◆−イベリアの夢物語−CANARU(9/12-00:13)No.11848 ┗有無を言わさず・・・(笑)−P.I(9/12-01:36)No.11850 ┗偶然〜〜♪−CANARU(9/12-10:51)No.11852
11848 | イベリアの夢物語 | CANARU | 9/12-00:13 |
在る意味の牢獄・・・。 そりゃ〜まあ・・・「あんな事」しなかったら俺もこんな場所に今 居る事は無いだろう・・・・・。 言いつけ通り従順な見合い相手と政略結婚して・・・・。 更に言えば先日までついていたヒダルゴの三流軍人としてでも・・・ (長男は後継ぎ、次男以下は軍団で身を立てるしかない)国王アルフォンソ 5世に遣えていただろう。 在る意味での「抹殺計画」・・・・・・・・・・。 そんなモノに荷担してしまったのもある一人の人物のせい、である・・。 それも・・一生思いつづけても後悔などしない人物・・・・・・・・。 いや、それも違う。 正確に言えば・・『一生分』の感情を彼女に対して遣いきっているのかもしれない。 そう、ガウリイは回想する・・・・・・・。 「おい、ガウリイ!!」 スペイン貴族の下級役人仲間のゼルに歩いていたガウリイは不意に呼び止められる。 「おお〜ゼルかあ〜〜♪久しぶりだな〜〜!!」 「・・・『久しぶり』じゃない!!まったく・・。お前はこっちが会いに来ないと 永遠に実家に帰らないんじゃないかと思うぞ。俺は。」 そう言いながら幼馴染の彼は溜息をつく。 「悪い、悪い。仕事が忙しくって!!」 「・・・悪人牢獄に護送するだけの三流役人が何を言う・・・。」 う・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 見抜かれている・・と言うか痛い所を突いて来る・・と言うか・・・。 ともあれ・・・。 家に帰ったところで言われ台詞はただ一つ・・・・。 「さっさと身を固めて落ちつかんかい!!この阿呆!!」 この一言なのだ。 ハッキリ言って鬱陶しい・・・・・・・・・・・・・・・。 「まあ・・・気が向いたらナ・・。今日は・・・悪人の娘を護送する予定なんだ。 じゃ〜〜な!!」 とかナンとか言ってさっさとゼルの追求から逃れて行くガウリイ。 「まったく・・・・・・・・・・。」 呆れて物が言えない。 それが正直な感想、ただそれだけだった。 「リナさ〜〜〜ん!!!大丈夫ですか〜〜〜〜???」 スペインの民族衣装を纏った二人の少女・・・。 一人は黒髪、もう一人はジプシー風の長い、赤茶けた髪を持っている。 そして・・・後者の少女の居る場所は・・と言うと・・。 「大丈夫な訳無いわよ・・・。ったく・・。ナンでアタシがこんな鶏よろしく小屋に・・。うんう・・。小屋なんて大したモンですら無いわね・・・。籠に入らなくちゃいけないのよ・・・・。」 リナ・・と呼ばれた少女は嘆きとも怒りともつかない口調でそうゴネる・・。 「あのなあ・・。お前は犯罪者ナンだゾ・・・?」 その様子があまりにも無反省なので・・ガウリイの部下にあたる役人達が 半ば呆れとも感心ともとれる調子でリナに言う。 「・・・・・ちょっと手元不如意で・・。スリから財布スッただけでしょ? 悪人に人権なんて無いんだから別にど〜だっていいじゃないの!!」 何処を如何すればこんな理屈が産まれてくるのだろうか・・・? 往生際の悪い犯罪者は数々見てきたが・・・。 こんな理屈を出して大騒ぎする少女犯罪者はやっぱり初めてである・・・。 「ガウリイ殿・・・。貴方だけがたよりです・・・。」 「早く我々をこの雌虎からお救い下さい・・・・。」 口口にリナの目の前で彼女を怒らせるような嘆きを言い合う役人たち・・・。 「(どうやら・・。『あの事』ではない様ですよ・・。リナさん・・)」 そんな彼らの隙をついてそっとアメリアが籠の中のリナに話しかける。 「・・・そのようね・・。ひとまず・・。アタシの苗字は明かさない方が 懸命かもしれないわね・・・・・・・。」 てっきり別件逮捕とばかり思っていたが・・・。 この程度の犯罪のみのお縄ならなんとかなる・・と言う自信は在る。 そんな事をリナが考えをめぐらせているうちに下級役人ドモが「ガウリイ殿」 と呼び、到着を心待ちしていた人物が現れたらしい。 「・・・待たせたな・・。みんな。で、犯罪者は・・・。」 『あのクソ元気な小娘でっす!!』 おい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 怒りの表情を辛うじて隠しながらリナは心の中でそう呟く・・・。 「・・・・可哀想じゃないか・・。こんな鳥かごに閉じ込めて・・・。」 ガウリイ。 「いえいえ〜〜!!そいつは放っておけばそんなモン食いちぎっても外に出るほど 元気なんですよ〜〜〜〜!!」 「私は腕を食いちぎられそうになりましたあああああああああ!!!!」 「私は鼻に拳を食らって鼻血流しました〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」 ぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ・・・・・・・・・・・・・。 ちょ〜〜っと暴れまくった事を根に持って言いたい放題言ってくれるじゃない!! 目が据わってきているリナにアメリアが目振りで落ち着く様に促す。 ・・・・・・・・分かっちゃいるけど・・・・・・・・・・・・。 やっぱりムカツク!! いまはそれだけ・・である・・・・・・・・・・・・・・。 だが、そんなリナや部下達の反応を尻目にガウリイは・・・。 「そっかなあ・・。リナだっけ・・?コイツ・・そんな凶暴そうに見えんが・・・。」 それが・・・。ガウリイの第一印象だった・・・・・・。 手首を犯罪者専用の縄で縛られているが・・・。 以前(証拠不充分で釈放されたけど・・・)別件で逮捕された時の役人 と違ってガウリイはグイグイ引っ立てたりしない。 それが何と無く以外な気がし、予定していた「暴れまくる」と言う行動を リナは思わず中止してしまっている自分に気付く。 確かに・・今までの誤認逮捕に比べたら今回は「軽犯罪」と言ってもいいくらいの 事なのだが・・・・・・・・。 そんなことに考えをめぐらせながらリナは前方を歩く金髪に目をみはらす。 だが・・やがてそんな状態に耐えきれなくなったのはガウリイの方だったらしい。 もともと沈黙は嫌いなタチ・・と言う事もあるのだが。 「・・お前さん・・。何やらかしたんだ・・・?」 「・・・オ馬鹿さんだね。アンタ。そんな事調書に書いてあるでしょう?」 ワザト斜っぽい口調を取り繕いながらリナはガウリイの質問に食って掛かる。 「いや・・。面倒くさいし・・細かい文字嫌いだから読んでない。」 おい・・・・・・・・・・。 そんな事で本当に役人やってられるのだろうか・・・・???? 「・・・悪人から財布かっぱらったのよ・・・・・・・・・。」 やってられない・・といった投げやりな調子を再度作りガウリイリナは言う。 「いつもやってるのか・・・?」 今度はガウリイが『悪人から』と言うところに呆れた様にリナに質問する。 「ばっかだね〜ぇ・・。アンタ。アタシの産まれたバレンシア平原の辺りじゃ・・・。更にジプシーの間じゃ・・。日常茶飯事だよ。ここ・・マドリードじゃどうだか 知らないけどね・・・。」 イベリア半島に位置する一国、アラゴン。 アルフォンソ5世の支配する・・・・・・この王国の首都。 「ふ〜ん・・。俺は生まれも育ちもマドリードだからな・・。お前はバレンシア産まれ なのか・・・・?」 「・・・・・。母親はジプシーだったわ・・。父親は・・アラゴンの古いアタレス家の末裔と僭称してやがるけど・・。知った事じゃないね。所詮、ハティバの貧農の末裔貴族が関の山でしょうし・・・・。」 産まれは悪くは無いらしい・・・。 わざと斜っぽい口調を作っているのは・・・。 自由な民であるジプシーの母親の血に憧れての事だろう・・・・・・・。 そして・・・限りないまでの何かへの反発・・・・。 おもわずガウリイは可笑しくなってくすり・・と笑う。 「同じ、だな・・・。」 「はぇ・・・・???」 そんな役人の変化に完全に頭が混乱したリナは訳の分からない一言を思わず漏らす・・。 ずしゃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 やおら抜き放たれたガウリイの短剣に思わず身をすくめたその一瞬だった・・・。 手首の拘束が解き放たれている・・・??? 「行けよ、リナ。けどさ・・もう一回『会う』って約束してくれるか・・?」 「・・・・・さあ、ね。」 こ〜ゆ〜駆け引きはハッキリ言って初めてである・・。 だが、それを悟られてはいけない。 母親の親類のジプシーの姉貴分に良くそう言って聞かされたものだ・・・。 無論、こんな日が来るなんて事は夢にも思わなかったので聞き流しが殆どだが・・。 記憶の断片を集めてそんな気ままなジプシーを演じないと足元を見られることは確実。 「・・『さあ,ね・・』か・・・・ぁ・・・。」 「そ。お天道様にだってンな事わかりゃ〜しないわよ・・。ついでに言えば・・。 アタシの気分だって、ね。」 上手く演じているつもりなのだろうか・・・・・?・ しかし、そんな少女に合わせるのも・・まあ悪くないか・・・・。 「じゃあな・・・。」 落ち込んだ様子を作って後姿を見せるガウリイ。 無論・・リナが同情しかけて声をかける自分を必死に抑えているという事態は 容易に想像がついていたりするのだが・・・。 「ガウリイ・・・。待ってたぞ!!」 番屋では相変わらずゼルが番犬宜しくガウリイを待ち伏せしていた・・・。 が、ここは極力落ち込んだ表情を取り繕って・・・・・。 「ごめん・・・。ゼル・・。俺・・当分マジで帰れない・・・・・。」 ビンゴ・・・・・・・・・・。 すっかりゼルもその演技に騙された顔をしている。 「・・・どう言う事だ・・・?ガウリイ・・・・・・・・・・。」 「・・・・。俺は不始末やらかした・・・。ついつい・・・。色香に騙されて・・。 犯罪者のジプシーの娘逃しちまったんだよ。」 っずげばしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんんんん!! 「・・・お・・お前が・・かああああ!!」 ド派手にコケた挙句、信じられないと言った様子でガウリイにゼルが言う。 「うん・・・・。と、言うわけで・・。そのジプシー・・。リナを捕まえるまで 戻れない。じゃ〜な!!」 言いながらパタリ、と番屋の自室に閉じこもるガウリイ・・・。 ・・色香に惑わされたかど〜かはともかく・・・。 ガウリイがその「リナ」を見つけるまで戻らない事は確実・・だろう・・。 ついでに言えば・・見事に最初の一撃には騙されて次ぎの句を封じ込められた事に ゼルが気付いたのは・・それから間もなくの事だった・・・。 「ルフォンソ国王がナポリ遠征に行かれてどのくらいたつかしら・・・?」 「かれこれ・・もう2年以上になります。」 無事に釈放されたリナが市中を歩く服装から・・・。 「この一族」の女に相応しい重々しい服装に着替えるのを手伝いながらアメリア が呟く。 「マリア王妃様の摂政を任され・・・。更には・・・・・・・。」 手に填め込まれた豪華なルビーの指輪・・・・。 それを眺めながらリナは思わず歯を食いしばる。 「もう少しの辛抱ですよ。リナさん・・。第一・・。王様の後ろ盾・・・。 宜しくない後ろ盾でマリア王妃様の地位を退けようとしている連中です・・・。 私達は・・周囲がナンと言おうと・・とりあえずは正しいはず・・・・・と思わなければ・・・・・。」 「次ぎの句は分かるわアメリア。『やってられない』でしょう?」 「ええ。まあ・・・そうです・・。けれども、アタシもリナさんと同じ位王妃様のことは大好きなんです。だから・・・・・・・。」 正義オタクの彼女でも『容認』いや・・『忍耐』してしまうのか。 そんな考えがリナの脳裏に過る。 「ともかく・・。家長様がお呼び出しね・・・・・。」 そんな事を考えながらリナは廊下を重たいローブとイベリア半島伝統の重々しい マントを引きずりながら進んで行く。 「えらい人気だな・・・・・・。」 なんとなく立ち寄った闘牛場。 「お前がこんな所に来るなんて珍しいな・・・・。」 アレ以来すっかりガウリイの『監視役』になったゼルが一緒に並んで歩きながら ガウリイに呟く。 しかし、その目は行き交うジプシーの女達の中から誰かサンを探し当て様と している事だけに集中し・・・。 その耳はその「誰かサン」の声を捜す事だけに機能し・・・。 ハッキリ言って誰がナンと言おうと「重病患者・熱病」だったりする。 「はあ・・・。長生きするよ・・。お前・・・・・。」 「・・ナンか言ったか・・?」 「いいや・・・・・・・・。本気で長生きする・・。それだけだ・・・。」 そんな状況でありながらもその鼻は・・・・。 無事に「食べ物の屋台」と言うカテゴリーに反応したらしい。 僅かに正気をそのお陰で取り戻したガウリイはようやっとマトモにゼルと会話が 可能な状況になったらしかった。 「でも・・。今日の人だかりはナンなんだろうなあ・・・。」 さっそく屋台の行列に並びながらガウリイ。 「ああ・・・。イタリア人・・確かナポリの人間だったかな・・・・。 ともあれ、その新人マタドールが大人気なんだそうだ・・・・。」 さして興味も無い、と言った口調でゼルがガウリイに説明する。 「ふ〜〜〜ん・・・・・・・・・・。」 これまたさして興味の無い・・と言った様子でガウリイ。しかし・・・・。 それもその時までの事だった・・・・・・・・・・。 不意に聞こえるフラメンコの音楽・・・・・。 ギターの調べに何者かが打ち鳴らすカスタネットの音響がここまで響いてくる・・。 「例の闘牛師とジプシーの娘が踊っているそうだ・・・・・・・。」 野次馬の話が聞こえた瞬間、ガウリイは並んでいた列から抜け出してそっちの方向に 駆け出して行く!!? 「お・・おい!!ガウリイ???」 「ゼル!!屋台には並んでてくれ!!場合によっては俺、ヤケグイするかもしれない!!」 ・・・・・・・・・潔いのか諦めが悪いのか・・・・・・・・・・。 どちらかに賭けろと言われたら絶対に後者に賭けた方が正解率は高そうな・・・。 そんな事を周囲が思っているうちにガウリイは音楽が聞こえる方向に到着する。 「・・・・・・・・リナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 「・・・・・・ガウリイ・・・・・・・・・・・・・・・・・。だっけ・・。」 最後の取ってつけたような「だって」の言葉・・・。 踊り終わって乱れた前髪をワザトらしく掻き揚げるリナ…。 その動作すら年齢や・・恐らく彼女の本性とも似合わず痛々しいものがある。 が、そんな事にもその闘牛師は気付かないらしい。 馴れ馴れしくリナに纏わりつき(恐らくこれは本心だろう)リナは邪険にそれを追い払う。「ボレロならまだ行けるわ。誰か、踊らない?」 ガウリイの視線を避ける様にリナは周囲に目を配らせる。 だが・・誰もがガウリイのただならない視線に気付いてだろう。相手に立候補はしない。 「じゃ・・・仕方ないわね・・・・・。」 「・・・そう言う事だな・・・・・・・・・。」 アッサリとペアはガウリイに決定する。 無理はする事は無いのに・・やはりリナの動作も踊り方も無理に気張りやはり痛々しい感じがする。 それに気付いている人物は・・・恐らくこの場ではガウリイくらい・・であろう・・・。 「ナンで止めたんだ・・・・・。」 「アンタがあの人を殺したら・・困るから・・・・。」 傷ついたガウリイの腕に自分のリボンを捲きながらリナが答える。 あの後・・・・・・・・・・・・・・・。 リナの事で口論となってあの闘牛師とガウリイは決闘沙汰になったのだった・・・。 其処にリナが止めに入り・・事無きを得たのだが・・・。 立ち去る際に彼女はそのマタドールを支えながら会場を後にした。 『もういい加減にして!!』と『ガウリイ』に言いながら・・・・。 その場に居合わせた全員はこう思っただろう・・・・・・・。 『あの女』に役人がフられた・・・と・・・・。 そんなこんなで河原で呆然としていたらふいにリナが一人で舞い戻った、と言うわけ である・・・。 しかも何時ものジプシーの服装ではない。 重々しい・・・スペインの貴族のドレスにマント・・・。 更には大きなルビーの指輪までその手にはついている。 「戻ってきてくれたって事は・・信じて良いんだな・・・・。」 「何を・・・・?」 あくまでリナの物言いは醒めている。 「お前がいい加減じゃないって事。」 その言葉が更に胸を刺す。 「そうね・・。『いい加減』は許されない。」 「許されないって・・・・・・・・・・・・?」 あまりにもリナの目が遠くを見つめているの居るのでさしものガウリイも不安なる。 はあ・・・っと溜息をつきながらリナはやおら傷口を手当てしたガウリイの腕を放し立ち上がり、重々しい動作でスカートの端を握り締めた挨拶の形を作り・・・。 「申しおくれました・・。ガウリイ殿・・。私の本名は・・・・。リナ・ディ・・・・」『ディ』・・・・・・・・・・・。 この1文字が苗字につくことはかなりの貴族階級の娘であることは疑い無い。 「母方の苗字はインバース。それだけで名乗ればジプシーと言う事もあるのでリナ=インバースでもね・・・。父方の苗字だけで言えば・・。私の名前は・・リナ・ディ・ボルハ・・・。『ボルハ家』のリナです。」 「ボルハ家って・・・まさか・・・・・・・・。」 「ええ。ハティバの町の赤い牡牛の家の・・・。ボルハ。悪徳と策略に塗れたあの家よ・・。強いて言うなら・・唯一やってるマトモなことは・・王妃マリア様の摂政くらいかしら・・・?」 暫く考えた様にリナは言う。 驚き・・・それとも・・・この呪われた家系への恐怖か・・・? 凍りついた様に何も言わないガウリイ・・・・・。 「なあ・・リナ・・・。お前・・嘘はついてないだろ・・・?」 「え・・・・・・・・???」 不意に言い出される意外な一言・・・・。 「だってよ・・。お前、やろうと思えば今すぐ俺を殺す事も出きるだろ・・・? お前サンの家系に伝わる・・あの『毒薬』を遣えば・・だ・・・。」 嬉しいの・・・・?ガウリイ・・・・・・・・・・・・。 半ば笑みすら浮かべながら言うガウリイ。 「それに・・お前人殺しなんて・・・。一回もやった事ないだろ?やり口も甘ければ・・。 第一震えてる・・・・。」 見ぬかれていたらしい・・・・・・・・・。 「けれどもね・・・・・・・。もう・・遅いのよ・・・・・・。」 そうとしか言いようが無い・・・。 「リナ!!????」 やおらリナは何処へとも駆け出して行く!!? 不味い事を言ってしまったのだろうか・・・・?ただただガウリイは後悔する事しか出来なかった・・・・・・・。 「あのマタドールの身元が割れたぞ。」 ココの所ボンヤリする以外に完全に能が無くなったガウリイにゼルが告げる。 「・・・・・それが・・・?」 ややもすれば無関心の一言で片付きそうなガウリイの反応。 「・・・良いか。耳栓ハズして良く聞け。奴は・・。現在アルフォンソ5世がナポリに遠征したっきり帰ってこない事知ってるな・・・?」 「それが・・・・・・・???」 確かにアラゴン国王はナポリの王権を主張してイベリア半島には何年も寄りついていない。 「イタリア半島・・ナポリに国王はルクレツィアと言う美女を愛妾として囲っている・・。そして・・その女がマリア王妃を退けて自分がアラゴン王妃になろうとする野望を抱いているそうだ・・。そして・・あのマタドールはそのルクレツィアの従弟にあたるそうだ・・・。」 内部手引き・・と言った所だろうか・・・? アラゴン王妃にして見たら・・かなりあのマタドールは都合の悪い存在となる。 強いて言うなら・・唯一やってるマトモなことは・・王妃マリア様の摂政くらいかしら・・・? 不意にリナの言った意味深な一言・・・。 愛着なんてありはしないのにリナがあのマタドールと親しく・・・強制的にそうなるように命令された理由・・・・・・・・・・・・・・・。 ボルハ家の毒薬・・・・・。 そんな考えがいっきにガウリイの頭に交錯する!!!! 「リナ!!いくだ!!」 「いやよ!!」 道端で偶然出会えたリナを無理やり引っ張って連れ去ろうとするガウリイ!! 「どうしても・・・・か・・・・?」 「・・・・・ええ・・・・。いやよ・・・・・・・・・・・・・・・・。」 どうしてこんな呪われた一族の人間がガウリイと一緒に居る事が許されるだろうか・・?「分かった・・・・・・・・・・・・・・・。」 ガウリイの声に何時にない怒気が含まれているのにリナが気付くのにはかなりの時間がかかった・・・。 それほどまでに呆然と・・泣いていたのかもしれない。 「どうするつもり・・・・なのよ・・・・・・・・・・・・・・・・。」 それが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 「役人がジプシーの娘を殺して・・逃亡したそうだ!!」 「それに・・ボルハ家の小娘も絡んでいたそうだが・・・・・。」 「知らないのか?あの呪われた家系の貴族の娘も・・・海外逃亡したそうだぞ・・?」 そんな噂が町中に翌朝は溢れていた・・・・・・。 もう二度と国には戻れないだろうな・・・・・・・・・・・。 貨物のみをつんだ場所に・・・在る意味牢獄のような狭い場所に紛れ込んだガウリイ は回想を終えて朝日の中目を覚ましながらそう思う。 「・・・・・・ん・・・・・・・・・・・・・・・・。」 「おっはよ〜♪リナ〜〜♪」 そう。無理にリナを気絶させて・・・。さっさと一緒に逃亡してるから・・・・である。 しかも世間一般様ではリナはこの世から抹殺された事にもあいなっているらしいし・・。 「ん・・・・ガウリイ・・アタシ・・てえええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!! アンタ!!アタシの事誘拐したわねえええ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」 「いでええええ〜〜〜!!リナ!!傷口に噛みつくなああああああああ〜〜〜〜!!!」 現状認識能力が素晴らしいリナだけあってすべて小声で対処している所が素晴らしい・・・。 「ま。お前も犯罪者にならなくってすんだし・・。役人の俺が誘拐犯なんてばれたらヤバイだろ?ともかく・・・。」 「・・・逃亡って訳ね・・・・。不自由させたり・・空腹にさせたら・・・。 承知しないわよ・・・・・・・・・・・。」 怒った口調でも顔は笑ってリナ・・・。 かくして・・・物語は無事にエンドを迎えることができたようである・・・。 (終わり) |
11850 | 有無を言わさず・・・(笑) | P.I E-mail | 9/12-01:36 |
記事番号11848へのコメント 前のお話にコメントつけたと思ったらおやビックリ! もう次のお話が投稿されてるじゃ〜ないですかぁ〜〜♪♪ 好きな女とは誘拐してでも添い遂げる!ガウリナに限りそれは正しい!(爆) えらいぞガウリイ!良くやった!!・・・後のこと何も考えてないけど(笑) 今後は名実共にジプシー生活だね〜。リナちんに養ってもらうよーな事態に ならないよう頑張るんだよ〜!! カルメンにボルジア家に、またしてもCANARUさんのシュミの世界ですね♪ リナとルクレツィアの毒薬対決も見てみたかった気が・・・(やめい!) いきなりの連続投稿。これからもこの調子でがしがし書いていただけると 読ませていただく方としては嬉しいです〜(^^;) ムリをしないで頑張ってくださいね〜。 それでは〜♪ |
11852 | 偶然〜〜♪ | CANARU | 9/12-10:51 |
記事番号11850へのコメント >前のお話にコメントつけたと思ったらおやビックリ! >もう次のお話が投稿されてるじゃ〜ないですかぁ〜〜♪♪ みゃはは〜〜♪ 偶然ですね〜〜♪何気にこの時間帯に投稿した甲斐がありました!! >好きな女とは誘拐してでも添い遂げる!ガウリナに限りそれは正しい!(爆) >えらいぞガウリイ!良くやった!!・・・後のこと何も考えてないけど(笑) ですねえ・・・・(汗) ちゃっかりまずはリナのルビーの指輪うっぱらって生活費にあてたりして・・・。 ああ・・ここでも設定はやっぱり「安月給」です〜〜〜!!! >今後は名実共にジプシー生活だね〜。リナちんに養ってもらうよーな事態に >ならないよう頑張るんだよ〜!! ですねえ〜〜〜!! こうなったらナンでもアリで頑張れ!!ガウリイ〜〜〜!! >カルメンにボルジア家に、またしてもCANARUさんのシュミの世界ですね♪ >リナとルクレツィアの毒薬対決も見てみたかった気が・・・(やめい!) きゃああ〜〜〜!! 巻き込まれるガウリイ君・・ちっと想像しました・・・。 哀れかも・・・・。 >いきなりの連続投稿。これからもこの調子でがしがし書いていただけると >読ませていただく方としては嬉しいです〜(^^;) >ムリをしないで頑張ってくださいね〜。 >それでは〜♪ ありがとうですうう!! ではでっは!! |