◆−真実のある所−CANARU(7/28-10:11)No.11204 ┗疲れが溜まったら・・・(笑)−P.I(7/29-00:18)No.11227 ┗「癒し」を求む!!?(笑)−CANARU(7/29-09:59)No.11232
11204 | 真実のある所 | CANARU | 7/28-10:11 |
「あ〜〜あ・・・・・・。」 何処か遠くへ行きたいわ・・・・・・・・・・・・。 まだしも合法的なマフィア組織,『カタート』総帥ゼロスの妹。 しかし、実態は彼は『義兄』にしかすぎず・・・・・。 ルクセンブルク公国の『ワルキューレの騎士団』の副旅団長・・何ぞと言う肩書きを持っていたりするのだが・・・・・・・・・・。 更に言えば・・。今、物憂げに何処と無く空を眺めているその彼女・・リナこそ ルクセンブルク公国の公女様だったるするのだ・・・コレが・・・・・・・。 そんな非現実的ながら・・・・ソレが彼女にとっての「現実」であった・・。 勿論、そんな中をずっと生きていれば必然「嫌気」も生じてくる。 以前一回、馬鹿兄ことゼロスと大喧嘩して何処へとも無く家出してしまったが。 「・・・・『家出』とすら気付かれない様に・・・・。」 どっかに行ってしまおうかな〜〜〜〜〜〜♪ などと邪悪な考えがリナの脳裏に過る。 「・・・・・・前回は・・パスポートでバレちゃったけど・・・・・・。」 偽造パスポート(実際に遣うわけではないので犯罪ではない!!)を机に忍ばせておけばばれるような事は多分ありえないだろう。 行き先は・・幼い頃からの憧れの場所・・・・。 あそこにだけは・・一度も行った事が無いのだ・・・・・・・・・・・・・。 「なあ〜〜〜・・・。ゼロス・・・。」 すっかりその存在を忘れ去られていたのだろうか・・・? リナの名目上仕事の相棒であるガウリイが片手に牛乳、片手に傘と言う訳の分からない 格好で総帥室に居るゼロスの元にやってくる。 「ナンです・・。奇妙な格好して・・・・・。」 「・・・いや・・傘干してたら牛乳飲みたくなって・・・。」 訳の分からない事を言うガウリイにゼロスは冷たく一言。 「腹、壊しますよ。」 とハッキリと言ってやる。 「・・・まあ、腹は壊れても壊れないモノだからその話しは暫しさて置きとしてだ・・。」う・・・・・・・・・・・・・・。 見事に「小学生の謎謎作戦」で嫌味をかわすとは!!! 「ふふふ・・なかなかやりますね・・・ガウリイさん・・・。」 まっさかこのクラゲにしてやられるとは思っても見なかったゼロスが引きつり笑いを浮かべながらガウリイに言う。 「はへ・・・?何がだ・・・」 更に自覚無しと来てやがる、か・・・・・・・・・・・・・・。 「そう言えば・・朝からリナさんの姿が見当たりませんね。」 何やら一人で険悪モードに突入しているゼロスの気を宥める(?)ために不意に話を 在らぬ方向に持って行くアメリア。 「そう!!それだよ!!アメリア!!リナが居ないんだよおおおおお!!!」 やおら牛乳を放り投げ、絶叫するガウリイ・・・・。 「おい・・ガウリイ、ガウリイ・・・・。」 何故かゼルがガウリイの長く伸ばした金髪をクイクイと引っ張って後方を指差す。 「はへ・・ど〜した・・ゼルって・・ああああ〜〜〜〜(汗)」 ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ・・。 其処には・・・・。 頭から牛乳をぶっかぶったゼロスが何やら君の悪い薄笑いを浮かべているのだった。 「・・・まあ・・良いですよ・・。ど〜せ最近の僕は・・・。遣いパシリのこき使われ魔の・・更に・・あーだ、こーだ・・ブツブツブツブツ・・・・・・・・・。」 なんだか・・完全にイジケてしまったよう、である。 「またコイツにいじめられて家出したんじゃないのか〜〜〜?」 そんなゼロスに構わず、頭から牛乳をかぶった悲劇の人を平気で指差しながらガウリイは文句を言う。 「・・・・・そりゃ〜無いだろ・・・。ココの所派手な喧嘩で俺達まで巻き添え食らうなんて事件最近起こってないからな。」 しばし考えた様にゼルが言う。 「・・・・・・・・・・パスポートも・・・・あるようですね・・・。」 リナ専用の机の中身を確認しながらアメリア。 だが・・・その動きがまもなく凍りつく・・・・・・・・。 「どした…?アメリア・・・・・・・・・・・・。」 「・・・・リナさん・・よっぽど切羽詰ってるみたい・・です・・・・。」 何やらワナワナと震えながら呟くアメリア。 「・・ど〜ゆ〜事だ・・・・・・??」 アメリアにガウリイが問い掛ける。 「・・・・・リナさんが・・・こ〜んなミスやらかすなんて・・信じられません!!」 言いながらアメリアはパスポートを思いっきりガウリイとゼルの方に投げつける!! 「・・・・・確かに・・な・・・・・。」 「ああ・・・・・・・・。切羽詰ってる・・な・・・・・。」 そう。リナなら用意周到にすっかり『本物』と見間違うばかりのパスポートを 用意したとしても不思議は無い・・だろう・・・。 だが・・・・・・・・・・・・・・・。 「何でだよ・・何でアイツが!!『お子様玩具パスポート!!』なんて・・・。 馬鹿げたモンを!!!」 思わずガウリイが絶叫する!!! 「だから!!リナさんが切羽詰ってる!!そう言っているんです!!」 半泣きしながらアメリアが絶叫する!!!!! 「ともかく・・リナの居所を一刻も早く探さないと・・・・。」 いいかけるゼルに・・・。 「ソレには及びませんよ・・・・。」 牛乳を拭きながら不敵な笑みを浮かべながらゼロスが答える。 「如何言う事ですか・・・?ゼロスさん・・・・・・。」 アメリアがそんな牛乳を拭いている動作にのみ注意を払いながらゼロスに聞く。 「・・・答えは単純・・・彼女は『憧れの地』に行っている筈です。」 「如何して分かるんだ・・?そんな事・・・・・・・・・・・。」 不審そうにガウリイ。 「まあ、何時しか真剣にテレビで見ていたんでね。今度家出するなら其処、と 踏んだわけですよ。」 牛乳をたっぷり染み込ませたハンカチを空っぽの花瓶で絞りながらゼロスは言う。 「で・・・その憧れの地って・・何処なんです?」 「・・・・・西班牙・・グラナダですよ・・・・・・・・・・。」 「あ〜〜あ・・・。結局ガウリイには何も言わないで出てきちゃったけど・・。」 バルセロナの空港から暫し電車を乗りついて。 グラナダまで辿り付いたリナは思わず呟いてしまう。 ここは・・・かつては西班牙人の土地ではなく、ムーア人(サラセン人)の支配する土地であった。 しかし、カステリャー女王イザベルとアラゴン王フェルナンドが結婚して『統一西班牙』となったこの王国に滅ぼされた最後のサラセンの国・・・・。 イベリア半島の下の方にある、レコンキスタ(国土回復運動)とサラセン分化の入り混じった幻想の土地である・・・・・。 「暫く・・・ここでゆっくりさせてもらおっと・・・・。」 ナンだか最近、色色いっぺんにありすぎたからかな。 などと思いながらリナは辺りを散策する。 石造りの中世の城砦、町並みはアラビア風からヨーロッパの西班牙風まで。 様様な景色が灼熱の気温に映える・・・・。 テレビで見て以来、来たいと思っていた場所なのだが・・・・・・。 「分かった限り。リナさんの事を追いかける必用は無いでしょう。」 素っ気無くゼロスは更にハンカチのミルクを絞りながら呟く。 「ナンか・・無責任な事言ってますね。しかも・・ワザト・・。」 疑いの眼差しを浮かべながらアメリアが言う。 「・・・・出来れば僕はリナさんを一生グラナダには行かせたくは無かったんです・・。と、ある人物には死んでも面会させたくは無いのでね。彼女の『騎士団』としては。」 言いながら今度は何処からとも無く新しいハンカチを取り出す。 「ど〜ゆ〜事だ・・・・・」 ガウリイがゼロスに言いかけたその時だった・・・。 るるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる〜〜〜♪ 「・・おい・・鳴ってるぞ?」 ゼルが机の中を指差しながら言う。 「ああ・・。リナのイリジウム携帯だ・・。アイツ・・携帯まで置いて行ったのかよ。」こりゃ〜〜〜・・・。 よっぽど疲れていて自由になりたかったらしい・・・・。 『おい・・リナか?』 声を潜めた口調でジョヴァンニが言う。 まあ・・このイリジウム携帯に電話をかけてくる・・と言ったらこのリナの実兄 のジョヴァンニ以外には考えられないのだが。 「あ・・リナは・・・。」 「ナンだ・・。ガウリイか・・。リナの携帯に出てるって事は・・。アイツは トイレか何かか?ともかく・・今すぐグラナダに飛んでくれ!!如何すれば良いのか俺も出切るだけ模索するから・・・・『アーナ』と言う女性を助けてくれ!!」 そう言い残してジョヴァンニは忙しく電話を切る。 「・・・ナンだったんです?ガウリイさん・・・・・・。」 アメリアが退屈そうにガウリイに電話内容を問いただす。 「ああ・・・『アーナ』って言う女の人を助けてくれって・・・。って・・。誰だろな。」暫し考えた様にガウリイが言う。 「・・・ルクセンブルクの呼び方では・・『アンヌ』・・でしょうかね・・。」 なかば勘弁したような声でゼロスがガウリイに言う。 「・・・・・・・・・アンヌ・・・・・・・・・・・・????」 一人だけ・・・ルクセンブルクでその名前を持つ人物をガウリイは知っている。 「誰です〜〜〜?ソレ・・・??」 呆然としているガウリイにアメリアが興味本位、と言った口調で聞いて見る。 が・・・・・・・・・・・・・・・。 その視線は・・・・尋常では無い思いを抱えて居る事は確か・・である。 「・・・リナさんは。一生『彼女』に会わせる事は・・したくなかったんですけどね。 まあ・・それはルナさんの方針ですから、後で僕がボコボコにされれば済むだけの話しですけど・・・。」 新品の綺麗なハンカチだと言うのにやはり牛乳に汚された机をふき取りながらゼロスはいう。 「・・・・・・。アンヌ様と・・リナの関係は・・ナンなんだ・・ゼロス!!」 頭に過った事を振り払おうとでもするようにゼロスにガウリイは問い掛ける。 「それは・・貴方の予想通り、ですよ。ガウリイさん。元々アンヌさんは西班牙のバルセローナ出身でしてね。まあ、捕らえられるとしても・・。母国って所が皮肉ですね。」 尚も机の掃除を休めずにガウリイにそう告げる。 「・・・・良く分からんが・・・・。」 『アンヌ』が事件に巻き込まれている今・・・・。 その『余波』をもっとも受けやすい人物は『ジョヴァンニ』と『リナ』と言う事に なる。 あくまでリナはこの事件を知らないし、ジョヴァンニの捜査も何時妨害が入るかも 分かったものではない。 「西班牙へ行く・・・・・・・・・・。」 今は何をさて置きその事を実行するのが先決・・・・だろう・・・・・・・・。 「さて・・と・・・。今夜の宿は・・・・・・・・。」 そう言いながらリナは古ぼけた中世の面影を残した町並みと石畳を踏みしめる。 物音など聞こえない昼下がり・・・。 ただただ風の音だけが市内をぐるり・・と巡らした城壁に反響して響き渡る・・。 それだけの・・・・・ハズだった・・・・・・・・・・・・。 ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!いきなり聞こえる地を揺さぶるような音!!! 「きゃ!!!!!!!!!!!!!!!」 曲がり角を曲がって飛び出してきた少年とマトモにぶつかってバランスを崩すリナ!! って・・・・・ちょっと!!!!! 見間違いでは無かったら・・・・本当に一瞬リナの頭にそんな言葉が過る。 「ごめんなさ・・・・・・・・・・・・!!」 そう言いかけた少年の 瞳がリナの顔を思いきり凝視する。 「え・・・あの・・・?????」 頭の中に「?」のマークだけがグルグルと駆け回り・・・・・・・・・。 「コレ!!預かってください!!あ、隠して!!!」 リナになにやら包みに包まった品物を渡して逃げ去って行く少年・・・。 「ちょ・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 さっさとその場を離れて少年は走り去り曲がり角を曲がって姿を消す。 ソレと同時に現れる、人相の悪い数人の男達!! 一応『隠せ』と言われたその包みに包まれた品物は隠しているから問題は無いとは思うが。この包みの中身の『何か』がかの少年が追い掛け回されていた理由に他ならないだろう。 「おい!!そこの娘!!さっきガキが・・・・。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 西班牙語が分からないフリをして少年の逃げ去った方向とは逆の角を指差すリナ。 「こっちか!!!!」 とかナンとか言いながらサッサと行ってしまう連中。 一体全体・・何だったんだ・・・・??????? 一応隠した包みの中身を預かった人間の特権として覗いて見た所で罪にはならないだろう。 そっと尻の下に隠した(酷!!)紫色の風呂敷の包みを解いて見学して見る・・。 「西班牙統一の経緯を知っていますか?」 今にも西班牙に出かけ様としているガウリイをとりあえず引きとめて。 ゼロスは何時もの秘密主義に似合わなく秘密を語るような口調で言う。 「ええ。知ってますよ。素敵な恋物語ですしね・・・・・。」 西班牙王女イザベルは不遇な境遇にあった・・・。 無能な兄国王とは犬猿の仲。『高き塔の恋歌』などという美しい名前だが辺鄙な 地に追いやられ・・・・・。 兄に反乱を企んだ最愛の弟を殺され、孤立無援、そのうち兄によって政略結婚 を命じられた・・・。 しかし、そんな彼女にも救いの手が現れた・・・。 隣国、アラゴンの王子フェルナンドである・・・・・。 彼女は辛い旅の末、アラゴンに辿りつき・・アラゴン王子はカステリャー王女を 助け、彼女と結婚し王位にも登らせた・・・・・。 更に数年後、彼もアラゴンの王となり・・・・・。 『アラゴン』『カステリャー』は統一され『スペイン』王国が誕生した。 「その通りです。で・・・その二人の結婚を祝って作られた一つの宝物がありましてね・・・・。その宝物の『番人』である家系の女性が・・・・・。」 「その・・『アーナ』・・こと『アンヌ』って奴か・・・。」 暫し考えた様にゼルが言う。 「じゃあ・・今回は元、フレイの騎士団の悪事とは・・・・。」 「まあ・・・基本的には別件ですね。あくまで『基本的』には、ですが。 リナさんにとってはかなり重大な問題ですけどね・・・・・。」 暫し考えた様にゼロスが言う。 「でも・・・一応リナが絡んでるって事は・・・・。」 「『ワルキューレの騎士団』も動いている事は事実、です。まあ・・・。リナさんが巻き込まれれば確実的に状況は厄介な方に動き出すますけどね。」 なにやら・・・・・。 なお更厄介な事態に既になってるような気がするガウリイだった・・・・・。 「しっかし・・・。ど〜すればいいのかしらねえ・・・・。」 その日の晩の事である。 とりあえずあの後、何事も起こらないで済んではいるので宿屋をとって休んでいるのだが。 其処で広げて見る包みの中身。再度しげしげと眺めて見る。 感慨深げに一枚の木箱の彫刻・・・・・・。 女王イザベルと国王フェルナンドを象った高価な品・・・・・・。 そしてその下に隠されている2つの金色と銀色の鍵・・・・・・・。 こんな物を押しつけられても使用法が分からないどころか・・・・。 流石に突発的に家を出てしまった限り、あの少年が『ワルキューレの騎士団』のバッジをつけていたことを確信しても馬鹿兄やガウリイに伝えるわけにはいかない。 死ぬほど厄介な事に巻き込まれている・・・・。 リナのその直感が的中するのは翌日の事である・・・・・・。 「ったく・・リナも何を好き好んで・・・。」 こ〜〜んな石ばっかりの城を好んだんだろう・・・? グラナダの景色・・確かに幻想的だがど〜も馴染め無い物を感じながらガウリイは 辺りを眺める。 赤茶けた髪の娘・・・・・。 探す事は恐らく簡単・・・・であるとは思える・・・・・。 「でも・・アイツの髪の毛は・・母親譲りだったんだな・・・・。」 幼い頃・・あっというまに『意図的』に『行方不明』にされてしまった赤ん坊。 その時、ガウリイは大人達の権謀術に騙されてその赤ん坊を『男の子』だと思い込んでいた。 だが・・・・それは幼い日のリナだった・・・・・・・。 そして・・・その母親の事は今でも忘れられない。 幼心に憧れてさえいた・・赤い髪に・・華奢な微笑み・・・・・・。 『アンヌ・・・・・…・・・・・・・・・・.』 ルクセンブルクを離れて以来、彼女がどうなったのかはガウリイ自身まったく知らない。 だが・・・そのアンヌが危機に合い・・その娘であるリナの身にも・・・・・?? るるるるるっるるるるるるるるるっるるるるるるるるるるるるるるるるる〜♪ 出掛けるに当たって持ち出してきたリナのイリジウム携帯がなる。 「リナ?手早く言う。箱を探してくれ!!中身は見てのお楽しみだ。」 ツ〜〜ツ〜〜ツ〜〜ツ〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・。 本当にて手早く言って電話を切ってしまうジョヴァンニ・・・・・。 「・・・まあ・・盗聴の確立が在る時は・・よくやる手段だけどさ・・・・。」 なおもブツブツ言いながら街中を散策するガウリイ・・・・・・。 「お嬢さん・・なかなか出身は良いみたいだね。旧貴族化何か?」 道端に出ていたジプシーの占い。 興味本位で・・無料だというのでリナは占ってもらうことにしる。 「まあ・・・そうみたい・・ね・・・・。」 言いながらリナは頭をぼりぼろと掻き揚げる。 一応ルクセンブルクの公女様・・なんぞと言う肩書きなのだからそうなんだろう。 「で・・・・。結構事件に巻き込まれちゃったり、とか・・。」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。図星・・・・・。」 正確に言えば・・・・。 「あの男!!」・・・・・。 ガウリイに出会ってから妙に事件に巻き込まれる頻度が増しているのだが・・・。 「で・・・周囲にごくたま〜〜〜〜に・・だけど。疲れちゃったり、とか?」 言ってジプシーはベールに隠された顔とはいえ・・何やら微笑んだだろう。 「まったくもって、よ。」 実際現在疲れてこ〜〜んな(憧れの土地だけど)辺鄙な所に来ているくらいである。 「貴方は母親似・・・ですね・・・・・。」 不意に占い師の言動の矛先が変わったところを突いて来る・・・・。 「・・・・・知らないわ・・・・・・・・・・・。」 ガウリイの言う所に言えばリナは何時の間にかルクセンブルクから失踪した・・・。 らしいので・・・。実の母親の事なんて覚えてすらいないし・・・。 「そう?じゃあ、会いたいとは思わない?」 リナの手首を持って何やら手相を見ていた占い師の口調が不意に変わる。 「何・・・・・・・・・・・???」 気付いたときには時は既に遅かった・・のかもしれない。 全身に走り抜ける電流・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 「く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 暗転する意識・・・・。そして・・・・・・・・。 「・・・お嬢さん・・お嬢さん・・・・・。」 不意に頭を撫ぜられる感触がする・・・・・・・・・・。 あ・・・・そっか・・・・・。 電流を流されて・・意識が暗転して・・・間抜けにも捕まってしまった・・らしい。 「あの〜〜・・。オバさ・・いや・・。貴方は・・?」 赤茶けた髪の・・・品の良い綺麗な女性・・・・・。 心なしか『誰か』に似ているような気がすがするのだが・・・・・・。 暫く考えを巡らしリナは・・不意に頭に思い当たることが芽生え・・。 ポン、と手を鳴らして一言!! 「ジョヴァンニに〜さま!!!!」 と、女性の方を見ながらハッキリとした口調で言ってしまう。 「・・・・。ジョヴァンニを知っているの・・・・??」 知っている・・と言われても・・。物心ついたときに周りに居た身内は馬鹿兄ゼロスに実兄のジョヴァンニだけ・・である・・・。 ルナね〜ちゃんは良くどっかに飛びまわっていたから良くは知らないのだが・・・。 「ジョヴァンニはアタシのに〜さまよ。ルクセンブルクの(?)ジョヴァンニ!!」 ハッキリとした口調で今度こそリナは告げる。 みるみるうちに女性の顔色が変わる・・・・・・・・・。 「貴方・・・もしかして・・リナなの・・・・・・・・????」 「リナが捕らえられただって?」 ワルキューレ騎士団のバッジをつけたガストンより少し年上くらいであろう・・ 少年がガウリイに状況を報告したのはリナの攫われた街角の程近くだった。 「はい・・・。流石に追う事は叶いませんでしたが・・。連中のアジトは既に調査済みです!!」 言いながら少年はガウリイに地図を差し出す。 「分かった・・・。後は俺が何とかする・・・・・・・・・・。」 ったく・・つくずく世話を焼かせる公女様・・なものだ・・・・。 「単刀直入に言います。貴方はナンで捕らえられたの。お母様・・。どうやら・・。 連中にはアタシも捕らえなければならない理由があるみたいですけど・・・。」 感動の再会・・などという悠長な事を言ってる場合ではない。 「そうね・・・。私は代々、このグラナダの宝を管理する家系の一人娘として産まれたの。そして・・私はルクセンブルクに嫁いだんだけど・・。必然私は一人娘なので『グラナダ』の宝物のガーディアンの役割は『ルクセンブルク』の人間である貴方とジョヴァンニに渡る・・・・・。」 「ソレを・・心良しとしない連中が居る・・そ〜ゆ〜事ね?」 リナの言葉に頷くアンヌ。 がしゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああ〜〜〜んん!!!! いきなり牢屋にまで凄まじい轟音が聞こえてくる。 「いっけね・・。酒樽・・中身が入ってるのに。持ったいなことしちまったなあ・・。」 其処に・・その轟音を出した張本人であろう・・・。 頭をボリボリと掻きながられた金髪のその人物は・・・・・・・・・。 「・・・が・・ガウリイ・・・・・・・・・??」 「・・・・お〜♪居た居た!!家出娘!!三流悪人はやっつけぜ!!」 驚愕しているリナに微笑みかけながらガウリイは柵を破壊しようとするが・・・。 がいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい〜〜〜〜〜〜〜ん!! 「きゃあああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!やめてええええええええええ〜〜〜〜!!」 「ガウリイ君!!それじゃあ・・ガラスを釘を立てて擦ってるようなものよおおお!!」イヤな音を立てるだけの役割しか果たさないガウリイの行動にリナとアンヌの講義が殺到する!! 「じゃあ・・どうすれば(ぎぎぃぃぃ〜〜ぎぎぎぎぃぃ〜〜♪)良いんだよ(ぎぃしゃあああああしゃぁぁぁぁぁ〜〜♪)・・・?」 「だあああ〜〜〜だから!!その手を止めて〜〜〜〜〜〜〜〜!!(絶叫!!)」 「銀の鍵です!!宝物箱にある銀の鍵!!でも・・。リナ・・貴方が持っていたと言う事は・・・。箱の中身は連中が・・・・・。」 もはや気絶寸前のアンヌとリナ!! 「じゃあ、俺が探せば良いって事だよな。組織は完全潰滅させたし・・。」 そう嘯きながらガウリイは・・・・・・・・。 どんがらさっしゃあああああああああ〜〜〜〜んがらがらがらがっしゃあああああああ ああああああああああああああああ〜〜〜んご〜〜んご〜〜んご〜〜ん!!!! 「きゃあああ〜〜!!辞めて〜〜轟音立てないで〜〜!!脳髄に響く!!!」 コイツ・・確実的に置いて行って家出したこと・・根に持ってるわね・・。 そう思いながらリナは首にぶら下げた紐を取り出す。 「ココよ!!金色の鍵も銀の鍵もココ!!あんまりにもきれいだったからとりあえずペンダントにして持ち歩いてたの!!!」 かくして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 「ふ〜ん。そっか、でももっとお宝こいつ等が溜め込んでるかもしれないし〜♪」 どんがらがっしゃああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああんがらがらはしゃあああ〜〜〜〜んんんんんんんんん!!! 「ガウリイくん・・私が悪かったです・・・。許して・・お願い・・・。」 既に・・・アンヌ母上は気絶しているし・・・・・・・・・・。 「でもよ・・。リナ・・・。」 アンヌを夫である、ルクセンブルクの公爵のもとに無事送り届けて・・・。 「何?」 「親父さんに会ってか無くて良かったのか・・・??」 アンヌから貰った金の鍵を眺めながらリナは考える。 『その時』が来たら・・絶対に幸せを運んでくれる・・アンヌはそう言った鍵。 「まだ・・良いわ・・・・。」 今はまだ本当に会う気分ではない・・・・・・・。 「そっか・・。じゃ〜ま。リナさんが家出反省した所で。飯にでもするか!!」 「賛成〜〜〜〜♪」 そう・・。今はまだ・・このままで・・・。 そう今回ばかりはオチも無くリナは思うのだった・・・・。 (気が向けばまた書きます) |
11227 | 疲れが溜まったら・・・(笑) | P.I E-mail | 7/29-00:18 |
記事番号11204へのコメント CANARUさん、こんばんは!・・・って、も〜何日連続だ〜このご挨拶♪ 今回の話はちょっと外伝っぽかったですね。 リナちん・・・切羽詰まってる!!なんたってパスポートより大切な存在に 声もかけずに出奔しちゃったんだから(笑) でも行き先をアッサリ読まれちゃいましたね〜。さすがはゼロス! 「馬鹿」は付いても長年兄と呼ばれてきた人だけはあるっ!彼もちゃんとリナの ことを見ていたんですね〜(と一応褒めておきましょう! ^^) ガウリイくん、現・想い人と元・想い人を檻に閉じこめて超音波攻撃ですか(汗) さすがはオーリママの息子・・・ってゆーか、彼も実は疲れがたまってたんじゃ ・・・・(^^;)この埋め合わせは、いつかリナと二人でリナのご両親にご挨 拶に行くってことで♪ しかしグラナダの秘宝って何だったんでしょうね?イザベラとフェルナンドの 結婚を祝して作られたって、なんかすごくおめでたくて縁起が良さそう♪ リナが金の鍵を使う日が楽しみです〜♪ Pは明日から夏休みです〜♪好っきなだけ家でごろごろできると思うとも〜 幸せで・・・(ほろほろ)やっぱし人間には休暇が必要なんですよ!切羽詰まっ て突然出奔してしまうまで働いてちゃいけません!!(<おまいが言うか!) 昨日「ウィーン薔薇の騎士物語」の3巻買ってきましたです〜!1巻がオペラ 「薔薇の騎士」ネタ。2巻が吸血鬼ネタで、3巻は「オタク王」ルードヴィヒ 二世とワーグナーネタです!!う〜ん嬉しがらせるなぁ〜高野さん♪ それではまた次回作で〜!! |
11232 | 「癒し」を求む!!?(笑) | CANARU | 7/29-09:59 |
記事番号11227へのコメント >CANARUさん、こんばんは!・・・って、も〜何日連続だ〜このご挨拶♪ >今回の話はちょっと外伝っぽかったですね。 はうう〜〜!! きっと後の重要な話になる予定です〜〜!! ちなみにリナちゃん・・・ぢつは預かっただけの「かぎ」を 本当はくすねようとしてた・・という裏設定があったりします〜〜!! なかなかガメツイなあ・・・。 >リナちん・・・切羽詰まってる!!なんたってパスポートより大切な存在に >声もかけずに出奔しちゃったんだから(笑) ですねえ〜〜!! すっかり忘れられて根に持つガウリイ君ですね〜♪ >でも行き先をアッサリ読まれちゃいましたね〜。さすがはゼロス! >「馬鹿」は付いても長年兄と呼ばれてきた人だけはあるっ!彼もちゃんとリナの >ことを見ていたんですね〜(と一応褒めておきましょう! ^^) ははは〜〜!! きっとテレビ見ながらいつも 「行きたい〜〜!!行きたい〜〜!!行きたい〜〜!!」 と駄々こねていたことを牛乳かけられたショックで思い出したとか!!? >ガウリイくん、現・想い人と元・想い人を檻に閉じこめて超音波攻撃ですか(汗) >さすがはオーリママの息子・・・ってゆーか、彼も実は疲れがたまってたんじゃ >・・・・(^^;)この埋め合わせは、いつかリナと二人でリナのご両親にご挨 >拶に行くってことで♪ ですねえ〜〜!! まだまだ先のことになりそうですけど・・・。 嫌がらせ攻撃にかけてはオーリママ譲り!!ですね!! >しかしグラナダの秘宝って何だったんでしょうね?イザベラとフェルナンドの >結婚を祝して作られたって、なんかすごくおめでたくて縁起が良さそう♪ >リナが金の鍵を使う日が楽しみです〜♪ はい〜〜!! 多分ラストのほうに用意しておくエピソードだと思います!!(未定!!) ともあれ、もう暫くのお待ちを〜〜♪ >Pは明日から夏休みです〜♪好っきなだけ家でごろごろできると思うとも〜 >幸せで・・・(ほろほろ)やっぱし人間には休暇が必要なんですよ!切羽詰まっ >て突然出奔してしまうまで働いてちゃいけません!!(<おまいが言うか!) ですね〜〜!! ああ・・アタシも何処か遠くへ行きたいです!! やっぱり突然出奔!!ですねえ・・・。 >昨日「ウィーン薔薇の騎士物語」の3巻買ってきましたです〜!1巻がオペラ >「薔薇の騎士」ネタ。2巻が吸血鬼ネタで、3巻は「オタク王」ルードヴィヒ >二世とワーグナーネタです!!う〜ん嬉しがらせるなぁ〜高野さん♪ わ〜〜!! 面白そうです!!「大人二人の午後」を今は読んでます〜〜!! そちらが終わったら「グラディエーター」読みます!! 何かネタになればいいなあ〜〜♪ >それではまた次回作で〜!! では!! |