前の名は・・・」
 ゼルガディスがそう言ったとき、宮殿の扉が目の前に来た。
「たしか、衛星都市スプレケリア。有毒の花の名だったはずだ」

 扉をくぐった先は、なんだか昔の酒場のような雰囲気だった。
 ランプは暖かみがあり、壁はほとんど棚で埋め尽くされていて、僅かに見える壁には、アイドルなどのポスターがびっしり貼られていた。
 棚の中には、様々な酒。魔法でいい温度に保たれているようで、おいしそうだった。
 奥には何故かカウンターやテーブル席もあり、その隣には階段。
 上の階はどうなっているのか気になったが、この階に用のある人物が居たため、調べることは出来なかった。
「で、もう一つの質問」
「なんだ?」
「なんで、此処に来たんだ?」
 そう聞くと、ゼルガディスは奥の席で酒を飲んでいる赤い髪の男を指さした。
「この男に会いに来たんだ」
「よぉ、ゼル」
 その男は気さくな様子で、手を挙げて言ってきた。
「こないだ貰ったアメリカネリの酒、やっぱ最高だな」
「当たり前だ、高級品を買ってきてやったんだ」
 二人は、親しげな様子で話を始めた。
「・・・誰?」
「ああ、そうだ。紹介がまだだったな」
 ガウリイに言われて、ゼルガディスが気づいたように言った。
 ・・・もしここで何も言わなかったらどうなっただろう、とガウリイは思った。
「こいつの名はガウリイ。俺の部下で、位は能天使」
「へ・・・え。こいつが・・・」
 男は目を細めてガウリイを見つめた。
 ガウリイは、背後に何かが動く気配を感じた。
「この男はガーヴ。一応この冥界の神やっている」
「一応、な」
 ゼルガディスの言葉に、ガウリイはびっくりしたように言った。
「迷信!?」
「め・い・じ・ん、だ」
 冷や汗を流し、ガウリイの言葉を訂正する。
「・・・名人?」
「お前殴るぞ」
 ガウリイの言葉に、ガーヴは袖をめくって立ち上がろうとしたが、ゼルガディスに止められた。
「で、ガーヴ。今日ガウリイを此処に連れてきた理由は、他でもない・・・」
「こいつの夢について、だろ?」
 ゼルガディスの言葉を遮って、ガーヴはにやにやしながら言った。
「何故・・・?」
 分かった理由が不思議でならない、とばかりにガウリイは言った。
「俺は、冥神として、常に世界を見続けている。不正な魂はないか、死んだ天使や悪魔は居ないか、ってな」
 にっ、とガーヴは笑った。
 だが、ガウリイはそれに驚愕を覚えずにいられない。
 常に世界を見続け、人の死を見続けなければならない。
 その仕事以上に過酷なものなど、そうあるものではない、とガウリイは思った。
 この男の体力、忍耐力に感心した。
「そーいうわけで世界をいっつも眺めているから、たまにそーいう重要な話も聞いちまうんだ。お前らがアメリカネリで話をしていたのを聞いたのも、偶然だぞ」
 『覗き見』の汚名だけは被りたくない、とばかりにガーヴは言った。
「さて、と。今度ばかりは言い逃れは出来そうにもないな」
「・・・お前、やっぱりこの前質問したこと・・・ほとんどみんな分かっていたんだな」
 ゼルガディスの言葉と視線に、ガーヴは冷や汗をまた一筋流した。
「あのときは、ホントにあんま知らなかったさ。その後で聞いたんだ」
「誰に?」
 ガウリイが問いかけたが、ガーヴは答えなかった。
「さて、と」
 ガーヴが再び言い、コップを二つ棚から出して、酒を注ぎ、ガウリイとゼルガディスに渡した。
 席に座るよう促す。
 ガーヴは一口酒を飲むと、神妙な顔つきになり、真剣な声で言った。
「何から聞きたい?」
 ガウリイは、再び背後から、奇妙な視線を感じた。
 これは、『金のリンゴ』の樹の下、衛星都市ナデシコで感じたものと同じだった。


  ▽To Be Continued!

__________________________________


オ:というわけでありまして、どーいうワケか分かりませんが、そーいうことです。
セ:・・・をい・・・
マ:扇殿、今回ガウリイの夢の中の二人は・・・・・・
オ:言っちゃダメだぁぁぁぁぁぁぁっ!!
  ばきっ。
オ:さぁてと、今回冥神の仕事内容が書かれていますが、「なぁんだ、人の死を見えるって、嫌いな奴の死が分かっていいじゃん☆」と思う貴方っ、甘いっ!
マ:・・・いてててて・・・・・・
オ:自分が大切に思った誰かが死んだとしても、それを見届けねばならない。『自分が知らない誰か』に大切に想われていた『自分が知らない誰か』が死んだのも見届けねばならない。
セ:・・・・・・・・・。
オ:大切な者、大切と思われている者の死を、常に見続ける。これ以上辛いものが、あるでしょーか? とゆーわけで、この話は前回の後書きと一緒に読んでくれると良い感じ。
セ:・・・あのさぁ、話が一段落付いたみたいだから、言うけどさ・・・。
オ:なんだね、セフィ?
セ:あの、仁義無き戦いの続きはどーなった?
オ:あれ、飽きたから止めた。
セ:そんなんで止めるなっ!!
オ:なにおう、忍(イラギャに送ったイラスト書いた子)なんかなぁ、漫画を二ページほど書いて、次見るとでっかく『飽きました!』って・・・。
マ:ところで扇殿、何故今回はこんなにシリアスな後書きなのだ?
オ:ガーヴ様の仕事の辛さを世間様に分からせるため。
マ:・・・・・・よく分かったと思う・・・・・・。
オ:よし、ということで拍子木も鳴ったし!
セ:いつのまに!?
オ:(無視)次回へ続く〜!

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11193Angel of Judas 〜第七翼〜葵楓 扇 7/27-20:26
記事番号11192へのコメント


 長い前振りは以下略。
 ・・・こんなんでいーのかしらホントに・・・?

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  Angel of Judas
  第七翼  〜真実を探して〜


「さて、と。・・・何から聞きたい?」
 ガーヴに真剣な顔で見られて、ガウリイは一瞬混乱する。
 何から聞きたい、といわれても。
 突然此処に連れてこられて、突然ゼルガディスが一世界の神と親しげに話をして、突然酒を出されて、突然神妙な顔して言われても。しかも、背後からはかなり気になる視線。
「じゃぁ、一つ良いか?」
「おう、俺が答えられる範囲ならな」
「・・・こうなった事情を、説明してくれ」
 ガウリイは、両手を広げて辺りを示していった。

「・・・つまり、俺がミルガズィアって人の前の代の智天使と同じ名前で、その理由が気になってすでにゼルガディスは俺のことを、冥神に話していた、ってわけか・・・」
 ガウリイはそう言って、ゼルガディスを見た。
「・・・一言教えてくれれば良かったのに」
「しかし、もし名前が同じなのがタダの偶然だったらどうする?」
 ゼルガディスは、ガウリイの恨みがましい視線にも負けず、言い返す。
「まぁ、わかった。冥神、それを踏まえて質問だ」
「え? まだ何か質問があるのか?」
  ずべっ。
 ガーヴがきょとんとして言った言葉に、ガウリイは顔面からテーブルに突っ伏す。
「お前、さっき『一つ良いか?』って言ったから・・・」
「それは、一つしか質問しないって意味じゃないっ!!」
「わかってるさ、それくらい」
 心外だ、とばかりに言ったガーヴの声に、ガウリイは青筋を立てそうになる。
 ・・・たしかに、この男の性格なら、冥神という任についても、発狂なんて言う心配は無さそうだ、と思った。
「じゃあ、気を取り直して・・・質問良いか?」
「ああ、なんだ?」
「その智天使といつも一緒に居たという、戦乙女と座天使のことを、知ってるだけ教えてくれ。そして、その二人は・・・」
 昨夜見た夢の二人と、同じ人物か。
 心の中で、そう呟いた。

「・・・なんとも言いようがない質問をしてくれるな」
「どういうことだ?」
ガーヴの呟きに、ガウリイが聞き返す。
「・・・悪いが、その質問には答えられない」
「悪いが、って・・・悪いんなら、最初っから『何でも答える』みたいなこと言うなよっ!」
 ガウリイが、いい加減堪忍袋の緒が切れたとばかりに、ガーヴに掴みかかる。
だが、ガーヴはそれを止めもせず、
「別に、あんたには悪くないだろうがな。言ってほしくない人物が、此処にいるから・・・」
「誰だよ、そいつは!!」
「それは・・・」
「また『言えない』か!?」
 ガウリイが、一度に色々とありすぎたせいか、声を荒立てる。
 だが、それを止めた者が居た。
「・・・もう・・・止めて下さい!」
 それは、先ほどからガウリイに視線を向けていた者だった。

 声の主の姿を見て、ガウリイは激しい頭痛を感じた。
 髪はオールバックだし、翼に付いた飾りは黒耀。
 それは、記憶にある人物とは違うが・・・だが言葉を換えれば、違うのは其処だけだった。
「ぐ・・・ぁあああああああっ!!」
 頭を抱えて、ガウリイはしゃがみ込んだ。
 今にものたうち回りそうなその姿を、服を調えながらガーヴは見つめていた。
「・・・おい、ガウリイ・・・」
「別に、止める必要なんか無い」
 手を出しかけたゼルガディスを、ガーヴは腕で遮った。
「ガウリイ。これは、お前が自分の過去をどうしても知りたいって言うんなら、どうしても乗り越えなければならない試練なんだ」
 ガーヴの声を聞いているのか、ガウリイはまだ声をあげ、頭を抑えたまま動かなかった。
「・・・ガウリイ・・・様・・・」
 少年は・・・堕天使ヴァルは、感情のない瞳、感情のない顔、そして感情のない声で言った。
「生きていらっしゃいましたか・・・よかった・・・」
「な・・・にが・・・・・・」
 声がかすれる。だが、何とか絞り出していった。
「あの時・・・そう、十一年くらい前でしょうか・・・? あの日、そう・・・今でも忘れられません・・・」
 彼は遠くを見るような顔つきで、静かに言った。
「あの方が・・・リナ様が処刑された日からずっと、探して参りました・・・」
 ガウリイは、頭痛がひどくなったのが分かった。

「あの日・・・あの男は、卑しき嫉妬で・・・魔神がなんたら言ってましたが、絶対あれは嫉妬です、それで一方的にリナ様と貴方の命を・・・!!」
  ガギっ!!
 激しい勢いで、彼は怒りをぶつけるとばかりに、テーブルを殴った。
「あの時リナ様は火刑にあい、貴方はすでに殺されたと聞きました。その理由を問いつめた俺も、命を狙われました」
 そこで彼は、ちらっとガーヴに視線を送った。
「けれど、俺は死にかけたところをガーヴ様に助けられ、堕天使となり・・・再び生を受けました。冥神は本来死にかけた者の命を助けるのは禁忌とされていましたが、俺が天界の運命を左右しかねない秘密を知っていると知り、助けて下さったのです」
「天界の運命を左右しかねない秘密・・・?」
 もう何も言えなくなったガウリイの代わりとばかりに、ゼルガディスが問いた。
「・・・それを話すには、まずあの日のことから話さなければなりません・・・」
 彼はそう言って、ガウリイの顔に手を伸ばした。
 冷や汗でぐっしょりしてしまったその顔を服の袖で拭いてやり、自らの額を、相手の額に付けた。
「精神を集中して・・・意識を飛ばします・・・」
 なにやらヴァルがぶつぶつ呟くと、突然糸の切れた操り人形のように、動かなくなった。

 そこには『俺』が居た。
 そうとしか言えなかった。
 そして、巨大な樹があった。
「あれは・・・」
「全ての母なる樹、セフィロトです」
 後ろから声が掛けられ、振り向く。
 そこには、あの堕天使が立っていた。
「まだ、自己紹介がまだでしたね。初めまして・・・というわけじゃないんですけど、とりあえず初めまして。俺の名はヴァル、クラスは元座天使オファニム」
 彼はそう言うと、優しげな・・・いや、儚げな微笑みを浮かべた。
「今日俺たちは、このセフィロトの元にある『三種の神器』を取りに来ました」
 セフィロトの樹の前には、『俺』、ヴァル、そして戦乙女の証を持つ女性が立っていた。
「彼女の名はリナ。戦乙女ヴァルキリーとして常に戦いの最前線に立った、まさに最強の天使にして術者です」
 その女性・・・リナが口を開いた。
『今日あたしたちが此処に来た理由、覚えてるわよね?』
『当たり前じゃないですか』
『あー、えーと・・・』
『俺』は答えられず、考え込む。
『まぁったくあんたは、いっつもいっつもそればっかりで・・・たまには自分で考えられないの?』
『ちょ、ちょっと、リナ様ぁ・・・』
 リナの言葉に、ヴァルが弱々しげに言う。
 このシーンは・・・・・・。
『なによ、ホントの事、言っただけじゃない』
『そりゃそーですけど・・・』
『ほら、あんただって認めたじゃない!』
『いや、そーいうわけじゃ・・・』
 昨夜の・・・夢・・・?
『だからガウリイっ、あんたもーちょっと自分で頭使ってもの考えてよっ! なんかあるたんびに、『どーいう意味なんだ?』って・・・あんた、一応智天使でしょ?』
 彼女はそこで呆れたように声をあげた。
『智天使の智は智恵の智〜っ!』
『ガウリイ様の智恵なんて、底が見えてますけどね・・・』
『ははっ、確かにそうねぇっ!』
 意外とキツいことを言ったヴァルの言葉に、リナは愉快げに笑い声を上げた。
『けどまぁ、あんたは頭をものを考える事以外に役立ててるからね。一応合格ね』
 何に・・・?
 そう、問いかけかけた。
『あたしの相棒に、よ!』
 彼女は、先を読んだように言った。

『じゃぁ、ガウリイが相変わらずこんなだから、ちょっとおさらいしましょうかっ!』
 リナが、まるで先生のように言った。
『今、この天界は危機に陥ってるわ。セフィロトの樹が枯れる、という危機にね』
「セフィロトの樹が枯れたら、生命が誕生しなくなり、いつかは天使達が絶滅してしまいます。天使同士では、子供を産むことが出来ませんから」
 堕天使の方のヴァルがフォローを入れてくれた。
『セフィロトの樹が枯れる理由、それは力が足りないか、もしくは・・・力がありすぎるか』
 リナはそう言って、セフィロトの樹の根本を見た。
 そこには、一本の剣と、一本の槍と、一本の杖が刺し立っていた。
『聖剣ミカエル、聖槍ガブリエル、聖杖ウリエル・・・この三つがセフィロトの樹の力により誕生し、ここにあり続けることによって、セフィロトの樹には常に大量のエネルギーが流れ続け、そして危機を引き起こした・・・』
 彼女は、まず聖剣ミカエルに触れた。
『持ち主の意思の力により、いかなるものも斬れるようになり、いかなるものも斬れぬようにもなる、聖剣ミカエル』
 次に、聖槍ガブリエルに触れた。
『持ち主の意思と能力によって、その姿を銃にも変えるため聖銃とも呼ばれる、遠近両用武器、聖槍ガブリエル』
 そして、聖杖ウリエルに触れた。
『持ち主の精神力により魔力を何倍にも上げ、持ち主を常に結界で護り、そして時には奇跡を起こすという、聖杖ウリエル』
 彼女は武器から手を離した。
「リナ様は、物に触れることにより、その能力を知るという特殊な力を持っていました」
『そして、魔界に存在すると言われる、聖盾ラファエル。この三つの武器より一足先に生まれ、魔界にもたらされた『三種の神器を束ねし物』』
「俺たちはセフィロトの樹を護るため三種の神器を樹から抜き取り、悪用されぬよう俺たちにしか使えないよう術を掛け、そして俺たちは・・・」
『魔界の聖盾もなんとかしなきゃねぇ』
 リナがそう言った。
 場面は、気が付いたらいつの間にかエデンへと変わっていた。
『でも、今まで悪用されなかったんだから、別にこれからも平気なんじゃないか?』
『あたしもそう思う』
 言い出しっぺのリナがそう言い、『あらあら』とヴァルが言った。
『けどね、天神様がうるっさいの。なんとかしろー、いつ攻め込まれるか分からないから、ゆっくり眠れやしない、って』
『あのじ様神経質ですからねぇ』
 ヴァルは、どうやら無意識のうちに結構凄いことを言うタチらしい。
 彼の腰には、銃の形態をとったガブリエルがあった。
 たしかに、彼は接近戦が得意のようには見えなかった。
「いまでは、槍の姿のガブリエルの扱いにもなれましたけどね」
 ヴァルが・・・過去のヴァルではなく堕天使のヴァルが、あの儚げな微笑みを浮かべて言った。
『とりあえず、魔界に行くだけ行ってみますか』

「そうして、俺たちはエデンのゲートを通って魔界へとやってきました。けれど、これは天神の罠でした・・・」
 辺りが真っ暗になり、そこには『俺』とヴァルしか居なかった。
「天神は悪魔達に、俺たちを倒したら引き替えに天使達をやる、なんて言っていたんです・・・あ、悪魔達が天使を襲うのは、その聖気やら実際の血肉やらが好物だからです」
 ヴァルがフォローした。
 辺りが突然焼け野原となり、あたりには大量の悪魔が倒れており、中心にはリナ達三人が立っていた。
「他の世界に来て殺戮を犯した他世界人は、間違いなく死刑とされています。ですから、天界にやってきて悪さをした悪魔は倒して良いんです」
 こほん、とそこでヴァルは咳をした。
「ともかく、天使につられて悪魔達がリナ様達を襲ってきて、俺たちは仕方なく戦うしかありませんでした。まぁ、その中に大公が混ざっていたとは知りませんでしたけど」
 今度は意識してか、本当に悲しげな顔をヴァルはした。
「天神は俺たちを嫌っていました。ここで悪魔達に殺されればそれでよし、もし生き残っても元から『殺戮者』として死刑にするつもりでした」
 場面はエデンへと移った。
「そしてリナ様は火刑に、ガウリイ様は何で死んだかは分かりませんが、なにやら術を掛けられ、今の貴方に転生することになりました。過去の記憶を無くさせて、ね」
「何故?」
 『俺』が質問した。
「貴方は自覚がないようですけど、本当に貴方は強すぎるんです。ですから、自分の腹心にしようとしたのでしょう。けれど、転生によっても完全に過去の遺念は消えませんでした。リナ様が最後に掛けた結界と、ミカエルが邪魔したのです」
「何故、天神はリナを腹心にしようとしなかったんだ?」
 『俺』が、再び質問した。
「きっと天神にも、リナ様の潜在された魔力をうち破り自分の術を掛けることが出来なかったのでしょう」
「ヴァル、あんたはなんで術が掛けられなかったんだ?」
 『俺』はまたまた質問した。
「俺が天神に術を掛けられる前に死んでしまった・・・というより、死にかけてしまったからです。天神はその俺を見て、死んだと思っていたのでしょう。死んでしまっては、術は掛けられませんからね。よく俺を調べずに死んだと判断したのは、きっと直後にリナ様の火刑があったからです」
 ヴァルはそこまで言って、深いため息を付いた。
 そのため息は、本当に深かった。
「これで、ガウリイ様が一体何者なのか、はだいたい分かっていただけましたか?」
「ああ」
 『俺』は頷いた。
「それだけ分かっていただければ、きっと過去の記憶もだいたいは取り戻せたでしょう。天神の術は、タダでさえ破れかけていましたからね、俺がこうして貴方の意識の中に進入してきたことにより、きっとすぐに貴方は『元の自分』に戻れるでしょう」
 そう言ったヴァルの笑顔は、穏やかだった。
「さて、貴方にしか興味はないであろう貴方の過去の話は終わりました。もう、元の世界に戻りましょう。俺が知っている、天界を左右しかねない秘密は、あのヴァーチューズも興味があるようですから」
 そう言うと、ヴァルはなにやらぶつぶつ呪文を唱えた。
 
 そこはもう、あのアマリリスの宮殿の中の、酒場のような所だった。
「一体なんだったんだ?」
「ちょっと、俺が過去を思いだしていただけさ」
 ゼルガディスの問いにガウリイは答えて、立ち上がった。
 もう、頭痛はなかった。あの頭痛は、天神の術の所為だった。
「では、俺が知っている秘密を・・・」
 ヴァルが其処まで言ったとき、突然ガーヴが叫び声を上げた。
「何考えてんだ、バカガキがっ!!」
 びくっ、とヴァルが肩を震えさせ、俺にすり寄ってくる。
「ああ、違う。ヴァルの事じゃない」
 ガーヴは焦りながら訂正した。
「あのバカガキめぇ・・・」
「誰だよ、そのバカガキって」
 ガウリイが問いかけた。
「フィブリゾの馬鹿だ。あの馬鹿・・・今、天神の馬鹿とドンパチかましてやがる・・・!」


  ▽To Be Continued!

__________________________________


 今回は、どーしても言いたいことがあるので、セフィとマナァは日本海に沈めて・・・いやいや、お休みさせています。
 そう、それは・・・『天使はどうやって夜寝るのか』・・・じゃなくって・・・いや、ホントにどうやって寝るのか気になるけど。羽根が邪魔そう。
 そーじゃなくって。
 『ヴァルの口調についてはノーコメント』
 理由はぁ。次々回辺りちゃぁぁんと書くのでぇ。で、そこからTRYみたい・・・というより、SUTERAみたいなあのヴァル君口調になるのでぇ(どーいうやつだよ、ヴァル君口調って)
 とゆーことで、頼んますので、なんも言わんといて。
 あと、今回やっとリナが登場しました。登場したって言うかはわからないけど。
 実質的な登場は次々々回まで待って下さい。
 ううみゅ、まとまった。
 今回の話はやけに説明だらけですが、次回はもっと説明だらけです。ご注意を。
 とゆーわけで、次回へ続く。

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11194Angel of Judas 〜第八翼〜葵楓 扇 7/27-20:38
記事番号11193へのコメント


 紆余曲折はあったものの、とりあえず第三回連続投稿大会は終了です。
 とゆーことで、第八翼。お楽しみいただけたら幸いです。

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  Angel of Judas
  第八翼  〜血 心 微笑〜


「くそっ、お前ら、ついてこいよっ!」
 それだけ言うと、ガーヴは一人でさっさと転移をしてしまった。
 行き先はおそらく・・・天神の住処、衛星都市エデンの宮殿。
「ガウリイ、お前過去を思い出した、って言っていたな。ということは、お前が智天使、ってことだろ? 転移は出来るか?」
「ああ」
 ゼルガディスの問いかけに、ガウリイはあっさり答えた。
 それを聞くと、ゼルガディスもさっさと転移していった。
「ヴァルは・・・もちろん出来るよなぁ」
「当たり前じゃないですか」
 やはり感情のない声で、先ほどガーヴが叫んだときつかんだガウリイの腕を離さないで言った。
「さぁ、早く行きましょう。魔神が行った、って事は、きっと天神死にますからねぇ。死体を拝んでやらないと気が済みません」
 ・・・こいつ、結構過激な性格してるかも・・・。
 ガウリイは、心の中で呟く。
「けど・・・リナが死んじまったなんて、どうにも信じられないな」
「はい・・・ガーヴ様は、まだリナ様は生きている、と仰っていましたけれど。単にそれはガーヴ様が気づかぬ程・・・つまり、魂が残らぬ程にリナ様がひどい殺され方をしただけかもしれませんが」
 ヴァルは早速転移をした。ガウリイもそれに続いた。

「・・・何を考えているのだ・・・魔界神フィブリゾ・・・」
「君こそ、何考えてんの?」
 くすくす、とフィブリゾは笑いながら言った。
「まさか、十一年前の『戦乙女大暴れ事件』が君の仕業だったなんてね・・・今日の今日までずっと調べ続けてたんだよ、どうにもあの事件はおかしい、と思って」
「調べ物に十一年も掛けたのか」
 天神の言葉に、フィブリゾはむっとした顔になる。
「まぁ、それはおいといて・・・そこで僕、思い出したんだ」
 フィブリゾはまた残忍な笑顔を取り戻した。
「僕って、地獄耳で。僕の話題は、全部聞こえるんだ。・・・君、十一年前、戦乙女の友達の座天使を殺しかけたとき、こう言ったでしょ・・・『魔神を止めるためのとーとい犠牲になってくれ』って」
 その言葉を聞き、天神は別なところに反応した。
「殺し・・・かけた?」
「なーに君、知らなかったの? あの座天使が生きてること」
 くっ、と天神は低く呻いた。
「僕、知ってるんだ。君が嘘つきな事。あの時、もし座天使が生き残ったときのために、僕のこと理由にして、怒りの矛先を変えようとしたこと」
 フィブリゾは、残忍な笑みを深めた。
「まったく、僕は自分が悪者にされて、そう簡単に許しちゃう程、優しくないんだ」
 フィブリゾは、人差し指を立てて、天神の目の前につきだした。
「それに君、ちょっと僕の計画の邪魔なんだ・・・消えて」

「・・・遅かったか・・・」
 ガーヴは、それを見て呟いた。
「なーにガーヴ、君まで来たの?」
「・・・まで?」
 天神・・・いや、天神だった物、いくつもの肉片を食していた魔神は、やってきた冥神にそう言った。
「後ろを見なよ」
 ガーヴが振り返ると、其処には天神の腹心である智天使ケルビムのミルガズィアが立っていた。
「貴様ぁぁっ!!」
 ミルガズィアは手の先に魔力を溜め、それをフィブリゾに放とうとしたが、フィブリゾが指一本であしらうと、あっさりそれは消滅した。
「魔界神フィブリゾ! 貴様、何故天神様を・・・!」
「だから、邪魔なんだよ」
 フィブリゾは、打って代わって真剣な表情になった。
「僕の世界を救うためにはね」
 フィブリゾはそう言って、ガーヴのわずか隣に目をやった。
 そこには、転移を終えたガウリイとヴァルが立っていた。
「ちょっと君達の神器が必要なんだ。貸してもらえないかな? ・・・まぁ、貸してくれないなら、無理にでも借りるけど」
「誰が・・・っ」
 ガウリイの言葉を遮り、ヴァルが一歩前に出て言った。
「無理をする必要はありません。俺は貴方の計画に賛成なんですから」
『・・・なっ!?』
 フィブリゾも含め、その場にいた者が皆同時に声をあげた。
「本気なのか君はっ!? 如何に君が堕天使であろうと、この天界の滅びまで望んでいるなんて・・・」
「望んでなんかいませんよ。けれど、天界が助かったら魔界と冥界が滅ぶんですよ?」
 フィブリゾの言葉に、何の脈絡もなくヴァルは言う。
「・・・ちょっと待て・・・」
 ミルガズィアが口を挟んできた。
「お前達の話しぶりからすると、天界だけでなく魔界や冥界にも、多大な危機が迫っているように聞こえる。それほどの大事件を、たった二人で勝手に話を付けて終わらせられても困る。・・・詳しく説明してはくれぬか?」
「・・・はい」
 おとなしく返事をしたのはヴァルだった。

「天界の危機?」
 ここは、衛星都市ナデシコの、『金のリンゴ』の木の下・・・・・・
 アメリア、ミリーナ、ルーク、メンフィスの四人は、暇だったのか此処に来たらしく、フィリアと話をしていた。
「そうです・・・正しく言えば、全ての世界の危機なんですけど」
「一体、世界に・・・何が起こってるんだ?」
 フィリアの言葉に、ルークは疑問を語った。
「天界、冥界、魔界には、各一本ずつセフィロトの樹が存在します。それは、地下で根が繋がりあった、元は一本の樹として存在しています」
「そーいう基本は、天使なら誰でも知っているわ」
 メンフィスに言われ、フィリアは頷いた。
「この全ての樹は、常に魔力を平均的に保ち、バランスを保っていました。・・・ただ、十一年前、この天界のセフィロトの樹は一度枯れかけたことがあります」
「セフィロトの樹が枯れる、ってことは・・・魔力がありすぎて暴走しているか、足りないか、のどちらかなんですよね」
 アメリアが問いかけ、メンフィス達が頷いた。
「その時セフィロトの樹は、三種の神器を生み出すことにより、樹からエネルギーを外に出しました。神器に魔力を含めたんです」
「そして、世界は再びバランスを保った・・・」
 ルークが言ったが、フィリアは首を左右に振った。
「一つの身体で、たとえば右腕だけ体重がありすぎたりしたら、身体は右に傾いてしまいますよね? 今のセフィロトの樹は、そんな状態なんです」
 フィリアは、地面に三角を描いた。
「この角を、天界、魔界、冥界だとします。で、十一年前までは、天界が非常に重かったため、急激なダイエットをしました」
 三角の内一角を、フィリアは丸を付けて印した。
「そうしたら、魔力のバランスは非常に悪くなり、右腕だけ栄養失調状態になりました。ですから魔界と冥界のセフィロトの樹が、天界のセフィロトの樹を救うためにエネルギーを蓄え始めました」
 三角の残りの二つに丸を付け、その中を黒く染めた。
「そして、今・・・十一年後の今、魔界と冥界のセフィロトの樹は、天界のセフィロトの樹のせいもあったでしょう、上手くエネルギーの調節が出来ず、十一年前のセフィロトの樹のように、異常なほどの魔力をそのうちに抱えてしまいました」

「・・・その魔力を何とかするには、三本のセフィロトの樹が繋がるところ、つまり三角形の中心から、各樹から魔力を同じ量だけ吸収し、その魔力を破壊しなければなりません」
 ヴァルは其処まで言って、紙に描いた三角形の中心に丸を書いた。
「しかし、そうしたら、魔力が有り余っている魔界と冥界のセフィロトの樹は魔力が『ちょうど良い』状態になりますが、現在すでに『あとちょっとでちょうど良い』状態になっている天界のセフィロトの樹は、確実に『魔力足りなぁい』状態になり、枯れるでしょう」
「で、十一年前すでに、未来にこうなることを予測したヴァルは、それを『秘密』として身の内に隠し、その事に気づいたガーヴに、死にかけたトコを助けられた、というワケか」
「そうです」
 ゼルガディスの言葉に、ヴァルは頷いた。
「フィブリゾはこのことを知ったから、『天界なんかクソ食らえ魔界が大事だ』ってことで天界にやってきて、邪魔になりうる天神を殺した、ってワケか?」
「そーゆうこと。ガーヴ、皺のない脳味噌で、よく其処まで分かったね」
「貴様・・・・・・」
 フィブリゾの余計な一言に、ガーヴは額に青筋を浮かべるが、ヴァルに遮られる。
「けどけど、どうして魔界や冥界のセフィロトの樹は、天界みたいに武器とかを創らないんだ?」
 ガウリイの問いかけに、ヴァルは答えた。
「もし『何か』を創り魔力を外に放出したら、セフィロトの樹全てが栄養失調状態になってしまいます。さっき言ったでしょう、天界のセフィロトの樹はまだ『完全にちょうど良い』状態ではないんですから」
 ヴァルはそこまで言って、「覚えてます?」と言った。
「そうしたら、全ての世界のセフィロトの樹が枯れてしまいます。・・・ただでさえ天界のセフィロトの樹はバランスが悪くて、三種の神器を創るちょっと前に一つの武器を創ったりしたくらいですから」
 その『一つの武器』が・・・・・・
「聖盾ラファエル、ってわけか」

「どうしてフィリアさんは、そんなに詳しいんですか?」
 アメリアに問いかけられ、フィリアはちょっと迷ってから答えた。
「・・・知り合いの・・・こう言うことに詳しい天使さんに教えて貰ったんです」

「ヴァル、お前さっき、魔神の作戦に賛成だ、っていってたよな」
「はい」
 ガウリイに問われ、ヴァルはきょとんとして答えた。
「魔神の作戦ってのは、天界のセフィロトの樹を犠牲にして他の世界を救う、ってことだよな?」
「そうですけど」
「そうだ、ヴァル」
 ガウリイの言葉を遮り、ガーヴが聞いてきた。
「天界のセフィロトの樹が枯れたら、それこそ全体のバランスが崩れまくるんじゃないか?」
「いえ・・・枯れてしまったなら、そこを切り取っちゃうんですよ、他のセフィロトの樹が。花だって、そうでしょう?」
 ガーヴはそれを聞き、頷いた。
 切り取れば余計な魔力が流通せずに良い。
 それに、これからのセフィロトの樹の関係が三角から直線に変わるだけだ。
「で、ヴァル。さっきの話だけど、天界のセフィロトの樹が枯れたら、天界の民はどうなるんだよ」
 そうガウリイに言われ、ヴァルは少し考えた。
「・・・俺は・・・天界の民を、魔界や冥界に受け入れて貰う・・・つもりでした」
「そんなことできるわけないだろっ!」
フィブリゾが叫ぶが、ヴァルは聞いてはいなかった。
「魔界には賑やかさが、冥界には暖かさがありました・・・俺は、それが羨ましくて・・・こんな静かな天界が、嫌になったんです・・・」
「・・・けど、それは一方的な考えだ。まだ天界で生きていきたい天使だって、居るはずだ」
「ええ、それで俺、考えたんです」
 ヴァルが、ガウリイの顔を見た。
 その目には、強い決意の色があった。
「誰かが、セフィロトの樹と融合し、自らの魂と魔力を犠牲にすることで、セフィロトの樹となり天界を救う・・・俺が、次のセフィロトの樹になってやろう、って思ったんです」
「そ・・・そんなことしたら、ヴァルお前・・・死んじまうだろっ!?」
 ガウリイが、悲鳴に近い声をあげた。
 ヴァルが、悲しげな微笑みを見せた。
「けど・・・全ての世界を救うには、それしかないんです・・・」
「けど、なにもヴァルが犠牲にならなくても・・・」
「では、誰がなるんです?」
 ヴァルにそう言われ、ガウリイは「うっ」と言葉を詰めた。
「セフィロトの樹となるには、足りなくなった魔力の穴埋めが出来るほどの、高位な天使でなければなりません。そして、今それほどの魔力を持つ者は・・・俺かガウリイ様、そして現智天使のこの人しか居ません」
 ヴァルはそう言って、ミルガズィアに視線を送った。
「・・・だから、俺がセフィロトの樹になるなりして・・・ガウリイ様とこの人で、智天使と天神の位についてくれれば・・・」
「・・・・・・そんな・・・・・・」
 ガウリイの、小さなうめきがその場に響いた。

「で、ヴァル。お前『セフィロトの樹の中心に行って魔力を壊す』なんて言ってたけど、そもそも中心って何処なんだ? どうやって行くんだ? そして、どうやって魔力を壊すんだ?」
 ガーヴが、幾つも質問してきた。
「セフィロトの樹の中心とは、『今はもう忘れられた都』です・・・そこには、空間を歪ませ行きます。魔力を壊すには・・・」
 ヴァルはそう言って、ガウリイの聖剣ミカエルに、目をやった。
「三種の神器と、魔界にある聖盾ラファエルを使います」
「そうか、神器の力をラファエルで束ね、魔力を破壊するのか!」
 フィブリゾが、感心したように声をあげる。
「・・・お前・・・どうやって魔力を壊すつもりだったんだ・・・?」
「あ、いやぁ・・・ともかく、中心に行ってみれば何とかなるかな、なんて・・・」
 珍しく焦った様子で、フィブリゾは言った。
 どうやらフィブリゾは、中心の場所と行き方は知っていたようだ。
「じゃあ、僕ちょっと魔界行ってラファエル取ってくるよ」
 そう言うと、一瞬のうちにフィブリゾは姿を消した。
「ちゃんともってこいよーパシリ魔神ー」
 ガーヴが、嬉しそうに言った。
「ガーヴ様は、冥界に行ってそっちのセフィロトの樹の様子を見てきて下さい」
「・・・わかった・・・」
 ヴァルの言葉によって、ガーヴは一瞬の後同じくパシリ神となった。
 その様子を、ガウリイは悲しげな瞳で見ていた。


  ▽To Be Continued!

__________________________________


 ヴァルの性格が、TRYとは正反対だ。それを痛感した話でした(爆)
 なぜかこの話では、やたらとフィブリゾが悪いヤツじゃなくなっている。パシリだけどね(笑)
 次回、リナ以外全員集合です。人数多すぎ。13人。あ、天神死んでんだよな。12人。
 しかしフィブリゾ、天神食べちゃったねぇ(爆)
 魔界人はどうやら、高位な天使を食べることによってその能力を内に取り込んでいるようです。ううみゅ、今のフィブりんは強いぞ。
 まぁ良いか。戦うチャンスなど無い(鬼)
 とゆーわけで、扇でした。次回もお楽しみに。

PS・この話をちゃんと読んだ方には、ヴァルが立てた作戦が、今のままでは成功しないのが分かります。さて、何故でしょう?
 全ては、次回の本編で明らかに!

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11197うう〜・・・・・・ん?れーな 7/27-23:05
記事番号11194へのコメント

こんにちは〜、いやこんばんわか。この際どっちでもよかろう。
れーなで〜す!
せんちゃん早い!出すの早いよっ!
一気に読んだぞっ!


あとリナちゃんが出てこればいいのね〜・・・
でも出てこないのね〜・・・しくしく・・・
んっふっふ・・・
天神、死にましたね〜♪
いい気味〜♪(鬼)
あんたなんかくそくらえよっ!!とか心の中で罵ってたりしたのさ・・・

ヴァル君良い子だ・・・
やっぱ序翼のはヴァル君だったのね〜vv
このお話だとフィブりんもなかなかいい奴だし・・・
ガーヴはなんかお気に入りだ。

なんかややこし〜事になってますねぇ・・・
何故成功しないのか・・・
あたしの頭じゃ分からん。さっぱりだ。
それともあたし、ちゃんと読めてないのだろーか・・・(汗)

つーか12人も・・・?
でもなんかゼルとか脇やくっぽいね・・・(笑)
とにかくとにかく、リナちゃんが出るのがとことん楽しみ〜vv
・・・ゼロス君、もう出ないの?

・・・あたしも見習ってさっさとUPせねばぁ・・・(滝汗)
短いですけどれーなでしたっ☆

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11199はっはっは、悩みはぶちまけよ(誰のせいだよ)葵楓 扇 7/27-23:30
記事番号11197へのコメント

れーなさんは No.11197「うう〜・・・・・・ん?」で書きました。

>こんにちは〜、いやこんばんわか。この際どっちでもよかろう。
>れーなで〜す!
>せんちゃん早い!出すの早いよっ!
>一気に読んだぞっ!
 こんばんは、扇で〜っす☆
 いやはっはっは、早いねぇ。自分でも驚いてるよ。
 もっともっと出すよぉ(笑)

>あとリナちゃんが出てこればいいのね〜・・・
>でも出てこないのね〜・・・しくしく・・・
 これから投稿しま〜す、の方にやっと登場っ!!

>んっふっふ・・・
>天神、死にましたね〜♪
>いい気味〜♪(鬼)
>あんたなんかくそくらえよっ!!とか心の中で罵ってたりしたのさ・・・
 ヴァルなんか、だれかが天神の悪口言ってると嬉しそうな顔するくらいだし(笑・これから投稿する分参照)

>ヴァル君良い子だ・・・
>やっぱ序翼のはヴァル君だったのね〜vv
 はっはっは、バレちゃったぁ(笑)

>このお話だとフィブりんもなかなかいい奴だし・・・
>ガーヴはなんかお気に入りだ。
 うん、フィブリゾが良いヤツになっちゃったのは意外だった。
 やっぱ、天神殺し→食った、のが良かったのか(笑)

>なんかややこし〜事になってますねぇ・・・
>何故成功しないのか・・・
>あたしの頭じゃ分からん。さっぱりだ。
>それともあたし、ちゃんと読めてないのだろーか・・・(汗)
 ふっふっふ、ヒント。
 神器は全部で三種類、ぷらすラファエル!

>つーか12人も・・・?
 最後に、予定外の新キャラが・・・
 いや、出番少ないんだけどぉ(笑)

>でもなんかゼルとか脇やくっぽいね・・・(笑)
 脇役と化してます(笑)

>とにかくとにかく、リナちゃんが出るのがとことん楽しみ〜vv
>・・・ゼロス君、もう出ないの?
 ゼロスは、最後にきちっと登場っ!

>・・・あたしも見習ってさっさとUPせねばぁ・・・(滝汗)
>短いですけどれーなでしたっ☆
 いやいや、短くてもおーるおっけぇっ!
 ではでは、れーちゃんの小説楽しみにしてるよんv
 扇でした〜☆
 (あ、そうだ。(そのはち)に感想付けないと・・・)

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11200Angel of Judas 〜第九翼〜葵楓 扇 7/27-23:47
記事番号11194へのコメント


 今回は、第四回連続投稿大会・・・じゃないです。これきりです。
 んだば、こんばんは。扇です。
 どーやら、一気に終わそうって魂胆のよーです。
 というわけで、お楽しみいただけたら幸いです。

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  Angel of Judas
  第九翼  〜最強と謳われし〜


「で、最大とも思える質問なんだが・・・」
 ゼルガディスが口を開いた。
「『今はもう忘れられた都』ってどこだ?」
「・・・貴方は、名前だけは知っているはずです・・・」
 ヴァルは言葉を紡いだ。
「かつて天界に存在し、天神が今の・・・死にましたけど、今の天神になったとき、その存在自体を、空間歪曲により異次元に捨てられた都市・・・」
「・・・まさか!?」
 ゼルガディスが声をあげた。
「元天界の首都、衛星都市スプレケリア!?」
「そうです」
 ヴァルがあっさりと言った。
「天界の首都が衛星都市エデンになったとき、それまでの首都であったスプレケリアは天神に捨てられ、そして異次元を彷徨い、セフィロトの中心に行き着いたのです・・・俺は昔、空間をねじれさせる魔法の研究をしたことがあって、それを引用すれば一人くらいなら、そこに飛ばすことが出来るんです」
「・・・ヴァル、お前一人で行くつもりか?」
 ガウリイに問われ、ヴァルは頷いた。
「おい、ヴァル」
 その時、空間を飛んでガーヴが現れた。
「樹の根本にこんなん刺さってたから、抜いてきたけど」
 ガーヴがそう言って刺しだしたのは、一振りの剣だった。
 刀身が弧を描いた形の剣だった。
「・・・冥界のセフィロトは、とうとうその魔力の不可に耐えきれず、一つ武器を作り上げましたか・・・けれど、これでも全然力はありすぎているようですね」
 ヴァルはその剣を手に取り、見つめながら言った。
「・・・この剣は・・・空間を歪曲させている?」
 刀身が朧(おぼろ)になっているのを見つけ、ヴァルは呟いた。
「そうか、この剣を使って空間を斬れば、スプレケリアに大人数連れていくことも可能です!」
「だったら、絶対俺は付いて行くぞ」
 がしっ、とガウリイはヴァルにしがみついた。
「・・・ガウリイ様・・・・・・」
「なんだかわからないけど、そーいうことですねっ!」
「・・・!」
 突然上空から聞き覚えのある声が聞こえ、ガウリイが上を向くと、突然何かが落ちてきた。
「やっほーガウリイさん、私を置いて行くつもりですか?」
 アメリアだった。
「アメリア! それに、ミリーナ、ルーク、メンフィス・・・」
「事情は、この人から聞きましたわ」
 メンフィスがそう言って、フィリアとその場に現した。
「あ、あんた・・・・・・」
 ヴァルが、珍しく動揺したように言った。
「なんだか色々と大変みたいですけど、私も協力しますっ!」
 フィリアがヴァルの手を握り、大声で言ってきた。
「同じ『心清き者』同士ですしっ!」
「あ、そーいやフィリアの前の代の『心清き者』って、たしか最後の座天使って言ってたな」
「よく覚えてましたね」
 フィリアの言葉にガウリイが言い、アメリアがつっこみみんなが笑った。
『お取り込み中、失礼します』
 突然上空から、声が掛けられた。
 黒い霞と風が集まり渦巻き、そしてフィブリゾとゼロスが現れた。手には聖盾ラファエルを持って。
「・・・なんでこんなに人が居るわけ・・・?」
 人酔いした様子のヴァルが、苦しげに呟いた。

「じゃあ、ともかくスプレケリアに行く人を決めましょう」
 ヴァルがそこで区切り、そしてすぐに言った。
「条件は位が座天使以上」
「全然いないじゃないですかっ!!」
 アメリアが叫んだ。
「私は絶対行きますよっ!!」
 どうやらアメリアは、一度決めたことは譲らない性格のようだ。
「・・・私は待っている」
 ミルガズィアが言い、「なら私も」とメンフィスが続いた。
 ゼルガディスも、そっちの方へと引いた。
「ミリーナ、大変そうだから俺が行かせないぞっ!!」
「・・・余計なお世話なんですけど・・・」
 ルークが、『行かない人側』に強引にミリーナを連れていく。
「一世界の主として行かないわけにはいかんな」
 ガーヴが、ヴァルの方へと寄る。
「僕は遠慮するよ。魔界のセフィロトの樹も、なにかするかも知れないし」
 フィブリゾはそう言って、一歩後ろに引いた。
「さて、僕は・・・」
「留守番」
「行きますよっ!!」
 フィブリゾに言われ、「あんたが連れてきたんでしょうが」とばかりにゼロスが答える。
「あああああ、あんたは待っててくれ・・・・・・」
「はい、わかりました」
 ヴァルの動揺しまくりの言葉に、フィリアはヴァルの手を離した。
 をっ、良い感じかも・・・と、兄のような気分でガウリイはそれを見ていた。

「じゃあ行きます」
 落ち着いた声でそう言い、ヴァルは冥界の剣で空中に円を描いた。
 穴が、開いた。そうとしか、言えなかった。
「ここからスプレケリアまで、一直線に行けるとは限りません。空間に押しつぶされぬよう、意志を強く持って下さいね」
 そう言ってヴァルは、ガウリイにしがみつかれたままさっさと穴に入っていった。
「あのさぁ、ヴァル」
 ガウリイが、空間の中・・・と言っても真っ暗なのだが、そこで口を開いた。
「三種の神器とラファエルで魔力を破壊する、っていってたけど・・・・・・ウリエルは?」
「・・・・・・・・・あああああっ!!」
 その言葉に、ヴァルは悲鳴に近い声をあげた。
「が、ガーヴ様が持ってきた剣は・・・」
「ああ、こいつか?」
 後から付いてきたガーヴが、まるで海を泳ぐようにヴァルの隣にすいっ、とやってきた。
「魔力の量が、天界の物とは違うからな。無理だろ」
「ううううう・・・・・・」
 ヴァルが唸る。
 その隣で、ガーヴが「この剣にも格好いい名前を・・・」とか呟いていた。どうやら、気に入ったようだ。
「そうだ、スプレケリア自体に潜む魔力を使いましょう」
「出来るのか?」
「・・・・・・多分」
 ガウリイの問いかけに、ヴァルは力無く答えた。
「そうだっ!」
「な、何か良い案でも?」
 ガーヴがあげた声に、ヴァルが反応した。
「いや、この剣の名前。ルシファー、なんてどうかな、って・・・」
「・・・・・・お好きなように・・・・・・」
 ヴァルが力無く呟いた。
「よし、お前は今日から・・・そうだな、『歪曲王』ルシファーだっ!」
 なにやらガーヴが、一人で盛り上がっている。

「そういやさぁ、ヴァル」
「なんですか? ガウリイ様」
 ガウリイがまだしがみついたまま、問いかけてきた。
 辺りの風景は虹色がまだらで、代わり映えが無く、時間感覚が麻痺してくる。
 そんななか、精神を集中させつつの言葉だった。
「お前が俺に丁寧語使ったり様付けなの、たしか俺が智天使で、お前より位が上だったから、だよな」
「そうですよ」
 ガウリイが色々と思いだしたのが嬉しいらしく、微笑みながらヴァルは言った。
「今の俺、能天使なんだよね」
「そりゃ、見れば分かりますけど」
「だからさ、その様付けと丁寧語、止めてくれ」
 そう言われ、ヴァルは戸惑った様子で、早口で言った。
「そ、そんなこと突然言われても、こっちにだって事情が、いやなんて言うか、癖ってものが・・・」
「ヴァル、あと三秒で丁寧語止めないと」
 ガウリイがにっこりと笑みを浮かべ、聖剣に手を伸ばした。
「ミカエル折る」
「だぁぁぁぁぁぁぁっ、わかったわかった、こーいう風でいいんだろっ!!」
 ヴァルが手足をじたばたさせ、大声で叫んだ。
 ただでさえウリエルが足りないのに、これ以上武器を減らすわけにはいかない。
「よし、合格」
「・・・何に?」
 苦い顔をして、ヴァルはガウリイを見た。
「俺の相棒に、だ!」

「ガウリイさん、嬉しそう」
 アメリアが、嬉しく無さそうに言う。
「な、なんで?」
「楽しそうに笑ってますから」
 アメリアが、むっとした顔で言葉を続けた。
「私には、そんな顔見せてくれませんでしたし。そんなに、その人・・・ヴァルさんと一緒が嬉しいんですか?」
「いや、まぁ、その・・・まぁ、ヴァルは俺の弟みたいなもんだし、死んだと思ってたから、そりゃ嬉しいし・・・」
「それは良いんです。それは良いんですけど・・・・・・私たちにも、笑顔を見せて下さい」
 そう言ったアメリアの顔には、あの時・・・ガウリイが能天使になったその日見せた、心配そうな表情だった。
 ガウリイが、色々なことを思い詰めている、と考えたのだろう。
「・・・ありがとう、アメリア。そうするよ」
 ガウリイは、久しぶりに他人に・・・リナとヴァル以外に、穏やかな表情を見せた気がした。

「あれ・・・・・・ここは・・・・・・?」
 気を失っていたのか、ガウリイが気が付いたとき、其処はもうあのまだらな異空間ではなかった。
 見たことのある風景。
「・・・エデン・・・・・・?」
 そう呟いたが、だがその姿はエデンより幾分古い感じがした。
「ここが・・・スプレケリア・・・・・・」
 ずっとしがみついていたせいだろう、自分の腕に絡まるようにヴァルが居た。
 その呟きに意識がはっきりしたように、ガウリイは辺りを見回す。
「アメリア、ゼロス、ガぁーヴっ!!」
 ガウリイが大声を出すが、誰の反応もない。
「一体、何処へ・・・・・・」
「・・・このスプレケリアのどこかに居るといいんですけ・・・じゃない、いいんだけど」
 なにやら言い直すヴァルが虚しい。
「まったく変な異空間に放り出されていたら大変だ。・・・探そう」
 ヴァルが立ち上がる。ガウリイを引きずるように、一歩歩む。
「・・・・・・!?」
 そして突然、ヴァルが声にならない悲鳴を上げる。
「・・・どうした?」
 さすがにその様子が尋常ではなく、ガウリイが立ち上がる。
「・・・あれ・・・」
 ヴァルが指さした、その先には。
 巨大な、セフィロトの樹の形をした氷が佇んでいた。

「これがホントの樹氷ってかぁぁ・・・」
 ガウリイが呆れた様子で言った。
「魔力が、集まりすぎて結晶化している・・・あれは、魔力が凍った存在なんです。早くあれを壊さないと、間に合いませんっ!」
「・・・ミカエル折るぞ」
「だぁぁぁぁぁっ、待った待ったストップぅっ!!」
 ついついヴァルがいつもの調子で説明し、ガウリイが冷めた声で言う。
「わかったっ、次から気を付けるからっ! ともかく、今はあれを何とかしないと・・・」
「けど、アメリア達をほうってはおけない!」
 ガウリイの決意の言葉に、ヴァルは小さく頷いた。
 そのとき、なにやら買い物中のようにも見える、ローブを纏った女性が見えた。
「・・・スプレケリアに宿る残留思念・・・? ともかく、アメリア達のことを聞いてみるか」
 ガウリイが、彼女の元へと駆けていった。
「あのー、すいません」
「・・・・・・何者?」
 彼女は、冷たいまなざしを向けた。
ガウリイがそのあまりの冷たさに気後れしていると、
「我、全ての母なる者」
 ヴァルが駆け寄ってきた。
 彼女は言葉を続けた。
「全てを生み出せし者、セフィロトの妻。我が名はガイア。大地なり。貴殿ら、何者? この地に、何の用だ?」
 彼女の言葉は、たしかに大地のような重みがあった。


  ▽To Be Continued!

__________________________________


 最後の悪あがき、新キャラのガイア。出番は極端に少ないです(おい)
 これでまぁ、ヴァルの丁寧語は解消されたわけですな。良かった良かった。
 ちなみに、『歪曲王』はブギーポップから・・・じゃないので、ご注意を。
 というわけで、次回とうとうリナ登場っ!!

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11207Angel of Judas 〜第十翼〜葵楓 扇 7/28-12:47
記事番号11200へのコメント


 最終連続投稿大会。
 こんにちは、扇です。
 なんか最近私、自分のことを『ツリークラッシャー』だと自覚し始めました(笑)
 でかいツリー作ってどんどんツリーを沈めてく・・・ふぅ。
 『天国〜』第一話が思い出される(笑)
 というわけで、お楽しみいただけたら幸いです。

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  Angel of Judas
  第十翼  〜全ての母ガイア〜


「あ、あんた一体・・・」
「我が言葉、聞いていなかったのか? 我が名はガイア、セフィロトの妻。大地なりて、全ての母」
 ガウリイが思わず言った言葉に、彼女は先ほどの言葉を簡略化させていった。
「いや、それは分かった。ガイアさん。貴方セフィロトの妻って言うけど、どう見てもセフィロトって樹なんですけど」
 彼女の冷たさと言葉の重みのせいか声が小さくなりつつ、ヴァルはなんとかそう言った。
「我、大地とセフィロトの樹は常に接している。それ故に、夫婦として世界に生命を誕生させている」
 そう、樹が存在するには、まず大地が必要なのだ。
「・・・まさか、俺たち天使とか悪魔とかって、みんなみんな貴方の子供、ってわけか?」
 ガウリイが、『人類皆兄弟』と言う言葉を思い出しながら言った。
「そうとも言う」
「はぁーあ、貴方が此処にいるのは、スプレケリアが創りだした幻が彷徨ってるってワケじゃなくって、妻として夫の中心地に存在してる、ってワケねぇ」
 ヴァルが、なにやら色々と分かったように言った。
「さて、今度は我の問いに答えよ。汝等は何者なり?」
「セフィロトの樹を救いに来た者」
 ヴァルの言葉に、ガイアは驚愕したように目を見開いた。
「あの、魔力の塊を何とかしてくれる者なのか?」
「そゆこと。で、そのために、この世界に散り散りになっちまった仲間を捜してるんだ」
 ガウリイが、ちょうど良い、とばかりに言った。
「わかった・・・我が夫を救ってくれると約束してくれるならば、汝等の仲間を見つけだし、此処に連れてこよう」
「じゃあ約束です。絶対、貴方の旦那さんは救い出しますよ」
 ガウリイが、強い意志を秘めて言った。

「あいたたたたた・・・・・・」
「散々な目に遭いました・・・」
「洗濯機に入った気分だったぜ」
 大地の力による者か、突然目の前に洗われたアメリア、ゼロス、ガーヴは、それぞれ文句をぶつぶつ言いながら立ち上がった。
「ああっ、良かったガーヴ様っ!」
「無事で良かったぜ、アメリア」
 ヴァルはガーヴに、ガウリイはアメリアにそれぞれ駆け寄る。
「・・・ふんっ、別に良いですよ・・・僕は魔界の者ですからね・・・・・・」
 一人悲しげに呟くゼロスだった。
「・・・我が夫の体力は、刻一刻と削られている・・・頼む、早く・・・!!」
「分かってますよ、ガイアさん」
 相手が『母』であるせいか、自然とガウリイの口調は柔らかいものとなっていた。
「あの氷の樹の元へ・・・さぁ、みんな、行こう!」

「・・・・・・ひぃぁああああぁぁぁ・・・・・・」
「・・・これって、現実のより大きくないですか?」
 ガウリイが、悲鳴すれすれの声をあげ、アメリアが呆れ声で言った。
「現実のセフィロトの樹と、この魔力の気の大きさの差が、本来必要な魔力をオーバーしている分、もしくは足りない分の魔力なんだ。早く何とかしないと、ホントにやばいぞ、これ・・・」
 ヴァルがそう言って、腰のホルダーから銃を・・・聖銃ガブリエルを抜いた。
「さて、と」
 ガウリイが、腰の鞘から聖剣ミカエルを抜いた。
 ゼロスが、どこからか聖盾ラファエルを取り出した。
「なんとか・・・魔力を集めないと・・・・・・」
 ヴァルがそう呟き、呪文を唱え始めた・・・・・・その時だった。
『・・・ま・・・・・・て・・・・・・』
「・・・!!?」
 消え入りそうだが、しっかり聞こえたその声に、ヴァルは辺りを見渡す。
「な・・・何の声?」
 アメリアも言った。どうやら、聞こえたのは全員のようだ。
『・・・待って・・・・・・ヴァル・・・・・・』
 今度は、いくらかしっかり聞こえた。
「誰です?」
 ゼロスが辺りを見渡し、そして気づいた。
 ヴァルとガウリイが、震えていることに。
 恐怖に、ではなく、なにか歓喜しているように。
『ずっと・・・待っていたの・・・だから・・・・・・呪文は、ちょっと・・・待って・・・』
「だ、誰なんです? 知っているんですか?」
 アメリアが、焦ったように言った。心霊現象に思えたのだ。
 ヴァルとガウリイは、その言葉が聞こえたのか聞こえなかったのか、ゆっくりと、同時に言った。
『・・・・・・リナ(様)!!』
  ・・・ヴァルだけ、様付けだった。

「ずっと待った甲斐があった、ってワケね・・・」
 今度は、はっきりと聞こえた。
 なぜなら、声の主が目の前にいたから。
 水晶のような、魔力の氷の中・・・・・・
 彼女は、眠るように其処にいた。
「リナ!!」
「リナ様っ!!」
 ガウリイとヴァルが叫び、駆け寄った。
 だが魔力の氷に触れた瞬間、小さく呻いて離れた。
「これは・・・超低温で凍り続ける魔力の氷。あんまり長い間触ってると、凍傷おこすわよ」
「リナっ、生きていたんだなっ!!」
 それを全然聞いていない様子で、ガウリイは叫んだ。
 氷の中、戦乙女の証ガーネットの飾りを翼に付けた彼女は、夕日のような色の髪を辺りに波ただせ、微笑むように・・・表情は変わったようには見えなかったが、言った。
「勝手に殺さないでよ・・・ね・・・あんたこそ、生きてたみたいで・・・嬉しいわ」
「・・・いや、一回死んだけど・・・それはともかくっ!」
 ガウリイは、何かを振り払うように叫んだ。
「リナ、そこで何してる? どうして此処にいる?」
「何してる、っていわれても・・・ね」
 彼女は困ったような声を出した。
「あの天神の馬鹿が・・・(ヴァル、これ聞いて嬉しそうな顔するもんじゃないと思うけど)あたしを殺そうとしたから、あたしは闇雲に転移をして、空間を渡っていたら、どうやら道に迷っちゃったらしくて、ここに出ちゃったのよ。どーやら天神に、落ち着いて逃げられないように精神錯乱の術でも掛けられてたみたいね」
 彼女は悔しそうに言って、だが落ち着きを取り戻して続けた。
「で、あたしはここなら大丈夫だろうと、その時からちょぴっとずつ大きくなりつつあった、この氷の根本で休んでいたのよ。あの天神の術も破らなきゃいけなかったし、それ以前に疲れてたからね」
 そこで彼女は、笑い声を上げた。
「そしたら中入っちゃった」
「はぁぁぁぁぁぁっ!?」
「冗談だって」
 ガウリイがあげた声を遮り、彼女は身を起こした。
 まるで魔力の氷が風か何かのように存在しないように、彼女はそれをすり抜けて姿を現した。
「わざと中に入って、自分の時を止めてたの。冬眠状態になって・・・いつか、ガウリイとヴァルが来てくれるだろう、って信じて」
 そして、ヴァルに似た切なげな微笑みを浮かべた。

「どっちにせよ、あたしの命はそう長くないわ」
「えええええええええっ!?」
 ヴァルが悲鳴じみた声をあげた。
「ななななな、なんでですかっ!?」
「んー、なんていうか・・・この氷の中にずっと居たせいで、あたしの内にも魔力が溜まりすぎた、ってわけ」
「そ、そんな・・・リナ様、自ら自分の寿命を縮めたワケですかっ!?」
 ヴァルが、今度は完全な悲鳴のように叫んだ。
「けど、こうしなかったら、あたしは天神の馬鹿の魔法のせいで死んでたわ・・・だから、あたしが天神を馬鹿呼ばわりするたんびに嬉しそうな顔するのは止めなさいって、ヴァル」
 リナが、ヴァルの頭に手を置いて言った。
「あんたに、ウリエルを託すわ。そうして、あんたはこの魔力の塊をなんとかしなさい」
「・・・リナ様は・・・これからどうするおつもりですか・・・?」
「聞きたい?」
 リナに言われて、ヴァルは頷いた。
「条件があるわ。あたしを様付けしたり、丁寧語でしゃべったりしないで」
「・・・なんか、さっきも聞いたんですけど、その台詞・・・」
 後ろでガウリイがきょとんとした表情で立っていた。
 それを振り返って見つめ、ヴァルはため息を付いた。
「・・・もし、出来ないって言ったら?」
「ウリエル折る」
「・・・・・・・・・・・・貴方達、似すぎ」
 にっこりと言ったリナに、ヴァルは涙を流した。
「わ・・・わかった、リナ。だから、貴方はこれから・・・なにするつもりなんだ?」
「いや、ね・・・あんたのことだから、これ壊したら、自分がセフィロトの樹の人身御供になる、って言ってるでしょう?」
 ヴァルが、リナに言われ頷いた。
 嫌な予感がした。
「あたしが代わりになってやるわ。どうせ死ぬくらいなら、せめて人の役に立ってやりたいからね。・・・別にあんたたちのためじゃないわよ、自分で自分にケリをつけるのよ」
 一同から見つめられ、リナは照れながら言った。
「さぁ、ヴァル。出来る限り精一杯、大暴れしちゃいなさいなっ!」
 リナが、腰で止めていた聖杖ウリエルをヴァルに手渡した。

「俺が・・・・・・」
 ヴァルが呪文の代わりなのか、突然語りだした。
「俺が・・・リナと初めてであったのは、ホントに俺が生まれた瞬間だった・・・・・・」
 ヴァルが、ウリエルを大地に突き立てた。
 ミカエル、槍の姿にしたガブリエルも、並んで立てられる。
 ヴァルは、ガウリイにラファエルを持たせた。

 それは、遠い昔のことだった。
『初めましてっ!』
 彼女が突然言い出した。
 まだ、しっかりと目も開けないヴァルに。
『初めましてっ!』
 当時の彼女は、すでに座天使の証である琥珀の飾りとサークレットを持っていた。
 本来天神から託されるものは飾りだけなのだが、高位な天使となると、お守り代わりにサークレットも身につける。
『初めましてってばっ、そー言われたら『初めまして』って返すっ!!』
  ぐいぃぃぃぃぃっ!!
『あいたたたたたたたっ!!』
 リナに突然プロレス技のようなものをかけられ、ヴァルは悲鳴を上げた。
『初めまして、あたしはリナ。とりあえず、当面はあんたの上司兼サポーターよっ!』
『・・・よろしく・・・・・・』
 痛む腕をさすりつつ、ヴァルは答えた。

「・・・あれからすぐ、リナの相棒だったガウリイと会って・・・これを貰って・・・・・・」
 ヴァルは、額のバンダナを外した。
 そこには、リナがその時付けていた琥珀のサークレットのお守りが付けられていた。
「・・・俺にとって、リナとガウリイは・・・ホントの兄弟みたいなものだった。だから・・・失うのは怖い・・・・・・」
 今はもう転移でこの場から去ったリナがいた場所を、ヴァルは見つめた。
 泣きそうな、悲しそうな、辛そうな、そして強い決意と意思を秘めた瞳だった。
「けど・・・リナに言われたことだけは、やりきる・・・・・・世界を救う・・・!!」
「そうです!」
 アメリアが、ヴァルの隣に進んできた。
「自分の恩人とも言える、あの人のことを思うその心・・・美しいですっ! ですから、せめてあの人の期待にだけは添いましょうよっ! 私も協力しますっ!」
「ああ・・・俺もだ・・・」
 ガーヴが、反対の隣に進んできた。
「お前は絶対なんかやらかす、お前を助けたその時から、ずっとそう思ってたさ」
「・・・ガーヴ様・・・・・・」
「まぁ、その、なんだ」
 ガーヴが照れた様子で言った。
「・・・お前がそばにいてくれた間、結構辛かった・・・冥神の仕事だけど、なんかお前が慰めてくれたりしたから・・・結構助かった。・・・礼を言うぜ」
「・・・・・・そんな・・・・・・」
「まぁ、僕としてはあんまり関係はないんですけど」
 ゼロスが後ろから言ってきた。
「とりあえず、ここから生きて帰りましょう。そうしたら、エーデルワイスでの一撃の仕返し、させて貰いますからね」
 ゼロスの言葉に、ヴァルが小さく笑った。
「ばれてないと思ってました?」
「全然」
 ヴァルは答えて、ガウリイの方を見た。
 ガウリイは何も言わなかった。
 動きすらしなかった。
 けれど。
 けれども・・・・・・
 しっかりと、ヴァルの瞳を見つめ返した。
 強い意志。
 優しさが、感じ取れた。
「・・・・・・世界を救うなんて、俺のガラじゃないんですけどね・・・・・・」
 ヴァルは、真っ直ぐ前を見た。
 それだけだった。
 呪文は要らない。
 さっきは、ウリエルがなかったから増幅呪文を唱えようとしたけれど、今は要らない。
 ただ、これだけでいい。


「ブレイク!!」


  ▽To Be Continued!

__________________________________

 ガイアさん。シリアスなのは、今話かぎりで終了です(笑)
 とゆーわけで、次回最終翼!

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11208Angel of Judas 〜最終翼〜葵楓 扇 7/28-12:55
記事番号11207へのコメント


 ・・・ノーコメント。

__________________________________


  Angel of Judas
  最終翼  〜汝、セフィロト〜


  大地には恵みの雨を。

  木々には恵みの雨を。

  人は伝説を語る。

  大地には恵みの光を。

  木々には恵みの光を。

  ハレルヤ ハレルヤ

  人は謳い語る。

  神を讃えしと。

  しかし、人を見る目は育めと。

  大地には恵みの心を。

  木々には恵みの心を。

  天使と悪魔と魂や。

  天、冥、魔。

  全ては、セフィロトの樹の元に存在せし。



『・・・ガイア』
「セフィロト・・・か」
 脳に響く声に、ガイアは答えた。
『・・・心配を掛けたな・・・』
「ああ、掛けられた」
 ずべっ、と何かがコケる音がした。
『そーいう時は、『心配したのよアナタv』とか、可愛らしいこと言えないかなーこの女は』
「何故我がそのようなことを言わねばならぬ? こちらは被害者なのだぞ」
『あーもー、この人は口が減らないねぇ、男女っ!』
「陰険男っ!」
『時代錯誤語女!!』
「産卵男!!」
 ・・・今日も、忘れられた都スプレケリアは、夫婦喧嘩から朝を迎えた・・・・・・
 おおむね、普通通りだった。

「ほらっ、しっかりしなさいっ!」
  ぺちぺち。
 頬を、冷たい手が叩く。
 誰だろうか。
 今、心地よい眠りについているのだ。起こさないで欲しい。
「だあああっ、もうこの脳みそナマケモノ〜っ!!」
  べちべち。
 頬を叩く力が強くなる。
 だが、その程度で起きてはいられない。
 ・・・だが、ここで起きねば命に危機が迫る・・・・・・
「いい加減に起きなさぁぁぁぁぁぁぁいっ!!」
「わぁぁぁぁぁぁぁぁっ、タンマタンマぁぁぁぁっ!!」
 手を闇雲に前に出し、そして何かつるつるするものが触れ、なんとかそれの進行を押しとどめる。
 壺だった。
 しかも、かなり巨大な。
「り・・・リナ・・・さすがにこれで殴ったら、死ぬって・・・・・・」
「ほんとにぃ?」
 ガウリイが力無く呟き、リナが疑念の言葉を掛ける。
「・・・って、リナ!? お前、死んだんじゃ・・・」
「まだ死んでないって」
「たしか、ヴァルの代わりにセフィロトになんたらって・・・」
「それはこれからよ」
 リナは強引にガウリイを立たせた。
「あんたら、どこをどう通ってきたかは知らないけど・・・たぶんガイアのおかげね。五人ともちゃんと勢揃い、ちゃっかり神器ごとこの場に戻ってきたのよ」
 ガウリイが見渡すと、良く見知った面々が立っていた。
 ガウリイ達の帰還を待ち望んでいた表情だった。

「リナ・・・・・・」
「なーによ、そのしんみりした表情は・・・」
 ガウリイに見つめられ、そこまで言ってリナは止まった。
 真剣な眼差しだった。
「・・・また、逢えるかな」
「あのねぇ、あたしはセフィロトに魔力と魂を捧げるの、簡単に言っちゃえば、あたしがセフィロトの樹になるのよ。いつでも逢えるわ」
「けど、意識は?」
 そう言われて、リナは黙ってしまった。
「・・・たしかに、あたしがセフィロトの樹になったら、あたし自身の意識、人格が保てるかは分からない・・・・・・」
「リナが、リナでなくなってしまうのか?」
 ガウリイが、悲痛な面もちで声をあげた。
「俺は嫌だ、リナがリナでなくなってしまうなんて・・・」
「我が儘言わないでよっ!!」
 リナが突然大声を上げて、ガウリイは黙った。
 目の前に、明らかに枯れ始めているセフィロトの樹があった。
「我が儘・・・言わないでよ・・・・・・」
 なんだか、胸の奥がずきずきと痛む。
 そんなもの気に掛けている場合ではない、とリナは自分を奮い立たせた。
「あたしがやらなかったら・・・誰がやるの? ヴァル?」
「それは・・・・・・」
「あのミルガズィアって人?」
「・・・・・・・・・」
「どうにせよ、誰かが犠牲にならなきゃいけないのっ!」
 リナの声も、悲痛なものになっていた。
「だったら・・・そろそろ死ぬあたしの方が良いわ。誰だって大切に思う人が居るんだから、ヴァルやあのミルガズィアって人を死なせるわけにはいかない・・・・・・」
「リナだって、大切に思われてる!」
 そう言われて、セフィロトの樹に向かって一歩歩んだリナは足を止めた。
 泣きそうになってる。
 自分で自覚した。
「俺や、ヴァルや、みんなみんな、リナのこと大切に思ってるんだっ!!」
 涙、出るかな。
 心の中で、リナはそう呟いた。
「そんな自己犠牲精神、ずっと昔に捨てたはずだっ! 俺たちが自ら危険を冒し、ラファエルを取りに魔界に行ったときから・・・・・・」
 涙、出ないなこれじゃ。
 そう思った。
「自己犠牲じゃないの」
 リナは振り返った。
 なんとか微笑んだ。
「自分で自分にケリを付けるって、言ったでしょ?」
 ・・・もしかしたら、後で泣くかもしれない。
 最後にそう思って、リナはセフィロトの樹に触れた。

 日はまた昇る。
 世界を照らすために。
「・・・天神の馬鹿やろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
 太陽に吠えろ。そんな気分だった。
 ヴァルは、憂鬱さを全て声に乗せ、太陽に向かって叫んだ。
「ヴァル、もう死んだヤツのことを悪く言うのは、感心しないぞ」
「だって・・・・・・だってっ!!」
 ガウリイにとがめられ、だがヴァルは目に涙を溜めて叫んだ。
「あいつがっ・・・天神が、元はといえばっ・・・りっ、リナを・・・殺そうとしなかったらっ・・・・・・」
 しゃくり上げながら、だがなんとかヴァルは喋っていった。
 涙が止めどなくあふれる。
「あっ・・・あいつがっ・・・全部全部っ!!」
 其処まで言って、あとはわっと声をあげ、ガウリイに抱きついて、ただ嗚咽が聞こえただけだった。
「・・・たしかに、天神がリナに呪文を掛けなかったら、たしかにリナはセフィロトの樹になることも命を落とすこともなかっただろう」
 自分の冷静さに自分で驚きつつ、ガウリイは言葉を続けた。
「けど、セフィロトの樹の魔力のバランスが崩れるのは、仕方のないことだったんだ。そうしたら、誰が天界のセフィロトの樹を救う? ヴァルが死ぬか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「もしヴァルが死んだら、お前がリナを思って泣いているように、俺たちもお前を思って泣くだろうな」
「が・・・うりっ・・・・・・」
「だから、せめて・・・リナがやってくれた偉業を褒め称えよう。リナの仲間であることを、誇りに思おう。だから、泣きやんでくれ。じゃないと・・・・・・」
 ガウリイ自身、言葉の最後が泣き声になっているのに気づいた。
「じゃないと・・・お前が泣き続けたら・・・リナが悲しむ・・・自分が、ヴァルを悲しませたみたいで・・・・・・」
「なに・・・言ってんだよ・・・・・・」
 そこで、ヴァルが涙で顔をぐしょぐしょにしながらも、ガウリイの顔を見上げた。
「ガウリイだって・・・泣いてるじゃんか・・・・・・」

「泣いてなんかないさ・・・お前、涙で目の前がよく見えないんじゃないか・・・?」
「そんなことない・・・・・・」
 ヴァルが袖で顔を拭って、それから手をガウリイの頬に伸ばした。
「・・・濡れてる」
「汗じゃないか?」
「・・・なんで?」
「・・・・・・」
 ヴァルに聞き返されて、ガウリイは下を向いて「やれやれ」と呟いた。
「・・・そうだな。泣いてる」
「だろ」
 ぎゅっ、と今度はヴァルがガウリイの頭を抱きしめた。
「・・・いいじゃんか、泣いても・・・リナが俺たちを悲しめたのは事実なんだ」
「・・・ヴァルっ!」
「・・・だけどっ!」
 とがめようとしたガウリイを、ヴァルは言葉で遮った。
 朝日が目に痛い。
 初めてリナと会ったときのように。
 初めてアメリアと会ったときのように。
 ただ光は、大地と木々に恵みを与え、そして泣いた後の目に痛みを与えるだけだった。
「だけど・・・リナが居なかったら、俺たちは『悲しめ』なかったんだよな・・・」
「・・・ヴァル・・・・・・」
「リナが居たから、俺たちは『悲しめ』たし、悲しむためのに『喜べ』た。リナを『大切に思え』た」
「そうだな・・・・・・」
 ヴァルがガウリイを離した。
 ガウリイが立ち上がった。
「リナに、こーいうとこは感謝しなきゃな」
「そーなんだ。こーいうとこ意外は、『なんで悲しませたんだー』とか、色々思わなきゃな」
 ヴァルがそう言って、二人は笑った。
 空を見上げたカラ笑いだったかも知れない。
 けれど、心の底から笑った。

 戦士達に祝福あれ。


  ▽To Be Continued!

__________________________________


 いや、別に『太陽に吠えろ』って、実物のドラマだかなんだかは見たこと無いけど(言い訳)
 くっそう、この話を書いて、再び天神の存在理由が謎に思えてきた(怒)
 何のために居たんだ天神〜っ人に嫌われるためか〜っ!(笑)
 というわけで、次回完全エンド!

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11209Angel of Judas 〜終翼〜葵楓 扇 7/28-13:09
記事番号11208へのコメント


 序翼で始まったんだったら、終翼で終わらなきゃ。
 最終翼あるのに(汗)

__________________________________


  Angel of Judas
  終翼  〜その名はセフィロトの樹〜


「ぃいいいいいやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 複雑な模様が描かれた、飾りだらけの白いローブを纏った少年が、それより少し飾りが少ないローブの男に追いかけられていた。
 エデンの宮殿の渡り廊下を走っていた。それも全力疾走で。
「だぁぁぁぁっ、待ておいっ!!」
「いやだって言ってるじゃないかぁぁぁぁっ・・・ふぎゅっ」
 少年は、ローブの裾を踏んづけて見事に転んでしまった。
 そこに、後ろから走ってきた金髪の男が追いついた。
「ふっふっふ、やっとおとなしくなったなぁ、ヴァル」
「が、ガウリイ・・・なんか目がマジなんだけど・・・・・・」
 静かに言った男に、少年はおびえが混じった声で言った。
「だぁかぁらぁっ、どう考えても時期天神はお前しか居ないってっ!!」
「絶・対ヤだっ!!」
 男・・・ガウリイが声を出したが、それよりも大きな声で少年・・・ヴァルは叫び返した。
「天神って、あれだろっ!? ずっと天界を見守り続けて、あの大聖堂の異様にでかい椅子に座り続けて、暇そうなあれっ!」
「そーだけどさ」
「仕事大変そうじゃないかっ! 俺、良い天神になれる自信ないしっ!!」
「こちとら色々と複雑なんぢゃい」とばかりに、ヴァルは絶叫した。
「・・・あのな、お前が天神になってくれたら、俺が智天使になってやる」
 ぴたっ、と暴れていたヴァルが動きを止めた。
「そしたら、お前とずっと一緒に仕事を手伝ってやるから」
「ずっと・・・一緒?」
 『仕事の手伝い』よりも大事、とばかりに『一緒』にアクセントを付けてヴァルは問いかけてきた。
「ああ、もちろんだ」
 ガウリイが、穏やかな微笑みで答えた。
 四方八方から、「あんな小さい子(ヴァルのことらしい)困らせて・・・」とばかりの官女の視線を感じながら・・・・・

「ヴァルの天神、ガウリイの智天使就任パーティだ、飲めや歌えや騒げやっ!!」
 大声でガーヴやルークが酔った様子で叫び、いつもは嫌になるほど静かな大聖堂が、今だけ賑やかなパーティ会場になった。
「ほらほらっ、智天使様お呑みなされっ」
 誰からともなくそう言いだし、ガウリイの杯は常に酒で満たされる。
 天使の階級を表す宝石の飾りは天神が魔力を込めて作り出すのだが、ヴァルはその方法はこれから勉強、という状態のため、ガウリイはミルガズィアから受け渡されたダイヤモンドの飾りを羽根に付けていた。
 そしてミルガズィアは、「もともと私はそれほどの者ではなくてな」と、琥珀の飾り・・・フィリアが身につけていた琥珀の飾りをヴァルから受け取った。
 そして今現在、フィリアは・・・・・・
「ほらほら、天神様もっ」
「あ、あああああ・・・」
 ヴァルはただ「ああ」と言ったつもりだろうが、思いっきり動揺しながら、巴と黒耀の飾りを付けたフィリアから酒を注がれていた。
 熾天使セラフィム・・・つまり、天神の証は新たに増える二枚の羽根。ヴァルは六枚羽根を邪魔そうにしながら、酒は飲まず料理に手を着けた。
 酔っていなかったため、その場からガウリイが消えたことに気づいた。

「リナ・・・・・・」
 エデンの宮殿のすぐとなりにそびえ立つ、青々とした緑葉を茂らせたセフィロトの樹の前に立ち、ガウリイは呟いた。
「俺とヴァルは、また昔みたいになったよ」
 穏やかな顔で、その樹を見つめて呟いた。
「リナも居てくれたら、良かったのにな」
 そして、「いや」と呟き頭を左右に振った。
「我が儘ばっかで・・・ごめんな」
 顔を上げ、その樹を見つめた。
 意志の強い瞳。
 真実を受け入れ、乗り越えた者が持つ輝きのある瞳。
「俺、さ・・・リナのことが」
『ストぉぉぉぉぉぉぉぉップっ!!』
 想いを言いかけたガウリイの頭の中に、聞き覚えのある声が響き、ガウリイは目を丸くした。
『そぉいう話は、どっかよそでやってくれないっ!?』
 自然と、顔が綻ぶのが分かった。
「・・・リナ・・・」
 同じくその声が聞こえたのだろう、いつの間にかやってきたヴァルが呟いた。
「まぁったくもぉ、あんたほどシリアスが似合わないヤツも珍しいものだわ」
 セフィロトの樹の前に光が集まり、それが人の形を取った。
 よく見知った者だった。
「えーとね、その・・・・・・」
 理由を・・・ここに存在する理由を説明しようと口を開いたリナは、突然ガウリイに抱きつかれて口を閉じた。
「だぁぁぁぁぁっ、人の話はちゃんと聞けっ!!」
  げしっ。
 いい音がして、ガウリイは鳩尾を押さえた。リナのケリが決まったのだ。
「あのねっ、あたしがこーやって此処に出て来ちゃったのは・・・というか出て来れたのは、あたしがスプレケリアでずっと魔力を溜めまくったせいで、その魔力でセフィロトの樹を癒してやってもまだ魔力が残っちゃったから、あたしはこうやって自我を保つことが出来て、意識をこうやって具現化させてセフィロトの樹から出れるワケよ」
 自分でも、どう説明してよいものか、リナは少し混乱しつつ語った。
「だから、あたしはあんま遠くには行けないけど、こうやって姿を出してエデンをうろちょろするくらいなら出来るのよ・・・ってをいっ!」
 目を閉じて話を聞き流していたガウリイに向かって、リナは叫んだ。
「・・・よかった」
「なにがよ?」
 呟いたガウリイに、リナは聞いた。
「またリナに逢えて」
「な・・・・・・なによあんた」
 照れ隠しのように声を荒立て、リナは言った。
「あんたさぁ、何? 朝日に向かって男泣きして。ヴァルは別に良いけど」
「・・・なんで?」
 リナのイヤミにヴァルが呟いたが、リナは答えず言葉を進めた。
「あたしでさえ泣かなかったのにさぁ」
「それは、また逢えるってリナは思えたからだろ?」
 その瞳に真っ直ぐ見つめられ、頬を赤くしてリナは顔を逸らした。
「でも・・・せめてさよならは笑顔が嬉しかったな」
「いや、さよならは泣くもんだ」
 そう言われて、リナは顔を前に向けた。
「そして、『またね』で微笑んで、『また会ったね』でも微笑むんだ」
「・・・そーかな」
「そーだ」
 断言したガウリイを、複雑な顔で見るリナとヴァル。
「だから、今は笑うもんだ」
 ゆっくりと、しっかりと、ガウリイは顔を微笑ませた。
 また、世界には日が昇る。


 『それは全ての母の元に起きた物語』
 そう、セフィロトの樹に刻み込んで、ガイアは腕を伸ばした。
 今まで大地として見つめてきた、戦士達の出来事を詩に著したのだ。
 疲れる作業だったが、だがなんとなしに幸せだった。
「またあいつらと逢えればいいものだな」
『それは良いけどさぁ、ガイアぁ』
 セフィロトが、情けない声で言った。
『肌痛いんだけど』
「これくらい我慢しろ、女男」
『なんだとぉっ、このドでか女っ!』
 こうして、忘れられた都にも日が昇る。
 また、夫婦喧嘩で朝が来る。


  ▽See You Again!

__________________________________

  ナレ→扇 「」→セフィ 『』→マナァ

 終わったぁぁぁぁぁぁぁっ!!
 早すぎるぅぅぅぅぅぅぅっ!!(悲鳴)
 ちくしょぉぉぉぉぉぉぉっ!!(鳴き声)
「鳴き声!?」
 気にするな。うん。
『ところで扇殿、タイトルの秘密を・・・』
 をを、そうだった。
 実は気付いた人もいるかも知れないけど、このシリーズの各話のタイトルは、一番最初に書いた詩の各行の一部分からとっとります。
 まぁ、一番最後は・・・あーいう使い方されたけど。
「さてと、扇。次は何する?」
 『天国〜』の外伝でも書く。
『またタイトルに秘密がある?』
 もちろん。ヒントはテトラ。
「ジュブナイル(映画)かよ(汗)」
 内輪ネタ万歳。
「よくねぇってそれ」
 ヒントは歌のタイトル。
『それ、ほとんど答え』
 というわけで、次はそーいったもので会いましょう。
「あ、終わそうとしてる」
 しぃゆぅあげいんっ!!
「くぉら待てぇぇぇぇぇぇっ!!」

                                待たずにEND

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11181感想斎藤 由理とゆかり 7/26-16:04
記事番号11178へのコメント


>
> こんにちは、みなさん。扇です。
こんにちわ。
「こんにちわ。」
>
>
>「汝、ガウリイ。汝の位を、この瞬間をもち、大天使アークエンジェルとする」
「うそ、、、、早い、、、、」
>「はい」
>
>「すっ・・・・・・っごいじゃないですか、ガウリイさんっ!!」
> 思いっきり息を吸い込み、アメリアは大きな声を出した。
>「たった五日ですよ、五日。今日でガウリイさん、生まれて五日なんですよっ!! それでもう、大天使アークエンジェルなんてっ!!」
>「そんなにすごいもんなのかなぁ、これって」
わかってないな、、、、、
「そうですね、、、まあ、ガウリイさんですから」
そうだな、、ガウリイだもんな、、、
> アメリアの言葉に、ガウリイは不思議そうに、自分の翼の飾りを見る。
> 違和感を感じる。それは、その巴が発する力を強いと思うものではなく、弱いと思うもの。
>「そんなにすごいもんなんですよ、それって」
> いまいち納得がいかない様子のガウリイに、もっと納得がいかないようにアメリアは言う。
>「ええ、そうです絶対! だって、ゼルガディスさんもミリーナさんも、『早すぎだ。お前わ』って言って誉めて下さったんですよっ!!」
「それって誉めてないと、、、」
> なにやら、自分で勝手に呟き、アメリアは自分で勝手に納得していた。
>「そうですよね、そうに違いませんっ!」
合理化してるぞ、、、
> 突然、後ろから声が掛けられる。
> 振り向くと、そこには先日知り合ったばかりのプリンシパリティーのミリーナと、見慣れない男。
> 翼には、力天使ヴァーチューズの証である、サファイアの飾り。
>「俺の名はゼルガディス。見て分かるとおり、力天使だ。先日は、衛星都市デイジーで俺の部下が世話になったな」
「あ!ゼルガディスさんだ!」
>「・・・・・・そんなことあったっけ?」
>「あったんだ、ともかく話を合わせろ!」
> 完全に忘れているガウリイの言葉に、呆れつつ男・・・ゼルガディスが訴えかける。
あきれるわな、そりゃぁ、、、
>「そこで俺は、天神様からお前とアメリアの世話を頼まれた。精一杯しごいて修行させろ、とな」
>「修行ですか!?」
「修行!?」
いちいち反応するなよ、、、お前も、、、
> ゼルガディスはそこで言葉を止め、ガウリイとアメリアを促した。
>「とりあえず、ここから西に行ったところにある、衛星都市アメリカネリまでついてきて貰う」
>「はいっ!」
>「はい」
>「・・・はい」
「はーい!」
お前まで返事するなよ、、、
>「さて、修行といったが・・・一体、何をするか」
>「・・・何しにこの街に来たんです?」
>  ぎくっ。
、、、、、、なにかあるな、、
「なにがです?」
、、、、、、、、
> ミリーナの問いかけに、ゼルガディスは黙り込む。
> まさか、これは言うわけには・・・
>「滝に打たれて修行する、とか?」
「寒そう、、、いたそう、、」
>「水ゴリかぁ。明らかに羽根が危ないんだけど」
>  ぎくぎくっ。
まさか、、、、特訓って、、、、
> アメリアとガウリイの言葉に、ゼルガディスは胸を押さえてしゃがみ込む。
>「あれっ、ゼルガディスさん、どうしたんですかっ?」
>「ちょ・・・ちょっと・・・持病の癪が・・・」
「持病の癪!?大丈夫なんですか?」
おいおい、、、、いいわけだろ、、、、
>
> ゼルガディスはそう言って、さっきの珠をミリーナに見せる。
> ミリーナが、まさかとばかりに、顔を驚愕させる。
>「この珠は、その者の能力値を、天使の位の証で示す。この透明は・・・ダイヤモンド。ガウリイ、あいつは・・・ケルビムの証であるダイヤモンドを、持つ資格がある」
「智天使、、、」
すごいな、、、、
>

>
>「あーあ、ひどい男だなぁ。お前ほど心配してくれる部下を、あっさり置き去りにするなんて」
> 突然背後からそう言う声が聞こえ、ミリーナは振り返る。
>「ルーク!」
>「よっ、ミリーナv」
おお!ルーク!いやーこの回登場人物多いな、、
>「別にルークが来なくても平気だったわ」
>「みりぃぃぃぃぃなぁぁぁぁぁぁっ」
ナイス。ミリーナ

>
>「とゆーわけで、何か知らないか?」
>「知ってるけど教えてやんねぇ」
>  ずべっ。
> 冥神の、その任には死ヌほど合わない陽気な性格の通り、明るく言った言葉に、ゼルガディスは顔面から目の前のテーブルに突っ伏す。
「痛そうですね」

>
> 
> さぁてと、次回でとうとう、フィブリゾとリナ以外のキャラが全員登場したことになります。
リナ、いつでるだろう、、、、
> お楽しみにv
「楽しみに、してます。」
セラフィムって漢字で、「熾天使」じゃないか?
「おお!って私が、言いたかったのに!今まで学校に補習に行ってた人が!」
ピキ
「あら、、、、かたまっちゃいました、、、、
えっと、、、とりあえず、感想でした。」

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11195にゃっ葵楓 扇 7/27-20:47
記事番号11181へのコメント

斎藤 由理とゆかりさんは No.11181「感想」で書きました。

>> こんにちは、みなさん。扇です。
>こんにちわ。
>「こんにちわ。」
 こんにちは、扇です。
 もしかしたらこのAofJ、このツリーが沈む前に完結するんじゃ・・・と思っていたりもする今日この頃(汗)

>>「汝、ガウリイ。汝の位を、この瞬間をもち、大天使アークエンジェルとする」
>「うそ、、、、早い、、、、」
 はっはっは、今日投稿した分じゃぁ、もう一気に能天使ですよ☆

>>「すっ・・・・・・っごいじゃないですか、ガウリイさんっ!!」
>> 思いっきり息を吸い込み、アメリアは大きな声を出した。
>>「たった五日ですよ、五日。今日でガウリイさん、生まれて五日なんですよっ!! それでもう、大天使アークエンジェルなんてっ!!」
>>「そんなにすごいもんなのかなぁ、これって」
>わかってないな、、、、、
>「そうですね、、、まあ、ガウリイさんですから」
>そうだな、、ガウリイだもんな、、、
 納得されてる!(笑)

>> アメリアの言葉に、ガウリイは不思議そうに、自分の翼の飾りを見る。
>> 違和感を感じる。それは、その巴が発する力を強いと思うものではなく、弱いと思うもの。
>>「そんなにすごいもんなんですよ、それって」
>> いまいち納得がいかない様子のガウリイに、もっと納得がいかないようにアメリアは言う。
>>「ええ、そうです絶対! だって、ゼルガディスさんもミリーナさんも、『早すぎだ。お前わ』って言って誉めて下さったんですよっ!!」
>「それって誉めてないと、、、」
 そーです、呆れてるだけです。

>> なにやら、自分で勝手に呟き、アメリアは自分で勝手に納得していた。
>>「そうですよね、そうに違いませんっ!」
>合理化してるぞ、、、
 アメリアだし。

>> 突然、後ろから声が掛けられる。
>> 振り向くと、そこには先日知り合ったばかりのプリンシパリティーのミリーナと、見慣れない男。
>> 翼には、力天使ヴァーチューズの証である、サファイアの飾り。
>>「俺の名はゼルガディス。見て分かるとおり、力天使だ。先日は、衛星都市デイジーで俺の部下が世話になったな」
>「あ!ゼルガディスさんだ!」
 ゼルガディスさんだよん☆

>>「・・・・・・そんなことあったっけ?」
>>「あったんだ、ともかく話を合わせろ!」
>> 完全に忘れているガウリイの言葉に、呆れつつ男・・・ゼルガディスが訴えかける。
>あきれるわな、そりゃぁ、、、
 普通の人ですからね・・・ゼルは・・・

>>「そこで俺は、天神様からお前とアメリアの世話を頼まれた。精一杯しごいて修行させろ、とな」
>>「修行ですか!?」
>「修行!?」
>いちいち反応するなよ、、、お前も、、、
 はっはっは、ゆかりさんは修行が好きなようで(違う気がする)

>> ゼルガディスはそこで言葉を止め、ガウリイとアメリアを促した。
>>「とりあえず、ここから西に行ったところにある、衛星都市アメリカネリまでついてきて貰う」
>>「はいっ!」
>>「はい」
>>「・・・はい」
>「はーい!」
>お前まで返事するなよ、、、
 やっぱマジで修行好き?

>>「さて、修行といったが・・・一体、何をするか」
>>「・・・何しにこの街に来たんです?」
>>  ぎくっ。
>、、、、、、なにかあるな、、
>「なにがです?」
>、、、、、、、、
 ・・・・・・・・・・・・。

>> ミリーナの問いかけに、ゼルガディスは黙り込む。
>> まさか、これは言うわけには・・・
>>「滝に打たれて修行する、とか?」
>「寒そう、、、いたそう、、」
 羽根がね(笑)

>>「水ゴリかぁ。明らかに羽根が危ないんだけど」
>>  ぎくぎくっ。
>まさか、、、、特訓って、、、、
 そのまさか。

>> アメリアとガウリイの言葉に、ゼルガディスは胸を押さえてしゃがみ込む。
>>「あれっ、ゼルガディスさん、どうしたんですかっ?」
>>「ちょ・・・ちょっと・・・持病の癪が・・・」
>「持病の癪!?大丈夫なんですか?」
>おいおい、、、、いいわけだろ、、、、
 ははははははは(カラ笑い)

>> ゼルガディスはそう言って、さっきの珠をミリーナに見せる。
>> ミリーナが、まさかとばかりに、顔を驚愕させる。
>>「この珠は、その者の能力値を、天使の位の証で示す。この透明は・・・ダイヤモンド。ガウリイ、あいつは・・・ケルビムの証であるダイヤモンドを、持つ資格がある」
>「智天使、、、」
>すごいな、、、、
 ま、理由は今日投稿した分をお読み下さい。

>>「あーあ、ひどい男だなぁ。お前ほど心配してくれる部下を、あっさり置き去りにするなんて」
>> 突然背後からそう言う声が聞こえ、ミリーナは振り返る。
>>「ルーク!」
>>「よっ、ミリーナv」
>おお!ルーク!いやーこの回登場人物多いな、、
 ふっふっふ、この程度で驚いてちゃいけませんよ。

>>「別にルークが来なくても平気だったわ」
>>「みりぃぃぃぃぃなぁぁぁぁぁぁっ」
>ナイス。ミリーナ
 ミリーナだもん。

>>「とゆーわけで、何か知らないか?」
>>「知ってるけど教えてやんねぇ」
>>  ずべっ。
>> 冥神の、その任には死ヌほど合わない陽気な性格の通り、明るく言った言葉に、ゼルガディスは顔面から目の前のテーブルに突っ伏す。
>「痛そうですね」
 ま、岩だし(この話じゃそうじゃなさそうだけど)
 
>> さぁてと、次回でとうとう、フィブリゾとリナ以外のキャラが全員登場したことになります。
>リナ、いつでるだろう、、、、
 もうちょっと先です。

>> お楽しみにv
>「楽しみに、してます。」
 ありがとですv

>セラフィムって漢字で、「熾天使」じゃないか?
 いや、知ってるんですけど、家のパソじゃ出ないんです。
 無理に出そうとすると文字化けするし。

 ではでは、扇でした〜☆

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11154Re:Angel of Judas 〜お知らせ〜斎藤 由理とゆかり 7/25-16:21
記事番号11146へのコメント


> こんにちは、みなさん。扇です。
こんにちわ!由理です。
「ゆかりです。」
> 本日は、なんつーかまぁ、新連載です。
わー!
「予告で書いていたものですね」
> 『えんぢぇる おぶ ゆだ(こう書くとギャグみたい・・・)』略して『AofJ』・・・のお知らせ編。
> 絶対見て下さい。絶対じゃないけど(←矛盾屋)
「絶対にみます」
> 天使、悪魔の階級について、です。
> 読んでないと本文分かりにくいです。
>
> 
>  天使階級(上の方が上位)
>
>  英文字読み       漢字で書くと、こう
>・セラフィム      この天使名の漢字は文字化けするので・・・
>・ケルビム       智天使
>・オファニム      座天使
>・ドミニオンズ     主天使
>・ヴァーチューズ    力天使
>・パワーズ       能天使
>・プリンシパリティー  権天使
>・アークエンジェル   大天使
>・エンジェル      天使
>・その他        戦乙女、守護天使など。
>
おお!私達のと似てるな
「学校で書いてるほうですね。
でも、私達のにはミカエルとガブリエルがいますよ」
アークエンジェルは、魔界に追放された天使だしな

>
> とりあえず、以上のことを分かってくれると、本文のわかりやすさは当比社50倍・・・かな?
> ちなみに、タイトルの『ユダ』とは、みんな知ってる(ハズの)イエス・キリストの13人目の使徒ですが、彼はキリストを裏切り処刑にまで導いてしまった人です。
私は知らないな。ゆかりは?
「私もちょとわかりません、、、、すいません」

感想というのかわからないものになりましたがきにせずに
「敬語にあわない、、、」
ゴス
では、斎藤 由理でした。


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11162いつもどうもっ!!葵楓 扇 7/25-21:39
記事番号11154へのコメント

斎藤 由理とゆかりさんは No.11154「Re:Angel of Judas 〜お知らせ〜」で書きました。

>> こんにちは、みなさん。扇です。
>こんにちわ!由理です。
>「ゆかりです。」
 おっ、今日はお二人様なんですね。

>> 本日は、なんつーかまぁ、新連載です。
>わー!
>「予告で書いていたものですね」
 そぉでーす。

>> 『えんぢぇる おぶ ゆだ(こう書くとギャグみたい・・・)』略して『AofJ』・・・のお知らせ編。
>> 絶対見て下さい。絶対じゃないけど(←矛盾屋)
>「絶対にみます」
 ありがとでーっす!

>> 天使、悪魔の階級について、です。
>> 読んでないと本文分かりにくいです。
>>
>> 
>>  天使階級(上の方が上位)
>>
>>  英文字読み       漢字で書くと、こう
>>・セラフィム      この天使名の漢字は文字化けするので・・・
>>・ケルビム       智天使
>>・オファニム      座天使
>>・ドミニオンズ     主天使
>>・ヴァーチューズ    力天使
>>・パワーズ       能天使
>>・プリンシパリティー  権天使
>>・アークエンジェル   大天使
>>・エンジェル      天使
>>・その他        戦乙女、守護天使など。
>>
>おお!私達のと似てるな
>「学校で書いてるほうですね。
>でも、私達のにはミカエルとガブリエルがいますよ」
>アークエンジェルは、魔界に追放された天使だしな
 魔界に追放された・・・またどうやって・・・?
 ミカエルとガブリエルってのは天使の階級の名前ではなく、四大天使の名前ですからねぇ。残りは、ウリエルとラファエル。

>> とりあえず、以上のことを分かってくれると、本文のわかりやすさは当比社50倍・・・かな?
>> ちなみに、タイトルの『ユダ』とは、みんな知ってる(ハズの)イエス・キリストの13人目の使徒ですが、彼はキリストを裏切り処刑にまで導いてしまった人です。
>私は知らないな。ゆかりは?
>「私もちょとわかりません、、、、すいません」
 いや、まぁ、知らなくても死ぬもんじゃないし(おい)
 あと、由理さん&ゆかりさん、「てんてん」は、「、」しかないんですか?
 「・」があると思うんですけど・・・

>感想というのかわからないものになりましたがきにせずに
>「敬語にあわない、、、」
>ゴス
>では、斎藤 由理でした。
 お、ナイスな音が(笑)
 ではでは、扇でした〜☆

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11170Re:いつもどうもっ!!桜井 ゆかり 7/26-01:41
記事番号11162へのコメント


>>おお!私達のと似てるな
>>「学校で書いてるほうですね。
>>でも、私達のにはミカエルとガブリエルがいますよ」
>>アークエンジェルは、魔界に追放された天使だしな
> 魔界に追放された・・・またどうやって・・・?
> ミカエルとガブリエルってのは天使の階級の名前ではなく、四大天使の名前ですからねぇ。残りは、ウリエルとラファエル。
実は、学校で書いているものをスレイヤーズにしてみようということになりました、、、
もう、人物と設定を書き直してみました。そしたら、ピッタリあてはまっているんですよ。ですので、近いうちに、投稿します。
>
> あと、由理さん&ゆかりさん、「てんてん」は、「、」しかないんですか?
> 「・」があると思うんですけど・・・
あるんですけど、こっちのほうがいいかなぁーと思いまして。
>
>>感想というのかわからないものになりましたがきにせずに
>>「敬語にあわない、、、」
>>ゴス
>>では、斎藤 由理でした。
> お、ナイスな音が(笑)
2人で書いてたので、本当に叩かれたんですよ。
あれは、痛かったです。しくしく、、、、
> ではでは、扇でした〜☆
では、ゆかりでした。