◆−ハプスブルクの残像1−CANARU(4/20-18:30)No.15020 ┣はじめまして!!−あごん(4/21-00:35)No.15024 ┃┗有難うございました〜♪−CANARU(4/21-08:45)No.15029 ┣ハプスブルクの残像2−CANARU(4/21-08:40)No.15028 ┃┣ガウリイのきおくりょく・・・−ねじばな(4/21-18:51)No.15036 ┃┃┗ぢつは・・・・(汗)−CANARU(4/22-10:40)No.15046 ┃┗またまた新シリーズ〜♪−P.I(4/22-00:22)No.15041 ┃ ┗裏社会では〜♪−CANARU(4/22-10:44)No.15047 ┣ハプスブルクの残像3−CANARU(4/22-10:34)No.15045 ┃┗珍しくシルフィールが出てるぞ(笑)−P.I(4/23-01:13)No.15067 ┃ ┗只今学校より〜!−CANARU(4/23-10:01)No.15070 ┗ハプスブルクの残像4−CANARU(4/23-20:34)No.15077 ┣素朴な疑問なんですが・・・−P.I(4/25-00:46)No.15094 ┃┗野生の直感ですね!−CANARU(4/25-18:37)No.15100 ┣お疲れさまですv−あごん(4/25-01:40)No.15095 ┃┗ありがとうございました〜!−CANARU(4/25-18:53)No.15102 ┗音楽っ♪−ねじばな(4/29-10:34)No.15164 ┗音楽室はコワイです!!−CANARU(4/30-11:00)No.15190
15020 | ハプスブルクの残像1 | CANARU URL | 4/20-18:30 |
30年戦争・・・・。 1600年代ドイツで起こった大規模な戦争である・・・。 その様子は前半はオーストリア・ハプスブルク家・・・ドイツ諸国にスウェーデン王『グスタフ・アドルフ』の対決といっても過言ではない戦争だった。 しかし・・・・『プラハの和平』が締結された後。 フランス王ルイ13世、そして宰相リシューリュの介入により事態はよりいっそう泥沼化し、ドイツの発展はこの時200年後退した、と言われたほどの戦争である・・・。 「夢を見たわ・・・・・・・・・・」 ライプチヒ近郊・・多くのハプスブルクとドイツの兵が衝突した場所・・。 そして・・そこからこの一本の剣の物語は始る・・・・。 「馬鹿な事を考えたもんだな・・・・・・」 「・・・『足』がつかないには最適な方法だろ・・?」 あっけらかんとしたガウリイの返答にチっと思わず舌打ちするゼル。 昔からこんなだっただろうか?この幼馴染は。 少なくとも一見すると単なる『クラゲ』で済ませそうな雰囲気や言動もあるが。 かなりの合理主義、下手をすれば冷笑主義者であることも・・・・・。 確か・・かもしれ・・・・・。 「でもよお〜〜〜・・テレビドラマで『足がつきにくい』と、知ってはいるが・・・・。 ネーミングからしてもしかして『死の商人』つ〜のは・・・違法か?ゼルゥ〜〜。逮捕されないように向こうがちゃ〜〜〜〜んっとサポートしてくれるんだろかなあ・・・。 あの映画みたいに・・・・・・」 ・・・・・・・・・・前言撤回・・・・・・・・・・・・。 誰がなんと言おうと考え浅い、いや、考える事そのものを完全的に放棄した 単なるクラゲである。 オーストリアの首都、ウィーン。 ここのスウェーデンきっとの『死の商人』。 「インバース」の苗字を冠する人物がやってくる・・・か。 ガウリイたっての希望で偶然にしても「インバース」の存在をネット上から 傍受したゼルがコンタクトを準備したのだが・・・。 彼自身、当のガウリイが何を望んで「死の商人」なんかと交渉したいのか までは知ったことではなかった。 まあ・・多少足元見られて泣きを見たところで・・・。 彼の家はオーストリアのかつての王家、ハプスブルク一門の流れを汲む名家 である。 多少の(一般市民にしたら相当な・・下手すれば相当以上だが・)出費くらい 言い訳がつくのだろう。 まあ・・後でしつこく泣きつかれても迷惑となるだけだし・・・・。 出来る限りはサポートしてやるつもりだが。 見れば先程からガウリイは何かを後生大事に持っている。 「・・・なあ・・まだ来ないのか?」 恐らく手に抱えた大きな包みが交渉の道具・・・なのだろう。 ガウリイが正規のルートで買えないようなものを買いたがるようには思えないし。 ならば逆に「売りたい」と考えるのが普通だ。 ・・・・・・・ま、ガブリエフ家にはそ〜いったモノは旧体制の時代から ゴロゴロ転がっているだろうし。 「で・・・ゼル・・その『インバース』ってのは・・・。ど〜ゆ〜奴だ?」 「・・・黒髪の長髪の・・大柄な男らしい・・・」 「・・・・黒髪の男ねえ・・・・ガラの悪そうな兄ちゃんと栗色の髪の毛のお嬢ちゃんしかあるいてね〜ぞ・・・?この辺りには・・・」 そんな事を言いながらも。 既にガウリイは『ガラの悪い兄ちゃん』に絡まれた『栗色の髪のお嬢ちゃん』を 助けに行こうとしている様子だった。 「持ってて」 ポイっと無造作に今まで後生大事に抱え込んでいた包みをゼルに手渡すガウリイ。 「お・・おい。ガウリイ!!!!」 声をかけ終わった時には既に遅く。 スタスタと気配を殺しながら現場にガウリイは近寄っていっていた。 「な〜〜〜・・お嬢ちゃん・・一個でいいから買ってくれないかなあ〜?」 安物の商品をチラリ・・と一瞥。 続いて商品の入ったトランクを広げているガラの悪い販売人を見る。 そして・・・・・・・・・・・・・・・。 「いらない」 アッサリと栗色の髪のお嬢ちゃん・・リナはガラの悪い行商人に向かって答えた。 「・・・いらないって・・お嬢ちゃんねえ・・俺も・・・・・」 「・・・俺も如何したって?困る?そりゃ〜そっちのお嬢ちゃんの方がよっぽども 困ってるぜ?」 急に背後から聞こえる声。 「・・・・・・別に困っちゃいないわよ。ただね、こんな三流商品、このリナ=インバースに売りつけようってところがムカついただけよ」 その声に向かって振り向きもしないでリナが答える。 「・・・いんば〜〜〜す・・・・・???」 どこかで聞いたことがあるような・・・・?????ガウリイの頭の中に「?」 マークが横行しているその間に、である。 「・・・い・・・いいいいいいい・・・インバースだって!!!??? し・・・失礼しましたああああああああ〜〜〜〜〜〜〜!!!」 半ば泣き声を上げながら去っていく行商人の男・・・。 「・・・まあ・・悪徳な商法してる連中にとっちゃ・・『死の商売人』インバース は・・驚異でしょうねえ・・・」 ポリポリと呆れたように頭をかきつつリナ。 「・・・市の商売人って・・・・・・・」 真坂・・と言う思いがガウリイの脳裏を支配する。 「ええ。アタシの事。と、言っても父ちゃんが・・・ととと・・・。プライバシーに関わる事はこれくらい。アタシ、父の代わりに初仕事をこなしにきたのよ。悪いけど・・。 『ガブリエフ』って苗字の物好き知らない?」 ・・・・・・・・・・・・・・ビンゴ・・・・だったらしい・・・。 「驚いたわ。大方金持ちの退屈しのぎだろうとは思ってはいたけど・・。 こ〜んな若いアンちゃんがアタシに用事だとはね」 ウィーンの一目につかない場所に移動して・・・・。 いざ商談、と言う段階になってリナはガウリイのことを一瞥し、クスクスと笑い出す。 「リナさ〜ん・・・あんまり正義とは思えないです・・。こんな所でコソコソ 話するの・・・」 ガウリイから渡された『商品』をリナに渡しながらアメリアが不満そうな声で 呟く。 「・・・正義って・・何が正義よ?」 そんなアメリアに逆にリナが質問を浴びせ返す。 「そりゃ〜・・インバースと言ったら・・泣く子も黙る、『裏』『黒幕』・・・。 確かにあんまり良い名前や響きとは言えませんが・・。財力、政治力で世界の治安維持、警察をやっている一族でしょう?コソコソするなんて・・」 「・・・分かってないわね・・アメリア・・・・・」 はあ・・・とため息をつきつつもリナには説明をする気力も無いらしかった。 確かにインバース一門は政治介入、治安維持、更に言えば『危険思想』の 統制なども影ながら国家規模で行っている。 しかし・・『力』を得るためにはそれなりに『汚れた』部分も不可欠な要素と なっている。 その事実にアメリアは気付いていないらしい。 ・・・もっとも・・気付いたら気付いたでアタシの命は無いわね・・・。 トホホ・・と思いつつもリナはそっとガウリイとの取引の品物を包みから 解く。 「・・・・・・アンタ・・・・・・・・・・・・」 「ん・・?何だ?お嬢ちゃん」 「アンタ・・アタシを子供だと思って馬鹿にしてるの・・・?」 ・・・つくり笑いは・・・・。 ある意味そう「だった」のかもしれない。 しかし・・これだけは確実的にいえている。 リナは決して『欺く事が出来る』筈が無かったと言う事だ。 「何ですか?リナさん!!偽者でも売りつけられそうになったんですか!!?」 リナの狼狽を別の状況と勘違いしてだろう。 ガウリイを・・そして商品を冷たい視線で眺めつつアメリア。 「・・いいえ・・その反対よ、アメリア・・・」 「はぇ・・・?????????」 さしものアメリアもリナの物静かさ、そしてさっきまでの笑みとは打って変わった ガウリイの真剣な顔に言葉を失ったらしい。 「これは・・信じられない値打ちモノよ・・。しかも・・ヨーロッパ全体の国の国家予算に匹敵するわ・・・まあ、アタシにとっては・・・『ソレ』はどうだって良いことなんだけど・・・」 言いながらリナは手に掲げた長剣をまじまじと見据える。 「・・どうでもいいこと・・・?」 思い詰めたまま何も語ろうとはしないガウリイに代わり、ゼルが疑問を リナに問い掛けてみる。 グスタフ・アドルフ・・・・・・。 スウェーデンの希望の星であり、ドイツ諸国がハプスブルクとの戦いの 首領と認めた国王。 ズシャ・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!! 恐らく王家では最も身分の低い男であろう兵士の放った矢。 黄金の髪、青い瞳が印象的なハプスブルク家の紋章を纏った人物である。 アドルフの赤い髪、赤い瞳とマトモにぶつかり合う!!! いななく馬の音・・・・・・・・・・・・・・・。 『ソレ』は深々と・・・アドルフの体を貫いていた・・・・・・・・・・・。 「コレが・・アタシのご先祖・・グスタフ・アドルフに深手を負わせた猛毒を含む伝説の・・ハプスブルクの『ゴルン・ノヴァ』って訳ね?」 埋め込まれた剣の柄にある黄色いダイアモンドが生々しい輝きをリナの目にも 焼き付ける。 まるで・・アドルフの血筋と再会を喜ぶか・・はたまた憎しみを再燃させるか・・。 それはリナ、強いて言えばこの剣にも分からない。 「お前が・・ハプスブルクと敵対した・・スウェーデン王の末裔とは・・。 知らなかったな・・・」 既に数回のネット上のコンタクトがリナ、アメリアとあるゼルが言う。 「・・・言うほどのことじゃ無いけど・・。こうしてこの剣を持ってると・・。 どうもガラにも無く因縁感じちゃって、ね。で、こっちの兄さん。アタシに売ろうってことは・・人には言えないわけがある。コレ、どっかから盗んできたの?」 はじめて見る、しかし、何処か見覚えある赤い瞳に見据えられたガウリイもやっとの事で 我に帰り・・・。 「ああ・・・盗んできた・・かな・・・?」 「・・何処から?そんな手薄な金庫か博物館、はたまた・・・・」 饒舌に話の展開を運ぼうとするリナを遮りガウリイは。 「自分の家から、な。そんなもんがあったが故に・・・・」 ここまで言ってガウリイは言葉を切る。 「・・・・あんまし外聞の素敵な話って訳じゃ無さそうね・・。普通『棄てる』とか『隠す』て〜のが『宿命』から逃れようとする人間の常だけど・・。『売る』なんて考える奴、初めて遭ったわ。見かけによらず、案外強かなのね・・貴方・・」 感心とも呆れともつかない口調でリナ。 「・・・・ん?テレビで見て・・」 「・・・・ますます強かだわ・・・・・・・アンタ・・・・・・・・・・・」 さしものリナもこの返答には参ったらしい。 「・・で、ど〜するんです。リナさん?」 何時までもこんなもの抱えていたくない・・それがアメリアの意見らしいのだが。 「そうね・・・。この剣買ってあげても良いけど。二つ条件があるわ。ハプスブルクの末裔のガウリイさん」 にっこりと挑戦的な笑みを浮かべてガウリイに商談・・いや「勝負」を持ちかけてくるリナ。 「条件????」 「一つは、これからアタシ、父ちゃんの代理としてハプスブルク家のこと嗅ぎまわらなくちゃ行けないのよ。成功した暁には・・この剣同様、貴方と貴方の嫌う一族との決別方法をアタシの処世術から伝授する。だから・・・」 「・・・成る程、俺はお前さんに協力しろって事か?」 「そう言う事。ただし、アタシが『何』をしようとしてるかって事は・・。 無論詮索無しでね・・・」 第一の条件を言い終えてリナはニヤリと不敵に口元を歪める。 「で・・・第二の条件は?」 この様子からすると・・ガウリイは確実にリナの条件に従う。 それどころかその『状況』すら楽しんで一族に『復讐』をしかねない雰囲気だった・・。 まったくもって性質が悪い。 しかもこのリナ、お互いを『利用』しあう事に対してもなんら抵抗感の無い体質の娘のようだった・・・・。 根本的な部分が完全に共通してしまっている二人・・・・・・。 頭を抱えたい気分を押さえながらゼルが今度はリナに問い掛ける。 「第二に、この剣、『用事』が終わるまでアタシが持っているわ・・って事ね・・」 ふう・・・・・・・・・・・。 そんな事を急に言い出すリナにガウリイは肩をすくめつつ・・・。 「ああ・・どうでも構わないぜ?でも、知ってるか?その黄色いダイヤ、持ってる人間を・・・」 「・・・ことごとく不幸にする、な〜んて古典的なギャグは勘弁ね。じゃ、ね」 最後の最後で『年上』ぶってリナに警告しようとするガウリイの冗談を軽く受け流しつつ。片手を上げてガウリイに挨拶するリナ。 「・・・・これって一寸・・思うんですが・・あのダイヤ・・・」 「ああ・・・巻き込まれる部外者のほうが・・確実的に不幸に陥る!!」 アメリアとゼルのボヤキは何のその。 「ああ、じゃ〜な、リナ。またウィーンのどっかでな〜!!」 「・・改めて連絡はするわ!行くわよ、アメリア!!」 乱暴に剣を包みなおしながらアメリアを引っ張ってその場からリナは立ち去る。 「・・・やれやれ・・久々に面白い『ゲーム』が出来そうだな〜!!」 珍しく上機嫌で、顔が笑いながらも目が本気のガウリイ。 かくして・・・・・・・・・・・・・・・。 剣にまつわる伝説が・・再び動き出すのだった・・・・・・。 |
15024 | はじめまして!! | あごん E-mail | 4/21-00:35 |
記事番号15020へのコメント 初めまして、こんばんわ。 あごんという者です。 以前からCANARU様の御作品は陰ながら読まさせて頂いてますv まだ全部は読み終わってないんですけど(爆)。 いつもいつもすごい設定ですよねぇ。 もー感心してしまって、言葉が出ないんですよ。 世界史が全くわからんバカなんですよ。私(泣)。 そんな私がレスしてもいーものかどーか。 随分と迷いましたが(笑)、今回新シリーズという期を狙って、レスさせて頂きました。 CANARU様のガウリイって独特ですよね。 その空気もまた好きですvv ではでは、短いですが。 あごんでした!! |
15029 | 有難うございました〜♪ | CANARU | 4/21-08:45 |
記事番号15024へのコメント >初めまして、こんばんわ。 >あごんという者です。 此方こそはじめまして〜!! 此方にはちょくちょく投稿させていただいてるCANARUです〜!! 今後ともよろしくです! >以前からCANARU様の御作品は陰ながら読まさせて頂いてますv >まだ全部は読み終わってないんですけど(爆)。 わ〜い!! 有難うございます!! 自分でもどれだけ書いたのか・・把握していない今日この頃 だったりします(汗)!! >いつもいつもすごい設定ですよねぇ。 >もー感心してしまって、言葉が出ないんですよ。 >世界史が全くわからんバカなんですよ。私(泣)。 いえいえ・・・・(汗) アタシの場合は世界史しかネタ持ってないのですよ〜(汗) 出切るだけ早く続きを書くので・・・。 何とぞ見捨てないでやってくださいね!! >そんな私がレスしてもいーものかどーか。 >随分と迷いましたが(笑)、今回新シリーズという期を狙って、レスさせて頂きました。 本当にありがとうです〜〜!! 今後ともよろしくお願いします〜〜♪ >CANARU様のガウリイって独特ですよね。 >その空気もまた好きですvv あはは・・・(汗) ど〜も書いているとギャグになってしまう部分多し!!です〜!! >ではでは、短いですが。 >あごんでした!! ありがとうございましたぁ〜! |
15028 | ハプスブルクの残像2 | CANARU | 4/21-08:40 |
記事番号15020へのコメント ハプスブルクの本拠地ウィーン。 しかし、かつてはこの栄華を極めた王朝もスイスの一介の弱小領主に過ぎなかった・・か・・・・・。 「あのお・・・ガウリイさん・・・・」 「・・・何だ?執事のセバスチャン・・・????」 「・・・・セバスチャンぢゃありません!!ボクは貴方の家庭教師兼、お目付け 役のゼ・ロ・ス!!ゼロスです!!」 ブツブツ文句を言う黒い服の男にガウリイは。 「そ〜か・・・そうだった・・悪かったな・・セルバンティス」 尚も中庭に視線を向けつつ上の空で返答する。 「・・・あのお・・僕の話、聞いてました?それに・・なんでドン・キホーテの 作者なんですか!!意味もわからずに人のこと勝手に改名しないでください!!」 「改名が嫌なら・・・戒名するか・・・???」 「・・・・言っておきますけど・・ドイツ語じゃあ通用しませんよ・・・・。 そのジョーク・・・・・・・」 すこっぶる機嫌が悪いか、思いっきり上の空のときのガウリイの性格は・・・。 ハッキリ言って最悪である。 「ともかく!!今は歴史のお勉強の時間です!!貴方の一族の話の真っ最中なんですよ!真面目に授業を受けてくださらないと・・。そのあとには文学の時間も待っています!!」 気を取り直して言い放つゼロスにガウリイはジト目で・・・。 「もともとハプスブルクの家は一介のスイスの田舎領主でした・・。しっかし・・・。 時の神聖ローマ帝国皇帝選帝侯の・・『ハプスブルクのコイツなら・・さしたる実力も金も、害もね〜な・・。い〜や。コイツを皇帝に選んじまえ!!はははは〜!!』と言うロクデナシな考えで無事神聖ローマ帝国帝国皇帝に時のルードルフ一世が選ばれる。 しっかし・・このルードルフは中々のキレもので・・・。『ぺぺぺぺぺ!!てめぇら腐れ選帝侯の言いなりにはなんね〜よ!!馬鹿やろ〜〜!!』となって・・。ハプスブルクに栄華を築く基礎を残した。そ〜だろ。でもって本拠地のスイスは次第に反、ハプスブルクに各州がなり・・仕方無しにオーストリアに逃げ出した。そ〜だろ・・・?」 「い・・・いやぁ〜〜〜・・お見事です・・・ガウリイさん・・しかもワンブレスで・・(汗)」 さしものゼロスもこのガウリイには驚いたらしい・・・。 なんって事は無い・・・・・。 昨日、偶然ウィーンの町で再会を果たしたリナが言ったことを一字一句違えず、真似しただけの事なのだが・・・・・。 「で・・・では・・今度は文学の時間にぃ・・・・・・」 それでも授業を進めようとするゼロスにガウリイは剣呑な眼差しを送り・・。 「セルバンティス。スペインの小説家。若い頃かの『レヴァントの海戦』に出撃し、片手を負傷する。帰国途中船の難破に遭い、数年の奴隷生活を送る。さらに・・・」 「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!んもう!!!ボクが悪かったですよおおお!! 遊びに行きたいならさっさと遊びにいってくださいいいいいいいいいい!!!」 何時もの居眠り授業からこの変貌である・・・・。 まあ・・すべてリナの受け売りとこのゼロスが知るはずもないのだが・・・。 こ〜んなラッキーな機会を逃すつもりはガウリイにも毛頭無かった。 「まったく・・アンタにも呆れたもんだなあ・・・・」 隣を歩くゼルにそうは言われるが・・さっきと打って変わってガウリイは上機嫌である。 「だって〜〜・・あのゼロス!俺が居眠りするたびに・・おやつ取り上げるんだぜ?」 ・・・・・・・そっちか・・・・・・・・・・・・・・・・(汗) 「で、これからど〜するんだ・・・・???」 嫌な予感がしまくったゼルにガウリイは二枚の紙切れを差し出し・・・・・。 「・・・おい・・・・・・・・」 死ぬほどの嫌な予感が・・・・もしかしたら的中・・かもしれない・・・・。 「今から電車使ってスイスに行こうぜ、ゼル!荷物なら宅急便でもう送りつけた からさ〜♪」 そんなゼルの気持ちを知ってか知らずか・・・・・。 極上の笑みを浮かべつつ・・手の中に握り締めた切符をビラビラとゼルに見せるガウリイ。 無駄だと思うが言ってみよう・・・・・。 「お前一人で行け・・・・・・・・」 「・・やだな〜♪ゼル!!俺、一人でウィーンの郊外にすら出たことね〜んだぞ〜♪」 ますます上機嫌にガウリイ・・・・。 「お前・・新学期に・・・必ず自分の教室が何処か分からなくてさ迷う性質だったろ?」 「・・・・なんで分かったんだ・・・????」 尚も上機嫌な様子は変わらず、しかし・・いっかにも怪訝そうにゼルの言葉に頷く ガウリイ・・・・・。 はあ・・・駄目だ・・こりゃ・・・・・・・・・・。 「ま、心配するなよ!!ゼル!俺、スイスドイツ語、(すっごく特殊なドイツ語)、フラマン語、フランス語、イタリア語と言ったスイスの公用語喋れないし・・・道も全然わからね〜し・・スイスに到着した以後、何処をど〜行けば目的地かわからね〜し・・・。 ついでに言えば・・貨幣の交換の仕方わかんね〜けど・・・。一寸目的の為に行って帰ってくるだけだから!!大丈夫!!大丈夫!!!」 ははははは〜〜〜〜!!!と陽気に笑うガウリイに・・・・。 「余計に悪いだろ〜〜がああああああああああ!!!!!!!」 ゼルの絶叫が虚しく響き渡るのだった・・・・・・・。 「リナさ〜〜ん・・・もう・・私・・嫌ですうう・・・」 泣きそうな声でアメリアがリナに訴える。 「何言ってるの!!?『死の商人』なんて言ったら・・。下手すればピラミッドや仁徳陵みたいな墓場にず〜〜〜っと居なくちゃならない事だったあんのよ?」 「そりゃ〜〜まあ・・・発掘のおこぼれに預かるために・・・って事ですけど・・・。 これって犯罪じゃありません?それに・・お化けでそうで怖いですううう!!!」 尚も暗闇にアメリアの泣き声が響き渡る。 「あのねえ・・一応三食、宿泊所・・まあ・・つもりここだけど・・昼寝つき!! 何が不満よ!!」 か〜〜〜ん・・・か〜〜〜〜ん・・・・か〜〜〜ん・・・・・・。 石造りの古ぼけた中世の城に二人の足音が響く。 これがろうそくの光・・とか言うのならかなり趣があるかもしれないが。 合理的な事を好む現実主義のリナはかなりギンギンに明るく闇夜を照らす懐中電灯を常日頃愛用している。 ついでにいえば・・・。 ろうそくなんて使った日には、後ろにぺえええ〜〜〜ったり!くっ付いてるアメリアの服に燃え移ってしまうだろうし・・・・・・。 「でもぉ・・人のおうちを漁るのは・・一寸・・・それに・・・」 「それに・・何よ!!第一ね!アイツ・・ハプスブルクの末裔、ガブリエフのお坊ちゃまはアタシに好き勝手に調査していいって許可くれたのよ?で・・・その先は何だっての!!」 「そうですね・・・そういえば・・不法侵入にはならない事・・忘れてました・・。で・・その続きですが・・その・・中世のお城の壁とか地下室って・・・・」 尚もオドオドと言動を選んだ発言をするアメリアの言葉にリナはポン!と手を打ち鳴らし! 「そっか!!地下室や壁に塗り込められた白骨が『秘密』を握っている可能性もあるのよね!!」 「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!リナさあああああああああああああああああああああああんんん!!!マジですかああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!???????????」 自分で言い出しかけた事なのに、墓穴を掘ってしまった形になったアメリア。 「マジもマジも、も〜お〜マジ!!ほら、離れて!!」 怯えきったアメリアを無理に引き離し・・・・・。 壁に耳を当てて何処かに空間は存在していないか・・・とリナは調査にかかる。 カン・・・・・カン・・・・・カン・・・・・カン・・・・・・・。 「え????」 振動で壁の下のほうから聞こえてくる音・・・? いいや・・・壁を伝わらなくても・・地面を歩く音として直接耳に伝わってくる? 「・・・あ・・リナさん!!」 今度はアメリアがリナをくっついていた壁から引き剥がしにかかる。 「・・・・・・・まっさか・・・ここに居る事がバレるとは・・ね・・・」 思わずリナは肩を竦めて足音のほうに視線を向ける。 「まあ、な。けど・・ココにたどり着くまでは苦労したぞ?」 流石にリナの前で・・・・。 ハプスブルク家の発祥地・・スイスの『ハプスブルク城』に到着するまでが 道に迷ったり、ミスをしたりして6時間以上かかって真夜中になった・・とは言えない。「苦労って・・・?アンタ、お坊ちゃま感覚抜けない上に、方向音痴だったわけ? ガウリイ・・・」 ジト目で尚も壁を気にしつつリナが速攻で突っ込みを入れる。 「・・・・痛いところついてくれるなあ・・・・お前・・・」 けれどもこれ以上墓穴は掘りたくないので・・否定は控えておく。 リナが何を考えてこんな辺境の土地・・強いていえばかつてのハプスブルクは大帝国を築いた帝国である・・・。 スペイン、フランドル、ナポリにヒチリア、ミラノ、更には東欧、オランダ(ネーデルラント)・・・。 ウィーンの本家はもとよりも更に言えば新大陸の植民地もスペイン系ハプスブルクは有していた。 何もこんな『失った土地』に来る事はないのでは・・・? そうは思ってもなんとなく・・リナはココに居るような予感はしたのだが。 「壁の中・・・何も無いぞ?」 しつこく壁をドンドンと叩きまくるリナにため息混じりにガウリイは答える。 「・・・・ち・・・公爵に非礼を働いた召使・・ロクデナシな妻に・・・。出来の悪い息子か娘・・そ〜ゆ〜人が埋められてるのかな・・って思ったのに!!」 「・・・・お前なあ・・・」 何悪趣味な事言ってるんだよ!!!!!!! 口にこそ出さないがガウリイは頭の中でつくずくそう痛感する。 「ま、冗談はさておき。あら・・怯えさせるつもりだけだったのに・・。すっかりアメリア、気絶しちゃったわねえ・・・。ともかく、アタシがココに来た理由は他でもないわ・・」 頭を困惑気味に掻き揚げながらリナはガウリイに言う。 「・・・お宝捜し・・だろ?お前の先祖・・グスタフ・アドルフに関与する・・」 今でこそ何処かに置いてきているみたいだが・・・・。 ライプチヒ近郊・・多くのハプスブルクとドイツの兵が衝突した場所・・。 其処で、ガウリイが彼女に売り払おうとした『ゴルン・ノヴァ』は・・。 アドルフに深手を負わせたのだ。 そして今、『代金』こそ貰っていないがその剣はリナの手元にある。 最も、彼女の『審判』がガウリイにどのような形で下されるのかはまったくもって 謎のまま・・・・・・・・。 「それもあるけど。アンタとサシで話がしたかったよの、ガウリイ。ゼル・・だっけ?悪いけど気絶したアメリアをお願いね。あ、大丈夫。怖がって大暴れしだしたら『高校の階段IN、化学実験室の驚異と美術室の呪い』でも話してやって頂戴。直ちに大暴れして暫くすれば完璧におとなしくなるから〜♪」 かなり無責任な事を言ってアメリアを押し付けて去っていくリナ。 「じゃ、ゼル!!いざとなったら『体育館の絶叫』でも話してやってくれ!!」 これまた状況を楽しんでいるとしか思えない、上機嫌なガウリイ。 「おい・・こら!!ったく・・・・・・」 我侭な連中に只ひたすら、ため息を漏らすゼルであった・・・・。 「さって・・と・・。これでや〜〜〜っと腹割って話せるわねえ〜〜♪」 ニヤリ、と不敵な笑みを浮かべるリナに・・一瞬よからぬ予感がし・・さしものガウリイも硬直を余儀なくされなくなる。 もしかして・・・・・・・。 俺が無茶をやらかすとき・・ゼルとかもこ〜んな背筋を走る悪寒を感じるのだろうか? そんな下らない疑問がかなりの長時間・・・と思われる間ガウリイの頭を支配する。 「何堅くなってるの?別にアンタをどっかの傭兵になんか売り払いやしないわよ。 幾らアタシが『死の商人』でも・・・」 ツンツンっとガウリイの伸ばした長い髪を引っ張りながらリナが言う。 「そりゃ〜〜まあ・・そ〜だろうけどさ・・・・」 尚も頭をポリポリと掻きながらガウリイ。 「言い値でゴルン・ノヴァを買うわ」 え・・・・・????????????????? 不意に申し出にガウリイは硬直する。 「だって・・あれは・・・・・」 『ハプスブルク』の事を調べる権利をガウリイがリナに与える。 その条件故に、今金子を抜きにしてあの剣はリナの手元にある。 恐らく、リナにとってはもはや『調べる』と言う事。 その必要性が無くなってしまった・・と言う事だろうか? 「何でまた急に・・・もう『調査』は良いのか?」 自分でも未練たらしい・・と言う事の自覚は十二分に分かっていた。 分かっているのだが・・・。 「貴方こそい〜の?あの剣を売っちゃって。何が会ったのかは知らないけどね。 まあ・・聞いたところで話してくれるとは思わないから聞かないけど。ハプスブルクを調べるよりも・・『ゴルン・ノヴァ』を調べた方がよっぽども早い。そう今日ハプスブルク城を見て分かった。それだけ・・・で、いくら?」 急がねばならない。 かなりこのガウリイの気持ちを尊重しているとは言えない唐突過ぎる申し出だが。 こんな所で時間を食っている暇は無い。 父親と、姉と協力して。 一刻も早く『本来の役目』・・『死の商人』のもう一つの役割に戻らなくてはならない。 アドルフとハプスブルク。 この二つが残したものを一刻も早く全て掻き集めて。 訳あり・・って事か・・・・・・・・。 確かにリナは初めての商売・・にしては隠れた才能があったと、ガウリイの素人目で見てもそれは確実的に理解できる。 だけど・・しかし・・・・・。 今回の交渉に関してはリナは完全的なミスを一つ、起こしていた。 ・・・・・・・一瞬ながら・・またリナの視線が泳ぐ・・・・・・・。 すなわち。 『不安』をマトモに顔に出してしまった、と言う事だ。 恐らくこれが彼女の父親だったら・・・。 問答無用な実力行使に出る、と言う事もあるやもしれないな・・・。 噂に聞くインバースという男は、この程度で動じるとは思えなかったし。 「・・・まだまだ未熟だなあ〜〜〜〜〜〜・・・・・・・」 心にも無い事をワザトガウリイは呟いてみる。 「な・・・なによおおおおお!!!!!」 あ・・・やっぱり『まだ』本当に未熟だったりする・・このムキになるあたり。 先程の動揺は恐らく未熟さ、故ではなくリナの人格ゆえのことだっただろう。 しかし、この程度の言動でムキになるみたいじゃ・・・・。 そう思って一瞬ガウリイが自己満足に浸ったその刹那・・・・・・。 「アンタみたいなお坊ちゃまにだけは言われたくないわ!!世間知らずの癖に!!」 グサ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 思いっきりガウリイにとって耳に痛い言葉をリナが放つ。 ・・・・前言撤回・・・人格的には割りと柔軟なところがあるらしいが・・・・。 絶対コイツは性格的には抜け目無い!!!!!!! 「・・・・おまえなあ・・・まあ・・良い・・。剣はやるよ・・。無料で・・・」 何処か遠い目をしながら言うガウリイ。 「・・・・何よ?ど〜ゆ〜裏があるわけ???」 『無料ほど高い物は無い!!』・・・・日常生活の買い物ならそうは思わないのだが。 こういった『裏』の仕事ではやっぱり座右の銘とすべきがこの一言だろう。 リナとて伊達に父や姉に鍛えられているわけじゃないのだったし。 「ただし・・・。俺もその剣には・・かなり人生を拘束されてるんだぜ?」 「・・・だから売る。それだけでしょ?」 妙に皮肉っぽい口調、そして視線でリナはガウリイを見上げる。 「・・最初はそのつもりだった・・。けど・・俺からの条件更新だ。その剣について・・俺も今後一緒に調べる。文句はあるか??」 暫しリナは・・何時の間にか『ゴルン・ノヴァ』から取り外したのだろう。 あの呪われた黄色いダイヤモンドを胸元から取り出し・・・・。 「・・そうね、そ〜こなくっちゃ!!よ。逃げてるだけのよ〜な奴には本気で用事は無いしね!!さしあたり・・・・・・」 「さしあたり・・何だ?」 「『闇』の人間が集まるところに案内すわ!覚悟する事ね!!」 物騒な事を言う割には・・リナの口調は何処か楽しそうだった・・・。 (続きます) |
15036 | ガウリイのきおくりょく・・・ | ねじばな E-mail | 4/21-18:51 |
記事番号15028へのコメント こんにちはっ! なんかたのしーことになってるじゃあありませんか! アメリアとゼルにはご愁傷様(笑)ということで・・・ ところで、ガウリイって、リナの言ったこと一字一句忘れずに言ってたけど・・・そんな記憶力あったっけ・・・? やっぱり、『ピーマン口に入れてるときにその話だった』とか・・・? できれば教えて下さい♪ あと、ゼロス君、ガウリイ君に音楽でも教えてみては・・・?さすがにそれはリナの話題にもなんないだろーし・・・私的にどうなるのか楽しみ♪ というわけで、何かいてるんだよ的なコメントですが。 続き、期待してます(はぁと)頑張って下さい。 |
15046 | ぢつは・・・・(汗) | CANARU | 4/22-10:40 |
記事番号15036へのコメント > こんにちはっ! はじめまして〜〜!! CANARUと申す、自称暇人です!! コメント、ありがとうございました!! > なんかたのしーことになってるじゃあありませんか! >アメリアとゼルにはご愁傷様(笑)ということで・・・ ですねえ〜〜(汗) アメリア&ゼルに明るい未来はあるのか!! ですね〜(無責任!!) > ところで、ガウリイって、リナの言ったこと一字一句忘れずに言ってたけど・・・そんな記憶力あったっけ・・・? > やっぱり、『ピーマン口に入れてるときにその話だった』とか・・・? >できれば教えて下さい♪ はい〜〜!! ぢつは、ガウリイ君!! 朝っぱらからシラフじゃないのですよ〜〜!!(断言!!) 強いて言えば彼はゼロス君との授業前、ガポガポ朝から ワイン飲んで・・・・。 マトモになった行動パターンでリナちゃんとの会話を完全再現!! おお!! これはかなり合理的でっす!!(汗) > あと、ゼロス君、ガウリイ君に音楽でも教えてみては・・・?さすがにそれはリナの話題にもなんないだろーし・・・私的にどうなるのか楽しみ♪ あ、それは面白そうです!! 早速続きに書いてみますね!! ふふふ・・今回の展開上、ど〜ゼロス君に音楽を教えさせるか・・・。 (ど〜せまたギャグになる!!) > というわけで、何かいてるんだよ的なコメントですが。 > 続き、期待してます(はぁと)頑張って下さい。 ありがとうございました!! |
15041 | またまた新シリーズ〜♪ | P.I E-mail | 4/22-00:22 |
記事番号15028へのコメント CANARUさん、またまたこんばんは(笑) 新シリーズ、歴史ものかと思いきや現代ものなんですね。 ガウりんが実家と決別する方法・・・ご先祖の宿敵、グスタフの末裔さんちに 婿養子に入ればいーじゃん!と思ってしまったのはナイショ☆ ハプスブルクの宝剣に秘められた謎とは一体なんでしょう? それからリナの本当の使命とは? 続きが楽しみです♪ そして次回はガウりんの裏社会デビュー!(笑)未来の婿養子として(おい!) しっかり顔を売っておいてほしいもんですわ♪ ところで、冒頭近くでリナになんか売りつけようとしてた三流悪徳商人、 もしかして・・・ルイジ=ルキーニ!?(笑) 「エリザベート」では皇帝夫妻の顔写真入りマグカップ売ってたのよ(^0^) ではまた次回を楽しみに待ってます〜♪ |
15047 | 裏社会では〜♪ | CANARU | 4/22-10:44 |
記事番号15041へのコメント >CANARUさん、またまたこんばんは(笑) >新シリーズ、歴史ものかと思いきや現代ものなんですね。 はい〜!! なんとなくハプスブルクの本読んでいたら・・・。 「30年戦争」に目が止まり・・・。 「あ、この辺りあんまり詳しくないからもっと知りたいな・・」 と思ったという単純な理由でっす! >ガウりんが実家と決別する方法・・・ご先祖の宿敵、グスタフの末裔さんちに >婿養子に入ればいーじゃん!と思ってしまったのはナイショ☆ ですねえ〜〜!! ふふふ・・家族が腰抜かす姿、思わず想像しちゃいました!! >ハプスブルクの宝剣に秘められた謎とは一体なんでしょう? >それからリナの本当の使命とは? >続きが楽しみです♪ ふふふ・・・。 今回一寸だけ明白にしてみました〜〜!! 次回からついに本格的に書きますね〜〜!!さしあたって・・ガウリイには(笑!) >そして次回はガウりんの裏社会デビュー!(笑)未来の婿養子として(おい!) >しっかり顔を売っておいてほしいもんですわ♪ ですねえ〜〜!! 絶対居眠りは厳禁ですね! >ところで、冒頭近くでリナになんか売りつけようとしてた三流悪徳商人、 >もしかして・・・ルイジ=ルキーニ!?(笑) >「エリザベート」では皇帝夫妻の顔写真入りマグカップ売ってたのよ(^0^) あ、売ってましたね!!本で読みましたし〜〜!! リナちゃんが無駄遣いするわけありませんしねえ〜!! >ではまた次回を楽しみに待ってます〜♪ はい!! 早速書きましたでっす! |
15045 | ハプスブルクの残像3 | CANARU | 4/22-10:34 |
記事番号15020へのコメント 酷く眠かった・・・。 あれから数日、スイスから帰ったガウリイを待った居たもの。 それは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 「良いですか!!ガウリイさん!そもそも『会議は踊る!!』とは良く言ったモンで す!!メッテルニヒ宰相ももと・・・・で・・・ナポレオンが・・・・・・でもって ・・・・ で・・・一致団結し・・しかし・・・ウィーンでは・・・って!!聞いてるんですか !」 無論、聞いている訳すらない。 ガウリイを待っていたもの。それは・・・・・・・・。 家庭教師のゼロスによるスパルタ教育というとんでもない大地獄なのだった。 しっかし・・・参ったな・・・・。 リナと出かけることを約束した日まで、あまり余裕は残っていない。 しかし、この勉強地獄のせいで荷造りを少ししただけ。 それが今のガウリイの現状だった。 まずは貯金を秘密裏におろさねばならいだろうし・・・それに・・・・。 出掛ける『口実』を作らなければならないだろう・・・・。 あ、公然と『出掛ける』というんなら貯金は秘密に落とす必要も無いか・・・? などと旅なれない世間知らずな彼は眠い頭を無理にフル回転させて考える。 「ガウリイさん!!ココで問題です!!ナポレオンとは何者ですか!的確に答えなさ い!」ゼロスも上の空のガウリイの態度に少々堪忍袋の緒がキレたらしい。 顔には相変わらずのニコニコ目・・・。 しかし・・眉間とこめかみのあたりは大分ひくひくと引き攣っていた。 はあ・・・・・。 ゼラス家庭教師派遣会社も随分と厄介な奴を寄越してくれたもんだ・・・・。 無意味に会社名を名指しで示し、批難してみるガウリイ。 が、このまま答えないと更なるゼロスの嫌味攻撃が待っているのは目に見えた事実。 ・・・・・・ココは一つ・・・・・・・・。 「ナポレオン。フランス皇帝になったが元を正せばコルシカ出身(フランスの植民地 島)の成り上がり者」 アッサリとミもフタも無い事実を言い放ってやる。 「・・・・まあ、合格です・・・」 おや? 多少概念的に受け取られているような気がするが・・まあ良い・・・。 ガウリイの気付いた所ではないが・・もともと彼の一族ハプスブルクの一門は ナポレオンによって本拠地の城、シェ−ンブルン城を占拠されている。 更に言えば時のオーストリア皇帝はコルシカ出身の成り上がり者でしかないナポレオ ンに 皇女、マリー・ルイ−ゼを降嫁させるという煮え湯を飲まされている。 ハプスブルクの血をひくガウリイがあまりナポレオン・ボナパルトに良い感情を 持っていない・・とゼロスが判断しても不思議な事ではなかったのだが・・・。 無論、ガウリイにそんなご大層な意識は生憎と無い。 しかし・・・。 さしものゼロスも相変わらずガウリイが授業に無関心、と気付いたのだろう。 「・・・ガウリイさん・・次は美術です!!」 やおらカバンの中からでっかい美術年間を取り出し・・・・・・・。 「レオナルド・ダ・ヴィンチ。出身はフィレンツェで父母は正式な結婚をしていない 私生児の生まれ。生まれて直ぐに母親が嫁ぐ事になり、彼は父親と継母のもとに引き 取られる。10代のうちに師匠ヴェロッキォの工房に弟子入りする。兄弟子にボッ ティチェリが居る。その後、ミラノのスフォルツァ家に仕えるが、シャルル8世のイ タリア侵攻後、没落したミラノを見限りローマに赴き、ボルジア家に仕える。その 間、画家、軍事顧問や建築家として数々の名声を得る。つまりは『万能の人』。同家 のチェーザレが没落後、各地を転々とするが最終的にフランス王フランソワ1世の招 きに応じてフランスへ。その地でかの名作『モナ・リザ』を作成し・・・・・」 「もう・・・良いです・・良いです・・・」 泣きながらシクシクとガウリイをとめるゼロス。 「何も泣かなくても・・・・・・・・・」 あまりにも情けないその姿にガウリイも呆れ、ジト目でゼロスを見遣る。 「その言い草・・ボクの苦手だった昔の家庭教師先の姉妹の妹さんのほ〜に・・。 非常にそっくりなんです!!」 尚も泣き出しそうな顔でガウリイに向かって文句とも愚痴とも言えない一言 を言う。 「・・・そりゃご愁傷様・・・」 無論、全てガウリイが言った言葉はリナの受け売りである。 彼が理解している事は・・・無論無し!!!! 「で。ガウリイさん・・・今日もお勉強はホッポリ出してさっさと遊びにいくんです ね・・」 既に逃げ出しの体勢に入ってたガウリイにゼロスはそれとなく嫌味を言う。 が、一向にガウリイは気にする気配無く・・・・・。 「うん。リナとの約束があるから。じゃ〜な!!」 ようやっと機嫌を直した様子のガウリイになお更ゼロスは硬直し・・・。 そして・・・・ますます強張らせた声で・・・・・・・・・。 「真坂・・その『リナ』さんと言う人は・・・。『あの』・・・。 『リナ=インバース』さんぢゃあ無いでしょうか・・・・???」 怯えたような・・そして半ば本能的に逃げ出そうとしたようなゼロスの声・・・・。 「・・・そ〜だが・・・それが!!?」 「冗談じゃありません!!あの人はナルシストだし、すぐキレるし!!ボクはもう二 度と関わり合いになりたくありません!ついでに言えば彼女の姉のルナさんも!! ボクは家庭教師辞めさせていただきます!さよなら!!」 ガタタタタタタタタタタタタタタ!!!!!!!!! 荷物をまとめ。 さっさと逃げ出すように部屋から出て行くゼロス・・・。 バタン!!!! バタン・・・・・・・・・・・・・・・・。 ゼロスが閉めたドアが開け放たれると同時にゼルが入室してくる。 「・・・・どうやら・・あのリナ・・。昔、ゼロスが担当した極悪非道の生徒 だったらし〜な・・・・・」 「・・・・そっか・・だから・・逃げ出したんだ・・・・・・・・しかも姉貴っての も・・そ〜よ〜なモンだったんだろうなあ・・・・」 それはゼロスの怯えようとリナの性格を考えれば・・・。 まあ、なんとな〜くだが、分かるような気はする。 「遅かったわね〜♪ガウリイ。それとも・・アタシが教えてあげた『お勉強の対処 法』は・・使わなかったのかしら?」 ピョコン、と待ち合わせ場所の少し手前・・・。 突如死角になっていた角からリナがガウリイの目の前に現れる。 「・・・・お前なあ・・俺の家庭教師が・・・・」 「うん。ゼロスってすぐわかったんで・・。からかう方法伝授したんだけど・・・。 駄目かしら?」 にっこり!!! か〜な〜り性質の悪い微笑み・・である。 「まあ、良い。で、これから何処に行こうって言うんだ?」 見れば・・・・・・・。 リナは未だに首から『ゴルン・ノヴァ』の装飾に使われていた黄色のダイヤモンド を首からぶら下げている。 「・・・気に入ってるのか・・・?」 ソレ・・・とガウリイはそっとダイヤモンドを指差してリナに尋ねる。 「・・・もともとこれはあたしの家・・。スウェーデンのグスタフ・アドルフのモノ だったのよ?それを・・ハプスブルクの名も無い下級戦士が貰ったのよ?」 チトっとガウリイの方を逆に見返しながらリナ。 下級の戦士・・・ねえ・・・・・・・・・・・・・・・・。 いや・・確かに自分の家系はハプスブルクの死ぬほど傍系の傍系のそのまた・・・。 とにっかく・・果てしない傍系にあたるのだが・・・。 あえて『王家のかなり直系』家系の末裔に言われると・・・。 ハプスブルクの方が格、歴史ともにスウェーデンより上とはいえ・・・。 かなり悲しいものがあるかも・・しれない。 「・・・ゴホン・・何か食べないか?金持ってきたし・・。おごるぞ?」 話を誤魔化すかのようにガウリイは咳払いして隣のリナに言う。 「・・・甘い紅茶と・・ネグロモンテ・・アドリア海近郊のスモーク・ハム。 ついでに言えば・・・・・」 「・・・お前なあ・・ウィーンといえばザットルテにカフェだろ〜が・・」 別に何をリナが食べたがろうと精神的には文句を言うつもりは無いのだが・・。 何せ『財布の中身』がソレを許してはくれない・・のである。 「冗談。任せるわ。ま、北欧の人間のサガね・・。ど〜も日の当たる国の料理には憧 れるのよ。特に・・ナポリタンとか、ね!!」 ・・・・・・任せるなんてまったくの嘘・・・。 しっかりきっかり注文しているぞ・・・リナ・・まあ、良いけど。 「じゃ、スパゲティー食ったら出かけますか!!」 「賛成。旅の事はアタシに任せてね!お坊ちゃま!!」 言ってリナはニヤリと笑う・・・・。 きっとゼロス・・コイツとコイツの姉の家庭教師・・一ヶ月ももたなかっただろうな あ・・とガウリイが思った一瞬であった。 「あ〜〜♪おいしい!!」 幸せそうにリナは駅のホームで甘い紅茶をコクコクと飲み込む。 「・・・で、その後ザッハトルテにティラミス・・・。他にもあ〜んな名物こ〜んな 名物エトセトラ、エトセトラ・・おごらされたのか・・・?」 呆れたようにゼルがガウリイに言う。 ちなみに今、リナが飲みこんでいる紅茶も無論おごらせたものである。 「う〜ん・・リナ、なんっか・・疲れてるみたいだし・・・。そ〜ゆ〜時は甘いもの が一番だろ〜?」 ・・・・・・・ったく・・・・・・。 鷹揚なんだか・・・単なるお人よしなんだか・・・・・・・。 「でも、リナさん・・。そんな甘いものばっかり食べると虫歯になりますよ! 歯磨きしないで寝る子は悪ですよ!!」 「はいはい、アメリア。大丈夫、今歯磨き用ガム噛んでるからね」 ポンポンとアメリアの頭を撫ぜつつリナ・・・・・・。 「・・・リナさん・・・そのダイヤモンド・・無くさないようにしてくださいね?」 それに便乗し、上手くリナにのみ聞こえるような声でアメリア。 「・・・・そう・・・ね・・・・」 やっと手に入れた「権利」・・・・・・・。 父のやらかすような強攻策では・・多分ここまで上手くはいかなかっただろう。 初仕事のリナだからこその成果・・と言ったところか。それどころか・・。 思った以上の『収穫』を得た事もこれまた事実・・・。 もっとも・・こんな事ガウリイに言えやしないのだが・・・。 そんな事を考えながらリナはポケットにしまっていたポケット歌詞を取り出し・・。 ビニールをペリっと破り、チョコレートのくっついたビスケットを口の中に 放り込む。が・・・・・・・・・・・・・・・。 「あ!!!」 「太るぞ!!」 いい加減に食べ続けのリナを見て呆れたガウリイがひょいっと彼女が食べている 小さなクッキーの箱を取り上げたのだった。 「おい〜・・リナ・・まだ怒ってるのか〜?」 数時間前、クッキーを取り上げ、自分が食べてしまったせいだろうか? リナの機嫌はストックホルムに到着してからもすこぶる悪い。 しかも移動時間中、態々ゼルと席を交換してもらい、アメリアの隣に座ってガウリイ から 離れる・・という周到な怒りっぷりだった。 しかもアメリアもアメリアで・・・・。 「リナさんが怒るのは当然!!乙女のおやつを取り上げるとは!何事ですか!」 と全然取り持ってくれないのも現状だったりする・・・・。 黙々と進むリナに従い、次第に重苦しい雰囲気の建物に入っていく。 と、その時だった・・・・・・・・・・・・・・。 「リナさん!!!」 嬉しそうな声をした一人の女性が階段から駆け下りてきたのだった・・・。 「シルフィール元気してた〜?」 軽く手をあげ、シルフィールに声をかけるリナ。 「・・・あ・・あら・・・?リナさん・・ご機嫌斜めですか・・・?」 ふっとマジマジとリナを見詰め・・今更のようにオロオロと慌てるシルフィール! 「・・・・なんで分かンのよ・・・?」 リナも流石にこのリアクションは疑問に思ったらしい。 眉間に皺を寄せ、いかにも不機嫌丸出しで答える。 まあ・・気心は知れてるし・・・・文句言われることはないしね・・・・。 「だって・・リナさん。お顔の角度と手の角度・・斜めですわ・・・・」 ・・・・うぐ・・・その通り・・・・ついにで言えば・・言ってくれるじゃない (汗) 「アタシは正直ですからね。あ、こっちがガウリイでこっちがその友達のゼル」 随分とアッサリとした紹介、である。 「・・・お聞きしておりましたわ。私、リナさんのお付の一人、シルフィールです。 今日はリナさんのお父上の命令で・・リナさんが『やらかさない』(って・・一寸下 品な言葉ですわね・・)ように此方まで出向いてきました」 ・・・・・・・・・クソオヤジ・・いんや・・シルフィール・・・・。 どっちも言ってくれたモンである・・・・・・。 ここまで来れば。怒りを通り越して苦笑するしかないかもしれない。 「でも。リナの奴、何時もこんな不機嫌なのか?」 ゼルの一言に一瞬沈黙するシルフィール・・・。しかし、アメリアは元気良く! 「そ〜でもないですよ!!今日はまだマシなほ〜です!この前なんて『むかついた! !』と一言だけ呟いて、いきなり壁に風穴あけるすぺしゃるパンチ食らわせたんです よ!リナさん!」 「ちなみに右手に見えますのがリナさんの拳の痕跡です」 アメリアの言葉にバスガイド口調で説明するシルフィール・・・・。 「・・・おお!!なかなか素敵なパンチだったんだなあ・・リナ・・。見事に破損さ れてるぞ!!」 感心したように壁の壊れた部分を撫ぜ回すガウリイ。 「・・・でも、その後が問題です。殴ったは良いけどリナさんの腕も腫れあがって・ ・。 シクシク三日三晩泣いてたんですよ!で、案の定骨折してたり・・・・」 「・・・忍耐力は素晴らしいとは思うんですが・・・・・・・」 勝手な事を言うアメリアとシルフィールに限界を迎えたリナは・・・・。 「あ・の・ねえ〜〜〜!!今から厄介ごとの原因のぢぢぃドモに遭わなくちゃいけな いの!!わ・か・る〜〜〜〜!!!」 「・・リ・・リナさん・・目が・・笑ってません〜〜〜〜!!」 やおら振り返ったリナの表情にマトモに慌てる一同・・・・。 「いや・・・すっごい迫力だな・・・お前さん・・・」 慌てながらも尚もリナを宥めようとするガウリイに・・・・・。 「ま〜ね!!柔道黒帯、太極拳免許皆伝、空手5段に合気道3段、ついにで言えば子 供の頃は護身にボクシングも習ってたのよ〜!どう、ガウリイ!勝負してみる? (ニッコリ!)」「・・・い・・いや・・・遠慮しときます・・・・・・・」 情けない・・とガウリイが珍しく自分でも自覚した一瞬であった。 リナの言う『闇』の連中が集まる議会。 無論それがガウリイには『何』であるか、などと言う事は理解できない事なのだが。 只一つだけ言い切れる事。 さしずめココでのリナは『闇』の世界の王女様・・と言ったところだろう。 普通の人間には許されない席。 何処と無く近寄りがたい印象で目をつぶり、腕を組んで瞑目している。 「ゼル・・ど〜なってるんだ??」 少しはこの状況を理解できるであろうゼルにガウリイはそっと聞いてみる。 「・・・内容はよくは分からないが・・。事態は侃侃諤諤と言った所だ」 まさしくその通り。 時折聞こえる「ハプスブルク」や「グスタフ・アドルフ」。 そして『死の商人』などという聞きなれた単語以外、ガウリイに聞き取る事は 出来ない内容の話だった。 尚もリナは何処と無く堅い、冷徹な雰囲気で瞑目、沈黙を保っている。 こんなリナは・・・・・。 見た事が無い・・とガウリイが思ったその時だった。 ふっと隣に居るガウリイにしか分からない程度にリナは薄く瞳を開き・・・。 ついでに言えば口元には得も知れない笑みが浮かぶ。 「・・・・リナ・・・???」 「・・・会議は踊る・・・」 そうとだけ言ってニヤリ、と微笑んで再び瞑目を開始する。 会議は踊る・・・ナポレオンについて各国が今後の方針をウィーンで会議したとき。 ダンスパーティーや権謀術にのみかまけ、一向に会議が進展しなかった・・。 無論、それもハプスブルクの時代に・・・・・・・・・・。 何とはなしにリナはこの状況をガウリイに先祖に重ね、薄く冷笑したのかもしれな い。 もっともその会議を主催したのはハプスブルクのれっきとした血をひく時の皇帝では なく、宰相のメッテルニヒだったのだが。 ・・・・ったく・・・なんつ〜奴だ・・・・・・・・。 呆れとも感心とも受け取れつ感想をガウリイはそっと内心で呟いた。 「インバースのお嬢様・・貴方の意見が聞きたいですな・・・」 そんなガウリイの心境をよそに。 急に瞑目を続けたままのリナ・・すなわちこの会議のお姫様に剣呑な眼差しをした 長老らしき人物が声をかける。 ・・・・・・・面倒な事になったわね・・・・・・・・・ 瞑目をしたまま、至近距離でなければ読み取れない表情でリナはイスから立ち上が り。 「・・・うっせぇ〜ぞ・・・・クソぢぢぃ・・・。年功序列でヌクヌク、保身にのみ 走ってるんじゃないわよ。ば〜〜〜〜っか・・・・・・・・・・」 闇の貴族の王女様・・・・・・・・。 冷徹な黒く渦巻く雰囲気・・・・・・。 そんなモノが今まで隣に座っていたリナからは漂ってきていたのだが・・・。 ・・・・ハッキリ言おう・・・完全前言撤回・・・・・。 この目つきの悪いガラの悪いね〜ちゃんは・・・・・・・。 「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああ!!!こんなのリナぢゃないいいいいいいいいいい!!! !」 ・・・不幸中の幸い・・会場はざわめきの坩堝と化していたのでガウリイの絶叫に耳 を止めるものは居なかったが・・・・・。 「きゃあああああ〜〜〜〜〜!!私、リナさんのお父様に叱られてしまいますううう うううううう!!!!」 「大丈夫ですよ!!シルフィールさん!リナさんのお父様も『そ〜ゆ〜』方ですし !」 絶叫しパニくるシルフィールにアメリアが言った一言・・・。 それはあくまで『気休め』口調ではなく、落ち着き払った『断言』口調・・・。 そうか・・・親子でそ〜ゆ〜奴なのかああああああああああああああ!!! 口にこそ出さないがガウリイの驚愕度合いは更に深まる。 見れば・・ゼルも頭をテーブルに突っ伏したまま動かない・・・・・。 「一寸・・本気でうっせ〜わね!ま、とにかく!コレだけはいわないとね・・・。あたしは欲しいモンは絶対に手に入れる!どんな野望が渦巻いても、あんた達みたいなぢぢぃドモが邪魔しやがってもね!!」 言うが早いかリナは今まで服の中に仕舞い込んでいた黄色いダイヤモンドを議会のじじぃ連中の前に見せ付ける!! 一瞬にして起こるざわめき・・・。 「・・・これで・・アタシに『権限』が戻ったってこと!おらぁ!行くわよ!ガウ !」 「・・お・・・おう!!」 良くは分からないが・・・・と思いつつガウリイはなにやら満足そうなリナの後に続き議会を後にするのだった。 (続きます) |
15067 | 珍しくシルフィールが出てるぞ(笑) | P.I E-mail | 4/23-01:13 |
記事番号15045へのコメント CANARUさん、こんばんは〜♪ なんかガウりん、すっかり当初の目的も忘れてリナちんに引きずり回されて ますね〜。お互いに利用し合ってるんじゃなくてもはや一方的(笑)まー、 自分からつき合うって言っちゃったんだから仕方がないですけどねぇ。(^^) 黄色いダイヤとゆーと禁酒法時代のニューヨーク・マフィアをつい思いだして しまうんですが(なんかそーゆーマンガか過去にあったので)、この話のも なんかそんな権力の象徴なんでしょうか? リナちんの初仕事の正体が気になります。 ゼロスは・・・そーか、かつてルナリナ姉妹の(笑)一人でも手に負えないのに 二人一緒とは・・・ご愁傷様(^^;)次はもっと素直な子が当たるといいねぇ、 ・・・とか言ってて、フィブりんとかに当たったりしたら・・・(汗) 更新早くて嬉しいです♪次も頑張ってくださいね〜! それではまた! |
15070 | 只今学校より〜! | CANARU | 4/23-10:01 |
記事番号15067へのコメント >CANARUさん、こんばんは〜♪ どうも〜〜!! 本日は学校よりレスかいてます〜〜!! (パソコン乱用現行犯!!) >なんかガウりん、すっかり当初の目的も忘れてリナちんに引きずり回されて >ますね〜。お互いに利用し合ってるんじゃなくてもはや一方的(笑)まー、 >自分からつき合うって言っちゃったんだから仕方がないですけどねぇ。(^^) ですねえ〜〜〜!! これってやっぱり「自業自得!!」ってヤツですねえ〜〜!! 苦労知らずなお坊ちゃまだけに・・・。 御愁傷様です!! >黄色いダイヤとゆーと禁酒法時代のニューヨーク・マフィアをつい思いだして >しまうんですが(なんかそーゆーマンガか過去にあったので)、この話のも >なんかそんな権力の象徴なんでしょうか? はい〜〜!! マリー・アントワネットがマリア・テレジアからもらった ダイヤモンドの事を思い出したのですよ〜〜!! それが呪いのイエロー・ダイヤ・・(名前はちょっと忘れちゃいましたが・・) でもってハプスブルクと結び付けてしまったワケです!!ああ・・・単純!」 >リナちんの初仕事の正体が気になります。 ふふふふふふ・・・(汗) ラストでおやぢも登場予定ですうう! >ゼロスは・・・そーか、かつてルナリナ姉妹の(笑)一人でも手に負えないのに >二人一緒とは・・・ご愁傷様(^^;)次はもっと素直な子が当たるといいねぇ、 >・・・とか言ってて、フィブりんとかに当たったりしたら・・・(汗) ありえます!! でもって・・その次はシェーラちゃん・・その次はナーガと・・(汗) >更新早くて嬉しいです♪次も頑張ってくださいね〜! >それではまた! はい!! ではでは・・できるだけ早く更新しますね〜〜!! |
15077 | ハプスブルクの残像4 | CANARU | 4/23-20:34 |
記事番号15020へのコメント 「ガウリイ殿・・」 リナが「トイレに行くからついてくるな〜!!」と絶叫したので。 かといって女性用トイレの前で待っているのも今ひとつ変態くさい。 そんな理由でガウリイが会議場の廊下を無目的に歩いていた時だった。 せめてゼルたちがさっさと用事を終わらせて此方に合流してくれれば良いんだが・ ・。 化粧でもしてるのだろうか? リナはなかなか化粧室から出てこない。 そんな最中、急に何処からとも無く聞いた事のある声がガウリイに声をかけてきた。 「あ・・・アンタは・・・・」 見知った声の筈である。 先程議会の最中、こてんぱにリナに言い負かされた長老議員の一人、である。 「一寸・・・ご足労お願いしたいのですがね・・・・」 まあ。 先程のリナの非礼もある・・・・・・。 責任もって俺が謝罪するべきかなあ・・・? そんなやけに社交辞令ぶった考えがガウリイの頭を支配する。 「はあ・・・別に構いませんが・・・」 リナもまだ此方にやって来る気配は無い。 アッサリとガウリイの考えは纏まり、長老議員の後を歩いていった。 覚えているのは・・・・・・。 リナの喜びそうな甘いお菓子・・・んでもって・・・・。 紅茶に・・・でもって・・・・・。 「ん・・・・ん〜〜〜〜・・・・・」 光がまぶしくてガウリイは一瞬頭を抱え、身じろぎづる。 俺・・何時の間に眠ってたんだけ・・・???? 自分の今までしてきた行動と、そして食べたものの事しか残っていない 頭を今更ながら呪ってしまう。 「・・・お目覚め・・・?」 少々呆れたような、けれども安堵したようなリナの顔が光とともに視界に飛び込んで くる。「あ・・・俺・・ど〜したんだ・・・???」 未だにぼ〜〜っとした頭を抱えながらガウリイはリナに尋ねる。 ズイ・・・・・・・・・・・・・・・・。 思いっきりガウリイに顔を寄せつつリナは・・・・。 「拾い食いの感想は如何かしら?クラゲさん」 その顔からは今ひとつ感情は読めないのだが・・・・・・。 「・・・拾い食いって・・?」 未だにハッキリしない意識を振り絞りながらガウリイはリナに話し掛ける。 「ええ。犬よろしく道に落ちてたショーとケーキを・・・」 「・・・・・・・俺・・・そんなことしたのか・・・・???」 「・・・・ジョーク・・・・・・・」 「ジョークって・・お前なあ・・・・」 「変なおじさんにひょいひょうくっついて行くほうが悪いの!!」 ジト目でリナは頭をかかえたままのガウリイに再度ズイっと顔を寄せる。 「変なおじさんって・・」 俺は別にお前の非礼をお詫びしようとして・・・逆におごって貰っちゃただけの 話なのだが・・・? 考えが顔に出たのだろうか? リナははあ・・と深いため息をつき。 「まったく・・。これだから『毒殺』なんて不確実な手段で政敵を抹殺しようとする 奴は嫌なのよ。それなら・・屈強な側近の二の腕の方が確実的なのにねえ・・。ま、 もっとも。アタシがある程度毒薬、解毒に長けていた事。アンタが化け物並に体力が あったことが不幸中の幸いね・・・」 サラリとリナはガウリイに言ってのける。 って・・・一寸待て!!この言動と状況からして!!! 「真坂・・リナ!!俺・・・・・・・・」 「古典的な毒薬。最近の科学的な物質じゃなかった事に感謝するのね。、ま〜もっと も・・。そっのブツは検閲が厳しくて入手は難しいし。そんなら自家栽培の自然毒素 の方が確実に手に入るし、ね」 ・・・・・・・・・・・背筋が凍る事をアッサリといってのけるな!!!! 「で・・・なんで俺が狙われなくちゃなんね〜んだ・・・」 恐らく彼自身の体力と抵抗力の賜物だろう。 既に体をソファーから起こし、ガウリイは考え込んでいる様子のリナに聞く。 「・・・・アンタがハプスブルクの一族だから・・ってことと・・・・・多分、アタ シのオヤジのたくらみが・・どっかから漏洩したのね・・・つまり・・。連中はアン タを『邪魔者』と狙った・・・」 「・・俺だけとは思えんが・・・?」 「と、言うと?」 リナの父の企み、とやらが何であるかは定かではない。 ついでに言えば無論、それにも乗ってやるつもり、である。 しかし・・・この事実だけはとりあえずリナに伝えておきたかった・・・。 まあ、『勘』の域を出ていない、と言われればそれまでなのだが。 「うん・・?お前の好物の甘いものが沢山あったから」 「・・・・つ〜ことぁ・・・。『あの事』でアタシもついに狙われたのね・・」 ふ〜んっとリナは鼻を鳴らしたように答える。 「あの事・・??」 なにやらリナには心当たりがあるらしかった。 「ええ・・・コイツよ・・・」 後生大事に持ち歩いているガウリイの『ゴルン・ノヴァ』にくっるいていた黄色い ダイヤモンドを彼の彼の目の前に持って来る。 「・・・・分解しちまったのか・・・・?」 今更ながら前々から疑問に思っていた事をガウリイは聞いてみる。 「・・・・ま〜ね。もともとこの黄色いダイヤモンドが目当てでアンタの剣、買い取 らせて貰ったのよ・・。そもそも、コレはグスタフ家のモンだったんですからね・ ・」 30年戦争の最中、敵軍のハプスブルクの下級の将軍に奪われたモノ。 それが単に一介のイエローダイヤモンドという家の財産の消失などでは無かった。 『権限』をグスタフの一族は完全に無くしてしまったのである。 「なあ・・・リナ?」 何やら様子がおかしいと悟ったガウリイはリナの方を直視する。 「・・・・これはね・・。そもそも闇の世界の『権限』だったのよ。私の一族はだい だい『闇の世界の支配者』を選ぶ権利を持っていたの。まあ・・裏の秘密結社のよう なものだと思ってくれて良いわ・・・」 「・・・・それが今日の議会って訳か・・・?」 今まで見た事も無いこんな議会・・・・・・・・・。 その存在すら全世界には知られてはいないだろう・・・・・。 「そ。で、アタシの一族はこの『裏の選帝侯』の証であるこのイエローダイヤモンド をかのハプスブルクとの戦役で失った・・。で・・・・」 「・・・俺から買い取った事によってお前にはその権限が戻った。だから狙われたの か・・」 心配するようにガウリイはリナの方をもう一度見遣る。 「ま〜〜ね・・。まあ、アンタが襲われた責任の一環も・・アタシにあるんだしね・ ・」 何やら額に汗を浮かべながらリナ。 「・・・・・・・・それって・・俺がお前にダイヤモンド売ったからか?」 今ひとつ頭がぼやけているせいか・・ガウリイはリナの脂汗の意味を理解する事が 出来ない。 「あの人たちはね。アタシに『裏』世界の『皇帝』を選ぶ権利が戻る事を極端に恐れ てたの・・。でもってぇ・・・アタシのオヤジ!あの人が・・一寸見込んで・・・ 『皇帝』にするべき人を決めて・・現在裏工作中なんだけど・・・」 「ふ〜ん・・お前さんとその『皇帝』になる奴。二人を始末すれば連中は一石二鳥だ しなあ・・」 うんうん・・と感心したようにガウリイ。 「そ〜ゆ〜事。で、アンタも狙われたって訳。てへへ〜御免ね!!ガウリイ!!」 「そっか!!だから俺も皇帝にさせられる予定だから狙われたって・・・えええええ ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ えええええええええええええ!!!!!!!リナ!!ど〜ゆ〜事だああああああああ あああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」 ガウリイの絶叫が医務室に響き渡るのだった・・・・・。 「え〜では・・今から議会を始めたいのですが・・そこ・・真面目に聞いていただけ ますかっ!!其処・・・・・!!って!!リナさん!!ガウリイさんんんんんんん! !!!!!!!??」 本日第二回目の閣議の時間がやってきて・・・。 新しくこのたび『裏』の世界で実験を握り始めた人物が司会を務める。 そう聞かされてはいたのだが・・・・・・・・。 「ぜ・・・ゼロスウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!」 この状況にさしものガウリイも絶叫し声をあげる!! 彼に徹底的にスパルタ教育をほどこした人物・・・。それがこのゼロスだ。 が、しかし・・ガウリイの動揺をよそにリナは相変わらず瞑目し、議会に感心のある そぶりすら見せもしない。 「・・・・リナさん・・・・真面目に居眠りしないで聞いてください!!」 そんなガウリイの絶叫に堪り兼ねたのだろうか。 ゼロスはさっさと矛先をクラゲさんから切り上げてリナの方に向けてくる。 が・・・そんなゼロスの動揺をリナは完全無視し、軽く瞳を開き。 「うっせ〜ぞ・・・アホンダラ・・・。このリナ選帝侯に意見するなんざ129年 早ェんだよ、このボケ!!」 ・・・・・・・・やおら放つリナの暴言にマトモに顔を引き攣らせるゼロス。 「おお・・リナ!!お前なかなか言うな〜〜♪」 妙に機嫌よくガウリイはリナに賛同し、面白そうに大笑いする。 「・・・リナさん・・・・・機嫌が悪いんですね・・・はううう・・私・・リナさん のお父様に・・叱られますわ・・はううううう・・・・・・・」 客観意見とも主観意見とも取れる言葉を残し、ショックのあまりその場に失神する シルフィール・・・・。 「ま・・何時もの事ですし。アタシは慣れてますよ!ゼルガディスさん!」 「・・・そんなモンに慣れたらおしまいと思わないのか・・?お前?」 的確にアメリアのボケに突っ込みで返すゼル。 「あああああああああああ〜〜〜!!もう!!なんて事言うんですか!貴方たちはあ あ!!ガウリイさん!音楽について無知な貴方にそんな事言われたくないですよ!さ あ!!バロック音楽の真髄について答えてください!歌劇について、さらには近代の クラシックについて!!さあ!さあ!!」 何やら逆上しまくったからだろうか・・? すっかり自分から辞職したくせにガウリイの家庭教師時代の癖が蘇り・・。 何やら難問を思いっきりガウリイに吹っかけるゼロス。 「・・・リナぁぁぁ・・・・・(涙)」 小声ながら『音楽について』なんてこれっぽちも知識が無かったのだろう・・。 リナに助けを求めるように泣き付いて来るガウリイ・・・。 だが、しかし。 そんな最中でもリナは慌てず、騒がず、そしてキッパリと・・・・・・・。 「御免、アタシ、音楽と技術工作だけは昔から大嫌いだったのよ」 何やら訳のわからない返答をしてみる。 しかし、その回答はハッキリとゼロスには聞き取れたらしい。 「ほおおお・・そ〜ですかあ・・これまた。素敵な弱点を聞かせて戴きましたねね え〜。リ・ナさん!!」 よっぽどリナとルナの姉妹には煮え湯を飲まされ続けたのだろう。 これこそ『我が意を得たり』と言わんばかりに微笑みながらリナとガウリイの席の方 に詰め寄ってくるゼロス・・・。 「ま〜ね。技術工作は手ェ切ると嫌だし。音楽って大概『移動教室』だったじゃない ? アタシあの教室にある『呪いの肖像画、学校の七不思議』が大嫌いでね。いっつもこ の授業は小学校のときからばっくれてたのよ。文句ある?」 ・・・・・・・完全に撃沈されたゼロスだった・・・・・・・・・・・。 かくして・・・。今回の議会はガウリイを『皇帝』の候補の一人にする。 その事が決定されたのだった。もっとも・・・・・。 他にもまだまだ敵対すべき『候補者』はいる・・のだが・・・。 「で、これからど〜するんですか・・?リナさん・・」 倒れたままのシルフィールを一応医務室に置いてきて・・・・。 無目的に歩いているという訳では無さそうなリナに従いながらアメリアが聞く。 「ン・・今からローマに行くわ・・・」 唐突、といえば唐突過ぎるリナの言動にさしものアメリアも言葉をなくす。 「オイオイ・・・リナ・・お前さんが前々からあったかいローマに憧れてることは 知ってはいたが・・・」 ガウリイもガウリイで困惑が隠せない様子である。が・・。 「いや。ガウリイ、アメリア。リナには考えがあっての事だろ。『皇帝』と言えば戴 冠するばしょうは大昔からローマと決まっている。そして・・・・。グスタフ・・。 スウェーデンの王室とも少なからざる関係がある・・・。そうだろ?」 「ええ、ゼル。かのグスタフ・アドルフの娘。スウェーデンのクリスティーナ女王は スウェーデン王位を退位し、そしてローマに移り住んだ・・。一寸違うけど・・。全 ての道はローマに通じるってね!」 憧れの土地、と言うこともあってだろうか。 寒い、北国のスウェーデン生まれのリナは妙に嬉しそうな様子だった。 カステル・サンタンジェロ。 聖天使城などという名を冠する中世の姿を残したままの石造りのその建物。 しかし、そこはルネサンス時代では城砦にして牢獄。 畏怖の込められた土地でもあるのだった。 「決着の時は来たわね・・・・・・・・・」 そっとサンタンジェロの城の城壁に佇みリナは呟くのだった。 「リナ、何処行った!!リナ!!!!!」 ローマに到着した途端、リナの姿が見えなくなった。 このローマでは柔らかな赤っぽい髪、透けるように色白の肌、華奢な雰囲気に赤い 瞳のリナは否応無しに目立ってしまっても不思議は無いのに影も形も見当たらない。 「・・・ったく・・・何処に行ったんだよ・・アイツは!!!」 そんな事をガウリイが考えていたその刹那・・・・・。 不意に後方から凄まじい殺気が走る!!!? 咄嗟にココがフォロ・ロマーノの丘、古代の遺跡の群れの地であることを利用し、 さっと身を捻るガウリイ!! ずだあああああああああああああああああああああんんんんん・・・。 白い大理石が弾丸によって砕かれる!!? 「ったく・・文化財を何だと思ってるんだ・・?あいつ等・・・」 自分が狙われている、という実感すら篭らない台詞を吐きながら近くに潜伏していた 敵の一人を背後から気配を消し、思いっきり殴りつける!! ドザ・・・・・・・・・。 思った以上にあっけないかな・・・・。 その一撃を皮切りに次々に襲撃者を倒していくガウリイ!! 残るは・・・恐らく少年であろうか・・・? しかし、中々に身の軽い、彼の一撃を軽く受け流す一人のみ・・か・・・。 ただそれだけだが・・・・。妙に胸騒ぎがする・・・・。 そんなガウリイの一瞬の隙をついて・・・最後の襲撃者の一撃が軽くながらガウリイ の鳩尾に入る!!! 「・・・・リナ・・・・・・・????」 真坂・・とは思っていたが・・・・・・・。 「・・・バレちゃった・・・か・・・・」 ふう・・と今まで髪の毛を覆っていたキャップ。そして顔を隠していたサングラス をリナは取り去る。 「・・ああ・・・・・・・・・・」 あくまでガウリイの声は沈痛で・・暗い。 「ま、アタシは格闘技に秀でている事は貴方も聞いたし・・。そっちでバレるかな? とは思っていたけど・・。真坂一寸近づいただけでバレちゃうとはね・・・」 リナの声からは彼女が不機嫌なときと同様、やはり感情が読み取れない。 「何で・・・・・」 疑問をいうよりも早く、リナが口を開く。 「貴方はハプスブルクの人間、アタシはグスタフの血をひく人間。それだけ。 それだけよ・。何か・・それに疑問があるの!!?」 苦笑・・それとも自嘲なのか? リナは薄い微笑みすら浮かべながらそうガウリイに呟く。 「・・・リナ・・・・???」 ならば、今まで自分は黄色のダイヤモンドを取り戻すためだけに。 利用されていただけだと言うのだろうか? ましてや抹殺をしようなどと・・・・・。 「無論、貴方を皇帝に選出させようとしたのも意図的よ。皇帝にはアタシがなるわ! !貴方は・・アタシから敵陣営の注意が逸れるための囮。それだけよ?文句ある?」 更にリナは冷たい微笑を浮かべながらガウリイに言う。 「・・・・・リナ・・・・・・・・・・・・・・・・」 怒ることすら・・自分を呪う事すら今のガウリイには出来ない。 「これで・・・終わりよ・・・・・・・・・・」 ふっと伏せた視線をリナを直視するために正面にあげるガウリイ・・・。 その刹那。 目の前につきつけられる銃口・・・・・・・・・・・・・・・・。 「・・・そう・・・だな・・・・」 利用されていただけ、か。 『ハプスブルク』の名。そしてあの剣。 すべてから逃げたかったが故に・・。そして・・・・・・・・・・。 「リナ・・・・・・・・・・・・・・」 ガウリイが何かを言おうとしたその刹那・・・・・・。 ズダアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンン!! !! けたたましい銃口がフォロ・ロマーノの丘に成り響き・・・・・・。 「・・・・・・・終わったわね・・」 ふっとリナは軽くため息をつきながら立ち上がる。 足元には・・金色の髪を揺らしながら地面に倒れたままのガウリイ。 ・・・まったくもって・・観念をしたような・・落ち着いたような・・。 それでいて別のところには絶望の色を漂わせた顔・・・。 それを暫し眺めつつ・・しかし、やおらリナは足に全身全霊の力を込めて・・。 「こら!!とっとと起き上がりなさいよね。この呆けクラゲ!!」 言うが早いかリナは思いっきりガウリイの金髪を蹴り上げる!! 「・・・つ・・いってええええ・・ううう・・リナ・・酷いぞ・・。 耳が・・痛い・・・・・・・」 「ま。あの至近距離で思いっきり銃声きゃぁね・・・」 何処か遠い目をしながらリナはガウリイを睨みつける。 「で、これでご満足!!?」 ガウリイをにらみつけた視線そのまま、しかし、焦点をずらしつつリナは何処かにガ ン飛ばし、思いっきり大声で怒鳴りつける!! 「・・ま、馬鹿娘のサル芝居にちゃ・・・上出来だな。なあ、ガウリイよ!」 ニヤリ、と突如現れた黒髪の男・・・・。 「あ!!!!」 それは何時しかガウリイのであった事のある・・・・。 「アンタ!!トイレで俺の前に割り込んで『かてぇ事言うな!!後でおごるからよ !』とか言って散々俺の事引きずりまわした人!!!」 黒髪の男を指差し・・・ガウリイは突如情けないことを言う。 「・・父ちゃん。ま〜〜った何時もの悪癖出したわけ・・・・」 ジト目で父親を見遣りつつリナはこの男の過去の経歴を暴露する・・・。 「ま、そ〜ゆ〜訳だ。ガウリイ、お前を『皇帝』に選出する準備は整ったぜ。今の襲 撃は・・」 まったく・・・。 だからショックだったんだ!!真坂この男の娘とは思わなかったが・・。 リナが目的の為に一時的とは言え刺客の真似事をして・・『ガウリイで遊んでいる』 と直感的に分かったからだ・・・・。 「ガウリイを狙った奴はアタシが致命傷にならない程度に撃ったわ。だから・・・。 そいつが判明すれば簡単に潰すことはできるわ」 ニッコリ微笑みながらリナは父親とガウリイに言う。 別に意に染まらない事に執着する必要はないわよ・・・。 あんな一族の証、棄てたければ棄てれば良い。 断ち切る事も勇気だよ・・・っと・・・・・。 かくして・・・・・。 光の剣はリナのオヤジさんが適当に売りさばいたそ〜だ・・。俺は・・・。 「おら〜〜〜!!皇帝のアンタが居眠りしてど〜すんの!!!」 リナの絶叫が何時も傍らで聞こえる。 『皇帝』とかしずかれる事もなかなか楽しいかもしれないが・・。 こうしてリナの隣に居れる。 それが・・・今のガウリイの一番大切な事であった・・・・・・。 例えソレが「闇」の世界であっても・・である。 (お終い) |
15094 | 素朴な疑問なんですが・・・ | P.I E-mail | 4/25-00:46 |
記事番号15077へのコメント CANARUさん、こんばんは〜♪ さて、タイトルでも言ってますが・・・ リナ父、ガウりんの一体どこを見込んで皇帝に選出しよーなどと思ったんで しょーね!?(爆笑) ま〜『暗く薄きったない“闇”の世界に新風を!!』とかゆーイミでなら ある程度はその目的を達したと言えるのかもしれませんが・・・・ ラストのガウりん&リナちん、あれじゃまるっきり“クラゲ総理とその秘書” ぢゃないですか〜!!(^0^) 「くぉら、ガウリイ!寝るな!起きんか〜いっ!!」(スッパーーーンッ!!) リナちんのストレスはガウ相手に集中的に発散されるよーになり、以後会議の 流れがスムーズに。 「うんうん、俺の目に狂いはなかったな♪」(リナ父) 今後は表より賑やかな裏社会になりそーですね(笑) 連載お疲れ様でした! 次回作も楽しみにしてます。それではまた〜♪ |
15100 | 野生の直感ですね! | CANARU | 4/25-18:37 |
記事番号15094へのコメント >CANARUさん、こんばんは〜♪ >さて、タイトルでも言ってますが・・・ >リナ父、ガウりんの一体どこを見込んで皇帝に選出しよーなどと思ったんで >しょーね!?(爆笑) ははは〜〜(汗) ここはやっぱり「類は友を呼ぶ!!」(略して類友!!) リナ父ってば「野生の直感!!」でガウリイを選んだのかもです〜!! ちなみに自分が立候補しなかった理由は・・・。 「面倒くさいから!」に決定です〜♪ >ま〜『暗く薄きったない“闇”の世界に新風を!!』とかゆーイミでなら >ある程度はその目的を達したと言えるのかもしれませんが・・・・ >ラストのガウりん&リナちん、あれじゃまるっきり“クラゲ総理とその秘書” >ぢゃないですか〜!!(^0^) ですねえ〜〜〜〜!! やっぱり新風には補佐が絶対不可欠ですねえ〜〜!! さてさて・・クラゲ皇帝の今後の活躍はって!! 言ってる傍から寝てます〜〜〜!! > 「くぉら、ガウリイ!寝るな!起きんか〜いっ!!」(スッパーーーンッ!!) ふふふ・・・。 まさにその通りですううう〜〜!! >リナちんのストレスはガウ相手に集中的に発散されるよーになり、以後会議の >流れがスムーズに。 ですねえ〜〜!! これでリナちゃん・・不貞腐れて妨害することもないでしょう! > 「うんうん、俺の目に狂いはなかったな♪」(リナ父) リナ父・・やっぱり苦労してたのですねえ〜〜! >今後は表より賑やかな裏社会になりそーですね(笑) >連載お疲れ様でした! >次回作も楽しみにしてます。それではまた〜♪ はい〜!! また近いうちに何か書きますね〜〜♪ では! |
15095 | お疲れさまですv | あごん E-mail | 4/25-01:40 |
記事番号15077へのコメント こんばんわvあごんですv 連載お疲れ様でしたv ちょっと世界史の勉強も出来て嬉しいです(笑)。 まー私はガウリナでハッピーならば全てよしっ!な奴なので、とんでもなく満足ですvv 裏社会に生きるガウリイ。 どーゆー裏になるのか興味深々です(笑)。 あと、お願いがあるのですが。 ぜひ、CANARU様に著者別リストを登録してほしいです!! 実は私、ドリームキャストなんですよ。 ですから過去記事から拾うのも一苦労で(とほり)。 宜しければご検討願えませんか? ではでは!あごんでした! |
15102 | ありがとうございました〜! | CANARU URL | 4/25-18:53 |
記事番号15095へのコメント >こんばんわvあごんですv >連載お疲れ様でしたv ありがとうございます〜! う〜ん・・学校さえ始まらなかったらもっと沢山書けたのに〜〜!! と最近の我が身を呪っていますが(苦笑) なんとか書きあがりました!! >ちょっと世界史の勉強も出来て嬉しいです(笑)。 ははは・・(汗) アタシもマニアの域からは今一つ出られないので・・・(汗) かなりアバウトでした〜〜(汗)申し訳無いです!!(汗) >まー私はガウリナでハッピーならば全てよしっ!な奴なので、とんでもなく満足ですvv わ〜い!! お仲間ですね!アタシもハッピーエンドが一番でっす!! >裏社会に生きるガウリイ。 >どーゆー裏になるのか興味深々です(笑)。 う〜〜ん・・・。 やっぱり・・毎日リナちゃんにどつかれ・・・・(汗) オヤジに絡まれてなステキな毎日だとおもいますわ〜♪ うわあ・・かなりいい加減です(汗!) >あと、お願いがあるのですが。 >ぜひ、CANARU様に著者別リストを登録してほしいです!! >実は私、ドリームキャストなんですよ。 う〜〜みゅ(汗) さしあたり自分でもどのくらい書いたか把握していないのが現状 だったので・・・(汗) 出切れば五月の連休辺りに時間を見つけて登録しますね!! さしあたり小説はホームページにも転がっているので・・(汗) お暇でしたら其方のほうも覗いてやってください! URL入れておきました! >ですから過去記事から拾うのも一苦労で(とほり)。 >宜しければご検討願えませんか? 暫く時間がかかると思いますが・・・(汗) 気長にお待ち下さると嬉しいです〜〜!! (大学まで2時間通学なので・・・休み中には時間をみつけてなんとかしたいです!!) >ではでは!あごんでした! ではでは!! ありがとうございました! |
15164 | 音楽っ♪ | ねじばな E-mail | 4/29-10:34 |
記事番号15077へのコメント いやっほおおおう! でたでたでたっ!おんがくっ!やっぱり答えられてない!けどやっぱり撃沈されたぞゼロス!おまえには家庭教師という誇りと自覚がないのかっ!? ・・・・ってまだ学生やってる私が言えたことじゃないけど・・・・ いやぁ・・・ちょっときになる光の剣の行方。と、お値段。 これをゼラス=メタリオムあたりが買って、ゼロスが見つけて卒倒なんてゆー リナ父のささやかな恩返し(仕返しともいう)があるのかないのか・・・? ガウリイの実家ではきっと大騒ぎになってるんだろーな・・・ というわけで、面白く読ませていただきました!また書いて下さい! まってますから! |
15190 | 音楽室はコワイです!! | CANARU URL | 4/30-11:00 |
記事番号15164へのコメント > いやっほおおおう! どうも〜〜!! コメント、ほんとうにありがとうです〜〜!! > でたでたでたっ!おんがくっ!やっぱり答えられてない!けどやっぱり撃沈されたぞゼロス!おまえには家庭教師という誇りと自覚がないのかっ!? ふふふ・・・。 ちなみにアタシもまだ学生ですが・・・。 小学校、中学校時代、音楽は大嫌いでした!! 理由は・・やっぱり「呪いの肖像画!!」が怖かったから!!でっす! >・・・・ってまだ学生やってる私が言えたことじゃないけど・・・・ ふふふ・・・。 ゼロスクン・・何故家庭教師になることを選んだのか!! きにかかる所ですね!! >いやぁ・・・ちょっときになる光の剣の行方。と、お値段。 >これをゼラス=メタリオムあたりが買って、ゼロスが見つけて卒倒なんてゆー >リナ父のささやかな恩返し(仕返しともいう)があるのかないのか・・・? ですねえ〜〜♪ ちなみに買い取ったゼラス様!! 事在るごとにゼロスクンを剣で脅す事は目に見えてますね!! で、リナ父は・・・「商品のお礼の手紙」を読んで大満足!!? >ガウリイの実家ではきっと大騒ぎになってるんだろーな・・・ ですねえ〜〜〜!! >というわけで、面白く読ませていただきました!また書いて下さい! >まってますから! ありがとうございました!! 早速昨日、また話投稿しました〜〜!! |