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15242 | クラゲ事件簿 | CANARU URL | 5/3-10:23 |
「枕草子」のと、ある一言でおもいついた話です。 「クラゲの骨なんんあり・・(だったかな・・?)」と言う個所ですが・・・。 う〜ん・・昔のことなので一寸忘れたかも・・ですね(苦笑) ************** 「あのお・・・・この本・・売りたいんですけど・・・」 「・・・・いや・・そうは仰いましても貴方・・そんなマニアックな上にボロイ本・・・誰も買う人なんて・・・・・」 旧赤の竜神邸宅付近のオンボロ書店・・・。 一見すれば単なるボロイ建物の古本屋だが・・・中身を見ればそうではない。 散らばる妖しげな骨董品に、恨みがましい視線で此方を向いている西洋アンティークのビスクの人形・・・。 何故かラピスを砕いて書かれたであろう、古代エジプトの壁画。 清朝か明朝あたりの大陸の壷。 さらには古代ローマからルネサンス・・・・インカ帝国、インドのアンティーク エトセトラ・・・・エトセトラな調度品が所狭しと並べられている・・・。 要は『ガラクタ専門店』だった・・・・(汗) 「あら・・・この私に逆らうというのかしらぁ・・・・・」 つ〜〜〜つ〜〜〜つ〜〜〜・・・・。 コレで何回目だろう?この金髪美女から訳の分からないものを強引に買い取らされて。 ハッキリ言ってソレが一度も売れた事は無い。 従ってここに所狭しと並べられている怪しい品々の元の持ち主。 すなわち、今、ゼロスに稲刈り専用の鎌を突きつけ、妖しげな平安時代の写本を売りつけようとしている彼女だった。 確か・・・旧貴族『慧婁』の家の一人娘にして女系相続人と聞いたが・・・。 兎に角、この店の「厄介な常連ブラックリスト」のかなり高位に記されている。 「・・・別に・・逆らうって訳じゃありませんが・・・あのお・・その稲刈り専用の鎌・・・引っ込めてくれません・・・?」 つ〜〜つ〜〜〜つ〜〜〜〜・・・・・・・。 更に汗を流しながらゼロスは視線をあらに方向に向けつつ話を逸らす。 田舎道、せみの鳴き声、草茂る、そんな最中の、寒気は何か・・・・・・。 「あ〜〜ら・・・なかなか素敵な短歌じゃないのお〜〜ゼロスちゃ〜ん」 逆効果だったのか・・。 金髪の彼女は更にグイっと稲刈り用の鎌と本をゼロスに突きつけてくる。 「・・・聞こえてましたか・・・・・・」 「ええ。ちなみに季語は『せみの鳴き声』ね?」 「・・・・・良くご存知で・・・あの・・稲刈り用の鎌・・引っ込めてくれません?」 「・・こ〜みえても国文科出身なのよ。あら・・?稲刈りの鎌はお気に召さなくて?こっちの方が思いっきり引いた時・・・草刈り用の鎌より足が吹っ飛ぶ可能性少なくてアタシは穏健っぽくて好きだったのに・・・。そう・・残念ね・・・・」 そういいつつ・・・金髪美女は刃にギザギザのある鎌を引っ込め・・・・。 「ひいいいいいいいいいいい〜〜〜〜〜〜〜・・・買います!!買わせていただきますうううううううう!!!!!!!!」 ゼロスの身に何があったか・・・誰も知らない・・・・・・・・・・・。 まったく・・・騙されたもんだ・・・・・・。 「偏差値中々、全寮制、冷暖房食事完備、図書館蔵書百万冊!!ついでに言えば特待推薦を受ければ学費全額免除!!」のキャッチフレーズに惹かれ・・・・。 受けてしまったこの大学!!! 成る程・・これらの条件だけ見ればなかなかのモンなのだが・・・・・。 「どおおおおおおおおしてこんなに田舎なのおおおおおおおおおおお!!!!」 リナの絶叫が通学途中の烏の鳴く山中に響き渡る。 「・・・・バスも一日に数本ですしねえ・・電車はワンマン、二両編成。ついでにいえば一日3本あれば奇跡・・・」 「・・・履修時間に丁度いいバスがなければ・・歩いて山の頂上まで通学ときたもんだ・・・。まあ、下見しなかった俺たちも馬鹿だがな・・・・」 アメリア、ゼルの文句も続いて噴出する。 「・・・・も〜〜〜いや!!今日は学校サボる!サボる!サボる!!」 山を頂上まで登るのに嫌気がさしてしまったためだろうか。 リナはでっかい石に腰掛、もうこれ以上進もうとはしない。 「・・・リナさん。それって悪です・・・さあ・・・授業に行きますよ・・」 かく言うアメリアの息も上がっている・・・・・。 「それに。ど〜せサボった所で。この辺りに娯楽なんて無いぞ。あると言ったら・・」 チラリ・・とゼルは山道の脇のほうにある・・かつて・・・。 平安末期に荘園が蔓延していたであろう時代、栄えた『赤の竜神』邸宅跡地。 其処に佇む一軒の薄汚ねぇ店を指差す。 「・・・・も〜このさい・・・なんだって・・・い〜〜わ・・・アタシは・・ばっくれる!ばっくれる!ばっくれるううううううう〜〜〜〜〜!!!!」 流石にここまで自暴自棄に走られては・・・。 そんなリナがあまりにも哀れになり・・仕方なくゼルとアメリアも付き合うハメ になったのだった。 「あの・・・・もう・・・何でもいいです・・・誰か。モノ・・買っていってください・・」 シクシクシクシクシク・・・・・・・。 数年ぶりのお客を目の前に半ば本屋ガラクタに埋もれ、泣きながらゼロスが一同に訴える。 「ゼロス先輩・・こんな所で何遊んでるんです?」 「真坂・・あんたにガラクタ売りつける趣味があったとはな。まあ、あくどい奴だとは思っていたが・・・・」 アメリアとゼルのあまりにもといえばあまりの言葉にますます負の感情を発散するゼロス。 「ねえ、ゼロス。これ。いくら?」 なにやらリナが持ち出したのは・・・・・・・・・・。 「・・・・クラゲ・・・・・・ですか・・・??????」 そう。 先程金髪のね〜ちゃんが押し売りしていった平安時代の本。 表紙に書かれた文字をアメリアが読み上げる。 「ああ。それですか。も〜引き取ってくださるだけで構いません。ボクはもう・・・疲れましたから・・・(涙)」 チラリとその本を一瞥し、疲れ切った声でゼロスはそう囁いた。 「一寸!!アンタ・・・って・・・誰も居ないのか?あるのは・・ガラクタだけかあ・・・。困ったなあ・・・」 ボリボリ・・・・・。 長い金色の髪を掻き揚げながらその人物は困り果てた声で言うが・・・。 「・・・ボクはココです・・・シクシク・・何の御用でしょう〜〜・・?」 恐らくかなりの長身なのだろう。辛うじてこの位置からでもゼロスは彼の姿を確認する事が可能だった。 「・・・・なあ、店主。こんなガラクタにかくれんぼして・・・楽しいか?」 ジトと蒼い瞳が軽蔑を含んで此方を眺めているのは気のせいだろうか? 「・・・そんな酷い事言わないでください!!今日慧婁様が・・リアカーいっぱいこのガラクタを持ってきてボクにうりっつけたんです!!で・・・お兄さん。御用は?」 「ああ。そうだった。悪いが・・・この本を探しているんだが・・・」 そう言いながら彼は懐から一枚の写真を取り出す。 「・・・・貴方・・・陰陽師・・・ですか・・・?」 散々金髪美女のあの人からこのテの怪しい資料は売りつけられている。 「おお!良く分かったなあ・・と、言っても俺まだ見習いなんだよ。でも・・・。俺の代でついに・・先祖代々探してたモンが見つかりそうでさ。態々京都から来たんだぜ?」 「・・・・困りましたねえ・・貴方・・・女子寮にいったら・・それこそ変態ですよ?」 「・・・へ・・・????」 「だから・・・。売っちゃやんですよ!」 ゼロスのその一言に金色の髪の陰陽師の青年は・・・・・・。 「えええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!こんな店の品物でも・・売れる事あるのかああああああ!!!!?」 と、あからさまな絶叫を本人の目の前(?)であげたのだった。 「リナさ〜ん。そんなモン買っちゃて。ど〜するんです?」 平安時代の絵巻本・・といえば聞こえはとっても素敵だろう。 しかし・・・実態は・・・・・・・・・・・・・・・。 「・・・・・クラゲの絵巻・・・・そんなモンど〜するんだ?お前は・・」 奇妙なものにはまあまあ目の無い方であるゼルもこれには呆れてしまっている。 「だってえ・・・なんっか欲しかったんだもん!このクラゲの絵巻物!!」 大和絵、と言うのだろうか? なかなか繊細で綺麗なクラゲの絵が所狭しと描かれている。 結局『ばっくれる』なんて大見得を切ったが田舎で立ち寄る場所も無く。 寮に帰るにしても、帰りのバスまでまだまだ死ぬほど時間があった。 仕方なく3時間目の授業にのみ顔を出し、今は寂れたバス停で帰りのバスを待っている始末、である。 ベンチに座り、リナは分厚い絵巻物のページを捲っていく。 今ひとつテーマはつかめないのだが・・・・なんっか他人とは思えない。 「あ、リナさん。このページ、何か挟まってますよ?」 「・・・ん・・・・?そういえば・・・・・」 しおりか何かだと思っていたがそうでは無いらしい。これは・・・・。 「・・・・扇の骨・・・・だな・。紙はまだ張っては無いな」 ゼルもやっと少しは興味を示したようにリナが手にした扇の骨を目にする。 「・・・これ・・一体何の・・・???」 なかなかの素材である事は目に見えているが、今ひとつそれが何かわからない。 「あ〜〜〜!!やっと見つけたぜ!!真坂こ〜んなお嬢ちゃんが買ってるとはなあ・・」 はあはあ・・・息を切らしながら此方に近づいて来るのは・・・。 「・・・・・・ミニクラゲ・・・・・・・・」 山道をピコピコ登り、リナの足元までひいこら言いながら近づいてくる。 ちなみにさっきなにやら喋ったのはこのコじゃあないらしいけど。 そう考えると・・このクラゲを操っている奴が何処かに居る!!? 冷静にリナがそう考えるのと相反し、ゼルとアメリアは完全に目が点・・である。 しかし、そんな事に構っている暇は無い!! 「一寸このクラゲ・・・つ〜か、式神操ってる奴!!出てきなさいよね!!」 未だにひ〜ひ〜山道を登り、リナの足元をとてとてと動いているミニサイズなクラゲ をひょいとリナは摘み上げる。 「あ、バレちゃったか・・・・」 ボリボリと頭を掻きながら現れる金髪の男・・・・・。 恐らくは陰陽師だろう。 「『バレちゃったか・・』じゃないわよ!アタシはね〜ちゃんに仕込まれてるから式に気付いたけど・・こんなクラゲさんとは言え。ウロつかれて好い気はしないわね!」 「そっか・・御免。お〜い・・戻れ!!」 なにやら彼が呪文らしきものを唱えると・・・・・・・・。 ボン!!!!!! ひょいとリナの指につままれたままだったクラゲが彼の肩に戻っている。 「・・・貴方もしかして・・ガウリイ・・ガウリイ=ガブリエフね・・・」 「え・・?俺・・もしかして・・有名人!!!」 いきなり名指しをされてしまったガウリイは思わずリナの方を思いっきり振り返る。 「知ってるも何も!!有名よ!!『何をやってもクラゲにしちゃう、超へぼ陰陽師!』ってええええええ!!!!!」 ズベ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ど〜してこう・・・しょ〜もない噂ばっかり世間に広まるのは早いのか・・・。 確かにその通りだが・・今日初対面の大学生にそんな事言われたくないぞ!! 目に涙を浮かべつつ、ガウリイは反論したそうな顔でリナを見遣る。 「・・・アタシはリナ。ど〜やらアタシに用事だったみたいだけど。どういう用件かしら?」 さしものガウリイも思いっきりコケて地面に突っ伏している所を年下の少女に轟然と見下ろされては面白いはずは無い!! 「・・・・・ブツブツ・・・・ブツブツ・・・・・」 呪文とも文句ともとれる言葉を低く呟くと・・・・・・・・。 「え・・・!一寸!何やったんです!!えっと・・・ガウリイさんでしたっけ!?」 リナが驚愕の声をあげるより早く、硬直状態から脱したアメリアがガウリイに尋ねる。 「ん〜♪口へらずのお嬢ちゃんに一寸俺の実力、思い知らした・・かな?とにかく。その扇子の骨、返してくれれば元に戻してやるけど?」 言って人の良いんだか悪いんだか分からない笑みをリナ・・・恐らく身長100センチになるかならないか・・・の彼女に向ける。 「一寸!!何したのよ〜〜〜〜!!このクラゲ!!」 ポカポカポカポカポカアアアアアアア!!!!!!!!!!! 怒りにかませながら「ピコピコ」と化したリナは思いっきりガウリイの足を殴りつける! が、ガウリイはひょいっとリナの手から扇の骨を奪い取り・・・。 「はい、コレは返却しましょうね。お嬢ちゃん。コレは大事な俺の家の家宝・・。やっと数百年の時を経過して見つけたぜ・・・『クラゲの骨!!』」 なにやら訳の分からない事を言いながら大事そうにガウリイは扇子の骨にハンカチを被せる。 「・・・・クラゲの骨・・・????」 「そ。俺にも良くわからんが。俺の一族はだいだい、クラゲの式神、陰陽術を使ってこの家宝を探していたんだ。や〜〜っと見つかったぜって・・あ、お前さん元に戻してやらんとなあ・・」 やっとのことでガウリイの大分下の方の地面でいじけたままの100センチにも満たないリナがイジケモードに突入している事に彼は気付く。 「・・・・・・・・・・・・・」 理解不能な言葉がつむがれ・・・・リナの周囲に何らかの力の干渉が生まれる。 が、しかし・・・・・・・・・。 「リナ・・・?お前・・・・・・・」 ゼルの素っ頓狂な声と同時に、力の干渉が晴れていくが・・・。 「あれ・・・おっかしいなあ・・・言われたとおりにやったのだが・・。あはは・・失敗しちまった。すまないな〜〜お嬢ちゃん。えっと・・リナだっけ?」 そう。 未だに足元でいじけたままのリナ・・100センチにも満たないピコピコなリナが ガウリイをひたすら睨みつけている!! 「アンタ・・・やっぱり三流だわ・・・・・」 尚もガウリイをジト目で見ながら抗議をするリナ・・・・。 「分かった・・分かった。そ〜責めるなって!俺が絶対元に戻すから!な、な!」 「当たり前だああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」 ピコピコになっても威力は落ちない蹴りがガウリイの前頭葉に容赦なく直撃するのだった。 「で・・ど〜してボクのお店にくるんですかあ・・・」 どたん・・・ばたん・・ドタン・・・バタン!!! 容赦なく荒らされて、破壊されていくゼロスの店! 「この汚い店なら!何か参考になる文献があるかもしれないからです!!」 折角整頓した書籍やアンティーク、骨董品をひっくり返しながらアメリア。 「しっかし・・何処から掻き集めるんだろな?この変な品物の数々・・」 これまた本を読み進めながらゼルが呟く。 「・・・・心配するなって・・。力仕事なら任せろ!」 ガウリイの連れてきた式神のクラゲを肩に乗っけたまま、不満そうな目で此方を見上げてくるピコリナにガウリイは自信満々にそう告げる。 「・・・論点が・・違ってる・・・」 クラゲの頭をいじくりながらリナは更にジト目でガウリイに文句を言う。 「こらこら・・クラゲを苛めるなよ・・・」 そっとリナから逃げ惑うミニクラゲを取り上げ、ガウリイは再度調べ事はゼルとアメリアに任せ、自分は力仕事に専念する。無論・・リナとしては・・・。 「何よ!何よ!何よおおおおおお!!!!」 突如の災難にしか過ぎない出来事、しかもクラゲ頭のこの鷹揚さ!! 不貞腐れながら自分自身、目の前に置いてあった本の山から妙な本を取り・・・ って・・・・ええええええええええええええええええ!!!!!?? 視線の高さでしか考えていなかった!!! 今『積み上げられた本』の一冊を無意識に抜き取ったせ〜で・・・。 上方にあった本が見事に崩れ落ち、此方に落っこちた来る!!???? ぎえええええええええええええええええええええええ!!!!? 音も無く崩れてくる本に・・声にならないリナの悲鳴! が・・・・・・・・・・・。 ひょい・・・・っと体が知らないうちに浮き上がり・・・・。 「・・・・・ガウリイ・・・?」 「気をつけろよ。ったく。ま、俺のせいでもあるし・・絶対に元に戻る方法探さないとなあ・・」 見事にガウリイに抱えられリナは危機を回避し・・・見事にガラクタに埋もれたゼロスに向かってほんの山は崩れたのだった。 「甘いお菓子に、甘いミルク!ついでにメロンにフランスパン!!」 「へ〜〜〜い・・・・」 大方のめぼしをつけ、ゼロスの店から本を持ち出したガウリイだが。流石にこのままリナを寮に連れて帰るわけにも行かず。 いく宛ても無く田舎町をさ迷い・・そしてリナのリクエストの食品を抱えて歩くハメになった。 田舎のベンチ・・既にせみの鳴き声は聞こえず。 夕闇に僅かにシ〜シ〜と軽い虫の声が聞こえてくる。 「・・・・田舎だな・・・・・」「田舎よ・・・・」 ガウリイに買ってもらったフランスパンを頬張りながらリナ。 既に路上販売されていた高級なメロンはリナのおなかの中である。 「・・・・・・リナ・・・・」「何よ・・・・・・・・」 既にフランスパンもリナは食べ尽くしてしまった様子である。すっかりリナはこんな座っているだけの状態に飽き、嫌がるクラゲをガウリイから取り上げ、なにやらムニムニやって遊んでいる。 「そろそろ元に戻る頃だ・・・・・」 なにやら昔の日時計のような小道具を取り出し・・最後の夕日が沈むのと同時だった。 ・・・・バン・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 軽い音と同時に、リナの姿が元に戻ったのは・・・・・・・・・!!!! 「一寸・・・ど〜ゆ〜事よ!!!!!!!」 何が何だか訳が分からず、リナは未だに隣で日時計を見詰めたままのガウリイを問い詰める! 「いや。俺の術が失敗したのも事実だが。このクラゲの骨が全ての術を夕暮れ時には解除してくれる。その事を今思い出したんだ。ま、これは俺の一族伝来の秘宝だし・・」 いいながらガウリイは骨だけの扇をリナの目の前に見せ付ける。 「・・・早く思い出しなさいよ。そ〜ゆ〜事は。このクラゲ!!」 機嫌悪くリナはそう答えては見るものの・・。まともにガウリイを直視できない。 「・・・そう怒るなって。今日リナと一日、すごく楽しかったしさ!!」 ・・・サラリと言いにくいようなことを言うな!!!!!!!!!!!! 「で、そのクラゲの骨の扇!『紙』は張らないの?骨だけじゃ不恰好よ!?」 後生大事にしている割にはそ〜ゆ〜事には気が回らないらしい。 話を誤魔化すかのようにリナはそう言って顔をガウリイから背ける。 「・・・・ああ。一族の伝説によると・・・。ソレは・・・・自分の好き勝手な『象徴』使っても良いらしい。だから・・・・」 一瞬にして嫌な予感がリナの頭に過ぎる!! 「アンタ!!アタシが日暮れまで『ちびリナ』で居るよ〜に!!印を書いた扇子の紙張り付けたわね!!で・・・一寸前にそれを処分したんでしょ!!!!!」 「あれ〜?バレちゃった???」 ボリボリと頭を掻きながらガウリイ。 「当たり前よ!!!何考えてるのよ!この呆けクラゲ〜〜〜〜〜!!!」 「ま、良いじゃないか。これからもよろしくな!リナ!!」 「しるかあああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」 リナの絶叫を背に、笑いながらガウリイはその場を後にする。 無論・・これからも毎日顔をあわせるつもり・・・だが・・・。 「なあ・・慧婁の姉貴。本当に彼女だったんだなぁ。前世なんか信じちゃいなかったが・・」 運命・・・ついでに言えば姑息な手段(苦笑)を伝授した・・・・。 気配をワザト漂わす覗き魔にガウリイはこっそり言う。 「そう言う事・・。せいぜい。クラゲの骨を見つけたように頑張りなさい。ガウリイ」 そんな声がガウリイ、そしてリナの耳にも聞こえたような気がした。 |
15247 | 式神クラゲぷりちぃ♪ | P.I E-mail | 5/3-23:40 |
記事番号15242へのコメント CANARUさん、こんばんは☆ 「クラゲ事件簿」・・・前にもこのタイトルあった気がしましたけど・・・ シリーズものかと思ったら違いましたのね(笑) 陰陽師ガウ、せっかくの力を女の子口説く(?)のに使うとは・・・・ まさにクラゲくんですね〜(^^;) これから毎日大学まで送り迎えの山登りですか?気がつけば学生のフリして ちゃっかり学食でお昼食べてたりして(笑) それにしてもエルお姉さまって何者!?ガウリイをリナと引き合わせる それだけのためにこんなお膳立てをした・・・・ハズありませんよね。 シュミのゼロスいぢめと一石二鳥を狙ったとか(笑) あ、わかった!あの古本屋の店長は部下Sで、エルお姉さまにいぢめられる余り、 バイトのゼロスくんに店を任せ、自分はどっか旅に出てしまったのでは!! (また勝手な想像を・苦笑) 姑息ガウがなかなかステキでした〜。また書いてくださいませ♪ それでは! |
15256 | 枕草子バンザイ〜♪ | CANARU URL | 5/4-11:21 |
記事番号15247へのコメント >CANARUさん、こんばんは☆ >「クラゲ事件簿」・・・前にもこのタイトルあった気がしましたけど・・・ >シリーズものかと思ったら違いましたのね(笑) はい〜! 何故かま〜たこのタイトル、使ってしまいました〜〜!! う〜みゅ・・「枕草子!」恐るべしデス!! >陰陽師ガウ、せっかくの力を女の子口説く(?)のに使うとは・・・・ >まさにクラゲくんですね〜(^^;) ですねえ〜〜(汗) しかもそのほかの「陰陽術」はからっきし三流!! 家族にも「修行にでてこい〜〜!!」といわれてる始末だったりします!! (で、パートナーのクラゲさんと諸国漫遊〜♪) >これから毎日大学まで送り迎えの山登りですか?気がつけば学生のフリして >ちゃっかり学食でお昼食べてたりして(笑) ありえます!! しかも京都の都会育ちのガウリイ〜! 「田舎の食材は良いもの使ってるなあ〜♪」とか感想漏らしていそうです! >それにしてもエルお姉さまって何者!?ガウリイをリナと引き合わせる >それだけのためにこんなお膳立てをした・・・・ハズありませんよね。 >シュミのゼロスいぢめと一石二鳥を狙ったとか(笑) ビンゴですうう〜〜(汗) ああ・・ゼロス君、すっかりL様の営利目的に使われてます〜〜!! >あ、わかった!あの古本屋の店長は部下Sで、エルお姉さまにいぢめられる余り、 >バイトのゼロスくんに店を任せ、自分はどっか旅に出てしまったのでは!! >(また勝手な想像を・苦笑) ははは〜〜!! ありえます!!今ごろ部下S!!大学の在る田舎町からさほど離れていない S県、S市の田舎の県道沿いのコインランドリーで・・・。 一人寂しく洗濯しているとおもいます!!(なんだかなあ・・?しかし・・・。 S市って・・一体・苦笑) >姑息ガウがなかなかステキでした〜。また書いてくださいませ♪ >それでは! では〜〜!! 枕草子バンザイでっす! |