◆−der Schwan−CANARU(9/20-20:58)No.11944 ┗白鳥は悲しからずや〜♪−P.I(9/21-21:44)No.11962 ┗みゃ〜ん♪−CANARU(9/22-10:47)No.11965
11944 | der Schwan | CANARU | 9/20-20:58 |
う〜〜ん・・・・。 急に思いついた突発話です・・・。 19世紀のドイツ(バイエルン地方)のガウリナ話っす!! ついでにいえば・・タイトル死ぬほど適当でっす(汗) ****************** スタルンベルグ湖に黄金の日が映える・・・・。 ここに一つの墓標が在る・・・・・・・・・・・・・・・。 「何をやってるんだ・・・・・。」 この冷たい冬の寒さに関わらず。湖の冷水に手を浸している一人の少女・・。 問いかけても答えは無い・ 呆けたような表情、濃い赤い色の珍しい瞳の色には何が映っているのかさえ 定かでは無い・・・・・・・・・・・。 夕日の色と同色・・と思い込んでいたその服は一目見て高価なものと分かる純白な素材である・・・。 水面の光と光反射で色を勘違いして見ていたのだろう・・・・。 「おい・・・・・・・・・・・。」 再度声をかけてみるが・・返事は無い。 その様子に一種の危険な『何か』を感じてガウリイは目を離さず・・・。 失礼に当たらない程度に肩を掴んで見る。 が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 まったくもって反応は・・無い・・・・・・・・・。 それどころかその事件はガウリイの一瞬のスキをついてかのように起こる!! ばしゃ・・・・ばしゃ・・・・・ばしゃ・・・・・・。 水を含んだ衣擦れの音が本当に一瞬・・ガウリイが目を離した隙に聞こえ出す・・。 純白のドレスの裾を水でたくし上げられ・・・。 その少女は刃物で刺すように冷たい水の中を進んで行く・・・・・・???? 「馬鹿!!!!」 思わず彼女の後を追い、岸辺に連れ戻すガウリイ・・・・。 「あ・・・・・・・・・・・・・・・。」 彼女はその時になって初めてガウリイの存在を認識したらしかった・・・。 「『あ・・・』じゃないだろ・・・・。」 はあ・・・・・・・・・・。 と溜息をつきながらガウリイはビショビショに冷水を含んだ靴を脱ぎ捨てる。 「・・・・だって・・・・・・・・・・。」 そう言いながら再度、彼女はガウリイの方から湖の水面に目を向ける。 ・・・・・・その周囲には白鳥が群れてきている。 「貴方が来たからこの子達が逃げちゃったのよ?安心しろって・・伝え様と思って・・。」訳の分からない事を言う。 「・・・おまえなあ・・・・・・・・・。」 ほとほとついていけないな・・と思いながらもガウリイは視線を少女の眺めているものに焦点を合わせてみる・・・。 「あれは・・・・・・・・・??」 湖の中にただ一つ・・・。 飾り立てられて佇む一つのモニュメント・・・・・・・・・・・・。 「・・・・・墓標・・・・・・・・・・・・。白鳥の墓標よ・・・・・。」 あいも変わらず呆けたように少女はガウリイに言った・・・・。 「リナ様、リナ様、何処ですか!!?」 不意にけたたましい叫び声がガウリイの耳に届いた。 恐らくそれは・・この赤い髪の少女の名前なのだろうか? しかし、彼女は『何事にも関与したくは無い』と言ったような様子で面倒くさそうに其方の方に視線を向けるだけである。 「リナ様!!」 ここ・・バイエルン王国の家臣団だろうか? 高価な服装を身に纏った男が此方の方に駆けつけてくる。 「そんなに大声ださなくったて・・。聞こえてるわ・・・。」 視線は白鳥達の方を向けたまま。リナは感心の無さそうな声でその男に言う。 「そうは言われましても・・。貴方様が返答をくださらないから・・。」 「だって・・。面倒くさいんですもの。」 ミもフタも無い返答をリナは男にする。 「ともかく・・。城にお戻り下さい!!貴方様が見つけたがっていた人物をついに 発見したんですよ!!」 その一言に微かにリナの瞳に『関心』と言う物が示されたことが見て取れる。 「本当・・・・・????」 「ええ・・・・。確か・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 捜している人物・・とやらの名前を詰まらせる家臣・・。 が・・・・・・・・・・・・返答はリナのまったく想像すらしていなかった場所から来た。 「『ガウリイ=ガブリエフ…』だろ?」 「・・・そう・・。そう!!リナ様がご招集なされた『謎』とすら言われた名音楽家!!ガウリイ=ガブリエフですよ!!」 家臣の安殿喜びの声などもはやリナの耳には届いてはいない・・・。 「・・・貴方が・・なの・・・?」 先ほどから何故か自分に付き纏い・・・。しきりに話しかけてくる男・・・・。 それが・・捜していた音楽家・・ガウリイなのだろうか・・・? そう思い、リナは初めてまじまじと「彼」の方を見る。 「ま・・。そう言う事だな・・・。最も俺は『音楽家』じゃない・・・。 適当に思うままに・・。曲を作れば話も浮かんでくしオペラも作れる・・。いわば・・ 単なる『無想家』にしか過ぎないさ・・・。」 この少女が自分が夢で見て・・現実に再現している『音楽』や『オペラ』と言った 話の虜になっていることは容易に想像がついた。 だが・・決してガウリイは「音楽家」などではない。 思う事を自由に表現し、世の中に送り出している。それだけだ・・・。 「・・・束の間の夢幻を追い求めてるって訳ね・・・?それならそれで充分よ。」 心からのホンネ、であった。 ノイシュバンシュタイン・・・・。 美しい渓谷に立てられた白亜の城である・・・・。 「凄い中世風の城だな・・・・・・・・・・・・・。」 其処につれてこられたガウリイが発した第一声はそれであった。 「そうよ・・・・・・。アタシが即位すると同時に作らせたの。」 ガウリイの方を見向きもせずにリナはただ淡々とその事実を告げる・・・。 「・・・即位って・・・・・・・・・・・・・・。」 思わずその一言にガウリイは眉をしかめる。 言っておくが貴族や国王の系譜、更には名前や人相などにはまったくと言って興味は無い。「・・・知らなかった?アタシはこのバイエルン王国の女王なのよ?即位したのは・・。 今から7年前の・・12歳の時だったわ・・・・。」 少し遠い目をしながらリナはガウリイに言う。 「そっか・・・・・・・・・・・・。」 政治にはまったく興味の無いガウリイとはいえ、昨今のドイツ諸国が大変な状況に置かれて居る事は分かっている。 ビスマルク宰相が政権を掌握するプロイセンがこのバイエルンをも支配下に置こうと虎視眈々と狙っているのだ。 そんな状況下でたった一人・・12歳で女王にならねばならなきあったとなれば・・・。 ガウリイの考えに気付いたのだろうか? リナは少々自嘲地味た苦笑を漏らす。 「可笑しいでしょ?パリでは近代的だとかうんぬん言われているエッフェル塔が作られていると言うこのご時世に・・。こんな中世のお城を作るなんて・・・。」 「・・・・・・そうかな・・・?」 可笑しいとは思わない。いや・・第一思えないかもしれない。 自分も常々、理想や現実よりも泡沫の夢のみを追い求めて生きているフシが覗えるから。「在る意味・・アタシは傀儡にしかすぎないの・・・。それなら・・。いっそ自分だけの世界に生きてもいいんじゃないかな・・なんて思ってね・・。一つお願いがあるわ。」 ここに至ってリナは初めてガウリイの顔を直視する。 「何を・・・?」 「ヴァイオリンを聞かせてくれない?ローエングリンが良いわ。昔の・・・。 中世のアーチェル王の騎士の一人の話を・・・・。」 「ああ・・・・。分かった・・・・・・。」 この少女が一体全体『何』を求めているのだろう・・・? その苦悩は・・わかりそうも無い・・・。今のところは・・・・・・・。 バイエルンの町並みは恐ろしいまでに殺伐としていた・・・。 「ったく・・。あの狂った女王は・・。何を考えているのだかね。」 「ま〜〜たお城を作ることに夢中になって・・・・。」 「そんな金を使っている暇があったら・・。このバイエルンを狙っているプロイセンとの開戦に踏み切るべきだね・・・。」 国民のそんな声を聞きながらガウリイはただただ自然の豊かなこの田舎町を散策する。 リナの姿が城から消えたのだった・・・。 何処を捜しても彼女の姿は見当たらなかった。 「ったく・・・。ヴァイオリンを聞かせる約束をしたのになあ・・・。」 そんな事はどうでもいい・・・・。 リナの苦悩を知ってか知らないのか・・・。 こんな悪口や罵詈雑言を聞きながら町を歩くのがただただ辛いだけだった・・・。 『リナさんは決して狂ってなんかいません・・・。ただ、ちょっと自分の世界に閉じこもって風変わりな暮らしをしているだけです・・。周囲がもう少し気遣っていれば・・。 こんな事にはならないと思うんですけどね…』 リナの親友という・・確かアメリアとか言う少女が零した言葉が不意にガウリイの脳裏に蘇る。 その言葉が手掛かりとなったのか・・・・。 はたまた単に『惹かれて』なのだろうか? 足は自然と町外れの森の中に佇む、オペラ公演の頻繁に行われる離宮の方へと 向かって行った。 当然・・今日は一般公開はもとよりも高官、王家のヴィッテルスバッハ家の一族も着ているはずすらない曜日である。 そうと分かりながらもガウリイは片手で重苦しいつくりの扉を押してみる・・・。 鍵は掛かってはいない・・・・・・・・・・・。 ぎぎぎ・・・と音を立てながら扉は簡単に開いていく・・・。 まずは廊下を照らす、蝋燭の薄明かりが視界に飛び込んでくる。 これで・・『誰か』がこの離宮内部に居ると言う事実は確実となった。 「リナ・・・・・・・・?」 確信こそは無い・・・・・・。 しかし、廊下に点在する蝋燭の光だけを頼りにガウリイはと、ある奥まった所に 存在する一室に辿りつく。 ぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 先ほどの入り口の扉以上に重苦しい・・強いて言えば錆付いたようなおとが 聞こえる・・・・・・・・・・・。 「リナ・・・・・・・???」 本当に僅かにライトアップされたその部屋に・・・・・・・・。 巨大な舞台に・・・豪華な客席・・・・・・・・・。 しかし、その客席に居る人物はただ一人・・・。 先ほどからガウリイの捜し求めていた・・・『彼女』以外に誰も居ない。 「・・何をやってるんだ・・・・?」 他に質問のしようもなく、自分でも間抜けなことを聞いているな・・とつくずく痛感 させられてしまう。 「来ると思って待ってたの・・・。貴方は約束を破るタイプには思えないし。」 リナ自身、自分でも何を言っているのか分からないな・・と少々思わざるおえない。 「・・・・待ってたって…?」 「ヴァイオリン・・。弾いてくれるよね?あたしだけのタメに。もっとも・・・・。 後の世の中の人達は・・。アタシはイカレて・・。自分一人のタメに会場を貸しきってオペラを上演させた「狂王」だったと吹聴するでしょうね・・・・。」 苦笑交じりにリナはガウリイに言う。 「・・・・そんなこと・・・・・。」 「・・・あるのよ・・・。ちょっと機嫌の悪かった時に散歩に出かけてね・・・。 狭い道一杯に街路樹が植えてあったのよ・・・。でアタシは一言・・・。たった一言・・。『通行の邪魔ね』と言ったら・・。翌日その街路樹は全部切り倒されたのよ・・。 『狂王』であるアタシの名義で、ね。」 その瞳には微かな憎しみの色すら覗われる。 そんな様子が痛々しい。恐らく、彼女の家臣達はこの幼い女王を自分たちの傀儡とする事を望んでいるのだろう。 そして・・リナはその犠牲者にしか過ぎない・・・。 「憎むな・・・・・・・・。」 憎んだ所で・・何にもなにりやしない・・・。ただ、疲弊するだけである・・・。 それは・・今は何故かは言えないが。自分が一番良く分かっている。 「憎んではいないわ・・・・・・・・・・・。」 自覚は無いだけかもしれないけど・・・・。自分が何故全てを直視できないのか。 それが今のリナには思い出す事がどうしても出来ないのだ・・・。 「・・直視したくないなら・・する必要は無い・・。今に・・・」 彼の言い出しそうな事は大方の検討はついた。 「・・・出来もしない事は言うものじゃないわ・・。」 そっとガウリイ口に指を3本ほど当てて・・・。 次ぎの言葉が出る前にその『約束』となるであろう『言霊』を封じる。 「そうかな・・・・?」 リナが遭えて言わないで欲しい、と言うのなら。 『俺が何時かは絶対に助ける』と言う言葉は言うのはよそう・・・。 彼女は知らないだろうが・・・。 ガウリイが最も嫌悪してやまないその力を遣えば・・・。リナを救う事など容易い事だった・・・・。 無論、リナのためならば・・今の自分を捨てる事だって厭わないつもりである・・・。 「そうよ・・・・・・・・・・・・・・・・。」 そう、思うことにしよう・・・。期待してしまう自分が一番怖い。 「今貴方に出来る事をして貰いたいわ。お願い。ヴァイオリンを弾いて頂戴。」 束の間の夢幻を求めていると思われてもかまわない・・・・。 流れ出る調を聞きながらリナはそう思う。 このバイエルンを愛していない訳ではない・・・。 しかし、下手に反抗した所で・・プロイセンの圧倒的な力には屈するより他 手立ては無いのだ・・・。 しかし、ソレでは何も知らない国民は納得するはずは無いだろう。 ・・・ならば・・・・・・・・・・・・。 『自分』・・本来リーダーとなるべき自分が・・・。 『欠陥品』になるならばどうだろう・・・・・・・・・・・? 確かに、バイエルンはかの極寒の地、ベルリン、ブランデンブルクの支配下に陥る事実は変わらない。 しかし・・この場合、屈辱を受けるのはリナ一人で済まされる。 バイエルンの女王たるリナ・・ただ一人で・・・・・。 そして誰も傷つかずには済むのだ・・・。誰も・・・・・・・・・・・・・。 ふっと脳裏に昔の事が蘇る・・・・・。 無想がちなのは・・昔からだった・・。 しかし、何かが傷つくことが恐ろしくなったのは・・いつからのことだろう? 「リナ・・・・・・・・・???」 不意に途切れるヴァイオリンの音階・・・。 「続けて・・・・・・・・・」 と発したい言葉が喉もとまでこみ上げてくるが・・それこそ音にはなってない。 「・・・泣いてるのか・・・・?」 ガウリイに言われて初めて自分が涙を流している・・その事に気付く。 「・・そうだね・・・・・・・。」 泣いていたのかもしれない・・。今ではなく・・昔の何かに・・・。 「ともかく・・。こんな所は環境には良くないな・・・。」 夜の森の冷気を吸えば・・きっと気分も良好になるだろう。 そう考えてガウリイは自分の羽織っていたコートをリナに着せ掛け、外に散歩に出かけることにするのだった・・・・。 夜の森の中には霧が出ている・・・。 「へえ・・・・・・。」 凄い霧に思わずガウリイは声を漏らす・・・。 「珍しいの?」 そんなガウリイの様子を眺めながらリナは彼に尋ねる。 「ああ・・・・。ウィーンはどちらかと言うと・・乾燥している場所だからな・・・。」 ボソリ・・とガウリイは思い出したくも無い都市の名前を言って見る。 「ウィーン・・・・。」 思わずリナの瞳が・・僅かながら輝くのをガウリイは見落とさなかった。 「辞めとけ。あんな所・・。下らないし面白くも無いだけだ・・・。」 吐き捨てるように言ったガウリイの一言にリナの瞳が再度曇る。 「そう・・・・・・・・・・・・・・・・。」 不味い事を言ったのだろうか・・・・・・・・・??? そう思うに至ってガウリイは少々申し訳が無いように・・・・。 「どうしたんだ・・・・?」 と尋ねて見る。 「・・・アタシの従姉が嫁いでいるの。ウィーン・・・・。物凄く仲が良かった・・。」 ・・・・・・・彼女の心配は的中しているだろう・・・。 あんな住み心地の悪い所では・・このリナに似ているに違いない従姉は・・・。 あえて言うつもりは無いが・・・・・。 「リナ・・・・・・・。」 「何・・・。」 「ナンでも無い。」「変なの・・・・。」 そんな会話を数回続ける。このリナが『引きこもり』よろしく・・・。 外に出ることや他人との会話を忌み嫌い・・自分の世界にのみ安逸を求めるようなタイプにはどうしても思えない・・・・。 「昔は母上が大の登山スキでね・・。こ〜やって良く一緒に出かけたものだったわ・・。」ガウリイの疑問を察したわけでもないのにリナは口が軽くなったのか・・・。 或いは安心をしたのだろうか・・・・・??????? 饒舌になって何かを語りかけようとしている。 「でも・・・。ナンで今じゃ・・・・・。」 「分からないの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 何故自分がこんなに物事に怯えるようになってしまったのだろうか? 月明かりの中、初めてリナを発見した湖の・・その逆岸にまで散歩コースは至っている。 「リナ・・・・・・・?」 先ほどまでガウリイの後ろをついてきていたリナの姿が見当たらない・・・? リナ・・・・・・・・??????? 「いや・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 地面に蹲り・・おもむろに頭を抱えながらリナはつぶやく・・・。 「リナ…???」 その様子はまったくもって尋常では無い?? 「いや・・・分からないの?見えないの?ガウリイ!!血が・・血が!! 白鳥の・・白鳥達の血が・・・見えないの!!湖を染めてるわ!!真っ赤な・・・。」 そう言いながらリナは冗談では無く、本当に錯乱している様子である。 「落ちつけ!!」 その肩を掴んで思いきり引き寄せ・・頭を抱いて落ちつかせる・・・・。 墓標・・・白鳥の墓標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 恐らく・・リナはなんらかのその恐怖感が未だに抜けきっていないのだろう・・・。 「リナ女王は精神錯乱を起こされている!!退位、そして軟禁を要求する!!」 ガウリイの面会を要求した訴えを高官はアッサリとそう言ってかわす。 「馬鹿な・・・・・・・・・・・・。」 リナは精神錯乱など起こしてはいない・・・。ましてや・・退位や軟禁・・・。 一生を牢獄で過ごせ・・と言うのだろうか・・・・・??? 「ガウリイ・・・・・・・・・・・・・。」 庭に出たガウリイに上部の窓から微かにリナの声が聞こえる・・・。 「・・・言ってはいないが・・・・・。」 誓うと言う事はさせてもらえなかったが・・・・・・・・・・・。 助けると約束したからには・・助ける。それだけだ・・・・・・。 ここに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 一つに纏められた墓標が在る・・・・・・・。 一つは・・謎の水死を遂げた・・泡沫の一人の美しい・・・。 『白鳥の女王』と言っても過言ではない・・一人の若いバイエルンの女王の・・。 そして・・・・・・・・・・・・・・・。 もう一人は・・その女王と密に愛し合ったとされる・・一人の大国ハプスブルク家を 逃げ出した王子・・・・・・・・・・・・・・。 伝説ではそうされている。 「真坂・・。貴方がハプスブルクの王子だとは思わなかった・・・。 しかし、と、ある一人の貴婦人はこう告げた・・・。 『白鳥の墓標』のある湖に・・・。一隻の船がやってきて・・・。 霧の中から一人の高位の身分である事請け合いの軍服姿の男が一人舞い降りて・・。 純白の服・・赤い髪のバイエルン女性を・・強いて言えば女王を連れて逃げ去ったと・・。其方の伝説は・・至って信憑性が薄い・・とされるのだが・・・・。 「リナ・・・・・・・・・・・。」 伝説なんて知った事ではない・・。今は二人でこうして湖に船を走らせて・・。 一緒にこの霧の多い、美しい牢獄の土地を去ろうとしている。 自分が音楽を作ったのは・・単に自分の表現でしかない。 改めてガウリイはそう思う。名声なんて・・ましてや王子の位なんて知った事で無い。 「墓標にそなえるわ・・・・・・・・。」 幼い頃垣間見た・・恐怖は消え去っているのだろうか? 船を白鳥達の眠る場所に滑り込ませ・・花冠をリナは投げ・・・・。 今更ながら思い返す・・・。あの日、あの時、あの場所・・・。 全て垣間見たのは、自分自身の悪夢だったと言う事。 白み始める朝の空気の中、その証拠にガウリイとリナの周囲を冬の引き締まる空気と共に白鳥達もこうして飛び交っている・・・。 これは・・自分自身の悪夢の墓標にほかならない・・・。 実際に世界のすべてはこんな時代、こんな時世でも機能して生きているのだ・・・。 眩しいまでの笑顔をガウリイにも投げかけた・・・・。 「そうだな・・・。これから・・何処へ行く・・・?」 「・・・何処へでも・・よ・・・・・・・・・・。」 生きている限り・・・・。もう幻想を追う必要も無くなっただろう。 そうリナは思いながら・・・・・・。 ****************** |
11962 | 白鳥は悲しからずや〜♪ | P.I E-mail | 9/21-21:44 |
記事番号11944へのコメント CANARUさん、こんばんは〜♪ うわ〜!リナがルードヴィヒでガウがさすらいの音楽家ですかぁ!? ・・・ワーグナーと言うには神秘的でかっこよすぎ〜!! リナのためにバイオリンを弾いてるところ想像してクラクラしました〜♪ リナ女王もなんか謎めいていて・・・うふふ、美しいです〜〜(はぁと!) ハプスブルクの王子様・・・きっと傍系中の傍系でしかも三男坊かなんか なんでしょうねぇ。遺産を生前分与してもらってあとはひっそり悠々自適(笑) この後は作曲も演奏もリナの為だけに・・・ああ〜いいなぁ〜〜(うっとり) そーいえば、「うたかたの恋」って宝塚でも上演されたそーですよ〜。 「エリザベート」でフランツ=ヨーゼフ演った人(宙組のなんとかさん・爆)が ルドルフ役だったとか・・・。観てみたかったです〜・・・。 話は変わりますが、サラ・ブライトマンの3枚目のアルバム「LA LUNA」が出た そーですが、CANARUさんはもう入手されましたか? Pは今日お店でジャケットの写真だけ見てきました。(すでに売り切れ!・泣) それではまた〜!! |
11965 | みゃ〜ん♪ | CANARU | 9/22-10:47 |
記事番号11962へのコメント >CANARUさん、こんばんは〜♪ >うわ〜!リナがルードヴィヒでガウがさすらいの音楽家ですかぁ!? はい〜〜♪ なんとなくお店の有線クラシック聞いているうちに思いついた 話です〜〜♪ >・・・ワーグナーと言うには神秘的でかっこよすぎ〜!! う〜〜ん・・・。 ちょっとガウリイ君ではワーグナーから外れたかな・・? などと今更思っています〜〜♪ >リナのためにバイオリンを弾いてるところ想像してクラクラしました〜♪ >リナ女王もなんか謎めいていて・・・うふふ、美しいです〜〜(はぁと!) ありがとうですううう!! ナンだか少々設定と表現ボヤしちゃったからなあ〜〜〜・・。 などと思っていたので〜〜嬉しいでっすううう!! >ハプスブルクの王子様・・・きっと傍系中の傍系でしかも三男坊かなんか >なんでしょうねぇ。遺産を生前分与してもらってあとはひっそり悠々自適(笑) >この後は作曲も演奏もリナの為だけに・・・ああ〜いいなぁ〜〜(うっとり) ですねえ〜〜♪ これからも悠悠自適に旅を続けるんですね〜〜♪ やっぱりガウリイ・・必殺三男坊!! >そーいえば、「うたかたの恋」って宝塚でも上演されたそーですよ〜。 >「エリザベート」でフランツ=ヨーゼフ演った人(宙組のなんとかさん・爆)が >ルドルフ役だったとか・・・。観てみたかったです〜・・・。 ですねえ〜〜・・・。 そのうちビデオを探そうかな〜〜・・・。 などと最近では企んでおります!! >話は変わりますが、サラ・ブライトマンの3枚目のアルバム「LA LUNA」が出た >そーですが、CANARUさんはもう入手されましたか? >Pは今日お店でジャケットの写真だけ見てきました。(すでに売り切れ!・泣) みょ〜〜〜!! 情報ありがとうでっす!! 田舎なので・・ファンはまずいないと思うので「売りきれ」は 無いとは思いますが・・・・。 在庫事態無い確立高いですううう!! >それではまた〜!! では〜〜!! 早速探してみます!! |