◆−魔槍伝承談6−CANARU(2/5-21:57)No.13476
 ┗海の男はやっぱり無敵!?(笑)−P.I(2/7-23:31)No.13508
  ┗最強無敵!!?−CANARU(2/8-10:09)No.13517


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13476魔槍伝承談6CANARU 2/5-21:57


スペインの果実酒「yago」を飲みながら書いた話でっす〜!!
う〜〜ん・・フルーティ〜〜♪


「なあ・・・・・」
珍しく怒りを含んだガウリイの声が狭い船室に響く。
「何よ・・・・・・・・・・・・」
そんなガウリイに対してリナの声はあくまで冷徹である。
「・・・・ナンで・・こんな事になったんだ・・・・?」
・・・・・ブン殴ったろ〜か・・・・????
一瞬ながらリナの脳裏に『殺意』と言う二文字がよぎる・・・・が・・・。
「ええ〜〜〜っと・・・ねえ・・・・・・」
隣から聞こえたヴァノッツァの間延びした声のせ〜でそんなギスギスした
気持ちは一瞬で消え去った・・・。
無論・・別の意味で・・・でだが・・・・。
しかし、ヴァノッツァそんなリナの気持ちを知ってかしか知らずか・・・・・。
「一寸・・待ってね・・まずね・・・ヴァノー達は・・・おっきなお船に・・・乗り込んで・・・・で・・・・アモーロに・・行こうとしたけど・・・途中で・・ガウちゃんが・・・そうそう・・『気持ちわるいよ〜〜〜船に酔ったよお〜〜降りようよお〜〜〜・・あの街の市場で薬化ってくれええ〜〜〜〜〜〜』・・・って・・駄々捏ねて・・で・・仕方がないから・・・街で・・ガウちゃんと・・リナちゃんと・・ヴァノーは・・船を降りて・・・で・・・・・ヴァノー・・お菓子欲しいっていったのに・・・リナちゃんが買ってくれなかったから・・・時間かかって・・・小船に乗って母船に戻ろうとしたら・・・」
・・・・・・情けない事に・・・・・・・・・・・。
『海賊』なんぞと言う下らない連中に俗に言う『拿捕』されてしまった・・のである。
「・・・なあ・・・何で・・こ〜なったんだ・・・?」
未だに怒りを押さえた口調でガウリイがそう呟く。
「・・・アンタが船酔い起こしたせ〜〜でしょ?」
そんなガウリイに冷たく言い返すリナ・・・・。
「そ〜〜か・・・?オマエがさっさとヴァノーにお菓子買ってやらなかったから・・・。
そ〜じゃないのか?」
「あ〜〜〜ら・・・ガウちゃん・・・。責任転嫁はよろしくなくてよ・・?ふふふ」
くくくく・・・・ふふふふふふ・・・・・・・・・・・・・・。
冷たい二人の笑いが狭く、暗い船室に木霊す。
「・・・う〜〜ん・・・ナンだか・・ギスギスしてきちゃった・・・みたい・・・・。
じゃあ・・・ヴァノーが・・・素敵なお話・・してあげる・・・」
「・・・・素敵って・・・・・」
滅茶苦茶嫌な予感がしたリナが静止の言葉を言うよりも前にヴァノッツァは・・・。
「・・・・・昔・・昔・・・在る所に・・・悪い魔女にとっ捕まった・・お姫様が
居ました・・・。そのお姫様を助けたのは・・・一人の強い・・強い・・・騎士でした・・・。そして・・お姫様は・・・騎士に恋をしてしまいましたが・・・騎士は・・君主の奥様に・・叶わない恋をしていました・・・・時節こそ違えでも・・・二人は結局報われず・・・病気になって・・・死んじゃいました・・・おしまい・・・」
「・・・・・・・・・・悲しい・・・悲し過ぎる・・・・・・・・・」
不意にヴァノッツァのこんな下らない話に涙を流すガウリイ・・・・。
「やめてよ・・何だか・・死ぬほど縁起悪い・・・・・」
ともあれ・・・訳の分からないうちに船は何処へとも無く三人を乗せたまま
進んでいくのである。


「オラオラオラ〜〜・・てめぇら・・親の居場所は何処なんだあ〜〜〜!!」
「・・・ヴァノー・・・もう・・大人だもん・・・それに・・ハンちゃん死んじゃった
から・・・この若さで・・未亡人・・ううう・・・うえええ〜〜ん!!ヴァノー、可哀想だよおおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
海賊の尋問に訳の分からない返答をするヴァノッツァ。
「おい・・・・・・・」
海賊の中でも恐らく若手の下っ端だろう。
その様子を指差しながらリナとガウリイにすがりつくような視線で助けを求める。
「・・あ〜気にするな。あ、でも言っとくけどそのね〜ちゃん・・・。恨みを買うような
事すると・・後で思いっきり呪われるゾ?」
パタパタと手を振りながら訳の分からない返答をこれまたするガウリイ。
「・・・・で、用件はナンなのよ?」
此方は海賊の頭であろうか?
既に船はアモーロ近くの小島に停泊している。
恐らくここがこの間抜けな海賊たちのアジトであろう。
そう判断したリナは頭領格の人物に単刀直入に話をつけることにしてみたのだが・・・。
「・・・け・・な〜〜んだ・・・餓鬼かよ・・・・・・・」
プイ・・・・・・・・・・・・・・。
いとも簡単にアッサリと無視をしてくれたものである・・・・。
半ば怒りの為に理性がぶっ飛びそうになるのを堪えながらも・・・・・・。
「そう・・・アタシまだ・・・餓鬼だもん・・・ううう・・パパ・・ママぁ・・・
お家に帰りたいよおお・・・きっとヴァニスの大商人のパパは・・アタシと・・・アモーロ皇族のガウリイさんを解放する為には・・・3000タレントの金貨・・・50000オッシュの銀貨・・・ついでにいえば・・70000デュカーティーの大金を払うでしょうね・・・ううう・・お家に帰りたいよおお〜〜〜」
無論・・・あの親父がこんな大金を持っているわけが無ければ・・・。
たとえ持っていたとしても・・・うん。断固として奴は払わないだろう!!
「・・・酷いわ・・リナちゃん・・・ヴァノー・・カルタヘナの・・ハスちゃんの未亡人のヴァノーには・・・誰も・・身代金払わないっていうのね・・いいもん・・・。拗ねちゃう・・泣いちゃう・・シクシク・・・・・」
う・・・・・・。
聞いていたのね・・ヴァノッツァね〜様・・・・・・。
最もハンニバルがこの誘拐事件の報告を聞いたとしても。
「ああ・・・厄介な姉がいなくなたあ〜〜〜〜〜〜!!」
と喜んで決して金を払わない事ももはや自明の理・・だったりするのだが。
しかし、このヴァノッツァの独り言とリナの出任せに吐き出した大金の額、更に言えば
ガウリイの『アモーロの皇族』という肩書きがかなりの功を奏したらしい!!
「そういえば・・お頭!!この小娘・・男みたいな格好してますが・・・。この
服はかなり上等なものですぜ!!槍も・・・」
リナの服装、持ち物を一瞥しながら海賊の一人が言う。
「・・・そういえば・・この男・・月桂冠なんぞ被っている!!」
・・・今更気付いたか・・?普通直ぐに気付くぞ・・・?
ガウリイの頭にのっかている黄金の月桂樹の冠に今更目が行ったのだろう・・・。
海賊の一人が更に驚愕の声をあげる。
「ああ〜〜〜!!そ〜いえば!!カルタヘナのハスドルバルの奥方は・・・。
物凄い『クルクルパ〜〜〜』と俺は聞き及んでいた!!」
「ヴァノー・・・もしかして・・・有名人・・・?」
喜ぶな!!馬鹿にされてるぞ!!ヴァノッツァね〜さま!!
何はともあれ、信じて貰えた事はこれ幸い。
かくして・・リナ、ガウリイ、そしてヴァノッツァはこの海賊が駐屯する
小島に暫く住むことになったのだが。


「なあ〜〜リナ・・・。あんな海賊、魔槍使えばど〜って事無いだろ?それに・・・。
俺だって『聖剣』エクスキャリバー持ってるんだしさあ・・」
なおも不満そうに島を散策しながらガウリイがリナに言う。
「ん・・?一寸調べたい事があってね。ついでに言えば・・・伝書鳩で今回の事は
ハン兄ィ達に伝えておいたわ」
波間で靴を脱ぎ捨て、キャハキャハ笑うヴァノッツァを眺めつつリナはそう口にする。
「調べたい事・・・???」
「船の中で・・ヴァノッツァね〜様が話してくれたこと・・・。騎士とお姫様の下らない悲恋話じゃないんだけど・・昔この島に『捕らわれの乙女』が居るって聞いたのよ」
ぼそり・・・と呟きながらリナ。
「・・・真坂・・『悪い魔法使いによって塔に閉じ込められた・・』とか言うんじゃ
ないだろうなあ〜〜??」
こ〜ゆ〜少年のよ〜な目つきと口調をするリナは死ぬほど性質が悪い・・・・。
大抵・・ロクデナシなことを考えているから・・である。
「確か・・山の上の塔・・って言っていたわね・・・・」
そう悪戯っぽく言っては見るものの・・・・・・・。
『大烏』の妖姫・・・ケリュドウェンによって塔に閉じ込められたお姫様・・・。
例のヴァノッツァの話をしてくれたお姫様・・・・・・・・・・・・。
強いて言えば・・・『モーガン』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ガウリイの母親であるあの魔女と何らかの関連がるかも知れない。
その考えが頭の中を駆け巡って仕方が無いのだ。
「なあ・・リナ・・止さないか・・・?」
リナの真意にはまだまだ気付かず、単に興味本位で出歩きたがっているだけだとガウリイは思い込んでいるらしい。
まあ、それならそれで好都合であるのだが。
「さ〜〜〜!!姫を助け出した騎士は世界一の騎士の栄誉を手に入れられるのよ!!
いざれっつ・ご〜〜〜〜〜!!!!」
魔槍を高々と振り上げ、意気揚揚と山の上まで向かうリナ・・・。
そして、そんな彼女に引きずられて行くようにガウリイも仕方なく山道を進んでいく。
途中・・・・・・。
「よ〜よ〜!!暇人はいいねえ・・出歩くんだなんてよ〜〜」
「・・・そう?貴方のような野蛮人にこ〜ゆ〜情緒を味わう趣味は無いでしょうし・・。
仕方ないわね・・・」
すれ違い様に海賊たちがガウリイとリナをからかっていく。
「・・・クソガキが・・・・・・・・・・・」
そんなリナの見下すような態度に下等中の下等の海賊が少々頭に来たらしい。
「あら?殴っていいのかしら?後で縛り首にするわよ?」
更に自信たっぷりに言って突き進む。
「・・・言わせておけよ・・あはははは・・・・」
そんな風にリナに見事に見下された仲間を嘲笑うまた別の海賊の声。
「・・・なあ・・リナ・・い〜のか・・・?あいつ等・・・」
「・・・放っておきなさい。ガウリイ。親父たちがここに到着したら・・・。お宝
全部没収して縛り首にしてやるわよ・・・」
「・・・オマエだったら・・問答無用で今すぐこの場でしばきったおすと思ったんだが・・。何でまた今日に限って『法』に任せようと思うんだ?」
「ふふふ・・一寸・・ね・・」
何時になく楽しそうに言うリナにガウリイは更に嫌な予感が過ぎる・・・。
どうやら、お姫様を助けると言う事以外にも何かを企んでいるらしい。
「俺・・・何だか・・・ここ暫くで血糖値が下がったきがするんだが・・・・」
「あら、そりゃ好都合ね。アンタ、絶対甘党だし、丁度いいわよ?うんうん」
このリナのもっともな一言にガウリイも納得し、何も言わないようにする以外方法は
無くなってしまったのだった。
「ま、後でイスパニアの美酒でもご馳走するわよ〜〜♪」
意味深にそう呟きながら更にリナはガウリイの手を引っ張りながらズンズンと山道
を突き進んでいくのだった。


ズシャ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
重い。恐らく鋼の扉であろうだろうか?
二重構造の重い扉がリナの魔の刃を一振りするだけで音もなく崩れていく。
「こ〜ゆ〜の・・俺の役目なんだけどなあ・・・」
ボリボリと髪を掻き揚げるリナの癖を真似しながらガウリイは行き場の無くなった
自分の聖剣、エクスキャリバーを眺めつつボヤク。
「何言ってるの?リーチが長い分槍のほうが様になるのよ」
美味しいところは譲らない、とばかりにリナはガウリイに反論する。
扉が崩れ去った途端・・とてつもないムっとした熱気が二人に襲い掛かってくる。
「おい・・なんだよ・・コレ!!?」
咄嗟に行き場が無くなったとばかり思い込んでいた聖剣、エクスキャリバーを奮い立たせながらガウリイはドっと押し寄せた熱気を剣の刃で迎撃にかかる。
「・・・ガウリイ・・援護お願い!!」
聞いたとおり・・である・・・・・・・・・・・・。
名だたる騎士達すら・・まあ、海賊が邪魔した事もあるだろうけど・・・。
決して近づけることが不可能なほどの灼熱地獄の塔に・・一人の姫君が魔女ののろいで
幽閉されている・・・。
そして・・その姫君を助け出した者は・・・。
『最高の騎士』の栄誉が得られる・・と言う事も・・・・・・。
ガウリイに出会う少し前・・つまりは、前にアモーロにやってくる途中で・・・。
ちょっと小耳に挟んだことなのだが・・・・・・・・。
「お〜〜〜い!!リナ!!何処だ!!」
蒸気とも煙ともつかない白い帰霧を剣の刃で掻き分けながらガウリイはありったけの声をだして絶叫する!!
見失った訳ではない・・とすれば・・・。
答えは単純明快。リナがこの蒸気を目くらましにしてガウリイをおいてさっさとこの
ダンジョンを進んでいってしまった・・と言う事である。
「ココだよ。ガウリイ・・・・・・・」
掻き分けた蒸気の渦の中・・・・・・・。
既にぐったりとした一人の少女を抱きかかえたリナが姿をやっとあらわしたのだった。


「おいおいおいおい・・・・・・」
外は一面、火の海と化していた・・・。
いや・・正確に言えば・・『海』が炎で燃えていたのだった・・・・。
「あ〜〜・・やっと来たみたい・・ネ・・」
倒れたまま意識の無い少女を抱えながらリナは分かりきっていた事態かのように
平然とこの光景を眺めている。
「・・・オマエ・・こ〜なるって事・・知ってたのか?」
「勿論、さ、ヴァノッツァね〜さまとこの子連れて・・海岸に行くわよ?ガウリイ」
言うが早いかリナはさっさと山を降りて海岸に向かって行くのだった。


「お頭!!遅くなってすみません!!」
軍人・・しかも海軍の軍兵であろうか・・・?
一人の身なりの良い少年がリナの前に跪き、なにやら詫びている・・・??
「リナちゃんね・・・イスパニアの艦隊の・・・・『アマ・・・』・・・ナンダカの・・・お頭さん・・・やってるの・・・・」
燃え盛る海賊船の藻屑を拾い、プスプスと良い感じに焦げた海賊さんを突っつき、砂浜に座り込んだままヴァノッツァはガウリイにそう教える。
「・・・アマ・・ナンダカって・・・もしかして・・『アマルダ』・・・・・・・・。
『無敵艦隊』の事か・・・???」
あまりにも呆気に捕らわれたのでガウリイもこんな気の利かない一言しか口に
出来ない。
「ええ・・。前にココに来たとき・・あたしの乗った船を海賊船と勘違いして攻撃してきやがったから・・一寸魔槍ぶん回して追い回したら・・すっかり白旗揚げてくれて以来の付き合いなのよ〜〜〜♪」
って・・・ゆ〜〜か・・・・・・。
無敵艦隊をここぞとばかりにコキ使いたいから海賊に好き勝手させてたのか・・・?
ガウリイのジト目に気付いたのだろう。
「い〜じゃん。別悪人に人権は無いんだから!!」
・・・・そ〜じゃなくって・・無敵艦隊の人たちの事考えろよって・・・・。
やめとこ・・・。ど〜せ・・・。
「い〜のよ!!アタシの下僕なんだから!!」とか・・・・・。
「人材は有効活用しなくちゃ駄目よ!!」とか言い返されるに決まってるし・・・。
などとガウリイは密かに涙を流しながら思うのだった・・・・。
そんな事を考えているうちに・・・・である。
「・・・う・・・う〜〜ん・・・・・・・・・・・」
砂浜に寝かせておいた・・リナが助けた少女がうめき声をあげて意識を取り戻す。
「・・・お・・気付いたか・・・?」
ガウリイのその一言にリナ、そしてヴァノッツァまでもが其方の方向に意識を向ける。
「・・・あの・・・私の・・・騎士様・・・・・・・???」
淡い、緑色の瞳に・・蜂蜜色の優しい髪の色の美少女である・・・・・・。
マトモにガウリイと彼女の視線がぶつかり・・・・・・・・。
「ちょ・・一寸待て!!俺には・・リナがあああ!!!!」
滅茶苦茶に慌てながら手と首を振るガウリイ!!
が、彼女はズイっと更に此方の方に歩み寄り・・・・そして・・・。
「あああ〜〜♪ず〜〜〜〜っとお待ちしておりましたわ〜〜〜♪エレイン、嬉しい!!
騎士様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ズズズっと駆け寄って来るが早いか・・首に抱きつき・・・・・・・・。
そして、顔中にキスの雨を降らせてくる!!?
「あらぁ・・・・すっご〜〜〜い・・・・ヴァノー・・・こ〜ゆ〜シーン・・・・。
初めて・・みた・・あら・・・?ガウちゃん・・な〜〜に硬直してるの・・・?」
そう・・・・・・・・。
『エレイン』が・・『リナ』の・・・顔に・・・・・・・・・・・・・・。
「こらこらこらこら〜〜〜〜〜〜〜!!!女だからって許さないぞお〜〜〜!!って・・そ〜ゆ〜問題ぢゃ・・ね〜〜なって・・こら!!其処の少女!!リナから離れろ〜!!」
訳の分からないガウリイの絶叫にエレインは更にリナにきつく抱きつき・・・。
「いや〜〜〜ん!!おね〜〜様ぁぁぁ・・このおぢさん!!怖い!!」
「・・・おぢさ・・・・・・・・」
さしものガウリイもこの一言には更に硬直してしまう・・・。
「ちょいと・・ガウちゃん・・・・・。この子・・いぢめちゃ・・駄目でしょう・・?」エレインに抱きつかれたままパタパタと手を振ってすっかり狂犬と化したガウリイ
を宥めようとするリナ。
「いや〜〜〜!!おね〜さまぁ・・。エレインですわ〜〜〜〜〜!!」
駄目だ・・・こりゃ・・・・・・・・。
かくして・・・。
険悪なままのガウリイとエレインを連れてリナは無敵艦隊のうち一隻に乗り込むことに
したのだが・・・・・・・・。
「やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだあああああああああ〜〜〜!
エレイン泣いちゃう!!この船、男ばっかり!!金髪のおぢちゃんも怖い!!
うわあああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!こわいよおおおおおおおおおお!!」
・・・・・・こりゃ・・・そ〜と〜の男性不信だわ・・・・・・・。
何があったか知らないけど・・・・ね・・・・・・・・・。


「所で・・エレイン・・。アンタは何であ〜んな所に居たの?」
なんとかガウリイを半径10メートル以上彼女に近づけないように心がけ・・・。
最もガウリイは船室の隅でナンだか暗くなっていじけているのだが・・・。
こうしてみれば・・エレインがかなりの家柄の娘であることはわかる。
淡い、青い色のドレスは恐らく絹製品であろう。
装飾品なども高価な・・・アールデコ風の・・レトロな雰囲気が特徴的である。
「・・・嫌な男に騙されたの・・・・・・・・」
「・・・・・あっそう・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
コレで彼女が男嫌いな理由は分かったが・・・・。
それだけではあの塔に居た理由にはならない・・・。そう察したリナは
出来るだけ冷たく返答する・・・・。
「・・・可哀想・・こうみえても・・ヴァノーも・・未亡人・・・・」
「うわ〜〜〜ん!!泣きましょう!!ヴァノッツァおね〜〜さまあああ!!!
って・・リナおね〜さま・・・?お手にお持ちの槍はな〜〜ぁに(はぁと)」
リナの気持ちを察してくれたのだろう。
ボチボチとエレインは自分の境遇を話し出す・・・。
(勿論・・ガウちゃんは隅っこでいじけたまんま・・だけど・・byヴァノー)。
「アタシは・・もともとガリア属州出身だけど・・。元を辿ればアモーロのユリウス一門の・・超傍系なの・・。で・・・『聖なる杯』を守るのが使命・・だったんだけど・・」
ココまで言ってエレインは一回言葉を切る。
「モルガンに・・・・お願い!!お兄様を・・助けて!!!!!アタシがあそこに閉じ込められたのも・・そもそもは・・・・・」
辛い思いをしたのだろうか?
エレインはそれ以上言葉を紡ぐ事が出来なくなったらしい・・・・。
ただ・・涙をためて床の一点を睨みつける・・・・。
「・・・『大烏』に・・食らわれるのも・・時間の問題だわ・・・・。」
ズダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンン!!
エレインがやっとの事で何かを語ろうとしたその時である・・・。
不意に船体に凄まじい衝撃が走る!!?
「・・・なんだ!!!?」
さしものガウリイもこの変事には敏感に気がついたらしい。
既に手には彼の獲物、『聖剣』エクスキャリバーが握り締められている!!
「甲板よ!!この感じからすると・・別の船から船体に何かを突き刺されたって
所かしらね!!?」
既にリナもその手には先程まで脇に置いておいた『魔槍』ゲイボルグを抱きかかえ、言うが早いか甲板に向かってダッシュをかける。


ずばああああああああああああああああああああああああああんんん・・・・。
一隻の船から無数の鉄槌がこの船の腹に打ち込まれていく???
「案の定・・・・」
リナがそう口にしたその時だった・・・・・・・・・。
「おい!!リナ!!!!」
不意に海上に現れる・・・一つの影・・・・・・・・・。
やがてそれは・・漆黒の装束に同色の長い髪・・・・・・・。
燃えるように赤い瞳に・・・・呪詛の色をマトモに表した一人の女の姿を波と
大気の間に浮かび上がらせる・・・・・・・・・・。
偏に言えば・・水辺に浮かぶ・・・大烏の魔女・・・・・・・・・・・。
その手に掲げられているのは・・・盗み出された『聖なる杯』????
「・・・ナンだよ・・あの女・・・???」
「・・・・前の事件で・・ベイリンが言った事が本当ならば・・・・・」
ガウリイの母・・・妖姫の・・モーガンである・・・・・・。
「知るか・・・・よ!!!」
言うが早いかガウリイは海上に向かい、『聖剣』のエクスキャリバーを翳す。
が・・・・・・・冷たい冷笑と・・その杯を彼女が既に登り始めていた満月に
掲げたその刹那・・・・。
「何だ!!!!!!????????????????」
一面の光に・・・・そして・・既に消え去っている大烏の魔女の姿。
『・・・今の私では・・コレが精一杯ね・・・大烏に・・食らい尽くされないように・・』聞こえたのは・・モーガンの声のみ・・・であった。
「リナ!!!!!!」
その出来事にリナとガウリイが呆然としている暇もなく直ぐに聞こえる剣と剣の
ぶつかり合う耳障りな音!!
「ハン兄ぃ!!ゼル!!アメリア!!」
モーガンが消えると共に現れたスキピオ・・そして既にこの無敵艦隊に乗り込んで
来ていたのだろうハンニバルとの激しい交戦が繰り広げられていた!!
「ガウリイ!!!アタシはこの場を何とかするわ!!大体・・あのスキピオが今回の
攻撃を仕掛けてきたんでしょ??まったく・・迷惑なアモーロ艦隊!!アンタは船室に戻って・・エレインとヴァノッツァね〜様をお願い!!」
「わかった!!」
他人を寄せ付けない雰囲気のスキピオとハンニバル・・・。
其処に彼らと対等の剣の腕前を持つガウリイがハンニバルの加勢に加われば・・。
間違いなく事態は泥沼化する・・・そう判断したリナはさっさとガウリイを
別方向に差し向ける事にした。
「さ〜〜〜ってと!!アタシの艦隊潰そうとしたクリーニング代金は・・高いわよ!!」
言うが早いかリナはブンブンブンと『魔槍』・・ゲイボルグを振り回し、アモーロの軍勢を蹴散らしにかかる!!
「・・・ど〜してモンでしょう・・・?娘さん・・この無敵艦隊を私物化しちゃってますねえ・・あはは〜〜〜♪まあ、ボクはガウリイさまがご無事なら他は・・特にヴァノッツァさんはど〜だっていいんですけどね・・ははは〜〜♪」
「い〜んぢゃね〜かぁ?俺もリナがこの艦隊私物化してくれれば絶好の釣り場が手に入ったってモンだしよぉ〜♪」
言うまでもなくガウリイの下僕、ゼロスと・・・。
何故か釣り仲間らしいリナ父。
ついでに言えば無敵艦隊でマグロの一本釣りをしようと虎視眈々と企んでいるらしい。
「・・・ゼルガディスさ〜〜〜ん・・ナンか・・あのお二人・・ロクデナシな事・・
いってます・・・・・・・・・」
「・・・無視しろ・・・・・・」
何故か箒を武器に、塵取りを盾にしたアメリアにゼルがきっぱりとそう答える。
「ク!!!!!!!!」
不意にスキピオの体が崩れ落ちる・・・。何故か何時もの業のキレは見出せない。
そして、そんな隙を見逃すようなハンニバルではなかった!!
「貰った!!!!!!!!!」
言うが早いか高々と剣を構え、スキピオの頭に刃を振り下ろそうとする・・が・・・。
ガイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインンンン!!!
『禁術』を手に入れたスキピオの結界に阻まれ、虚しくその刃が止められる。
「・・・・アモーロに・・・来い・・・・・・・・・」
言葉のみが響き・・・やがてスキピオの姿は掻き消えてしまう・・・・。
「クッソ!!!!!!!!!」
ハンニバルがようやっとの事で振り下ろした刀が虚しく船床に突き刺さるのだった・・。


「エレインがいなかった・・ですって???」
「ああ・・・何処を探しても・・だ・・・・」
この申し訳無さそうなガウリイの様子からすると・・これは本当の事らしい。
ヴァノッツァはあの揺れの中、ぐっすり眠ってしまっていた・・・との事だが。
まあ、あの男嫌いなお姫様にガウリイを助けに差し出したのがそもそもの間違い
だったのかもしれないの・・・だが・・・・。
停泊した例の元海賊島の湖の辺・・・・・・・。
もしかしたらエレインが居るのでは?と思って立ち寄ってみたのだが。
その痕跡はまるでみあたらない・・・・・。
っと・・・その時である・・・・・・。
「ん・・・?ナンか着ました・・うわ〜〜綺麗なヒト!!」
湖の彼方から流されてくる一隻の純白の小船・・・・・・・。
そして・・そこには・・エレインが眠っている・・・・?????
「・・・・エレイ・・・・・・・・・」
そう言ってリナが彼女の手をそっと取ったその時である。
「・・・どうした・・・?リナ!!?」
彼女の異変に気付いたのだろう。たちまちガウリイも此方に駆け寄り・・・・。
「・・・・・・・死んでる・・・わ・・・・・・・・・」
そう・・・。エレインの脈も・・血流も・・鼓動も・・そして呼吸さえも感じ取れない。眠るような美しい顔・・・・・・・。つい先程まで・・一緒に居たのに???
「おい・・お前ら・・こいつぁ・・もう死後200年か・・300年は経過してるぜ?」背後から釣竿を担いだままリナの父親がガウリイ、リナ、そしてエレインの姿を眺めながらそう口にする・・・。
「・・・ナンでわかるんだ・・・?」
怪訝な顔をしながらガウリイが尋ねる。
「姿かたちこそ・・恐らく防腐処置を施したんだろうな・・。綺麗なままだが・・。衣類がざっと数百年は経過していると考えて可能なほど色あせている。それに・・。身に付けている宝石類のデザインも・・今時ンな時代錯誤なモンつけてる奴はいね〜程の骨とう品だ・・・」
何かを察したのだろう・・・。今度は物静かな口調で眠りにつくようなエレインの姿を見ながらリナ父は説明する。
「ねえ・・・リナちゃん・・・・ガウちゃん・・・・知ってる・・・?防腐処置って・・ね・・・臓物ぜ〜〜〜〜んぶ・・取り出して・・没薬なんかかの・・エキスを・・使って・・・・・・・・・・・」
「お〜〜い!!具体的な説明するな〜〜〜!!!!!」
ヴァノッツァの口出しに大慌てで止めに入るリナ父。
「そうね・・・・一寸・・・具体的には・・・ヴァノーも・・・知らないし・・・・」
・・・・・・・・・なら・・言うな!!!!
「ともあれ・・アモーロに・・・・」
「行くしかない・・でしょうね!!」
そして・・リナたちはその場を後にするのだった・・・・・・・・。


『・・・・・昔・・昔・・・在る所に・・・悪い魔女にとっ捕まった・・お姫様が
居ました・・・。そのお姫様を助けたのは・・・一人の強い・・強い・・・騎士でした・・・。そして・・お姫様は・・・騎士に恋をしてしまいましたが・・・騎士は・・君主の奥様に・・叶わない恋をしていました・・・・時節こそ違えでも・・・二人は結局報われず・・・病気になって・・・死んじゃいました・・・おしまい・・・』



(続きます)

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13508海の男はやっぱり無敵!?(笑)P.I E-mail 2/7-23:31
記事番号13476へのコメント

CANARUさん、こんばんは!
またまた謎を残して消えてゆくモーガンかーさん。
新しいギャグキャラかなーと思いきや、ぢつは謎キャラだったエレインちゃん。
(この子はエリザベスちゃんの遠いご先祖さまに違いない!・笑)
二人の女性のひっと&あうぇいの前には初代謎キャラのスキピオくんも
霞んじゃってますね〜♪ともかく・・・・
早いとこアモーロに行きなさいよ、リナちんもガウりんも!寄り道なんかしてないでさ!!(笑)
リナちんと言えば、彼女(とリナ父)にかかっちゃ無敵艦隊もただの釣り船ですね(爆笑!)
リナ父が鉢巻きしめてゴーカイに一本釣りする後ろでは、きっとゼロスが見事な
包丁さばきでマグロを生け作りにっ!!その一番美味しいところをめぐって
リナとガウリイが大喧嘩してるスキにヴァノーねーちゃんがぱっくりと♪
・・・・楽しそうでいいなぁ(^^;)
続きが早く読めるのを楽しみにしてますよ〜!
ではでは!


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13517最強無敵!!?CANARU 2/8-10:09
記事番号13508へのコメント

>CANARUさん、こんばんは!
>またまた謎を残して消えてゆくモーガンかーさん。
ですねえ〜〜〜!!
一応あたしの中では完璧に彼女の役割は決定してるんですが・・。
いかんせん過程がまだまだ長いかも・・です(苦笑)
>新しいギャグキャラかなーと思いきや、ぢつは謎キャラだったエレインちゃん。
>(この子はエリザベスちゃんの遠いご先祖さまに違いない!・笑)
あ!!
アタシも書いていておもいました〜〜〜!!ちなみに「男性不信」
は単なる趣味だったです!!(爆)
一応再登場予定アリですので・・気長にお待ちください〜♪
>二人の女性のひっと&あうぇいの前には初代謎キャラのスキピオくんも
>霞んじゃってますね〜♪ともかく・・・・
>早いとこアモーロに行きなさいよ、リナちんもガウりんも!寄り道なんかしてないでさ!!(笑)
ですねえ〜〜〜!!
結局ヴァノーねえちゃん&ガウリイのおとぼけコンビにかかると・・・。
さしものリナちゃんも寄り道魔になっちゃうんですね(汗)
>リナちんと言えば、彼女(とリナ父)にかかっちゃ無敵艦隊もただの釣り船ですね(爆笑!)
言えてますわ〜〜!!
艦長が泣いてる傍で、釣り糸たらして〜〜!!
>リナ父が鉢巻きしめてゴーカイに一本釣りする後ろでは、きっとゼロスが見事な
>包丁さばきでマグロを生け作りにっ!!その一番美味しいところをめぐって
>リナとガウリイが大喧嘩してるスキにヴァノーねーちゃんがぱっくりと♪
>・・・・楽しそうでいいなぁ(^^;)
ですねえ〜〜〜!!
「ああ〜〜!!ヴァノーが食べちゃったよお!!リナぁぁぁ」
「父ちゃん!!もっと一本釣りしてよお!!」
「このバカ娘!!いきなり声かけるんぢゃねえ〜〜〜!!」
とか・・・(汗)で・・ヴァノーたんは・・・。
「もう・・おなか・・いっぱい」と・・(汗)
>続きが早く読めるのを楽しみにしてますよ〜!
はい〜〜♪
イベント行く前に一寸突発短編出切るかな〜〜?
と今から奮闘しています〜〜!!(う〜〜ん・・一寸今週中に出切れば幸い!)
今月中には続き共々投稿したいです!!
>ではでは!
ではでは〜〜!