◆-むつみ、再掲示します。-投稿者:むつみ(2/18-01:04)No.1481
 ┣┳月光幻想曲-投稿者:むつみ(2/18-01:06)No.1482
 ┃┣┳月光幻想曲 アメリア逆襲編-投稿者:むつみ(2/24-09:24)No.1546
 ┃┃┣┳Re:月光幻想曲 アメリア逆襲編-投稿者:はづみ(2/24-12:30)No.1547
 ┃┃┃┗━はづみさんありがとうございます-投稿者:むつみ(2/25-08:50)No.1556
 ┃┃┣┳Re:月光幻想曲・ アメリア逆襲編-投稿者:松原ぼたん(2/24-14:06)No.1549
 ┃┃┃┗━ぼたんさんありがとうございます。-投稿者:むつみ(2/25-08:55)No.1557
 ┃┃┣┳やべぇ、開会式見てない・・・(^^;)-投稿者:九尾(2/25-01:30)No.1554
 ┃┃┃┗━九尾さんありがとうございます。-投稿者:むつみ(2/25-09:04)No.1558
 ┃┃┣┳Re:月光幻想曲・ アメリア逆襲編-投稿者:ゆっきー(2/27-09:16)No.1576
 ┃┃┃┗━ゆっきーさん初めまして。-投稿者:むつみ(2/28-09:59)No.1595
 ┃┃┣┳Re:月光幻想曲 アメリア逆襲編-投稿者:wwr(2/27-21:37)No.1582
 ┃┃┃┗┳ありがとうございます。-投稿者:むつみ(2/28-09:42)No.1594
 ┃┃┃ ┗┳むつみさんへ-投稿者:wwr(3/3-20:38)No.1634
 ┃┃┃  ┗━wwrさんへ。-投稿者:むつみ(3/4-07:37)No.1636
 ┃┃┣┳読みました♪アメリア逆襲編-投稿者:えれな(2/28-08:24)No.1590
 ┃┃┃┗━えれなさんありがとうございます。-投稿者:むつみ(2/28-09:30)No.1593
 ┃┃┣┳Re:月光幻想曲 アメリア逆襲編-投稿者:YUKARI(3/2-22:33)No.1625
 ┃┃┃┗━YUKARIさんありがとうございます-投稿者:むつみ(3/3-01:34)No.1626
 ┃┃┗┳Re:月光幻想曲・ アメリア逆襲編-投稿者:山塚ユリ(3/7-01:28)No.1657
 ┃┃ ┗━山塚さんありがとうございました。-投稿者:むつみ(3/7-09:20)No.1658
 ┃┣┳Re:月光幻想曲-投稿者:wwr(2/27-20:41)No.1581
 ┃┃┗━wwrさん ありがとうございます。-投稿者:むつみ(2/28-09:19)No.1592
 ┃┗┳Re:月光幻想曲-投稿者:めなりん(3/4-18:40)No.1638
 ┃ ┗━めなりんちゃんありがとうございます。-投稿者:むつみ(3/5-08:58)No.1643
 ┣┳おずのまほーつかい-投稿者:むつみ(2/18-01:14)No.1484
 ┃┗┳Re:おずのまほーつかい-投稿者:ゆっきー(2/27-09:17)No.1577
 ┃ ┗━泣かないで〜。-投稿者:むつみ(2/28-09:10)No.1591
 ┗━再掲示お疲れさまでした-投稿者:松原ぼたん(2/18-01:37)No.1485


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1481むつみ、再掲示します。むつみ E-mail 2/18-01:04

 あれ。ツリーがなくなっている。困ったなあ。
まあいいか。自分のツリー、作ろうっと。
 
作品その一。 月光幻想曲。
 シリアスです。ゼロスが魔族しています。アメリアいじめてます。
 九尾さんのHPに、素晴らしいイラスト付きで掲載していただいています。

作品その二。 スレイヤーズ学芸会 おずのまほーつかい。
 ギャグです。内容は・・・百聞は一見にしかず。

続きは・・・書きたいとは思っています。
懲りずにおつきあいいただけたら幸いです。

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1482月光幻想曲むつみ E-mail 2/18-01:06
記事番号1481へのコメント
月光幻想曲

アメリアは一人、物思いに耽っている。

始まりは、セイルーンの地方領主一族のお家騒動だった。
「このままでは本当に血が絶えてしまう。」と、わずか五歳の少女を護りつ
つ、セイルーン・シティまで逃げてきた老執事。
彼の言い分だけを一方的に信じるわけにもいかず、裏付け調査の後にアメリア
が調停にやってきたときには事態は既に収束していた。
待っていたのは狂気の惨劇。
現領主である父を殺したのが、もっとも信頼していた叔母であることを知った
次期領主の繊細な神経は、いともたやすく切れてしまったようだった。
誰も信じられない心の陥穽。
疑心暗鬼から妻を、子供を、親族を虐殺し続けていた次期領主は、最後に自分
の身体を切り刻み、出血死を遂げていた。当時、館にはまだ使用人が残ってい
たが、主を助けるために動いたものはいなかった。
見殺しである。セイルーン王家直々の出動が、彼ら心弱い領民の決心の背中を
押す一突きになったことは想像に難くない。
地方領主の館は、生命の気配さえ感じられなかった。殺された者は既に教会に
送られ、命あった者は自らの才覚で逃げ出した。今は、野生の鳥達でさえ近づ
くのを遠慮しているかのように、がらんとしている。
アメリアが、「今夜はここに泊まる」と言いだしたときは、当然皆が止めた。
だが、一度こうと決めた彼女の決心を翻すことのできる人間は、この世界広し
といえどさほど多くないのである。
そういうわけで、彼女は今ただ一人、領主の館の豪華な客間にいる。勿論、隣
室には護衛やら召使いやらが控えているのだが。
「おひさしぶりです。」
静かな声にアメリアが顔をあげると、月光差し込む大窓の前に黒い影が立って
いた。暗い室内と対称的な窓の明かりのせいで、その人影は完全に逆光になっ
ている。
だが、もし室内が光に満たされていたとしても、やはりその人物は黒々とした
影のように見えただろう。
存在自体が半ば影のような男。謎のプリースト、ゼロス。
「どうして・・・ゼロスさんがここに?」
「なあに。野暮用のついで・・・ってやつですよ。ボクも結構、忙しい身です
からね。」
大窓にもたれたまま、横着に答えるゼロスの表情は相変わらず見えない。
「そんなところに立ってないで、こちらに来て座りませんか。」
今夜は、顔の見えない相手としゃべるのは辛い。
ゼロスは、アメリアが指し示した長椅子ではなく、彼女の座る肘掛け椅子の背
もたれにちょんと腰を下ろした。驚いて、自分の背後をふりかえるアメリア
に、いつもの笑顔を向ける獣神官。
「ここは、あなたがいるにはふさわしくない場所のような気がするんです
が。」
場所・・・と言うより、この館全体の持つ雰囲気のことをいっているのだろ
う。アメリアは、自分がここにいる理由を話してみる気になった。
「う〜ん。よく、判りませんね。結局、なぜ、あなたがここにいなけりゃなら
ないんです?」
「・・・考えてみたかったんです。国のこと、王族のこと、色々・・・
どうして、こんな争いが起こるんでしょうか。この地方は、銅の生産地。領民
達とともに、平和に、裕福に暮らしてゆくのには十分のはずなのに・・・」
「誰かとケーキを分けるより、丸ごと全て自分のものにしたいと思うのが、人
間というものじゃないですかねぇ。」
ゼロスの言葉に、アメリアの表情は更に深く沈み込んだものになる。
「でも!そんなことしても、結局誰も幸せになんかならなかったじゃないです
か!みんな死んじゃって!小さな子供まで!」
うつむいてしまった彼女の顔を、無遠慮にのぞき込む獣神官。
「そんなこと考えてたんですか。でも、考えるだけなら、ここじゃなくてもい
いですよね。セイルーン王宮での政務の合間に、ちょっと考えて、あとは忘れ
てしまえばいいじゃないですか。」
「それは・・・!」
何か言いかけたアメリアを制して、ゼロスは人差し指を振りながら囁き続け
る。
「いいですか。この館には、権力闘争に敗れた怨念が満ち満ちているんです
よ。そんな場所で、セイルーンの王女様ともあろうお方がのんきに『考え事』
ですか?
この、あふれんばかりの負の感情を逆撫でして?」
ゼロスが指さすその先に、その、『負の感情』が凝り固まっているように感じ
て、アメリアは身体を固くした。
「忘れちゃいけないんです!そんな愚かな争いに巻き込まれて死んだ人たちの
ことを!それに!もし、怨念に縛られて浄化できないのなら、私が手助けでき
ます!」
いつのまにか肘掛けの上に移動したゼロスが、アメリアの背後の背もたれに腕
を伸ばし、椅子に半ば身を乗り出す。
「間違えちゃいけませんよ。今、ここにいるのは、多かれ少なかれ己の欲望に
足をすくわれた魂ばかりなんですから。だからほら、生まれついての王女であ
るあなたに対する恨みや妬みがこ〜んなに渦巻いていますよ。」
ゼロスが、まるで、サロンに群れ集う人々を紹介するようなジェスチャーで、
掌を向ける。
「見えるんですか?」
勿論。ボクは、魔族なんですから。その囁きに顔を上げ、ゼロスと目があった
とたんに金縛りにされてしまった。この男が魔族だということをつい失念した
自分の愚かさを悔いてももう遅い。
いかにも上機嫌そうな含み笑いが、例えようもなく恐ろしい。ゼロスを浮かれ
させ、アメリアを萎縮させる何かが、確かにこの館には、ある。
「甘いですね。ま。せーぎなんて言うお題目を心の支えにしなきゃいられない
ようでは、所詮問題外ということですか。」
「まさか・・・今回のお家騒動・・・」
「ボクがやったのかって?もしそうだったらどうします?ボク一人を『悪』と
決めつけて、退治して、いい気分で『忘れ』ますか?この怨霊達も、魔族に操
られたかわいそうな人として、高司祭の力で無理矢理浄化しますか?」
アメリアの真正面にあるゼロスの顔は、いつものにこにこ顔のままである。
「いつもどうり」が、こんなに怖かったことは、初めてだった。
「もしそうなら、それって、ボクら魔族と同じじゃないですか。力でもって消
滅させるなら、ね。」
違う!そうじゃない!言いたいことはたくさんあるが、心が千々に乱れて言葉
にならない。
ただ一つの行為が、彼女の心を雄弁に語る。
頬をつたう、一滴の涙。
「・・・やめましょう。これ以上続けると、本気になりそうです。」
アメリアの涙を人差し指で受け、立ち上がるゼロス。
「・・・本気で、いじめたくなりますから。」
来たときと同じ窓際に立ったゼロスが、最後の一言を発した。
「今回の件には、ボクは関知してませんから。念のため。」
振り向いた顔が、月光に照らされて冴え冴えとした印象を与える。
「信じる信じないは、ま、貴女の勝手ですがね。」
ぬぐい去ったように消える影。あとにはアメリア一人が残された。
崩れるように床にひざを突き、祈るように固く手をくむと、小さな声が唇から
こぼれる。
とうさん、かあさん。おじいさま。姉さん。リナさん、ガウリイさん。シル
フィールさん、フィリアさん・・・・・
大好きな人たちの名前を心の中で唱える。それがアメリアの落ち込んだときの
おまじないだった。だが、一番呼びたい人の名前が出てこない。
とうさん、かあさん。おじいさま。姉さん。リナさん、ガウリイさん。シル
フィールさん、フィリアさん・・・・・
祈るように続くつぶやき。呼んではいけない名前。呼んだら、ここにいないこ
とを思い知らされることになる。
とうさん、かあさん。おじいさま。姉さん。リナさん、ガウリイさん。シル
フィールさん、フィリアさん・・・・・。
・・・・・・さん。
心の中で唱えていたはずのものが、いつのまにか声になっている。ただひとつ
の愛する人の名前に。
一度呼ぶごとにこぼれる涙。とぎれることなく続くそれを、月光だけが照らし
ていた。

鳥さえも近づかない地方領主の館。月光に照らし出された尖塔の上に、ゼロス
は佇んでいた。磨き上げられた銅板で葺いた屋根は、きらきらと幻想的に輝い
ている。
しかし、その尖塔にでさえ影はある。その、塔自体が作る影の中に、ゼロスは
いるのだ。かすかに見開いた眼で何を見ているのか。さっきから身動き一つし
ようとはしない。
いつもの癖で、人差し指を唇に当てたゼロスはふと、妙な顔をする。
それは、甘いと思って口に入れたお菓子が、実は意外と苦かったときの子供の
顔とでも言えばいいのか。
「ふむ。」
自分の指をしげしげと見るゼロス。そこには、さっきのアメリアの涙(感情)
が、残っている。
燃えるような怒り。哀しみ。悩み。後悔。自己嫌悪。
だが、そこには『絶望』は無い。あるのは、『慈愛』。そして『希望』。
ゼロスにとっては、やけどしそうに危険な感情だった。
・・・面白い。なかなかいけそうですね。
凄絶な笑みを浮かべ、ゼロスは消えた。
あとに残るのはあふれんばかりの月光と、・・・そして影。
            
                           終

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1546月光幻想曲 アメリア逆襲編むつみ 2/24-09:24
記事番号1482へのコメント
  月光幻想曲 アメリア逆襲編 


 アメリアは、はりきっていた。

 セイルーン・シティ郊外。一般に、「シティ」と呼ばれているのは巨大魔法陣
に守られた、王宮周辺のことを指す。しかし、人口が集中しがちな大都会の場
合、あふれだした市民が都市の周囲に新たな町を作り、町はそれ自体が巨大生物
のような勢いで広がっていくのが常である。セイルーン・シティとて例外ではな
い。
 アメリアは今、そういう新市街に来ている。この町のはずれで、あろう事か
レッサー・デーモンが多数目撃されたというのだ。その数およそ50余り。防御
結界に守られていない普通の町など数刻で滅ぼしてしまえる数である。並の戦士
にどうこうできる相手ではない。セイルーン王宮付きの魔法戦士を連れた彼女が
直々に出動したのにはそういうワケがあった。
 きびきびとした声で、次々と指示を出すアメリア。それにつれて動く兵達の動
きにも無駄がない。自分たちの王女を、深く信頼していることが伺える。
「一般市民の避難誘導は終わりましたか?神官の皆さんは防御呪文にだけ集中し
てください。近衛隊は彼らの警護を!・・・私のことは大丈夫。各自、持ち場に
ついてください!」
 周囲に気を配り、矢継ぎ早に言葉を繰り出してゆくアメリアは、こう言っては
なんだが、王女というよりは有能な現場監督といった趣がある。
「ふう・・・」
 彼女の「作戦」を実行するために集められた人たちを、何とか所定の場所に配
置し終わった彼女は、軽い溜息をついた。疲れたわけではない。これからの戦い
のことを考えると、興奮が押さえきれないのだ。
「珍しいですね。あなたは、『戦い』を楽しむタイプじゃないと思っていたんで
すが。」
 突然降ってきた声に、アメリアは顔を上げた。彼女の立つ大木の枝の上に、い
つのまにか黒い人影が腰掛けていた。
「相変わらず神出鬼没ですね、ゼロスさん。」
「いやだなあ。驚いてくれないんですか?あ、それとも、このレッサー・デーモ
ンをつれてきたのが、ボクだとでも思ってるんですか?」
 樹上の黒い影が一瞬消えたかと思うと、アメリアの横に現れた。
「そんなこと、思っていません。私には、ゼロスさんが、こんなせこい戦いのた
めにわざわざ出てくるとは考えられませんから。」
「・・・それはどうも。」
  今日のアメリアは、ずいぶんと落ち着き払っている。よほど、この戦いに自
信があるようだが・・・。
ゼロスには、その自信の根拠となる物が判らない。セイルーンは白魔道都市など
と呼ばれているが、その実、術者の数は多くない。ましてや攻撃呪文の使い手な
ど、ほとんどいないはずなのである。
 強力な防御結界に守られた神聖都市に、魔法で攻撃をかけてくる者などいな
かったのだから。
 50匹程度のレッサー・デーモン。彼女の『お仲間』がいれば、確かにものの
数ではないだろう。だが、アメリア自身は強力な対集団攻撃呪文を持っていない
はずだし、ゼロスの感知した限りでは、彼女を上回る魔力キャパシティの持ち主
は、ここには存在しない。
(いくら数を集めたって、雑魚は雑魚。役に立つとは思えないんですけどね
え。)
 アメリアの元に走ってきた伝令が、何かを告げた。王女からの短い返事を受け
取った男は、立ち去り際に、いぶかしげな視線を黒い神官服に向ける。だが、ア
メリアに笑顔で促され、自分の持ち場に勢いよくかけていった。
「・・・来たようです。ゼロスさん、良かったら見物していきませんか?私たち
が勝ちますから。」
「これはこれは。王女様は意外と悪趣味でいらっしゃる。」
 リナだったらキレる事間違いなしの、嫌みたっぷりな丁寧語に、アメリアは涼
しげな笑顔を向ける。
「魔族でも、嫌なんですか?同族が倒されるところを見るのは。」
 (笑顔でこのボクを恫喝するとは。さすが王族。駆け引きにおける度胸は大し
たものですね。)
 口には出さず、笑顔でもって答えるゼロス。彼女の「切り札」が何か判らない
以上、見物してみるのも悪くない案のように思えた。そもそも彼は、セイルーン
に突然デーモンを(しかも妙に半端な数の)派遣した覇王グラウシェーラーの意
図を探るためにやってきたのだ。
 どちらにせよ、最後まで見届けて帰るつもりだったのだから。

 戦いは、無数に降り注ぐ炎の矢で始まった。
「炎呪封殺(フレア・シール)!」
 待機していた高位神官達の唱える防御呪文が、炎の矢を消滅させる。呪文壁の
向こう、高熱渦巻く陽炎の彼方から、無数のレッサー・デーモンの姿が現れた。
「烈閃槍(エルメキア・ランス)!」
 アメリアの声を皮切りに、次々と呪文が飛ぶ。だが、群なす魔族達の足止めに
はならない。むしろ、散発的に飛んでくる魔法の発射地点に向かって、レッ
サー・デーモン達の歩みは早くなったようだ。
(ふむ。縦深陣を敷いて、誘いだした魔族を挟み撃ちにする・・・と、いったと
ころですか。)
 軽い失望をおぼえる獣神官。アメリアのいる「本陣」の両脇に、かなりの数の
人間が隠れていることを彼は知っていた。ただし、魔力はほとんど感じられな
い。まあ、数さえあれば、レッサー・デーモンを倒すことも不可能ではないだろ
うが・・・。
 頭の中身の単純なレッサー・デーモンなら、この程度の罠でも確実に引っかか
るだろうが、それでもなお、両者の戦闘能力には差がありすぎる。これでは、ど
れほどの被害が出るか判らない。
(所詮、「正義通ればそれでよし」のお姫さまにはこの程度が精一杯なんですか
ね。)
 彼が思考の縁に沈んでいる間にも、デーモンの進行は止まらない。
「きしゃぁぁぁぁぁ!」
 奇声とともに、レッサー・デーモンが炎の矢を再び放った。その時。
「いまです!」
 アメリアの叫びとともに、左右に展開していた大量の人影が動く。と、同時に
アメリアの眼前にのっそりと現れたのは・・・
 アメリアの父にしてセイルーン王位第一継承者フィリオネル殿下だった。

"O Freude, nicht diese Tone!"
 
 なんの前触れもなく、いきなり歌いだしたのは、交響曲第九番である。声量豊
かなバリトンがあたりに響き、それに続いて「歓喜の歌」の大合唱があたりを揺
るがしたのだった。

"Freude, schoner Gotterfunken, Tochter aus Elysium,
wir betreten feuertrunken,Himmlische,dein Heiligtum!"

「うわわわわ。」
思わず地面にへたりこむゼロス。
「ぎゃぁぁぁぁ・・・!」
 レッサー・デーモンの口からも悲鳴がこぼれる。「生の賛歌」にサンドイッチ
にされたデーモン達は、苦しみもだえ、中には失神状態になるものまであらわる
始末である。
 合唱はまだ続く。それは、今まで控えていた魔法戦士達が突入し、デーモン達
を全滅させるまでとぎれることはなかった。
「いかがでした?私の作戦。」
 にんまりと微笑みを浮かべ、アメリアが訊ねる。
 訊ねられた方は完全に血の気の失せた顔に、それでもいつもの表情を張り付け
たまま、答えた。
「やってくれるじゃないですか・・・。」
 両手を後ろで組み、胸を張って立つアメリア。薄くピンク色に染まった頬と、
輝く瞳は、魔族である彼が見ても美しかった。
「だからどうだっていうんです。いつ、どこに現れるか判らない魔族に対抗する
ために、聖歌隊でも作るんですか?・・・気の長い話ですね。」
 第一、「生の賛歌」がレッサー・デーモン達に壊滅的なダメージを与えたの
が、実は歌自体の力ではないことに彼は気付いていた。命の素晴らしさを心から
信じる、アメリアがいてこそ力を発する技なのだ。アメリアの精神波を、大合唱
によって増幅したと言っても過言ではない。
「ま・・・。心弱い人間風情が、命の瀬戸際にのんびりとあんな歌を歌えるもの
か、やってみればいいでしょう。屍の山を前に、後悔することですね、アメリア
さん。」
 嫌みの上に棘をデコレーションしたような彼の言葉に、なぜかアメリアは満足
そうに頷いた。
「いーえ!これはほんの準備段階です。ここからが本番なんですから。今、シル
フィールさんとマルチナさんに頼んで、各国の神殿と王家に協力を依頼している
んです。」
 (ほお。では、本気で各国に聖歌隊を作るつもりなんでしょうかね。)アメリ
アの勢いに押され、つい黙って聞き入ってしまうゼロス。
「さらには魔道士協会にも協力を要請し、精神感応(テレパシー)の使える魔道
士を介して世界同時にカタート山脈に向けて・・・」
「な・・・なんですって?!」
「声を限りに歌います!愛を!希望を!喜びを!」
 びしっっっっっっっ!と、意味もなく中空を指さして高らかに宣言するアメリ
ア。
「ゼロスさんの反応から言って、いやがらせ以上の効果が期待できること間違い
なしですねっ!」
 (い・・・いやがらせ?!本気で言ってるんですか?!)
「ちょっと待ってくださいよ。じゃああなたは、ボクの反応を見るために引き留
めたんですかぁ?」
 その問いに帰ってきた笑顔は、とっさに防御陣を張りたくなるほどの生気に満
ちあふれていた。
「そうです!あまり人間を馬鹿にしないことです!首でも洗って、待っていてく
ださいね、ゼロスさん。」
 冗談ではない。
 この世界には、国際レベルでの作戦を実行できる人間は、少なくとも十数人は
いるだろう。
 また、「魔族に歌で対抗する」などと言うおちゃっぴいな作戦を思いつける
ぶっとんだ思考の持ち主も、探せば多少は存在するだろう。
 だが、この両者を兼ね備えているのは。世界広しといえど、アメリア=ウィル
=テスラ=セイルーン・・・彼女をおいて他にはいないかもしれない。
 とんでもないことになりましたね・・・。
 もし、こんな事が実行に移されたら。いくら獣王様でも面白がってはいられな
いでしょう。あの方は、事赤眼の魔王様に関しては、全くしゃれが通じないんで
すから。
 真っ先に滅ぶのは、このボクかもしれませんね。
「もし。私が殺されたらその時は、この作戦に効果あり!という証拠だと思っ
て、必ず実行してくださいとお願いしてあります。」
 心なしか影が薄くなったように見える彼に、極上の微笑みを向けてアメリアは
囁く。
「腹いせに私を殺してみますか?ゼロスさん。」
「いえ・・・。まいりましたよどうも。今日のところは引き上げることにしま
す。疲れちゃいました。
 でもね、覚えていてください。ボクは、命令されていないことはしない主義な
んです。つまり・・・。
 獣王様の命が下ったら、あなたといえど、殺します。」
 ほんの一瞬見せた、ゼロスの厳しい素顔に、思わず一歩下がるアメリア。だ
が、気丈にも持ちこたえ、しっかりとした声で答えた。
「覚えておきます。ゼロスさん。」
 軽く手を振ると、アメリアは彼に背を向けて歩き出した。みじんもおびえの感
じられない背中に、ゼロスは苦笑する。
 ちょっと甘く見すぎていましたね。あれならもう少し遊んであげてもいいで
しょう。多少は手応えありってところですか・・・。
 軽くのびをした黒い神官姿がかき消えたことに気付いた人間は誰もいなかっ
た。
 
 かくて。作戦名「人生って素晴らしい」は、一応の成功を治めたと、歴史には
刻まれたのであった。

                                    



作者のたわごと
 
元ネタは、(言うまでもなく)オリンピックの開会式です。
あまりに安直なネタなので一度は没にしたんですが・・・。
閉会式を見ました。選手も、役員も、スタッフも、子供もおばあちゃんも・・・
みんなものすごく楽しそうで、見ている私も幸せな気分になれました。
で。「生の賛歌」って、やっぱアリかな?と思いなおし、一気に書いてしまいま
した。時期ネタでもあるので、腐らないうちにお召し上がりください。
私としては、「王女様」しているアメリアがお気に入りです。
アメリア〜〜〜。好きだぁ〜〜〜。
(いい加減な話なので、ツッコミを入れると簡単に底が破れます。ご用心。)

いい加減といえば・・・。歓喜の歌の歌詞もいい加減なので、信じないように。
ではでは。

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1547Re:月光幻想曲 アメリア逆襲編はづみ 2/24-12:30
記事番号1546へのコメント

凄いっ!逆襲編だあ! 



>「珍しいですね。あなたは、『戦い』を楽しむタイプじゃないと思っていたんで
>すが。」
原作の方では結構そうゆう余裕があるように見えますよ、私には。

>「いやだなあ。驚いてくれないんですか?あ、それとも、このレッサー・デーモ
>ンをつれてきたのが、ボクだとでも思ってるんですか?」
何か、ゼロスらしい台詞・・・。

>「・・・来たようです。ゼロスさん、良かったら見物していきませんか?私たち
>が勝ちますから。」
>「これはこれは。王女様は意外と悪趣味でいらっしゃる。」
> リナだったらキレる事間違いなしの、嫌みたっぷりな丁寧語に、アメリアは涼
>しげな笑顔を向ける。
>「魔族でも、嫌なんですか?同族が倒されるところを見るのは。」
> (笑顔でこのボクを恫喝するとは。さすが王族。駆け引きにおける度胸は大し
>たものですね。)
ああ、何か凄くかっこいいですね。水面下の駆け引きが・・・。



>(所詮、「正義通ればそれでよし」のお姫さまにはこの程度が精一杯なんですか
>ね。)
馬鹿にされてますね、アメリア・・・。

> "O Freude, nicht diese Tone!"
> 
> なんの前触れもなく、いきなり歌いだしたのは、交響曲第九番である。声量豊
>かなバリトンがあたりに響き、それに続いて「歓喜の歌」の大合唱があたりを揺
>るがしたのだった。
い、イカス!(笑)まさか、こんな手にでるとは・・・。
私パソコンの前で爆笑してしまいましたよ。

>「うわわわわ。」
>思わず地面にへたりこむゼロス。
おもしろすぎ!(笑)ゼロスも腰抜かすとは!


>「いかがでした?私の作戦。」
> にんまりと微笑みを浮かべ、アメリアが訊ねる。
> 訊ねられた方は完全に血の気の失せた顔に、それでもいつもの表情を張り付け
>たまま、答えた。
>「やってくれるじゃないですか・・・。」
かっこいいー!アメリアー。


>「さらには魔道士協会にも協力を要請し、精神感応(テレパシー)の使える魔道
>士を介して世界同時にカタート山脈に向けて・・・」
>「な・・・なんですって?!」
>「声を限りに歌います!愛を!希望を!喜びを!」
> びしっっっっっっっ!と、意味もなく中空を指さして高らかに宣言するアメリ
>ア。
凄すぎる・・・。その発想が・・・.

>「ちょっと待ってくださいよ。じゃああなたは、ボクの反応を見るために引き留
>めたんですかぁ?」
> その問いに帰ってきた笑顔は、とっさに防御陣を張りたくなるほどの生気に満
>ちあふれていた。
>「そうです!あまり人間を馬鹿にしないことです!首でも洗って、待っていてく
>ださいね、ゼロスさん。」
さすが、アメリア!凄く彼女らしい前向きさ、ですね!

> 真っ先に滅ぶのは、このボクかもしれませんね。
ゼロス、ちょっとびびってる?(笑)

>「もし。私が殺されたらその時は、この作戦に効果あり!という証拠だと思っ
>て、必ず実行してくださいとお願いしてあります。」
なるほど、これも作戦のうちですか・・・。考えたなあ、アメリア。


>「腹いせに私を殺してみますか?ゼロスさん。」
>「いえ・・・。まいりましたよどうも。今日のところは引き上げることにしま
>す。疲れちゃいました。
> でもね、覚えていてください。ボクは、命令されていないことはしない主義な
>んです。つまり・・・。
> 獣王様の命が下ったら、あなたといえど、殺します。」
この駆け引きはアメリアの勝ちですね。でも、ゼロスも負けてないところが、
何とも・・・。



>元ネタは、(言うまでもなく)オリンピックの開会式です。
>あまりに安直なネタなので一度は没にしたんですが・・・。
そうですか?そこから、発想するのって凄いと思いますよ。

>私としては、「王女様」しているアメリアがお気に入りです。
私もです。かっこいいですね、むつみ様のアメリア!ほれてしまいましたよ!
何か、この2人、ゼロスとリナとはまた違ったライバルって感じでいいですね。
いいなあ、この2人・・・。全キャラ中1番対称的な2人なんじゃないでしょう
か。
むつみ様の次の作品にも期待してますっ。頑張ってくださいね。

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1556はづみさんありがとうございますむつみ 2/25-08:50
記事番号1547へのコメント
こんにちわ。むつみです。お読みいただき、ありがとうございます。

>原作の方では結構そうゆう余裕があるように見えますよ、私には。
 そうですね。アニメより、落ちついた性格ですよね。どちらも好きなんですが。
>

>ああ、何か凄くかっこいいですね。水面下の駆け引きが・・・。
 ありがとうございます。ゼロスと対等に会話するアメリアを書きたかったんです。
そのわりに・・・。
>馬鹿にされてますね、アメリア・・・。
 ・・・なんですが。


>い、イカス!(笑)まさか、こんな手にでるとは・・・。
>私パソコンの前で爆笑してしまいましたよ。
 笑っていただけると、私は幸せです。

>>「うわわわわ。」
>>思わず地面にへたりこむゼロス。
>おもしろすぎ!(笑)ゼロスも腰抜かすとは!
 いえ。この場合、ゼロスじゃなくても驚くと思います。
>

>> 真っ先に滅ぶのは、このボクかもしれませんね。
>ゼロス、ちょっとびびってる?(笑)
 アメリアに、ではなく。獣王様の逆鱗に触れること、あるいは赤眼の魔王様の怒りが
恐ろしいんじゃないかと・・・。
>

>そうですか?そこから、発想するのって凄いと思いますよ。
 ありあとうございます。

>何か、この2人、ゼロスとリナとはまた違ったライバルって感じでいいですね。
>いいなあ、この2人・・・。全キャラ中1番対称的な2人なんじゃないでしょう
>か。
 そうなんです、対極にいるからこそ、面白いんですよね。
>むつみ様の次の作品にも期待してますっ。頑張ってくださいね。
 頑張ります!これからもよろしくお願いします!
>

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1549Re:月光幻想曲・ アメリア逆襲編松原ぼたん E-mail 2/24-14:06
記事番号1546へのコメント
 面白かったです。

>「珍しいですね。あなたは、『戦い』を楽しむタイプじゃないと思っていたんで
>すが。」
 ゼロスってただ現れるってしませんよね。
>「魔族でも、嫌なんですか?同族が倒されるところを見るのは。」
 やるな、アメリア。
>(所詮、「正義通ればそれでよし」のお姫さまにはこの程度が精一杯なんですか
>ね。)
 あら、ちょっと莫迦にしてる?
> アメリアの父にしてセイルーン王位第一継承者フィリオネル殿下だった。
 ここでででくるとはっっっ。
>「さらには魔道士協会にも協力を要請し、精神感応(テレパシー)の使える魔道
>士を介して世界同時にカタート山脈に向けて・・・」
 そっ、それはすごい(笑)。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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1557ぼたんさんありがとうございます。むつみ 2/25-08:55
記事番号1549へのコメント

> 面白かったです。
 いつもありがとうございます。読んでいただけて、幸せです。
>
> ゼロスってただ現れるってしませんよね。
 そうなんです。だから、どうやってだそうかと考えました。

> あら、ちょっと莫迦にしてる?
 軽く見てますね、相当。

>> アメリアの父にしてセイルーン王位第一継承者フィリオネル殿下だった。
> ここでででくるとはっっっ。
 好きなんです!殿下!(でも、「おうぢさま」とは呼ばないあたり・・・)

>>「さらには魔道士協会にも協力を要請し、精神感応(テレパシー)の使える魔道
>>士を介して世界同時にカタート山脈に向けて・・・」
> そっ、それはすごい(笑)。
 何が怒るのか、私は責任持ちません。
>
> 本当に面白かったです。
> ではまた、ご縁がありましたなら。
 ありがとうございました。

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1554やべぇ、開会式見てない・・・(^^;)九尾 E-mail URL2/25-01:30
記事番号1546へのコメント
今晩は〜
読みに来ました。

第九でへこむゼロス!年末、日本には居られませんね(笑)
ダメージ受けながらも、嫌味たらたらなところが、むつみさんのゼロスですね。
合掌!←死んでねぇ

アメリアも、前回の借りを返せて良かった、良かった♪
読んでいて、すっきりした♪
王女しているアメリア。格好良かったです。

作者の意図するところでは無いのでしょうが、
やたらとアメリアに出くわし、なおかつ、いちいち嫌味を云いに姿を現す
ゼロスが、笑えます。
アメリアみたいな性格の娘は苦手だろうに・・
性なのね・・・

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1558九尾さんありがとうございます。むつみ 2/25-09:04
記事番号1554へのコメント

>今晩は〜
>読みに来ました。
 いつもありがとうございます。
>
>第九でへこむゼロス!年末、日本には居られませんね(笑)
 そういうことになりますね。除夜の鐘もあるし。

>ダメージ受けながらも、嫌味たらたらなところが、むつみさんのゼロスですね。
>合掌!←死んでねぇ
 「あの程度の嫌味、一人で受けていただかなければ困ります。」ってところです
ね。
>
>アメリアも、前回の借りを返せて良かった、良かった♪
>読んでいて、すっきりした♪
 何とか逆襲させてあげたかったんです。このネタが浮かんだときには、私もほっ
としました。
>王女しているアメリア。格好良かったです。
 ありがとうございます。アメリア、好きだあ〜〜〜!(まだ言ってる。)
>
>作者の意図するところでは無いのでしょうが、
>やたらとアメリアに出くわし、なおかつ、いちいち嫌味を云いに姿を現す
>ゼロスが、笑えます。
>アメリアみたいな性格の娘は苦手だろうに・・
 そうなんですよ。最初の一回は、「気まぐれ」で片づけても良かったんですが、
二回目ともなると理由が必要ですよね、やっぱり。それで、ああいうことになりま
した。こんな理由で引っぱり出された覇王様、ごめんなさい。

>性なのね・・・
 相手がフィリアなら、嫌味をいうためだけに現れる・・・てのもアリかな?と思
います。

それでは。頑張りますから、見捨てないでください!では!

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1576Re:月光幻想曲・ アメリア逆襲編ゆっきー 2/27-09:16
記事番号1546へのコメント
はじめまして、むつみさん。
本当にアメリアいじめていますねえ。ゼロス様、やっぱり魔族なんですねえ。

月光幻想曲

>勿論。ボクは、魔族なんですから。その囁きに顔を上げ、ゼロスと目があった
>とたんに金縛りにされてしまった。この男が魔族だということをつい失念した
>自分の愚かさを悔いてももう遅い。
>いかにも上機嫌そうな含み笑いが、例えようもなく恐ろしい。ゼロスを浮かれ
>させ、アメリアを萎縮させる何かが、確かにこの館には、ある。
ゼロス様を魔族であることを、あのにこ目で忘れてしまうとこもあるのはわかりますね。
私もよく、魔族=闇に住まうもの。闇の部分を忘れていますから。
アメリア、そうとう怖かったでしょう。かわいそうに。

>「ボクがやったのかって?もしそうだったらどうします?ボク一人を『悪』と
>決めつけて、退治して、いい気分で『忘れ』ますか?この怨霊達も、魔族に
>操られたかわいそうな人として、高司祭の力で無理矢理浄化しますか?」
>アメリアの真正面にあるゼロスの顔は、いつものにこにこ顔のままである。
>「いつもどうり」が、こんなに怖かったことは、初めてだった。
きついこと言ってますねえ。アメリアいじめてますね。
でも、ゼロス様のいっていることも一理ありますね。

>大好きな人たちの名前を心の中で唱える。それがアメリアの落ち込んだときの
>おまじないだった。だが、一番呼びたい人の名前が出てこない。

>祈るように続くつぶやき。呼んではいけない名前。呼んだら、ここにいない
>ことを思い知らされることになる。
>とうさん、かあさん。おじいさま。姉さん。リナさん、ガウリイさん。
>シルフィールさん、フィリアさん・・・・・。
>・・・・・・さん。
>心の中で唱えていたはずのものが、いつのまにか声になっている。ただひとつ
>の愛する人の名前に。
ゼル、アメリアを泣かしている。
大好きな人たちの名前を唱えることが、アメリアの気持ちを落ち着かせるおまじない。
アメリアらしいですね?

>燃えるような怒り。哀しみ。悩み。後悔。自己嫌悪。
>だが、そこには『絶望』は無い。あるのは、『慈愛』。そして『希望』。
>ゼロスにとっては、やけどしそうに危険な感情だった。
>・・・面白い。なかなかいけそうですね。
>凄絶な笑みを浮かべ、ゼロスは消えた。
アメリア、健気です。絶望はなく、慈愛と希望。きれいな心の持ち主です。
魔族のゼロス様、怖いくらいです。やっぱり魔族なんですね。

よかったです。ちょっとアメリアかわいそうでした。
ゼル、早くアメリアに会いに戻って来てください。


  月光幻想曲 アメリア逆襲編 

>(いくら数を集めたって、雑魚は雑魚。役に立つとは思えないんですけどねえ。)
ゼロス様、ひどいこと言ってますねえ。

>レッサー・デーモンの口からも悲鳴がこぼれる。「生の賛歌」にサンドイッチ
>にされたデーモン達は、苦しみもだえ、中には失神状態になるものまであらわる
>始末である。
そんなにすごい効き目だったとは。よく考えだしましたね?

>「さらには魔道士協会にも協力を要請し、精神感応(テレパシー)の使える
>魔道士を介して世界同時にカタート山脈に向けて・・・」
>「な・・・なんですって?!」
>「声を限りに歌います!愛を!希望を!喜びを!」
>びしっっっっっっっ!と、意味もなく中空を指さして高らかに宣言する
>アメリア。
アメリアの逆襲だ!!かっこいいです!
うろたえるゼロス様!そういうことはそうとう危険な攻撃なんでしょう!

>「ま・・・。心弱い人間風情が、命の瀬戸際にのんびりとあんな歌を歌える
>ものか、やってみればいいでしょう。屍の山を前に、後悔することですね、
>アメリアさん。」

>「いえ・・・。まいりましたよどうも。今日のところは引き上げることに
>します。疲れちゃいました。
>でもね、覚えていてください。ボクは、命令されていないことはしない主義
>なんです。つまり・・・。
>獣王様の命が下ったら、あなたといえど、殺します。」
>ほんの一瞬見せた、ゼロスの厳しい素顔に、思わず一歩下がるアメリア。
ゼロス様、怖いですねえ。さすが魔族ですねえ。強気ですね。

>ちょっと甘く見すぎていましたね。あれならもう少し遊んであげてもいいで
>しょう。多少は手応えありってところですか・・・。
まだ、余裕が残っていますね?なんだかアメリアとのやりとりを楽しんでいますね?

>かくて。作戦名「人生って素晴らしい」は、一応の成功を治めたと、歴史には
>刻まれたのであった。
この作戦で北の魔王が滅んだら、魔族ってなさけないぞ。

フィルさんが出てきたとき、『平和主義者クラッシュ!』などといって、レッサーデーモンを全滅させるのか?っと、思いました。私も考えが安易でしたね。
ところで覇王グラウシェラーは、どうしてレッサーデーモンをセイルーンに送ったのでしょう?疑問です。




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1595ゆっきーさん初めまして。むつみ 2/28-09:59
記事番号1576へのコメント
ゆっきーさん。お読みいただきありがとうございます。
>本当にアメリアいじめていますねえ。ゼロス様、やっぱり魔族なんですねえ。
 私の書くゼロス君は、とことん魔族です。

>ゼロス様を魔族であることを、あのにこ目で忘れてしまうとこもあるのはわかりますね。
>私もよく、魔族=闇に住まうもの。闇の部分を忘れていますから。
>アメリア、そうとう怖かったでしょう。かわいそうに。
 あのにこ目で魔族っていうところが、ゼロスのセールスポイントですよね。
>
>きついこと言ってますねえ。アメリアいじめてますね。
>でも、ゼロス様のいっていることも一理ありますね。
 アメリア、ちょっと気力がダウンしてるんです。だから言い返せない。
>
>ゼル、アメリアを泣かしている。
 ・・・皆様、判っていただけて嬉しいです。そうです。アメリアを泣かせたのは、ゼロスじゃなくてゼルなんです〜〜〜!

>大好きな人たちの名前を唱えることが、アメリアの気持ちを落ち着かせるおまじない。
>アメリアらしいですね?
 このアメリア、お気に入りです。

>アメリア、健気です。絶望はなく、慈愛と希望。きれいな心の持ち主です。
>魔族のゼロス様、怖いくらいです。やっぱり魔族なんですね。
 怖いですか?そういっていただけると、私は書いたかいがあります。魔族は、怖くなくっちゃ。
>
>よかったです。ちょっとアメリアかわいそうでした。
>ゼル、早くアメリアに会いに戻って来てください。
 ゼルガディス!ちゃんと帰ってあげなさいよね!(私はゼルアメ強行推進派)。
>
>
>  月光幻想曲 アメリア逆襲編 
>そんなにすごい効き目だったとは。よく考えだしましたね?

>アメリアの逆襲だ!!かっこいいです!
>うろたえるゼロス様!そういうことはそうとう危険な攻撃なんでしょう!
 えーと。TRY見てると、そんな気がしたんですが・・・。いかがでしょうか。
>

>ゼロス様、怖いですねえ。さすが魔族ですねえ。強気ですね。
>まだ、余裕が残っていますね?なんだかアメリアとのやりとりを楽しんでいますね?
 実際問題として、あの程度でゼロスがどうこうできるとは思えないんでよね。余裕はたっぷりある見たいですね、彼。
>

>この作戦で北の魔王が滅んだら、魔族ってなさけないぞ。
あああ。そんなこと言われたら、試してみたくな〜る〜。
>
>フィルさんが出てきたとき、『平和主義者クラッシュ!』などといって、レッサーデーモンを全滅させるのか?っと、思いました。
 おおっ!そうきますか!それもなかなか。
>ところで覇王グラウシェラーは、どうしてレッサーデーモンをセイルーンに送ったのでしょう?疑問です。
 ゼロスも、それを確認するのを忘れて帰っちゃったような気が・・・。

楽しんでいただけたら、私もとても嬉しいです。それでは、また。
>
>
>
>

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1582Re:月光幻想曲 アメリア逆襲編wwr 2/27-21:37
記事番号1546へのコメント

>  月光幻想曲 アメリア逆襲編 
うぷぷぷぷ おもしろかったですぅぅ。

> 周囲に気を配り、矢継ぎ早に言葉を繰り出してゆくアメリアは、こう言っては
>なんだが、王女というよりは有能な現場監督といった趣がある。
うんうん、でもデスクワークや会議とかよりも、こっちの方が生き生きとできるんでしょうね。

>「これはこれは。王女様は意外と悪趣味でいらっしゃる。」
> リナだったらキレる事間違いなしの、嫌みたっぷりな丁寧語に、アメリアは涼
>しげな笑顔を向ける。
>「魔族でも、嫌なんですか?同族が倒されるところを見るのは。」
> (笑顔でこのボクを恫喝するとは。さすが王族。駆け引きにおける度胸は大し
>たものですね。)
魔族vs王族の駆け引き・・・・・・。いい勝負じゃないですか(笑)


> アメリアの叫びとともに、左右に展開していた大量の人影が動く。と、同時に
>アメリアの眼前にのっそりと現れたのは・・・
> アメリアの父にしてセイルーン王位第一継承者フィリオネル殿下だった。
え!?なんでフィルさんがここに?

>
> "O Freude, nicht diese Tone!"
> 
> なんの前触れもなく、いきなり歌いだしたのは、交響曲第九番である。声量豊
>かなバリトンがあたりに響き、それに続いて「歓喜の歌」の大合唱があたりを揺
>るがしたのだった。
「歓喜の歌」!!??
某エヴァ!??

>「うわわわわ。」
>思わず地面にへたりこむゼロス。
>「ぎゃぁぁぁぁ・・・!」
> レッサー・デーモンの口からも悲鳴がこぼれる。「生の賛歌」にサンドイッチ
>にされたデーモン達は、苦しみもだえ、中には失神状態になるものまであらわる
>始末である。
あ!?そぉかぁ。うはははははははははははは(爆笑)
すごすぎるぅぅぅ!!

>「いかがでした?私の作戦。」
> にんまりと微笑みを浮かべ、アメリアが訊ねる。
へたりこんだゼロスにラ・ティルト叩き込めば世界平和に一歩近づいたのに・・・・・と思った私は鬼畜ですわ。

>「さらには魔道士協会にも協力を要請し、精神感応(テレパシー)の使える魔道
>士を介して世界同時にカタート山脈に向けて・・・」
>「な・・・なんですって?!」
>「声を限りに歌います!愛を!希望を!喜びを!」
> びしっっっっっっっ!と、意味もなく中空を指さして高らかに宣言するアメリ
>ア。
う〜みゅ。アメリアちゃんが言うとホントにできるような気がするから不思議ですわぁ。

>「そうです!あまり人間を馬鹿にしないことです!首でも洗って、待っていてく
>ださいね、ゼロスさん。」
強くなったねぇ、アメリアちゃん。
あの(笑)リナちゃん達と一緒に旅をした成果がいまここにっ!!

> もし、こんな事が実行に移されたら。いくら獣王様でも面白がってはいられな
>いでしょう。あの方は、事赤眼の魔王様に関しては、全くしゃれが通じないんで
>すから。
> 真っ先に滅ぶのは、このボクかもしれませんね。
ふっ、所詮はかなしい中間管理職世のぉ。(笑)


> 
>元ネタは、(言うまでもなく)オリンピックの開会式です。
>あまりに安直なネタなので一度は没にしたんですが・・・。
>閉会式を見ました。選手も、役員も、スタッフも、子供もおばあちゃんも・・・
>みんなものすごく楽しそうで、見ている私も幸せな気分になれました。
>で。「生の賛歌」って、やっぱアリかな?と思いなおし、一気に書いてしまいま
>した。時期ネタでもあるので、腐らないうちにお召し上がりください。

はい、おいしくいただきました。ごちそうさまでした。

>私としては、「王女様」しているアメリアがお気に入りです。
>アメリア〜〜〜。好きだぁ〜〜〜。
私もむつみ様の書くアメリアちゃんが大好きですぅ。
ぜひまた書いてくださいね。たのしみにしています。


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1594ありがとうございます。むつみ 2/28-09:42
記事番号1582へのコメント

>うぷぷぷぷ おもしろかったですぅぅ。
 続けて読むと、感動(?)もひとしおかと存じます。

>魔族vs王族の駆け引き・・・・・・。いい勝負じゃないですか(笑)
 王族って、ある意味「人間代表」みたいな一面があるでしょ?アメリアには、そういう意味でも頑張って欲しい。
>

>「歓喜の歌」!!??
>某エヴァ!??
 あはは。そうきますか。
>
>あ!?そぉかぁ。うはははははははははははは(爆笑)
>すごすぎるぅぅぅ!!
 素手でデーモン倒せる方ですから。
>
>へたりこんだゼロスにラ・ティルト叩き込めば世界平和に一歩近づいたのに・・・・・と思った私は鬼畜ですわ。
  ・・・それは思いつかなかったです。凄い。

>強くなったねぇ、アメリアちゃん。
>あの(笑)リナちゃん達と一緒に旅をした成果がいまここにっ!!
 いい社会勉強になったんでしょうね。(ほとんど武者修行・・・という説もある。)
>
>ふっ、所詮はかなしい中間管理職世のぉ。(笑)
 かわいそうなゼロス。

>私もむつみ様の書くアメリアちゃんが大好きですぅ。
 ありがとうございます。
>ぜひまた書いてくださいね。たのしみにしています。
 がんばります!それでは!


ところで。以前「らぶらぶれーど」なる剣の出てくるショートギャグを書かれていませんか?
(猫南の話題別伝言板で教えてもらった。)私、読ませていただきたいのですが、ここに再掲示していただけないで
しょうか?だめ?ステルスハイムさんのHPとか、回ってみたんですが、探せなかったんです。
 よろしくおねがいいたします。
>

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1634むつみさんへwwr 3/3-20:38
記事番号1594へのコメント

>
>ところで。以前「らぶらぶれーど」なる剣の出てくるショートギャグを書かれていませんか?
>(猫南の話題別伝言板で教えてもらった。)私、読ませていただきたいのですが、ここに再掲示していただけないで
>しょうか?だめ?ステルスハイムさんのHPとか、回ってみたんですが、探せなかったんです。
> よろしくおねがいいたします。
>>
>
お返事読んだあと、猫南の話題別にあわてて行って、たまげました。
はい、「らぶらぶれーど」の小話は、私が猫南の開店一周年記念にUPさせていただいたものです。
あんなもの、憶えていただいている方がいるとは思わなかったので、驚きました。
それで、ですね・・・・・・読んでいただけるという、とっても嬉しいお言葉なんですが、・・・・・・ここへの再掲示は勘弁してくださいぃぃぃ(懇願)
だって、こっぱずかしいんですぅぅぅ(泣)
あ〜んな、しょうもない小話を、こんな素敵な小説が掲示されてるところになんて・・・・・・。考えただけで、穴掘って埋まりたくなるんですぅ。
ということで、よろしかったらメールで送らせていただくというのではいかがでしょうか?
ワガママ言ってすみませんが、おねがいします。
ではでは。

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1636wwrさんへ。むつみ 3/4-07:37
記事番号1634へのコメント
wwrさん。お返事ありがとうございます。
>
>お返事読んだあと、猫南の話題別にあわてて行って、たまげました。
 おや、ご存じなかったんですか。それはそれは。(ゼロス口調)

>はい、「らぶらぶれーど」の小話は、私が猫南の開店一周年記念にUPさせていただいたものです。
>あんなもの、憶えていただいている方がいるとは思わなかったので、驚きました。
 覚えておられる方、多かったみたいですよ。それくらいインパクトが強かったんだな、「らぶらぶれーど」。

>それで、ですね・・・・・・読んでいただけるという、とっても嬉しいお言葉なんですが、・・・・・・ここへの再掲示は勘弁してくださいぃぃぃ(懇願)
>だって、こっぱずかしいんですぅぅぅ(泣)
 え〜もったいない。あんなにウケてるのに。(ウケればなんでもいい女、むつみ)

>あ〜んな、しょうもない小話を、こんな素敵な小説が掲示されてるところになんて・・・・・・。考えただけで、穴掘って埋まりたくなるんですぅ。
>ということで、よろしかったらメールで送らせていただくというのではいかがでしょうか?
>ワガママ言ってすみませんが、おねがいします。
 はいはい。私といたしましては、読ませていただけるなら、文句などございませんとも!(低姿勢)
 メールアドレスは、tatsue@momo.so-net.or.jp です。

>ではでは。
 こちらこそよろしくお願いいたします。それでは。

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1590読みました♪アメリア逆襲編えれな E-mail 2/28-08:24
記事番号1546へのコメント

ちょっと遅くなりましたが。読みました。非常におもしろかったです(笑)
特にまあ、第九のシーンですね。どんな切り札使ってくるんだろう?ってゼロスと共に
(笑)いろいろ考えてたら・・・

>「うわわわわ。」
>思わず地面にへたりこむゼロス。

まさに、えれなもこんな感じでした(笑)
それと、非常に気に入った部分がもうひとつ。ここです。

> 獣王様の命が下ったら、あなたといえど、殺します。」
> ほんの一瞬見せた、ゼロスの厳しい素顔に、思わず一歩下がるアメリア。だ
>が、気丈にも持ちこたえ、しっかりとした声で答えた。

このゼロスとアメリアの双方引かないところが、とってもよかったです。

いつもいつも思うことですが、ほんとにむつみさんのアメリアはいい!
どのキャラクターもいいですけど。
それぞれ、らしさ、が完璧に出ていて読んでて、すごいなあっていつも感心します。

今回この話が気に入ったもうひとつの理由として、「第九」があります。
これ、実は、えれなも大好きなの。
中学の卒業式で大合唱した思い出深い曲です。
オリンピックの時も一緒に歌ってたし(笑)

なんか話がそれちゃいましたが。
では、このへんで。

えれなでした。

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1593えれなさんありがとうございます。むつみ 2/28-09:30
記事番号1590へのコメント
えれなさん。お読みいただき、ありがとうございます。
>
>特にまあ、第九のシーンですね。どんな切り札使ってくるんだろう?ってゼロスと共に
>(笑)いろいろ考えてたら・・・>
>>「うわわわわ。」
>>思わず地面にへたりこむゼロス。
 魔族じゃなくても、腰抜かしますよね、あれ。

>まさに、えれなもこんな感じでした(笑)
 驚いていただけました?

>それと、非常に気に入った部分がもうひとつ。ここです。
>このゼロスとアメリアの双方引かないところが、とってもよかったです。
 実は、前作を書いたときに、私もそう思ったんです。ここまで対極に位置する二人。面
白くないわけはない・・・ぞ、と。
 どうしても書きたかったんです「逆襲編」!
>
>いつもいつも思うことですが、ほんとにむつみさんのアメリアはいい!
>どのキャラクターもいいですけど。
>それぞれ、らしさ、が完璧に出ていて読んでて、すごいなあっていつも感心します。
 ありがとうございます。全て「愛」のなせる技ですね。(笑)
>
>今回この話が気に入ったもうひとつの理由として、「第九」があります。
>これ、実は、えれなも大好きなの。
>中学の卒業式で大合唱した思い出深い曲です。
>オリンピックの時も一緒に歌ってたし(笑)
 私も好きなんです、第九。開会式は、嬉しかったなあ。

楽しんでいただけたら、私もとても幸せです。それでは、また。


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1625Re:月光幻想曲 アメリア逆襲編YUKARI E-mail 3/2-22:33
記事番号1546へのコメント
どうも。
いっちばんはじめにゼロアメネタを提案したYUKARIです。
なんか・・・・・・・・・・・すごいことになってきてるかも・・・・・・・(汗)

むつみさんのネタはいつも新鮮でおもしろいですっ!
しかも大好きなゼロアメだしっ!
うふふふふ(はあと)
これからも頑張って下さいね〜〜〜☆

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1626YUKARIさんありがとうございますむつみ 3/3-01:34
記事番号1625へのコメント
YUKARIさん。お読みいただきありがとうございます。
>いっちばんはじめにゼロアメネタを提案したYUKARIです。
 あなたのあの提案なしには、存在しなかった小説です。読んでいただけて幸せです。

>なんか・・・・・・・・・・・すごいことになってきてるかも・・・・・・・(汗)
ふふふ。すごいでしょ?アメリア、逆襲しています。
>
>むつみさんのネタはいつも新鮮でおもしろいですっ!
 ありがとうございます。
>しかも大好きなゼロアメだしっ!
・・・ちゃんと、ゼロアメになってますか?それは良かった。この二人の会話って、書
いていて楽しいです。
>うふふふふ(はあと)
>これからも頑張って下さいね〜〜〜☆
 は〜い。頑張ります。これからも、よろしくお願いします。
>

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1657Re:月光幻想曲・ アメリア逆襲編山塚ユリ 3/7-01:28
記事番号1546へのコメント
読ませていただきましたぁ。
読んでいて、「おおっ長野オリンピックだあ」っと思ったら、やっぱりそうだったのですね。
楽しい話をありがとうございました。
でもゼロス…怖ひ…

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1658山塚さんありがとうございました。むつみ 3/7-09:20
記事番号1657へのコメント
山塚ユリさんいつもありがとうございます。


>読んでいて、「おおっ長野オリンピックだあ」っと思ったら、やっぱりそうだったのですね。
 ぴんぽ〜ん。大当たり!・・・安直なネタですいません。

>楽しい話をありがとうございました。
 楽しんでいただければ幸いです。

>でもゼロス…怖ひ…
 魔族は、怖くなけりゃ。

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1581Re:月光幻想曲wwr 2/27-20:41
記事番号1482へのコメント

>月光幻想曲
面白かったですぅ。

>見殺しである。セイルーン王家直々の出動が、彼ら心弱い領民の決心の背中を
>押す一突きになったことは想像に難くない。
そのへんの事もアメリアちゃんには分かってしまうんでしょうね。
王族である自分が動いたことによる影響と、その結果も。


>うつむいてしまった彼女の顔を、無遠慮にのぞき込む獣神官。
>「そんなこと考えてたんですか。でも、考えるだけなら、ここじゃなくてもい
>いですよね。セイルーン王宮での政務の合間に、ちょっと考えて、あとは忘れ
>てしまえばいいじゃないですか。」
>「それは・・・!」
そーゆー器用な真似ができるアメリアちゃんじゃないですものね。
だから、ゼロスはかまいたくなるんでしょうか?

>「間違えちゃいけませんよ。今、ここにいるのは、多かれ少なかれ己の欲望に
>足をすくわれた魂ばかりなんですから。だからほら、生まれついての王女であ
>るあなたに対する恨みや妬みがこ〜んなに渦巻いていますよ。」
>ゼロスが、まるで、サロンに群れ集う人々を紹介するようなジェスチャーで、
>掌を向ける。
怨念を煽って楽しいかい、ゼロス?・・・・・・楽しいよね・・・・・・。


>頬をつたう、一滴の涙。
>「・・・やめましょう。これ以上続けると、本気になりそうです。」
>アメリアの涙を人差し指で受け、立ち上がるゼロス。
>「・・・本気で、いじめたくなりますから。」
今までは、遊びだったの?
・・・・・・・・・・・・ゼロス・・・・・・・ひょっとして、「好きな子いぢめ」ってやつ?


>とうさん、かあさん。おじいさま。姉さん。リナさん、ガウリイさん。シル
>フィールさん、フィリアさん・・・・・
>大好きな人たちの名前を心の中で唱える。それがアメリアの落ち込んだときの
>おまじないだった。だが、一番呼びたい人の名前が出てこない。
ああっ、せつない〜。アメリアちゃぁぁん。

>・・・・・・さん。
>心の中で唱えていたはずのものが、いつのまにか声になっている。ただひとつ
>の愛する人の名前に。
>一度呼ぶごとにこぼれる涙。とぎれることなく続くそれを、月光だけが照らし
>ていた。
ばか〜、ばか〜。ゼルのばか〜。
どこで、なにしてるんだよぉぉ。
アメリアちゃんが泣いてるじゃないかぁぁ。


>燃えるような怒り。哀しみ。悩み。後悔。自己嫌悪。
>だが、そこには『絶望』は無い。あるのは、『慈愛』。そして『希望』。
>ゼロスにとっては、やけどしそうに危険な感情だった。
>・・・面白い。なかなかいけそうですね。
ゼロス・・・グルメですね。

>あとに残るのはあふれんばかりの月光と、・・・そして影。

ほうっ。魔族のゼロスと、王族の(でも女の子)のアメリアちゃんが素敵でした。
やっぱりゼロスは魔族やってるときが一番生き生きと(笑)してますね。

では、これから、「逆襲編」読みに行きま〜す。
            
                         



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1592wwrさん ありがとうございます。むつみ 2/28-09:19
記事番号1581へのコメント
wwrさん。お読みいただき、ありがとうございます。
>

>そのへんの事もアメリアちゃんには分かってしまうんでしょうね。
>王族である自分が動いたことによる影響と、その結果も。
 アメリアって、とてもいい治世者になれると思うんですが、いかがでしょうか。
>
>そーゆー器用な真似ができるアメリアちゃんじゃないですものね。
>だから、ゼロスはかまいたくなるんでしょうか?
 完全に、もてあそんでますよね。ゼロスってば。
>
>怨念を煽って楽しいかい、ゼロス?・・・・・・楽しいよね・・・・・・。
 楽しんでますよね〜。困った奴だ。>
>

>今までは、遊びだったの?
>・・・・・・・・・・・・ゼロス・・・・・・・ひょっとして、「好きな子いぢめ」ってやつ?
 再掲示なので書きませんでしたが、元々この話は、とある方がリクエストされた「ゼロアメ」小
説のつもりだったんです。ものの見事に失敗してますが。(誰がどう見てもゼルアメでしょ?)
 だから、ゼロスの言動がちょっと妖しいんです。でも、この科白に「くらっ」ときてくださった
方、多かったなあ。
>

>ああっ、せつない〜。アメリアちゃぁぁん。
>
>ばか〜、ばか〜。ゼルのばか〜。
>どこで、なにしてるんだよぉぉ。
>アメリアちゃんが泣いてるじゃないかぁぁ。
 そうなんです。アメリアを泣かせたのは、ゼロスじゃなくて、ゼルガディスなんですよね。
 ちゃんと責任とれよな、ゼル。


楽しんでいただけたら、私も幸せです。それではまた。
>
>
>>燃えるような怒り。哀しみ。悩み。後悔。自己嫌悪。
>>だが、そこには『絶望』は無い。あるのは、『慈愛』。そして『希望』。
>>ゼロスにとっては、やけどしそうに危険な感情だった。
>>・・・面白い。なかなかいけそうですね。
>ゼロス・・・グルメですね。
>
>>あとに残るのはあふれんばかりの月光と、・・・そして影。
>
>ほうっ。魔族のゼロスと、王族の(でも女の子)のアメリアちゃんが素敵でした。
>やっぱりゼロスは魔族やってるときが一番生き生きと(笑)してますね。
>
>では、これから、「逆襲編」読みに行きま〜す。
>            
>                         
>
>
>

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1638Re:月光幻想曲めなりん URL3/4-18:40
記事番号1482へのコメント
ふみぃぃ!
めなりんです!
よみました!
ゼロアメゼロアメゼロアメ〜!!!
>「・・・やめましょう。これ以上続けると、本気になりそうです。」
>「・・・本気で、いじめたくなりますから。」
このセリフがすきですぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
はううううううううう!!!!!!!!
と、いうことです(どういうことでしょう?)
また書いて下さいね。
ふふふふふふふ

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1643めなりんちゃんありがとうございます。むつみ 3/5-08:58
記事番号1638へのコメント
めなりんちゃん、およみいただき、ありがとうございます。

>ゼロアメゼロアメゼロアメ〜!!!
 ちゃんとゼロアメしてますか?それは良かった。

>>「・・・やめましょう。これ以上続けると、本気になりそうです。」
>>「・・・本気で、いじめたくなりますから。」
>このセリフがすきですぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
 やっぱ、ここにきますか。言われてみたい?

>また書いて下さいね。
 アメリア逆襲編も、読んでね(はあと)。

>ふふふふふふふ
 くくくくく。それでは。

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1484おずのまほーつかいむつみ E-mail 2/18-01:14
記事番号1481へのコメント
スレイヤーズ学芸会  おずのまほーつかい

某月某日。セイルーン・シティにおいて「王立劇場再開記念演劇コンクール」
が行われた。
賞金につられて参加したリナ達一同だったが・・・

     (暗い舞台。スポットライトで照らしだされる少女。
      エプロンドレスにお下げ髪のリナ=ドロシー。)
「『ここはどこ?おじさん、おばさん!どこにいったの?(はっ)。そこにい
るのは、誰?』
・・・出てこないと、火炎球でふっとばすわよ!」
     (「リナさ〜ん。お芝居、忘れないでくださいね。」
      舞台裏から声をかけるアメリア。)
(おっと。そうだった。)「『嫌だ。怖い。誰か、助けて!』」
     (スポットライトが右そでを照らす。
      アメリア=グリンダ登場。)
「『私は、良い魔女グリンダ。東の、悪い魔女を倒してくれてありがとう、幼
い魔女よ。』」
「『悪い魔女?あたしが?知らないわそんなこと。それより、あたしをお家に
帰して!』」
     (「凄いノリの良さですね。リナさん。」
      「優勝賞金、金貨一千枚だからな。」)
     (舞台裏で会話するゼロスとゼルガディス。
      二人とも、「着ぐるみ」を装備している。)
「『私には、その力はありません。それができるのは、エメラルドの都に住
む、偉大なオズの魔法使いだけなのです。・・・さあ、お行きなさい自分の足
で。黄色い煉瓦が、あなたを導いてくれるでしょう。』」
     (「アメリアさんも、熱演してますねぇ。」
      「良い魔女グリンダの役だからな。
       ドレスもよく似合う・・・」
       そうつぶやいて、一人赤面するゼルガディス。)
     (舞台は変わり、ガウリィ=かかしが登場する。)
「『リナ・・・じゃなかった、お嬢さん。これからどこに行くんだい?』」
「『偉大なオズの魔法使いに会いに行くのよ。』ガウリィ。その格好、似合い
すぎ。」
「そおか?『オレも一緒に行っていいか?』・・・え〜と。なんだっけ?」
     (「藁でできた脳味噌では、悩みがあっても考えることができな
い。
      オレは、本物の脳味噌が欲しいんだ。
      ・・・ですよ。」)
「え〜と。『オレは、のーみそが、欲しいんだぁ!』」
     (舞台裏で、お腹を抱えて笑い転げるゼロス。
      アメリアとゼルガディスも、必死で笑いを
      こらえている。)
(・・・あ、いけない。一瞬意識がとぎれちゃった。)「『それなら、あたし
と一緒にエメラルドの都に行きましょう!』だれよぉ。こんなキャスティング
したのは!」
     (「オズの魔法使いに会いに行こう」の歌を
      デュエットする二人。
      舞台は変わり、ゼルガディス=きこりの登場。)
「『みて!何か立ってる!』」
「『何が来ても、オレが守ってやるさ。』」
(どきっ。)「『まあ。ブリキの人形だわ。動くのかしら。』ここは呪文
で・・・霊呪法!
んふふ。これでゼルはあたしの下僕ね。」
「やめんか馬鹿者!『関節に油を注してくれ。そうすれば俺は動けるんだ。』
真面目にやらないなら、俺は降りるぞ!」
「やだ〜。ゼルったら、ホンの冗談だってば。(ちっ)。『動けるようになっ
て良かったわね。金属のボディって、凄いわ。きっと、力持ちなのね。』」
「『確かに俺は、力持ちで疲れ知らず。だが、体の中は、空っぽだ。俺は、人
間の熱いハートが欲しいんだ!』くそ。何なんだこの科白は!」
     (「この配役、マジで洒落になってません!
       ごめんなさいゼルガディスさん!」
      泣いてわびるアメリア。)
     (「オズの魔法使いに会いに行こう」の歌にあわせて踊る三人。
      何だかんだ言って結構ノリのいいゼルガディス。)
     (舞台は森の中。ゼロス=ライオン登場。)
「『この森を抜けたら、いよいよエメラルドの都よ!』」
「『そうはいきません。ここはボクの縄張り。通りたかったら、ボクを倒して
行くんですね。』」
「・・・一度、貴様とは真剣に勝負してみたかったんだ。」
「オレ達の実力を甘く見ない方がいいぜ。」
     (着ぐるみのまま、剣をかまえるゼルガディスとガウリィ。)
「はいはい。そういうのはあとにして。『あたし達は、エメラルドの都に行き
たいだけなの。お願い、通して。』」
「『通しませんよ!がお〜〜〜っ。』」
     (叫ぶと同時に振り下ろされる爪。一見、どこを
      狙ったか判らないような空振りだったが、ガウリィ
      は身を逸らせ、後ろに逃げる。
      「あぶね〜っ。」
      ガウリィの立っていた場所には、鋭い何かで抉った
      ような跡ができていた。)
「(はずしましたか。)『ボクの縄張りに入ったら、みんな引き裂いちゃう
ぞ。がお〜〜〜。』」
「(口の中で呪文を唱える)『ひどいわ!あたしの友達に何てことするの
よ!』」
     (ゼロス=ライオンをひっぱたくリナ=ドロシー。)
「本気で殴りましたねリナさん!しかもその呪文・・・」
「霊王結魔弾よ!アメリアが教えてくれたの!『あたしの友達に乱暴しない
で!』」
「(ちっ。よけいなことを。これでますますリナさんを押し倒しにくくなった
じゃないですか。)
『ボクは、力は強いけど、本当は臆病なんです〜。いじめないでください
〜。』とほほ。」
「『まあ。あなたはとっても強い、百獣の王でしょう?もっと勇気を持っ
て!』」
「百獣の王ごときが獣王様に勝てるわけ無いじゃないですか!」
「・・・あんた達、何でさっきからそう・・・。まあいいわ。『それなら、あ
たしと一緒にエメラルドの都に行きましょう。オズの魔法使いに勇気をもらう
といいわ。』」
     (「オズの魔法使いに会いに行こう」の歌にあわせて群舞。
      途中で、ゼロスとリナのペアダンスが入る。
      「オレはこんな話は、聞いていないぞ!」
      「嫌だなあ。ガウリィさん。忘れっぽいんだから。」
      「そうだったか?」
      「(うそぴょん。)」)
     (にぎやかに第一部、幕)
    
(背景に浮かぶ美しいお城。セイルーン王宮がモデルと
      一目で判る。エメラルドグリーンの照明を合図に、第二幕。)
「『まあ、なんて美しい!あれがエメラルドの都なのね!ついに来たんだ
わ!』」
     (エメラルドの都の住人の群舞。・・・のはずが・・・。
      突然舞台中央がせり上がり、スモークと共に現れる人影。)
「お〜ほっほっほっ。やっと来たわねリナ・・・じゃなくてドロシー。『私こ
そが、この国一番の大魔道士、オズよ!』」
     (言わずとしれた白蛇のナーガ=オズ、登場。)
     (舞台の上で茫然自失するリナ達。
      「なななな。何であんたがこんなところに!」
      「ここは、フィルさんの出番じゃなかったのか?」)
     (舞台の袖であわてているアメリア。
      「グレイシア姉さん。台本、無視しないでください!
       姉さんの出番はまだ・・・」)
「おだまりアメリア。リナが出てるのに、この私が引っ込んでいるわけには行
かないでしょ!
『この、偉大なるオズの魔法使いに頼み事とは、恐れを知らぬ小娘め。なぜ私
が、お前ごときの頼みを聞かねばならぬ?』お〜ほっほっほっ。」
     (再び、口の中で呪文を唱えるリナ。
      「おい、リナ!」
      「気持ちは分かるが、竜破斬はやめろ!」
      「今ここでそんな呪文使ったら、優勝賞金は水の泡ですよ、
      リナさん。」
      ガウリィ達に止められ、何とか自分を取り戻すリナ。)
「おにょれ〜。後で覚えてなさいよ、ナーガ!『あなたはこの国でいち・・・
ばんの(言いにくそうに)・・・一番の、最高の魔法使いなんでしょ!あたし
達のささやかなお願いくらい、聞いてくれてもいいじゃない!』」
「とうとう私を一番と認める気になったようね、リナ。『確かに、その胸くら
いささやかな願いを叶えることなど、私にとっては造作もないこと。でも、タ
ダと言うのもつまらない話。
交換条件をだしましょう。西の、悪い魔女を倒してきたら、あなたのその
胸・・・じゃなくて、ささやかな願い、聞いてあげてもいいわ。この、世界一
の大魔法使いがね!』お〜ほっほっほっ。」
「くやしい〜〜〜っ。やっぱりぶっとばす!止めないでよ!ガウリィ、ゼ
ル!」
     (暴れるリナを抱えて、逃げるように退場するガウリイ達。)
「『あの小娘・・・東の魔女を倒したという話だが。ふふふ。だが所詮小娘は
小娘。あの、陰険で極悪非道な西の魔女にかなうはずもない。二度とこの都に
戻ることはないだろう。』」
     (高笑いを残してナーガ=オズ退場。)
     (背景は一転して、いかにも「悪い魔女の城」といった風情の
      暗い物になる。暗かった舞台が足下から徐々に明るくなり、
      リナ達登場。)
「『あれが悪い魔女の城?なんて薄気味悪い。・・・魔女を倒すなんて、あた
し達にできるのかしら。なんだか、怖い。』」
「『安心しろよ、リナ。お前には、強い味方がついているんだ。』・・・おい
ゼロス。何をしてるんだ。リナはここで、オレに抱きつくはずだぞ。」
     (ちゃっかり、リナの肩に手を回しているゼロス。
      「やっぱり、アメリアに頼んで、リナに魔族を素手で殴る
       呪文を教えといて正解だったな。」
      心の奥でつぶやくガウリィ。)
     (舞台装置にスポットライトが当たる。黒いローブに全身を
      包んだ魔女が登場。アメリアの二役のはずだが、それに
      しては背が高い。)
「『な、何だあれは!』」
「『ここが、私の国と知ってきたの?旅人よ。一生、この私の下僕となってこ
こで暮らすがいい!
いでよ、我に従属する家来共よ!あいつらを捕まえるのだ!』・・・あ。ガウ
リィ様に乱暴しちゃ、ダメですよ。」
「その、しゃべり方!まさか!」
「シルフィール!?」
     (フードをはずし、シルフィール=魔女登場。)
「『聞けば、わたくしを倒しに来たそうじゃないの、小娘!返り討ちにしてさ
しあげますわ!
ブリキは門番に!ライオンは生きたまま敷物に!・・・そして、ガウリィ様は
わたくしの物に!』
ここで何かが起こっても、全て演技中の事故!合法的にあなたを葬るチャンス
と、ある方が教えてくださいましたの!」 
     (「・・・素質ありますね。彼女。スカウトしようかな。」)
「そんな合法、あるか!シルフィール。あんた一体いつからそんなに偉くなっ
たの?あたしを葬るなんて、百年早いってのよ!あんたごときの呪文が、この
あたしに通用するとでも?」
「いくらリナさんでも、自分の身体で竜破斬を受けたことはないでしょう?そ
れに、今回は強力な助っ人がいるんです!皆さん、出てきてください!」
     (「あんたも懲りない娘ねえ。・・・」と言いかけたリナの
      顔がひきつる。
      シルフィールの後ろから現れたのはなんと十人ナーガ!)
「お〜ほっほっほっほっほっほっ。お〜ほっほっほっほっほっほっ。」
     (高笑いの合唱に、さすがに言葉を失う舞台上の面々。)
「彼女たちこそ、リナさんの弱点だと、ある人が教えてくれたんです!」
     (ばさっ!と、ローブを脱ぎ捨てるシルフィール。
      その下は、黒いビキニに棘つきショルダーガード。
      ナーガ御用達の「悪の女魔道士」スタイル!)
     (「シルフィールじゃない・・・あんなの、シルフィール
      じゃないよぉ・・・しくしく。」
      心理的ダメージを受けて赤ん坊返りするガウリィ。)
     (「精神攻撃って奴ですね。」
      ゼロスは一人、楽しそうに舞台の様子を眺めている。
      既に天井裏に避難して、高見の見物状態である。)
「ナーガねっ!くそ〜〜〜。あんな奴の口車に乗って!もうゆるせん!どいつ
もこいつも、竜破斬でふきとばしてやる〜〜〜!」
     (リナとシルフィールの呪文詠唱の声が重なる。)
     (その時既に、「セイルーン災害避難マニュアル」に基づき、
      竜破斬警報が発令。市民の避難誘導が始まっていた。)
     (誘導の手伝いをしていたゼルガディスは、隅っこで泣いて
      いるアメリアに気付く。 
      「セイルーンは、もうおしまいです〜。姉さんとリナさん
      が戦うなんて〜。」
      「姉さんって、まさかあの高笑い女が!」
      「セイルーン第二王位継承者グレイシアです。あああ。
       死ぬ前にせめて言っておかなくちゃ!
      ゼルガディスさん!私前からあなたのことが!」
      「気持ちは嬉しいが、錯乱するなアメリア。落ちつけ!」
      一瞬、(俺が婿になってやらんと、セイルーンは滅ぶん
      じゃないか?)と思ってしまったゼルガディスだった。)
「(増幅かけてるヒマはない!こうなったら、あたしと彼女の魔力勝負よ!)
ドラグ・スレイ〜ブ!」
     (完全にシンクロした二つの竜破斬が生みだした結果を、
      客観的立場で見学できたのはゼロスだけだった。
      「いや〜。なかなか面白い見せ物でしたね。」)

 どういう先見の明か、劇場はセイルーン・シティのはずれに建てられてい
た。
おかげで都は壊滅を免れたのだが・・・
 これ以後、セイルーンでは演劇祭はおろか、劇場そのものが作られることさ
えついになかったという。
リナ=インバースの悪名に、また一つ箔がついてしまったのであった。

                                      
終わり

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1577Re:おずのまほーつかいゆっきー 2/27-09:17
記事番号1484へのコメント
おずのまほーつかい

>「え〜と。『オレは、のーみそが、欲しいんだぁ!』」
>     (舞台裏で、お腹を抱えて笑い転げるゼロス。
>      アメリアとゼルガディスも、必死で笑いを
>      こらえている。)
はっはっは!そのままですねえ!ガウリイ、いいです!

>「やだ〜。ゼルったら、ホンの冗談だってば。(ちっ)。
その(ちっ)って?リナ?

>「(はずしましたか。)『ボクの縄張りに入ったら、みんな引き裂いちゃう
>ぞ。がお〜〜〜。』」
ゼロス様、ガウリイを亡き者にしたいのね?リナをめぐって争ってますね?

>「(ちっ。よけいなことを。これでますますリナさんを押し倒しにくくなった
>じゃないですか。)
ゼロス様、そんなことをたくらんでいたのですか?
どうぞ!隙をみて押し倒してください!

>     (「オズの魔法使いに会いに行こう」の歌にあわせて群舞。
>      途中で、ゼロスとリナのペアダンスが入る。
>      「オレはこんな話は、聞いていないぞ!」
>      「嫌だなあ。ガウリィさん。忘れっぽいんだから。」
>      「そうだったか?」
>      「(うそぴょん。)」)
ゼロスとリナのペアダンス、いい演出ですねえ。
ガウリイが嫉妬しているのがいい!

>「お〜ほっほっほっほっほっほっ。お〜ほっほっほっほっほっほっ。」
>     (高笑いの合唱に、さすがに言葉を失う舞台上の面々。)
ナーガのコピー登場!怖いぞお、ビデオでも怖いもの感じたし。

>「彼女たちこそ、リナさんの弱点だと、ある人が教えてくれたんです!」
>     (ばさっ!と、ローブを脱ぎ捨てるシルフィール。
>      その下は、黒いビキニに棘つきショルダーガード。
>      ナーガ御用達の「悪の女魔道士」スタイル!)
>     (「シルフィールじゃない・・・あんなの、シルフィール
>      じゃないよぉ・・・しくしく。」
>      心理的ダメージを受けて赤ん坊返りするガウリィ。)
コピーナーガのことを教えたのはディオルですね?
悪の女魔道士スタイルのシルフィール。そんなのシルフィールじゃないよお!
ガウリイ、一緒に泣こう!(しくしく)

>      一瞬、(俺が婿になってやらんと、セイルーンは滅ぶん
>      じゃないか?)と思ってしまったゼルガディスだった。)
ゼル、そうだよ。あなたがしっかりしていないとセイルーンはおしまいよ?

>リナ=インバースの悪名に、また一つ箔がついてしまったのであった。
やはり、そうなりましたか。まあ、一つぐらい箔がついても平気でしょう(?)

おもしろかったです。配役はそのまんまでよかったです(笑)


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1591泣かないで〜。むつみ 2/28-09:10
記事番号1577へのコメント
ゆっきーさん。お読みいただき、ありがとうございます。
>

>はっはっは!そのままですねえ!ガウリイ、いいです!
 これを言いたくて書いた話ですから。そのまんまやないけ。
>

>ゼロス様、ガウリイを亡き者にしたいのね?リナをめぐって争ってますね?
>ゼロス様、そんなことをたくらんでいたのですか?
>どうぞ!隙をみて押し倒してください!
 ゼロリナ小説を、いくつか読ませていただいたんですが・・・。とことんガウリイ
が情けない。ガウリナな私は、彼にゼロスを牽制させる話が書きたかったんです。


>コピーナーガのことを教えたのはディオルですね?
 おおっ!そこに気付いてくださって、嬉しいです。もちろん、例の衣装をシル
フィールに貸し与えたのも、彼。
>悪の女魔道士スタイルのシルフィール。そんなのシルフィールじゃないよお!
>ガウリイ、一緒に泣こう!(しくしく)
 ははは。驚かせてごめんなさい。赤ん坊返りはしないでね。
>
>ゼル、そうだよ。あなたがしっかりしていないとセイルーンはおしまいよ?
 ゼルアメ強行推進派の私も、そう思います。

>おもしろかったです。配役はそのまんまでよかったです(笑)
 楽しんでいただけたら、私もとても幸せです。それでは、また。
>
>

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1485再掲示お疲れさまでした松原ぼたん E-mail 2/18-01:37
記事番号1481へのコメント
 再掲示お疲れさまでした。
 あたしはする気力ありませんね(笑)。
 [タイトル&コメント]で見えるのわかった以上、ほっときます(爆)。
 たぶん読む人いなくなるでしょうけど、それもまた一興。
 どのみち再掲示が多いとすぐに[過去の記事]に沈むでしょうし。

 やっぱりむつみさんの小説は何度読んでも面白いです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。