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12776 | 混迷(気まま2-19) | CANARU | 12/20-03:37 |
どうも眠れないのでずっと小説かいてました・・・。 途中まではいつものタッチなの終わり方がちょっと 違うな〜〜などと(汗) 今回から2文字タイトル計画中でっす(爆) ********************: ナポリ、ヒチリアを取り仕切るまだしも合法的なマフィア組織「カタート」。 その若き総帥、ゼロスは実はルクセンブルク公国『ワルキューレの騎士団』 の副旅団長にしてリナの義兄、そしてそのリナはルクセンブルク公国の公女 だったりする・・・・・。 そんな分かりきった事は今更ど〜でもいいとして・・・・・・。 そう思いながらリナはギロリ・・と義兄の方を睨む。 「で・・・なんでその名目上合法マフィアにして・・・。実態ルクセンブルクの おえらい騎士集団が・・・。『依頼』を受けて動かなくっちゃいけないわけ・・?」 居眠りしているガウリイは完全無視。 リナはゼロスを睨みながら更にそう詰め寄る。 「そりゃ〜〜〜まあ・・『ルクセンブルク』の失われたエルミタージュの宝物。 それに関係があるかもしれないから・・ですよ。リナさん。」 「・・・『リナさん』ぢゃないわよ!!大体・・・・・。」 ルクセンブルクのエルミタージュの秘宝・・・。 ソレは今、リナに凭れ掛かって・・・(多分彼女とゼロス馬鹿兄との会話の攻防に 飽きがきたのだろう・・・・・・)居眠りこいてるガウリイの父・・・。 「フレイの騎士団」旅団長にして犯罪組織「ミッドガルズ」の首領・・・。 フィリップ(今じゃ牢獄にいる単なる恐妻家)が勝手にうっぱらった品々である。 「・・・大体・・なんです・・????」 「腑に落ちないのよ・・・。実際フィリップの親父さんがその宝物うっぱらった 金を着服していた気配もないし・・・。徳川埋蔵金よろしくどろんと雲隠れ。 ソレなのに確実に宝物は売りさばかれてアタシは取り返しにいかなくっちゃいけない ・・・。フィリップのおやっさんが受け取った現ナマが見つかればまだしも・・ ・。」 「・・・ごもっとも・・。ま、細かい事はさておき・・・。」 ゼロスがそう切り出そうとした・・其の時だった・・・。 「どこどこどこどこどこどこどこ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」 「其処あたり怪しいよ!!エリザベス!!ひっくり返してみるんだ!!!」 不意に月末という事もあって遊びに来ていたラウラとエリザベスが部屋に 乱入してくる!! 『うわああ〜〜〜〜!!やめろオオオオおお!!!』 なにやら引き出しのなかを引っかきまわしている二人を珍しくジョヴァンニ、そして ガストンガ止めに入る!! が・・・・・・・・・・・・・・・。 「ありました!!ラウラお姉さま!!怪しい封筒です!!」 「・・・中身は!!?」 「えっと・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 そんな会話を暫しラウラと交わした後・・エリザベスの顔色がみるみる曇る・・・。 「・・宝の地図じゃありません・・・。単なる10マルクのお金ですわ・・・。」 悲しそうにそういって封筒を引き出しにしまいこもうとするが・・・。 「ちょっと・・ごめんね!!」 ばしとリナは速攻でエリザベスの方に走りより、その封筒を借り受ける。 リナがあらに方向に走っていったタメ、ガウリイは見事支えを失い、テーブルに 思いっきり顔面を打ち付ける羽目に陥るが・・・。 それでも眠っているところは大物かもしれない。 「リナおね〜様ぁ・・そんな物より!!埋蔵金一緒に探しましょうよお!!」 「そうね・・・。こっちが済んだらね・・・。ねえ・・馬鹿兄・・。 このお金はな〜〜〜に??しかもイタリア・リラじゃなくって・・。信用の おけるドイツ・マルクが束になって封筒にって・・ど〜ゆ〜事かしらねえ・・?」 「いや〜〜〜・・日本語で言うおへその栗ですよ!!きっと!!不思議なものもある ものですねえ〜〜〜はははははは(汗)」 「・・・・・だあああああああ!!!!言い訳になっとらんわ〜〜〜〜〜〜〜!!」 どうやら・・・。 ラウラとエリザベスは『埋蔵金』マニアだったらしい・・・。 ジョヴァンニとガストンの制止も聞かず・・『徳川埋蔵金』の言葉に反応した 挙句、部屋を漁ってこのヘソクリを発見したという事になる・・・。 「う〜〜〜ん・・へそくりって・・旨いのか〜〜〜?」 まだ寝ぼけているのだろう・・・。 ガウリイが馬鹿な事をブツブツと呟く。 「と・・とにかく!!今すぐフランスに飛んでくださいいいいい!!!騎士団のヴェ ルサイユ支部から・・緊急コールなんです!!けれども・・表ざたにするのはやばい ので・・」 「・・・それで・・アイツの依頼での出張って事にしたのね・・・。」 頭を抱えながらリナはガウリイを引きずるようにして部屋から出る。 「あ、待ってください!!私もあんな地獄絵図みたいな部屋に居たくありません! !」 不意にアメリアがお気に入りの出窓からぴょんと飛び降りリナと引っ張られて 行くガウリイの後を追う。 「・・・同感だ・・。ついでに言えば・・大掃除がやっと終わったのに・・。 部屋の片付けを手伝わされるのはごめんだ・・。」 ゼルもそう言いながら座っていたストゥールから立ち上がる。 「・・・・そうね・・・。じゃ〜ガストンちゃん、ジョヴァンニに〜様。 ラウラとエリザベスちゃんの散らかした部屋!!片付けておくのよ!!」 ・・見ればもはや・・・。 『埋蔵金』の手がかりを求めてラウラ、エリザベスの両令嬢は部屋中をすっかり 引っ掻き回している始末なのだった・・・・・。 「・・・・なんで・・俺が・・・・。」 ジョヴァンニがぼそり・・っと文句を言うが・・・・・。 「・・・アタシのしでかした不始末は・・補えないっていうのかい・・・?」 キッと睨むような視線でラウラが彼に詰め寄り・・・。、 「いえいえ〜〜〜♪めっそうもないですうううううううう!!」 「・・・・・。に〜様・・絶対尻に敷かれえるタイプだわ・・・・。」 化け猫化してニャンニャン言いながらラウラに擦り寄るジョヴァニ・・・。 ハッキリ言ってみてるこっちの方が恥ずかしい!! 「ガスちゃん・・・。アタシのお願い・・聞いてくれないの?」 シクシクシクシク・・うそ泣きならさしものガストンも怒ったかもしれないが。 本気で泣いているエリザベスに・・・・。 「そんなわけ無いだろ〜〜〜〜〜!!」 などと大慌てでご機嫌をとるガストン・・・・・・・・・・。 「・・・一生あの調子だったら・・・。エリザベスちゃん・・人生上手く わたっていけますね・・・。しかもあの性格じゃ同性の反感も買わないでしょうし・ ・。」客観的に小さなカップルの感想をアメリアが述べる・・・。 「しかし・・一番の問題は・・・・。」 「こっちですね・・・・・・・・・・・・。」 ゼルとアメリアは部屋の外に視線をうつし・・・・。 「だあああ!!!おきなさい〜〜〜!!!ガウリイ!!!」 「う〜〜〜〜〜ん・・あと・・150分・・・・・・・・・・・。」 「二時間以上昼寝するつもありかああ〜〜〜〜!!アンタは!!」 一番の問題は・・この二人にあることはあからさまである・・・・・・。 ヴェルサイユ宮殿・・・・・・・・。 「あ〜〜〜・・。ココにだけは来たくなかったわ・・・・。」 あくまで『依頼人』は『アイツ』である・・・・・・・・・。 そ〜〜〜なると・・あの人物の好みそうな演出は・・嫌っという位見当がつくのであ る。「な〜〜・・。リナ・・。綺麗な城だけど・・。何処の成金が住んでたんだ〜〜 ?」 ヴェルサイユ宮殿を一目見た途端・・・・。 そ〜〜んなとんでもない質問をしてきやがったヤツは言うまでも無い!!!! 「な〜〜〜に!!馬鹿な事いってるの!!ガウリイ!!成金な訳ないでしょ!!王様 よ!!国王様!!フランスのブルボン家3代目の国王!!ルイ14世よ!!!!」 「何系の発想なんですか!!ガウリイさん!!その『成金』って!! 第一・・・ルイ14世といったら!!『朕は国家である!!』とかくっそ偉そうな こといった王様ですよおおお!!!」 リナに引き続きアメリアまでもガウリイに向かって絶叫する!!! 「・・・だってよ〜〜〜・・。ミラノとかナポリ・・それに前行ったマントーヴァと か フレンツェとかフェラーラに比べて・・。随分ごてごてした城じゃね〜〜か・・。」 「・・ルネサンスの・・特にミラノのスフォルツァ城が代表的なよ〜に・・。 イタリアは石造りの宮殿が多いのに対してヴェルサイユはバッロク様式だからな・・ ・。」珍しいガウリイのマトモな発言にゼルが感心したように言う。 「ま〜〜ね・・・。ガウリイの趣味はイタリア様式って訳ね・・・。」 それならまあ・・と思いながらリナはため息をつく。 「いや〜〜〜それほどでも〜〜〜♪」 ・・・別にどっちの様式のほうが良いとも、どちらのセンスが良いかなんて褒めては いないんだけど・・リナに分かって貰えたのが嬉しいらしく、ガウリイは照れくさそ うに そう言う。 「ルイ14世はパリからヴェルサイユに宮廷を移してね・・。20年もの歳月を費や してこの宮殿をつくったのよ・・。もっとも・・そのせ〜〜で経済にかなりの打撃も 与えた らし〜んだけどね・・・。でも・・今回は14世の時代じゃなくって・・・。」 そうとだけ言いかけ、何故かリナは息を呑み・・そして沈黙してしまう・・・。 「どした〜〜〜リナって!!何だ!!ありゃ〜〜〜〜〜!!」 リナの隣に何時の間にかやってきて・・同じ方角に視線を送りながら ガウリイも一瞬絶叫し・・やがて沈黙する・・・・・・・。 「ちょっと〜〜〜!!君たち!!依頼したのは一昨日だよ!!?僕よりヴェルサイユ に 近いイタリアにいて!!今更到着とはど〜ゆ〜事だい!!」 ・・・・・其処に現れたのは・・言うまでも無い・・・・。 今回の「秘宝探索」のカモフラージュの依頼人・・・・。 リナの中学時代の同級生・・・銀髪、ナルシスト、ロクデナシの危な系・・・・・・ ・。 更に言えば・・『フランスマニア』の英国貴族と日本人のハーフ!!!! 「だああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!! ! やっぱり出たあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!! それもおおおおお!!予想通りの井出達でええええええええええええええ!!!!」 ヴェルサイユ宮殿の『鏡の間』いっぱいにリナの絶叫が響き渡る!!!!! 言うまでも無い・・・・。 マリー・アントワネットのロココ風ドレスと扇、更に言えば真珠をちりばめた派手な 髪形した鬘を被った・・そのじんぶつ・・氷(ひょう)・・である!!!!! 「・・・アタシ・・なんだか・・マリア・テレジア(オーストリア女帝)おか〜さま の苦労・・分かった気がするわ・・・・・。」 ガウリイの肩にはあ・・・っと凭れ掛かり・・リナは苦痛のため息を漏らす・・。 「・・・よしよし・・。俺だってみたくないぞ・・。あんなもん・・・。」 そんなリナの頭を撫ぜながらガウリイも深いため息をつく・・・・・。 「・・税金の無駄遣いだったんだろうな・・・アントワネットも・・・・。」 「言えてます・・・・。」 ゼルとアメリアも柱に隠れてコソコソと悪口を言う。 「こら〜〜〜〜〜〜!!!僕の悪口いうなあああ!!いいかい!!今回の僕の依頼は !!」そう言って振り回した氷の片手に持った扇が後方で控えていた彼の下僕の姉弟 の 姉の方・・・緋羽裡の頭蓋骨に直撃し・・・・・。 「はうううううううううう!!!ね〜〜ちゃん!!しっかりしろおおお!!傷は深い ぞおおお!!・・ふう・・これで三日はね〜ちゃんに怒られずに済む!!」 姉の不幸を喜ぶ弟、廻が残されただけとなった・・・(汗) 「・・とんだアクシデントが入ってしまったよ〜だね・・・。まあ、話を元に 戻すよ?君たちにはタンプル塔跡地に行って欲しいんだけど?」 「・・タンプル塔跡地・・ねえ・・・・。」 フランス革命の王制廃止を叫ぶ声が強まった時点・・・。 マリー・アントワネットの家族が幽閉された今は取り壊された塔である。 「・・・そういえば・・・ゼロスのやつもそんな事言ってたな・・。ある意味・・。 リナ、好都合かもしれんぞ?」 今回のゼロスの要求は『ノーンドルフ』の真実を突き止めることが肝心な宝・・ との事である。 その事にガウリイも気付いたらしい。Vサインをしながらリナと視線を合わす。 「そ〜!!其処のところの歴史を調べるって事が先日宿題で出たんだけど・・。 フランス貴族のよ〜な僕に!!『革命』を調査させるなんて無粋なことだろ〜〜〜! ! だから!!僕はこ〜してヴェルサイユのロマンにフランス貴族よろしく浸ろう・・・ ・」 ・・・・また訳の分からない理屈を・・・それにアンタは・・・・。 リナがその言葉を口にするよりも早く・・・・・・・・・・・・・・・。 「・・・てめぇはイングランド貴族だろ〜〜〜が・・・ええ・・・!!?」 不意に後方から呪詛とも激怒ともつかない怒りの声が聞こえる・・・・・。 ずずずずずずずず・・・不意に今まで気を失っていた緋雨裡が起き上がり・・・。 「だいたいな〜〜〜!!なんっでてめぇ〜は訳も無く女装して目立とうとすんだよ! ! ざっけんじゃね〜〜ぞ!!おい!!こら!!き〜てんのかよ!!てめぇなあ〜〜〜! ! このままギロチンにかけられたくなかったら!!今すぐ直ちにこ〜んな恥ィ事やめや がれ!!おらああ!!!ぶっ殺されて〜〜か、コンくそがきゃああ!!????」 堰を切ったよ〜〜〜に怒るわ怒るわ・・・・。 「一寸・・廻・・ど〜ゆ〜事なのよ・・・?」 何時の間にか此方のほうに非難してきている少年に向かってリナは不審の眼差しを 向け・・問い掛ける・・・。 「あっれ〜〜〜?言いません でしたっけぇ〜〜〜?緋雨裡ね〜ちゃん・・・。元ヤ ンだったって事〜〜〜??」 「・・・完璧初耳よ・・・・・・・・・・・・・。」 「でもよ〜リナ。俺たちそんなこと一回も聞いてないぜ・・?聞かなくちゃ言うわけ 無いだろ?」 ・・・ガウリイにしては・・的を得た考えである・・・。確かに急な事で驚いてるけ ど。「でも、リナさん。緋雨裡さんのあの茶ぱつ・・。『ヤンキーっぽいな』ってア タシは 最初から思いましたけど・・・?まあ、元がつくから詮索はしませんでしたけど・ ・。」 さすが正義を愛するアメリア・・・。こ〜ゆ〜気配には詳しいらしい・・・。 「おらぁ!!廻!!逃げぶっこいてんじゃね〜〜よ!!さっさとこのアホ!! プチ・トリアノンの池にでも沈めてきな!!ったく・・余計な体力遣わせやがってよ ・・・・。」 「・・イエス〜〜〜!!マダム〜〜〜〜!!!!」 す・・・既に目が据わっている・・こ・・こわひ・・・・(汗) 「・・・ナンか・・廻が緋雨裡さんぶっ倒れて・・喜ぶ理由・・・。」 「ええ・・確かに・・分かるようなきがするわ・・・・・。」 ガウリイとリナがこっそりと感想を述べ合ってるその間にも・・・。 完璧におびえきった様子で姉の命令に従い・・すっかり泡吹いて倒れた氷を掴んで ヴェルサイユからトリアノンに向かう廻・・・。かくして・・依頼人の不慮の災害で 今回の依頼は・・ご破算となったのだった・・・・・。 「さして不審な人物は見かけなかったが・・。」 タンプル塔がかつて存在した広場の近辺。ざっと偵察を済ませたゼル、アメリアが その場で待機していたガウリイとリナに声をかける。 「でもリナさん。ノーンドルフってなんなんです?」 アメリアがリナにジュースを渡しながら質問する。そしてリナはジュースを半分の み、 一息ついた隙に素早くガウリイが缶を横取りする。 キっと一瞬睨みつけるが・・人前なので怒るわけにもいかず・・みるみるジュースは 飲み干される・・・・・・。 「・・・『自称』ルイ17世と自分でいったドイツ人よ・・・・。」 「・・・?ルイ17世って・・アントワネットの子供ルイ・シャルルですよね? 彼は・・タンプル塔で獄死したんじゃ・・・???」 リナの答えにアメリアがアレ?というよ〜に首を捻る。 「・・・だから・・『自称』なんだろ?」 今度は完璧に缶ジュースを飲み干し、なんだか幸せそうなガウリイにリナは・・・。 「そ〜よ、アンタが『自称』アタシのナンだか・・のよ〜にね!!」 その一言にうじうじと地面に何か落書きをしだすガウリイ・・・。 「ある日、ドイツのノートルマンという男が自分がルイ17世だと言って自称した。 で・・・彼は『姉』であるマダム・ロワイアルとの会見を望んだが・・。彼女は 断固拒否したんだ・・・・。」 ゼルが大まかな事を説明する。 「・・・面白い事に彼は自分がタンプル塔から救い出されたとか言ってね・・。 実際に死んだとされるルイ17世は・・その年齢の子供にしては以上に背も高く・ ・。 健康だった様子は微塵もなかったらしいわ・・・。」 リナがその後を更に続ける。 「周囲は革命派の旧第三身分の人間ばかりだったんですよ?不可能です・・・。 そんなの・・・・。」 アメリアがすかさずそう答える。 「・・ええ・・けど。『第三身分』にも裏って王制を復古する事を願った人間が居る としたら??」 不意に畳み掛けるようにリナはそう答える。 「・・・ヴァンデの反乱か・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 新革命政府に不満をもった国民が・・王制の復古を願い起こした大反乱・・・。 しかし、ロベスピエール率いる新政府に血で血を洗う虐殺を受ける結果となったの だ。 「その誰かが・・彼を救い出すか・・・・。」 「リナ〜〜どした?」 不意に一人、ヴェルサイユの宮殿の庭を閉館時間覚悟で忍び込んだリナに 追ってきたガウリイが声をかける。 「・・・腑に落ちないのよね・・・・・・・・。」 この時期のフランスの気候はまだまだ寒い。ほらっと言うようにリナ を夜風にあたらないような場所にガウリイは連れて行く。 「腑に落ちないって・・何が・・・???」 「・・・裏で引かれている・・意図よ・・・・・・・・・。」 今回のことと言い・・『手がかり』は確実に用意されている。その行く場所行く場所 で 確実的に『何か』が起こる・・・・・・。けど・・・・・。『真意』は見えない。 「・・・ま〜な・・・。ゼロスにしてもワルキューレにしても・・。何らかの 『手がかり』については・・手段があって察知できるのかしれない・・。まあ・・。 『真実』に辿り着いてるなら・・・。俺たちにあれこれ命じるなんてまだるっこしい 事はしないだろうけどな・・・・。」 少し考えたようにガウリイはそう言う。 「・・・ある日・・突然親父が変わった事から何かが始ったって所かな・・。 俺にしては・・。もともと一寸良く覚えてないけど・・嫌な事件があって・・。 アイツは嫌いだったけど・・。徹底的に『何か』が変わった。」 更に、遠くを見詰めながらガウリイは呟く。 「・・・理由は・・・?」 「さ〜〜な・・。『分からない』か・・それとも・・『隠蔽』されたか・・。 永遠のなぞだよな・・ったく・・。」 苦笑しつつガウリイは髪を掻き揚げる。 「そうね・・・。事実は闇のかなってか・・・。ま、・・・。」 今回の『ノーンドルフ』関連の秘宝・・・。そして今回の事件・・・・・。 『知られたくは無い』という事柄については共通していた・・という所か。 言うが早いかリナは素早く愛用の麻酔銃を・・・・。 そして、ガウリイは素早く構えを起こし・・・・・・・・・・・・・・。 「・・・っったく・・。オマエは・・だから寒がりの癖にこ〜んな夜中にヴェルサイ ユ 宮殿に侵入したのかよ?」 「ま〜〜ね。『鏡の間』に居たとき、妙な違和感を感じたの。そのときは単なる 鏡の中の視線かな・・?って思っただけだったんだけど・・・。」 それは・・間違いではなかった・・・。 そんな会話を交わしながらも次々に襲い掛かる刺客を倒していくリナとガウリイ。 たちまちあたりは静まりかえり・・・宮殿の隅のほうにあるこの庭園に倒れ伏す数十 人の刺客たち。 「ちょっと・・あんた・・聞きたい事が・・・・・・・・」 そう言ってリナが倒れたうちの一人の胸倉を掴みかかろうとしたそのとき・・。 「危ない!!!」 不意にガウリイがリナの方に飛びつき・・・・・・・・。 ずだああああああああああああああああああああああああああああああんんんん・・ ・。 突如聞こえる・・爆発音・・そして・・周囲一面が炎上する??? 「リナ!!!!大丈夫か・・・?」 「・・・ガウリイ・・・・??????」 状況を理解できず唖然とするリナにガウリイは・・・・・・・。 「・・・よっぽど・・念を押した秘密があるらしいな・・・。」 今までに刺客に襲われることあれども・・『自爆』なんてされる事態にはいまだ至っ ていない。 「・・・マダム・ロワイヤルは・・・。自分の死後100年後・・。遺言を公開しり ように告げているわ・・・。もっとも・・・。」 それは・・ノーンドルフについて告げていることは間違いないだろうし・・。 更に言えば・・未だにその事は実行されていない・・・。 「ノーンドルフが現れた当初・・・。フランスは王政復古されていたんだけど・・ ・。 当時の国王ルイ・フィリップは・・。ノーンドルフのドイツ国籍を探させようとした んだけど・・。何故か調査を打ち切っている・・・・。」 「・・・知られたくない『何か』か・・・・・・・・・・・・・・。」 ガウリイの声にリナは小さくカクンと頷いた。 「心配かけさせないでくださいよ!!!」 昨日の事件は既に朝のニュースなどで聞き及んでいたのだろう。 あの後・・どうも今ひとつ宿泊先に戻るのも億劫で・・・。 リナが調査する・・と言い張ったのにガウリイも付き添ったのだが・・・・。 めちゃくちゃ心配したらしい、ゼルとアメリアのお説教が二人を待っていたのだっ た。 「悪い、悪い・・・。ま・・・。これで少しは真実に近づけたぞ?」 そう言ってガウリイはふっと不敵な笑みを浮かべる。 「あの後・・タンプルにまつわる事を調べたの・・。そしたら・・・。驚く事が 分かったわ・・。ある時・・タンプルから一つの白骨が発見された・・・。」 「・・・と・・言うと・・・????」 「・・・ルイ17世のものよ。つまり、ノーンドルフは真っ赤な偽者って事。恐らく ・・。ルイ17世は本当に獄死したと思うの・・。けど・・何らかの理由でそれを公 式に発表出来ない。そこで・・持ち出されたのが彼には似ても似つかない『代理』と 言うわけ。」 ・・・・恐らく・・ヴァンデのような反乱分子に完全に『王政復古』の道が絶たれた と告げる為のデモンストレーションを壮大にするために・・・だろう・・・。 無論、『誰』が『ナン』の為にそんな工作をしたか・・本当のところは定かではな い。 「今すぐヴァンデに行きましょう・・。恐らく・・・・・・。」 アタシがヴァンデの指揮官なら・・そして旧第三身分の人間でヴァンデに通じる 人間がタンプルに居たとしたら・・・・。 たとえ何があっても・・『ルイ17世は健在である』という証拠を欲する事は目に見 えているのである・・・。 「で・・・リナ達はど〜してる・・・?」 すっかり寝入ってしまったエリザベスとガストンを見遣りながらジョヴァンニ。 「・・気付いたみたいだよ・・ヴァンデに連中が居るってね・・・・。」 宝物は辿るときの手がかりにしか過ぎない・・・。そう思い、改めてラウラはため息 をつく。 「まったく・・ワルキューレの副旅団長は食えない奴だよ・・本当に・・・。」 ガストン達が寝入った瞬間・・ラウラとジョヴァンニ自身も始めて聞かされた真実。 ヴァンデ県・・・・・・・・・・・・・。 かつて王政復古を夢見た農民軍が反乱を起こしたその土地・・・・。 今の状況は・・あまりにも凄まじい歓迎振りにむしろ笑えてくる。 「ワルキューレの連中は皆殺しだ!!!!!!!」 どうやら・・ミッドガルズ・・の連中の残党、という雰囲気では無いらしい。 「どういうつもりだ・・・???」 拳銃を構え、自分たちを取り囲んだ男たちにガウリイは凄みを含んだ口調で尋ねる。 「・・ほう・・・『役立たず』のフィリップ様のご子息ですが・・・・・。」 そのうちの一人が馬鹿にしたようにガウリイにそう話し掛ける。 気付いていない・・・ガウリイの視線が僅かにながら険しさを帯びた事に・・・。 「まあ、無理ない・・。所詮『人間界』のものは『人間界』のことのみ・・。 『天界』について詮索な・・・・」 その男がそういいかけたその刹那・・・。ガウリイの渾身の拳の一撃がマトモに顔面 に炸裂する!! 「・・ふざけるな・・・・・・・・・・・・・・。」 彼が何に怒りを感じているか・・それは定かではない事は確かである。 「く!!!!」 一斉に拳銃が構えられるよりも早く、リナの素早い射撃が敵の手の甲を一斉に打ち抜 く!!? 「・・・リナさん・・。麻酔銃とはいえ・・マシンガンに改造するなんて・・。 違法ですよ!!」 アメリアがビシっと指差してそうリナに指摘するが・・・・・・。 「へぇ〜〜〜・・。法律疎いから知らなかったわ。」 当のリナのほうは至って平静そのもので受け答えする。 その間にもガウリイとゼルの敵に対する容赦ない追撃はとどまるところを知らない。 「・・・そのくらいにして!!二人とも!!」 再度、連中の自爆を恐れたリナが二人を止めに入る。 「ああ・・・・・・・・・・・・・。」 仕方なし、と言った様子でガウリイは行動を留める。 「・・・どうせ答える気は無いでしょうし・・ね・・・。また自爆されたら 敵わないわ・・・・。」 もっとも・・真実を既に知っているであろう、ワルキューレの騎士団旅団長。 ルナの詰問にこいつらが耐えた所で・・それは無駄な意地をはっているだけ、と言う のも どうしようもない真実だったりするのだが・・・・。 「・・ともかく・・・宝物を探して・・帰りましょう・・・・・。」 未だに何か思いつめた様子のガウリイの手を引きながらリナがそう促したそのとき・ ・。「・・その必要は無いわ・・・・・・・・・。」 ・・・・・・・噂をすれば影・・と言った所か・・・??? 「ルナね〜ちゃん・・・・・。」 見れば、その手には一振りの百合の・・ブルボン王朝の家紋が入った短剣を握り締め た ルナが佇む。 「リナ、そして皆さん。良くやってくれました。この通り、『宝物』は無事発見しま した。」あくまでこの組織の一件には触れず・・『宝物』についてのみ語るルナ。 「・・まだ・・知るべき時ではない・・そう言う意味よ・・。ガウリイ・・。」 そっと腕を包み込むように彼にリナは語りかける。 「ああ・・・そうだな・・・・・・・・・・・・。」 射抜くような視線が一瞬にして柔らかくなるのをリナ自身、安心して見届ける・・ ・。 「・・ミッドガルズ(人間界)は所詮ミッドガルズ(人間界)・・・。 アースガルズ(天界)には敵わない・・っか・・・・・・・・・。」 無論、意図を含んでの反復ではあるが・・・・・・・。 何かが起こる、そう感じながらリナはガウリイの腕を支えつつヴァンデを後に するのだった・・・・・。 (気が向いたらまた書きます) ******************** ちなみにこの件に関してはアタシが一番しっくりきた 説を使ってます・・・。 真実は・・やっぱり闇の中なので・・・(汗)では!! 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12785 | ディック・フランシスみたい(笑)(<二文字) | P.I E-mail | 12/20-22:56 |
記事番号12776へのコメント CANARUさん、ど〜も♪ ミッドガルズにはまださらに裏があったのですね〜。以前ラウラが言っていた 「ザコを裏で操っている連中」でしょうか。組織の秘密が明らかになったとき きっとフィリップとーちゃん変心の謎も解けますね。そーなったときのガウリイや オーリママの反応が今から気になります! にしても、ガウリイ〜!自分の過去と親父に関わることだとすごくシリアスで かっこいいよぉ〜〜♪エルミタージュの秘密が親父に関係ありと分かった今、 お宝探しもこれからはもーちょっと真剣に取り組むよーになるかな〜? 頑張れガウりん!シリアスにキメてリナのはぁとをげっとするのだっ!! 間接××なんかで喜んでる場合じゃないぞっ!!(笑) 話は変わりますが、「カンタレラ」立ち読みしてきましたよ〜♪ 雨に打たれるチェーがなんとも儚げでびっくり!(笑)ミケちゃんはまるで CANARUさんの「華と氷の刃」のガウリイみたいでしたね。光だし(^^) 早くコミックにならないかな〜。 それではまた〜♪ |
12792 | みゃはは〜〜!! | CANARU | 12/21-14:34 |
記事番号12785へのコメント >CANARUさん、ど〜も♪ どうも〜〜!! 一寸下のレスは失敗しちゃいましたが・・・(汗) 気にしないでください〜〜(汗・間抜け〜〜!!) >ミッドガルズにはまださらに裏があったのですね〜。以前ラウラが言っていた >「ザコを裏で操っている連中」でしょうか。組織の秘密が明らかになったとき >きっとフィリップとーちゃん変心の謎も解けますね。そーなったときのガウリイや >オーリママの反応が今から気になります! はい〜〜♪ 次回からついに少々ながらシリアス突入かあ・・・・。 などと今日も電車の中で今後のネタ考えてました〜〜〜!! それでも冒頭のギャグだけは健在にしたいなあ〜〜などと!! オーリママのこれからまた出番が増えるかとおもいます〜〜!! >にしても、ガウリイ〜!自分の過去と親父に関わることだとすごくシリアスで >かっこいいよぉ〜〜♪エルミタージュの秘密が親父に関係ありと分かった今、 >お宝探しもこれからはもーちょっと真剣に取り組むよーになるかな〜? ですねえ〜〜〜!! 今まではリナちゃん以上に観光気分だったけれど・・・。 少しずつ変わっていくのかなあ〜〜? などと今から考えてます!! >頑張れガウりん!シリアスにキメてリナのはぁとをげっとするのだっ!! >間接××なんかで喜んでる場合じゃないぞっ!!(笑) ですねえ〜〜〜!! 今後の課題はガウリイの変化と・・・。 「ヤンキー緋雨裡」の定着を頑張ります〜〜(汗) >話は変わりますが、「カンタレラ」立ち読みしてきましたよ〜♪ >雨に打たれるチェーがなんとも儚げでびっくり!(笑)ミケちゃんはまるで >CANARUさんの「華と氷の刃」のガウリイみたいでしたね。光だし(^^) ですねえ〜〜〜!! ルクレツィアがすっごく可愛かったです〜〜!! >早くコミックにならないかな〜。 > >それではまた〜♪ では〜〜!! |