◆−ever free(14巻ネタバレ)−モルル(5/19-21:33)No.15493
 ┗はじめまして−一坪(5/20-08:24)No.15520
  ┗Re:はじめまして−モルル(5/20-14:40)No.15532


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15493ever free(14巻ネタバレ)モルル 5/19-21:33


 14巻のあのシーン後です。
 某歌姫の歌がぴったり合う! と思ったのでつい書いてしまいました。
 短くてしかも暗いです。


ever free

 それはとても晴れた日だった。

 
 セレンティアの町外れの墓地に、幾つかのの人影があった。
 背の高い金髪の青年、マントを付けた栗色の髪の少女、そしておそらくは司祭か神官であろう男。
 一輪ずつ小さな白い花をたずさえて立つ彼らの前には、掘られた穴と、白い棺。

 少女はそっとかがみこみ、棺をひらく。
 銀髪の女が、穏やかに眠っていた。

 けれど彼女が目覚めることはもう二度とない。
 花を添えようとして偶然触れたその頬の冷たさは、彼女が永久の眠りについているのだと物語っていた。
 少女は幾つか言葉をかけると、立ち上がって後ろに下がった。
 青年と男が同じように花をそなえ終わると、少女は棺を再び閉じる。
 ゆっくりと、今生の別れを惜しむように。

 青年は無言のまま、棺を穴の中に下ろす。
 少女はそれをただ見守る。

 そして。
 三人は、両手に抱えた土を棺へとかけてゆく。
 白い棺は見えなくなり、やがて穴は完全にふさがった。
 それでも三人はその場を動こうとはしなかった。
 
 しばらくして、青年が少女の肩に手をおく。
 少女は小さくうなづいて、彼の大きな手に自分の小さな手を重ねた。
 彼のぬくもりを確かめるように。
 
 
 それはとても晴れた日――




 葬列には並べずに
 ただ遠くからそれを見ていた
 少女が添えた花の横には
 眠る彼女がいるのだろう

 白い棺が見えなくなって
 顔をあげた
 いつか一緒に見たはずの空を思って 

 彼女がこれから行く先は
 どれくらい遠いところなのか
 もう二度とは戻れないほど
 遠いところなのだろう
 
 幸せな時間に別れを告げて
 己のこれから辿る道を思う

 己がこれから行く先は
 どれくらい暗いところなのか
 もう二度とは戻れないほど
 暗いところなのだろう
 
 あいたくてあえなくて
 せめて伝えてほしい
 今までくれた思い出
 そのすべて忘れないと




 

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15520はじめまして一坪 E-mail 5/20-08:24
記事番号15493へのコメント

えっと、はじめましてですよね?
もし違ったらすみません。

せつないですねー。
一言のセリフもなく淡々とした文章で、よりいっそう切なくなりました。

ところで某歌姫って誰なんでしょう?
気になります。


そんなわけで投稿ありがとうございました!
よかったら、また投稿してくださいね。

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15532Re:はじめましてモルル 5/20-14:40
記事番号15520へのコメント

 むか〜し昔に、別の名前で投稿したことはありますが……初投稿ってことで(笑)。
 某歌姫というのは○崎○ゆみです。タイトルもそのまま『ever free』ですが、製作者の意図により歌詞が公開されていないので聞き取りました。
 少し歌詞をいじったのですが原曲はもっと切ないです。
 レスありがとうございました。これからも機会とネタがあれば投稿させていただきます☆