◆−魔槍伝承談,3−CANARU(1/10-19:23)No.13126
 ┗クラゲが増えた・・・(笑)−P.I(1/11-23:14)No.13136
  ┗たはは〜〜(笑)−CANARU(1/12-12:39)No.13139


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13126魔槍伝承談,3CANARU 1/10-19:23


デカい声出しゃ〜ぁ雪崩も起こる・・・・・・・。
ついでに言えば無闇滅多に慌てれば・・体力消耗して馬鹿を見る。
・・・・・・・・いわば・・冬山の常識って奴でしょう・・・・。
え・・・・・・・・?
じゃあ・・見事・・その法則にハマってしまったらですって・・・・・・?
答えは明確・・・・・・・・。
遭難して・・・・こ〜なるんだな・・・コレがって・・・・!!
笑い事じゃない!!!!!
我に帰ったリナは隣でうつらうつらとしているお坊ちゃまこと、ガウリイに
渾身の往復ビンタを思いっきりお見舞いする!!
ぼしばしっどきゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んん!!!
「・・・いてぇ・・・何すんだよお〜〜〜」
「でえええ〜〜〜い!!鼻血たらしながら腫れた頬撫ぜながら泣くな〜〜〜!!
つ〜か、あんた、このまま寝たら確実に凍死よ?ちったぁ〜感謝して欲しいわね。」
そう言ってリナははあ・・・っと再度息をつく。
そもそも・・・自分ひとりならこんなヘマやらかすこともなく・・・・・・・。
100歩譲って遭難したとしても・・こんな体力を消耗する馬鹿な真似しでかす
ハズは決してありえないのだった・・・・・・・・・。
・・・そもそもの始まりは4時間か5時間前のことである・・・・・。
「カルタゴへ来い。」
その宣戦布告ともとれる言葉を残して消え去った・・・・。
リナ自身は良く知らないが、従兄弟のハンニバルの宿敵(らしい)スキピオとか言う
ガウリイのもはや『追われた』といっても過言ではない故国アモーロの刺客・・。
その男が言い残したその言葉を受け立って・・・・・・。
『永久零度』といわれるピレネー山脈の一帯を越える事となったのだが・・・。
そもそも・・・・・・・・。
その為の『奇策』が敗因の一因、遠因、い〜〜や!!絶対に原因である!!


「このままマトモに大国・・カルタゴに攻めていってもなあ・・・。」
一応超大国、アモーロ帝国の帝王学を受けた(しかし、何処まで彼がマトモに聞いて
いたのかは・・まったく眉唾物である)ガウリイがリナ達の部族・・「大烏団」
の総戦力を見回しながら言う。
「大丈夫。ハン兄ィが『奇襲』作戦練ってるらし〜わ。永久零度の山を越える
ってのもある意味そ〜でしょうけど・・・・・。」
あくまでそう指定したのはスキピオである。
暗黒大陸にあるカルタゴは・・・・・海路をとれば今ここに居る場所からはすぐ・・とまでいかないがかなり近い距離であった。
最も・・カルタゴの艦隊が常に睨みを効かせている・・と言うのも否定できない
事実なのだが。
・・・・何か・・どちらにしても裏があることは間違い無さそうね・・・。
そんな事を考えながらリナは魔槍『ゲイボルグ』の刃をそっと研ぎ始める。
「・・・へえ〜〜そ〜やって手入れするんだ・・・・。」
そんな姿を眺めていたガウリイが感心したようにリナに言う。
「・・・あんたね〜・・・。一応聖剣『エクスキャリバー』の持ち主でしょう?」
ど〜せ彼は『お坊ちゃん』だから・・・と分かっていながらも一応ガウリイに
突っ込みを入れる。
・・・・・・・・・・・・そういえば・・・・・。
あのスキピオはガウリイを『アーサー』そしてリナを『ク・ホリン』の末裔・・。
そう呼んでいた・・・・・・・・・。
どんな意味、はたまた意図があるのかはまったく分からないのだが・・・・。
既に思考を別のところに飛ばしているリナの前に不意にひょっこっと生えてくる影!!
「当たり前です!!ガウリイ様の剣、武具のお手入れはぜ〜〜〜んぶ僕が
やらせていただいていましたから!」
「おお!!オマエがやってくれてたのかあ〜〜ゼロス!!いやさ・・俺・・・。
剣も盾も槍も・・弓矢も・・み〜〜んな武器ってさ、汚れても勝手に綺麗になる
モンだと思ってたぜ!!ははは〜〜♪」
君主のその一言に・・・・。
ピキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキ・・・・・・・・・・・。
完璧に化石化するゼロス。
「・・・可哀想に・・まさかここまで無知とは思ってなかったんですね・・。」
何時の間にかひょっこりと現れたアメリアが化石になったゼロスを軽く蹴っ飛ばしながらそう呟く。
「いや・・無知以前の問題だとおもうぞ・・・。俺は・・・・・・。」
そんなアメリアにすかさず突っ込みを入れるゼル。
「・・て、ゆ〜か・・・。教育の問題よ。教育の。」
これお坊ちゃまの生活習慣を知ったらダメージを受けるのはこっちのほうだと
さっさと判断したリナはこの話を切り上げるようにそう言う。
「リナ〜〜リナ〜〜〜リナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
「何よ!!煩いわね!!」
再び凍りついたままちっとも動く気配の無いゼロスから視線を逸らし、手元の
槍の手入れに没頭し始めたリナのケープをガウリイが引っ張り・・・・。
「アレ・・・なんだあ〜〜〜〜??」
クイクイクイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・・・・・ぞう・・・・・・・・・・・・・・・(汗)・・・・。」
「・・・・・・・ぞう・・・・だな・・・・・・・・・・・・。」
「ぞう・・・ですねえ・・・・・・・・・・・・・・・。」
その巨大な影を見上げ・・リナ、ゼル、そしてアメリア・・・・・・・・。
「そっか〜〜♪あれが象かあ〜〜♪すっげぇなあ〜〜〜♪」
いや・・別・・珍しいモンでもないけど・・・・・・・・・・・・・。
「だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!
何でこんなに大群でやってくるのよおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


「何考えてんのよおおおおお!!このハン威張る!!」
「・・・ナンだよ・・・。その『ハン威張る』って・・・・?」
リナの絶叫に早速象に乗ったままの姿勢でハンニバルが抗議する。
「・・・ふ!!単なる文句の言葉よ!!て、ゆ〜か、タイプ誤植でこ〜打つと、
こ〜変換される!!それだけよ!!」
「・・・・ナンだよ・・そのタイプと変換と・誤植って・・・(汗)」
リナの訳のわからない理屈に一々突っ込みを入れるハンニバル。
「まあ・・・可愛い象さん・・・・・・・・・・・・。」
「ええ〜〜?可愛くはね〜〜ぜ?でも・・すっげえなあ・・・・・・。」
バチバチとしているリナとハンニバルを尻目に喜ぶヴァノッツァ&ガウリイ!!
「この象の大群が『奇襲』の作戦なんだよ!!この大群を引き連れて永久零度の山を
超えてカルタゴ本土に迫る。ま、この象も平地に着けば有効な武器になるぜ?」
「・・・ま、楽しければ何だってい〜じゃね〜か〜。」
ハンニバルと父親にそういわれてはさしものリナも文句のつけようも無いのだが・・。
「ぢゃあ・・この幼稚園児の面倒はハン兄ィ&と〜ちゃんが見ることで決定!!」
ビシ!!!!!!!
「まあ・・林檎・・食べたわ・・・凄い・・・・・・。」
「へぇ〜〜象さんって・・泥水が大好きなのか・・。よっし・・俺も・・〜♪」
「ああ〜〜〜!!ガウリイさま!!服が汚れますよおお!!やめてくださいいい!!」
リナが指差した先にはやっぱりはしゃいでるとしか思えないヴァノッツァ・・・。
そして完璧に童心に返っているガウリイ・・それに苦労するゼロス・・・・。
「・・・俺・・餓鬼の面倒見るの苦手だからパスだ。おう!!ハンニバル。
貴様一人であいつら三人面倒みろや。」
真っ先に逃避するリナ父!!
「頑張ってください!!ハンニバルさん!!」
「ま・・人生そんなモンだ・・・。諦めろ・・・・・。」
さらにアメリア、ゼルまでもが完璧に涙を流している彼に全部を押し付けるのだった。


「あああ〜〜〜!!ヴァノッツァね〜さん!!そんなところに疲れたからって座り込まないでください!!ゼロスさん!!泣きながら進むと木に・・遅かったですね・・。ぶつかりましたか・・・・・(汗)」
かれこれ数時間・・・・・。
永久零度のピレネーを象を使って越える・・という作戦以上に無謀な時間・・・。
ヴァノッツァ、ゼロス・・そしてお坊ちゃまガウリイの面倒を見る・・という
厄介ごとを押し付けられたハンニバルの疲労はピークに達していた。
・・・無論・・『別の意味』でであるが・・・・・・・・・・・・。
「あれ〜〜?リナさ〜ん。ガウリイさんは?」
どうやらハンニバルの監視の目も届かなかったらしい。
何時の間にやらこの辺近辺にさっきまで居たのにガウリイの姿が見当たらなくなっている。
「・・・あら・・本当・・・・・・。」
今更気付いたリナに対して・・・・・・・・。
「オマエの拾ってきたモンだろ・・。最後まできっちり面倒見ろや・・・・。」
半ば呆れた声で父が弱点を言う。
「・・・分かったわよ・・ったく・・最近口やかましいわよ?クソ親父・・・。
って・・・ガウリイ!!!!!!????????」
その時リナが見たモノは・・・・・・・。
行列の後方近辺、最も獰猛な大きな象によいしょっと足をかけ、よじ登ろうとしている
ガウリイ!!!?????
「ちょっと!!!!何やって・・・・・・・・・・・・・・」
リナが言葉を全部言い終わるよりも早くであった・・・・。
案の定、こ〜ゆ〜動物に乗る、と言う事に離れていなかったのだろう・・・。
見事にバランスを崩し、象から落下していくガウリイがようやっと確認できる。
最後尾に居ながらリナの居る位置でガウリイが確認できたのはひとえに彼の振り落とされた象の巨大さ故に・・と言っても過言ではない。
「うおおおわあああ!!!!!??」
あの馬鹿・・ど〜やら・・雪に滑ってどっかに落ちたわね・・・・・・・・・。
そう思ったリナは大急ぎで行列の最後尾に走りぬけ・・・・・・・・。
「お〜〜〜い!!リナァァァァ!!!」
見事、雪に滑ってすっこけて、寝転んだ体勢のまま此方を見上げているガウリイを
無事(?)発見する・・・・・。
「何やってんのよおおお!!この馬鹿!!!!!」
「ひでええ〜〜〜(涙)リナが馬鹿っていたああ〜〜〜(涙)」
「だああああああああああああああああああああ!!!煩い!!一々嘘無き
すな!!じゃあ言い直すわよ!!このく・ら・げ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
二人の絶叫がピレネーの永久零度の雪山に響き渡り・・・・。
「ねえ・・おぢさま・・雪山って・・おおきなこえ・・・だしちゃいけないって・・ヴァヴァノーね・・ハスちゃんに・・おしえてもらったことあるの・・・・・。
リナちゃんと・・ガウちゃん・・ものすっごくおっきなこえだしてるわねえ・・」
緊張感の無いヴァノッツァの一言に・・・・・・・ハっとしたようにリナ父は。
「おい!!オマエら!!雪山ででっけぇ〜声、出してンじゃね〜〜〜よ!!!
良いか!!雪山ででけぇ声出すと・・・・・・・・・」
ざざあざざざざざあざあざあざざざざざざああざざざあざあざざざざ・・・・・・。
「・・・雪崩が起こるぞッって・・あ・・・も〜遅かったかよ・・・・・。」
「だあああああああああ!!クソ親父!!!アンタが一番でっかい声で怒鳴ってりゃ〜世話無いわよ!!!」
リナの発した抗議の声も・・・口の中に入り込んだ雪でかき消された。
どうやら・・被害にあったのは丁度雪崩の直線上に居たリナとガウリイだけらしい。
かくして・・・・・。
「すぴ〜〜〜すぴ〜〜〜すぴぃぃぃ・・・・・。」
「ねるなああああああああ!!!(びしばしっどっきやあ〜〜〜〜ん!!!)」
リナとガウリイ。リナのみ命がけのサバイバルの時間が経過して五時間たったのだった。


「其処に居るのは・・どなたです・・・??」
なじみの嘘泣きしながら無意味にリナに甘えてくるガウリイを再度引っ叩き・・。
再度雪崩が起きる恐れがあったため大声で怒鳴れない悔しさをリナが噛締めていたその時だった。
不意に見える・・ランプの炎の明るい色・・・・・。
そして・・若い女の人の声・・???
様子からして・・・『カルタゴ』の女性である事は疑いが無い・・・・・・。
そんな事を思っている間にも、お気楽なガウリイの分も頑張ったリナの意識は
安心したためか、急に朦朧としてくるのだった・・・・。
「おい!!リナ!!」
「・・・駄目ですね・・こ〜ゆ〜時は・・貴方がしっかりしなくちゃいけないのに・・。」どうやら・・大方の状況を見て取ったのだろう。その女性はため息交じりの声でガウリイにそう言う。
「・・あんたは・・・?」
リナを負ぶさりながらガウリイは彼女に質問する。
「・・私は・・・カルタゴの女王ディドの妹・・アンナと申します・・・。
貴方はともかく・・其方のお嬢さんは・・・『大烏』の方とお見受けしました。」
軽く微笑み、敵意の無い事を示しながらアンナはリナとガウリイに言う。
「・・どういう・・こと・・・・・・・・・?」
朦朧とする意識をつなぎとめながらリナはアンナに尋ねる。
「・・ともかく・・わたくしと一緒にカルタゴの街にいらっしゃってください。
貴方の従兄弟さまや父上様・・お仲間もお待ちになっております。」
軽く会釈しながらアンナは二人に一つの方向を示しながら言う。
「リナ・・・・・・・・・。」
おぶさったままのリナに視線を向けてガウリイが尋ね・・・・・。
辛うじて残った意識でリナは強く彼に頷いて『行く』と言う意思を示すのだった。


「お〜。やっぱり俺の娘だな・・・。殴っても蹴っても、包丁でブッ刺しても毒薬飲ませても死ななかっただけあるなあ・・・。」
「煩い!!このクソ親父〜〜〜〜!!」
どうやら・・ガウリイの方が意識こそ健在だったもののヤワに出来ていた事は確からしい。
まったくもって無傷なリナに対して彼には所々凍傷が見受けられる。
「・・・なんだか・・ムカつくわねえ・・・・・・。」
そうは言いながらもリナはせっせとお坊ちゃまの凍傷に薬を塗ってやる。
「当たり前です!!ガウリイ様はあなたとは違って繊細にできていらっしゃるの
ですから!!」
何処からとも無くまたまた沸いて出たゼロスの口にリナはぽいっとさっきまでガウリイに
塗っていた凍傷用の薬草(飲むと苦い、多分毒薬の成分もあるだろう。)を放り込んでやる。
無論・・・その苦さにのた打ち回るゼロス・・・・・・・・。
「けどよ〜リナ・・。カルタゴは敵じゃなかったのか?」
汗を軽く浮かべつつ、リナの手当てを受けていたガウリイはそう聞いてみる。
「それが・・問題なのよね・・・・・。」
この態度の違い・・・・・・。そんなことに考えを巡らせている間にも部屋の扉が
開け放たれ、先程のアンナ・・そしてもう一人の美しい女性が部屋に入ってくる。
おそらく・・このカルタゴの女王ディドだろう・・・・・・・・・。
話に寄れば、もともとこのディドはテュロスの女王だったという・・・。
しかし、何らかの理由でこのカルタゴの土地にやってきて・・・。
今ではそのテュロスの地は彼女の兄、ピュグマリオンが統治していると言う。
「ク・ホリンの末裔・・。リナさまとお見受けしました・・・・。」
考え事にリナが没頭している間にも、彼女・・ディドは膝を折り、やおらリナの
前に跪く???
「おいおい・・女王・・うちの馬鹿娘にンな事されちゃ〜困るんだが・・?」
未にひ〜ひ〜言いながら床を這いずり回るゼロスを蹴っ飛ばしつつリナ父。
「いいえ・・・。私を・・なにとぞ・・お救い下さいませ・・・・。」
「恐らく・・あなた方をココまで呼び寄せたのは・・。私たちと敵対する暗黒大陸の王・・イアルバスの仕業に相違ありません・・・・。」
ディド、それに続いてアンナが状態を理解できないままでいるリナにいう。
いい気になったガウリイが膝に凭れ掛かって休憩しているのも気にせずリナは・・。
「つまり・・その貴方たちに敵対するイアルバスってぇのが・・・あたし達に
この国を攻め込ませて・・自分の手を汚さずに戦争に勝とうとしたって事?」
・・・・彼女たちの言っている事を信じるとすれば・・・・・・。
恐らくスキピオとそのイアルバスとやらは手を組んだ・・あるいは従属関係にある
と考えてまず間違いは無いだろう。
「ええ・・。正確に言えば・・彼は姉上との結婚を望んでいるのです・・・。
そして・・このカルタゴを吸収するのが最大の目的・・・・。」
恐らく単なるお飾りっぽいお頭の足りない美少女タイプの姉よりも・・・。
この妹アンナの方が頭は切れるらしい。
「ねえ・・リナちゃん・・つまりは・・・そのイアルバスって悪い人やっつけちゃえばいいんでしょう・・・???」
状況を分かっているのか分かっていないのか・・・。
ほとほと疑問ながらヴァノッツァが三人の会話に口を挟む。
「ええ・・まあ・・そう・・ですけど・・・・・・・・・・。」
要点を突いたその一言にとりあえず当たっているので・・という所か・・・。
生返事ながら肯定的な返答をするアンナ・・・・・。
「なら・・悪い人・・やっつけるのって・・油断させるのが・・一番ね・・・。ハスちゃんが・・いっつもそ〜〜いってたわ・・・。えっと・・なんていったっけぇ・・・。
『その手段が有効である場合は悪事も許される』とか・・・・・・・・。
そ〜ゆ〜こといった・・思想・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・マキャベリスト・・・・???」
「そう・・マキャベリスト・・だったわねえ・・・そうそう・・・。」
かくして・・である。


「なあ〜〜・・なんでリナが・・なんだよ〜〜〜!!」
不満そうな声でガウリイがそう言う。
「馬鹿ヤロ〜!!イザって時にか弱い普通のお嬢さんにナンかあったらど〜しやがる!」
そう言うリナ父・・・・・・・・。
カルタゴ側は本日、『イアルバス国王との婚姻に応じる』といった内容の新書を暗黒大陸の国王にそう書いて送ったのだが・・・・・・・。
言うまでも無い、コレは立派な『偽装結婚』なのである・・・。
無造作にディドの代理として花嫁衣裳を纏ったリナはガウリイの不満の視線も
完全無視し、足を投げ出し頭の後ろで両手を組む。
「リナさ〜〜ん・・下品ですよ〜〜〜・・・。」
投げやりに組んだ足、視線も少し不機嫌そうであるリナにアメリアが一応抗議する。
「う・る・さ・い!!あたしはこ〜ゆ〜動きにくい格好きらないの!!」
「・・ま・・。オマエが『魔槍』ゲイボルグを持ってないと安心できない事は
知ってるけどさ・・・。コレも人助けだぜ・・?」
不満そうなガウリイとは打って変わって落ち着き払った様子でハンニバルは籠に乗った
リナの代わりに魔槍を持ちながらそう宥める。
「・・・それだけじゃないわ・・・。ど〜も・・今ひとつ腑に落ちないのよ!!」
「・・またオマエさんお腑に落ちないが始ったなあ・・・・。」
あいも変わらず不満そうなガウリイがリナに言う。
「・・まあ、ね・・・。けど、あたしの『腑に落ちない』の予感、悪いけど一回も・・・。」リナがそう言い掛けたその時だった・・・・。
「リナ殿!!!」
不意に同行していたアンナが動き、リナを狙っていた弓矢を見事に全部払い落とす!?
「・・・・な・・・・・???????」
「どうしたんだ・・・?」
払うだけ矢を払い落としておき、驚愕の声をあげるアンナにゼルが尋ねる。
「・・・この矢・・イアルバス王の・・『暗黒大陸』の王国のものではない・・・。
まさか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
不意にアンナの気配に焦りが生じる・・・・。
その気配を見逃すリナではない。
すぐに足元に転がっている彼女の払い落とした矢を拾い上げ・・・・。
「・・・これって・・テュロスの矢よ・・・・。」
この紋章は・・遊牧中何度か立ち寄った港町・・巨大都市でもあるテュロスの紋章。
見間違えるはずは絶対に無かった。
「リナ!!!」
集中的にリナを狙ってきたイアルバス・・いや・・テュロスの軍勢からリナを
庇うかのように聖剣『エクスキャリバー』を抜き放ち、奮戦するガウリイ!!
「く!!!!!」
そのうちの一人の将軍風の男は・・かなりの使い手であることは疑いの無い。
がいいいいいいいいいいいいいいいいいいんん!!!!!
腕ならガウリイとはっきり言って互角。
しかし、あくまでも『経験値』の差はどうしようもないハードルとなってガウリイに
立ちふさがっている!!
「・・・だ・・・・。」
微かに腕を傷つけられ・・必然今後の攻撃のパターンにも支障を生じてくる。
「ガウリイ!!!」
籠の中に居ながらもガウリイの窮地を悟ったリナは既に他の連中と交戦せざるおえなくなったハンニバルが投げ出した魔槍『ゲイボルグ』を放り投げる!!
咄嗟の判断でリナはそれを引っ掴み、借り物と分かりながらもドレスの裾を破り捨て、
ザ!!!!と魔槍を構えるに至る!!
「ったく!!世話かけさせて!!!」
言うなりリナは近くの敵に攻撃をしかけるが・・・・・・・・・・・・。
「後ろだ!!!!!!!!」
ガウリイの叫びに後ろを振り返るが・・・・・・・・・・・・突如目に入ったものは。
先程までガウリイと切り結んでいたあの将軍!!!??が・・・・・・・。
「やめてえええええええええええええええええええ!!!お兄さん!!その人はお姉さまじゃないわあああああああああああ!!!!」
アンナの絶叫がその動きを止める・・・・・。
その一瞬の隙を突き、ガウリイがその将軍に思いっきり当身を食らわす・・・・。


「姉がこの土地・・カルタゴにテュロスから来たのは・・・。この兄・・・。
ピュグマリオンの嫉妬により・・・夫を殺され・・そして王位を剥奪されたことからでした・・・・・。真坂・・・ここまで・・・・・・。」
アンナとて、姉、ディドの暗殺を企んでいたのが遥か遠く、テュロスに居る兄、ピュグマリオンではなく・・暗黒大陸の帝王・・イアルバスだと思ったのだろう。
今はすっかり気を失って伸びているこのピュグマリオンだが・・・・・・。
「とてもそんな度胸のある男には見えないな・・・・・。」
まじまじとピュグマリオンを見遣りながらガウリイはそう呟く。
「ええ・・・。ある日を境に・・兄は急に変わったんです・・・。けど・・・・。」
その理由はアンナにも分からない・・と言った所か。
「リナ・・・・???」
ふっと様子が可おかしいリナに気付いたガウリイは其方の方向に視線を向ける。
「な・・・・・・・・・・・???????」
次の瞬間目にしたものは・・・・・・・。
「カルタゴの街が・・・・・・燃えている・・・・・・・・・・。」
ただただ・・漠然と事実を言う事しか・・今のリナには出来ない・・・・。
「なんつ〜事だ・・・・・・・・・・・ったく。オイ、ガウリイ、其処にひっ転がってる奴をたたき起こせや!!」
リナの父にそう急かされ、ガウリイは途方にくれながらも伸びているピュグマリオンに思いっきり蹴りを入れてみる。
「おい!!!!」
「・・・・・・う・・・・・・・・・・???」
やっとの事で意識を取り戻したピュグマリオン。
「・・・兄上・・どう言う事なのです・・?これは・・・?」
怒りとも絶望言える声で、兄に問い詰めるアンナ。
「どうこもうもない・・・アモーロの・・・・・・・・・・・・。」
ピュグマリオンの言い終わらないうちにそんぼ出来事は起こった・・・・・・。
「・・・・・名称から言って猛毒のドクニンジンね・・・・・・。
恐らく・・暗示か何かでここまでもたされていたんでしょうけど・・・。彼の体は
もうとっくに感覚が無くなっていたんだと思うわ・・・・・。」
既に動かなくなったピュグマリオンの脈をはかり、首を左右に振りながらながらリナ。
「一体全体・・誰が何のタメに・・・・か・・・・?」
その様子を見ながらガウリイがやっとそうとだけ言葉を発する・・・。
「・・分かってるのは彼の最期の言葉・・・。アモーロの何者かが・・って事
だけね・・・。まあ・・・大方の・・・。」
検討はつく・・そうリナが言おうとした矢先だった!!
「お姉様!!!!!!!!!!!」
絶叫しながらアンナが燃え盛るカルタゴのほうにピュグマリオンの乗り捨てた馬で向かって行こうとしている姿・・・・・・・・・。
「・・・・どうする!!?」
「・・・追うしかないでしょうが!!!!!!!」
ガウリイの質問に単純明瞭な返答をしながらリナも馬を捕まえカルタゴに向かう!!
上手くすれば・・・今回の騒動をしかけた「黒幕」に出会えるかもしれない・・・。
そんな思いを抱きながら・・・・・・・・・・・・・・。


カルタゴの都市は半ば焦土と化していた。
「マズイな・・・しかもこんな短時間で・・・・・・・。」
「さっさとアンナさんと・・ディド女王を探してズラかった方が利口かもね・・・。
流石に一寸計算が狂ったわ・・。今回ばかりは深追いは禁物ね・・・。」
何時に無く焦りを含んだ口調のリナ・・・。
「どうかしたのか・・・・????」
理由を聞いてくるガウリイに・・クイっとリナは顎で丘の方向を示し・・・。
「・・・・・新手の軍勢が待機してるってか・・・・・・・。」
炎の影から見え隠れする一隊を眺め、ガウリイもわずかに焦りの色を浮かべる。
さしあたり・・・今は・・二人を探す事が先決・・そう思われた矢先だった・・・。
「お姉様!!!??」
今にも崩れかけそうな・・炎に包まれた建物に向かって行こうとするアンナ!!?
「あそこにディド女王が!!?」
すぐさまその後を追おうとするリナをガウリイが不意に止めにかかる。
「・・・変な気配がする・・いやな予感がするぞ・・・。とりあえず・・アンナさんを
止めて様子を見よう・・・・。」
なかば直感的なものかもしれないが・・・このガウリイの様子は尋常ではない・・。
そういえば・・あの男も「アーサーの末裔」とかいっていたし・・・・・。
「分かったわ・・・。」
今は・・その指示を信じてみよう・・・。そう思いなおし、リナはアンナの腕を捕まえて・・・。その建物の中を追いついてきたガウリイと三人で覗きこむ。
「・・・・・貴方・・貴方のですか・・・???」
炎の中・・もう一人の何者かに向かって話しかけているディド・・・・???
「・・・・スキピオ・・・・・!!???」
ディドの話しかけているその男は・・間違い無い。あのスキピオである・・・・。
驚きを隠せないリナとガウリイ・・・。しかし・・アンナは間違い無くそれ以上の
反応を示している・・・・・・・。
「・・・・お・・義理兄様・・・・???????」
明かに驚愕した視線・・そして声・・・・・・・・・・・・。
「・・・お義理兄様って・・・・・・。」
ディドの夫・・テュロスの王は・・あのピュグマリオンによって殺された筈・・。
だが・・・・・・。
「・・・ご苦労だったな・・・。ディド・・・・・・・・・・・・・・。」
言うが早いか・・未だに恍惚とした様子の女王に剣をつきたてようとしている!!?
が・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「間に合わない!!!」
一応の事を考えて距離を取ったのは正解かもしれないが・・・こんな事で裏目に
出るとは・・・・・・・・・・・・・・。
必死で崩れ落ちる落下物を掻い潜り、ディドを助けようとするアンナ・・・。
無論、リナ、ガウリイも傍観しているだけではなく・・全力を尽くすが・・・・。
スキピオの抜いた剣が女王の喉元に刺さる、その時だった!!
「グ・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
やおら手首から血を流し、彼は逆方向を睨みつける!!
「・・・・・ハンニバルか・・・・・・・・・・・・・。」
・・・何時も知っている従兄弟ではない・・・・・・・・・・・・・・・。
喜びよりも・・リナがハンニバルをみて一番最初に感じたのはその事実だった。
「・・・もう・・誰も・・・貴様の犠牲には・・・・・・・・・・。」
辛うじてそう言い残し、その場にドサっと倒れるハンニバルを誰かがさっと支える・・。
「ク・・・・・・・・・・・・・・・。」
流石に状況を不利と悟ったのだろう・・・。此方の一瞬の隙をかいくぐってスキピオは既に何処へとも無く消え去っていた・・・・・。


「不審に思いましたのでね・・・。急にディド女王が私の求婚に応じた事を・・。」
ハンニバルを支えたのは・・恐らく彼が炎上するカルタゴ市内まで到着するのを
助けたのだろう・・・。
『暗黒大陸』の国王、イアルバス、その人だった・・・・。
「で・・アンタはど〜すんだ・・・?」
場違いな事を・・ようやっと炎から逃れた小高い丘についたとき、ガウリイが聞く。
「・・アンタねえ・・」
リナの呆れすら笑い飛ばし・・イアルバスは・・・。
「女王のお怪我が完治するまで・・気長に待ちますよ・・・。」
そ〜ゆ〜モンなのだろうか・・・・?リナの疑問もいざしらず・・大笑いしあうガウリイとイアルバス・・・・。
「結局・・カルタゴは燃えちゃいましたね・・・・。」
灰燼と化した町を眺めながらアメリア・・・・。
「まあ・・姉上も無事だった事ですし・・・。きっと・・・」
イアルバスとこの国を再建するだろう。それが・・アンナの直感だった。
「で・・だ・・・。今回の事件は・・やっぱり裏で『スキピオ』が絡んでいた・・」
この女王ディドの夫と成りすましていた理由・・・・。
ピュグマリオンの錯乱・・そして今回『イアルバス』ついでにいえば『カルタゴ』を
リナ達の敵と思いこませようとした訳・・・・。
「・・・ま。単なる錯綜を狙った事だろ〜けどよ・・・・。」
暢気にツリ竿を担ぎながらリナ父・・・・・。
「そうね・・・・・。」
ハンニバルの言動も・・一寸気にかかるところがある・・・・。
かくして・・この波乱万丈の旅は・・まだまだ続く・・といった所である・・・。


(続きます〜〜)




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13136クラゲが増えた・・・(笑)P.I E-mail 1/11-23:14
記事番号13126へのコメント

CANARUさん、こんばんは!
あ、それから、遅くなりましたけど、成人式をお迎えになられたそーで、
おめでとうございます!!・・・これからは堂々と飲めますね〜♪(おい!)
シリーズ3作目♪歴史上の有名人が次々登場してくるな〜♪うれしい♪♪
ガウリイとヴァノー姉ちゃん・・・・一人一人だったら結構カゲキなことも言う
この二人。でも会話させたらアモーロ幼稚園のたんぽぽ組さんともも組さん!!
(爆笑)
結構いいクラゲコンビですね〜♪ヴァノー姉ちゃんって実は廻の遠いご先祖
だったりして(^0^)
またしてもちょろっと暗躍するスキピオくん。ハン兄ちゃんと過去にどんな
因縁があったのか〜?親父はぢつは何か知っているのか?謎が明かされるのは
まだこれからですね〜。楽しみです♪

ディド女王は青池保子さんの漫画「カルタゴ幻想」(「サラディンの日」収録)
にも名前だけ登場します。発掘隊のスポンサーの憧れの女性なんですよ〜。
このスポンサー、自称スキピオの末裔・・・・(むっちゃ過言ですが・笑)
青池さんのニュースをもう一つ!あの名作「修道士ファルコ」が「メロディ」と
いう雑誌で新連載開始なのです〜♪♪今日ちょっと立ち読みしてきたら新作でし
た(大喜!)コミックスになったらぜひぜひ読んでみてください!!

それではまた〜!!

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13139たはは〜〜(笑)CANARU 1/12-12:39
記事番号13136へのコメント

>CANARUさん、こんばんは!
>あ、それから、遅くなりましたけど、成人式をお迎えになられたそーで、
>おめでとうございます!!・・・これからは堂々と飲めますね〜♪(おい!)
はい〜〜♪
しかし・・中学時代、本気でまとまりのない超個人主義クラスに
所属していたのですが・・・。
同窓会の手違いに5年たった今でもみんなが何ら変わりがないことを
つくずく痛感しました〜〜〜〜!!
手違いで参加できなかったでっす(シクシクシク・・・。)
うえ〜〜ん!!ガウリイ以下でっす〜〜!!
>シリーズ3作目♪歴史上の有名人が次々登場してくるな〜♪うれしい♪♪
はい〜〜♪
これからもどんどんいろいろな人、出したいです〜〜!!
>ガウリイとヴァノー姉ちゃん・・・・一人一人だったら結構カゲキなことも言う
>この二人。でも会話させたらアモーロ幼稚園のたんぽぽ組さんともも組さん!!
>(爆笑)
ですねえ・・・。
一応ヴァノーさんが年長さんで・・ガウくんが年少さんだったりします〜〜!!
もちろん、ゼロスくんが保父さんですね!!
>結構いいクラゲコンビですね〜♪ヴァノー姉ちゃんって実は廻の遠いご先祖
>だったりして(^0^)
ありえますうう!!
う〜〜ん・・隔世遺伝ってコワイなあ・・・・・。
>またしてもちょろっと暗躍するスキピオくん。ハン兄ちゃんと過去にどんな
>因縁があったのか〜?親父はぢつは何か知っているのか?謎が明かされるのは
>まだこれからですね〜。楽しみです♪
はい〜〜!!
ふふふ・・なんだかスキピオ・・当初の予定よりダークな
ひとになってしまってます〜〜!!
>ディド女王は青池保子さんの漫画「カルタゴ幻想」(「サラディンの日」収録)
>にも名前だけ登場します。発掘隊のスポンサーの憧れの女性なんですよ〜。
>このスポンサー、自称スキピオの末裔・・・・(むっちゃ過言ですが・笑)
おお!!
ちなみにディドは阿刀田高さんの「新トロイヤ物語」
であたしは知りました〜〜〜!!
妹のアンナもでてきてます!!
>青池さんのニュースをもう一つ!あの名作「修道士ファルコ」が「メロディ」と
>いう雑誌で新連載開始なのです〜♪♪今日ちょっと立ち読みしてきたら新作でし
>た(大喜!)コミックスになったらぜひぜひ読んでみてください!!
はい〜〜〜!!
あたしも面白い漫画、なた探します〜〜!!
>それではまた〜!!
ではでっは!!