◆−闇の後に・・・第五すてっぷ 〜答えを出すのは彼女〜−風林みつき(5/22-23:49)No.15577
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15577闇の後に・・・第五すてっぷ 〜答えを出すのは彼女〜風林みつき 5/22-23:49


こんばんはさね。みつきさね。
新作やりたい、新作やりたいと叫び続けておりますが、忙しくなって、部活終わって帰れば六時。その後宿題やってで全然これませんでしたさねよー・・・。
予定では、やみあとは後三すてっぷぐらいですさね。なるべくはやいうちに終わらせるっさね。

前回からだいぶ日にちもたって、本人すら忘れかけてた、第五すてっぷ。みなさまのお口にあえば幸いですさね。



『闇の後に・・・』
第五すてっぷ
〜答えを出すのは彼女〜


「・・・どーすんだよ」
最初に口を開いたのはヴァル兄だった。

―――あのあと、結局フィリア先輩は忘れた帽子をとりに戻ってきていたようで、そのとき偶然あたし達の会話を聞いてしまったようだった。そのあとフィリア先輩は慌てて落ちたかばんを拾い上げて走り去っていった。
帽子を残して―

「どーするって言われてもなぁ〜・・・ずずずっ・・・ず」
のんびりとした口調で、ソファにゆったり座って麦茶をすするガウリイ先輩。
あたしはホントにこの人の器大きい、と、常々思っている。―いや、あたし達の中では彼が一番まだ関わりが浅くて、事の重大さを理解していないだけなんだろうけど・・・。
「今、ここで麦茶すするのだけは、やめれ。頼むから。
雰囲気崩れる」
「ところで、前々から思ってたんですけど、どうしてここの人って、麦茶を『飲む』じゃなくて、『すする』って言うんですか?」
ルーク先輩の発言から、ミリーナ先輩は真顔であたしたちに向かって問いかけてきた。思えばここから既に話しは脱線していたのかもしれない。
ミリーナ先輩の質問に、ゼロス先輩が、
「ただの作者の意地らしいですよ。この前、表で力説してましたからねぇ。
 そういえばアメリアさんもその場にいませんでしたっけ?」
答え、そのままアメリア先輩へ―
あー・・・脱線してるぅ・・・。
「ええ。いましたよ。
 あ。あとですねー、いい加減に、騙され続けていた『麦茶』を『うーろん茶』に変えないのも、小さなプライドからだそうです。でしたよね?ゼルガディスさん?」
さらにアメリア先輩は、ゼル先輩相手に言葉のキャッチボールを展開しようと・・・!
「お前ら、いい加減に話しを元にもどせ・・・」
言葉のキャッチボールは成り立ちはしなかった。ゼル先輩がため息まじりに話を振りだしに戻してくれたから。

「で―、どーすんだよ・・・」
再び、ヴァル兄が口を開く。―けれど、さすがに今度はもう誰も何も言わなかった。最初からあたしは喋っていなかったけれど・・・。
気まづい―――――沈黙―――――。

「あ・・・あたし、ちょっと行って来る!フィリア先輩ンとこ!!」
しばらくして―っていっても、一分もなかった―あたしは、勢いよく立ち上がると、フィリア先輩の忘れていった帽子を掴んで、走り出そうとした。
「リナ!?」
「あたし、迷惑かけるのヤだから!もう嫌だから!
 ちゃんと、話してくる!」
あたしは振り向きざまに、自分でも訳わかんないこと、早口でいうと、全速力で走り出した。
何だか、フィリア先輩に追いつける気がした。実際、フィリア先輩が出ていってからだって、数分ぐらいしかたっていないし、彼女は歩いているように思えた。根拠はどこにもないんだけれど・・・。
あたしはフィリア先輩の家まで行ったことがなかった。けれど、だいたいの場所はこの前本人から聞いた。
あたしたちの住んでいる所は街のはずれ。この街のさらに隣の村に家があるらしい。フィリア先輩はしょっちゅう、やって来るけど、家からビルまで、一時間近くかかるのだ。もうあたりは暗くなりはじめている。
急がないと!
あたしはスピードをあげた。


「フィリア先輩!!」
あれから、どれくらい走ったのか・・・。気付けば、あたりの景色は見覚えのないものに変わっていた。
あたし自身、ひどく疲れていたようだったけれど、あまり大した負担は感じない。
こーゆーとき、あたしの体は便利だ。
「・・・・・・リナさんっ!」
フィリア先輩は歩いていた。後ろ姿は哀愁も漂って、振り向いた顔は青白い。
正直あたしはおどろいた。いくら、普段普通に接していた人が暗殺軍の隊員、そんでもって、内一人は人じゃなかったからって(いや、おーごとさね byみつき)、これほどまでになるのだろうか・・・。
「フィリア先輩も・・・結局今までの人と、同じ態度をとるの・・・?」
「え?」
「あたしたちが・・・ほんの少し(だから『ほんの』じゃないってばさね byみつき)他と違ってるだけで、差別するの・・・?」
フィリア先輩は何も言わなかった。
あたしも、もう言う言葉が思いつかずに、それきり黙った。

―ポッ、ポッ、ポツ・・・ザァーーー・・・・・・・・・・・・
どれくらいの時がたったのだろうか。
都合よく雨が降り出した。
もうすっかりあたりは、暗くなっていた。
・・・どうしよう。ただ適当な方向を、走ってきただけだから、道が分からない。
「リナさん」
「!?」
あたしが一人、あれこれ考えていると、ふいにフィリア先輩が話しかけてきた。
顔色は、雨にうたれたせいか、さらに悪くなっていたけど、こころなしか明るい感じがした。
「わたしの父がだいぶ前に死んだことは知っているでょう?」
「知らない」
「あっ・・・そ、そうですか。いいませんでしたか・・・。とにかく、死んだんですっ」
どーでもいーけど・・・『死んだ』とか連発してもいいのかなぁ。せめて『亡くなった』とか・・・。
「それが何か?」
「わたしの父は・・・あなたたちの言う、独裁者の下で働いていました。そして、暗殺軍に殺されました」
「んなっっ!?」
正直、自分の耳を疑った。雨音でよく聞こえなかっただけだと思いたかった。
―だって・・・。
直接、あたしたちの軍じゃなかったとしても、当時は各地でいろんな軍が活動していた。配下にいた人物も随分殺したとか・・・。
あたしたちでなくとも、あたしたちと同じ、暗殺軍だったのには変わりない。
つまり、フィリア先輩にとって、あたしたちは親の仇にあたるのだ。
自分でも、ちょっと理不尽な気がするんだけど・・・。
・・・でも何だろう?妙にフィリア先輩が明るくみえてならない。怒鳴られるかと思ったのに。
「父は、無論のこと、自分が何をしているのか、家族には知られまいとしていました。でも、成長するにつれて、わたしは何となく、気付いていきました」
フィリア先輩は、独り言のように喋りだした。思いで話をするように、穏やかな瞳で・・・。
「わたしが、たまらなくなって父を問いただした時に聞きました。
 何でも、人狩りにも手を貸していたとか・・・」
人狩り・・・・・・。
あたしには、昔の記憶はほとんどない。けれど、『人狩り』―いい思いでだけはなかったと思う。
―いまだ大きな音をたてて、降り続ける雨が、より強く、痛く感じられた。

何も言わないあたしを無視して話しはすすめられた。
「一時期、わたしは父を軽蔑しましたが、本人が望んでやっていることじゃあないんだって分かったんです。当時のわたしはまだ考え方も幼く、父の気持ちも考えずに、一方的に責めていたりしましたが・・・。
 確かに、父は酷いことをしていたかもしれません。けど、わたしたち家族に対しては、とても・・・とても優しい父だったんです」
話し終えると、フィリア先輩は黙ってあたしを見ていた。
あたしの返事を待つように・・・。
「ごっ・・・ごめんなさい・・・」
何を言っているんだろう・・・あたしは。
「・・・ふふっ」
フィリア先輩はいきなり、にっこりと笑い出した。
どう反応していいか分からず、あたしが戸惑っていると―、
「謝らなくていいんですよ?最初、知った時には、やっぱり混乱もしましたけど・・・でも、父を殺されたことを恨むんじゃなくて、父を裁いてくれたことに、感謝したいと思うんです」
強い・・・人だなぁ・・・。
ただ、あたしはそう思うことしか出来なかった。あたしだったら、きっと感謝なんて出来ないから。
「リナさん。これからも・・・遊びに行っていいですか?」
強い・・・人・・・・・・。
「うんっ!」

―降り止まぬ雨は、気のせいか、少し優しくなった。


「送っていきましょうか?もう暗いですし、道だって・・・こっちの方に来たのは初めてでしょう?」
「うん。フィリア先輩、帰ったらもう遅いし、今日はビルに止まった方がいいよ。
 あそこ、部屋だけはたくさんあるから」
・・・・・・・・・・・・ん?ちょっと違和感が・・・。
この雰囲気はもしかして・・・フィリア先輩・・・あたしがマリオネットだってこと・・・気にしてないの?その話題が出てこないんだけど・・・。
ってことは、あたしがみんなに『迷惑かけるのやだ』とか言ったのは何だったの?
ま、まぁさっ、いーんだけどねっ。


―第五すてっぷ終―


あとがきゃー
我としては、何だかとっても久しぶりに長く書けましたさね。ただ先にも述べたように、前からだいぶたっているさねよ、出だしつながってないかもさね・・・(爆)。
次回はちょっち、ほのぼの系☆っつーより『嵐の前の静けさ』系☆そのあと、前後編的に最終回。そして新作の予定。あくまでも、予定。実際と異なっても、責任はとらないさね。
んっではー。

『尾張の織田さんもびっくり☆みつきのうつけ話』
第・・・何回目だっけ・・・。

みつきを裏切った人=嬉しいことに今回はいないのさね♪

中学入学直後にあった、実力テストが先日帰ってまいりやしたさね。自信のあった社会は、四教科の中で一番悪く、中でも面白くって情けない間違いが、『第二次世界大戦』を、『大二次世界対戦』と書いたものさね。

あと、そういえば、この前の『世界の人々のくらし』のテストの時は、『さばく』を『サバンナ』って間違えたさねなぁ〜・・・。

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15580レス付け初めてですが…(^^;)れい 5/23-02:07
記事番号15577へのコメント


 今晩和〜。初めてレス付けさせて頂きます。
 今までの全て読ませて頂きました♪
 麦茶は私も好きなんですよ。すすりは致しませんが(笑)
 緑茶や抹茶は熱くて…(猫舌)

 では、早速感想を。

 リナちゃんロボット(何か違)だったのにびっくりして帰っちゃったフィリアさん。
 でもアンドロイドとかマリオネットとかサイボーグ(ちょっと違うんですけどね、これは)とかでも、ちゃんと自己の感情、アイデンティティーあるのなら、それ程あんまり「キカイ」ってなカンジしないんですけどね。外見が「キカイ」的なものだとまた違って来るんですけどね。

 フィリアさん強い人です、私も絶対憎みはしても感謝出来ません。
 そんな彼女に乾杯★(謎)でもちょっと不謹慎かも(^^;)

 彼女は、もしかして「リナちゃんがマリオネット」ってコトより、「友人達が親のカタキ」ってコトにびっくりしたんでしょうか?こればかりは分かりません…。
 でもそれとも少し違いますし…いきなりな展開に驚いた、とか…??

 人狩り…かつて第2次世界大戦や沖縄戦の「ジャップハンティング」を思い出すのは私だけ?
 でもあれ、もし狩られる人間がアリとかだったら、小さな子供がアリ潰して遊んでる光景になるんですよねえ。


 何だか意味不明なレスになってしまいましたが、この辺りにて失礼させて頂きます。
 ではこれにて。
 かしこ。

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15631じゃっぷはんてぃんぐぅ?風林みつき 5/25-22:52
記事番号15580へのコメント

れいさんは No.15580「レス付け初めてですが…(^^;)」で書きました。
>
>
> 今晩和〜。初めてレス付けさせて頂きます。
初めましてさね。れーさんっ☆(←既に改造)

> 今までの全て読ませて頂きました♪
おお・・・あんな駄作にお目を通していただけたなんて・・・さね。
とにかくありがとですさね。

> 麦茶は私も好きなんですよ。すすりは致しませんが(笑)
でも実は我・・・某所であかしましたが、ついこの前まで『うーろん茶』を『麦茶』と信じ切って十数年の人生おくってたさね(爆)。
つーわけで、『うーろん茶』のが好きかな?

> 緑茶や抹茶は熱くて…(猫舌)
我も猫さね。

> では、早速感想を。
おうよ。かかってきてくんなましっ!さねっ!(謎)

> リナちゃんロボット(何か違)だったのにびっくりして帰っちゃったフィリアさん。
あーらら。

> でもアンドロイドとかマリオネットとかサイボーグ(ちょっと違うんですけどね、これは)とかでも、ちゃんと自己の感情、アイデンティティーあるのなら、それ程あんまり「キカイ」ってなカンジしないんですけどね。外見が「キカイ」的なものだとまた違って来るんですけどね。
難しい所さね。(←つまり何も考えてない)

> フィリアさん強い人です、私も絶対憎みはしても感謝出来ません。
> そんな彼女に乾杯★(謎)でもちょっと不謹慎かも(^^;)
かんぱーい。
つーか気にしちゃダメさね。つーか気にしないでさね。

> 彼女は、もしかして「リナちゃんがマリオネット」ってコトより、「友人達が親のカタキ」ってコトにびっくりしたんでしょうか?こればかりは分かりません…。
> でもそれとも少し違いますし…いきなりな展開に驚いた、とか…??
まぁ、そのへんの書ききれなかった部分は、今から投稿するやつにちょびっと入ってますさねなー。

> 人狩り…かつて第2次世界大戦や沖縄戦の「ジャップハンティング」を思い出すのは私だけ?
知らんさね(冷たく即答)。

> でもあれ、もし狩られる人間がアリとかだったら、小さな子供がアリ潰して遊んでる光景になるんですよねえ。
あぅ・・・我ってば、自然派(ふっ。HNを見るさね)だから・・・。
でも虫全般きらいさね(言ってること、ごちゃごちゃや)。

> 何だか意味不明なレスになってしまいましたが、この辺りにて失礼させて頂きます。
いえいえ。こちらこそこそっ。

> ではこれにて。
ういっす。
みつきでしたさねー。

> かしこ。
そーいえば、『かしこ』ってこの前の国語で初めて知ったさねよ・・・(むーいーみー)。

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15660闇の後に・・・第六すてっぷ 〜休みの日〜風林みつき 5/27-02:54
記事番号15577へのコメント

こっんばっんはー☆
昨日、初めての球技大会も無事乗り切り、さっさとやみあとを終わらせようとはげみまくる、みつきですさね(長っ)。

うっし。何時間かかるかは知りませんが(我って遅いから・・・)、やみあと第六すてっぷ。行ってみるさねよー。


『闇の後に・・・』
第六すてっぷ
〜休みの日〜


「―あ。やっぱり、また来てる」
ある日の朝。あたしがいつものようにポストをあけると、いつものように一通の手紙が入っていた。
あたしたちに住民票なんてものはない。―よって、ここに手紙を出せる人物は、一人しか、いない。
それすなわち、アメリア先輩の父親、フィリオネル=エル=ディ=セイルーンその人である。
アメリア先輩って、もともとは海外の良家のお嬢様だったんだけど、この国にうごめきまくる悪を倒さんと、海を渡ってきたすごい人。
それで、娘に会えないのが寂しくなったフィルさん(あたしたちは、そー呼んでる)は、しょっちゅう、手紙を書く始末。二日に一回くらいの割合でくるんだもの。
しかし!そこは金持ち、うらうしー!ただ投函したってここには届かないから、特殊部隊を使って、夜中のうちに直にポストに入れているのであるっ!!
・・・つーか、もちっと、別の所に金使えや・・・。


「アメリア先輩。手紙来てた」
「あっ。ありがと。リナ」
(『またか・・・』)
みんなが集まって朝食をとっている食堂に行くと、あたしはアメリア先輩に、手紙を手渡した。
すると同時に他のみんなは露骨にあきれた表情になる。それももう、慣れた。
一様に、アメリア先輩の方を見ると、すぐまた自分の皿に目を落とす。
今日の食事当番。ゼロス先輩だったんだけど、ただただ、『すごいもの』を作ったため、慌てて次の当番のミリーナ先輩が作り直してくれた。
そんな今日のメニューは、パンとサラダにみそ汁、麦茶。何だか変なとりあわせなのは、材料がそれを何とか作れるだけしか残っていなかったからだ。麦茶はいつもあるんだけど・・・。
「・・・・・・ねぇ、みなさん、今日なんか予定あります?」
手紙を受け取ってすぐに読み始めていたアメリア先輩が、ふいに声をかける。
「あいてるが・・・何故だ?」
ゼル先輩は麦茶をすする手を休めて聞いた。
「あの、父さんからの手紙に書いてあったんですけどね、それほど遠くないんですけど、近くに父さんの会社が経営してる里がへあるんですよ。ちょうど今だと、珍しい花とか咲いてて、すっごい綺麗らしいんです。せっかく咲いてるんだけど、父さん当分忙しくて帰って来れないみたいなので、わたしたちで楽しんでこいって。
 だから、今日はお休みだし、みんなで行きましょうよ!ね?」
「いいんじゃない?」
「俺はどっちでも・・・」
「僕は何も用事ありませんから」
「ふむ。まぁ、暇だしな」
「そうね。たまには外にでるのもいいと思います」
「ミリーナの行くところなら、どこだってついていくぜ!俺はっっ!!!」
「弁当、食えるんだよなー・・・。やっぱり」
とりあえず、みんな賛成のようだけど・・・・・・あれ?弁当ぉ?
何だっけ?
お弁当は何でだめなんだっけ?ぬー・・・回路の、故障なのかなぁ・・・思い出せぬ。
「ガウリイさん、お弁当は作れませんよ。さっき誰かさんのせいで、残ってた材料全部使うはめになりましたから」
おおっ!!そーだそーだ。ミリーナ先輩、ないす&せんきゅー!
「ミリーナさん!?せっかく僕が作った作った朝食を、勝手に捨てたのあなたじゃないですかっ!そぉれを何が『使うはめに』、なんですか!?」
あー。そーいえば『アレ』を作るのに、今日は張り切って、早起きしてたもんなぁ・・・。ゼロス先輩。
何だか惨めだぞ。
「てんめぇっ!!俺のミリーナになんくせつけてんじゃねぇよ!
 だいたい、あんなもん本気で、人にゃ作れねー」
「あなたのじゃないです」
「そーかぁー?結構うまかったけどなぁ」
「そうですよね?そうですよね♪」
「ガウリイ・・・ついに食べたのか・・・」
「わたしとゼルガディスさんが『絶対食べるな』って、何度も言ったのに・・・」
うあ。やな会話っ!参加したくねー。
「で・・・でさー・・・。どうすんの?結局」
とりあえず、あたしは、さりげなく話題変換を、試みる。
「んー・・・どーしましょ。やっぱりお弁当はほしいですよね」
「でも、今から買い出しに行くまでの時間は・・・ありますけど、店があいてません」
「助っ人を呼べばいいだろ」
「すけっと・・・?」
今まで一人、麦茶をすすり続けていたヴァル兄が言った。『助っ人』と―。
あたしは思わず小首をかしげ・・・ってあれ?フィリア先輩のことでしょ?助っ人って言ったら、フィリア先輩しかいないじゃない。一瞬、頭の中から抜けてた。

・・・やっぱり・・・。何か変だ・・・あたし・・・。

「リナ?」
「えっ?ああ、フィリア先輩のこと・・・だよね?」
他のみんなだって分かった顔してるのに、あたし一人、本当に知らないそぶりを見せたのを不審に思ったのか、ヴァル兄が心配そうな顔をあたしに向けた。
すぐに、ちゃんと答えたから、大して気にはしなかったみたいだけど・・・。
「フィリアだったら、ここまで来るのに時間がかかるが、まだ朝はやいし、充分だろう」
「そうですね。だいたいここから、店までだって、結構遠いですもんね。開店待ってたら、どうなることか・・・」
「同感」
「異議なし」
「だったら電話してくる」


「―で?つまり。わたしはあなたがたの、便利なアイテムその二ですか・・・」
「いや・・・なんとゆーか、まぁ、そんな感じ?つーか何故『その二』?」
一時間三十分後。
文句は言いつつ、完全装備でフィリア先輩はやってきた。なかなかに理不尽な人である。
「だいたいみなさん、もしわたしの家も食材きらしてたらするつもりだったんですか?」
「いや・・・それは話が続かなくなるから、ないかなー?とか思って」
「あっ。そぉですか・・・」
あきれを含むフィリア先輩を、あたしの言葉はさらにあきれさせた。
「―フィリアさん、来てくれたんですね!」
「おはようございます」
すっかり出かける準備を整えたアメリア先輩と、ミリーナ先輩が上から同時に降りてきた。
次々にみんな集まってくる。
「ほいじゃ、いくとしますか!」


「―って、もう着いてるんですかっ!?」
「まるで漫画なみの展開の速さですね」
「これでも一応、もう昼なんだぜ?」
「もう、だいぶ前から作者が寝たがっているからな。許してやれ」
「いろんな意味で、ホントに終わらせたがっているわけですね」
「なぁ、飯くおーぜぇー」
うあ。やな会話2(つー)っ!
・・・まぁ、それよりも・・・本当に漫画ちっくなら、間一髪『きれぇー☆』だのと叫ぶ人が必ずいるものだ。だがいない。一見、お嬢さんタイプのフィリア先輩でさえ、ただ見ているだけだった。
そう。時期はずれだったのである。思いっきり。
「まだ青いねー」
「『珍しい花』とか、なんとか言ってたな。やっぱり、海外からじゃ時差の関係とかで若干、情報がにぶってんだな」
「特殊部隊にお金かけすぎるからだよね」
そう。時期はずれの『里』は、緑木はきれいなものの、なんとも寂しいところだった。
みんなが変な会話を続けるのも、もしかしたら、現実を認めたくないからだろうか。
「あのぅ・・・みなさん。見てのとおり、することなさそうですし、お弁当にしません?」
フィリア先輩はおずおずと切り出す。

―無論。皆の答えはわかっていた。


「ぷはぁー。食った食った」
んで、さっそく終了。
「フィリアさんって、お料理上手ですよねー。うらうらしーですぅ」
「いえ。そんなことないですよぉ」
アメリア先輩にほめられたフィリア先輩は頬を赤くして身をよじった。
あたしは、ふとあることを疑問に思い、聞き出そうとした。
「ねぇ、フィリア先輩?
 どうしてこの前・・・あたしがマリオネットだって知った時、あんまり驚かなかったの?やっぱり、父親のことで混乱してたから?」
「・・・・・・!」
隣にいたヴァル兄が、少し驚いた顔をしたのがわかったけど、あえて無視して、フィリア先輩の返事を待つ。
フィリア先輩は、しばし、考えた後、
「そう・・・ですね。それも、あると思います。よく知った人達が、自分の父を殺した人達と同じ団体だったっていうのは、混乱しない方がおかしいと思います。
 でも、それだったら、後から悩むなりなんなりするはずなんですけど、何故か不思議と・・・自分でも自然に受け入れることができたんです」
あ・・・・・・・・・。
同じだ。この人の、今の笑顔は、この前の雨の日と同じ、安心する笑顔だ・・・。
『里』は時期はずれだし、まわりには、変な仲間ばかり。・・・だけど、このままがいいな。
この時のあたしは、そう想った―――

―第六すてっぷ・終―


あとがきゃー
今回も割と長めな方だったさね。でもちょい不満さね。特に最後の方。
でもいいの。だって眠いさね。
眠いっ!以上っ、あとがきゃー終わりっ!!
でうは、みつきでしたさね!

※つーかごめんなさいさね。
 今回、うつけシリーズはおやすみさねよ。