◆−悪魔も天使の夢を見る事が出来るだろうか?(−理奈(8/20-13:43)No.11558
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11558悪魔も天使の夢を見る事が出来るだろうか?(理奈 E-mail 8/20-13:43


悪魔も天使の夢を見る事が出来るだろうか?

 そこは、一筋の光もないただの闇。まとわりつくような・・・・。おしつぶされてしまうような。何もない、黒。
 一人、その闇の中にほうり出されたみたいにたたずむ青年。この闇によく似た青年。肩まで切りそろいえている闇色の髪は、頭を動かすたび、絹のようにさらりと流れる。その闇よりもなお深い瞳は、冷たく、するどく光る。
 闇は、彼の居場所。彼がもっとも好む存在。
 だが・・・・・・。
 なぜ、こうも戸惑うのか・・・・・・・・・・・・・。
 彼は、まゆをひそめあたりを見回す。
 周りの感覚が感じられない。自分の存在すらも感じられない。
 これは、どういうことでしょうか?
 その時彼の前方に一人の女性の後姿が現れる。それを見て彼は、まゆをひそめる。
 小柄で細い身体。ふわふわの栗色の髪が流れる。
 彼は、彼女に声をかけようとした。が、止まる。
 名前が出てこないのだ。知っている。彼女の事は、知っているのに。
 戸惑っている間に彼女は、先へと歩き出す。
 あっ・・・待ってください。 
 声をかけるが彼女は、聞こえないのか、止まらず歩きつづける。
 彼女の名を呼ばなければ。だけど・・・・・。でてこない。そこまで出かかっている彼女の名前。
 『ゼロス!!』
 耳を劈くするどい音。それは、彼の名を呼んでいた。
 その時、彼女の背から何かがあらわるる。
 白く・・・・・純白の翼・・・・・・・・・・・・・。
 ふわりと彼女は、宙に浮き、そのまま飛び去って行く。
・ ・・・天使・・・・・・・?
それは、名もなき天使の姿だった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「夢?」
彼女のまゆがピクンとはねる。
「夢を・・・見たと?」
「はい」
自分でも馬鹿な質問をしたと思う。魔族も夢を見ることがあるのか。
「ふぅん」
考え込むしぐさをして彼女は、スラリと長く美しい足を組みなおす。
「夢と言うものは、思ったことや、願いや、考えが具体化、映像化して自分に見せている、心理的、精神的な物だと我は、思っているが。魔族も夢を見ることがあってもおかしくないのでは?」
「そうですか」
彼女がそう言うのならそうなのだろう。まぁ、たまに間違ったことを言うが。
すると彼女は、ニッと微笑む。
「それで。どのような夢を見たのだ?」
意地悪そうな笑顔を浮かべる。それを見てゼロスは、顔をしかめる。
おもしろがっている。きっと言えば彼女は、それで僕の事を遊ぶにちがいない。
彼は、とっさにそう思う。彼女は、彼の母とも言える存在だ。彼女の事は、自分が一番知っている。
「それは、秘密です」
「つまらん」
彼女は、頬をふくらませる。
「それでは、行ってまいります」
「ああ」
 自分の息子が仕事に出かけたのを見て、彼女は、ため息をつく。
 魔族が夢を・・・ねぇ。自分が存在していた永遠とも言える時の中、一度も見たことがない。ならば何故彼が夢と言うものを見ることができるのだろうか。どのような夢なのかは、知らないが魔族に夢など見せるような強い思いを彼は、持っていると言うのか?
 もしそうだとすれば・・・・それは・・・。
 「まさか・・・・」
 彼女は、その考えを振り払おうと首を振る・・・・・・・・・・・・・・・・。

 空間を渡り、ある屋敷の前へ出る。大きな門を通って屋敷の中へ入り、廊下を左へ曲がり、廊下の先にある大きな書斎の中へ入る。壁を埋め尽くす本棚。部屋の中央にある大きな机は、本で埋め尽くされ、床にも本がちらばっている。
 「シェーラさん?」
 部屋の中にいるはずの彼女の名を呼ぶ。
 「あっ、ゼロス?」
 すると本の山の中から彼女の顔が出る。
 「勝手に始めてていいよ。私は、昨日からのレポートが終わってないから」
 「はい」
 ゼロスは、適当に触っていない本棚から本を取る。
 ここは、グラウシェラーの屋敷。ここでゼロスとシェーラは、あたえられた仕事をしていた。それは、データ整理。それも降魔戦争以前のデータを全部と言うのだからそれは、莫大な量だ。ここ二百五十年くらいずっとデータ整理をさせられていた。
 グラウシェラーとゼラスと問いてもその答えに納得しなかった。
 いまさら降魔戦争のデータを整理してもなんの意味もない。ならば何故二人は、やらされているのだろう。
 僕が考えてもしょうがない。上の命令は、絶対なのだから。
 しかたなく、ゼロスは、今日も本をパラパラとめくり、そこに書かれてあるデータをまとめ、書き写す。同じ事の繰り返し。それだけで一日がすぎていき、また同じ日が来る。まるで本の中の同じシーンを何回も何回も繰り返して読んでいる、変化のない日々。
 いや、一つだけ変化があった。
 「シェーラさん」
 本をぱらぱらめくりながらゼロスは、死にそうな顔でレポートを書いているシェーラにたずねる。
 「何?」
 「夢って・・・見たことありますか?」
 「夢?」
 まゆをひそめ、彼女は、顔を上げる。 
 「さぁ。私、寝ないから」
 あなたに聞いたのが間違いでしたね。と頭の中で思いながらまた自分の仕事にもどる。
 「何。あんた夢見たの?」
 「ええ。夢なのかもどうかわかりませんが」
 「ふぅん。疲れがたまってるんじゃない?」
 彼女は、立ちあがり、ゼロスの腕を取る。
 「魔族が寝るじたい間違ってるのよ。久しぶりにあっちの世界へ行ってみない?息抜きにさ!」
 グイッとゼロスの腕を引っ張り、無理やり彼を立たせる。
 「シェーラさん、昨日からのレポートがまだ終わってないんでは?」
 「いいの、いいの!」
 シェーラは、単純に返事をして、彼をひっぱるように屋敷を飛び出し二人は、空間を渡る。
 そしてシェーラにつれられ二人が現れたのは、白魔術都市セイルーンだった。
 「最近ここに新しい洋服屋さんが出たのよねぇ〜」
 ゼロスの腕を引っ張りながら町の中へ入る。そこには、見慣れた町並みがあった。
 「変わっていませんね」
 「そうね」
 彼は、町の中を歩きながら思う。
 ここへは、何回か来たことある。仕事のため、休暇の時、いろいろと。しかし何回来てもそこは、あまり変わっていなかった。
 「あっ、ここ、ここ」
 シェーラは、お目当ての店を見つけ中へ入る。ゼロスもためいきを吐き、しかたがなく中へ入る。そこは、女性用の洋服店らしくドレスやスカート、ブラウスがならばれていた。
 「ねぇ、ねぇ、ゼロス、これかわいいでしょう?」
 シェーラは、さっそくドレスを手に取り、ゼロスに見せる。
 「かわいいといわれましても。魔族に服とか・・・」
 「いいじゃないべつに!私だっていちおー女の子なんだからドレスの一つや二つ、ほしいわよ」
 その時。
 何かが身体を包む。ビクッと身体が震え、凍りつく。何がそうさせたのか。彼女のその言葉か?どこかで聞いたことある台詞。こんな事たしかに昔あったような気がする。デジャヴ。
 いきなり襲った震えにゼロスは、必死に絶える。
 「シェーラさん・・・。僕あなたとこうやって洋服店に入ったことありますか?」
 シェーラは、ゼロスの言葉に目をぱちくりする。
 「ないんじゃない?あんたこーゆーの嫌いなようだし」
 そう。はっきり言って嫌いだ。魔族が楽しくショッピングなんて事しない。馬鹿げている。
 だが。何回かこうやって誰かと洋服店に足をふみいれた事がある。
 「ねぇ、ゼロスこれは?」
 シェーラがまたドレスを見つけ、彼に見せる。
 それを見たとたん身体がえぐられるような・・・気持ちが悪い感じがする。強い精神攻撃を受けたような。
 それは、紅色のドレスだった。
 赤。赤は、どちらかというと好きだった。血の色だから。だが・・・この色・・・・・。
 「シェーラさん・・・すみません。気分がすぐれないので外へ出ますね」
 「あら、そう?じゃあ私もうちょっと見て回るからゼロスも勝手に見て回っていいよ」
 彼女は、ゼロスの事を気にすることもなく言い放つ。ゼロスは、それを聞いて外へ出る。
 なんなのだ、この感覚は?気に入らない。紅いドレスがどうしたと言うのだ?
 どんなに記憶を廻っても紅いドレスにまつわる嫌な記憶は、どこにもなかった。では、何故紅いドレスを見ただけであんな反応を起こすのか・・・?
 悪い気分をふりはらおうとゼロスは、町の中を歩く。
 ちぃ。ここから早く立ち去りたい。白魔術都市に好き好んでいたくは、ない。だがシェーラを残して行ったらあとでどんな仕打ちを受けるか。永遠と彼女の小言を聞かなければいけない。
 とりあえずゼロスは、人ごみを避け、公園へ入る。そして公園の中央へとやってくる。大きな池。そしてその池の前に立っている白い銅像・・・・・・・・・・。
 「あっ・・・・・」
 吸い寄せられるように・・・・彼は、その銅像の前に立つ。
 それは、一人の女性の銅像だった。腰まである髪。小柄な身体。魔道師の格好だが・・・。こうやって銅像として公園にあるのだ。この国に取って重要な人物だったのか?名前が刻まれている所は、もう古くなり名前が読めなくなっている。この銅像が建てられたのは、やく二百五十年前くらいか。
 記憶をめぐる。セイルーンのような国に取っての重要人物だ。歴史にも載るほどの者だろう。にもかかわらず記憶にない。
 何千年も存在して来たゼロスだ。忘れ去る記憶もあるだろう。が、たった二百五十年くらいの記憶をわすれる事は、まずない。
 彼は、また銅像を見上げる。
 何故だろう。気になる。何故こうも気になるのだ?
 「旅の方かな?」
 いきなり後ろから声をかけられ、彼は、振り返る。そこに人のよさそうな老人が立っていた。
 「はい」
 彼女も彼とならんで銅像を見上げる。
 「祖母から聞いた話しなんじゃが。彼女は、歴代女王、アメリア様がもっとも尊敬し、いっしょに旅をした仲間なのじゃと。名前は、わすれたがアメリア様が言うには、歴史に残る天才魔道師じゃったそうだ。だからその彼女が亡くなった時アメリア様がこの公園に彼女の銅像を作らせたのじゃよ。城にもアメリア様の自画像といっしょに彼女の画像もあるといわれているが」
 ゼロスは、銅像を見つめる。
 不思議だ。彼女の事を知っているように思える。
 だが記憶がない。人間の女と共に行動した事がないと思うのだが。
 「天才魔道師・・・・・・」
 「ゼロス!!」
 その時後ろから呼ばれる。シェーラだ。
 「こんな所にいたんだ」
 両手からショッピングバッグをぶら下げ、こっちへやってくる。そんなに買って彼女は、それをどうすると言うのだ・・・・?
 「見て、ゼラス様の分まで買っちゃった」
 「そんなのあげたら僕たちが仕事をさぼったのがばれますよ」
 うれしそうにショッピングバッグの中身を見せようとするシェーラにゼロスは、冷たくあしらう。
 「・・・そうだった・・・・」
 すると彼女が銅像に気づく。
 「あら。リナ・インバースじゃない?」
 その言葉にゼロスは、まゆをひそめる。
 「リナ・・・・インバース・・?」
 「あっ・・・!」
 しまったっ!とばかりにシェーラが顔をしかめる。
 「そうじゃ、そうじゃ。リナ・インバースと言う名じゃったな。この娘さん」
 老人がシェーラの言葉にうなづく。
 「あっ、ぜ、ゼロス、もうもどろう!ゼラス様とグラウ様にみつかったら怒られちゃうし!」
 シェーラは、えらくあわてて彼の腕をひっぱる。
 「あっ、失礼します」
 ゼロスは、一応老人に一礼し、シェーラの後を追う。
 「シェーラさん、リナ・インバースって・・・」
 「知らない、知らない。私、何も知らない!」
 ゼロスの問いに彼女は、一生懸命首をふるのだった。

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11559悪魔も天使の夢を見る事が出来るだろうか? 2理奈 E-mail 8/20-13:46
記事番号11558へのコメント

 またですか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 一筋も光がない闇の中。彼は、その中を歩く。
 いったいなんなのでしょうか。これは。
 気づかないうちにアストラルに迷い込んでしまったのか・・・?だが・・・感覚がない。周りから何も感じられない。
 その時だった。ふわっと白い羽根が舞い降りる。ゼロスは、腕を上げ、その羽根を受け止めようとする。
 触れるその瞬間、羽根が人の形を取る。
 その人がゼロスの腕の中におさまる。
 とたん、身体が震える。喉の奥が熱くなる。
 ルビー・・・いや・・・それよりも美しく輝く紅の瞳。その瞳がまっすぐ彼を見上げる。ふわふわの栗色の髪がその華奢な肩を隠す。
 彼女は、ふっと微笑む。
 身体が焼かれるように熱く・・・痛い・・・・・。彼女の身体から放たれる・・・強い生の感情・・・・・。
 クスクスと彼女は、愛らしく笑う。
 それを見て、彼女が愛しく思える。だが・・・・・・何故・・・・?
 すると彼女の姿に見覚えがある。
 「リナ・・・・インバースさん・・・・?」
 そうだ・・・彼女・・・あの銅像の女性だ・・・・・。だけど何故彼女が・・?
 すると彼女は、また微笑む。が、今度は、儚く・・・・・まるで次の瞬間消えてしまいそうな・・・・。
 ビクッとまた身体がふるえる。
 するりと彼女は、ゼロスの腕の中から離れ、きびすを返す。
 「あっ・・・・」
 無意識に彼は、彼女の腕をつかもうとする。が、その手が彼女の腕をすりぬける。
 「えっ・・・?」
 そして彼女は、走る。ゆっくりとスローモーションのように。
 そして・・・・・・またその背から純白の羽根を広げ・・・・飛ぶ・・・・・・・・。

 彼は、彼女の前にたたずむ。
 いつもの彼女は、そのおおげさに作られている王座に座り、お気に入りの扇で自分を扇ぐ。
 いったいこの方は、いつ仕事をしているのだろうか?
 小さな疑問が浮かぶがそんな事は、どうでもいい。
 「どうしたゼロス。うかない顔をして」
 「いえ・・・」
 聞くか・・・聞くまいか。シェーラが答えなかった事だ。母が答えるはずもないと思うが。しかし母だけだと思う。知っているのは。
 「夢の事をお話ししましたよね」
 「そうだが?」
 「この前・・・仕事を抜け出しシェーラさんとセイルーンへ行きました」
 ピクンと彼女のまゆがはねる。彼は、それを見逃さない。
 「そこで銅像を見ました。リナ・インバース・・・・」
 母は、扇を口元に持っていく。
 「あなたは、ご存知ですか?リナ・インバースを?人間の間に、得にあのセイルーンの国では、天才魔道師として知られているらしいのですが」
 彼は、彼女を見つめる。彼女は、何も言わずただ彼を見つめ返すだけ。
 「・・・知らぬ・・・・」
 ようやく彼女から出た言葉がそれだ。
 うそだ。彼は、そう思う。
 「そうですか・・・・・。つまらない事を聞きました。それでは、今日も行ってまいります」
 「ああ」
 ゼロスは、それ以上追求しない。しても彼女は、口を開かないであろう。ならば自分で探すしかない。
 彼は、空間を渡る。
 それを見送ってゼラスは、ため息をつく。
 「シェーラめ・・よけいなことを・・・」
 ここ二百五十年・・・・このことをおそれ彼には、あの世界へは、行かせないようデータ整理なぞをさせていた。なのに・・・・。
 滅ぼすのを避け、記憶を操作したのだが・・・。それほどもで・・・我が力がおよばぬほどその記憶は・・・・、想いは・・・・強いのか・・・・?
 あぁ・・・・・・。まだ思い出したわけじゃないのだが・・・・・・。
 彼女は、頭を抱える・・・・・・・。

 ゼロスは、空間を渡り、ある城の裏にでる。いつものグラウの屋敷では、ない。ここは、セイルーン。彼は、空間をまた渡り城の中へ入る。今は、夜のせいか人がいない。
 もし中が変わっていなければ・・・・・。彼は、また空間を渡りある部屋に出る。この城の書斎だ。彼は、本棚に収められている本を見る。それらしい本をかたっぱしからひっぱり出し、ページをめくる。
 ちがう・・・・。
 そしてまた新しい本を手に取る。
 これにも載っていない。
 「誰?」
 その時後ろから声がする。
 ちぃ。人の気配にも気づけないくらい没頭していたか。
 彼は、瞬間に彼女の前へ来る。
 「ひぃ!」
 「静かにしていてくださいね。僕は、ただ調べものをしにきただけですから」
 腰まである黒い髪。白いローブを着ている。
 「あなた、魔族ですね。魔族が我が城に何かようがあるのか?」
 我が城?
 「ほう。あなたがこの国の女王ですか」
 それは、ちょうどよかった。
 「何もしません。ただリナ・インバースさんの事で調べたい事がありまして」
 ゼロスが何もしないと悟ったのか彼女は、安心して彼を見る。
 「リナ・インバース様の事で?ならばなぜこの城に?魔族のあなたがたの方がくわしいでしょうに」
 知らないからここへ来たのでしょう。
 「ただ知っている事をすべて教えてほしいのです。天才魔道師なのだとか?魔道師協会へ行ってみたけれどあそこには、彼女に関して何もなかった」
 「それは、そうよ。彼女がした事をあいつらに話しても信じてもらえないでしょうから」
 女王は、あたりまえのようにクスッと笑う。まるで彼に動じないしぐさだ。だがゼロスは、気にしない。別に彼女を怖がらすために来たのでは、ないのだから。
 彼女がした事?
 女王は、ついてきてと彼に言う。言われたとおり彼女の後を追ってある部屋に入る。その部屋の壁には、画像が所狭しと並べられている。彼女は、部屋にあるろうそくに火をつける。そして正面の壁に行く。
 「彼女は、歴代女王のアメリア様よ」
 一番上の大きな絵。そこに肩まである黒髪の女性が描かれていた。
 「その下を見て」
 言われて目線をさげる。と・・・・・・・。
 またあの感覚に身体が打ち震える。
 そこに笑顔を浮かべ、白いローブと白い翼の女性が描かれていた。栗色の髪に紅の瞳。夢で見たあの少女だ。
 「アメリア様自ら描かれたリナ・インバース様の絵よ。
 リナ・インバース様は、アメリア様が一番尊敬した方だった。いっしょに旅をして来た仲間でもあった。リナ様は、この世界を救ったのです」
 ゼロスは、顔をしかめる。救った?この世界を?
 彼は、質問しないで彼女に話しを続けさせる。
 「しかも二回も。最初は、アメリア様は、その場には、いなかったけどなんとあのルビー・アイシャブラニグドゥの一部を倒したとか」
 絶句する。魔王様の一部を!?人間がか!?
 「信じられないって顔してるわね。私だって信じられないわよ。その場にいなかったんだから。だから魔道師協会にもこの記録は、載ってないわ。たぶんリナ様は、この事を提出しなかったのでしょうね。あの堅物おやじたちに信じてもらえないだろうし、それにたぶん知られては、いけないことだったんでしょうね。何故なら。その時彼女がお使いになった呪文が・・・・」
 闇よりもなお深き者・・・金色なる・・・・すべての母の・・・力を借りた呪文・・・・。
 身体がふるえる。あのお方の力かりた呪文。
 まさかあの禁断とも言える呪文を使える方がいるとは・・・・・。魔族すべての願いをかなえら事ができる・・・・存在・・・・。もしそれが正しければ彼女は、たしかに天才魔道師だ。いや、天才なんてものでは、ない。それ以上のもの。
 「そのお力のせいで彼女は、魔族からつけねらわれたは。魔竜王ガーヴ。冥王フィブリゾ。彼らは、彼女の力を利用しようと計画を立てた。ガーヴは、魔族に敵対するため。フィブリゾは、滅びを求めるため。でも彼女に滅ぼされたわ」
 ガーヴや、フィブリゾ様が滅ぼされたのは、知っていたが・・・・まさかリナ・インバースと言う人間の手によって・・・・!?
 「そこん所は、詳しく知らないわ。だけどリナ様がこの世界を救ったのには、かわりない。誰にも知られず。誰にも知らせず。アメリア様は、この事を広めようとしたけどリナ様が止めたのです。だけど彼女は、ある日突然お亡くなりになりました。アメリア様は、せめて彼女の姿だけでも、彼女が天才魔道師だと言うことだけでも広めたいと公園に銅像をおき、そしてこの絵をお描きになりました。この絵をお描きになった時のアメリア様の言葉が『一度誰かが彼女の事を“天使”と呼んだわ。彼女は、まさに私たちにとって天使だった』と。」
 ゼロスは、その絵に近づく。
 わかる。その絵から感情が流れてくる。
 愛しさ、尊敬、友情。アメリアと言う娘がリナ・インバースに対して抱いていた想い。強い想い。
 天使の姿の彼女。だが彼女は、実際にとてつもない存在だった。
 何故記憶にない?何故彼女のような存在が記憶にない?フィブリゾ様、ガーヴ様の事は、記憶にある。が、彼女の記憶が一つもない。まるで彼女の記憶だけぬけおちたみたいな。
 「私が知っている事は、これだけよ」
 「そう・・・ですか・・・。ありがとうございます」
 すると彼女は、リナ・インバースの絵のを壁からはずす。とその後ろに小さな扉がある。彼女は、それを開け、一冊の本を彼に渡す。
 「これは?」
 「アメリア様自らリナ・インバース様の事を書かれた本よ。それに私が話した事がもっと詳しく書かれてるわ」
 ゼロスは、その本を受け取る。
 「何故これを僕に?」
 彼女は、肩をすくめる。
 「わからないわ。だけど私の中に流れているアメリア様の血が、巫女の血がそうしなさいと言ってるみたいなんだもの。あなたには、リナ様の事を知ってほしい。それにその本どう処分していいのか迷ってたの」
 「処分?」
 「そう。だってその中に書かれてるものは、あまりにも危険・・と言うか・・・人には、決して見せては、いけないことばかりだから。あなたが持って行ってちょうだい」
 ゼロスは、その本を見つめる。
 「ありがとうございます」
 そして彼は、一礼し空間を渡る。

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11560悪魔も天使の夢を見る事が出来るだろうか? 3理奈 E-mail 8/20-13:48
記事番号11559へのコメント

 その本を読んで彼は、大きく息をつく。
 たしかにこれは、人間に見せるようなものでは、ない。これには、あの方の力の事やリナ・インバースがかかわったことが正確に記されていた。
 リナ・インバース。
 彼女が魔族に取って、人間に取ってどれほどの存在かわかった。わかったが・・・・。だが何故彼女は、夢に現れる。何故彼女の事が気になる?そしてなぜシェーラやゼラスは、彼女の事を彼に秘密にしなければいけないのだろうか?
 本の中には、彼女は、フィブリゾ様とガーヴ様以外にも魔族とかかわったと記されていた。その中には、彼の事もふくまれているのか?
 そうでないと彼と彼女の間になんの接点もない。
 これだけでは、なんの手がかりもない。ゼラス様に聞いてみるか?いや、彼女は、口を開いてくれないだろう・・・・・。では、どうしたらいいのか・・・?
 天使の姿の彼女。
 彼女は、また夢にあらわれるだろうか・・・・・・・・。
 だったら話しがしたい。彼女と話しがしてみたい。
 ゼロスは、また彼女の夢が見れることを願い・・・・・瞳を閉じる。

 『ゼロス・・・・』
 彼女が悲しそうな顔を浮かべ彼を見つめる。その姿は、何の衣服を着ていない・・・全裸の姿だった。
 淡く・・・光その姿は、美しく・・・・。
 見つめるだけで引きこまれ・・・・己の存在を忘れてしまいそうになる。
 『ゼロス』
 初めて彼女の声を聞く。かわいらしい・・・幼い少女のような声。
 それは、なつかしさか。愛しさか。せつなさか。もし人間であればそのような感情を持っただろう。名を呼ばれ、そう言った感情があたりにただよう。その時確信する。彼女の事を知っていると。
 『リナ・・さん・?』
 彼女は、ふっと上を見上げる。
 『私たちって・・・本当この夜空のようね・・・・・』
 夜空?なんの事だ?
 今彼らがいるのは、闇の中だった。これは、彼女の記憶か?遠い昔の出来事か?彼女は、彼の名を呼んだ。ならば彼女が話している相手は、彼なのだろうか。
 『あなたは、この夜空の闇。私は、この月の光。闇と光は、正反対。滅びを求める者と生を求める者。二人は、決して交われない・・・・・・』
 彼女は、まっすぐ彼を見つめる。
 『だけど・・・・私は、あなたを愛している・・・・ゼロス』
 
 瞳を開ける。
 今のは・・・・・・・・・・・・・。
 彼女は、現れた。そして今度は、声を聞くことができた。だが・・・・・・・。
 彼女が言った言葉は、なんだった?愛しているといわなかったか?誰に対して?彼を見つめて言ったその言葉。
 人間が魔族を?
 それが彼女と僕の接点だと言うのか?
 たしかにゼロスは、彼女の事を知っている。
 愛・・・・・・・魔族には、ない、魔族には、理解できない感情。
 だけど・・・何故こうも納得できるのだろうか・・・・・。
 
 ゼロスは、セイルーンの女王から貰い受けた本を頼りにサイラーグへと向かった。そこにリナ・インバースといっしょに旅をした仲間がいたと書いてある。たぶんリナ・インバースともっとも親しく近い存在の男性。
 サイラーグ。過去に二度滅びた町。が今は、大きな町の姿に戻っていた。
 彼は、町の中央に立つ大きな教会の中へ入る。
 「旅の方。何か御用か?」
 立派なローブを着て杖を持つ若い男性が笑顔でゼロスを迎える。
 「少し調べものがありまして。ガウリィ・ガブリエフと言う方の事を」
 その名を聞いて男性は、大きく頷く。
 「ああ。ガウリィ様の事ですね。どうぞ裏庭でお茶でもしながら」
 ゼロスは、男性に連れられ裏庭へまわり小さなテーブルにすわる。そして運ばれて来たお茶を飲む。
 「それで旅の方。ガウリィ様について何を知りたいのでしょうか?」
 「彼とリナ・インバースと言う女性との関係、関わり。知っている事すべて」
 男性は、それを聞いてまゆをひそむ。
 「リナ・インバース様のことですか・・・・。彼女の事は、有名で聞いていますし、ガウリィ様と旅をなさってたことは、知っていますけど・・・・。彼女のことは、あまり詳しくは、知りません」
 「そう・・・ですか・・・」
 ゼロスがそれを聞いて落ち込んだと思ったのだろうか、男性は、あわててつけくわえる。
 「で、ですがガウリィ様が書かれた日記があるのですけど。見ますか?」
 「日記?是非拝見させていただきます」
 ゼロスがつれられて入ったのは、教会の奥にある小さな聖堂だった。小さな机の上に一冊の本。
 「どうぞ。気がすむまで読んでください」
 男性は、そう言って部屋から出て行く。
 思わずゼロスは、顔をしかめる。セイルーンの女王は、彼が魔族だと言う事を知ってすべて話したが。この男性は、何を考えて彼をここへ通したのだろうか?一般人は、しかも素性のわからない旅人をこのような所へ通していいのだろうか?
 理由は、どうあれ簡単に事が運んだのだ。
 ゼロスは、机に座り本を開ける。
 『リナとわかれてどのくらい経つだろうか?やはり俺は、物忘れが激しい。分かれ際に彼女に言われた。「あんたは、クラゲなんだから日記でもつけておきなさい。そうすればその日に何が起きたか忘れても日記を読めば思い出すでしょう」彼女のその言葉にしたがい今日から日記を書こうと思う』
 それから後は、ほとんど彼は、平凡な毎日を書いていた。シルフィールと言う女性と結婚し、子供も出来、幸せに暮らしている事を。
 これでは、何も得られないと本を閉じようとページをめくった時だった。
 最初の書きこみから役二年後の事。
 『俺に客が来た。その客を見て、正直言って驚く。長いこと会っていないそいつ。姿は、最後に会った時と変わらなかった。が、何故かひどく疲れた顔をしていて、人間で言うなら衰弱し、何か彼に取って悲しいことが起きたかのように見える。喜び、悲しみ、怒り。すべての感情が彼からぬけおち、まるで人形のようだった。まぁ、彼に感情なんて物は、ないが。だが何故彼がいまごろ俺の所へ来たのかその時は、わからなかった。が、次の瞬間俺は、自分の耳を疑った。「彼女を殺しました」信じられない言葉だった。彼女・・・・名前を告げられなくてもわかった。リナ。そして彼は、場所を告げる。その瞬間彼は、俺の前から姿を消した』
 ゼロスは、本を閉じ、空間を渡る。次に現れた場所。
 そこは、崖の上だった。そこからは、真っ青な空と、きらきら光る深い青の海。一本の木の下にそれは、あった。
 小さく、かわいらしい墓。何年も人が来ていなかったのかそれは、草で覆われ、見えなくなってしまっている。
 あの男が作ったのだろうか。
 そこにはっきりと刻まれている。
 リナ・インバース・・・・と。
 ゼロスは、ひざをつき、その墓を綺麗にする。
 「やっと・・・会えましたね・・・・・・」
 ひどくなつかしい・・・・・・。まるで生まれた場所へもどったような・・・・・。気持ちが高まる。
 そして同時に押しつぶされるような・・・・・・・。身体の一部をうしなったような・・・・・・・・。
 彼は、その墓の上にうつぶせに寝る。
 「出てきてください・・・・・リナさん・・・・あなたに会いたい・・・・・・」

 そして伝えたい・・・・・・・・・・あの時伝えられなかった言葉を・・・・・・・・・。

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11561悪魔も天使の夢を見る事が出来るだろうか? 4理奈 E-mail 8/20-13:49
記事番号11560へのコメント

『ねぇ、ゼロス、ここ入ろう?』
 『洋服店ですか?リナさんが?』
 『何よ、それ。私だって女の子なんですからね。服ぐらい見たいわよ』
 『そう言えばリナさん女性でしたね』
 『なぁあんんですってえぇ!!??』
 
 『ねぇ、これは、どう??』
 『白いドレスですか?』
 『何よ、その顔は?』
 『いえ、どちらかと言うとリナさんは、これですね』
 『紅いドレス?』
 『ええ。あなたの美しい瞳のように』
 『や、やめてよね、そんな言い方。はずかしい』

 『リナさんって。天使みたいですね』
 『ば・・ばか!何言ってるのよ、魔族が』
 『そんなに赤くならなくても。そう思ったんですから』
 『な、なんでよ』
 『いえ・・・ただ本当にそう思っただけですから』
 
 『かんねんなさい!』
 『リナさん、うれしいですか?こんな弱い盗賊をいじめるのが?』
 『うれしいに決まってるじゃない!圧倒的な力で敵をねじふせる。うんうん。快感』
 『リナさんらしいと言うか、なんと言うか・・・・・』
 『何よ。もんくあんの、ゼロス?』
 『い、いえ・・・・』

 『ねぇ・・・ゼロス・・・・』
 『はい・・・』
 『前にも言ったけど・・・私たちってこの夜空みたいね・・・』
 『・・はい・・・』
 『そう。私は、あの光り輝く月。そしてあなたは、その月を包み込む夜空・・・・・』
 『・・・そう・・・ですね・・・・』
 『私を包んで・・・・ずっと・・・ずっと・・・・闇で私を包み込んで・・・・・』
 『では・・リナさんは、光りつづけてください・・・・強く・・・美しく・・・』

 『ぜ・・・ろす・・・・』
 『リナさん・・・』
 『ははは・・・やっぱ・・・あん・・たには・・・はぁ・・・か、かなわ・・・ない・・・わね・・・・・』
 『・・・・・・・』
 『なんて・・・はぁ・・・か、顔してるのよ・・・魔族・・が・・・っく・・』
 『リナさん・・・』
 『いい・・・ぜ、ろす・・・・これは・・・あなたのせい・・・じゃない・・・しかた・・・がないこと・・・なのよ・・・・・・』
 『・・・・・・・』
 『それにしても・・・こんなところで・・・ねぇ・・・誰にも知られず・・・死んじゃう・・・なん・・・てねぇ・・・・』
 『・・・・・・・・・・・・』
 『だからなんて・・・顔してるのよ・・・』
 『で、ですが・・・』
 『ゼロス・・・お願い・・・私の最後のお願い・・・・聞いてちょうだい・・』
 『はい・・・』
 『時が経ち私の存在は、わすれられる・・・・。でも・・・・時を数えないあなたなら・・・・』
 『リナさん・・・・』
 『お願い・・・・私を・・・・わすれ・・・ないで・・・・』
 『もちろんです・・!もちろんです!』
 『ずっと・・・あなたのなかで・・・・私は』
 『リナさん・・・・?』
 『生き続ける・・・・・・・。ゼロス・・・・・』
 『・・・リナさん・・・・!』
 『愛してる』
 『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』

 「やっと・・・思い出してくれた・・・・」
 安らぎ・・・・うれしさ・・・・いとしさ・・・・。彼女は、やさしく微笑む。純白の天使。
 「リナさん・・・・・」
 抱きしめようとする。が、腕がすりぬける。
 ゼロスは、顔をゆがめる。彼女は、切なそうにふと笑みを漏らす。
 「あのあと・・・あなたは、獣王に滅ぼされに彼女のところへ行ったね・・・・」
 「はい・・・」
 「あなたは、私を殺して・・・何もかも捨ててしまった・・・・自分のことを・・・魔族の願いを・・・・獣王を・・・ただ・・・いますぐに滅びたかった・・・・・・」
 すっと彼女は、彼の両方をつつみこむように腕をあげる。もちろん彼には、ふれられない・・・。しかし・・・・感じる・・・・・ぬくもりが・・・・・。
 ゼロスは、目を細める。
 忘れ去ってしまった・・遠い昔のぬくもり・・・・・。
 「リナさん・・・・愛しています・・・愛しています、愛しています、愛しています!!」
 吐き捨てるように・・・ずっと言えなかったその言葉を・・・・。
 抱きしめたい・・・・抱きしめたいのに・・・・。
 今彼が出来ることは、彼女のほんのりと透けている身体を見つめる事だけだった。
 にっこりと・・・・うれしそうにリナは、微笑む。そして彼の顔に自分の顔を近づけ彼に口付ける。
 やわらかく・・・・・暖かい感触だけを感じる。
 ゼロスは、目を見開く。その瞬間彼女は、消えた。
 「リナ・・・さん・・・・・?リナさん!?リナさん!!」
 『ゼロス・・・私を忘れないで・・・・・』
 「リナさんっ!!!!!!!!」

 次の瞬間。彼は、またその木の下に立っていた。
 強い風が吹く。思わず瞳を閉じてしまう。
 ふわっと何かが彼の頬をかすめる。
 瞳をゆっくりと開ける。
 「あっ・・・・」
 どこからともなく降ってくる無数の純白の羽根。
 ゼロスは、その一つを手に取る。
 「天使・・・・・・・」
 「ゼロスよ・・」
 背後から母の声がする。いつのまにやってきたのだろうか。
 「僕は、滅ぼしてくださいとたのんだはず。それなのに、何故?」
 「おまえは、我の息子のような存在だ。そう簡単に滅ぼすことは、できぬ」
 「僕は・・・・・あの方を忘れるより・・・共に還りたかった・・・・」
 青い空を見上げる。青い海を見渡す。
 あなたは、この崖の上から翼を広げ飛んで行ったのですね・・・リナさん・・・・・。
 「おまえの望みとあらば・・・・今滅ぼす事もできるが・・・・・・」
 ゼロスは、首をふる。
 「いえ・・・・・・・。彼女は、きっとそのような事は、望んでいないはず。僕は、滅びません・・・・・。そして一生・・・・彼女の事を想い続けていましょう・・彼女が願ったように・・」
 どこからともなく小さな袋を取り出し、羽根をその中へ入れる。そして胸の中へとしまう。
 「あなたは、ずっと僕の中で生きつづけます・・・・・・。リナさん・・・・・」
 ゼロスとゼラスの姿が崖の上から消える。そしてまた強い風がふく。純白の羽根が海の方へと舞い上がるのだった・・・・・・・・・・・・。

 悪魔も天使の夢を見るのだろう・・・・・・・・・・。
 これからも。
 これからもずっと・・・・・・・・。
 
 紅い瞳の天使を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


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 うぅみゅみゅ。ひさしぶりの投稿なのに・・・・・。ちょっと力が抜けたようなストーリーになってしまいました。もっとドラマチックにしようと試みたのですがぁ。私の文章力じゃぁねぇ。もっとゼロスのいろんな気持ちとかを書きたかったのですがなんせ言葉が見つからず、文章にできませんでした。これが私の精一杯。最後まで読んでくださってありがとうございます。
 
 

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11644素敵でした月の人 E-mail 8/26-02:54
記事番号11561へのコメント

こんばんは、理奈様、月の人です。こちらでは久しぶりですね。
きゃあ〜理奈様の作品が載ってる〜ってことでクリックして読みました。
では、感想です。

ゼロス様が見る夢、それは知っている存在だけど自分では名前さえもわからない
出掛かっているのに呼べないその名前・・・
純白の翼を背負った天使・・・

ゼラス様に夢を見たことを話しますが、内容は「秘密です」とお得意の言葉。
ゼラス様が何かを気にしている・・・それは・・・

セイルーンでシェーラちゃんに買い物に付き合わされるゼロス様。
紅い色のドレス・・・気分がすぐれない・・・その原因は・・・
白い銅像はリナ・インバース。シェーラちゃんが教えたその名前。
ゼラス様に聞いても知らないと言われ、自分でリナ・インバースの事を調べようと
セイルーンへ。アメリアちゃんがリナちゃんを描いた姿。白いローブを着て背中に白い翼を生やして・・・それは天使。
尊敬と愛情と敬愛、それから感じるのはリナ・インバースに対しての強い想い。
誰かがリナちゃんは天使だと言った。それは誰だったのか・・・
受け取った日記にはリナちゃんがやってきた事、人間が禁断の力を・・・
ますます、知りたくなるゼロス様の気持ちが・・・私に流れこんできます。

サイラーグでガウリイくんの日記を見てリナちゃんの事を思い出す。
小さな墓にうつぶせに寝て、「出てきてください・・・リナさん・・・貴方に会いたい・・・」辛いな、なんでか、ちょっと涙が・・・

リナちゃんとゼロス様の会話、最初は楽しく掛け合い、そして、ゼロス様のリナちゃんだけに言える言葉・・・それからは愛が溢れていて・・・
ゼロス様と戦って負けたというのは変ですが・・・リナちゃんが・・・
ゼロス様に忘れないで・・・と言って。最後に愛してると言って・・・
天国に旅立っていったリナちゃん・・・

夢で会えたのは、リナちゃんのゼロス様に対する深い想いがあったから・・・
思い出してほしかったから・・・
そして、ゼロス様も。言えなかった言葉を何度も言うゼロス様が身が切られるように痛いです。やっと言えたのにそれは天使で・・・涙が流れました。
想いが深く深く、ゼロス様とリナちゃんは交われないけど・・・それでも
私は・・・この二人には強い絆というものを感じてます。

そういう理由でリナちゃんの記憶を消したんですね。
リナちゃんを失って何もかもがからっぽで、リナちゃんの元にかえりたくて・・・
滅ぼしてくださいといったんですね。でも、ゼラス様は滅ぼさなかった・・・
そうですよね、親子ですもの、当然そんな事はしません。
でも、リナちゃんの記憶があると辛いだろうから消したのでしょうか?

一枚の羽を胸にしまうゼロス様。ゼロス様の中で生き続けるんですね、リナちゃん

とても、素敵でした。タイトルに納得です。
そして、リナちゃんが月ならそれを包みこむ夜空がゼロス様。
なんて、いい言葉でしょう。二人にぴったりです。
切なくて、でも、想いは深くて愛を改めて神秘なものだと感じました。
なんか、かなり支離滅裂な感想ですね。
でも、凄く感動しました。さすが、理奈様、尊敬します。

それでは、体には気をつけてくださいね。
素敵な小説、ありがとうございました。