◆−大盗賊ネオ −極楽鳥(8/20-06:21)No.11552


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11552大盗賊ネオ 極楽鳥 8/20-06:21


「リナ、危ない!」
デュモンは自分の手であたしの頭上に振り下ろされるガウリイの剣を受け止めた。
ブシュゥゥゥ!!
デュモンの血液が、あたしの頭から顔を赤く染める。
「グ・・ウウ・・グ」
ガウリイは、何やら喚きながら剣から手を離し、急に頭を抱える。
無人の剣はデュモンの手の中に収まっており、柄をプランとたらしている。
あたしは動けなかった。この状況、この事態を把握するほどの精神力が無かったのだ。
「ソロモン!リナと一緒にAサイクル、ポイント10へ!」
「ハッ!」
ガッと掴まれた衝撃を感じ、我に返ると、ソロモンが私を抱えていた。
周りにはソロモンと睡眠中のオーガ、それを夜の闇と目の前のハルメイアの城壁が包んでいた。
「ちょ・・・と!デュモンは!ガウリイは!」
「動クナ!」
ソロモンの言葉にあたしはハッとなった。そういえば動いてはいけなかった。
しかし、周りにはガウリイとデュモンの姿は無かった。
「私トオマエヲ、テレポートデ移動サセタダケダ」
あたしの心中を察してか、ソロモンはそう言った。
まだ、あたしの心は落ち着かない。
何故、ガウリイがあたしを攻撃したのか。
あたしはソロモンに尋ねた。
「トリアエズ、ガウリイハ何ラカノ魔法デ正気ヲ奪ワレテイル」
細かく言うと、あれは魔族の技らしい。しかも、相当の上級魔族の。
そこまで言われると、あたしも正気を取り戻した。
「デュモンは大丈夫かしら」
「マア、アノ御方ナラ何トカナルサ」
ソロモンが意外と気楽に言ったので、あたしもそんな気になった。
「シカシ、コノ動イテハイケナイトイウ状況を打破シナイト話ニナランゾ」
「そうね・・・・・」
そこら辺はもう分かっている。
「まず、何らかの投射物である事は間違い無いわ」
ソロモンは頷く。
「そしてその投射物の位置だけど。あたし達の後ろのオーガが爆破された時、その周りの木や、オーガの持ち物なんかは、あたしの方向に吹き飛ばされた」
あたしは魔法詠唱の準備に入る。
「つまり、その投射物はあたし達より、オーク側にあった。今の位置はオーク側の延長線上ね?」
ソロモンは頷き、もう気付いたのか、ある位置を睨み付ける。
「そして、最後。ガウリイは剣を振り下ろす。そして、あたしとデュモンは身をかがめたるいう動作には何の攻撃をしなかった。いや、出来なかったのよ」
あたしもソロモンの睨み付けている位置を見る。
「答えは簡単。「上がっている」物体は見えても、「下がっている」物体は見えなかったのね。まあ、仕方ないと言えば仕方は無いわ。けど、それが仇になったわね!」
睡眠の振りをしていたのオークが目を開け、手を上げようとする。
しかし、遅い!
「「ダム・ブラス!!!」」
あたしとソロモンの呪文は重なり、オークを粉砕した。
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おはようございます!DAICHI改め、極楽鳥です。
しかし誰も見ないのかな〜。まあ、やり続けますが(迷惑)
それでは。                          DAICHI