◆−(ルクミリ+ガウリナ)×ナーガ=・・・(下ー後編)−あごん(12/2-23:04)No.12521 ┗Re:(ルクミリ+ガウリナ)×ナーガ=・・・(下ー後編)−亜由菜(12/5-21:31)No.12542 ┗感謝感激雨SMAP←嵐やろオイ(つっこみ)−あごん(12/5-22:54)No.12544
12521 | (ルクミリ+ガウリナ)×ナーガ=・・・(下ー後編) | あごん E-mail | 12/2-23:04 |
ガウリイとルークが、あたし達をこの先へ行かせないようにしている・・・? リナは指先を軽く噛んで、その理由を考えた。 何故、ナーガに依頼したのがガウリイとルークだとわかったのか。その為の推理は実に簡単だった。 そもそも、リナもミリーナもソラリア・シティに足を踏み入れたのは初めてである。 つまり、この町に知り合いと呼べる人間はいない。 一ヶ月の逗留によって顔見知りくらいはできたが、ナーガは最初にこう言った。 「あなた達をこの先へは行かせない」 あなた達。 それがリナとミリーナのことであるのは間違いない。 つまり、ナーガに依頼した人間はこう言ったはすだ。 「リナとミリーナをこの先へは行かせないこと」と。 そうなると二人共通の人間が依頼人となる。 この町でできた顔見知り。 しかし、リナとミリーナは共に行動することは少なかった。 その理由はというと、ミリーナと常に行動するルークの存在が大きい。 即ち。 ケンカが多くなるからという、実に単純且つ明快な理由である。 そういう事情もあり、二人は共通の知人というものはいないに等しい。 ならば。 二人共通の知人となれば、出てくる顔も知れている。 ワイザー・フレイオン。 この可能性は低いと、二人は見てとった。 あとは消去法あるのみ。 そして、リナとミリーナはそう推理したのだった。 ちらり、と横にいるミリーナに目をやる。 どうやらミリーナもリナと同じく、何故二人が、この先へと自分達を行かせたがらないのか。その理由について考えているようだった。 ふと、ミリーナの視線が動く。 それがリナの顔で止まると、二人はこくりと頷き合う。 一体、この二人は出会って何度こうして頷き合っただろうか。 出会って間もない傍らの女性に、二人は同時に、同様の感慨を持った。 言葉では言い表せないが、急に妙な親近感を覚えた、と言えば一番しっくり来るかもしれない。 「ほーっほっほっほっほっほ!何を考え込んでいるのか知らないけど、いくら考えても無駄ねっ!」 ナーガが右手の甲を左頬にあて、カツッとかかとを踏み鳴らす。 「ふん。あのバカ二人が何をとち狂ったのか知んないけどっ」 「強行突破するしかないようね」 ずいっと二人は一歩前へ進み出た。 「ほーっほっほっほっほ!強行突破?笑わせてくれるわねっ」 マントを翻し、ナーガは再び呪文を唱え始める。 「・・・させないわ」 ミリーナがぽつりとこぼしながら、ナーガに向かい疾走する。 それを横目で見送りつつ、リナは急ぎ呪文を唱えた。 ナーガの呪文が完成する前に、ミリーナがナーガへと肉迫する。 風さえ作り、ミリーナの右手がナーガへと繰り出された。 ナーガはこれを間一髪で避けると、たたらを踏みながらミリーナから距離を置く。 しかし。 きゅばっ! 右手を出した反動を利用し、ミリーナはそのまま右足を一歩踏み込み、勢いを殺さずに右足を軸に半回転し左回し蹴りをナーガへと繰り出す。 ナーガが驚きに目を見開く。 確実にこれは自分にヒットするっ!! 目の前の女の技を出すスピードは半端ではなかった。 しかし。 天はナーガに味方したのか、あるいはこの喜劇の終幕をよしとしなかったのか。 ごぅっ! 突風が、町の通りをこの時駆け抜けた。 ばさりっとナーガのマントが風に煽られ、奇しくもミリーナの左足に覆い被さった。 「!?」 まるで絡めとるかのようなマントのはためきに、ミリーナは体勢を崩しそのまま地面に尻餅をつく。 「霊呪法!!」 リナの呪文が完成したのもその時だった。 ごごごごごわぅん!! 地鳴りさえ上げながら大地が震える。 石畳をひっくり返しながらゴーレムが、立ち上がる。 「行けっ!あの黒づくめの女よっ!」 ヴォン・・・ッ! それが返事なのか、ゴーレムが唸るようにナーガへと進み出る。 「ミリーナ!今のうちよっ!先へ行くわよっ!」 リナがミリーナの元へと走りよったその時。 「風波礫圧破っ!!」 づどぼむうをんっ!! 風圧がリナ達に襲いかかった。 「わきゃ・・・っ」 「・・・・・っ!」 周囲の人々さえ巻き込みながら、風圧が大きく爆ぜる。 ゴーレムが声無く、しかし、派出な音と共に近くの民家へと突っ込んだ。 どわばきゃぅぅん!! 三人のそれぞれタイプの全く違った女が、再び睨み合う。 周囲の人々が遠巻きに、泣きそうな表情で睨みつけているのは誰も気付かなかった。 「お?リナとミリーナじゃないか?」 「お。そうだぜ。あのネェちゃんもいるぜ」 余りにも場にそぐわない二つの声が、通りの向こうから聞こえてきた。 リナとミリーナが声のした方向へと首を巡らす。 「おーい、リナ!何してんだ、こんなトコで」 「ミリーナ!どーしたんだ?」 呑気に手を振りながら二人が近づいてくる。 ぴききききっ! 神経がひきつる音を、確かにリナは聞いた。 ぴくっ。 眉の跳ね上がる音を、確かにミリーナは感じた。 「何してんだ、じゃないいぃぃぃぃぃっ!!」 猛然とリナはガウリイに向かいダッシュする。 どがしゅっ!! 「ぐおおおおおっ!?」 リナの爪先が、ガウリイの延髄へと芸術的にキマった。 首を押さえガウリイが地面に這いつくばり、激痛に耐えながらもんどりうつ。 「どーした、じゃあありません!」 リナのように暴力では決して訴えないが、ミリーナもルークに向かい冷ややかな視線を送っている。 「え!?ミリーナ?怒ってるのか!?なんで!?」 可哀相なくらい狼狽しながら、ルークがミリーナの顔色を見る。 「あんた達ねぇっ!一体どーゆーつもりなの!?」 リナが仁王立ちで、ぎとりっと二人を交互に睨む。 「・・・どーゆーって・・・?」 なんとか立ち上がりながら、ガウリイが聞き返した。 「そちらの、ナーガさん・・・にわたし達の足止めを依頼したそうね?」 やはり冷たい声のままで、ミリーナはルークを一瞥する。 「あ・・・足止めって・・・そんな物騒なモンじゃあねーよ」 おどおどと、ルークがミリーナに手振りをつけて答える。 「実際ナーガはあたし達に、いきなし攻撃魔法を使ってきたのよ!」 「攻撃魔法!!??」 ルークが声と同時にナーガの方へと振り返る。 しかし、先ほどまでナーガのいた空間には、すでに陰も形もない。 「んなっ!どこ行きやがった!」 キョロキョロと顔を四方に巡らし毒づくルーク。 「とんずらこいたに決まってんでしょーが!それよりっ!」 ばんっ! 石畳に足を思いっきり踏み込み、リナが二人を睨みつける。 「攻撃魔法を使ったのは彼女の独断なのはわかったけど」 淀み無い口調でミリーナが流れるように、二人の手前まで歩む。 「私たちをこの先に行かせたくないと云うのは事実のようね」 「聞かせてもらいましょーか?言い訳を」 氷のような表情のミリーナと。 鬼のような表情のリナ。 二人の女性の迫力に二人の男は力無く頷いた。 「今日は聖・ソラールの誕生日なんだと」 ややぶっきらぼうにルークがまず口を開いた。 「サン・ソラール?」 リナが小首をもたげながら呟く。 ミリーナはしばし考え込み、ようやく顔を上げてこう言った。 「・・・ああ。あの、女性至上主義の宗教家?」 「知ってるの?ミリーナ?」 「ええ。二百年程前の人物で。なんでも、女性こそが世界だ、という理念の宗教家だったはずよ」 「さすがおれのミリーナ」 ルークがミリーナへと満面の笑みを向ける。 その言葉を受けてミリーナが言い返すより早くガウリイが口を開く。 「その、サン・ソラールってゆー人はこの町の出身らしいんだ」 「・・・それでソラリアってわけ?」 「そーゆー事らしい」 「それが?」 ミリーナがいくらか柔らかい声でガウリイに尋ねる。 「だからさ、ソラールは女性を尊敬し、敬愛し、傾倒し、その考えをこの町で啓蒙したんだよ」 まるで読本でもするようにルークがさらりと話す。 「だから?」 苛々とリナがルークへと問いかける。 「今日は記念日なんだと。ソラリア・シティのお祭りなんだと」 今いち要領を得ない説明に女性二人の声が重なる。 「結局は?」 その言葉を聞くと、男性二人に笑顔が上り、そして声を重ならせた。 「男が日頃から世話になってる女性に、手製の贈物をする日なんだよ」 そう言って、ガウリイとルーク。二人は同時にポケットに手を突っ込んだ。 そして。 再び出てきたその手には。 決して見栄えはよろしくない。 けれど、不器用なこの手が一生懸命作ったモノだと一目でわかる。 不細工だが、愛らしい。 小さなブローチが乗せられていた。 「まあ、初めてこんな装飾品作ったから・・」 「出来は良くねーけど・・・」 やや顔を赤らめながら、二人は照れ笑いと共に交互に言う。 「・・・・・・・・」 「・・・・・・・・」 リナもミリーナも。 絶句することで、気持ちを表した。 まさか。 まさか、この二人がこんな殊勝な事をするなんて。 驚きと、戸惑いと。 何より気恥ずかしさと嬉しさと。 そんな感情すべてを込めた絶句であった。 「・・・ありがとう」 「・・・受け取っとくわ」 二人はそれぞれらしい言葉で手を延ばす。 当然ながら、リナはガウリイへ。ミリーナはルークへと。 「違うんだ、リナ。これはミリーナのなんだ」 「すまん、ミリーナ。おれのはこの女にやるもんなんだ」 「へ?」 「え?」 リナもミリーナも、目を丸くさせ間の抜けた声を出す。 ガウリイとルークはため息をつくと、 「ホントはお互い二個ずつ作る予定だったんだけど・・・」 「時間が無くなっちまってさ。一個ずつしか作れなかったんだ」 バツが悪そうに顔を見合わせる。 「今日がお別れだろ?おれ達。リナにはいつだって作ってやれるし」 「ひょっとしたらもう会えねーかも、なわけだろ?あんたとは」 ガウリイはミリーナに。 ルークはリナへと、その手を差し出した。 「一ヶ月間の感謝を込めて」 恭しく、自分の相棒ではない女性へと、手製のブローチを渡したのだった。 「・・・ありがと・・う」 二人の女性もまた、自分の相棒ではない男性の手から、贈物を受け取った。 「さぁーて!ほいじゃあ出発するわよっ!ガウリイ!」 「おうっ!」 「おれ達も行く、か?」 「・・・そうね。行きましょう」 意気揚々と四人二組が旅立ちを告げたその時。 「をい待てコラ」 水を差すように、冷たい声が背中にぶつかった。 くるりと振り向くその先には。 「おっちゃん!どったの?見送り?」 ワイザー・フレイオンが渋い顔で立っていたのだった。 「見送りとは正反対だな」 静かに言葉を発するワイザー。 「出迎えだ」 「何の?」 眉をひそめながら、リナがワイザーの顔をのぞき込む。 「家屋倒壊。器物破損。営業妨害。人傷事件」 ひききっとリナとミリーナの顔がひきつる。 「なんだなんだ?」 「むつかしい言葉ばかり言われてもなぁ・・・」 ガウリイとルークが腕組みして、ワイザーに聞き返す。 「町の有様をよーっく見ろ!!!」 「へ?」 ガウリイとルークは気の抜けた声で。 「あう・・・・」 リナとミリーナは悲壮的に。 眺めやった町の通りは。 激しい魔法合戦の跡を。 無惨な傷跡を露骨に風にさらしていた。 「そんなわけだ。あともう一月ほどはこの町にいてもらう」 「えええええええっ!?」 「事情聴取に、現場検証。お手のものだろう?」 四人の叫びもどこ吹く風で、ワイザーは一月前と同じ、人の悪い笑みをにまりと浮かべたのだった。 「くぅぅぅぅぅっ!!覚えてなさいよっ!ナーーーガァァァァッ!」 リナの怒りの雄叫びが町中に響き渡り。 「ふっ。なかなか良い人間達に囲まれているじゃない、リナ」 少し離れた家屋の屋根で、長身の女性が誰にともなく呟く。 「精々重宝することね。ほーっほっほっほっほっほ!」 高笑いの余韻を残しながら、黒髪を風にはためかせ朝焼けの空に身を躍らせた。 高速移動の術によって、その姿が見えなくなるまで、その独特の笑い声が町に残ったのだった。 終わりです!! ありがとうございました!! よーするに何が書きたかったのかとゆーと。 魔法バトルです(笑)。 それと、ガウミリ(爆)。 ウソです、嘘(笑)。 絡みの少ないガウとミリを本当は書きたかったのだけれど。 また今度にしときます(をい)。 ではでは、こんなオチない話につき合って頂き、感謝です。 レスくれた、亜由菜さま、karinさま。 ありがとうございました!! お二方の御小説も楽しみにしております!! あごんでした! |
12542 | Re:(ルクミリ+ガウリナ)×ナーガ=・・・(下ー後編) | 亜由菜 E-mail | 12/5-21:31 |
記事番号12521へのコメント あごんさんは No.12521「(ルクミリ+ガウリナ)×ナーガ=・・・(下ー後編)」で書きました。 > > ガウリイとルークが、あたし達をこの先へ行かせないようにしている・・・? > リナは指先を軽く噛んで、その理由を考えた。 > 何故、ナーガに依頼したのがガウリイとルークだとわかったのか。その為の推理は実に簡単だった。 > そもそも、リナもミリーナもソラリア・シティに足を踏み入れたのは初めてである。 > つまり、この町に知り合いと呼べる人間はいない。 > 一ヶ月の逗留によって顔見知りくらいはできたが、ナーガは最初にこう言った。 >「あなた達をこの先へは行かせない」 > あなた達。 > それがリナとミリーナのことであるのは間違いない。 > つまり、ナーガに依頼した人間はこう言ったはすだ。 >「リナとミリーナをこの先へは行かせないこと」と。 > そうなると二人共通の人間が依頼人となる。 > この町でできた顔見知り。 > しかし、リナとミリーナは共に行動することは少なかった。 > その理由はというと、ミリーナと常に行動するルークの存在が大きい。 > 即ち。 > ケンカが多くなるからという、実に単純且つ明快な理由である。 > そういう事情もあり、二人は共通の知人というものはいないに等しい。 > ならば。 > 二人共通の知人となれば、出てくる顔も知れている。 > ワイザー・フレイオン。 > この可能性は低いと、二人は見てとった。 > あとは消去法あるのみ。 > そして、リナとミリーナはそう推理したのだった。 >そうか!!そうか!! さすがリナちゃん冴えてるねー!! > ちらり、と横にいるミリーナに目をやる。 > どうやらミリーナもリナと同じく、何故二人が、この先へと自分達を行かせたがらないのか。その理由について考えているようだった。 > ふと、ミリーナの視線が動く。 > それがリナの顔で止まると、二人はこくりと頷き合う。 > 一体、この二人は出会って何度こうして頷き合っただろうか。 > 出会って間もない傍らの女性に、二人は同時に、同様の感慨を持った。 > 言葉では言い表せないが、急に妙な親近感を覚えた、と言えば一番しっくり来るかもしれない。 > >「ほーっほっほっほっほっほ!何を考え込んでいるのか知らないけど、いくら考えても無駄ねっ!」 > ナーガが右手の甲を左頬にあて、カツッとかかとを踏み鳴らす。 >「ふん。あのバカ二人が何をとち狂ったのか知んないけどっ」 >「強行突破するしかないようね」 > ずいっと二人は一歩前へ進み出た。 >「ほーっほっほっほっほ!強行突破?笑わせてくれるわねっ」 > マントを翻し、ナーガは再び呪文を唱え始める。 >「・・・させないわ」 > ミリーナがぽつりとこぼしながら、ナーガに向かい疾走する。 > それを横目で見送りつつ、リナは急ぎ呪文を唱えた。 > ナーガの呪文が完成する前に、ミリーナがナーガへと肉迫する。 > 風さえ作り、ミリーナの右手がナーガへと繰り出された。 > ナーガはこれを間一髪で避けると、たたらを踏みながらミリーナから距離を置く。 > しかし。 > きゅばっ! > 右手を出した反動を利用し、ミリーナはそのまま右足を一歩踏み込み、勢いを殺さずに右足を軸に半回転し左回し蹴りをナーガへと繰り出す。 > ナーガが驚きに目を見開く。 > 確実にこれは自分にヒットするっ!! > 目の前の女の技を出すスピードは半端ではなかった。 > しかし。 > 天はナーガに味方したのか、あるいはこの喜劇の終幕をよしとしなかったのか。 > ごぅっ! > 突風が、町の通りをこの時駆け抜けた。 > ばさりっとナーガのマントが風に煽られ、奇しくもミリーナの左足に覆い被さった。 さすが!!ナーガ!!運の良さだけは誰にも負けないね!! >「!?」 > まるで絡めとるかのようなマントのはためきに、ミリーナは体勢を崩しそのまま地面に尻餅をつく。 >「霊呪法!!」 > リナの呪文が完成したのもその時だった。 > ごごごごごわぅん!! > 地鳴りさえ上げながら大地が震える。 > 石畳をひっくり返しながらゴーレムが、立ち上がる。 >「行けっ!あの黒づくめの女よっ!」 > ヴォン・・・ッ! > それが返事なのか、ゴーレムが唸るようにナーガへと進み出る。 >「ミリーナ!今のうちよっ!先へ行くわよっ!」 > リナがミリーナの元へと走りよったその時。 >「風波礫圧破っ!!」 > づどぼむうをんっ!! > 風圧がリナ達に襲いかかった。 >「わきゃ・・・っ」 >「・・・・・っ!」 > 周囲の人々さえ巻き込みながら、風圧が大きく爆ぜる。 > ゴーレムが声無く、しかし、派出な音と共に近くの民家へと突っ込んだ。 > どわばきゃぅぅん!! > 三人のそれぞれタイプの全く違った女が、再び睨み合う。 > 周囲の人々が遠巻きに、泣きそうな表情で睨みつけているのは誰も気付かなかった。 >あちゃーやってしまいました.... リナ&ミリーナ戦う時は場所を選びましょうね。 > >「お?リナとミリーナじゃないか?」 >「お。そうだぜ。あのネェちゃんもいるぜ」 > 余りにも場にそぐわない二つの声が、通りの向こうから聞こえてきた。 > リナとミリーナが声のした方向へと首を巡らす。 >「おーい、リナ!何してんだ、こんなトコで」 >「ミリーナ!どーしたんだ?」 > 呑気に手を振りながら二人が近づいてくる。 > ぴききききっ! > 神経がひきつる音を、確かにリナは聞いた。 > ぴくっ。 > 眉の跳ね上がる音を、確かにミリーナは感じた。 >「何してんだ、じゃないいぃぃぃぃぃっ!!」 > 猛然とリナはガウリイに向かいダッシュする。 > どがしゅっ!! >「ぐおおおおおっ!?」 > リナの爪先が、ガウリイの延髄へと芸術的にキマった。 > 首を押さえガウリイが地面に這いつくばり、激痛に耐えながらもんどりうつ。 >「どーした、じゃあありません!」 > リナのように暴力では決して訴えないが、ミリーナもルークに向かい冷ややかな視線を送っている。 >「え!?ミリーナ?怒ってるのか!?なんで!?」 > 可哀相なくらい狼狽しながら、ルークがミリーナの顔色を見る。 >「あんた達ねぇっ!一体どーゆーつもりなの!?」 > リナが仁王立ちで、ぎとりっと二人を交互に睨む。 >「・・・どーゆーって・・・?」 > なんとか立ち上がりながら、ガウリイが聞き返した。 >「そちらの、ナーガさん・・・にわたし達の足止めを依頼したそうね?」 > やはり冷たい声のままで、ミリーナはルークを一瞥する。 >「あ・・・足止めって・・・そんな物騒なモンじゃあねーよ」 > おどおどと、ルークがミリーナに手振りをつけて答える。 >「実際ナーガはあたし達に、いきなし攻撃魔法を使ってきたのよ!」 >「攻撃魔法!!??」 > ルークが声と同時にナーガの方へと振り返る。 > しかし、先ほどまでナーガのいた空間には、すでに陰も形もない。 >「んなっ!どこ行きやがった!」 > キョロキョロと顔を四方に巡らし毒づくルーク。 >「とんずらこいたに決まってんでしょーが!それよりっ!」 > ばんっ! > 石畳に足を思いっきり踏み込み、リナが二人を睨みつける。 >「攻撃魔法を使ったのは彼女の独断なのはわかったけど」 > 淀み無い口調でミリーナが流れるように、二人の手前まで歩む。 >「私たちをこの先に行かせたくないと云うのは事実のようね」 >「聞かせてもらいましょーか?言い訳を」 > 氷のような表情のミリーナと。 > 鬼のような表情のリナ。 > 二人の女性の迫力に二人の男は力無く頷いた。 > >「今日は聖・ソラールの誕生日なんだと」 > ややぶっきらぼうにルークがまず口を開いた。 >「サン・ソラール?」 > リナが小首をもたげながら呟く。 > ミリーナはしばし考え込み、ようやく顔を上げてこう言った。 >「・・・ああ。あの、女性至上主義の宗教家?」 >「知ってるの?ミリーナ?」 >「ええ。二百年程前の人物で。なんでも、女性こそが世界だ、という理念の宗教家だったはずよ」 >「さすがおれのミリーナ」 > ルークがミリーナへと満面の笑みを向ける。 > その言葉を受けてミリーナが言い返すより早くガウリイが口を開く。 >「その、サン・ソラールってゆー人はこの町の出身らしいんだ」 >「・・・それでソラリアってわけ?」 >「そーゆー事らしい」 >「それが?」 > ミリーナがいくらか柔らかい声でガウリイに尋ねる。 >「だからさ、ソラールは女性を尊敬し、敬愛し、傾倒し、その考えをこの町で啓蒙したんだよ」 > まるで読本でもするようにルークがさらりと話す。 >「だから?」 > 苛々とリナがルークへと問いかける。 >「今日は記念日なんだと。ソラリア・シティのお祭りなんだと」 > 今いち要領を得ない説明に女性二人の声が重なる。 >「結局は?」 > その言葉を聞くと、男性二人に笑顔が上り、そして声を重ならせた。 >「男が日頃から世話になってる女性に、手製の贈物をする日なんだよ」 > そう言って、ガウリイとルーク。二人は同時にポケットに手を突っ込んだ。 > そして。 > 再び出てきたその手には。 > 決して見栄えはよろしくない。 > けれど、不器用なこの手が一生懸命作ったモノだと一目でわかる。 > 不細工だが、愛らしい。 > 小さなブローチが乗せられていた。 >「まあ、初めてこんな装飾品作ったから・・」 >「出来は良くねーけど・・・」 > やや顔を赤らめながら、二人は照れ笑いと共に交互に言う。 >「・・・・・・・・」 >「・・・・・・・・」 > リナもミリーナも。 > 絶句することで、気持ちを表した。 > まさか。 > まさか、この二人がこんな殊勝な事をするなんて。 > 驚きと、戸惑いと。 > 何より気恥ずかしさと嬉しさと。 > そんな感情すべてを込めた絶句であった。 >「・・・ありがとう」 >「・・・受け取っとくわ」 > 二人はそれぞれらしい言葉で手を延ばす。 > 当然ながら、リナはガウリイへ。ミリーナはルークへと。 >「違うんだ、リナ。これはミリーナのなんだ」 >「すまん、ミリーナ。おれのはこの女にやるもんなんだ」 >「へ?」 >「え?」 えー違うのー何で何で?! > リナもミリーナも、目を丸くさせ間の抜けた声を出す。 > ガウリイとルークはため息をつくと、 >「ホントはお互い二個ずつ作る予定だったんだけど・・・」 >「時間が無くなっちまってさ。一個ずつしか作れなかったんだ」 > バツが悪そうに顔を見合わせる。 >「今日がお別れだろ?おれ達。リナにはいつだって作ってやれるし」 >「ひょっとしたらもう会えねーかも、なわけだろ?あんたとは」 > ガウリイはミリーナに。 > ルークはリナへと、その手を差し出した。 >「一ヶ月間の感謝を込めて」 > 恭しく、自分の相棒ではない女性へと、手製のブローチを渡したのだった。 >「・・・ありがと・・う」 > 二人の女性もまた、自分の相棒ではない男性の手から、贈物を受け取った。 おぉ!!そおいう事か!!う〜ん友情は美しいねー 感動感動 > >「さぁーて!ほいじゃあ出発するわよっ!ガウリイ!」 >「おうっ!」 >「おれ達も行く、か?」 >「・・・そうね。行きましょう」 > 意気揚々と四人二組が旅立ちを告げたその時。 >「をい待てコラ」 > 水を差すように、冷たい声が背中にぶつかった。 > くるりと振り向くその先には。 >「おっちゃん!どったの?見送り?」 > ワイザー・フレイオンが渋い顔で立っていたのだった。 あれ?ワイザーのおっちゃんどうしたのだ? >「見送りとは正反対だな」 > 静かに言葉を発するワイザー。 >「出迎えだ」 >「何の?」 > 眉をひそめながら、リナがワイザーの顔をのぞき込む。 >「家屋倒壊。器物破損。営業妨害。人傷事件」 そうだったーわすれてたね...... > ひききっとリナとミリーナの顔がひきつる。 >「なんだなんだ?」 >「むつかしい言葉ばかり言われてもなぁ・・・」 > ガウリイとルークが腕組みして、ワイザーに聞き返す。 >「町の有様をよーっく見ろ!!!」 >「へ?」 > ガウリイとルークは気の抜けた声で。 >「あう・・・・」 > リナとミリーナは悲壮的に。 > 眺めやった町の通りは。 > 激しい魔法合戦の跡を。 > 無惨な傷跡を露骨に風にさらしていた。 >「そんなわけだ。あともう一月ほどはこの町にいてもらう」 うっせっかく良い別れだとおもったのにー >「えええええええっ!?」 >「事情聴取に、現場検証。お手のものだろう?」 > 四人の叫びもどこ吹く風で、ワイザーは一月前と同じ、人の悪い笑みをにまりと浮かべたのだった。 > >「くぅぅぅぅぅっ!!覚えてなさいよっ!ナーーーガァァァァッ!」 > > リナの怒りの雄叫びが町中に響き渡り。 >「ふっ。なかなか良い人間達に囲まれているじゃない、リナ」 > 少し離れた家屋の屋根で、長身の女性が誰にともなく呟く。 >「精々重宝することね。ほーっほっほっほっほっほ!」 > 高笑いの余韻を残しながら、黒髪を風にはためかせ朝焼けの空に身を躍らせた。 > 高速移動の術によって、その姿が見えなくなるまで、その独特の笑い声が町に残ったのだった。 > > > >終わりです!! >ありがとうございました!! >よーするに何が書きたかったのかとゆーと。 >魔法バトルです(笑)。 >それと、ガウミリ(爆)。 >ウソです、嘘(笑)。 >絡みの少ないガウとミリを本当は書きたかったのだけれど。 >また今度にしときます(をい)。 >ではでは、こんなオチない話につき合って頂き、感謝です。 >レスくれた、亜由菜さま、karinさま。 >ありがとうございました!! >お二方の御小説も楽しみにしております!! >あごんでした! お疲れさまですあごんさんとーても楽しかったですよ!! これからも亜由菜はあごんさんの小説を楽しみにしてるぞ!! 亜由菜も頑張って小説書くのでよければ読んでやって下さい ではこれからも頑張って下さいね!! 亜由菜 |
12544 | 感謝感激雨SMAP←嵐やろオイ(つっこみ) | あごん E-mail | 12/5-22:54 |
記事番号12542へのコメント どうもっ!あごんですっ! わ〜い♪レスいつもありがとうございますぅ。 全三話予定がなんでこんなに長くなるんだ、自分。 とか自己嫌悪しちゃった日もあったけど、亜由菜さまのレスとか見て随分励まされました。 ありがとうございます。 突然ですが、私はどーにもゼルとアメリアが苦手でして。 好きなんですよ?でも書けないんです、あの二人は。 ですから、亜由菜さまの御小説を拝見してたら羨ましいやら、惚れちゃいそーになるやら。 ほのぼの小説の続きをとても楽しみにしております。 ではでは、あごんでした。 本当にありがとうございました。 |