◆−ゼロリナ(仮)予告編−稀虹 戯空(11/4-14:51)No.12259
 ┗パラレル・クローズの悪夢使い 序奏−稀虹 戯空(11/4-15:17)No.12261
  ┣にゃにゃぁっ♪−れーな(11/4-18:28)No.12267
  ┃┗にょにょん♪−稀虹 戯空(11/6-14:46)No.12282
  ┣Re:パラレル・クローズの悪夢使い 序奏−神無月遊芽(11/4-18:46)No.12269
  ┃┗どうもどうも〜v−稀虹 戯空(11/6-14:19)No.12279
  ┗パラレル・クローズの悪夢使い 第一楽章−稀虹 戯空(11/6-14:46)No.12281
   ┗パラレル・クローズの悪夢使い 第二楽章−稀虹 戯空(11/8-21:07)No.12292
    ┗パラレル・クローズの悪夢使い 第三楽章−稀虹 戯空(11/11-23:42)No.12310
     ┣お久しぶりいいぃぃぃっ!!!−れーな(11/12-14:45)No.12320
     ┃┗久しぶりだわさぁぁぁぁぁぁ!−稀虹 戯空(11/12-18:49)No.12321
     ┣はじめましてぇ。−理奈(11/15-04:32)NEWNo.12330
     ┃┗はじめましてっありがとうございますっ!−稀虹 戯空(11/16-16:58)NEWNo.12344
     ┗パラレル・クローズの悪夢使い 第四楽章−稀虹 戯空(11/16-16:58)NEWNo.12345


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12259ゼロリナ(仮)予告編稀虹 戯空 11/4-14:51



 ども。見事に文化の日と文化祭の間に投稿できたぎくーです(笑)
 というわけで、ゼロリナ〜な小説の予告をさせて貰いますっ!
 ……予告って初めてかも(笑)


☆★☆★☆


 道に転がっていた赤い実
 柔らかいと思って踏んでみたら
 ぺしゃりと潰れてしまった
 世界には幾つも
 『そうだと思っていたのに違うもの』が存在する
 例えば
 世界は一つと思っていても
 もしかしたら
 二つ目、三つ目の世界があるかも知れない
 人は悪夢を
 掴むことの出来ない空想と思うけれど
 もしかしたら
 ものとして存在し、そして
 簡単に操れるかも知れない



「何を見ていたんです?」
「何だと思う?」
「さぁ……空、ですか?」
「たしかに、空にはきらきらと星が輝いているわ。でも、わたしが見ていたものは別のものよ」
「では、雲ですか?」
「いいえ。月を覆う、あの分厚い雲では無いわ」
「では……何でしょうか?」
「そうね……一言で言うとすれば」
「言うとすれば?」
「もう一つの世界への扉、かしら」



  平行世界
  パラレル・ワールド
  その穴
  ホール
  パラレル・ホール
  閉じなければ
  悪夢
  悪夢使い
  創造主が眠り続ける限り
  存在し続ける悪夢
  悪夢がやってくる
  閉じなければ
  パラレル・ホール
  クローズ
  「閉まれ!」
  パラレル・クローズ
  悪夢使いがやってくる
  閉じなければ
  パラレル・クローズの悪夢使いがやってくる



          『パラレル・クローズの悪夢使い』




  それは、一つの伝承に過ぎないかも知れない…………
  けれど、あるいは


☆★☆★☆

 ちょちょ切れトンボ〜(謎)
 一番最後、わざと半端に終わしています。
 まぁ、私が最近ハマっている某アニメの挿入歌がイメージですから(笑)
 なんだか、詩ですね〜。最近詩に凝ってます〜。
 とりあえず、これからプロローグを投稿します。
 お楽しみいただけたら、光栄です。

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12261パラレル・クローズの悪夢使い 序奏稀虹 戯空 11/4-15:17
記事番号12259へのコメント


 というわけで、女装……じゃなかった、序奏です。プロローグとほぼ同じ。
 これだけじゃ意味はほとんど分かりません(笑)今後、謎が明かされて行く……と。
 序章の割には長めです。いつも通りか……。
 では、お楽しみいただけると幸いです。

__________________________________


  パラレル・クローズの悪夢使い
  序奏  メビウス


  誰も考えない他人のこと
  誰かの幸せと引き替えに
  必ず誰かが不幸になるのに
  誰も考えない
  他人の幸せの事なんて
  きっと
  貴方の手の中にあるその幸せ
  誰かの涙が染みている

  Vanish!
  消え失せてしまえ
  こんな世界 あらゆるもの
  誰も誰かのことなど考えない

  Vanish!
  消え失せてしまえ
  裏切りの世界 復讐の世界
  もう何も欲しくない
  もう何も要らない
  どうせ手に入らないから

  消え失せてしまう
  本当の自分


「ほら。最後の面会の時間だ」
 筋肉質な男の言葉に扉が開かれ、一人の女性が現れた。
 彼女を前にして、彼の決心は揺らぎかけてきた。
 今まで、初めて愛した女性。
 ずっと一緒にいようと誓った人。
 けれど…………
 彼は、今からその約束を破る。
「……ごめん」
 彼は、何とか喉の奥から絞り出すように、声を出した。
 それを聞いた瞬間、彼女の瞳から涙が零れる。
「いいえっ……貴方が……悪いんじゃないんですっ……」
 彼女は、何とか声を出す。嗚咽が混じり、聞き取りにくい声だった。
 けれど、彼にはそれが嬉しかった。
 自分は、これから彼女を裏切ることをする……いや、される。なのに、彼女は自分を哀れんでくれている。悲しんでいてくれる。
 彼はひどくゆっくりとした動きで――身体の節々が、疲労と痛みで、悲鳴を上げている――けれどしっかりと手を動かし、彼女の涙を拭う。
「ずっと……一緒にいる、と言ったのに……」
 ほそぼそとした、力のない声。
 その声から、今まで彼が受けた差別を思い、彼女は再び涙を流す。
 彼が、腕を広げる。彼女はすぐに抱きついた。その背中に、彼は手を回す。
 ひどく、小さな存在に思える。自分の腕の中で震える、まるで大切なものを目の前で失った少女のような、恋人。
「俺のこと……これからも、忘れないでいてくれ」
「絶対に忘れませんっ……」
 彼の言葉に、細かい動作で彼女は応える。
 永遠に、時が止まればいいのに。そう思う。
「面会の時間は終わりだ」
 唐突に告げられる、冷たい声。
 彼と彼女は、のろのろと離れる。その動きに、男がいらだった声を出す。
「早くしろ。女王と王子が、そして民が皆、待っている」
 ゆっくりと、彼は男に目を向ける。
 ひどい、恨みと哀しみの瞳。思わず、男はたじろぐ。が、すぐに持ち直す。
「連れて行け」
 男が冷たい宣告を下すと、脇に控えていた兵士風の男が二人、だらりと力無い彼の腕を掴み、連れていく。
 彼女が現れたのとは反対側の扉を開け、去っていく。
 足音が、徐々に遠ざかり……聞こえなくなる。
 彼は、自分の肩に掛かった任務を全うし、自分の名に恥じぬ行動を、これから取る。
 一国を背負う者として……敗国の王家の者として、処刑される。さらし者としての、公開処刑。
 何故、彼がこんな目に…………
 そう思い、彼女は立ちつくした。
「彼はっ……誰も憎んでいないのに。何故殺されなければいけないんですかっ……!」
 思わず、叫んだ。叫ばずにはいられなかった。
「さぁ、お前はこっちだ」
 だが、彼女の言葉を無視し、男は彼女をもと来た扉へと促す。
 彼女が、俯いたままゆっくりと後ろを向くと…………
 突然の、衝撃。痛み、と言うものは感じなかった。ただ、ひどい違和感が身体を突き抜ける。
 ゆっくりと……本当にゆっくりと、時間が過ぎていく気がした……彼女は、自分の胸元を見下ろす。
 血塗れの、刀の切っ先。
 身体を、心臓を、刀が貫いていた。
「『羽の王子』と恋仲の『羽の巫女』だ……いつ、我々に復讐するか判ったものではない。悪くは思うな、これが運命だ」
 男の言葉に、彼女は絶望した。
 これは罠だった……そうだ。
 冷酷な女王として有名な『波の女王』が、何故慈悲深げに彼の処刑の直前に、彼女を面会させたのか?
 それは、こうして……いつか復讐しかねない、彼女の命も奪うため…………
 彼女の頬を、一筋涙がつたった。
 それは、世の中の哀れむべき人々を見て流した、神の涙だったかも知れない。

「僕の母のこと、どう思いますか?」
 『波の王子』が、ぽつりと呟いた。
「『波の女王』のことを、どう思うか……?」
 尋ねられた『葉の王女』は、聞き返した。
「貴方は、どう思うの?」
「……僕がどう思うか?」
 意外な質問に、『波の王子』は思わず沈黙する。
「そりゃ……母ですから、嫌ってはいませんが……」
「……あの母を愛せるの?」
 王子の言葉に、王女は思わず呟いた。
「先刻の、『羽の王子』の処刑の時の女王の顔、見てもそういえるの? 笑っていたのよ、あの女王は!」
「…………」
「いくら一国を継ぐ者と言っても、『羽の王子』はまだ二十歳にもなっていなかったのよ? わたし達よりも年下なのよ!? 目の前で両親を殺されたというのに、彼は逃げなかった。全てが彼に辛く当たっていたというのに、彼は『波』からは逃げなかった。処刑も、素直に受けた。そんな少年が殺されたのに、貴方の母親は笑っていたのよ!?」
「それが、貴方の義母です」
 手を動かし王女は叫んだが、王子は冷たく言った。
「…………そう。わたしは貴方の妻。貴方の母は、わたしの義母」
「……たとえ争いを終わらせるための政略結婚だったとしても、僕は貴方が好きですよ」
 にっこりと笑い、王子は言った。
「貴方は、僕のことをどう思っています?」
「……嫌ってはいないわ」
「それは、『好き』と言う意味ととっても良いでしょうか?」
「……勝手にしなさい」
 王子のからかいの言葉に、王女は彼から目を逸らした。
 遠い空で、雲が泳いでいる。
「貴方、平行世界って……信じる?」
「何を突然……」
「答えて。書物などで記されている、この三覇世界に平行して存在しているという世界を、貴方は信じる?」
 王女の気迫にも王子は微笑みながら、答えた。
「僕は信じています」
「じゃあ……その世界に、わたしたちの生まれ変わりが生きていると言っても、貴方は信じる?」
「……ずいぶん、突拍子もない事を言いますね……」
「知り合いの巫女から聞いたの」
 彼女は、空を仰ぐ。
 果て無く続く空。その平行世界にも、これと同じ青い空があるのか。
「『波の王子』」
「なんですか? 『葉の王女』」
 王女の言葉に、王子が応える。
「今回も、この世界は救われなかった」
「……は?」
「今回の平行世界に生きるもう一人のわたしは、今回のこの世界に来ることが出来なかった。けれど、次こそ必ず……」
「……何のことですか?」
「この世界には、いくつもの『世界』がある。今から一分前の世界。一秒前の世界。コンマ一秒前の世界。そして、後の世界。『この』世界は、救われずに滅んでいく。もう一人のわたしが、この世界に来なかったから。けれど、幾つも同時に存在する他の三覇世界には、もう一人のわたしがやってきて、救われるかも知れない」
「何を言っているんですか!?」
 気でも狂ったかと思って、王子は大きな声を出す。しかし王女は落ち着いた様子で、言葉を続けた。
「判らないの? タイムマシンと同じなのよ。幾つも同時に存在する世界。一つ一つが、過去へとさかのぼって存在しているの」
「……言っている意味が、よく判りませんが」
「…………もう良いわ。ただ、これだけは言える」
 王子の言葉に、落胆したように王女は言った。
「この世界は救われない。ただ、他のどれかの世界は救われる。メビウスの輪に導かれて」
「…………メビウス?」
 何処かで聞いた名だ、と思い、王子は呟いた。
「メビウスの輪……輪廻転生の輪」
 王女は、静かに告げる。
 この空恐ろしさは一体何処から来ているのか、王子は心の中で疑問に思った。
「前世で浅からぬ関係を持つ者は、後世でいつか再び出逢う。時には恋人、時には敵」
「……平行世界には、もう一人の僕が居て、もう一人の貴方が居る、と……そして、もう一人の貴方は、いつかこの世界に来る……そう言いたいのですか?」
「それだけ判ってくれれば、良いわ」
 王女は、やっと微笑んだ。










「リナさぁぁぁぁぁぁん!! 学校に遅刻しますよぉぉぉぉぉ!!」
「判ってるわよぉぉぉぉぉ!! ちょっと待ってて、今行くからぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 外から聞こえるアメリアの叫びに、あたしも叫び返す。
 毎日のこと……と言ってしまえば何だけれど、本当に毎日、あたしとアメリアはこうやって叫び合っている。
 時にはあたし。時にはアメリア。
 必ずどちらか、毎朝遅刻しかけるのだ。
「ふーっ、お待たせっ!」
 無事にあたしは、制服姿でアメリアの前に姿を現す。
「じゃ、行きましょ……っか……って……」
 あたしはアメリアの方を見て、だんだん言葉の最後の方を小さくしていく。
「何であんたが此処にいるのよっ! ゼロスっ!!」
「いちゃ、いけませんか?」
 あたしの絶叫に、ゼロスはからから笑って答える。
 本当に、あっさりした答えだコト……。
「いけないと言ってはいないけど、良いとも言ってない!」
「まったくリナさんは屁理屈こね屋さんなんですから〜」
「どっちがよぉぉぉっ!!」
 ゼロスのふざけた声に、あたしは叫ぶ。
「リナさぁぁん……遅刻しますよぉぉ……」
 アメリアの弱々しい呟きも、聞こえない。

 こうしてあたしは、今日も遅刻する。
 ギリギリセーフで校内に入ったアメリアと、余裕綽々で入ったゼロスを見つめながら、今日も生徒手帳を取り上げられる……。




 輪廻転生の輪。
 メビウスの輪。
 表と裏が交互の輪。
 今回の世界は、救われるのか…………
 それは……


  ▽To Be Continued・・・

__________________________________


 えー、序奏でした。どうでしたか?
 とりあえず、これからも今回の様な感じに、その時の話に合った短めの詩を書いてみるつもりですが……
 今回のこれ、ちょぴっとエヴァのあの歌ですね(笑)タイトル忘れた。
 イメージ的には、予告で書いた某アニメの挿入歌の一つ、『成熟年齢透明期』です。「Vanish! Fade away! Melt away! 消え失せろ!」のあれ。判らないか(笑)
 あれがヴァルの曲に聞こえてならない私は変ですか?(変です)
 今後、『葉の王女』とかの正体がストーリーで判っていくつもりです。大体予想ついても言わないで下さい。ちょぴっと口調変えていますので、「ん?」という事があるかも。

 じゃ、ちょっとネタ晴らし。
 『葉の王女』が言っていた世界理論(勝手に命名)。あれは、私が実際に考えていることでもあります。実在するはずがない、と言うこと前提で。
 だって、タイムマシンで一分前の世界に行ったとしたら『一分前の世界』が、二分前だとしたら『二分前の世界』が必要じゃないですか。屁理屈ですけど。
 メビウスの輪は……有名ですね(^^)
 では、次回は明日か明後日か…………
 楽しみにしていて下さると、嬉しいです。

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12267にゃにゃぁっ♪れーな E-mail 11/4-18:28
記事番号12261へのコメント

稀虹 戯空さんは No.12261「パラレル・クローズの悪夢使い 序奏」で書きました。

にゃごにゃごにゃあ。にゃにゃーにゃんにゃ。ごろごろごろ・・・
・・・・・・ふう。最近猫化が進んでるのかしら・・・れーなです。
なーんてボケてる場合じゃないんだっけか。
ぎくーの小説復活っ!ってことらしいんでちょっち浮かれ気味?なはず!(爆)

> というわけで、女装……じゃなかった、序奏です。プロローグとほぼ同じ。
ういー。
プロローグと序奏ってなんか意味的に同じよーでじつは違うのねー、なんて思いつつ。

> これだけじゃ意味はほとんど分かりません(笑)今後、謎が明かされて行く……と。
> 序章の割には長めです。いつも通りか……。
> では、お楽しみいただけると幸いです。
にゃん。

>__________________________________


ここより上はさながら意味不明なんでどーやってレスつけよーか悩んだ上に消去。
・・・すまんね。

> 時にはあたし。時にはアメリア。
> 必ずどちらか、毎朝遅刻しかけるのだ。
・・・要は似たもの同士ってことかしら?(違)

>「何であんたが此処にいるのよっ! ゼロスっ!!」
>「いちゃ、いけませんか?」
> あたしの絶叫に、ゼロスはからから笑って答える。
にゃははははっvゼロス君ご登場にゃのねっ!!

> 本当に、あっさりした答えだコト……。
>「いけないと言ってはいないけど、良いとも言ってない!」
>「まったくリナさんは屁理屈こね屋さんなんですから〜」
>「どっちがよぉぉぉっ!!」
> ゼロスのふざけた声に、あたしは叫ぶ。
うん、たぶんどっちもどっちvv(爆)


>「リナさぁぁん……遅刻しますよぉぉ……」
> アメリアの弱々しい呟きも、聞こえない。
頑張れアメリア!いつかきっとむくわれる!!・・・多分ねv(爆)


> こうしてあたしは、今日も遅刻する。
> ギリギリセーフで校内に入ったアメリアと、余裕綽々で入ったゼロスを見つめながら、今日も生徒手帳を取り上げられる……。
・・・なんでゼロスは余裕綽々!?(笑)


> ▽To Be Continued・・・
続きが楽しみですにゃっ!!
>__________________________________
>
>
> えー、序奏でした。どうでしたか?
よろしゅございましたともさv

> とりあえず、これからも今回の様な感じに、その時の話に合った短めの詩を書いてみるつもりですが……
頑張ってくだされ!
あたし詩って好きだけど難しいから苦手かもっ!

> 今回のこれ、ちょぴっとエヴァのあの歌ですね(笑)タイトル忘れた。
> イメージ的には、予告で書いた某アニメの挿入歌の一つ、『成熟年齢透明期』です。「Vanish! Fade away! Melt away! 消え失せろ!」のあれ。判らないか(笑)
ごめんわかんないや(笑)

> あれがヴァルの曲に聞こえてならない私は変ですか?(変です)
> 今後、『葉の王女』とかの正体がストーリーで判っていくつもりです。大体予想ついても言わないで下さい。ちょぴっと口調変えていますので、「ん?」という事があるかも。
あ、いっちゃ駄目なのねんv(笑)


> じゃ、ちょっとネタ晴らし。
> 『葉の王女』が言っていた世界理論(勝手に命名)。あれは、私が実際に考えていることでもあります。実在するはずがない、と言うこと前提で。
> だって、タイムマシンで一分前の世界に行ったとしたら『一分前の世界』が、二分前だとしたら『二分前の世界』が必要じゃないですか。屁理屈ですけど。
ぬぬ・・・それは無限に世界が存在しちまう、ってことか?


> メビウスの輪は……有名ですね(^^)
> では、次回は明日か明後日か…………
> 楽しみにしていて下さると、嬉しいです。
はいはーいっ!楽しみにしてる奴がここに1人!!
今回はゼロリナってぇことでいつになく張り切ってる気もする!(爆)
そんなわけで、続き頑張ってねっv待ってまーす♪

んであ、れーなでしたぁ

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12282にょにょん♪稀虹 戯空 11/6-14:46
記事番号12267へのコメント

れーなさんは No.12267「にゃにゃぁっ♪」で書きました。

>にゃごにゃごにゃあ。にゃにゃーにゃんにゃ。ごろごろごろ・・・
>・・・・・・ふう。最近猫化が進んでるのかしら・・・れーなです。
>なーんてボケてる場合じゃないんだっけか。
>ぎくーの小説復活っ!ってことらしいんでちょっち浮かれ気味?なはず!(爆)
 浮かれてくれてさんきょーべりーまっち!
 どーも、ぎくーです。にょにょん化が進んでいます(謎)

>> というわけで、女装……じゃなかった、序奏です。プロローグとほぼ同じ。
>ういー。
>プロローグと序奏ってなんか意味的に同じよーでじつは違うのねー、なんて思いつつ。
 とりあえず、受け流して(笑)
 使い方がほぼ同じ、って事で。

>> これだけじゃ意味はほとんど分かりません(笑)今後、謎が明かされて行く……と。
>> 序章の割には長めです。いつも通りか……。
>> では、お楽しみいただけると幸いです。
>にゃん。
 にょん。

>>__________________________________
>
>
>ここより上はさながら意味不明なんでどーやってレスつけよーか悩んだ上に消去。
>・・・すまんね。
 OKさ・・・判るはずないから(をい)

>> 時にはあたし。時にはアメリア。
>> 必ずどちらか、毎朝遅刻しかけるのだ。
>・・・要は似たもの同士ってことかしら?(違)
 要はそんな感じ(をい)

>>「何であんたが此処にいるのよっ! ゼロスっ!!」
>>「いちゃ、いけませんか?」
>> あたしの絶叫に、ゼロスはからから笑って答える。
>にゃははははっvゼロス君ご登場にゃのねっ!!
 ご登場にゃにょん!

>> 本当に、あっさりした答えだコト……。
>>「いけないと言ってはいないけど、良いとも言ってない!」
>>「まったくリナさんは屁理屈こね屋さんなんですから〜」
>>「どっちがよぉぉぉっ!!」
>> ゼロスのふざけた声に、あたしは叫ぶ。
>うん、たぶんどっちもどっちvv(爆)
 どっこいどっこい、だにぇ?(をい)

>>「リナさぁぁん……遅刻しますよぉぉ……」
>> アメリアの弱々しい呟きも、聞こえない。
>頑張れアメリア!いつかきっとむくわれる!!・・・多分ねv(爆)
 多分! 多分万歳! ビバ多分!!(変)

>> こうしてあたしは、今日も遅刻する。
>> ギリギリセーフで校内に入ったアメリアと、余裕綽々で入ったゼロスを見つめながら、今日も生徒手帳を取り上げられる……。
>・・・なんでゼロスは余裕綽々!?(笑)
 ゼロスだから・・・(をい)

>> ▽To Be Continued・・・
>続きが楽しみですにゃっ!!
 というわけで、投稿したにょ!

>>__________________________________
>>
>>
>> えー、序奏でした。どうでしたか?
>よろしゅございましたともさv
 どうもすぎ〜〜v

>> とりあえず、これからも今回の様な感じに、その時の話に合った短めの詩を書いてみるつもりですが……
>頑張ってくだされ!
>あたし詩って好きだけど難しいから苦手かもっ!
 最近、妙なことを詩に興してます(爆)

>> 今回のこれ、ちょぴっとエヴァのあの歌ですね(笑)タイトル忘れた。
>> イメージ的には、予告で書いた某アニメの挿入歌の一つ、『成熟年齢透明期』です。「Vanish! Fade away! Melt away! 消え失せろ!」のあれ。判らないか(笑)
>ごめんわかんないや(笑)
 そのうちばらすから(笑)

>> あれがヴァルの曲に聞こえてならない私は変ですか?(変です)
>> 今後、『葉の王女』とかの正体がストーリーで判っていくつもりです。大体予想ついても言わないで下さい。ちょぴっと口調変えていますので、「ん?」という事があるかも。
>あ、いっちゃ駄目なのねんv(笑)
 ダメダメよv

>> じゃ、ちょっとネタ晴らし。
>> 『葉の王女』が言っていた世界理論(勝手に命名)。あれは、私が実際に考えていることでもあります。実在するはずがない、と言うこと前提で。
>> だって、タイムマシンで一分前の世界に行ったとしたら『一分前の世界』が、二分前だとしたら『二分前の世界』が必要じゃないですか。屁理屈ですけど。
>ぬぬ・・・それは無限に世界が存在しちまう、ってことか?
 さぁ、それは・・・どうかなぁ?(をい)
 考えてないな・・・(ダメじゃん)
 でも、無数に存在していてもおかしくないし。しょ?(謎)

>> メビウスの輪は……有名ですね(^^)
>> では、次回は明日か明後日か…………
>> 楽しみにしていて下さると、嬉しいです。
>はいはーいっ!楽しみにしてる奴がここに1人!!
>今回はゼロリナってぇことでいつになく張り切ってる気もする!(爆)
>そんなわけで、続き頑張ってねっv待ってまーす♪
 ホントありがと〜〜〜〜♪

>んであ、れーなでしたぁ
 であであ。

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12269Re:パラレル・クローズの悪夢使い 序奏神無月遊芽 E-mail 11/4-18:46
記事番号12261へのコメント

> というわけで、女装……じゃなかった、序奏です。プロローグとほぼ同じ。
> これだけじゃ意味はほとんど分かりません(笑)今後、謎が明かされて行く……と。
> 序章の割には長めです。いつも通りか……。
> では、お楽しみいただけると幸いです。
 神無月です。
 うわー、なんだかとってもおもしろそうですね。
 感想が支離滅裂になってしまうかもしれませんけど、とりあえず感想行きます。

> 彼女は、何とか声を出す。嗚咽が混じり、聞き取りにくい声だった。
> けれど、彼にはそれが嬉しかった。
> 自分は、これから彼女を裏切ることをする……いや、される。なのに、彼女は自分を哀れんでくれている。悲しんでいてくれる。
> 彼はひどくゆっくりとした動きで――身体の節々が、疲労と痛みで、悲鳴を上げている――けれどしっかりと手を動かし、彼女の涙を拭う。
 ど、どうしたんでしょう。一体。
 何があったんでしょう?

>「俺のこと……これからも、忘れないでいてくれ」
>「絶対に忘れませんっ……」
> 彼の言葉に、細かい動作で彼女は応える。
> 永遠に、時が止まればいいのに。そう思う。
 悲しいですねー…。

> 足音が、徐々に遠ざかり……聞こえなくなる。
> 彼は、自分の肩に掛かった任務を全うし、自分の名に恥じぬ行動を、これから取る。
> 一国を背負う者として……敗国の王家の者として、処刑される。さらし者としての、公開処刑。
 王子様だったのね。
 敗国…争いでもあったんでしょうか。

> 彼女が、俯いたままゆっくりと後ろを向くと…………
> 突然の、衝撃。痛み、と言うものは感じなかった。ただ、ひどい違和感が身体を突き抜ける。
> ゆっくりと……本当にゆっくりと、時間が過ぎていく気がした……彼女は、自分の胸元を見下ろす。
> 血塗れの、刀の切っ先。
> 身体を、心臓を、刀が貫いていた。
 はうっ。
 こいつ悪っ。

>「『羽の王子』と恋仲の『羽の巫女』だ……いつ、我々に復讐するか判ったものではない。悪くは思うな、これが運命だ」
> 男の言葉に、彼女は絶望した。
> これは罠だった……そうだ。
> 冷酷な女王として有名な『波の女王』が、何故慈悲深げに彼の処刑の直前に、彼女を面会させたのか?
> それは、こうして……いつか復讐しかねない、彼女の命も奪うため…………
> 彼女の頬を、一筋涙がつたった。
> それは、世の中の哀れむべき人々を見て流した、神の涙だったかも知れない。
 ひどいですね。

>「そりゃ……母ですから、嫌ってはいませんが……」
>「……あの母を愛せるの?」
> 王子の言葉に、王女は思わず呟いた。
>「先刻の、『羽の王子』の処刑の時の女王の顔、見てもそういえるの? 笑っていたのよ、あの女王は!」
>「…………」
 なんかFF9で、こんな感じのところがあったような。

>「それが、貴方の義母です」
> 手を動かし王女は叫んだが、王子は冷たく言った。
>「…………そう。わたしは貴方の妻。貴方の母は、わたしの義母」
>「……たとえ争いを終わらせるための政略結婚だったとしても、僕は貴方が好きですよ」
 …恥ずかしい奴ですねー…。ゼロスっぽい。

>「今回も、この世界は救われなかった」
>「……は?」
>「今回の平行世界に生きるもう一人のわたしは、今回のこの世界に来ることが出来なかった。けれど、次こそ必ず……」
>「……何のことですか?」
>「この世界には、いくつもの『世界』がある。今から一分前の世界。一秒前の世界。コンマ一秒前の世界。そして、後の世界。『この』世界は、救われずに滅んでいく。もう一人のわたしが、この世界に来なかったから。けれど、幾つも同時に存在する他の三覇世界には、もう一人のわたしがやってきて、救われるかも知れない」
 難しいこと言ってますね…。読む方にしたらさらっと流すことも出来るんですけど。
 でもこういうの好きです。
 考え出したらきりがないですけどね。

>「リナさぁぁぁぁぁぁん!! 学校に遅刻しますよぉぉぉぉぉ!!」
>「判ってるわよぉぉぉぉぉ!! ちょっと待ってて、今行くからぁぁぁぁぁぁぁ!!」
> 外から聞こえるアメリアの叫びに、あたしも叫び返す。
 やっと具体的な名前が。

>「いけないと言ってはいないけど、良いとも言ってない!」
>「まったくリナさんは屁理屈こね屋さんなんですから〜」
>「どっちがよぉぉぉっ!!」
 そうですねー。屁理屈ではないとしてもゼロス君は充分言葉巧みですよね(笑)

> えー、序奏でした。どうでしたか?
> とりあえず、これからも今回の様な感じに、その時の話に合った短めの詩を書いてみるつもりですが……
 とってもかっこよかったですよーv

> 今回のこれ、ちょぴっとエヴァのあの歌ですね(笑)タイトル忘れた。
> イメージ的には、予告で書いた某アニメの挿入歌の一つ、『成熟年齢透明期』です。「Vanish! Fade away! Melt away! 消え失せろ!」のあれ。判らないか(笑)
 …解らない。エヴァは解るけど。

> あれがヴァルの曲に聞こえてならない私は変ですか?(変です)
> 今後、『葉の王女』とかの正体がストーリーで判っていくつもりです。大体予想ついても言わないで下さい。ちょぴっと口調変えていますので、「ん?」という事があるかも。
 はーい。解らないような予想ついてるようなですけど言いません(笑)

> じゃ、ちょっとネタ晴らし。
> 『葉の王女』が言っていた世界理論(勝手に命名)。あれは、私が実際に考えていることでもあります。実在するはずがない、と言うこと前提で。
> だって、タイムマシンで一分前の世界に行ったとしたら『一分前の世界』が、二分前だとしたら『二分前の世界』が必要じゃないですか。屁理屈ですけど。
 なるほどー。戯空様はそうお考えになってるんですねー。
 でも確かにそうかも。

> メビウスの輪は……有名ですね(^^)
 あんまり知らなかったり(笑)

> では、次回は明日か明後日か…………
> 楽しみにしていて下さると、嬉しいです。
 楽しみに待ってますv
 続きも頑張ってくださいね。

 それでは。
    神無月遊芽

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12279どうもどうも〜v稀虹 戯空 11/6-14:19
記事番号12269へのコメント

神無月遊芽さんは No.12269「Re:パラレル・クローズの悪夢使い 序奏」で書きました。

 タイトル・・・某アニメのヒントだったり(判るはずが無いけど)

>> というわけで、女装……じゃなかった、序奏です。プロローグとほぼ同じ。
>> これだけじゃ意味はほとんど分かりません(笑)今後、謎が明かされて行く……と。
>> 序章の割には長めです。いつも通りか……。
>> では、お楽しみいただけると幸いです。
> 神無月です。
> うわー、なんだかとってもおもしろそうですね。
> 感想が支離滅裂になってしまうかもしれませんけど、とりあえず感想行きます。
 いつもどうもですっ!
 支離滅裂でもおーるおっけー!

>> 彼女は、何とか声を出す。嗚咽が混じり、聞き取りにくい声だった。
>> けれど、彼にはそれが嬉しかった。
>> 自分は、これから彼女を裏切ることをする……いや、される。なのに、彼女は自分を哀れんでくれている。悲しんでいてくれる。
>> 彼はひどくゆっくりとした動きで――身体の節々が、疲労と痛みで、悲鳴を上げている――けれどしっかりと手を動かし、彼女の涙を拭う。
> ど、どうしたんでしょう。一体。
> 何があったんでしょう?
 色々と・・・あったのよ・・・(をい)

>>「俺のこと……これからも、忘れないでいてくれ」
>>「絶対に忘れませんっ……」
>> 彼の言葉に、細かい動作で彼女は応える。
>> 永遠に、時が止まればいいのに。そう思う。
> 悲しいですねー…。
 ここはむちゃくちゃ悲劇ちっくが良いですね。

>> 足音が、徐々に遠ざかり……聞こえなくなる。
>> 彼は、自分の肩に掛かった任務を全うし、自分の名に恥じぬ行動を、これから取る。
>> 一国を背負う者として……敗国の王家の者として、処刑される。さらし者としての、公開処刑。
> 王子様だったのね。
> 敗国…争いでもあったんでしょうか。
 そーです。
 戦いまくり、そして騙しまくり。ううむ。

>> 彼女が、俯いたままゆっくりと後ろを向くと…………
>> 突然の、衝撃。痛み、と言うものは感じなかった。ただ、ひどい違和感が身体を突き抜ける。
>> ゆっくりと……本当にゆっくりと、時間が過ぎていく気がした……彼女は、自分の胸元を見下ろす。
>> 血塗れの、刀の切っ先。
>> 身体を、心臓を、刀が貫いていた。
> はうっ。
> こいつ悪っ。
 むちゃ悪!
 けど、出番は此処が最初で最後!(笑)

>>「『羽の王子』と恋仲の『羽の巫女』だ……いつ、我々に復讐するか判ったものではない。悪くは思うな、これが運命だ」
>> 男の言葉に、彼女は絶望した。
>> これは罠だった……そうだ。
>> 冷酷な女王として有名な『波の女王』が、何故慈悲深げに彼の処刑の直前に、彼女を面会させたのか?
>> それは、こうして……いつか復讐しかねない、彼女の命も奪うため…………
>> 彼女の頬を、一筋涙がつたった。
>> それは、世の中の哀れむべき人々を見て流した、神の涙だったかも知れない。
> ひどいですね。
 悲劇〜(違)

>>「そりゃ……母ですから、嫌ってはいませんが……」
>>「……あの母を愛せるの?」
>> 王子の言葉に、王女は思わず呟いた。
>>「先刻の、『羽の王子』の処刑の時の女王の顔、見てもそういえるの? 笑っていたのよ、あの女王は!」
>>「…………」
> なんかFF9で、こんな感じのところがあったような。
 FF9、持ってるだけでやってませーん(やれよってか)

>>「それが、貴方の義母です」
>> 手を動かし王女は叫んだが、王子は冷たく言った。
>>「…………そう。わたしは貴方の妻。貴方の母は、わたしの義母」
>>「……たとえ争いを終わらせるための政略結婚だったとしても、僕は貴方が好きですよ」
> …恥ずかしい奴ですねー…。ゼロスっぽい。
 恥ずかしすぎるv
 ええかっこしー。

>>「今回も、この世界は救われなかった」
>>「……は?」
>>「今回の平行世界に生きるもう一人のわたしは、今回のこの世界に来ることが出来なかった。けれど、次こそ必ず……」
>>「……何のことですか?」
>>「この世界には、いくつもの『世界』がある。今から一分前の世界。一秒前の世界。コンマ一秒前の世界。そして、後の世界。『この』世界は、救われずに滅んでいく。もう一人のわたしが、この世界に来なかったから。けれど、幾つも同時に存在する他の三覇世界には、もう一人のわたしがやってきて、救われるかも知れない」
> 難しいこと言ってますね…。読む方にしたらさらっと流すことも出来るんですけど。
> でもこういうの好きです。
> 考え出したらきりがないですけどね。
 本当に、考え出したら難しいです。
 まぁ、シンプルに言うと、これからストーリーに出てくる『三覇世界』は、今書いてある『三覇世界』とは別物、と考えれば良いんですけど。

>>「リナさぁぁぁぁぁぁん!! 学校に遅刻しますよぉぉぉぉぉ!!」
>>「判ってるわよぉぉぉぉぉ!! ちょっと待ってて、今行くからぁぁぁぁぁぁぁ!!」
>> 外から聞こえるアメリアの叫びに、あたしも叫び返す。
> やっと具体的な名前が。
 やっとです。疲れます。

>>「いけないと言ってはいないけど、良いとも言ってない!」
>>「まったくリナさんは屁理屈こね屋さんなんですから〜」
>>「どっちがよぉぉぉっ!!」
> そうですねー。屁理屈ではないとしてもゼロス君は充分言葉巧みですよね(笑)
 だーまーしーすーぎー(笑)

>> えー、序奏でした。どうでしたか?
>> とりあえず、これからも今回の様な感じに、その時の話に合った短めの詩を書いてみるつもりですが……
> とってもかっこよかったですよーv
 どうもです〜。

>> 今回のこれ、ちょぴっとエヴァのあの歌ですね(笑)タイトル忘れた。
>> イメージ的には、予告で書いた某アニメの挿入歌の一つ、『成熟年齢透明期』です。「Vanish! Fade away! Melt away! 消え失せろ!」のあれ。判らないか(笑)
> …解らない。エヴァは解るけど。
 ヒント。ポストエヴァ、と呼ばれています。
 私ゃエヴァを見たことなく、見る気もないので、どっちかと言うと、エヴァの方がポストに見え無くないのですが(をい)
 そのうち多分ばれると思うので。ばれなかったらばらすので。それまで待っていて下さーい。

>> あれがヴァルの曲に聞こえてならない私は変ですか?(変です)
>> 今後、『葉の王女』とかの正体がストーリーで判っていくつもりです。大体予想ついても言わないで下さい。ちょぴっと口調変えていますので、「ん?」という事があるかも。
> はーい。解らないような予想ついてるようなですけど言いません(笑)
 頼みます(笑)

>> じゃ、ちょっとネタ晴らし。
>> 『葉の王女』が言っていた世界理論(勝手に命名)。あれは、私が実際に考えていることでもあります。実在するはずがない、と言うこと前提で。
>> だって、タイムマシンで一分前の世界に行ったとしたら『一分前の世界』が、二分前だとしたら『二分前の世界』が必要じゃないですか。屁理屈ですけど。
> なるほどー。戯空様はそうお考えになってるんですねー。
> でも確かにそうかも。
 お気軽に「ぎくー」で良いですよ(私の呼び名^^)
 屁理屈だけど、あり得そうな理論・・・その程度に考えてもらえると嬉しいです(^^)

>> メビウスの輪は……有名ですね(^^)
> あんまり知らなかったり(笑)
 私も、実は(笑)

>> では、次回は明日か明後日か…………
>> 楽しみにしていて下さると、嬉しいです。
> 楽しみに待ってますv
> 続きも頑張ってくださいね。
 ありがとーございますっ!

> それでは。
>    神無月遊芽
 ではではー。

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12281パラレル・クローズの悪夢使い 第一楽章稀虹 戯空 11/6-14:46
記事番号12261へのコメント


 どうも、ぎくーです。
 というわけで、今回やっと本格的にストーリーが進みます。
 序奏の意味判らなかった部分も、だいたい次回かその次当たりに発覚・・・かな?(をい)
 とりあえず、『羽』の二人とゼルの登場は結構後です(をい)お楽しみに。
 ではでは、本編。お楽しみいただけたら幸いです。

__________________________________


  パラレル・クローズの悪夢使い
  第一楽章  其処は、見たこともない世界


  タイムマシンは飛んでいく
  過去へ未来へ
  誰かが見た時代 誰も見たことのない時代
  そして わたしの子供時代

  不思議なまじない 誰かが唱える
  準備OK? 出発進行!
  3 2 1 0!
  其処はもう何処か判らない

  タイムマシンは飛んでいく
  過去へ未来へ
  誰かが見た世界 誰も見たことのない世界
  そして 夢と希望のあの時

  不思議なまじない 誰かが叫ぶ
  早く来い! 時代を間違えた!
  3 2 1 0!
  何処か判る場所へ 戻って

  其処は、未だに何処か判らない


「うぇぇぇぇぇぇん〜アメリア助けて〜」
「自業自得ですよ……」
 あたしが泣き声をあげるが、アメリアは白状に答えるだけ。
 あたしの頭の中には、むかつく生徒指導の女教師の声が響いている。
『まったく、リナ=インバースさんったら……これで休日を抜かして連続99回遅刻……もしこれが100回になろうでもしたなら、地下室入り口で1時間ですよっ!』
 そりゃぁ、99回も遅刻する人なんて滅多にいないでしょうね……しかも連続……。
 けどねっ、悪いのはいっつもいっつも、近所に住んでるゼロスなのっ! 幼なじみのアメリアも、止めないから悪いっ!
 ……いや、『連続遅刻99の女』というレッテルは別に良いの……。
 最も嫌なのはっ! そう!!
 地下室入り口ぃぃぃぃっ!!
 地下室入り口……そう、其処は別名『地獄の階段』と言われる場所。
 この学校には立入禁止の地下室があり、其処の入り口はすぐ階段になっている。『地下室入り口1時間』というのは、其処にたった一人で1時間いることなのだけれど……。
 ここは、出るらしい。何が、って言われても、答えようがないのだけれど……。
 こんな言い伝えがある。この沫李高等学校でも5本の指に入る不良の一人が過去、この罰にあったらしい。すると……次の日から、その人は超立派に更正、地下室入り口で何があったか聞くとマトモに顔色を変え、「その話は止めておこう……夜眠れなくなる」と答えた……。
 またある人は、地下室入り口から生還後、意識を失い、それから数ヶ月もの間学校を休んでいた。謎のうわごとを呟きながら。
 こんなところに行ってたまるかぁぁぁぁぁぁっ!!
「だから、一番良いのは、ゼロスさんと和解して、大人しく一緒に登校することだと思います」
「和解って何よっ! いっつも、向こうからちょっかいだしてきてるんじゃないっ!!」
 あたしはぎゃーぎゃー叫びながら、腕を派手に振る。
 今はもう放課後。あたしをとがめる人は、アメリア以外誰一人居ない。
 あたしが疲れてぼーっとすると、突然教室にフルートの音色が届いてくる。
「あっ、またヴァルさんですね」
 アメリアの言葉にあたしが顔を上げる。
 ヴァル……何度聞いた名前か。
 あたしは、過去ちょっと不良たちとドンパチやらかしたことがあり、その筋の連中からは『ドラまた』と呼ばれ結構怖れられているのだが……。
 そのせいか、良く聞くのだ。『一匹狼』ヴァルの名を。
 あたしに匹敵する連続遅刻常習犯……だった。授業エスケープなんて日常茶飯事……だった。そのせいでテスト赤点でも追試は逃亡なんてしょっちゅう……だった。
 けれど……悪いことはすべて過去形。最近は、「マトモなヴァルくんって格好いいvvv」と女子達に人気である。
 彼が変わった理由……それは、一人の女性の存在だった。
「さっ、今日も聞きに行こっ! フィリアがお茶くれるだろうし!」
 フィリア………
 生粋のポケポケお嬢様で……
 元『一匹狼』の、最強とも言える不良の一人、ヴァルを変えた女にして、その彼女。

 …………♪
「きゃぁぁぁぁぁぁっ!!」
「すごいわすごいわヴァルくんっ! さすが、『吹奏楽部のWエース』の一人っ! 最高のフルートの音色……」
「ああ……ゼロスくんったら……うっとりv クラリネットは貴方のためにあるーっ!!」
「吹奏楽部のもう一人のエースだけあるわっ!」
 ぱちぱちぱちぱちぱちぱち
 音楽室の窓際に集まった女子達(吹奏楽部の先生(女)に入れてもらえなかった人々)は、曲が終わると同時に歓声と悲鳴を上げる。
 しかし……吹奏楽部のエースって一体……。
 というか、この人たち、部活はどうしたんだろ……あたしは帰宅部だから良いけど。ちなみにアメリアの部は、今日休みである。
「フィリア……どうだったか?」
「素晴らしかったです。ゼロスの音さえなければ」
「……フィリアさん……相変わらず、ですね……」
 ヴァル……淡水色の長い髪を校則にそってちゃんと結んでいる男が、椅子に座っている金髪の女性……フィリアに尋ねる。その答えにつっこむ、クラリネットのゼロス。
 ちなみにフィリアも吹奏楽部の部員なのだが、手を火傷していて最近は休んでいる。
 …………火傷の理由が、「ヴァルにクッキーを作ってあげようと思って……」であるため、そのほかの女子にとっては「やった、ヴァルのソロが聴ける」と喜んでいる場合ではないが。
 もちろん、このことが発覚した次の日、ヴァルの元にはクッキーが大量に届いた。食べていないそうだけど。
「ではっ! 解散ですっ!」
 他の女生徒と変わらず、ヴァルとゼロスのハーモニーに聞き入っていた吹奏楽部担任は、そう言って手を叩く。
『ありがとうございましたっ!』
 吹奏楽部の生徒達の声。楽器を片付ける音、これから何をするかという問いかけ。笑い声。
「やっほー、フィリア」
「あ、リナさん」
 あたしが声を掛けると、フィリアはあたしの方に微笑みかける。
 たしかに、彼女にしたい人ベスト3に常に入っているだけある美人。もっとも、彼女の本性……というか、暴れん坊ぶりを知ったら、そうは言っていられないだろうけれど。
「フィリア、さっさと帰ろうぜ。じゃないと、ドラまたがうつる」
 ヴァルの言葉……どーいう意味よっ!
 まぁ、ヴァルとしては、大事な彼女があたしみたいな不良の端くれもどきと会話して、そっちの道に染まったりするのが嫌なのだろうが……。
「じゃあ、あたし達も帰ろうか。アメリア」
「そうですね」
 あたし達がそれだけ言い合うと、お茶を逃すのは勿体ないが素早く其処を立ち去ろうとする。
 ……無駄だった。
 あたしはすっかり、彼のことを忘れていたのだ。此処に来るときは、必ず覚悟が必要なのに……。
「リナさん、僕も一緒に帰ります」
 ゼロスが、にこにこして話しかけてきた。

 下校途中、あたしは本気で思い悩んでいた。
 アメリアが、寄るところがあると言ってあたしと一緒に帰らなかったせいかもしれない。
 けれど……。
「やんなっちゃうよ……もう……」
「何か悩みでもあるんですか?」
 あたしが呟くと、ゼロスがほややんとして言ってくる。
「あんたがっ! あーんーたーが、悩みの種なのよっ!!」
「あんたって何よ、リナ!」
「そーよ、ゼロスくんに失礼よ!」
 あたしがゼロスに叫ぶと、ストーカー……もとい、ゼロスの追っかけ達が抗議の声をあげる。
 これが……今日の悩みの源である。
「僕が、何かしましたか?」
 ゼロスは一人、ほややんとして返すだけ。
「何かしたした、思いっきりした……はぁ」
 あたしが思いっきり悩んだ様子を見せて、溜息をつく。
 ちょっと心配になったように、ゼロスは問いつめてきた。
「僕に嫌なところがあるなら、言って下さい。治すように努力しますから」
「あんたのあれは、努力したところで治らないわよっ!」
「ちょっとぉ、叫ばなくても良いじゃない!」
「せっかくゼロスくんが、リナのために……」
 あたしが叫ぶと、追っかけ達がまたうるさい。
「リナさん……僕のこと、嫌いですか?」
「……うっ……」
 ゼロスが、あたしの目を見て真剣な表情で言う。
「そうっ! 嫌いよっ! あんたのそーいう所も! 女たらしなトコも! 毎朝あたしを邪魔するトコも!」
 あたしはわーわー騒ぐ。
 何故か、胸が痛む……。
「……そうですか」
 ゼロスは俯く。
「わかりました。明日からは、もうリナさんのトコに行きません。迷惑も掛けません」
 だっ……
 言うだけ言うと、ゼロスはカバンを落ちないように抱えて走り出した。
「ちょっ……ゼロスっ……」
「ちょっと〜ゼロスくん〜」
 あたしが止めようとしたが、陸上部から声がかかるほどの足の持ち主であるゼロスは、もう見えなくなりつつある。追っかけ達は、ゼロスの後を追って去る。
「何なのよ……もう」
 あたしは、小さく呟いた。

「リナさぁぁぁぁぁぁぁんっ!! 遅刻しますよぉぉぉぉぉっ!!」
 アメリアの声が、遠くから聞こえる。
 起きたくない……起きたくない。
 あたしの両親は、仕事であまり家に帰らない。姉ちゃんは、大学の寮。この家は、あたし一人。誰も邪魔しないから、永遠に眠れる…………
「リナさんってばっ!! 地獄の階段行きですよぉぉぉぉっ!!」
 アメリアのその言葉に、あたしの脳は起きた。

 今日は、言っていたとおりゼロスは現れなかった。
 けれど、やはり遅刻した。
 やっぱり、昨夜ゼロスのことで色々考えたせいかなぁ……。

「というわけでっ!」
 ……ごくり。
 自分の唾を飲む音が、大きく聞こえる。
「地下室の入り口1時間! きっちり反省なさい!」
 ……がちゃん。
 あたしを階段に入れて懐中電灯を一つ置くと、先生は階段の入り口のドアを閉める。
 ホントに良いのか、これ!? PTAが怖くないの!?
 とりあえず、あたしは階段に座り込む。懐中電灯を抱えながら。
 ドアには明かり取りの小窓すらなく、その階段は本当に真っ暗。懐中電灯の明かりも、闇に吸い込まれそうで心細い。
 うぇ〜……帰りたい……
 そんなことを考えながら、あたしは目を閉じる。寝不足がたたってか、次第に眠気があたしを襲い……。

 あたしが目覚めると、其処は変わらず地獄の階段。
 1時間経ったかな……先生が来てないから、まだだろうな……あたしが寝ていたのを見て、もっと罰してやろうと思ってるかも……。
 あたしは仕方無しに、暇つぶしに階段検索を始める。
 洋館にでも出てきそうな、石造りの階段を降りていく。すると、大きく×印が書かれた扉が現れる。
 これが、地下室の扉……立入禁止の……。
 あたしは、思わず扉のノブに手を伸ばす。
 ……かちゃり……
「へ?」
 あたしは思わず呟き、扉に体重を掛けると……
 ずんがらしゃっ!
 扉は押して開くタイプらしく、勢い良く開いてあたしを飲み込む。
「いたたたた……なんで鍵が閉まってないのよぉぉ……」
 あたしは懐中電灯で辺りを照らしながら、文句を言う。
 此処が、地下室の中……
 特に変わったところはない。古い本とか、変なホルマリン漬けがあるだけ。
 ……けれど。
「……葉っぱ?」
 あたしは、目の前に浮かぶそれを見つけた。
 確かに、葉っぱだった。一枚の葉っぱが、宙に浮いていた。ふよふよと。
 最初糸でつってるのかと思ったが、何もない。勇気を出して、葉っぱに触れると……
「……!?」
 何かが、あたしの中に逆流してくる。
 記憶の流れ?
 あたしがそれを意識するより早く……
 光があたしを包み込む。

「んっ…………?」
 あたしが低く唸り、眼を開く。
 差し込んでくる太陽の光を遮断するように、目の前に手をかざす。
 ……太陽の……光……?
「って、地獄の階段からまっすぐで葉っぱが浮いた地下室で扉ががちゃん!?」
 あたしは、叫んで起きあがる。我ながら、何言ってるんだか……。
「此処は……一体? あたしは地下室に居たんじゃ……」
 答える者も無しに、呟くあたし。
 辺りを見渡す。其処に、答えを求めて。
 まるでジャングルのような、うっそうとした森の中。あたしは、木々が僅かに避け光が射し込んでいる中心に、眠るように横たわっていたようだ。
 あたしは、こんな所テレビ以外では見たこともないし、来たこともない。全く心当たりのない場所だった。
「此処……何処よぉ……なんか生臭いしぃ……」
 答える者がないと判りつつも、呟かずにはいられなかった。
 がさり……
 突然、後方から物音が聞こえてくる。
「だっ……誰!?」
 この際、大ッ嫌いな生徒指導の先生でも良いから、知っている人に会いたい……心の中でそう思いながら、あたしは振り返る。
 其処には……
 血塗れの戦国武士。そうとしか言いようのない男が立っていた。侍の様な鎧を身に纏い、体中の至る所から血を流し鎧を紅に染め上げていた。片手には、ぼろぼろに刃こぼれした刀。
 あまり見たことのない時代劇などに、出てきそうな男。
「……誰?」
 言葉通じるかな……と疑問に思いつつ、あたしは尋ねた。
「が……ああ……?」
 侍男は気が狂ったかのような、獣の咆哮に似た声を出し、あたしを見つけたようだ。
「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「ってちょっと待ってよぉぉっ!!」
 いきなり、刀を振り上げ、あたしへと駆けてきた。
 あたしの制止の叫びも聞かず、あと数歩であたしの眼前に……!
 ……と言うところで。
 時が止まった。
 ……そうとしか言えない。
 あたしの目の前で突然、侍男は動きを止めた。手を振り上げたまま、刀をあげたまま。
 それから、ゆっくりと前のめりになって倒れていく。
 あたしは、大地に倒れ伏した侍男の背中を見つめて固まる。
 一本の弓矢が突き刺さっていた。深く、鋭く。
「大丈夫ですか?」
 すると、もっともっと前方から、若い男の声が聞こえる。
 いや、若い男と言うより、まだ少年?
 あたしより少しだけ身長が高めに思える、少年が馬にまたがっていた。弓を持って。
 これこそ絵になる……まるでギリシャ神話の、狩りに来たアポロンかアルテミス。
 そして、時代劇に出てくるような、鎧兜の姿。
 しかし、あたしはその少年の誇り高き美しさというものに目を奪われるより先に、彼の顔を凝視していた。
 つい昨日、あたしの頭を悩ませまくった、遅刻の元凶……
「あんた……ゼロス!?」
 その名を呼んでいた。


  ▽To Be Continued・・・

__________________________________

 今回は、取り敢えず内容が判るように頑張りました。
 意味不明を極めた序奏のフォローを、これから頑張ります(笑)
 今回の詩は『架空過去形《禁厭》まじない』です。「タイムマシン 過去へ未来へ ズビキュンシャズズン」♪
 今回はわりかし長いですが、次あたりはがくんと減るかも(笑)頑張ります〜。
 とりあえず、全20話くらい? のこの物語。
 気の向く限り、読んでいって下さいマセ・・・

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12292パラレル・クローズの悪夢使い 第二楽章稀虹 戯空 11/8-21:07
記事番号12281へのコメント


 どうも。今回第三楽章だと勘違いしていたおばかなぎくーです。いぇい。
 今回は詩は某アニメからではありませんー。歌詞の数が足りませんー(歌の数は間に合ってる)ヘルプ。でも『絶対運命黙示録』と『体内時計都市オルロイ』は次回使うからダ・メv
 なので、今回は個人的名曲黙示録(何や)から、パッヘルベルのカノンより『遠い日の歌』です。息が苦しくなる歌です(笑)
 ではでは、お楽しみいただけたら幸い。

__________________________________


  パラレル・クローズの悪夢使い
  第二楽章  三つの刃の立つ大地


  人はただ 風の中を
  迷いながら 歩き続ける
  その胸に はるか空で
  呼びかける 遠い日の歌

  人はただ 風の中を
  祈りながら 歩き続ける
  その道で いつの日にか
  めぐり合う 遠い日の歌

  人は今 風の中で
  燃える思い 抱きしめている
  その胸に 満ちあふれて
  ときめかす 遠い日の歌


「は……? 僕と貴方、何処かでお逢いしましたっけ?」
 その少年は、あたしの叫びに対して、心底疑問そうに言い返してきた。
「あ……ううん、多分逢ったことは無いと思うわ。ごめんごめん、知ってる人によく似ていたから」
 あたしは慌てて微笑み、手を振りごまかす。
 それに微笑み返した少年を見て、あたしは再びゼロスのことを思い起こす。
 この少年は強ばった顔をしているけれど、あのゼロスは何が楽しいんだか、いつもいつもにこにこ笑っていた。
「僕は『波の王子』です。貴方は?」
「あたしはリナ。リナ=インバース。……『波の王子』って、名前じゃ無いわよね?」
 あたしは、ふと思って尋ねる。名前にしては、ヤケに変だ。
「ええ、まぁ……」
「ん〜……『波の王子』って毎回呼ぶのも面倒ね」
 あたしは考え、言った。
 びしりと、少年を指さして。
「決めた! 今この瞬間から、あたしは貴方のコト、ゼロスって呼ぶわっ!!」
「何故!?」
 あたしの一方的さにさすがに呆れた様子に、少年……ゼロスは問い返す。けれど、あたしは答えない。
「ねぇ、此処何処〜? 今は西暦何年? 何時代?」
「此処は、『波』の領内の森。せいれき、と言うものはよく判りませんが……今は、三覇時代と呼ばれています」
「さんは?」
 あたしがぽつりと問い返すと、ゼロスは頷いた。
「はい。三つの覇に制される世界……それが、この三覇世界」
 かしこまって言われても、あたしにはいまいち実感は湧かない。
 この展開は……ファンタジーなんかで良くある、「別な世界に来ちゃった、てへv」というやつに違いない。
 と言うことは、あたしは別世界人!? この世界は魔法とかがあったりして、人と人、時には魔物が争いあう、パラレルワールド!?
「……あの」
「なに?」
 ゼロスの言葉に、考え込んでいたあたしは視線を移す。
「もし、お暇でしたら……僕の城に来ませんか?」
「お城ぉ?」
 思わず、声を出す。
 彼はホントのホントに、王子なわけ?
「……嫌ですか?」
「い、嫌じゃあないけど……」
「そうですか!」
 ぽん、と嬉しそうに手を打つと、ゼロスはあたしを促す。
「さぁ、乗って」
 ゼロスが馬にあっさりとまたがり、あっさりと言う。
 あっさりと、乗れ、と言われても困る。あたしが乗ったことあるものと言ったら、自転車と車と電車と遊園地のアトラクションくらいだし。馬なんて、実物を見たことすら2、3回有るか無いか…………
「乗馬は初めてですか?」
 彼の言葉に、あたしは頷く。
「判りました……」
 すると、彼は少し身体の位置を動かし、前に隙間をあける。
 それから、あたしに手を伸ばす。
「掴まって下さい」
 ……って……
 無茶言うで無しっ! こんな、あたしよりいくらか幼げな少年に掴まって引っ張られでもしたら、逆にゼロスの方が落ちるんじゃないのっ!?
「落ちるよ〜無理よ〜」
「平気です」
 あたしの言葉に、彼は微笑む。
 その笑顔に励まされ、あたしはちょっと勇気付く。
「じゃ……絶対、途中で手を離さないでよ」
「絶対離しません」
 あたしは、恐る恐る手を伸ばす。
 ゼロスはあたしの手を掴むと、予想外に結構な力であたしを引き上げる。
 あたしを前に乗せると、後ろから手を伸ばし、手綱を握る。
 うわ〜、王子様みたい……いや、王子様って言ってるから、王子様なんだろうけど……。
「ところで、貴方」
「何?」
 馬がぱからぱから歩き出してから、しばらくして……
 ゼロスが話しかけてきた。
「貴方、記憶喪失か何かですか? 今のこの情勢を知らず……」
「ん〜……」
 その言葉に、少し考える。
 言って良いのだろうか。頭がおかしい奴、と思われたりしないだろうか……
 とりあえず、あたしはその悩みが杞憂に終わることを願い、言ってみた。
「あたし、この世界の人間じゃないの」
「………………は?」
 あたしの言葉に、ゼロスは呆れた……というより、ほうけた声を出す。
「あたし、本当はこの世界で生まれ育った人間じゃないの。本当は別の世界の人間で、ひょんなコトからこの世界に迷い込んじゃったの……と言っても、実感湧かないでしょうね〜」
 実際、あたしはそうだったのだ。ただあたしには、「RPG」「ファンタジー」と言う知識がある。まだ、この状況を理解は出来るが、彼は、いきなり信じろと言われても、そう簡単に納得いくものでは無いに違いない。
 …………と、思っていたけれど。
「へぇ、貴方『平行世界』の人間なんですね」
 あっさりと言った。
「…………驚かないの?」
「そりゃ、初めて見ましたから少し驚いてますけど……結構書物に書かれているんです。この三覇世界に平行して存在している、平行世界のこと」
「……ポピュラーなの?」
「まあ、結構」
 あたしの呟きに、ゼロスは頷く。
 …………あたしの心配は、杞憂に終わった。終わりまくった。
「それで、貴方は自分の世界に帰りたいですか?」
「もちろん」
「それならば、ますます僕の城へ来ると良いですよ。僕の母は魔術に長けていまして……良い案を出してくれるかも知れません」
 そう言うと、彼は微笑んだ。
 人懐っこい微笑み。こう言うところは、本当のゼロスにすごく似ている。
 まさか……あたしの頭を、ふとした考えがよぎる。
 輪廻転生……メビウスの輪…………
 ゼロスが、もしくは彼が、もう一人の『ゼロス』の生まれ変わり……ではないだろうか……?

「着きましたよ」
 遠くから、声が聞こえる。
 聞き覚えのある声…………
「起きて下さい、リナさん! 城に着きましたよ!」
「……って、はっ! あたし、寝てた!?」
「思いっきり。ぐーすかぴー」
 あたしは目覚め、思わず大声を出す。
 ゼロスに名乗り、色々と話をしているうちに、どうやらぐっすり眠り込んでしまったらしい。
 うあ〜……ってことは、ずっとゼロスにもたれ掛かってたってコトよね…………
「さぁ、参りましょう」
 ゼロスは馬から飛び降り、あたしに手を差し伸べてくれた。
「僕の母……『波の女王』の元へ」
 微笑み、彼は囁くように言った。
 何故か、優しい口調だった。

「母上、ただいま帰りました」
 城の奥、王の間――
 あたしはゼロスに連れられ、其処へやってきた。
 広くて、静かな王の間の中央にある、立派な椅子(玉座ってやつ)に腰掛ける女性に向かって、ゼロスは言った。
「遅かったな」
 今まで書類でも見ていたのだろう、下を向いていた女性が顔を上げ、告げた。
 金髪の、決してひ弱では無さそうな、けれど女性らしい体つきの、美人な人。どことなくゼロスに似た雰囲気はあるものの、顔はあまり似ているようには見えない。
「すいません、母上。森で、野武士と少し一悶着あったもので」
「ほう。それで、勝敗は?」
「もちろん、僕の勝ちです。それで、こちらの人――」
 女王の言葉に、ゼロスはあたしを手で示す。
「この人はリナさん。野武士に襲われていたんですが、なんとか救出してきました」
「そうか」
 ゼロスの言葉に、女王はあたしの方を向いた。
「――初めてお目にかかる。この『波』の女王……ゼラスだ」
「あ……どうもご丁寧に女王様……リナです」
 何なんだろうか、この堅っ苦しい口調は……
 何はともあれ、あたしは女王に自己紹介をする。
「それで、単刀直入で悪いんですけど――」
 あたしは、そう言いだし、女王に説明した。
 あたしは本当はこの世界の人間ではないこと。『平行世界』と呼ばれる世界から、迷い込んできてしまったこと。貴方の魔術で、元の世界に戻れないか、と言うこと…………

「……なるほど、判った」
「出来るんですか!?」
 女王の言葉に、思わずあたしは一歩前に乗り出す。
「出来無くはない。ただ――」
「ただ……?」
「足りないものがある」
「足りないもの?」
 その言葉に、つい聞き返す。
 元の世界に戻れるんだったら、たとえ火の中水の中――死ぬかな――ともかく、何処へだって捜しに行く決心は付いている。
 なんであろうと、どんと来い! ……という感じ。
「そう――血だ」
「血――――?」
 その言葉に、少し頭の中を整理する。
「血っていうと……赤くて鉄の味がして、人肉の中にがっちょんがっちょん……あ、人肉は柘榴の味って知ってる?」
「…………何の話かは知らないが……たしかに、その血だ」
「血なんて、至る所に有るじゃない。あたしにも、貴方にも」
「適当な血ではダメなのだ」
 女王の言葉に、あたしは首を傾げる。
 聖女の血、とかって言い出したらどうしよう……。
「お前の血だ」
「……あたしの血……って、そんな簡単なもので良いの?」
「簡単ではない」
 あたしの言葉に、女王は言い返した。
「この三覇世界と、平行世界は、繋がっていないようで何処かが繋がっている……この世界には、平行世界に生きる者の『前世』の者が存在する、と言われている。つまり、お前はその者の生まれ変わりというコトになる…………そして、お前を平行世界に送り返すには、その者の血も必要なのだ」
「なんで?」
「世界と世界をつなぐ媒介なのだ。片方の世界と、もう片方の世界の、同じ人物の血……それが、必要とされている」
「じゃ、あたしはもう一人のあたしを捜せばいいのね。なんだ、簡単じゃない」
 あたしが軽い気持ちで言うと、女王はその言葉を遮る。
「果たしてどうかな――?」
「…………へ?」
 そう言ったときの、女王の顔は……
 心底、面白そうだった。

 かぱらっ かぱらっ
「はー……馬は単純で良いわねー……かっぱらかっぱら、人を乗せて歩けば良いんだから……」
「……リナさん、暗いですね」
 あたしは、馬に乗りながら――これが乗り心地の良いの悪い乗って……良くないんだけど――遠い空を見上げて呟く。
 ゼロスの言葉に、あたしは女王の言葉を思い出す。

『この世界のお前が、いかなる人物かは誰にも判らない……一体、何処にいるかも判らない。死んでいるかも知れない。そんな人物を、果たしてお前は見つけられるか――?』

「本当に、こっちにもう一人のあたしが居るんでしょうねっ!?」
「ええ……僕の占いの腕を信じて下さいよ」
「あんたのは、う・ら・な・い! 奇想天外摩訶不思議な魔術とは違って、信憑性が薄いのよっ!」
「……言葉があってるんだか間違ってるんだか……例え占いと言っても、侮れませんよ。なぜなら――」
 あたしの言葉に、ゼロスは指を立てて微笑む。
「なぜなら――?」
「僕は占いが得意なんです」
 ずんがらしゃっ!!
 あたしは見事に落馬した。
 ……首の骨折ったかも……(大げさ)

「はー……結局こんなところで野宿かー」
 あたしと何故かゼロスが、もう一人のあたしを捜して旅に出て、早半日が過ぎようとしている……半日くらいすぐかなぁ。
 あたし達は、あたしが落馬した所のすぐ近く……森に隠された泉の周りで、野宿することになった。
「はぁ……」
 ゼロスの占いを信じて、適当に城を飛び出しちゃったけど……本当に、これで良いのかなぁ……?
 ゼロスはこの方角に絶対もう一人のあたしが居る、と主張しているけれど、証拠などは一切無い。
 それにっ……
 あたしは女の子、ゼロスは男っ!! ホントに二人だけで旅に出て良かったの!?
 あたしは思い悩み、本日何度目かの溜息をつく。
「ふう……サッパリしました。リナさんもどうですか? 水浴び」
「いっ……良いわよっ! 今日は止めておくっ!」
 ゼロスがタオル片手に、ぽさぽさと草を鳴らし歩いてくる。
「……やっぱり、僕のこと気になります?」
「なっ……にがよ……」
 あたしは、泉とゼロスに背を向けたまま……たき火を見つめる。
 隣には、テント。空には星。あたりは草。
「……ねぇ、リナさん」
 気まずい沈黙を破ったのは、ゼロスの言葉だった。
「リナさんは、僕のことをゼロスと呼ぶけれど……それは、最初逢ったときに言っていた、僕に似ている人の名……ですよね?」
「……なんで判るの?」
「僕を見て、まっさきに『ゼロス』と言ったからです」
 にこにこしたまま、ゼロスは言う。
 こいつ……色々と判らないフリして、実は全部知ってるんじゃ……お得意の、占いで。
 こいつは言った。この三覇世界の人間は、誰でも少なからず魔術を持っている、と。だから占いも良く当たる、と。ゼロスは、あたしの心を覗くことだって、出来るのかも知れない……。
「その『ゼロス』と言う人は、どういう人ですか? 貴方は、その人のことも信用していないのですか? 僕のように」
「し……信用してないんじゃないわ。ただ……」
「ただ?」
 あたしが言葉に詰まっていると、ゼロスは急かすように言ってくる。
「……っ……もう寝ましょ! あたし、落ちたときに変な風に曲げちゃったみたいで、首が痛いの!」
 あたしは早口でまくし立てると、テントの中へと入ろうとする。
「ちょっと待って下さい」
「何よ!」
「そのままだと、首が痛いでしょう――」
 ゼロスは後ろから寄ってきて、あたしをしゃがませる。ゼロスもあたしに続いて、屈む。
 すっ、と軽くあたしの髪を手に取ると、どこから取り出したのか細いリボンの様な、色の付いた糸で結う。
 寝ているとき、首に負担を掛けないようにしているのだろう。結ったところでどう変わるかは、知らないけど。
 慣れた手つきで、彼はあたしの髪を梳き、束ねていく。あたし自身からは見えないけれど、結構おしゃれな髪型になっている……と思う。
 あたしは空を見る。
 あたしの世界の、あたしの街では見えない、星がある。
星が、瞬いている。


  ▽To Be Continued・・・

__________________________________

 大体、カノンってなんでこんなにらんらららんらら息苦しいんでしょうか?(歌知らない人は判らないわなこの話題)しかも息継ぎ無し!? 死ねってかをい!?
 というわけで、次は明日か明後日か。明日はまずないな。うん。
 では、みぢかい後書きですが、また・・・

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12310パラレル・クローズの悪夢使い 第三楽章稀虹 戯空 11/11-23:42
記事番号12292へのコメント


 どうも、こんばんは。ぎくーっす。
 第三楽章。始まりであり終わり、の話です。
 今回の詩は前回と同じく、何とか黙示録より(名前忘れてるし)天空の城ラピュタより『君を乗せて』です(^^)適当適当。
 では、どうぞ・・・

__________________________________


  パラレル・クローズの悪夢使い
  第三楽章  仮動少女


  あの地平線 瞬くのは 君を乗せた星
  パンと ナイフだけ持って 君に会いに行こう
  ランプと テントだけ持って 君と一緒に行こう
  地平線の向こう 君を乗せて 星に乗って


「居ました」
 突然のゼロスの言葉に、あたしは思わず揺らめき、落馬しかける。
 昨日の落馬の時に、やっぱり変な風に首を捻ったのか、首は奇妙な痛みを発している。更に昨日ゼロスに結って貰った髪が負担を掛け、寝違えてしまったらしい。余計に痛みが増されている。これぞまさしく、ありがた迷惑。
「何が居たの? 今夜のおかずのウサギ?」
「違いますよ」
 木々に隠れ……あたしたちは、馬の歩みを遅らせる。この2、3日の旅で、ずいぶんあたしは馬の扱いになれてきた。
「あの、崖の縁にいる人……見えます?」
 ゼロスの言葉に、樹と樹の隙間から、あたしは向こう側を覗く。
 たしかに其処には崖、そして二人の少女が見えた。
「あの、手前の……黒髪じゃない方……あの人が、もう一人の『貴方』と、僕の占いに出た……」
 ゼロスは、茂みに隠れながら着物の少女を指した。
「『葉の王女』です」

「僕の『波』と、あの王女の国の『葉』はあまり仲が良くありません。さっさと血をいただいたら、すぐに去りますよ」
「それは判ったけど……どうやって血を貰うわけ? 仲が悪いんじゃ、交渉って訳にもいかないでしょ。あんた王子なんだし、向こうには知られてるんじゃないの?」
 ゼロスの言葉に、あたしはもっともな質問をする。
 すると、ゼロスは対して迷わず答える。
「僕には母から教わった魔術があります。それで、しばらくの間、王女の動きを止めるんです。ただ……」
「ただ?」
「この魔術を使うと、反動であたりに大きな波動が放たれます。近くにいると、吹き飛ばされてしまうんです」
 あたしの問いかけに、少し口ごもり答えるゼロス。
「だから、出来る限り離れていて下さい」
「はいはい、そんなの頼まれたって近づかないわ」
 あたしの言葉に、満足したようにゼロスは頷いた。
 あたし達は馬から下りて、ゆっくりと、徐々に『葉の王女』に近づいていった。

 ぶつぶつ、と耳に奇妙な言葉が届く。
 ゼロスが何か唱えている。まるでRPGの様な、呪文。
 少しずつ、『葉の王女』とその連れらしき黒髪の少女の姿がはっきりしてくる。
 徐々に歩を進める。徐々に、徐々に……
「……今!」
 ふと、口から出た言葉。
 何かの合図?
 すると、ゼロスの口から不思議な言葉が放たれる。
 気配を感じたかのように、勢い良くこちらを振り向いた『葉の王女』。
 その顔は…………
「あたし…………?」
 思わず、呟いたあたし。
 いや、もしかしたら『葉の王女』の呟きだったかも知れない。
 前世と後世……。
 直後。
 びぎっ……!!
「きゃあっ……」
 何か……歯車がずれるような音。少女の小さな悲鳴。
 どんっ、と何かの衝撃を感じる。
 少し離れているあたしは、強い風が吹いたようにしか思えなかったけれど、衝撃の中心である『葉の王女』のすぐ近くにいた黒髪の少女は、たまらずに吹っ飛ぶ。
 一気に、崖から転落していく。
 一瞬、少女の顔があたしの脳裏に焼き付いた。
「ゼロス、助けてあげて!!」
 あたしは、すぐさま叫んだ。が、ゼロスは首を横に振る。
「すいませんが、敵を助けるわけにはいきません」
 その言葉に、あたしは黙り込む。
「さあ。『葉の王女』から、早く血を……」
 ゼロスが言い、あたしは意識を『葉の王女』に移す。
 動きを止めた少女。よく見れば見るほど、あたしにそっくりな顔。
 やっぱり、前世と後世……だから?
 ゼロスは黙って近づくと、その腕に小刀のようなもので軽く傷付ける。つぅっ、と流れ出た血を、用意していた瓶のようなものにすくい取る。
「この瓶には、中身が乾かないようにする魔術がかかっていて、城に戻るまでは持つでしょう……さぁ、帰りましょう。母上の元へ」
 ゼロスはあたしに振り返り、いつもの笑顔を向けた。

 あたしはその時、安堵してしまった。
 これで、元の世界へ帰れる。

 あたしはきっと、『葉』の二人のことを、すっかり忘れてしまっていた。


「母上」
 ふと気が付くと、其処は『波』の城の中だった。
 本当に、意識が飛んでいた。
 一体、今まで何があったの…………?
「ただいま戻りました」
 ゼロスの声。続く、女王の言葉。
「そうか。……例の物は?」
「こちらです」
 ゼロスが瓶を取り出す。本当にわずかな量の、赤い液体。
「わかった。…………リナ殿、こちらへ」
 女王に言われ、ふらり、とあたしが倒れかける。
「リナさん!?」
 ゼロスが慌てて、あたしを抱える。
「どうしたんですか? 此処までの道のり、全然元気もなくて…………やはり、『葉の巫女』のことが?」
 その言葉に、あたしの意識は急速に鮮明になっていく。
「何でもない。大丈夫……時差ボケ、って奴よ」
「……時差……?」
「いや、気にしなくて良いわ」
 あたしはあっさりとゼロスに返すと、女王の方を向く。
「何なの?」
「血を、わけて貰おう」
 唐突にあたしの腕を握ると、磨製石器のような小さな刃物で、あたしの腕に小さく切り傷を付ける。
「つっ……」
 あたしが呟くが、女王は気にせず別の瓶を取り出し、あたしの血を採る。
「さて、儀式を始めようか」
「ええっ!? 此処で、今すぐ!? 特別な儀式の部屋とか魔法陣とか要らないの!?」
「要らない」
 あたしのまるで抗議の声に、冷静な言葉を女王は返した。
 王座から立ち上がると、彼女は二つの瓶から、血を床へと垂らす。
『彼の者を』
 脳の奥底へと響くような、声。
 黒い、としか言えない声。
『在りし日の』
 眠気が、急に襲ってくる。

 あたしは、沫李高校の地下、階段で眠っている。

『大地へ』

 遅刻を続けていたせい。

『輪を通して』

 頭に、昔本で読んだ輪の絵が浮かび上がる。

 時には表。

 時には裏。

『戻れ! お前の国へ!! 此処はお前の居るべき地では無い!!』

 あたしは帰る。

 自分の国へ。

    ――――助けて――――

 !?

 突然、言葉が頭に浮かぶ。

    ――――三覇世界は戦い疲れている――――

『邪魔をするな! 『葉の王女』よ!! 時は変わらぬ!!』

    ――――いいえ。変わる……創造主が悪夢を見続けるかぎり――――

「リナさん!!」
 頭の中を駆けめぐる声を押しのけ…………
 ゼロスの声が聞こえた。
「僕……本当は……本当に、『ゼロス』って名前なんです」
 一瞬、あたしはゼロスの微笑んだ顔を見た気がした。


「またいつか、逢いましょう」


    ――――またいつか、この大地で――――


『悪夢は我らが摘み取る!!』

  帰れ、本来あるべき土地へ




「リナさん!」
 瞳を開けると、其処にはアメリアが立っていた。
「大丈夫ですか? すっかり眠っていましたよ…………」
「その場合、「だいじょぶ?」って聞くものなの……?」
「ま、気にしないで」
 アメリアは笑って、手を振った。
 此処は、地下室の階段。
 あたしを迎えに来たんだろう、アメリアが立っていた。
 そして、あたしの手には…………
「リナさん……何ですか? その葉っぱは」
 言われて、あたしは手元に視線を落とす。
 あたしは、一枚の葉っぱを手に握っていた。
「……何でもない。四つ葉のクローバーみたいなものよ」
 あたしは葉っぱを、パスケースの中にしまった。
 アメリアの笑顔を、再び見る。
 その顔は、まるで『葉の巫女』……谷底へ落ちていった少女に瓜二つだった。





「『葉の王女』。何を見ているんですか?」
「ただの葉っぱよ。『波の王子』」
「葉っぱ……?」
「そう…………四つ葉のクローバーみたいなものよ」
「そうですか……何か、願い事でも在るんですか?」
「まぁ、ね。一つだけ」
「聞かせて貰っても……良いでしょうか?」
「別に良いわよ」
「どんなものですか?」
「……『創造主』が、悪夢を失わないように」
「…………?」
「『悪夢使い』が平行世界の扉を閉めないように」
「……………………また、平行世界ですか?」
「そう」
「……」
「悪夢使いの『パラレルクローズ』の時が、一刻でも早くくるように……『この世界』が終わらないうちに悪夢使いが再びこの地に来るように。これが願い…………少し、多すぎかしら?」
「多分……平気だと思いますよ。『葉の王女』」
「ありがとう、『波の王子』」











  戦いは、今始まった。
  物語は、まだ始まったばかり。


  ▽To Be Continued・・・

__________________________________

 『終わりは新たな始まり』・・・byぎくーの名言集より(をい)
 というわけで、帰ってきました。また近い内に行きますが(爆)
 今回の詩は歌詞の丸写しじゃないですね・・・歌詞覚えてないから(ひどっ)
 次回、とうとう『羽の王子』登場! お楽しみに(^^)

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12320お久しぶりいいぃぃぃっ!!!れーな E-mail 11/12-14:45
記事番号12310へのコメント

っちゅーす!れーなでっす!!
いやぁお久しぶり^^;
最近ぜんっぜんココ来てなかった気が・・・(おい)

とにかくとにかくとにもかくにも。
ここはやっぱり本題に入って色々ごまかそう(色々って何)
本題と言えば感想なので感想。

♪第二楽章♪
にゃー♪カノンじゃカノンー♪
「遠い日の歌」ーっ♪
あたしのめちゃめちゃ好きな曲っすよーv
授業でも歌ったしね―っvv
息苦しいかー・・・はっはっは。あたしはアルトだから苦しくないのさー。はっはっはー(爆)
なんかゼラス様がかっこいーってか楽しんでるだろあーたはっ!?みたいな。うむ。
もちょっといぢわるなゼラス様かとも思ってたんだけど・・・ってあれってゼラス様よねっ!?
まさかL様なんてわけでもないっぽいし・・・


♪第3楽章♪
葉の王女・・・ってかもう一人のリナちゃん登場なのねー。
んでも何故敵にゃのに仲良く話してる場面があるんじゃー?
「葉」のもう一人の子はアメリアちゃんなのですかねーvふふふー(怪)
元の世界にめでたく戻れましたよリナちゃんー。
もっとややこいことあってから戻るのかと思ってたあたしー。
んでもって戻る時の変(?)なやりとり(?)も気になるー。
ってか想像主ってなんやーっ!?パラレルクローズとか悪魔使いとか・・・うう。
謎だらけじゃーん♪(笑)
しかも第三楽章は「君を乗せて」だし・・・
昨日チャットで(!?)熱唱してたわさ・・・(おい)
なんかめちゃタイムリーでビックリ(笑)
この歌もあたし好きやーv
でも歌詞が違ってあれ・・・?(笑)
うん、パンとナイフとランプはあるけどテントは無いぞ(笑)


そーいやこの前「耳をすませば」やってたー。見れんかったしー・・・しくしく。
あれの「カントリーロード」もなかなかよろしにゃぁ・・・vv

うー。今日はテンション高いんだか低いんだか。
とにかくぼけぼけなことはきっと確実(どっち)

ふふふー。あたしもさっさと小説終わらせたいにゃー。いい加減に終われよなー。
てきとーに最終回にもって行っちゃおうかなー(おい)
まぁなんとかなるなる(嘘)

んではではーv
れーなでしたー。

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12321久しぶりだわさぁぁぁぁぁぁ!稀虹 戯空 11/12-18:49
記事番号12320へのコメント

れーなさんは No.12320「お久しぶりいいぃぃぃっ!!!」で書きました。

>っちゅーす!れーなでっす!!
>いやぁお久しぶり^^;
>最近ぜんっぜんココ来てなかった気が・・・(おい)
 おひさ〜待ってましたわ〜(笑)
 ちょっと寂しかったからね・・・(笑)

>とにかくとにかくとにもかくにも。
>ここはやっぱり本題に入って色々ごまかそう(色々って何)
>本題と言えば感想なので感想。
 ありがとございます♪

>♪第二楽章♪
>にゃー♪カノンじゃカノンー♪
>「遠い日の歌」ーっ♪
>あたしのめちゃめちゃ好きな曲っすよーv
>授業でも歌ったしね―っvv
>息苦しいかー・・・はっはっは。あたしはアルトだから苦しくないのさー。はっはっはー(爆)
 ならば、ソプラノにもちょっとチャレンジしてみましょう(笑)
 でも、最後の「ランララ」はどこでも苦しいであろう?(笑)

>なんかゼラス様がかっこいーってか楽しんでるだろあーたはっ!?みたいな。うむ。
>もちょっといぢわるなゼラス様かとも思ってたんだけど・・・ってあれってゼラス様よねっ!?
>まさかL様なんてわけでもないっぽいし・・・
 口調を小説風にしてみましたー。そうするとゼラス様に見えなくなったー(笑)
 やっぱ、ゼラス様はイケイケヤンキー・・・?

>♪第3楽章♪
>葉の王女・・・ってかもう一人のリナちゃん登場なのねー。
>んでも何故敵にゃのに仲良く話してる場面があるんじゃー?
 ?
 ああ、リナと『波の王子』のことですわね?(こう書かないとゼロスの区別が付かない)
 この時、『波』のゼロスくんは、リナが『葉の王女』の生まれ変わりかどうか知らないって事ですわ♪

>「葉」のもう一人の子はアメリアちゃんなのですかねーvふふふー(怪)
 ひ・み・つv

>元の世界にめでたく戻れましたよリナちゃんー。
>もっとややこいことあってから戻るのかと思ってたあたしー。
 これくらいで戻らないと、30話いきそうなんで(笑)
 とりあえず、目標は20話前後。現在は5話目書いてるトコ・・・間に合わないっ!!(汗)

>んでもって戻る時の変(?)なやりとり(?)も気になるー。
>ってか想像主ってなんやーっ!?パラレルクローズとか悪魔使いとか・・・うう。
>謎だらけじゃーん♪(笑)
 謎ばっかしです。うん。
 とりあえず、パラレル・クローズとは平行世界と三覇世界を行き来できる扉を閉める事みたいなものですわ。大して気にする必要ナッシング(をい)
 まぁ、創造主と悪夢使いはちょっとネタ晴らしなのでひ・み・つv

>しかも第三楽章は「君を乗せて」だし・・・
>昨日チャットで(!?)熱唱してたわさ・・・(おい)
>なんかめちゃタイムリーでビックリ(笑)
 とりあえず、『耳をすませば』だから♪

>この歌もあたし好きやーv
>でも歌詞が違ってあれ・・・?(笑)
>うん、パンとナイフとランプはあるけどテントは無いぞ(笑)
 詩、今回は記憶で書いてるし、歌詞の丸写しじゃないから・・・適当だ♪(をい)

>そーいやこの前「耳をすませば」やってたー。見れんかったしー・・・しくしく。
>あれの「カントリーロード」もなかなかよろしにゃぁ・・・vv
 カントリーロードはリコーダーで吹いたー♪
 けど、アルトのパートだったため、本当のメロディは良く覚えてないv(笑)

>うー。今日はテンション高いんだか低いんだか。
>とにかくぼけぼけなことはきっと確実(どっち)
 どっちやねーん(笑)
 多分、テンションの高さは「どっこいどっこい」(←好きな言葉)

>ふふふー。あたしもさっさと小説終わらせたいにゃー。いい加減に終われよなー。
>てきとーに最終回にもって行っちゃおうかなー(おい)
>まぁなんとかなるなる(嘘)
 なんとかなるものですわ。私の座右の銘。
 なので、適当に頑張りませう(爆)

>んではではーv
>れーなでしたー。
 ではではーぎくーでしたー☆

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12330はじめましてぇ。理奈 E-mail 11/15-04:32
記事番号12310へのコメント

 はじめまして、理奈というものです。
 ゼロリナと言う文字を見てさっそくクリックしてしまったゼロリナ大好き人間です。
 パラレル物なんですね。読んでて本当にお上手だなぁって思いました。あたしも転生にかんして書いた事あるんですけど。戯空様のは、本当オリジナルで、なんて言うんでしょう?個性があって。本当新鮮で、それでいてすっご面白くて。物語に引きこまれました。文章も、表現も上手くて。うらやましいですわ。続きが楽しみです!!
 それでは、短くなってしまいましたが・・・・・。
 続きも頑張ってください。

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12344はじめましてっありがとうございますっ!稀虹 戯空 11/16-16:58
記事番号12330へのコメント

理奈さんは No.12330「はじめましてぇ。」で書きました。

> はじめまして、理奈というものです。
 初めまして、理奈さん。稀虹です。
 あらあら、知り合いの妹さんと同じ名前だわ・・・(笑)

> ゼロリナと言う文字を見てさっそくクリックしてしまったゼロリナ大好き人間です。
 そうなんですか(^^)私も、最近は割とゼロリナ派になりつつあります。まぁ、ガウリナも好きなんですけど・・・やっぱり、こう書いている
と、情が移るとかー(情・・・?)

> パラレル物なんですね。読んでて本当にお上手だなぁって思いました。あたしも転生にかんして書いた事あるんですけど。戯空様のは、本当オリジナルで、なんて言うんでしょう?個性があって。本当新鮮で、それでいてすっご面白くて。物語に引きこまれました。文章も、表現も上手くて。うらやましいですわ。続きが楽しみです!!
 ありがとうございます! 最高の誉め言葉です・・・ほろほろ(感涙)
 文章とかも、結構頑張ってます・・・将来小説家志望の者として。まだまだ未熟な私の小説なんかで喜んでいただけて、本当に嬉しいです(^^)
 転生、って・・・不思議なことですよね。私は生まれ変わったら鳥にでもなりたいなぁ(謎)

 こんな私の小説ですが、気に入っていただけたら、他の作品も読んで下さい。
 昔のHNが判らなかったら、とりあえず著者別リストを覗いていただければ・・・

> それでは、短くなってしまいましたが・・・・・。
> 続きも頑張ってください。
 ホントにありがとうございます! 第四楽章は今日投稿させていただきます。
 これからも、よろしく(^^)

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12345パラレル・クローズの悪夢使い 第四楽章稀虹 戯空 11/16-16:58
記事番号12310へのコメント


 今日は。ぎくーでせぅ。
 第四楽章。三覇世界へリターンです(笑)
 この話、これからが長いんだよなぁ・・・今までは、いわば序章。今回から、再び元の世界へ戻るまでを第一章、それから後を第二章と言っても良いくらい・・・にしては、ヤケに長い第二章になりそうだ(爆)
 今回の詩は個人的以下略黙示録(略してるクセして正式名称より長い)より、『わたしのふるさと』です。ずっと昔に、NHKで流れていた曲です。記憶で書いているので、歌詞が合っている自信なし(爆)
 では、お楽しみ下さいな(^^)

__________________________________


  パラレル・クローズの悪夢使い
  第四楽章  ツメタイ カラダ 届く波音 それだけ


  花が咲き始める地平線に
  青い空と雲が いつもあります
  天幕は白い家 草原に見えます
  ふるさとの春は今
  素晴らしい輝き

  水が湧き出ている泉には
  誰もが祈りを 捧げています
  ナーダムのお祭りは 賑やかな歌声
  ふるさとの夏は今
  素晴らしい輝き

  馬の毛の弓を引く 伝説の音楽
  ふるさとはそして冬
  銀色の輝き


「リナさんリナさんリナさんリナさん!! ダブルデートしませんかぁぁぁぁっ?」
「……………………は?」
 今日は土曜日。授業は早く終わる。
 そして、授業終了と同時に、アメリアは超ダッシュであたしの元へとやってきて、口早に言った。
「だぶるでーと、って…………あんた彼氏居たの!!?」
「そんな大声で驚かないで下さいよ…………わたしにだって、彼氏くらい居ますっ! 三年生のカッコイイ人ですっ! それで、明日水族館に行くことになったから、リナさんとゼロスさんも一緒に、ってコトで…………」
「……アメリアとその三年生のカッコイイ人が、一カップル目?」
「はい!」
 嬉しそうに、アメリアは頷く。
「で、あたしとゼロス?」
「はい!」
「あたしとゼロスはそんな間柄じゃ無いわよっ!!!」
「うっそ〜」
「嘘じゃないぃぃっ!!」
「とりあえず、ゼロスさん誘っておいて下さい! 明日10時、学校の正門前で!」
 さっきよりも口早でアメリアは告げると、あたしの前を去っていく。
「ちょっと待ってよ…………ホントに、あたしなんかよりヴァルとフィリアの方が………………………………自分たちの世界作っちゃうからダメか」
 あたしは自分で呟いて、自分でつっこんだ。もちろん、虚しいのは自分だけだった。

 不思議な不思議な、三覇世界から帰ってきて、早一日。
 いまいち、あの世界に居た一週間近くの日々のことが、詳しくは思い出せない。
 本当に、『波の王子』はゼロスにそっくりだったのか? 『葉の王女』はあたしに、『葉の巫女』はアメリアに瓜二つだったの?
 あの不思議な声の主は、誰?
 何も…………思い出せずにいる。
「ゼロス」
 昇降口であたしはゼロスを待ちかまえ、彼が現れたとたんにその名を呼んだ。
「どうしました、リナさ……」
「ゼロスく〜ん、これからアイスでも食べに行かなぁい?」
「そうそうっ、気晴らしにさっ!」
 ゼロスがあたしの名を呼び反応しかけた。けれど、追っかけその他がその言葉を遮る。
「あんなゼロスくんを悲しませた奴の言葉なんか無視してっ!」
「そーよ、ひがみ女は無視無視!」
 …………ぷちっ。
「だぁぁぁれがひがみ女よひがみっ! あんたらの方がゼロスにたかる虫じゃないぃぃっ!!」
「……『虫』と『無視』をかけてます?」
 あたしがぶんぶんとバッグを振り回し、追っかけその他を追い払う。ゼロスの言葉こそ『無視』。
「あのさっ、ゼロス!」
 ぜーはーぜーはー、と肩で息をしながら、あたしはゼロスの名を呼んだ。
「明日、暇?」
「まぁ、暇ですけど」
「じゃぁっ、十時に学校の正門前! ……良い?」
 口早に用件を言ってしまってから、あたしは気になってゼロスに尋ねた。
 いつから、あたしはこんな弱虫になったの?
「良いですよ」
 ゼロスの答えはいたって簡潔。
 にっこり微笑み、あっさり言った。
 なんとなく、胸のつっかえが取れる思いだった。
 遠くから、笛の音が聞こえる。
 まるで、夕日の空へのBGM。
「ヴァルさんのフルートですね」
「あ、ゼロス、部活はどうしたの?」
 ゼロスの言葉に、あたしは思いだしたように尋ねた。
「止めようと思って」
「……は?」
「明日、退部届けを出そうと思っていたんです」
「なんで!? ……明日は学校休みだし」
「それは気にしないで」
 あたしの最後の呟きに、少しだけゼロスは笑みを引きつらせる。
「リナさんが来てくれないと思ったから」
「…………は?」
「僕が吹奏楽部に毎日言っていたのは、毎日リナさんが来てくれたからです」
「…………」
「けど、昨日のことがあるから、もうリナさんは来ないと思ったんです。だから、そんな吹奏楽部にいても意味がありません」
「でも、そんなの……」
 『我が儘』。
 そう言おうと思ったけれど、言えなかった。
 あたしだって我が儘だ。ゼロスが毎朝一緒に登校したい、と言うのが我が儘なら、それを嫌がるあたしも我が儘だ。
「明後日、吹奏楽部に来てくれますか?」
 ゼロスがにっこり微笑み、言った。
 あたしは頷いた。
「じゃあ、退部するの、止めます」
 そう言ったときのゼロスの微笑みは、本当に優しいものだった。

 翌日……。
 …………来るんじゃなかった。
 心底思った。
 ゼロスは、楽しいんだかつまらないんだか、ずっとにこにこにこにこ。
 そして、アメリアは…………
「あっ、ゼルガディスさーん! ほらこれー、可愛いお魚ですねー!」
「山椒魚(サンショウウオ)だぞ……」
「あっ、ほらこれ! ゼルガディスさん、白いタコー」
「烏賊(イカ)だろ。どう見ても」
 アメリアの彼氏。それは、あたしの見たことのある人だった。
 一学年先輩の、ゼルガディス……女子の間での人気も高く、かなり競争率は激しい。何故こんな美形な先輩が、アメリアと出会い付き合っているのかは本気で不明。
「はぁ……」
 あたしは、本日何度めかの溜息をつく。
 アメリアとゼルガディスはかなり自分たちの世界(?)を作り(アメリアが一方的に)、あたし達の介入の余地はない。あたしは、にこにこしたまま海星(ヒトデ)を眺めるゼロスと一緒に、輪の外に放り出されてしまったのだ。
「つまらなそうですね、リナさん」
 何十分ぶりか、ゼロスが海星から目を離して言った。
「まぁ、つまらないと言えばつまらないけど」
「そうですか? 僕は結構楽しいですよ」
「……海星眺めるのが?」
「いえ」
 ゼロスはにこにこしたまま、海星の水槽……いや、水面を眺めた。
「波が」
「…………え?」
 あたしはゼロスの言葉に、急激に意識が異世界へトリップした気分に襲われる。
 波……別に、波が楽しいくらいどうってことの無い。ちょっと変わってはいるけれど、何でもない。
 なのに、今の感じは何?
「どうしました、リナさん? …………あっ!!」
 ゼロスは、黙ってしまったあたしに尋ねるように顔を上げ、そして声も上げた。
 あたしの背後の柱に付いている、時計に目を釘付けて。
「イルカショーの時間じゃないですか! アメリアさん、ゼルガディスさん、ほらリナさんも、行きますよ!!」
 突然慌てて、『二人の世界』の中のアメリアとゼルまで連れて、ゼロスはショー会場へと走っていった。
 ……………………変な奴。つくづくそう思う。

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 人々の歓声。
 イルカが水面で跳ね、水しぶきが上がる。
「これを見るために水族館に来たんですよ。うんうん」
 一人で呟き、ゼロスは満足げに頷く。
「すごいですね、ゼルガディスさん! イルカさん、賢いですね」
「まぁ、調教されているからな」
 アメリアの言葉に、ゼルガディスはいつものクールな返事を返す。
 会話がかみ合ってるんだか、かみ合ってないんだか。

 ぽちゃん…………

 静かな、水面に水滴が落ちる音。
 そんな音が、歓声を突き破ってあたしの耳に届いた。
 不思議な感覚。
 指先が、凍るように冷たい。
 あたしは、手を服のポケットに入れた。
 ポケットの中には、パスケースが入っていた。
 パスケースの中には、学校の地下で見つけたあの葉っぱが入っていた。
 あたしは、イルカが浸るプールを見る。
 イルカの巨体の動きに、水面に波が生じた。
 あたしはそれを見て…………
 ゼロスの言葉よりも現実味のある、異世界へ放り出される感覚を味わう。
 この感覚は……過去に、覚えがある。
 学校の地下室で、三覇世界へと行ってしまった時と同じ。

 意識が飛ぶ。



 ざくざくっ。
 砂を掘る音が聞こえる。
「っん……?」
 あたしは呻き、目を開ける。
 射し込む光。見覚えのある風景。
 ここは、三覇世界のあの森。
「……………………ええええええええええええええっ!!?」
 あたしは叫んだ。思いっきり大声で。
「ん〜……リナさん……早く起きないと遅刻しますよぉ」
 耳元で、アメリアの声が聞こえる。
 見ると、其処にはあたしと同じように大地に横たわるアメリア、ゼロス、ゼルの姿があった。
「…………へ?」
 一瞬、意識が混乱する。
 けれど、すぐ判った。今、何が起こったか。
「もしかしてもしかすると、また来ちゃった…………?」
 あたしは空を仰ぎ、呟いた。
 どうにも、その様だった。


「父様母様、血の繋がりのある者達……『羽』の同胞達……すまない、本当に…………何故…………」
 声が、正面の方向から聞こえる。
「ねぇ、ホントのホントに一体何なんですか……?」
「だから、ファンタジー小説みたいなものなのよ」
 たたき起こしたアメリア達が、あたしの『納得のいかない説明』が納得いかなかったらしく、再び質問してくる。
「こんな……こんな……」
 声に、妙な力が入ってきた。
 あたしは、茂みをかき分け声の元へと近づく。
 聞いたことのないハズの声。だけど聞き覚えのある声。
「こんな出来損ないの王子なんて死んでしまえばいいっ!!」
「……ちょっと待ったぁぁぁっ!!」
 やっと声の主の姿を発見できたとき、その人はナイフのようなものを自分に向けて振り上げていた。
 あたし達は慌てて止めに入った。
「なんだよあんたらっ!! 邪魔するな!!」
「邪魔じゃなくて止めてるのよ、あんたどーみても若いんだから自殺なんてっ…………」
 あたしは声の主の腕を掴みながら、彼の姿をまじまじと見た。
 たしかに幼い、少年の姿。あたしとどっこいどっこい。
 深海とも淡緑とも言える、髪の色。月のような瞳。
 何処かで、見たことのある姿。
「……ヴァル?」
「……っ!」
 あたしの呟きに、まるで図星とばかりに少年は呻いた。
「違うっ……そんなの知らない! 俺は……俺は……」
「じゃあ、誰だ?」
 冷たい、とも思える、ゼルガディスの冷静な声。
「俺は…………『羽の王子』」
 少年……『羽の王子』は、苦々しく口を開いた。
「『葉』に裏切られた『羽』の王子さ」

 その言葉に、目眩を感じる。


  ▽To Be Continued・・・

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  ゼルガディス初登場! そして、序奏で処刑されていた人の『別世界』版現る! です。
 とりあえず、もう序奏の誰が誰だか丸わかりですね(笑)多分、『羽の巫女』も。
 さて、今回の詩。『馬頭琴』という言葉が頭に浮かんだ貴方、大正解。この歌の絵は『スーホの白い馬』なのです(^^)
 さぁてと・・・第五楽章は新しいツリーかなぁ・・・まだ書いてないし・・・何の歌にしよう(汗)
 とりあえず、『波の王子』&『葉の王女』再登場(多分)の次回、お楽しみに(^^)