◆−その後。。。3(以下ガーヴァルフィリ)−雷児(10/9-03:17)No.12110


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12110その後。。。3(以下ガーヴァルフィリ)雷児 E-mail 10/9-03:17


ちょっと掲載遅くなったね・・・あらすじは・・・
ガーヴ様が公園に出てきたところまで。
フィリアとリナの孫が一緒にお家の中。
ヴァルはガー様とお話中って感じかな。

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「で?ちびは今日は何をたくらんでるんだ?」
本を持った赤毛の大男はヴァルを撫でながら言った。
「ぼくのおうちにくるの。」
そう言いながら大男の指を引っ張った。
「おいおい・・・」
男はあからさまに焦ったように指を引き戻した。
何でかわからないといった顔でヴァルがこっちを見ていた。
「俺は俺のお家があるの。」
「それじゃ、あそびにくるだけでもいいの。」
そう言うヴァルに苦笑いをしながら結局はごり押しされてついていく。
「・・・まいったなぁ・・・」
小声で溢す――ヴァルには届かないくらいの声で。


「・・・・・・」
「どったの?」
金髪の少女はまたも何やら不思議そうな顔つきをしたフィリアに聞いた。
「え・・・いえ・・・なんだか・・・」
――――近づいてきているような・・・いつもはこんな事――――
「・・・ん?」
金髪の少女も急に外を見る。
「・・・すっごい魔力・・・」
少女がボソリと言う――やはり感じる、強烈な魔力。
「ゼロスかしら・・・」
フィリアが小さな声で言う。
「ゼロス・・・ってあのおかっぱの変なやつの事でしょう?多分違うわ。」
二人が沈黙してちょっとして―――ひょっこりと顔を見せたのはヴァルだった。
「あら・・・ヴァルガーヴ・・・」
でも大きな魔力はまだ近くにいた。
フィリアが椅子をたってヴァルに近づいていこうとした時、気配に気がつく。
「・・・そこにいる奴じゃないの・・・?」
金髪の少女はいつでもどんな対応でもできるように緊張する。
「あのね」
そこにヴァル。
「え?」
「おじちゃんをね、つれてきたの」
「おじちゃんって言うなってば・・・」
男はヴァルの頭をぺち、と叩きながら言った。
「あ・・・」
フィリアは木を当てられている所為がいまいち理解でいていないように返事した。
「おっさんさぁ」
少女が口を開く。
「だから違うと言うだろ・・・」
「や、どうでもいいからさ、魔力収めてくんない?
 こっちは体制崩せなくって辛いんだけど・・・・・・」
そう言われて男は気がついたように力を抑えた。
「あ、すまん・・・急にこいつが家に連れて行くとか言い始めたもんだから・・・」
そう言いながらフィリアの方を見た。
「ふぃりあ?」
フィリアははっとしたようにヴァルを見た、そして男の顔も見る。
「あの・・・あなた・・・お名前は・・・?」
少し蒼い顔をしながらフィリアが聞く。
「・・・・・・」
少し名前を言うのをためらってから―――
「ガーヴだ・・・」
「!!」
フィリアはやはり、と言うように顔を強張らせた。
「ガーヴ・・・って魔竜王ガーヴでしょ?滅んだんじゃなかったの?」
少女がそう聞くとガーヴは肩をすくめて言った。
「ある女に助けられたんだよ・・・神族のな。」
「神族・・・の・・・?」
フィリアは少し声を振るわせながらガーヴに問う。
「あぁ・・・すまなかったな急に来てよ。驚いただろ・・・」
「あ・・・」
フィリアは少し焦ったような顔つきでどう答えていいものかと答えを探していた。
「気にするこっちゃねぇさ、仕方の無い事だろ・・・」
「あの・・・ヴァルとは・・・」
そう言いかけた刹那―――
「つまんない」
ヴァルがむくれ始めた。
「・・・ヴァル・・・」
「・・・ヴァルガーヴ・・・」
フィリアがそう呼んでいるのを聞いてガーヴが不思議そうな顔をする。
「ヴァルガーヴ?」
そう聞くとフィリアは首を縦に振った。
ガーヴにはかなり不思議な事ではあったが、嬉しくもあった。
ガーヴはヴァルの頭をぐりぐりと撫でると、
「わかったわかった、遊んでやるよ。」
そう言ってヴァルの部屋へ――ヴァルに引っ張られて行った。
「あーらら・・・」
聞き手にまわっていた少女が口を開いた。
ボーっとしながらもフィリアはそっちの方へと顔を向けた。
「大丈夫なの?あの人魔族じゃないの?」
「いえ・・・確かに力は黒いけど・・・魔族では・・・無いみたい・・・」
自分が魔族を近くにすると気分が悪くなるはずだと思いながら・・・
――ゼロスが来た時のような嫌悪感は全く無かった。
「ふぅん・・・っていうかさあたしもうそろそろ宿に行きたいんだけど・・・」
「あ・・・そう?家に泊まってもいいのだけど・・・」
「いーわよ、そこまで世話になりたくないし。」
けらけらと笑いながら少女は身の回りを整えた。
そして、家から出て行こうとした時に―――
「あ・・・」
フィリアが声を出す。
「ん?どうしたの?」
少女が振り返って首をかしげる。
「名前・・・まだ聞いてないわ・・・」
肝心な事を聞き忘れていたと思いながら、フィリアが聞いた。
「私の名前はガリア=ガブリエフよ。ほんじゃね。」
そう言って、少女は手首をパタパタと振って立ち去ってしまった。
見送ってから、フィリアは家の中に入り、
ヴァルの部屋の方へと視線だけを向けていた――――居るのだ―――
魔竜王ガーヴが今この家の中に居る――昔のヴァルガーヴの唯一の――
やけに静かだと思いながらフィリアは部屋の前まで足を進める。
入りかねているところに中から声がした。
「入ってきても良いぞ?」
ガーヴである。自分が部屋の前に居るというのを感ずいていたのかと思い、
少し硬直するが、部屋の中に入っていく。
そして見た物は―――
ベットの上のガーヴの膝の上で気持ち良さそうに寝ているヴァルだった。
「最初は遊んでたんだけどな・・・こいつなりにだが、
 でも何だか眠たそうにしてたんで乗っけてやったら案定寝やがった。」
「そう・・・ですか。」
「ヴァルを・・・」
「え?」
「ヴァルを相手にするの大変だろ・・・」
少し微笑しながらヴァルの頭を撫でてやる。
「えぇ・・・」
少し苦笑いになりぎみな微笑みでフィリアが答える。
――足を部屋の中へと進めて少しガーヴの近くへと行く。

幸せそうに寝ているヴァル。
楽しそうに見ているガーヴ。
そして自分。

「あの・・・」
フィリアは何か決め事をしたような顔つきで口を開いた。
「ん?」
ガーヴはフィリアの顔のほうを見て返事をする。
「お願いが―――」
――――――ひと息置いて
「あるのです。」



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あんv中途半端♪(死爆)
次くらいで終われるかな・・・ごめんね、遅くって・・・(滝汗)


そんじゃ〜。