◆−聖痕・・・プロローグ(ゼロフィリのはずが)−アガサ(9/16-00:32)No.11888
 ┣Re:聖痕・・・プロローグ(ゼロフィリのはずが)−葵芹香(9/16-16:59)No.11891
 ┃┗そりゃやっぱり−アガサ(9/20-01:33)No.11938
 ┣Re:聖痕・・・プロローグ(ゼロフィリのはずが)−日和 夕那(9/17-19:40)No.11908
 ┣こういうお話は、初めて、かな?−珠捕ヶ 九音(9/19-21:56)No.11935
 ┗聖痕・・・設定−アガサ(9/20-01:47)No.11939


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11888聖痕・・・プロローグ(ゼロフィリのはずが)アガサ E-mail 9/16-00:32


これは、初めて投稿させていただいた「愛故に」の続きで、転生ネタです。だから間違いなくゼロフィリになるはずなんですが・・・とりあえず、良かったら読んで下さい。


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聖痕・・・プロローグ

「ガウリィ〜!」
 半身を引き裂かれた者の叫びは、軍人として一般人より死に近いところにいるゼルガディスにとっても、何時までたっても慣れないものだった。ましてや、目の前に物言わぬ塊として横たわっているのが、無二の親友だとすれば、彼自身叫びたかった。常日頃は気丈な友人の妻の身も世もない嘆きを慰める必要さえなければ恥も外聞もなくそうしていた。
「もうよすんだ。リナ」
 返り血を浴びるのも厭わず、夫の亡骸にしがみついていたリナを力ずくで引き離す。入れ違いに待っていた警察官が担架に死体を乗せ、救急車に運び込んだ。
離されまいと抵抗していた彼女は、夫の姿が見えなくなった途端、憑物が落ちたようにその場に座り込んでしまった。
 焦点の合わぬ目で去っていく救急車を眺めている彼女。普段なら赤褐色のその瞳は強い意思と生命力故に炎如く真紅に見えるものが、今は古びたガラス玉のようにくすんで見えた。
 その目は濡れてはいなかったが、それは涙を堪えていると言うよりは、自分の目で見てさえ、夫の死という現実を拒絶してるためのようにゼルには思えた。
(やはり、連れて来るべきではなかったか)
 ロンドン郊外でガウリィの死体が発見されたとの連絡が軍に入ったのはまだ夜も明けきらぬ頃だった。同時にその惨さも伝えられた。自分が確認するまでは隠そうとしたが、異様に勘の良い彼女は騙せなかった。どうしてもついて行くと言い張る彼女を止めれず、連れてきてしまったが(連れていかなければ自力で行くと脅されたのだ)、死体の惨さは想像以上だった。どんな拷問を受ければ、あんな傷ができるのか彼には考えつかなかった。
「ゼルガディス中尉」
 警官の一人がゼルに耳打ちした。
「そうか連れてきてくれ」
 彼女を連れてきたのにはもう一つ理由があった。
「リナ」
 警官が抱いて連れてきたものを預かり、抱えなおしてリナに前に腰を落とした。
ぼんやりと上げられた顔に、少し表情が動く。
 ゼルの腕の中で安らかに眠るもの。それはまだ幼い女の子。父親と同じ黄金の髪と蒼い瞳を持つ彼が命がけで守った命、ガウリィとリナの子供。
「フィリア」
 リナが腕を差し出す。ゼルはその腕にフィリアを握らせ立ち上がった。
「うっ・・うっ・・・」
今度は先ほどのような叫び声は聞こえなかった。しかし我が子を抱きしめた彼女の
肩は俯いたまま、小刻みに震えていた。
ゼルはそれを確認すると、二人に背を向けた。冷たいようだが今彼にできることはそれしかなかった。
 ゼルは血溜まりの前に立った。遠くから血の跡が続き、ここでガウリィは力尽きたのだ。現場検証は済み、おびただしい血と白く人型に描かれた石灰が妙にグロテスクだった。
「っ・・これは?」
 人型の右上、おそらく警察も見落としたそれは、伸ばされた右手の指の先の草むらの僅かな乱れに過ぎなかった。途切れ途切れに文字らしきものがかすれながらも指でなぞられている様に見えた。
「X・・E・・L、L、O、S、S。・・・ゼロス」
 その名をつぶやいた瞬間、自分が口にしたにもかかわらず。ゼルガディスは背筋に冷たいものを感じた。
朝靄の中、風が全てはまだ始まったばかりだと警告するように、吹き去っていった。


そして時は巡り、舞台は世紀末の東京へと移る・・・


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 リナとゼルガディスしか出てこなかった。のっけからガウリィ殺すし、ゼロスは名前だけだし、フィリアはこの時点ではまだ2歳の幼児。これでゼロフィリと言えるのか?自分でも少し自信がなくなってきてます。
 前回の「愛故に」のテーマは『愛故の狂気』でしたが、今回は『袖擦れ合うも他生の縁』がテーマになります。




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11891Re:聖痕・・・プロローグ(ゼロフィリのはずが)葵芹香 E-mail URL9/16-16:59
記事番号11888へのコメント

アガサさんは No.11888「聖痕・・・プロローグ(ゼロフィリのはずが)」で書きました。

どうもこんにちは、葵芹香です。
今回は、リナやフィリアたちが転生した後のことですね?最初からショッキングな展開でドキドキしてます…えぇっ、そこでガウリィがっ?!って。
幼いフィリアを護って死んでいったガウリィ、最愛の夫を失ったリナ…悲しいです…が、犯人はやっぱり彼なんでしょうか。

どうやら長く続いていく模様ですね。
これからゼロスとフィリアがどう出逢ってどう関係していくのかが楽しみです。
あ、でも最後はみんな幸せになってほしいですv…ってガウリィ死んじゃったけど(汗)。

それではこの辺で失礼させていただきます。


葵 芹香

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11938そりゃやっぱりアガサ E-mail 9/20-01:33
記事番号11891へのコメント

葵芹香様、ご感想ありがとうございます。

>犯人はやっぱり彼なんでしょうか。

 そりゃやっぱり・・・

>どうやら長く続いていく模様ですね。

 はい、でも遅筆なんで、長く掛かりますし。その間に寄り道して別の話も書くと
思います。

>これからゼロスとフィリアがどう出逢ってどう関係していくのかが楽しみです。
>あ、でも最後はみんな幸せになってほしいですv…ってガウリィ死んじゃったけど(汗)。

 これのあらすじとラストを友人に話したところ、「まともな感性を持っている
(ゼロフィリが好きな)人は、そんな(ゼロスの)不幸な話、読みたくないと
思う」と言われ、只今ゼロスを幸せにするべくラスト変更中です。おかげでますます遅くなる。しかし私ところのゼロス甲斐性ないから。葵さんのところのゼロス先生の爪の垢を飲ませたい。

ではこれにて   

                               アガサ  
  

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11908Re:聖痕・・・プロローグ(ゼロフィリのはずが)日和 夕那 E-mail 9/17-19:40
記事番号11888へのコメント

アガサさんは No.11888「聖痕・・・プロローグ(ゼロフィリのはずが)」で書きました。
>
今日は〜日和夕那です。

第2弾ですねぇvたのしみにしてましたv

何か、のっけから凄いですね〜今後の展開がとても気になります〜。
壮大な物語になっていきそうな予感ですv

ダイイングメッセージにゼロスの名前…彼がどんな風に関係してるのか、某『眠れる森』(全然某じゃない…)みたく、やはり犯人なのだろうか…

膨らむ妄想留まるところ知らず。ですv
アガサさんは、次回へのもってき方がとってもお上手ですね♪
続き楽しみにしております〜v

日和でした〜

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11935こういうお話は、初めて、かな?珠捕ヶ 九音 E-mail 9/19-21:56
記事番号11888へのコメント

>これは、初めて投稿させていただいた「愛故に」の続きで、転生ネタです。だから間違いなくゼロフィリになるはずなんですが・・・とりあえず、良かったら読んで下さい。

こんにちは、九音です。
えーと、「愛故に」の続きで、転生ネタ、ですか?
九音も転生ネタ好き、って言おうか九音のお話のベースにも
転生譚があるのですが…このお話はどんな感じになるのかと
期待を込めて読んだらば、のっけからガウリイ死んでるし…
で、リナとガウリイの間に出来た子供がフィリア。
フィリアとガウリイは似てる(?)から、
親子・兄妹関係もそれほど強引な設定とは
(九音は)思わないですが。
それでも、何だか、意外、といおうか私はこういうタイプのお話を
初めて目にしましたので…ウーンと唸ってしまいました。
お話の雰囲気としては、サスペンス仕立て?なんでしょうか?
淡々と読ませてくれる文章で…フィリア(これから大きくなるんですよね?)と
ゼロス、世紀末の東京で一体どんな出逢いをして、どんな縁を結んでいくのか?
続きを楽しみに待っていますので頑張って下さいね♪
それでは、大変短い感想なのですがこの辺で。

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11939聖痕・・・設定アガサ E-mail 9/20-01:47
記事番号11888へのコメント

聖痕:設定
 リナ・インバース・ガブリエル〜元英国王室所属魔術師、15年前、夫ガウリィ の死後、娘フィリアと日本に来る。現在の職業は占師

 ガウリィ・ガブリエル(故人)〜英国王室近衛隊に所属していた。ナイトの家系。聖剣エクスカリバーの使い手だった。

 フィリア・インバース・ガブリエル〜リナとガウリィの娘、現在聖ルーン学院高等部2年.大層もてるが本人は気づいていない。

 ゼロス〜聖ルーン学院に新しく着任した謎の牧師(聖ルーン学院はミッション系)日本には初めて来たのに、日本語が大変流暢、怪しさ120%。

 ヴァル・ガーブ〜フィリアの幼馴染。男にも女にももてるが本人はフィリア一筋、父子家庭の高校1年。
 
 アメリア・セイルーン〜フィリアのクラスメート、聖ルーン学院理事長の孫娘、
            英国系クオーター

ゼルガディス〜英国王室近衛隊に所属、ガウリィの同僚。
       魔術師の家系で、銃の名手。使う武器は魔法文字を刻んだ銀の銃。

ルナ〜通称グラン・マ。英国王室所属首席魔術師。リナの師匠。
    その力はヨーロッパ1.

 カオス・ガーブ〜ヴァルの父親。男やもめ。

ガウリィ(くらげ)〜リナの使い魔。しかし役に立った事はない。

ジラ(狐)〜キタ狐、フィリアのペット兼使い魔見習。