◆−苛立ちの思い違い(気まま2-18)−CANARU(12/19-09:00)No.12765
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12765苛立ちの思い違い(気まま2-18)CANARU 12/19-09:00



・・・一回スペインって行ってみたいよね・・・・。
アンダルシアの火祭り見てみたい〜〜〜(この話にはでないです
けどね・・)
兎角、あの民族衣装にクラクラ・・。スペイン人のおね〜さんって
黒髪多いですし(笑)

*********************:
ナポリ、ヒチリアを取り仕切るまだしも合法的なマフィア組織、『カタート』・・。
その若き総帥、ゼロス・・・・・・・。
しかし実態はルクセンブルク公国「ワルキューレの騎士団」の副旅団長だったりする
上、名目上リナ、公女リナの「義兄」ということになっているのだが・・・・・・。
「ゼロスさん・・・。情けないです・・・・・。」
「そんな格好で・・接客に出たら酷いぞ・・・?」
ゼロスの成りを見たアメリアとゼルが抗議の声をあげる。
「・・・仕方ないでしょう!!年末なんですから!!」
マフィアのお約束、黒尽くめのスーツに派手なネクタイ・・・・。
ブランド物のライターにサングラス・・・・までは良いのだが・・・。
ど〜みてもその手にはマフィアの親分にはそぐわない買い物袋に箒にちりとりが
ぶら下がっている。
ついでに言えば頭にはコックさんの帽子・・・・・。
赤っぽいド派手な前掛けまでしている始末である・・・・・・。
「・・・誰がどう見ても・・・ウェイトレスですよね・・・。ゼルガディスさん!
!」
「いいや・・あの前掛け・・・それにあの帽子・・。魚を魚市場でその場で捌いて
食わしてくれる・・・魚屋かもしれんな・・・・。」
コソコソと後ろで何やら詮索しあうゼルとアメリアにゼロスは・・・・。
「・・・ガウリイさんレベルなこと言わないでくださいよ・・・・・・。」
『う!!!』
さすがにこの反論は厭だったのだろう・・・・・・・・。
咄嗟に否応無しに言葉を詰まらせるゼルとアメリアだった・・・。
「でも〜〜!!そんなちんどん屋さんみたいな格好!!ガウリイさんぢゃなくたって
不審に思います!!」
「・・・いや・・ガウリイの場合は・・自然に・・ナチュラルに五感に受け入れての
感想だと思うのだが・・・・・・・・。」
アメリアの言葉にゼルがすかさず雷光の突っ込みを入れる。
「何言ってるんです!!年末ですよ?大掃除ですよ?正月のご馳走作らなくちゃ・
・。
ゼラス様とルナさんに殺されるのは僕なんです!!」
ど〜〜やら・・・・。
家政婦さんは長期休暇を年末年始にとってしまったらしい・・・・・・・・。
「で・・。何でそんなに慌ててるんだ・・・?」
「・・・・・・・それが・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「ダルフィンのね〜ちゃんの愚痴電話で聞かされてる間に!!大事なものを二つも空
き巣に入られて盗まれた・・ですって〜〜〜!!こんの馬鹿兄!!」
総帥執務室に入って開口一番!!
リナはゼロスに向かって怒鳴りつける!!!
「ま〜ま・・リナ・・。オマエだって・・。ダルフィンのね〜様の愚痴の恐ろしさ・
・。
知ってるだろ・・・・・??」
ゼロスに強制的に大掃除の手伝いを要求され、ナポリまで連行されていたジョヴァン
ニが
リナを宥めるように言う。
「・・・そりゃ〜〜〜まあ・・確かにそ〜だけどさ・・・・・。」
何せあのね〜ちゃん・・・・・・・・。
ゼラスのね〜ちゃんのさっぱりした性格に比べ・・・・。
不満があると穏やかな口調で・・「今度あの方のカバンに爆竹仕掛けて差し上げよう

おもいますの〜♪」な〜〜〜んて言ってのけるような人柄である・・・・・・。
「・・・・まあ・・ガストンに頼めば喜んで探してくれると思うぞ?
アイツ・・か〜ちゃんに捕まって・・家を逃げ出す口実探してるしさ。」
事の重大性をわかっているのかいないのか・・ガウリイが横から口を挟む。
「・・・・で、何を盗まれたのよ・・・。馬鹿兄・・・・。」
はあ・・とため息をつきながらリナはゼロスに聞く。
「それが・・どっちもリナさん・・・。貴女に関連するものなんですよ・・。
まあ、僕の不注意で戸棚のカギを開けっ放しにしたのが一番悪いんですが・・・。
まずは・・ど〜でも良い方からカミング・アウト。良いですか?」
「・・・さっさと言ったらど〜なのよ・・・・・・・。」
「貴女の『へその緒』です(爆)!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
『なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!?
?』
物の見事にリナとガウリイの声がハモる!!
「だ・・だだだ・・誰だ!!そんな羨まし・・ぢゃなかった!!とんでもね〜〜〜、
モン盗みやがったのは〜〜〜〜〜〜!!!!」
いすに座ったジョヴァンニの頭を押しのけ、テーブルの向かいにいるゼロスのほうに
身を乗り出すようにして言うガウリイ!!
「バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバ〜〜〜〜
アアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!さっさとそんなモン!!捨てなさいよ
ねえええええええええええええ〜〜〜〜〜〜〜(絶叫!!!!!)」
ガウリイに頭を思い切り押さえつけられたジョヴァンニの耳元で大声を出すリナ!!
「確かにアタシもそんなの盗まれちゃいやですうううううううううううううう!!
!」
その後ろでアメリアまでもが大声で絶叫する!!
「・・・落ち着いてくださいって・・。で、問題は次です・・・。『手形』が盗まれ
たんですよ・・・・・。」
「・・・・手形・・・・?????」
「ええ。リナさん、事は貴女が生まれる一ヶ月前に遡ります。貴女のお父上様は・
・。
友達とある日、お酒を飲んでいました。酒の勢い・・『今度生まれるのは男だ!!ナ
ンなら全財産かけてもいい!!』と豪語した挙句・・。賭けに念書を書いてしまった
んですよ。『全財産あげます』っと・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・。ゴチン!!!」
「いでええ!!何するんだよ〜〜!!リナ〜〜〜!!」
「気にするんじゃないわよ・・ガウリイ・・・。八つ当たりよ・・・・。」
こめかみの辺りをぴくぴくと震わせながらリナ・・・・。
「まあ・・ともあれ、今からイベリア半島に飛んでください。この手口で・・。
先日『エルミタージュ』の奥深くにあった・・忘れ去られた存在の宝物が盗み出され
たんですよ。恐らく・・プロの窃盗団の仕業ですね。ついにイタリア半島進出ですか
・・・。いや〜〜僕が・・・・。」
「・・・電話して無くても気付かなかった・・とかいった日には・・殺されるぞ・・

オマエ・・・・・・。」
リナに殴られた頭を摩りながら呟くガウリイに・・・・・・。
「ガウリイさんのいぢわる〜〜〜〜〜!!」
と大人げの無い台詞を吐くのが精一杯なゼロスだった・・・・・。


「けどよ〜〜・・。リナ・・。念書をオマエの父親に突きつけて・・・。
金を要求しようとすれば・・『俺を逮捕してください』っていってるようもん
じゃないか・・・???」
かつて栄華を誇ったイベリア半島の一国・・カスティリア・レオン王国の一都市だっ

現在スペインの都市、トレド。
さしあたり国技の闘牛が有名な土地・・といった所か。
南国のこの都市に到着した途端、ガウリイがリナにそう切り出す。
「甘いね、ガウリイ。念書っていうのは第三者に売り出す事が出来るの。したがって
・・
到底面識の無い相手が借金の借罪人になるって事もありえるわけ・・・。幸い今じゃ
アタシがルクセンブルクでも公女ってバレた事踏まえて・・。ルナね〜ちゃんと馬鹿

があの念書、父ちゃんって人のために買い取ったらし〜〜んだけど・・・・・・・
・。」「・・・・・蒸し返されるって事か・・・・・・・・・。」
「ま〜ね・・。しかも利子っていうのは借罪人のお好みしだいだし・・・。余計厄介
よね・・ってく・・。ついでにいえば・・・・・・。」
「おお!!『へその緒』か〜〜〜♪」
「・・・・・・・言うな!!!」
リナの放ったクリティカル・ヒットがガウリイの脳天を直撃したのはそれから数秒後
の事であった・・・・・・。
そんなやり取りをし終わったその時だった・・・・。
「ぐええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!おかあちゃん!!ゆるしてええええ!
!」
「許しません!!今日という今日こそは!!一寸其処に正座なさい!!」
リナとガウリイの耳に聞きなれた声が二つ、聞こえてくる。
「・・・ねえ・・あれって・・・・・。」
「ああ・・・絶対にそ〜〜〜だ・・・・・・・・・。」
顔を見合わせて・・はあ・・と二人はため息を一つ。
「其処に正座なさい!!ガストン!!貴方って子は!!お勉強を放り出してこんな外
国まで逃げ出した挙句!!喧嘩騒ぎを起こすとは!!不届き千番にも程がありますよ
!!」
通行人の皆様の目も気にせず・・・・・・・。
石畳に座り込み、目の前に金髪の美少年を座り込ませて・・・・。
説教しているガウリイの生き写しのような美しい女性・・・・・・。
言うまでも無い・・・・・・。
「オーリママ・・ますますパワーアップしてるわね・・ガウリイ・・・。」
「ああ・・よっぽどストレス溜まってたんだろうな・・母上・・・。」
半ば疲れたような声を出しながらリナとガウリイは二人に近寄っていく。
「けど・・・母さん・・・。」
珍しくガストンが反論しようと口を開きかけるのだが・・・・。
はあ・・とオーリさんは調子を改め、ため息を一つ・・・・・。
「良いですか?ガストン。体育ばかり頑張ってお勉強をなおざりにして・・。
お母様のいう事聞かないと・・。フィリップ父さまに・・ついでにいえばこ〜ゆ〜
風になってしまいますよ!!」
ビシ!!!!!
『こ〜ゆ〜風』と言いながら・・背後に現れたガウリイをジャストなタイミングとい
r地感覚で振り返りもせずに指差すオーリママ!!
「・・・・う!!!それは絶対に厭だあああああああああ〜〜〜〜〜〜〜!!」
フィリップが効果あったのか・・はたまた指差した『こ〜ゆ〜風』が効果あったか。
頭を抱えながら絶叫するガストン!!
「でしょう!!なら、少しはお母様のいう事聞いたらどうなのです・・。ましてや・
・。
喧嘩騒動など・・・・・・・・。」
「・・・おい・・母上・・ガストン・・・『こ〜ゆ〜風』って・・・。ど〜ゆ〜意味
なんだよ・・・・・・・・・。」
底知れない怒りを含んだ声で突っ込みを入れるガウリイ!!
「ぎゃあああははははははははははははははははは!!『こ〜ゆ〜風』!!なんてい
われてるわ!!『こ〜ゆ〜風!!』ぎゃははは!!だっさ〜〜〜〜〜!!さっすがク
ラゲ〜〜〜〜〜♪」
もはや人目も気にせず大爆笑するリナ・・・・・・・・・。
「リナお嬢さま〜〜!!こんな愚息ですが!!お願いです!!笑わないでやってくだ
さいいいいいい!!!」
さっきまでのスパルタ毒蛇婦人凶悪有閑マダムの姿は何処へやら・・・。
やおら何かを企んだ様子でリナに涙ぐんで懇願するオーリママ・・・・。
「だから・・・『こ〜〜ゆ〜〜〜』って!!!!」
リナに笑われ、ますます逆上したガウリイが更に何かブツブツ言い募り・・・・・
・。
「あああああ!!!もう!!煩いね!!!」
バンバンバンバンバンバンバ〜〜〜〜〜ン!!!!!!
ラウラがぶっ放したエアーガンの音に一同が驚き、ようやっとこの騒動は収束するの
だった・・・・・・。


「ともかくだ!!マダム、アンタも坊やを怒らないでやってくんないかい?この子は
ね。財布すられた挙句、頭を思いっきり壁にぶっけた不幸な女の人をみて喧嘩なんて
暴挙に出たんだよ。」
ふう・・と一息つきながらラウラはエアーガンを構えたままそうオーリママに説明す
る。「・・・不幸な人って・・・・。真坂・・・・・・・。」
「・・・う〜ん・・。アジア系の女性で・・。かなり儚い面影の・・・。染めた腰の
辺りまでのロングヘアーの・・ぼちぼちの美人っていってたねえ・・・・。そ〜だろ
?坊や。」「・・・って・・言うか・・。以前貴方がフレンツェで・・。アルノ川に
落っこちたの助けた人ですよ・・・ラウラさん・・・。弟と一緒に一個向こうの角に
座らせています。」
オーリママに怒られたショックがまだ抜け切らないのだろう・・・。
頭を抱えながらガストンがラウラに告げる。
「とにかく。事の真偽が知りたいわ。ガストン。その女の人の所に行くわよ!!」
せきたてるようにオーリママ。
「わかってる・・。すられた財布も取り返したから渡したいし・・・。」
すっかり大人しくなったガストンがへたりこんでいた石畳から立ち上がり歩き出す。
「・・今回・・ボーヤが追いかけた窃盗団・・。ルクセンブルクから秘宝を盗んだ窃
盗団に・・。恐らく関連アリ・・だね・・・・。ジョヴァンニのアホンダラが今基地
を探してる。」
「・・・ま・・・。厭だけど・・ガストンについていくしかないって事ね・・?」
ふう・・とため息をつきながらリナは答える・・・・・・・。
今から行く場所には恐らく・・・・・。
「そっか・・。オマエのだいきらいな中学時代の同級生・・・。ナルシスト、危な
系、ロクデナシ、銀髪、英国貴族と日本人のハーフ・・・・・・・・。」
「・・・・氷(ひょう)が居る筈よ・・・。ええ・・絶対にね・。」


「はい〜〜・・確かにね〜ちゃん・・すりに遭って思いっきり頭壁にぶつけて・・。
気絶しました・・。ははは〜〜♪これで当分の間レポート書け!!って言われなくて
助かりますよ〜〜♪」
万年被害者の日本人女性、緋雨裡が道端に伸びきってるその隣・・・・。
その弟にしてガウリイの親友、廻が楽しそうに笑いながらそう語る。
「ともあれ・・その人に喝入れて良いかい?詳しい話、本人の口から聞かないと・
・。」
良いながら伸びきった緋雨裡を起こし、喝をラウラが入れようとしたそのとき・・。
バシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウンンンン!!!!!!
一瞬目を覚ました緋雨裡の顔すれすれに何かが飛び・・・・その驚きでアッサリまた
気絶をする・・・。それどころかその反動で・・思い切りアスファルトに頭を打ち付
ける。「・・こりゃ〜〜〜・・。喝入れてもあと一週間は目覚めないわね・・・。
ところで・・誰!!中世イングランド軍団の使った驚異的な武器!!『長槍』をぶっ
放したのは!!!??」
建物の上方を見やりながらリナは咄嗟に大声で叫ぶ!!
「う〜〜ん・・。やっぱりイングランドの武器は破壊力はともかく美意識では今一だ
ね・・。やっぱり僕にはフランス絶対王政時代のレジャンス様式マスケットの拳銃と
かじゃないとねえ〜〜〜♪」
なにやら自己陶酔に浸りながらロクデナシなことを語る、一人の男・・・。
「・・・・なんだい・・アレ・・・・・・・・。」
「お願い・・聞かないで・・ガウリイ・・・・・・・・・・。」
「おう!!任せとけ!!」
ラウラの引き攣った声の疑問には軽く答え、ガウリイの方に必要以上発言をせずリナ

視線を動かして声をかける。
それに答えてガウリイはそこら辺にあった漬物石くらいの巨石を手にし・・・。
「お〜〜〜らよっと!!!」
の掛け声一つでかるく屋根の上まで投げつけて・・・・・・・・・。
ごっちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんん・・。
めちゃめちゃ痛そうな音があたり一面に響く・・・・・。
「あ〜あ・・。残念ですね、ガウリイさん・・。落ちればさぞかし楽しかったでしょ
うねえ・・。」
「う〜〜〜ん・・。世の中そんなに甘くいないかあ・・・。」
廻の言葉に軽く答えるガウリイ・・。無論、被害者の氷は気絶している・・・・。
「リナさん!!ガストン!!見ちゃいけません!!」
早速オーリさんの教育的指導が施され・・手で塞がれたのか、目の前が白く・・・。
って・・・??いくらオーリさんが色白でも・・ここまで目の前が白くなる事は・
・。
「・・・氷が落とした紙切れかしらね・・・?」
言いながらリナは顔にかかった邪魔な物体をそっと引き剥がして目を通す。
が、リナの表情がにわかに厳しいものとなっていき・・・・・。
「・・・どうしたんだい・・?リナ?」
その微妙な変化に気付いたのだろう。ラウラがリナに声をかけてくる。
「お願い・・ラウラ・・。後からリスボンに・・。調査が終わったジョヴァンニに〜
さま
と一緒に来て・・・。」
「・・・リナ・・・・?」
「今すぐリスボンに飛ぶわ・・。ついでにいえば・・『秘宝』の正体もわかったの!
!」
そうとだけ言い残し、リナはガウリイをひっぱて一路リスボン・・ポルトガルに向
かって駆け出して行くのだった。


「そもそもね・・。イベリア半島は・・。元々のスペイン人を差し置いてモーロ人に
支配されてる時期があったの。で・・年代的に言えば12世紀・・。時のスペイン
王、アフォンソ6世関連の宝かと思ったアタシが迂闊だったわ・・・。」
「・・・それって・・何か重要なキーワードなのか?」
「ええ・・。宝物はそもそも美しい一つの都市のカギなんだけど・・・・。『独立』
がキーワードだったのよ・・。」
「・・・それで・・。ど〜してそのアフォンソ6世が関係ないって分かったんだ?」
「・・まずは勘違いした理由から話すけど・・。この時代のイベリア半島はモーロ人
の支配下。けどね。スペイン人のアフォンソはレコンキスタ(国土回復運動)に熱心
な王様でね・・。そのせ〜で少々勘違いしてしまったのよ・・・・・・。」
そして・・今回の事件に多少なりとも遠因を持つ人物・・である・・・・・・。


リスボン・・・・・・・。
美しい港を有するポルトガルの首都・・である・・・・・・。
「昔、カスティリア・レオンという今でいうスペインの一国に二人の騎士が現れた
の。一人はエンリケ、もう一人はライムンド。この二人はカスティリア・レオン国王
アフォンソ6世に遣えてね。レコンキスタの運動に必死で参加したのよ。でもって・
・ライモンドが世継ぎのカスティリア・レオンの王女と結婚。エンリケはその妹と結
婚して『ポルト』の伯爵に任命されたのよ。」
「・・・ポルト・・・???」
「・・当時のポルトガルはスペインの領土だったの。エンリケはライモンドの息子の
カスティリア・レオン国王、アフォンソ7世と戦って・・独立を勝ち得ようとしたけ
ど・・夢果たせず。その後、息子の エンリケスが伯爵になったんだけど・・。母親
との内戦、不和につけ込んでカスティリア・レオンのアフォンソ7世がポルトに攻め
込んできたの・・。けど・・その後独立を無事にポルトガルは果たしたと聞き及ぶわ
・・・。」
そう言いながらリナは更に歩みを速めて行く。
「ついたわ・・。ここは恐らく・・闇のマーケットよ。氷があの『長槍』を買ったの
も・・。ここね。もっともアイツの場合・・『闇』なんて認識無さそうだけど・
・。」
ご丁寧にアイツの落とした紙には『商人』との接触の仕方まで書かれている。
不意に何かの・・・・。
本当に微妙なまでの気配が背後を走る・・・・・・・・。
無論、『行商人』が接触をしたいが・・此方を警戒している気配と言えばなんとか
納得が出来るものかもしれない。そう思い、一瞬リナの判断力が鈍ったその時だっ
た。
ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!!
「あぶねえ!!!」
咄嗟にリナを庇うような体勢で・・『死の商人』と接触すべき広場に走った炎を
避けるように・・中世の騎士の彫刻の後ろに飛びのくガウリイ!!
「な・・・・・・・???????」
「・・俺のほうこそ・・迂闊だったぜ・・・。すっかりクラゲが板についちまったみ
たいだな・・。」
何時もとガウリイの様子が確実的に違う・・・・・・・・。
そう察したリナは思わず周囲を見回す。・・誰がなんと言っても・・マフィア風の連
中。
「・・・そっか・・・。アンタ・・今までマカオで囮の為とはいえ・・。マフィア
やってたんだっけね・・。しかも・・最近まで・・・・。」
「そ。マカオはポルトガルの領地だったってことだな!!!」
ガウリイに向かってきた・・かつてのマフィアの仲間(?)だろうか・・・。
それとも敵対するマフィア連中だろうか?
明らかに彼の実力を知り、怯えきった様子の連中を手早く片付けていくガウリイ・・
・。
「・・・マフィア連中がこそ泥の挙句・・行商人・・ね・・・・。」
確かにカタートなんぞという巨大組織は・・・・・・・。
傍目から見ればかなりの金蔵に見える事は間違いない。
実態は・・・・・ハッキリ言って『想像にお任せします』としか言いようの無い事態
なのだが・・・・・・・。
「ガウリイ!!!」
そんな事をリナが考えているうちにもガウリイがマトモに敵の一人の拳を
顔面直撃で受ける!!?
「手を出すな!!リナ!!」
咄嗟に麻酔銃を構えたリナを気迫と言葉だけで凍りつかせるガウリイ!!
「いいかげん・・・・・・・。」
一見するとガウリイの劣勢は確実なのだが・・・・・・・・・・・・・・。
不意に言葉と拳に気合を込めて・・・・・・・・。
「しね〜〜となあ!!痛ってぇ目に遭うのはてめぇだぜ!!!!??」
切れたときにリナがついつい遣うような罵声を浴びせかけ・・脇腹に思い切り
ガウリイの拳の一撃を食らったマフィアの首領核の男はアッサリと倒れ伏し・・。
更にリナが陰に隠れている銅像に思いっきり頭を打ちつけ・・・・・。
ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんんん!!!
景気のいい・・しかし・・死ぬほど痛そうな音があたり一面に響き渡る。
「あ〜♪わりぃ!!ここまでやるつもりは・・・・・。」
「・・・あったんでしょ〜〜〜が!!この暴力男!!」
にこやかに恐ろしい嘘をつこうとするガウリイにリナはすかさず突っ込みを入れるの
だった・・・・・。


「な〜〜〜・・。リナ・・。結局今回のお宝ってなんなんだ〜〜〜?」
「・・・・・・・・。リスボンよ・・・・・・。」
「・・・・リスボンって・・このリスボンだよ・・・な・・・?」
言いながらガウリイは先程倒した男の懐から取り上げた金色のカプセルの細工を
見遣る。
「ええ。ポルトガルが独立を勝ち得たのは、とある騎士がカスティリア・レオンの騎
士と一騎打ちをしてね。ポルトの騎士が勝ちを得たの・・。ま・・・。今回のアンタ
と同じくらい功績があったんじゃないかしらね?」
・・・最も・・ガウリイがリナ一級の皮肉に満ちた賛辞に気付くかど〜か・・・。
到底怪しいところなのだが・・・・・。
「そっか〜〜。かっこいいな〜♪で、リスボンそのものがお宝って?」
あ・・・やっぱり感想はそっちかい・・・。ま〜・・別いいけど・・・・。
「もともとリスボンもね、モーロ人の国家だったの。けど、エンリケスがこの地方
にも攻め込んで国土回復を図ったのよ。そのとき・・。」
ふいっとガウリイの頬にそっと触れ、リナは広場にある方向を見るように促す。
「・・・そのとき・・あたしたちを守ってくれたあの銅像が国王エンリケス。そして
・・
あの広場の名前は『マルティン・エンリケス』って言うの・・・・・。」
「・・・・王の名前じゃ・・ないのか・・・?」
「ええ・・。王の名前はアフォンソ・エンリケスがフルネームだしね。マルティンは
王の騎士でね。敵のモーロ人が敵のポルトガル来襲に驚いて城門を閉じようとしたと
き・・。
門の間に自らの体を挟んで・・見方の突入を助けたのよ・・。無論・・。彼は『立っ
たまま』の姿勢で死んだ・・という伝説もあるわ・・・。」
ノスタルジア漂う・・伝説・・・・・・・・・・。
「で・・そのロケットの中は・・。『リスボン』を領有するという証の・・・。」
「・・念書なのか・・・??????????」
「・・ま・・まあ・・そうね・・・・。」
ふいに熱心にそんなことを聞いてくるガウリイに思わずカクカクと頷く。
と・・・・・・その時であった・・・・・・・・・・・・・。
「お〜〜い!!リナ〜〜ガウリイ!!!」
「そっちの仕事も既に終わったようだね・・・。ついでにいえば・・・。
こっちの仕事も終わったよ・・・。」
何時の間にか後ろにラウラとジョヴァンニが現れている。
「・・よ〜。ジョヴァンニ。ガストンはどした〜〜〜?」
ガウリイの疑問にジョヴァンニは・・・・・・・・・・・・・。
「・・・聞くな・・・。哀れになる・・・・・・・・。」
その一言に事態を察したガウリイは苦笑して押し黙る。
「どうやら・・アンタの考えは外れたみたいだよ。連中が盗んだもんは・・。アタシ
が取り返したからね。」
言いながらラウラはなにやらリナに巾着を見せ付ける。
「へ・・・?実際に『秘宝』はアタシが追跡した連中が持ってたけど・・・?」
ラウラの言葉にリナは不審そうな声を出すが・・・・。
「秘宝!!?そんなもん追跡してたのかい!!?あたしゃってきり・・。アンタの親
父さんがやらかした念書と・・・アンタの・・・・・・・。」
ずい!!!!!!
ラウラがその言葉を最後まで言う前に・・・だった・・・・・・・。
「ラウラ!!リナのへその緒!!この『リスボン』の念書で売ってくれ!!!」
訳の分からない要求を容赦なく持ち出すガウリイ!!!
が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
どんがらがっしゃ〜〜〜〜〜〜〜〜んがらがらがっしゃ〜〜〜〜ん!!!!
すかさず飛び出す、リナの電光パンチ!!!!
「・・・ひ・・酷い・・リナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「だあああ!!『乙女チック』すわりで文句言うな!!そ・れ・に!!それは『古文
書!!』よ!!古文書!!!!!」
「・・・こ・・こもんじょ・・・???」
(※豆知識、古文書、既に『効力を失った』念書や証明書。の事。つまり古典的史料
の価値さえなかったら単なる紙切れも同然の代物である・・。)
「だああああああああ〜〜〜〜〜!!そんな!!殺生な〜〜〜!!!!」
「おだまりいい!!この変態〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
容赦ないリナのキックが更にガウリイに炸裂するのだった・・・。
「なんだい・・?アレ・・・?」
「ま。あいつらはあいつらで・・それで楽しんでるんだし・・・。」
さしものラウラ&ジョヴァンニも逆キレリナを止めるほどの度胸は無いのだった・
・。


「・・・・ガスちゃん・・。アタシね・・、お勉強はしなくちゃいけないと
思うの・・。宿題終わるまで・・外出は控えましょう。あたしもまた面白いもの買っ
てまた会うとき、待ってるね・・・・。」
突然エリザベスからの電話・・・・。そして・・・・・・。
『聞いてるか〜〜〜〜!!馬鹿兄!!俺も〜〜立ち直れない〜〜〜〜〜!!
なんとかならね〜〜のかああ!!!!!!??」
「ふ〜〜ん・・じゅあ、さっさと宿題終わらせちゃえば?そ〜すりゃまた会えるぜ
?」
ニヤニヤニヤ・・・・・・。キーホルダーのわっかの部分に指を通し・・・・。
それにくっついたカギをじゃらつかせてにやけているガウリイ・・・・。
「ないないない〜〜〜〜〜〜〜!!アタシの子供の頃の品物しまったお部屋の・・。
物置のかぎがないいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!」
『・・・リナさん・・泣かせるなよ・・・・・・・。』
「・・・大丈夫。一寸記念になるもの一個貰うだけだから・・・。じゃ〜な。宿題や
れよ。電話、切るぞ?」
かくして・・・。ガウリイの部屋に古ぼけた犬のぬいぐるみがまた一個増えている
のだった・・・。
「ちょっとおおおおおおおおお!!!!!!!カギどこおおおおおおおおおお!!」
今日もリナの絶叫が家中に響くのだった・・・。


(気が向いたらまた書きます)

**********************


ちなみにアタシの愚痴電話も長いです。
「かばんに爆竹」はアタシの性格ですね・・たはは・・・(汗)
実際やりはしないですけど・・怒ったらそれくらい平気で思う
アタシでした〜〜(涙)


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12784それはマズいよガウリイ・・・P.I E-mail 12/20-22:22
記事番号12765へのコメント

CANARUさん、こんばんはで〜すっ!!
ああ、立て続けに2つも・・・(嬉泣♪)

ガウリイったら・・・(汗)変態はイカんぞ変態は!ストーカーはまだしも
リナぐっず集めて喜んでるなんて変態だぁ〜っ!!
まさかとは思うけど、リナが使ったストローとかハナかんでまるめたティッシュ
とか切った爪とか、大事にとってあるんじゃないでしょ〜ねぇ〜〜!?オーリママ
に知られたら・・・
「そおおんな不毛なことして喜んでるヒマがあったら、さっさと指輪代稼いで
 リナお嬢様をモノにしてらっしゃいいいっっっっ!!!!!」
とか言われそう(^^;)
リナ本人を丸ごと手にするまでは・・・犬まででガマンしておきなさい!(笑)

「週間ユネスコ世界遺産」の最新号(あ、明日にはもう次のが出る・汗)は
スペイン特集でしたね〜。Pもアルハンブラ宮殿見に行ってみたいです(^^)

では次で〜♪

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12791Re:それはマズいよガウリイ・・・CANARU 12/21-14:25
記事番号12784へのコメント

>CANARUさん、こんばんはで〜すっ!!
>ああ、立て続けに2つも・・・(嬉泣♪)
はい〜〜!!
ついついノリで二本かいてしまいました〜〜!!
>ガウリイったら・・・(汗)変態はイカんぞ変態は!ストーカーはまだしも
>リナぐっず集めて喜んでるなんて変態だぁ〜っ!!
ははは・・・(汗)
最初はもっと盗まれたもの共々マトモになるハズだったのにいい!!
何故かガウリイくん!!暴走しちゃってましたわ〜〜(汗)
>まさかとは思うけど、リナが使ったストローとかハナかんでまるめたティッシュ
>とか切った爪とか、大事にとってあるんじゃないでしょ〜ねぇ〜〜!?オーリママ
>に知られたら・・・
>「そおおんな不毛なことして喜んでるヒマがあったら、さっさと指輪代稼いで
> リナお嬢様をモノにしてらっしゃいいいっっっっ!!!!!」
>とか言われそう(^^;)
ですねえ〜〜〜!!
でもって・・密告した人物は確実にきまっている!!
「ガストン〜〜〜!!お前は〜〜!!」
っとそれこそ不毛なヤツ当たりを弟にして・・・。
ソレを知ったリナ」に逆に鉄拳制裁加えられそうですしねえ〜〜〜!!
>リナ本人を丸ごと手にするまでは・・・犬まででガマンしておきなさい!(笑)
>
>「週間ユネスコ世界遺産」の最新号(あ、明日にはもう次のが出る・汗)は
>スペイン特集でしたね〜。Pもアルハンブラ宮殿見に行ってみたいです(^^)
う〜〜ん!!
アンダルシアの火祭り!!みたいでっす!!
>では次で〜♪
はい〜〜!!
そうそう!!「カンタレラ」読みました〜〜〜!!
ナンだかミケの生業が本物の暗殺者になってます〜〜〜!!
しかもホアンは性格完全破綻者!!
それでもこれからが楽しみです〜〜!!