◆−奔走(気まま2-21)−CANARU(12/24-10:42)No.12820 ┗思い出のパ●チラ(爆!)−P.I(12/25-23:53)No.12847 ┗みゃはは〜(汗)−CANARU(12/26-10:41)No.12851
12820 | 奔走(気まま2-21) | CANARU | 12/24-10:42 |
ナポリ、ヒチリアを取り仕切るまだしも合法的なマフィア組織「カタート」。 その若き総帥、ゼロスは実はルクセンブルク公国『ワルキューレの騎士団』 の副旅団長にしてリナの義兄、そしてそのリナはルクセンブルク公国の公女 だったりする・・・・・。 「ねえ・・馬鹿兄・・・・。」 「・・・その馬鹿兄って言うの・・やめてくれませんか?」 リナとゼロスの攻防が今日もまた開始される。 「・・昨日より1.348秒早いな・・・・・。」 「・・・その・348ってナンだよ・・・・・。」 「今日はリナさん・・・。どんな話題フル予定なんでしょうかね〜〜?」 ゼル、ガウリイ、アメリアが被害を恐れ、少し離れた位置に移動しながら会話する。 「・・あら・・・。やっぱり『馬鹿』に『馬鹿』ってゆ〜のは失礼だったかしらね?」 「・・・・余計失礼ですよ・・その言い草・・・。さっさと用件の嫌がらせ言ったら ど〜ですか・・・?」 かたや爪にマニキュアを塗ながら・・・・・・・。 かたや新聞に目を通しながら視線すら合わせない攻防・・・・。 まさにマフィアの親分にその妹の女マフィアといった雰囲気である。 「・・・『ボロ船でイオニア海から太平洋・・・。横断できたら1000万EURO』に 挑戦するつもり・・無い・・?」 「・・・・最近始った『〜が出来たら1000万EURO』というテレビ番組ですか・・。 お断りししときます・・。あんな馬鹿な番組ばっかりみたら頭悪くなりますよ。 リナさん。」 「・・・・ワイドショーココア飲みながら見るのが趣味の人に言われたくないわ。 でも残念。出演してくれれば自動的に30000万EUROの保険金に加入なのに。」 「・・・・だから最近・・僕を暗殺しようと企んでたんですか・・・・。」 「・・・チチチ・・そ〜〜んなはした金目当てのチンケな目的じゃないわね。」 指を軽く振りながらリナは否定の言葉をゼロスに告げる。 「・・・なあ・・リナがゼロス抹殺しようとしてたのって・・・。」 「・・あたしも最初はジョークだと思ってたんですけど・・・。」 「本気(マジ)だったらしいな・・・・・。」 コソコソとガウリイ、アメリア、ゼルがやはり距離をおきながらこの攻防の行方を 更に伺う。 「・・・ほ〜〜〜・・そ〜ゆ〜と・・。貴女の目的はなんですか?」 暫しの間・・・。そして・・・。 「『カタート』総帥。つ〜か。『ワルキューレ騎士団』の副旅団長の座!!」 ビシっと立ち上がりアメリアも顔負けのアクションポーズでリナはゼロスを指差す!! 「・・ね・・狙ってたんですか〜〜〜〜!!貴女は!!!??」 さしものゼロスもこの回答には参ったらしい!! ふふふ・・と怪しい笑顔を浮かべながら・・何故か手に出刃包丁を持ったリナに 詰め寄られて部屋の隅っこに後ずさり・・・・。 それと同時に二つの拍手が室内を包む!!! 「すばらしいですわ!!リナおね〜様が『ワルキューレ』の副旅団長になられるなんて!!」 まず聞こえたのがまだ幼い女の子の喜んだ声。 「まったくです!!これでウチの愚息も『中間管理職』の悲しいパシリさんのコキ使われることも無くなると言う物ですわ〜〜〜〜!!」 そして・・美しいソプラノの女性の声・・・・。 「・・・よお・・馬鹿兄・・・・・。」 感激してる二人の女性の後ろからひょこきと立場無さそうに顔を出す一人の少年・・。 「・・おお・・ガストン・・それに!!何で母上とエリザベス姫までココに居るんだ?」今更のように・・この状況に少々押されながらもガウリイはその疑問を言うが。 当のガストンは両手を軽く広げ・・首を左右に振る。 『今はとてもこたえられる状況じゃね〜〜〜よ』という意味らしい。 「・・・これで!!ガスちゃんのお小遣いもあがるんですね〜〜〜!!」 「・・まったくもって!!これで一安心と言うものですわ〜〜♪」 恍惚と喜び合うオーリ・ママとエリザベスがかなりのプレッシャーを間接的に ゼロスに与える・・・。 「あく〜〜〜!!もう!!分かりましたよ!!・・ったく・・・。 ガウリイさんとガストンさんのお給料の事!!ルナさんに相談してみますよ・・・。 ったく・・コレで交渉成立しななっかとしても・・・・・。」 「アンタのお給料からガウリイとガストン・・ついでにあたしのお小遣いにお金まわせば いい事でしょ?馬鹿兄!!」 「何でリナさんのお小遣いまでええええ〜〜〜〜〜(涙)」 抗議の声はオーリ・ママの鋭い視線によって見事に遮られるのだった・・・。 「へえ・・。トマスさんが『ワルキューレ』のミラノにしばらく出張なんだ。」 ようやっとガストンがオーリママとエリザベスがココに居る理由を言える時間が与えられ・・・。 「ええ。トマスが留守の間ロンドンに居ても心細いだけですし・・・。此方にしばらく お世話になるようにっとラウラおね〜様とオーリ様に勧められました。」 にっこりと笑いながらエリザベスはお土産の紅茶をリナに差し出す。 「そね。」 トマスとはエリザベスの家に仕える何かと口やかましいが忠実な家臣である。 物騒なこのご時世である。 「ガストンともども・・エリザベスお嬢様もお願いしますね。」 そうとだけ言いオーリママは退室しようとするが・・・。 「おい・・母さん・・何処行くんだよ?」 何気なくガウリイは珍しく長居をしない母に声をかける。 「・・・馬鹿に会いに行くのよ・・。ついでに言えば・・。ヒチリアで食料品の1大セールがあるのよ。じゃ〜〜〜ね、ガウリイ。しっかりね!!」 そう言ってさっさと出て行くオーリママ・・・。 「・・・馬鹿って・・??」 「・・・親父の事に決まってるだろ・・・。まあ・・。アイツ、まともな時はまとも なんだけどさ・・。イザ母上と二人っきりになると・・・・・。」 「・・・ああ〜〜〜・・。オーリさんの剣幕に押されて・・。『怖いよおお〜〜〜!! 看守さ〜〜ん!!助けて〜〜!!食いつかれちゃうよおおおおお!!』 の連呼・・だったけ・・・?」 「・・・・頼むから言わないでくれ・・人前で・・・・。」 珍しくリナに引き攣った顔を見せ、ガウリイは遠い目をする。 まあ・・あんな情けない姿の家族を人に見せたくない気持ちは分かるのだが・・・。 かくして・・。その日は一日何事も無く過ぎ去っていったのだが・・・・。 「一寸・・何よ・・コレ・・・??」 その翌日の事である・・・。何気なく『ワルキューレの騎士団』の副旅団長 の座を狙っている・・という事もアリ『カタート』のシステム・コンピュータをいじっていた時の事である・・・。 「どうしたんだ・・?リナ・・・?」 訳の分からないプログラミングの文字・・・・。 「・・・フランス語よ・・・・・。ガウリイ・・。完璧に・・『ワルキューレの騎士団』 のデータが荒され様とした痕跡があるわ・・・・・。」 この騒ぎを聞きつけ、ゼロス、アメリア、ゼル・・。そしてガストン、エリザベス も眠たそうな目をこすりながら集まってくる。 「・・荒らされようとした『痕跡』・・ですか?」 不審そうにリナほどではないがフランス語が理解できるアメリアもディスプレイを 覗き込みながらリナに聞く。 「ええ・・・。ど〜もデジタルってシールドが何重でも信用出来なくてね・・・・。 重要な資料、データは全部紙の書類にして耐火金庫と銀行に預けてるのよ。」 「・・・随分とまあ・・アナログな事をしてくれたもんですね・・・。」 勝手にデータをいじられた事を今更ながら知ったらしいゼロスは文句とも 嫌味ともつかない一言をリナに言う。 「何馬鹿な事言ってるのよ!!『最深部分』のデータまでシールド突き破ってハッキング されてんのよ??まあ・・アタシが改竄したでたらめ資料置いといただけだから良かったよ〜〜なものの!!!」 「・・なんですって・・???」 僅かにゼロスの表情と声がこの一言によって曇る。 「おかしいですね・・。ここナポリの『カタート』・・というか『ワルキューレの騎士団』のメインコンピュータのプロテクト・・。その何重ものシールドが何処から来てるか・・。知ってますか?」 「・・・ココのシステムじゃないのか・・・?」 ガウリイが横からまあまあ的を得た質問を挟む。 「・・イタリア半島全土の『ワルキューレ』の支部団からですよ・・。第一層の北イタリア(主にミラノ、フェラーラ、ヴェネツィア)、第二層の中央イタリア(主にロンバルディア、ロマーニャ地方)そして第三層は都市部(ローマ、フィレンツェ)などから構成 されてるんですよ・・・・。」 「成る程・・。第一層の北イタリアが破られたら次は第二層の中央、そして三層の都市部と・・シールドにも分担があるって事ですね・・・?」 アメリアが考えながらそう言う。 「・・そう・・ついでに言えば・・。全部で50以上あるシールドを・・。突き破らなければ絶対にここ・・ナポリのメイン・コンピュータにはたどり着けないわけですが・・。」 それが・・たどり着いた・・という事は・・・。 「考えられません!!そんな馬鹿な事!!」 アメリアが信じられないというように声をあげる・・・。 「 まあな・・。一箇所や二箇所ならままだしも・・50以上の支部が全部・・だと?」 ゼルまでも焦りを含んだ声でそう言う。 「・・・ど〜ゆ〜事だ・・・???」 こういった状況には疎いのだろう・・相変わらず質問モードでガウリイが言う。 「・・つまりね・・『内部』の『裏切り』って事よ・・。『ど〜ぞお通り下さい』と言わんばかりにフランスからのハッカーを無血で開城して・・ここまで侵攻させた・・・。」 悔しそうに言いながらリナはガツン!!とディスプレーを眺め、拳で叩く。 「・・・・なんて書いてあるんだ・・・?」 画面いっぱいに書かれたフランス語の一文。赤いラインの引かれた部分をガウリイが 指差して尋ねる・・・。 「『・・・鉄槌は落とされた』・・・とかかれてるわ・・・。」 しかし・・どこかで聞いた事のある状態のような気がしてならない。 「ともかく・・・。この発信元は何処か分かる?馬鹿兄?」 改竄されたデータを一応研究の為にFDに回収して・・・。 更に言葉を続けながらリナは言う。 が・・当のゼロスは・・・チラリ・・とエリザベスを見遣り・・しかし意を決したように。 「このフランスからの・・恐らく『アースガルズ』連中の介入を許したのは・・。 間違いなく『ミラノ』です・・・・・。」 「・・・ミラノ・・・?真坂・・トマスが!!?」 先程のゼロスの意味深な視線もあった為だろう・・。リナよりも早くその事実に エリザベスが気付くのだった・・・。 忠臣、トマスの裏切りか・・・はたまた・・・。 そんな事実を調べるために直ぐにでも ミラノに飛んでいくのが筋というものだが・・。 「・・なんで隠れ蓑を『マフィア』なんてした訳?ええ!!この馬鹿兄!!」 「仕方ないでしょおお!!先代の副旅団長が!!『ナポリといえばマフィア!!』と安易な発想でこ〜〜ゆ〜〜隠れ蓑になった訳ですから!!僕のせ〜〜じゃありませんよお!」リナに怒られながらゼロスは半泣きで答える。 「しっかし・・参ったな・・。『マフィア』と言うだけで検閲がひかれちまって・・。 ナポリから動けないとはなあ・・・。」 頭をボリボリと掻きながらガウリイまでも困り果てたような声で答える。 「どうするんだよ・・エリザベス・・すっかり寝込んじゃったなあ・・。」 困り果てた様子はやはりガウリイと良く似てると痛感させられるガストン。 「せめて・・海路が使えればなあ・・・・。」 「ココからミラノまで・・?不可能よ・・。イオニア海からアドリア海に行く前に捕まるわよ・・・。」 ふう・・・とリナがため息交じりの声を漏らす。と、その時である・・。 「おい!!リナ・・・。」 不意にゼルがガウリイとリナを呼び寄せる。 「・・一箇所だけ・・データが守られている場所があるぞ・・?」 「・・・何処!!!!??」 即ち・・其処は『裏切り』が起こってはいないばしょ・・と言う事になる・・。 「ローマだ・・・・・・・・。恐らく、ラウラとジョヴァンニが予め選挙したんだろう。」「・・なら・・電話して伝えてくれてもいいんじゃないか・・・?」 「ば〜〜か・・・。盗聴されてんに決まってるだろ。馬鹿兄・・・。」 ガウリイの一言にはあ・・とため息をつきながらガストンが言う。 「ねえ〜!!ちょいとちょいと!!あんた達さあ〜〜〜!!」 ギリギリギリギリ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 電信柱を引っ掻き、歯軋りをしているガウリイを押させつけるゼルとガストン。 「おお〜〜!!なんだ〜〜!!お嬢さん!!」 見るからにガラの悪い男たちが船上から港に立つ、妙にハスっぽい服装のリナに手を振る。「そこで髭面のガラの悪いオッサンが全員集まるよ〜にって言ってたよ?」 口調をワザトハスっぽいように連中に話し掛けるリナ。 「なにいいい!!お頭が?姉さん、用事済んだら・・・。」 「馬鹿いってんじゃね〜〜わよ!!」 どさまぎで軟派してくる男の鳩尾に思いっきり蹴りを食らわせるリナ。 「け!!あんな色気の無いガキの!!!」 未だにこ〜〜んな格好でロクデナシ女のフリしてるリナに不満なのだろう。 悔し紛れなことを言うガウリイの頭にリナの何時の間にか脱ぎ捨てた赤いハイヒール が思いっきり直撃するのだった・・・・。 「しっかし・・オマエさんも悪人だよな〜〜〜?」 ボロ船に揺られながらガウリイはリナにそう言う。 甲板に寝転がり、運転はゼルに任せきってるのを良いことに自分はリナと日向ぼっこ としゃれ込んでいる。 「そう・・・?でもね、ナポリの泥棒は駐車場から車を盗んだり・・第二次世界大戦後で有名な話では戦車を丸ごと一個盗んだ事すらあるのよ?」 けらけら笑いながらリナはガウリイの横にベロンと寝転ぶ。 「・・で、オマエも密輸船一隻盗んだって訳か・・・?」 「・・・密輸船なら『カタート』の裏切り者連中の検閲に引っかからないでしょ?妙な 話だけれどもね・・・・・。」 笑いながら再度リナは答える。 「・・・で・・今回の事件だが・・・・・・・・・。」 「・・・そうね・・。一回・・何百年も前に・・同じような事態がナポリに起こったのよ・・。やっぱり、それもフランスからの侵攻でね・・・。」 「・・フランスから・・?」 「ええ。もともとはナポリは女王の治める国だったんだけど・・・。その女王って言う人が物凄く人気の無い女でね。それに目をつけたフランス軍がナポリに宣戦布告したの。」「・・・それって・・悪い事じゃないか?」 「・・15世紀なんてそんな時代よ。でも・・アラゴン(スペイン)のアルフォンソ2世が諸事情でナポリ王の後継者にゴタゴタがあったけど選ばれたの。結局王は自分の息子をナポリ・アラゴン王朝の王にしたんだけど・・。以後アラゴン家は完全にイタリア化してこれと言った反発無くナポリに君臨したんだけど・・。1494年・・とんでもない事件が起こったのよ・・・。」 「・・・とんでもない事件・・・???」 「・・フランス王シャルル8世のイタリア・・強いていればナポリ侵攻よ・・・。 もともとはミラノの摂政イル・モーロことルドヴィーコ・スフォルツァが甥の折衝、ジャンガレアッツォ・スフォルツァ、ミラノ侯爵を排斥したいと考えたの。」 「・・・やな奴だな・・・・・。」 「そ〜は言わない。ジャンガレアッツォは単なるロクデナシだったんだから・・。 でもルドヴィーコが侯爵になるのには難関がある・・・。」 「・・・・難関・・・???」 「ジャンガレアッツォの妻、イザベッラ・ダラゴーナ(d’Aragona)はナポリの王女。その王女が排斥されるよ〜な事をナポリがゆるす筈が無いわ。」 「・・・ひっどい話じゃね〜〜か?ソレ!!?」 さしものガウリイも事の不条理を感じたらしい。 「しかも悪い事にルドヴィーコの妻、ベアトリーチェ・デステはイザベッラの母方の従姉でね。この従姉にベアトリーチェは嫉妬してたのよ。で・・妻と夫の利益は一致して・・。『ど〜ぞフランスの皆様、さっさとナポリを侵攻しちゃってください!!』と成った訳。 無論当時ヨーロッパ最強と言われたフランスの陸軍をマトモに相手にする馬鹿な都市はイタリアの何処にも無かった。事実上ナポリ含むすべての侵攻経路都市がフランス軍に無血開城したのよ・・・。」 「・・ひでえぇ話だなあ・・・・・・・。」 「ま、もっとも。ミラノにも馬鹿王、シャルル8世のお馬鹿な野望が其方方面にも向けられて。かつてのミラノの侯爵、ヴェスコンツィン家の血筋を理由にミラノの侯爵位まで要求されたのよ。」 「・・で、ミラノはど〜なったんだ・・・?」 既にローマの港に船は無事に到着ている・・・。 アメリアとゼルはそのままミラノに行き、二人はローマと二手に別れ・・。 さしあたりラウラとジョヴァンニが居るであろう場所へと向かいながらガウリイが聞く。まったくもって手がかりが無いのがつらい所なのだが・・・・。 「その後・・ミラノを含むフィレンツェ以外の都市、更に言えば神聖ローマ帝国皇帝までもが参加するローマを中心とする『神聖同盟』の軍団に追い詰められてほうほうの体で フランスに逃げ帰ったわ。指揮官はかの名称、マントーヴァのフランチェスコ・ゴンザーガ。もっとも・・フランス軍はナポリと名前を押し付けあってるロクデナシな病気 を抱えて・・・・(汗)」 「ロクデナシな病気って・・・・・・。」 「ああああ〜〜〜〜〜!!もう!!言ったアタシが馬鹿だった!!聞くな!!クラゲ!」 「・・う〜〜ん・・ロクデナシな病気って・・・。」 「だから!!聞くなって!!言ってるでしょうがあ〜〜(汗)」 「・・なあ・・リナ。『あ〜〜ゆ〜〜の』か?」 「いうなあああああああ!!!!!って・・・え・・・???」 絶叫しながらガウリイに拳の一撃を浴びせ掛けようとするが・・やおらガウリイの指差す方向を目にし・・別の意味でリナは絶叫する!! 「なんで・・・なんで!!何であのナルシスト、危な系、・・そして『ロクデナシ』 の・・銀髪、自称超絶美形の・・中学時代のあたしの同級生!!!」 「おお!!間違いない!!あれ、やっぱり氷(ヒョウ)かあ!!」 ・・・トレヴィの泉からすこしはなれた広場・・・・リナの絶叫のみが響き渡る・・・・。 「まったく!!ひっどい目にあったね〜〜〜!!」 再会を喜ぶ廻とガウリイを尻目に氷はなにやら一人、ブツブツと文句を言う。 「・・なんだって言うのよ・・・・。」 「緋雨裡のアホンダラがトレヴィの泉に落っこちたんだよ!!で・・・。コイン泥棒 と勘違いされて・・僕まで尋問される始末さ!!」 「・・・緋雨裡さんは・・どうしてるのよ・・・?」 リナの一言に廻は朗らかに・・・・。 「ね〜ちゃんのみ誤解が解けなくて・・。未だに拘束されてます〜〜♪」 何処と無く嬉しそうな所が・・これまた厄介な奴である・・・・・。 「トレヴィの泉ねえ・・・・・。」 さしあたりやかましい氷をぶん殴ってそこら辺に放置して・・・・。 「そ〜いやさ・・。俺とオマエさんが始めて一緒に仕事した時も・・。あそこに行ったよな〜♪」 なにやらニヤけるガウリイの顔面にリナの鉄拳が炸裂する!!! 「・・・アンタ・・アタシのスカートの中身見た事思い出したでしょう・・?」 「・・・スミマセン・・・(涙)・・・・・・・・・・・・。」 どうやら図星であったらしい・・・。かなり悲惨なガウリイ。 「とにかく。またトレヴィの泉に行ってみましょう。」 もはや夜もふけ始めたためだろうか?既に人気はこの辺りには見当たらない。 懐から一枚の穴のあいた50円のコインを取り出す。 ポイっと何処へとも無く投げ込んで・・ギギギギギギギ・・と隠し扉が開かれる。 引かれるままに、その隠し扉に向かっていくガウリイとリナ・・・・。 「気付くと思っていたよ・・。あんた達ならね。」 笑いながら二人をラウラが迎えて言う。あいかわらず中はルネサンス時代風の造りだが。 恐らく前に来たとき以来「ワルキューレ」の何者かが改造したのだろう。 室内はすっかり最新のシステムを備えた基地へと変貌を遂げていた。 「・・おお・・リナにガウリイか・・・・。」 安心したようにジョヴァンニがラウラと共にリナを迎える。 「さしあたり・・システムは死守したけど・・・。一体何が起こったんだい?」 そう二人に質問するラウラ。どうやら・・ラウラは偶然ローマに滞在し・・。 自分ひとりでは状況の死守が難しいと判断しまだしも連絡の取れるジョヴァンニに援護を求めた、と言う所らしい。 「・・FDに・・データーを移行して持ってきたけど・・・。」 言いながらリナはラウラのノーパソのそのFDを差し込む。 再びあのデータ「鉄槌は下された」の文字がこのパソコンにもリプレイされる・・・。 が・・ラウラは何を思ったのだろう?咄嗟にFDの内容を消去にかかる?? 「見るんじゃないよ・・リナ!!これには・・『サブリミナル(刷り込み)』プログラム が入り込んでいる!!」 「・・・恐らく・・・イタリア本土・・そしてミラノで起こった『裏切り』事件は・・。 このサブリミナルが影響してるんだろうな・・・。」 もっともな意見をジョヴァンニが言う。 「・・・いよいよ・・・熾烈を極めた攻撃が始ったって訳か?」 ガウリイの質問にリナが頷く。 「何か・・。みんなを元に戻す方法は無いの?このサブリミナルを解除する暗号サブリミナルとか・・・・???」 今はこの全土にわたる『裏切り』プログラムを解除するのが一番の先決事態である。 「・・・もともとココはグラナダにあると、あるカギと一つの扉を共有している。 そして・・『アースガルズ』の奴らが奪った一つのもう一つのカギ・・・。その二つがそろってココのメイン・コンピュータ室は始めて開くようになってるんだが・・・。」 『アースガルズ』に奪われたかぎは兎も角・・・・・。 「リナ・・・。もしかして・・・『グラナダのカギ』は・・・??」 「間違いないわ・・・・・・。」 リナの母親・・・アンヌから預かった二つのかぎの一つ・・。そっと毎日、首にペンダントとして身につけている・・・・。 「・・・何処か・・アースガルズの連中が居そうな場所さえ分かれば・・完璧だが・・。」グラナダのカギが既に存在する事を知ったジョヴァンニが口惜しそうにそう言う。 「・・大丈夫よ。にいさま・・。大方の検討はついてるわ・・・・・。」 神聖同盟が結ばれるまで・・ローマの最後の砦であった場所・・・・。 そして、その場所は未だに現存しているし・・ローマではかなり有名な物である。 かつての城砦にして牢獄・・・。 歴代のローマの偉人や貴族が変事が起こった時、占拠あるいは立てこもりを起こした場所。政治上の重要犯罪人が投獄された牢獄でもある・・・。 『カステル・サンタンジェロ』(聖天使城)・・・。 その名前とは裏腹に城の中は物々しく、更に言えば牢獄は未だに暗く、重い響きを 湛えこんでいる。 「・・・真坂・・ココが分かるとはな・・・・。」 『アースガルズ』の人間だろうか・・?すでに拳銃を構え、此方を見据えている。 「・・分かり易いのよ・・。やり口とかがね。シャルル8世のそのまんまじゃない?」 「気をつけろ・・。リナ・・・。」 『やり口』の言葉で思い出したのだろう。 こいつ達のやり方は・・・子悪党の比ではない。そっと庇うような位置に立ち、ガウリイ はリナにも注意を促す。 「・・・何も・・我々が手を下すまでもなかろう・・・。」 逆光か、それとも彼の身に纏った衣装のせいか・・?金色の髪意外その男の顔は見えない。ちゃりん・・・・・・・・。リナの足元にいとも簡単にもう一つのカギが投げ渡される。と・・・その時である・・・・・。 ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンン!!!銃声とともにその男が消え・・柱に隠れたガウリイとリナの目に飛び込んできたものは・・? 「トマスさん!!!!??」 完全に正気を失っているエリザベスの忠臣・・トマス????? 「く!!リナ!!早く!!そいつを持ってジョヴァンニ達の所に戻れ!!トマスさんは 俺が食い止める!!」 言いながらガウリイは素早くトマスの行動を引きつける!! 「でも・・・・・・・。」 「いいから!!オマエが間に合ってくいれればそれで大丈夫だって!!」 にっこりと笑って言うガウリイに・・・・。 「分かったわ!!!!」 言うが早いか見事にトマスの銃弾を避けながらリナは素早くその場から離れ・・・。 ジョヴァンニ達の待つ場所に大急ぎで出かけていくリナ!! 「そらそら!!こっちだぞ!!」 言いながらガウリイは更にリナの逃げていく方角からトマスを遠ざけていく!! 「ラウラ!!ジョヴァンニに〜さま!!」 大急ぎで基地に戻り・・自分の首にぶら下げれられたカギ、そして先程入手した カギをラウラに渡し、密閉された室内になだれ込むように入る!! 「・・・ナンとかなりそうかい・・・???」 古ぼけた機械を必死にいじるジョヴァンニにラウラが聞く。 「駄目だ・・機種が古すぎる!!一体・・さしあたり送信は可能だが・・・。 サブリミナル解除の構造がつかめん!!」 苛立たしげに機械に蹴りを入れるジョヴァンニ。 「リナ!!!!??」 そうしている間にも既に姿を消したリナ・・・。 「ったく・・あの子は!」 ココに居れば・・確実的に安全だと言うものの・・・。まったく・・・。 そう思いながらラウラは場違いが嫌でも零れる自分に気付く。 「ガウリイ!!!」 窮地に追い込まれたガウリイにリナは思い切り其方の方向に突っ走っていく!! 「馬鹿!!何で戻ったんだ!!」 既に彼は体力の限界だったのだろう・・。大分息が上がっている・・・。 「だって・・・・。」 リナが言い訳をしようとしたその時である・・・・。確実にトマスの銃口の照準 が二人に向かって合わせられ・・・・・・・。 まさに引き金が引かれようとした瞬間・・・・・・・・・・・・・・。 ジイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインンンンンンンンン・・・。 耳を塞ぎたくなるような雑音・・・・・。 この界隈一帯・・下手をすればローマ市内全土を包んでいるような超音波だろうか? 「・・・うう・・・あ・。私は・・いったい・・・???」 不意に正気を取り戻すトマス・・・・・・・・。 「・・・どういうことだ・・・?」 「ど〜〜やら・・・・・。」 サブリミナル解除はプログラムにあらず。『超音波』にあったらしい・・。 恐らく『送信は可能』とジョヴァンニが言っていた事もある。 イタリア全土の支部にこの音波は送信されている事は恐らく間違いないことだろう。 ・・・はあ・・・安心した途端、膝から力が抜け落ちるのがリナにも分かった。 「・・・まったく!!!なんて事してくれたのですか・・貴方は!!」 泣きそうな声を出しながらエリザベスはトマスを叱る。 「まあ・・ワルキューレ全体がミスった事だし・・。そう怒ることはありませんよ。」 ミラノの事を始末したアメリアとゼルがナポリに戻り、そうエリザベスを宥める。 「ま・・・これからど〜なるか・・を考えるべきって事ね・・・。」 「そうだな・・・・・。それに・・・・・。」 ここまで言って言葉を切ったガウリイに・・・。 「何よ・・ガウリイ・・・・?」 リナは更に言葉を促させようとするのだが・・・。 「・・何でもない・・・。ついでに言えば・・母上が怖くて馬鹿親父が・・・。 三日間魘されたそ〜だ・・・・・。」 「・・・俺だって魘されてるぞ・・?馬鹿兄・・・・・。」 ガウリイの言葉にガストンガ突込みを入れる・・・。 「ま・・ともかく・・・。」 事件はまだまだこれから・・と言う事だけは確かなようである・・・。 (気が向いたらまた書きます) |
12847 | 思い出のパ●チラ(爆!) | P.I E-mail | 12/25-23:53 |
記事番号12820へのコメント CANARUさん、こんばんは! 冬休みに入って絶好調ですね〜♪Pの風邪もどうやらほとんど治ったみたいです。 どーもご心配をおかけいたしました!m(_ _)m リナちん・・・狙ってたんですか、ワルキューレ副旅団長のイス!(笑) う〜ん、彼女が副旅団長になったら「カタート」の使途不明金の額がいきなり 増えそうですね〜(^^;)二重帳簿とか作ったりして(笑) でもさすがに旅団長・ルナさんにまでケンカ売る度胸はなかったみたいですね♪ 今回の舞台は思い出のトレヴィの泉〜♪あのガウリイがしっかり記憶していた なんて・・・よっぽど強烈だったのね、リナのパン●ラが(おいっ!) いよいよ姿を見せ始めた謎の金髪の男。あのガートルードの人生を狂わせたヤツ でしょ〜か?彼女との過去の因縁もこれから明かされるのかな?楽しみです! 氷栗さんの「天使の柩 アヴェ・マリア」買いました〜!古本だけど。 マイヤーリンク事件のファンタジック裏話です♪ストーリーはシリアスなのに マリー・ヴェッツェラったら笑わしてくれる・・・(^^;)でもとってもいい話 でしたよ♪ ではでは、次のお話で♪ |
12851 | みゃはは〜(汗) | CANARU | 12/26-10:41 |
記事番号12847へのコメント >CANARUさん、こんばんは! >冬休みに入って絶好調ですね〜♪Pの風邪もどうやらほとんど治ったみたいです。 >どーもご心配をおかけいたしました!m(_ _)m 元気に成られてなによりです〜〜!! 昨日は・・年賀状で半分死んでました(涙(ううう・・46枚手書き(涙) >リナちん・・・狙ってたんですか、ワルキューレ副旅団長のイス!(笑) はい!! 「いつか馬鹿兄を抹殺して・・ふふふ・・・」 などと虎視眈々と〜〜♪ >う〜ん、彼女が副旅団長になったら「カタート」の使途不明金の額がいきなり >増えそうですね〜(^^;)二重帳簿とか作ったりして(笑) ありえます〜〜!! 「え?その帳簿に書いてる事に嘘偽りはないわよ? このアタシが横領ですって!!?」 とか詮索するワルキューレの下っ端さん相手に脅し文句いっていそうですよねえ〜♪ >でもさすがに旅団長・ルナさんにまでケンカ売る度胸はなかったみたいですね♪ ですね〜〜!! ルナさんにそんなことバレた日には・・・。 確実的にトレヴィの泉に葬られる!!?? >今回の舞台は思い出のトレヴィの泉〜♪あのガウリイがしっかり記憶していた >なんて・・・よっぽど強烈だったのね、リナのパン●ラが(おいっ!) ははは!! 禁句ですね〜〜!!ガウリイ、今度同じ事を言ったら・・・。 確実的に命は無いしですね!! >いよいよ姿を見せ始めた謎の金髪の男。あのガートルードの人生を狂わせたヤツ >でしょ〜か?彼女との過去の因縁もこれから明かされるのかな?楽しみです! はい〜〜!! そろそろいろいろ明かして行きたいな・・と計画中でっす!! >氷栗さんの「天使の柩 アヴェ・マリア」買いました〜!古本だけど。 >マイヤーリンク事件のファンタジック裏話です♪ストーリーはシリアスなのに >マリー・ヴェッツェラったら笑わしてくれる・・・(^^;)でもとってもいい話 >でしたよ♪ はい〜〜!! 今度探してみますね!!氷栗さんの本、まだまだ結構あるようですしね!! >ではでは、次のお話で♪ では!! |