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13036★魔族達の新年会・準備編723 E-mail URL1/4-10:58


こんにちは。2度目投稿の723です。
これは去年から書いていたのですが実はまだ完成させていません(爆)
ではどうぞ。

☆☆☆★★★魔族達の新年会2001in覇王宮!〜準備編〜★★★☆☆☆

「だぁぁ――っもうなんでこんなに忙しいのよっ!?」

静寂の相応しい覇王宮に、元気の良い声が響く。
その主は、年の頃16、7の、どーみても巫女としか思えない格好をした少女だった。

「るせェな!文句言ってる間に仕事しろっ!」
「してるでシょおがッ!」

言いながら彼等は目の前にある物を、てきぱきと移動させている。

「……ま、こんかいはお前の言い分もわかるよ。ったく何で会場がうちなんだろーね」
「……じゃああんた、去年みたいに獣王宮で行われた方が良かった、とでも?」
「………………………。」

毎年恒例で行われる、魔族達の新年会。
会場は年毎に変わるのだが、今年はここ、覇王宮で行われるようだ。
そんなワケで、城の主の覇王グラウシェラーはもとより、その下の神官・将軍達も、
元々忙しい年末が、当然さらに大変になる。
それはとにかく昨年の会場は獣王宮だったのだが………。
南にある群狼の島は、ただでさえ暑いというのに、その上そこの主従がまたおアツいものだから、
寒いトコロに慣れてしまっている彼等の精神ダメージは、相当のものだったらしい………。
しかも、場所を提供してもらっている訳だからはっきりと文句も言えない……。

「暑い冬なんて邪道でしょ!?やっぱ冬の平均気温は氷点下50度よ!」
「はいはい。わかったから仕事しろよな」

『いくら北の極点でもそこまでいってないと思うけどな……』覇王将軍ノーストは思ったが口には出さなかった。

「俺達なんかまだ楽な方だよ。グロウなんか、厨房一人でまかされてるんだからさ」
「まーね。『手伝いに来る』とおっしゃっていた海王様は遅刻魔だし………」
「なぁ、やっぱ俺、あっち手伝いにいった方が良かったんじゃないか?」
「………それはやめておいた方が良いわよ」

覇王神官ダイは知っていた。軍人気質で考え方の即物的な覇王やその将軍達に料理なんぞ作らせようものなら、
絶対に見た目や味よりも栄養価や調理方法の方を重視されることを。

ここで少し補足をして置くが、そもそも食事とは、在るために必要な糧――即ち負の感情――を取り入れるために行う。
だから当然料理はより残酷な方法で調理し、より新鮮な状態で出せば、『栄養価』は高くなる。
……しかしそれは、『味』とはまったく別の問題である。
いくら魔族といえどパーティーのときにそんな料理は食べたくないものなのだ。

「にしても、クリスマスだって碌に遊べなかったのに、なんでこんなことしゃきゃいけないのよ!?
 もしかしてこれは、あたし達のストレスを食おうという覇王様の陰謀かしら?」
「あの御方がそんなことするかッ!だから働けっつーの!」

数時間後、やっと彼等が仕事を終えた、その時。覇王宮を訪れる者が現れた。

「やっほーグラウー!遊びに来たよ〜♪」
「遊び………?とそれはとにかく。
 とりあえず忙しい所をわざわざすまんな、海王殿」
「やーん『海王殿』なんて他人行儀ぃ〜。
 普通に『だるふぃんv』って呼んでよぉ。
 それにグラウのおかげで全然忙しくなかったしさぁ」
「………当然だな。こっちは今月ずっと残業続きだった」
「えー?頑張りすぎて無理しちゃ駄目よぉ?」
「誰のセイだ誰の」

『きゃはは☆』と完全に訪れた美少女に弄ばれてる主を見て、
ダイ&ノーストはただ呆然としていた。
そーいえば確かに今月は年末とはいえ去年よりも忙しかった気がする。
おそらく料理を手伝うことを条件に海軍の仕事の何割かがまわされたのだろう。

「……とにかくそういう訳で、今日は宜しく頼む」
「おっけー☆まかせといてよ、あたし料理得意だから♪」
「ああ。グロウ一人に任せていては間に合わない可能性もあるし、
 なにより疲れすぎて仕事に使えなくなっては困るからな」

『大変だから』という台詞が出てこないのが彼らしいというか何というか。
とりあえず彼らは厨房に向かった。
そこで彼等がみたものとは………!?Byレポーターの覇王将軍ノーストさん(謎)

「あ、海王様、いらっしゃいませ。覇王様、料理は、あと、3割くらい、で、完成、です」
「……グロウ……何時も思うのだがもう少し速く話せぬのか?」
「え、遅い、ですか?これでも、結構、早口に、言っている、方、なのですけど。
 でも、覇王様が、そう、仰るなら、もうすこし、頑張って、みますね」
「………ああもういい。それより海王殿が手伝いに来てくれた」
「はぁい☆グロウ君♪相変わらずかわいーねー☆」
「……ではここはまかせ…………!?
 グロウ、何か焦げ臭い匂いがするが、これは一体…………!?」
「ああ、それは、多分、今、作っている、料理が、焦げている、匂い、ですよ。
 近くに、油も、あるので、急がないと、ここが、燃えて、しまいますね」
「えー勿体ないなぁー」
「………ってちょっと待てェ!?今何か変な音が………」
「きっと、隠されていた、爆弾に、火が、ついて、しまったのだと、思われます」
「何故そんな物がここにかく……………!?」

どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!

後方で派手な爆発音がしたのを聞いて、覇王神官ダイと覇王将軍二人はあわてて厨房に駆けつけた。
をぃ………こんなんで本当に大丈夫なのか?

☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆

……始めは忘年会兼新年会の予定だったのですが、ぼーっとしてるうちに
年明けてしまってこうなりました。
ではでは。皆様良いお年をお過ごし下さい。

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13037★魔族達の新年会・入場編723 E-mail URL1/4-11:02
記事番号13036へのコメント

723です。
今回やたらオリキャラが多くて何故か一番メジャーな高位魔族のゼロス様とシェーラさんが出ていませんが、
2話目どうぞ。

☆☆☆★★★魔族達の新年会2001in覇王宮!〜入場編〜★★★☆☆☆

「海王さまぁー」
「ダイ――」
「誰かいませんか――?」

「あれ、誰か来たかと思えばお前等か。ま、入れよ」

訪れた3人の客を、ノーストは覇王宮に迎えた。

「あ、みんなー☆来たの。やっほー☆」
「きゃー海王様ぁーv会いたかったですぅvv」
「ダイー久しぶりぃー」
「ジェリアー。クリスマス遊べなくてごめんねー」
「海王様、海神官海将軍、只今到着致しました」

――海神官ミルフィ―。海将軍ジェリア。そして海神官シャロウ。
全て海王ダルフィン直属配下の魔族である。

「よぉグラウ………ってお前なんだその傷は」
「ああ魔竜王殿………よく来たな。それより獣王はいないか?」
「ん?ゼラスなら向こうに………」
「はろー覇王。来てあげたわよ」
「………ずえぇぇぇらあぁぁぁすぅぅぅぅぅ!!」 
「な、何よ、いきなり顔近づけないでよね、気色悪い!」
「貴様だろう、うちの厨房に爆弾なぞ取りつけたのは!」
「はァ!?何言ってるのよ、何を証拠にそんな事…………」
「とぼけるな!精神世界広しと言えど、覇王宮に爆弾しかけるような魔族は、貴様しかおらん!」
「人のこと棚に上げておいて良くそんな事言えるわね!この前獣王宮の食堂に地雷しくんだの、あんたでしょ!?」
「どっちが棚に上げている!?この前私が仕事で仕方なく貴様のところに行ったときも、緑茶に砂糖入れてだしただろうが!」
「あぁら、その前にコーヒーに塩を大量に入れて出してくれたのは、どこの誰だったかしらね!?」
「…………お前等な…………」

『本当に魔王の腹心か?』という気力すらおきないくらい子供じみたことをやっている同僚に、
どう声をかけて良いかわからず魔竜王ガーヴはただ呆然とした。
すると、もう一人の子供じみた腹心がやってきた。

「やっほー♪あ、ガーヴ♪何ぼけーっとしてるの?好きな人でも出来た?」
「ああフィブ………あれ、何とかならねーか?」

ガーヴが指差す先にいる覇王と獣王は、既に放送コードに引っかかるような発言を繰り返している。

「へェどこどこ………ってガーヴ………君………」
「なぁ、だからあのグラウとゼラスの野郎をと………」
「やぁっぱりそぉいぅ趣味があったんだね!?」
「な、何をどう勘違いしたんだよ、俺にどんな趣味があるって………」
「女装癖があるって噂も聞いてたけど、同性愛主義者だって話は本当だったんだ!
 しかもよりによって、何であんな肉体労働しか能のない戦争主義の剣術バカを………
 うわーん、ガーヴの馬鹿ぁ〜!」
「だぁぁ、俺が何時ンなこといった!俺は別に女装趣味もねーしホモでもねーよ!
 っつーかその悪口、本当はグラウじゃなくて俺に言ってやがんだろ!?」
「ちょぉぉぉっと!?ガーヴ!さっきっから聞いていれば!」
「げ、だるふぃん!?」
「グラウちゃんはあ・た・し・の彼氏なんだからね!手ェだしたら苛めてやるから!」
「そうだよ!ガーヴは僕のオモチャだもん!あんな奴にあげないから!」
「おもちゃじゃねぇ!!」

「まぁまぁ、お茶でもいっぱいどうですかのぅ、ラルタークはん」
「これはこれはすまんのぉ、クラリス殿」

「相変わらず覇王様も魔竜王様も素敵ねぇ。ゼロス君とかノースト君やグロウ君も捨てがたいわぁ。
 そーいえば魔竜王軍に新しく入った竜神官君が美形らしいわね?」
「ジェリア………その男好きなんとかなんないの?」

「ああ、海王様ぁv素敵ですぅvv」
「…………相変わらずのマザコンぶりねぇ、あの娘(こ)」
「そーなんだよフル―テ。仕事中もあの調子でさぁ」

「ゼレーン…………愛してるよ…………v(きらきら)」(←獣神官の配下魔族A)
「私もよ……………ゼロガディス………v(きらりんこ)」 (←同じくB。……なんだかもうわけわからん)
 
………とりあえずメンバーはそろった。
あと問題なのは、何時になったらはじめられる状態になるか、ということだけだ。  
☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★

取り合えず今出来ているのは本当にここまでだけです(汗)

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13038注意。723 E-mail URL1/4-11:06
記事番号13036へのコメント

>……始めは忘年会兼新年会の予定だったのですが、ぼーっとしてるうちに
>年明けてしまってこうなりました。

新年会なのに準備が年末になっているのはこのためです。
大晦日に準備されて1日に行われるとでも思ってくださると有難いです。

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13044★魔族達の新年会・開会編723 E-mail URL1/4-16:45
記事番号13036へのコメント

今さっき書いたものです(爆)

★★★☆☆☆★★★魔族達の新年会2001in覇王宮!〜開会編〜★★★☆☆☆★★★

「うっしゃああ!派手にいくわよン☆」
「………飲みすぎじゃな………」

……皆が集まってからさらに3時間後。
よーやくはじまった新年会は、多いに盛り上がっていた。

「どんどん、食べて、くださいね♪」

覇王神官グロウと海王ダルフィンの作った料理は、次々と無くなっていく。

「………うん。相変わらず美味いな、グロウ」
「えへへーvそれ、あたしが作ったのー☆」
「え?……あ、あぁ。すまん」
「いーのいーの。それよりどんどん食べてよ♪」

「あ、シェーラお帰り。……新年会だってのに仕事なんて、ついてないな」
「はひー。……もぉ、これから盛り上がってやるんだから」
「うん。じゃあ俺、料理はこんで来るから。シェーラは遊んでていいってさ」
「ノースト……やっぱりあなたも大変なのね………」

それも覇王将軍の宿命というかなんというか。

「ねー僕にもお酒ちょーだーいv」
「お前はまだガキだろーが」
「ひどーい。僕もう子供じゃないもん!」

と、普段『僕まだ子供だもん☆』とかいってるくせに、
全然説得力のないことを言う冥王。

「わーいありがとー♪」
「だから、やらねーってぱ!」
「いーじゃん別にー。ちょっと減るだけなのにさ。ケチ!」
「……わかった。やるから絶対に他の奴に飲ますなよ」
「うん。………一昨年すごかったもんね」

二年前の新年会in海王宮―――。
酒に関してだけでなくとにかく色んなことが起きて大変だった。
多重人格な海王や、獣王の酒乱はまだ覚悟していたのだが。
……これ以上思い出したくなくなって、二人は話すのをやめ、無言で頷く。
しかし、その話しを運悪く聞いてしまった獣神官ゼロスは、寒気がして思わず身震いしてしまった。

「あらゼロス寒いの?」
「……いえ……大丈夫です………」
「無理しないで、ほら、こっち来なさい。
 本当に寒すぎるわよ、ここは!覇軍の奴等どーゆー神経して過ごしてるのかしらね?
 ゼロスが風邪ひいちゃったりしたら、どうしてくれるのよ!?」
「………獣王様………」

……結局どこでもイチャつくんか。あんたらは………。

ととりあえず。そんな会話が続き、そろそろ出し物の方にうつろーかという、そのとき。

「こんにちはー」

明らかに今までこの場にいた誰のものでもない声がした。
しかもそれは、その場にいたうちの何人か――否大半が聞き覚えのある物だった。
――懐かしい、優しい声。

「……って赤眼の魔王様!?」
「きゃーんふぃぶりーん久しぶりですーv」

と訪問者は問答無用に冥王を抱き上げる。

「な、何故貴方がここに!?」
「グラウも相変わらず可愛いですね―v」

男は覇王のほうに移り、その頭を撫でた。

「ガーヴーv元気にしてましたか〜?」
「だぁぁっ!?いきなり頬擦りすんじゃねぇ!」

その光景を見て、一同は何が何やらわからない状態でいた。

☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★