◆−ジバクくん&スレイヤーズ話−CANARU(8/24-02:22)No.11621


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11621ジバクくん&スレイヤーズ話CANARU 8/24-02:22


一応ジバク君小説かいてみました。炎は無理やり出してます・・・。
ガウリナもゲスト出演してます〜♪


「どりゃああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああ!!!!」
「負けるかよ!!」
煩い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
そう思いながら現郎は雹と激の対決を尻目に眺める。
まったく・・・何が楽しくてこんな馬鹿でかい声を張り上げながら戦うのだろうか?
「黙れよ・・お前等・・・・・。」
別に深い意味は無いのだがこの二人とかく決闘ごっこが大好きなのだった。
「るっせ〜〜!!ウッツ〜〜〜!!こちとら真剣なんだ!!」
「・・・・なんだよ・・そのウッツ~って・・・。」
激の訳のわからない呼び方に少々不愉快そうに眉をしかめる現郎。
「そうだよ!!君、もしかしてカルシウム不足なんじゃないの?」
雹までも激との決闘の手を休めないで現郎に言う。
「・・・・・ざけんじゃね〜よ・・。お前等・・・。」
その現郎の一言が合図であったかのように。
ガイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインンンン!!!!
見事に激と雹の太刀が同時に弾け飛ぶ。
「ち・・・。これで・・・・・。」
「引き分け三万回目・・・のようだね・・・・・。」
運動後の疲労のためか二人とも肩で息をしている。
「・・・・って・・おい!!ウッツ~!!何処行くんだよ!!」
不意に部屋を出て行きかけた現郎に激が慌てた様に声をかける。
「・・・うっせ〜んで寝てらんね〜んだよ・・・。それに・・部屋は雹・・。おめぇが日当たりが良い所だと嫌がったせ〜で・・・西日ギンギンで眠れね〜しよ・・。」
「当たり前だろ!!あんな日差し絶好調の部屋だったら・・・。僕のお肌がUVで荒れちゃうじゃないか!!!」
「・・・へいへい・・・。まあ・・。俺もお前が煩かったから日当たりが悪い俺の部屋と
交換したんだが・。浅はかだったな・・・・。」
尚も欠伸をしながら部屋から退出しようとする現郎。
「だから・・ウッツ〜!!お前何処行くんだよ!!」
なおも激が現郎に問いかける。
「・・・・12の世界に行く・・。あそこなら邪魔な無く寝れるし・・・。」
・・・・・・・・・・寝る事にしか興味無いのか・・。コイツは・・・。
「早く帰れよ・・。ったく・・・。」
なおもブツブツ言いながら激は雹によって飛び散らされた太刀を拾い上げるのだった。


「現郎・・。現郎・・・・・・・・。」
頭の中に知っている声が響き渡る・・・・・・・。
「・・・眠り姫ですか・・・・・・・・・・・。」
かつて彼の住んでいた故郷、今は滅びた星の王女の声が脳裏に響き渡る。
「・・・・あの子が・・・・・・。」
彼女の言いたい事はおおまかにして分かっている。だが・・・。
「炎様がココに来るんですね・・・。けれども。あえてあのお方を止めるような真似は俺はしません。」
かつては忠誠を誓っていたたった一人の姫に自分がこんな事をいうなんて。
現郎としてもそれは驚き以外ナンの感慨も持てない事だった。
「・・・・・そうですか・・・・・・・・・。」
無論、本気で姫とて現郎が炎を・・・・・・そんな事は考えては居ないはずである。
第一、そんな不可能な事は起こり得ないのだ・・・・。
炎や姫と同じ異星の人間であっても所詮現郎とて『単なる』『GS』にしか過ぎないのだから。
「貴方は・・私の意思よりも・・。炎の考えを尊重する・・。そう言うわけですね?」
「・・・・・・。貴方が目覚められるとき・・・全ての夢は叶う・・・・。」
選べるはずが無い・・・・。
だが、姫から現郎は欲するものを得られなかった。
しかし・・・少なくとも炎は現郎の『価値』を認めてくれた。それだけだった。
そう・・・・本当に『ソレだけ』の事・・・・・・。
「貴方が大切に思うものは・・・・・・・?????」
「・・・今はまだ・・分かりません・・・・・。」
そう答えるしかない。ギリギリのアンサー。いずれ炎がこの世界ツェルーに来る。
そうなれば・・・姫が彼に話し掛けてくる事は・・無いだろう・・・・。
言いたいが言えない一言。『貴方が大切だった・…』と・・・・・・・。


「久しぶりだな。現郎!!」
永遠の時をこの氷で被われた世界ツェルーですごすGS現郎。
そして・・その彼が『GC』ですら他人に譲るなどと言う事は許されない。
戦っていたトラブル・モンスターが突如音も無く見事に両断されて・・・。
其処に現れる人影・・更に見知った声とくればソレが誰であるのかどんな馬鹿にでも
見当はつくだろう。
「炎様・・・・・・・・・。」
現れた人物・・まさに無限のライセンスを持つ・・この時点ではGCでしかないが。
破壊された惑星の王の息子にして・・たった一人の姫の弟・・・。
「姉上は元気か?」
不意に、しかも唐突に尋ねられる炎の一言。
「・・・・・ええ・・・まあ・・・。」
珍しく現郎はお茶を濁すような返答をする。何時もなら・・更に適当な相手の(特に雹あたりの・・)質問ならすらっとぼけた挙句誤魔化すのだが・・・。
さすがに炎のこの眼光に射抜かれては正確な事は言わなくてもソレ相応な返答が要求される。
「今日はお前に見せたいものがあるんだ・・。珍しくお前が眠っていないで良かった。」そう言って炎は良く見せる・・・感情こそは良く読めないが暖かい微笑を浮かべる。


「ここは・・・・・?」
ツェルーから連れ出された現郎が最初に見たものは・・・・。
「・・・・針の・・搭・・・???」
いや・・それにしては少々規模も小さければ形も本物のソレに比べていびつな概観である。
「ああ・・・。針の搭の残骸でこの島は出来ている・・。さらに・・・・。」
炎が降れただけでその搭・・・・・・・。
針の搭に良く似ているが・・・違うソレは内部に通じる扉が生じる。
「お前以外のGSが皆通り抜けた・・・。『無限』への審判・・・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なるほど・・・・・・・・・・・・。
姫が・・・何を現郎に求めたのかようやくにして理解した気がした。
しかし・・・今は炎に尋ねねばならない。
「炎様・・・・これは・・・??」
「・・・ウロボロス・・・。GSへの審判を持つ蛇・・・。更に言えば。『無限』の領域を侵すものを『ゼロ』に帰すか・・・。はたまた・・・・。」
「・・・・雹と激の事ですか・・。俺は・・眠っていたから知りませんでした。もっとも・・。無限の資格については姫から覗っています。」
この蛇の腹の中の映像が彼にも・・恐らく炎を通して伝わってくる。
破壊され・・砕け散る・・・故郷の惑星・・。
『目覚め』をただひたすら望む『眠り姫』・・・・・。
それが姫の望んだ事・・。しかし、今の現郎には望みを叶える事は出来ない。
「お前らしい返答だな。現郎。」
例の微笑を浮かべた炎が現郎を見る。
回答的には逃げた言いまわしだったことを見透かされたような気がして思わず視線を逸らす現郎。
「誰にでも・・・。強さを得る『資格』がある・・。俺はそう考えた・・・。」
言いながら搭の中全体に目を配るような様子を見せる炎・・・。
「・・・強さの資格・・ですか・・・・・。」
それを自分は与えられたと言うのだろうか?
そして・・・・・。
・・・・・『GS〜グレートソルジャー』としての使命も・・・・・・・・。


ドンガラガッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!「珍しいな・・。」
あの後・・。久々にツェルー、針の搭以外の場所に出かけたことも祟って・・。
ドロの様に眠った現郎の耳にけたたましい爆発音が届き、見事に熟睡を妨げられたのはつい先程の事。
そして・・10分以上たった今更起きあがって行動をし始めた・・と言うわけである。
ちなみにその理由はごく単純。
「寝ぼけて動くのが面倒だったから」・・・・。
ただソレだけの事だった。
「ただの迷い人か・・。それとも・・新しくGCになるためにこの12の世界を通過する奴か・・・と・・・・。」
なおも面倒くさそうに歩きながら現郎は爆発が聞こえた地点にノタノタと歩いていく。


「だあああああああああああああああああ!!もう〜〜〜!!しっつこいいいいいい!!
ナンなのよおおお!!コイツらはああああ〜〜〜〜〜〜!!!!」
ド喧しい・・・実際年齢はともかくとして、現郎よりみったくれだけなら少し年上であろう少女の文句を言う声が聞こえる。
「なあ・・・。リナ〜〜〜〜・・・・・。こいつ等一寸普通のモンスターじゃないぞ?」
心なしか炎に声だけは似ているが・・随分と間抜けな感じのする青年の声が今度は耳に届く。
「・・・・。おい・・・。ジバク王・・・・・・・・。」
カクカク・・と聖霊は頷いて飛び出して行く。
この程度のモンスターなら聖霊を使うまでも無いが・・やっぱり動くのは面倒くさい。
バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンン!!!!
モンスターと戦っていた二人ずれが素早く爆発前にその場から飛びのくのを現郎はとりあえず確認する。
「何・・この可愛くないピンクの丸い物体は・・・・・・・・。」
ジバク王のことを見て・・だろうか?
リナと連れの青年から呼ばれていた少女が面白く無さそうな声を上げる。
「おいおい・・・。一応コイツが助けてくれたようだし・・・・・。」
「何よ!!ガウリイ!!この程度のモンスターなら!!アタシのドラ・スレで・・・・!」なおも言い合うこの二人・・・。
流石にこのまま相手にされないで喧嘩(一方的に少女の方が青年に絡んでいると言う説の方が有望だが・・・・)されたのでは現郎とて面白い話ではない。
「あのなあ・・・・。其処の団栗眼のおめぇ・・・。ココのトラブルモンスターは額のマークを狙わないと何度でも再製するんだよ・・。馬鹿みてぇにでっかい攻撃して氷破壊して雪崩に埋れたいのか・・・?」
ピクピクピクピクピク・・・・・・・・・・・・・・。
「・・ど・・団栗眼・・・・・・・・。」
以前、初対面のガウリイにも言われた一言をリピートしながら怒りに打ち震えるリナ。
思わず吹き出しそうになるガウリイ・・・。
「ああ・・・。そうだよ・・。団栗眼・・・。」
「・・・黄昏よりも・・・・暗きもの・・血の流れより・・」
「わあああ〜〜〜〜〜!!リナ!!子供の言った事だぞおおおおおおおお!!!!
気にするな!!きにするなあああ〜〜!!おい・・ボーズ・・。リナを怒らせると・・世界の破滅が起こるぞ!!!」
「ガウリイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」
「いででででででででででででででででででででででででででで〜〜〜〜〜〜〜〜!!
リナ!!やめろおおおおおおおおおおおおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
更に抗議の声を漏らすガウリイ。まあ・・当然のことなのだが・・・・。
そんな様子に流石の現郎も・・・・・。
「・・・おめぇら・・。もしかして・・仲悪いのか?」
溜息交じり・・でこそは無いが・・かなり呆れを含んだ口調でそう言ってしまう。
無論、彼にしては珍しい反応なのは言うまでも無いことなのだが・・・。
こんな痴話げんかを呆れられたことこそあれども・・・・・。
『仲が悪いのか?』などと単刀直入に聞かれた事もガウリイとリナにとっては初めてな事である。無論・・彼らがリアクションに困った事も言うまでも無いのだが・・。
「・・仲悪いのに・・何で一緒にいるんだ・・・????」
更に現郎のそんな質問に狼狽するリナ・・。だが・・・。
「まあ・・。俺はコイツの保護者だし・・。けど・・。『仲悪い』ってのは間違いだろ?」「・・・・まあ・・。そうね・・・。こ〜言うのもナンだけど・・。一緒に居たくも無い人間と一緒にいるなんて不自然な事は出来無し・・。結局は・・・。」
そこまで言ってリナは口篭もる・・・。言いにくい言葉らしい。
「まあ・・結局は『大切』なんだろうな・・・。」
そんな言葉をアッサリと言ってのけるガウリイ。
「・・・・大切な奴・・ね・・・・・・・。」
今まで・・ずっと忠誠のみを考えて・・・。ずっと一人だった・・・。
現郎のそんな考えを見越したかどうかは定かでは無いがリナは彼に言う。
「そうよ・・。まあ、ガウリイの言った事は気にしないくれると嬉しいけど。大切なものを無くすと・・誰よりも弱くなる・・って事は確かね・・・。」
そう言ってリナは可笑しそうに笑う・・・・。
妙な奴ら・・。それとも・・妙なのは自分なのか・・・。
まだ、何が一番大切なのかはわからない。
自分の使命か。仲間か・・・。それとも・・・。
「答えはそう焦って出すもんじゃないだろうしな・・・・。」
今度は間違い無く、子供扱いしてガウリイが現郎に言う。
だが・・炎と同じ雰囲気を・・温かみを・・在る意味取り付かれたものがない分彼のほうから多く感じれ・・不快ではない自分に現郎もなかば驚いた。
「そうかもな・・。じゃあな・・。俺も帰る・・・・。」
さしあたり、あの喧しい連中の待っている所へ・・・。
「待って!!」
今度はリナ・・・か・・・・・・。
立ち去りかける現郎は彼女の方を微かに振り向く。
「あんたの名前・・聞いてないわよ。私はリナ、こっちのアホ面はガウリイよ!!」
まったく・・・。分からない連中・・・。
「・・俺は現郎・・・・。一応・・・・。」
永遠の時を生きるGS・・・そう言うのは辞めておこう・・・。
珍しくそう判断する現郎だった・・・・・・。



(お終い)